JP2679523B2 - 中空重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

中空重合体ラテックスの製造方法

Info

Publication number
JP2679523B2
JP2679523B2 JP10877092A JP10877092A JP2679523B2 JP 2679523 B2 JP2679523 B2 JP 2679523B2 JP 10877092 A JP10877092 A JP 10877092A JP 10877092 A JP10877092 A JP 10877092A JP 2679523 B2 JP2679523 B2 JP 2679523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
polymer particles
added
parts
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10877092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05279409A (ja
Inventor
英樹 任田
勝 甲斐野
幸雄 高岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP10877092A priority Critical patent/JP2679523B2/ja
Priority to US08/040,006 priority patent/US5360827A/en
Publication of JPH05279409A publication Critical patent/JPH05279409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2679523B2 publication Critical patent/JP2679523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空重合体粒子を含有
するラテックス(中空重合体ラテックス)の製造方法に
関し、さらに詳しくは、特に高いガラス転移温度を持つ
中空重合体粒子を含有し、残留臭気の少ないラテックス
を安定的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空重合体粒子を含有するラ
テックスは、水系塗料組成物または紙塗覆組成物等の用
途に用いられている。中空重合体粒子は、水系塗料の成
分として使用し、塗膜とした場合に、粒子中に重合体が
充填された重合体粒子に比べて、その内部が中空(空気
層)であるため、光の屈折率が大きく異なる空気と重合
体粒子との界面を多く有し、その結果、光の散乱が生じ
て、塗膜の不透明性や隠蔽性を増大させる。そこで、中
空重合体粒子は、隠蔽剤、あるいは不透明度、白色度等
の光学的性質に優れた白色顔料として利用されている。
【0003】また、中空重合体粒子を紙塗覆組成物の成
分として用いる場合においても、水系塗料の場合と同様
な理由により、塗工紙の不透明度、白色度等の光学的性
質を向上させる効果がある。
【0004】従来、中空重合体粒子の製造方法として、
例えば、特開昭56−32513号には、乳化重合にて
エチレン性不飽和単量体とカルボキシル基含有エチレン
性不飽和単量体を共重合させてシード粒子(芯部)を作
成した後、粒子表面層(殻部)を形成させるため、エチ
レン性不飽和単量体を用いてカバー重合を行い、重合終
了後、得られた粒子をアンモニア等の揮発性塩基にて中
和し、膨潤させて中空粒子とする方法が提案されてい
る。この方法では、芯部と殻部とで異なる重合体組成と
するために二段階にわたって重合を行うので、工程が複
雑になる。また、この方法では、シード粒子表面層にの
みカバー重合を行わせることが重要であるが、反応温
度、重合開始剤量、界面活性剤量などの制御が難しく、
多くの場合、新粒子が生成したり、シード粒子中の不飽
和カルボン酸の最終粒子表面への移動が伴ったりするた
め、安定して中空粒子を形成することが困難である。
【0005】特開昭64−1704号には、カルボキシ
ル基含有共重合体ラテックスに塩基を添加して該共重合
体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和し(塩基
処理)、次いで、酸を添加してラテックスのpHを下げ
ること(酸処理)により中空粒子とする方法が開示され
ている。この方法では、重合体粒子中のカルボキシル基
を中和させる必要があるが、中和に必要な塩基を十分に
重合体粒子内部に浸透させるためには、処理温度を重合
体のガラス転移温度(Tg)よりいくぶん低い温度から
それ以上の温度にして塩基の拡散速度を上げる必要があ
る。したがって、重合体のTgをあまり高く設定できな
いため、得られた中空重合体粒子を加熱乾燥工程を伴う
塗布組成物に用いた場合、十分な白色度、不透明度等の
光学的性質に優れた白色顔料とすることが困難である。
【0006】特開平3−26724号には、カルボキシ
変性共重合体粒子の重合時、あるいは重合後の塩基処理
の段階において、ラテックス中に有機溶媒を含有させる
ことにより、中空粒子とする方法が提案されている。こ
の方法では、酸処理後に、添加した有機溶剤の除去工程
が必要であり、しかも除去後にもなお有機溶剤の臭気が
残るという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
高いガラス転移温度を持つ中空重合体粒子を含有するラ
テックスであっても安定的に製造することができ、しか
も残留臭気が少ない中空重合体ラテックスの製造方法を
提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、カルボキシ変性共重合
体粒子の重合途中、あるいは重合後に、重合体単量体の
存在下で塩基処理を行い、次いで、カルボキシル基含有
重合性単量体を用いて酸処理を行って中空粒子を形成し
た後、系中に存在する未反応単量体混合物の重合を行う
ことにより上記目的を達成できることを見いだし、その
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、カルボキシ変性共重合体ラテックスに、重合性単量
体の存在下で、塩基を添加してラテックスのpHを8以
上とし、次いで、カルボキシル基含有重合性単量体を添
加してラテックスのpHを7以下にした後、重合を行う
ことを特徴とする中空重合体ラテックスの製造方法が提
供される。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明に
おいて用いられる共重合体粒子は、カルボキシル基を含
有していることが必須であり、カルボキシル基を含有し
ている重合体粒子であれば、その他の単量体組成は如何
なるものであってもよい。
【0011】カルボキシル基を重合体粒子に導入する方
法としては、カルボキシル基含有重合性単量体をその他
の重合性単量体と共重合する方法が好ましい。カルボキ
シル基含有重合性単量体としては、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸等の不飽和カル
ボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノ
ブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル等の不
飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;等を例示す
ることができる。これらのカルボキシル基含有重合性単
量体は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0012】カルボキシル基含有重合性単量体とその他
の重合性単量体とを共重合して共重合体粒子を含むラテ
ックスを製造する場合、カルボキシル基含有重合性単量
体の使用割合は、通常、全単量体混合物中0.1〜40
重量%の範囲とすることが好ましい。この使用割合が
0.1重量%未満では、塩基処理による重合体粒子の膨
潤が起こり難く、逆に、40重量%を超えると、重合時
に凝固物が発生し易い。この使用割合は、より好ましく
は、0.5〜20重量%である。なお、カルボキシル基
含有共重合体粒子のカルボキシル基の導入法として、上
記したカルボキシル基含有重合性単量体の共重合による
方法以外に、公知の共重合体の後処理によるカルボキシ
ル化によることも可能である。
【0013】本発明に用いるその他の重合性単量体とし
ては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン
等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル等の不飽和
ニトリル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等の不飽和(メタ)アクリル酸エステル単量体;ブタ
ジエン、イソプレン等のジエン系単量体;その他、ビニ
ルピリジン、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の前記
のカルボキシル基含有単量体と共重合可能な単量体が例
示され、これらは一種または二種以上で使用される。
【0014】本発明に用いられるカルボキシル基含有共
重合体粒子の製造に用いられる重合副資材は、公知の乳
化重合で使用されるものなら特に限定されず、各種乳化
剤、重合開始剤、キレート剤、電解質等各種の添加剤を
使用できる。
【0015】本発明において使用するカルボキシ変性共
重合体ラテックスは、通常、乳化重合法によって製造す
るが、他の重合法によって得られた共重合体を転相法に
よってラテックスとしてもよい。重合法は、特に限定さ
れず、回分式、半連続式、連続式等の公知の重合法が用
いられ、重合温度についても、高温、低温、いずれも選
択できる。
【0016】本発明においては、先ず、カルボキシ変性
共重合体ラテックスに、重合性単量体の存在下で、塩基
を添加してラテックスのpHを8以上とする(塩基処
理)。カルボキシ変性共重合体ラテックスは、通常、乳
化重合法により製造するが、重合転化率が低い場合に
は、塩基処理に際し、重合性単量体を必ずしも追加して
添加(後添加)する必要はないが、重合転化率が高く、
反応系における重合性単量体の残存量が小さい場合に
は、重合性単量体を後添加する。重合性単量体の存在下
に塩基処理を行うことにより、重合体粒子を軟化させて
塩基の拡散を促進し、さらに、後の重合工程において、
Tgの高い重合体粒子を形成させる。
【0017】カルボキシ変性共重合体ラテックスに後添
加する重合性単量体の組成は、ラテックス中の重合体粒
子を軟化させるものであればよく、特に限定するもので
はない。具体例としては、上記のその他の重合性単量体
と同じものを挙げることができる。カルボキシ変性共重
合体ラテックスに後添加する重合性単量体の使用割合
は、カルボキシ変性共重合体ラテックス(前重合体粒
子)を製造する際に仕込んだ全単量体混合物100重量
部に対して、通常1〜20重量部の範囲で使用するのが
好ましい。この使用割合が1重量部未満では、重合体粒
子の軟化が起こり難く、また起こしてもその効果が小さ
い。この使用割合が20重量部を超えると、重合体粒子
の多大の凝固物が発生する。より好ましい使用割合は、
2〜10重量部である。この範囲内において重合性単量
体の添加量を多くすると、より低温での重合体粒子の軟
化が可能である。
【0018】カルボキシ変性共重合体ラテックスを乳化
重合法によって製造する場合、塩基処理を行うのは、重
合転化率が通常83〜99%になった段階である。より
低温での塩基処理を行いたい場合には、重合転化率を低
くすればよい。重合転化率が好ましくは83〜95%程
度の場合には、重合性単量体を必ずしも後添加しなくて
も、未反応の重合性単量体がある程度の量比で残存して
いるため、重合途中で塩基を添加するだけでも、重合体
粒子内への塩基の拡散が促進される。重合転化率が好ま
しくは95%超過99%以下の場合には、重合性単量体
を前記範囲内で適宜後添加することが望ましい。
【0019】塩基処理の段階で、重合転化率が99%を
越えると、塩基処理の段階で重合性単量体を後添加して
も重合体粒子が軟化され難くなり、塩基の拡散速度が促
進されない。重合転化率の好ましい上限は、98%であ
る。重合転化率が83%未満であると、酸処理時に重合
体粒子が凝集し易い。
【0020】塩基の添加は、後添加する重合性単量体の
添加前でも後でも、あるいは同時でもよい。使用される
塩基は、特に限定されるものではなく、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアル
カリ金属の水酸化物、アンモニア、ジメチルアミン、ジ
エタノールアミン等のアミン化合物等が例示できる。使
用される塩基量としては、カルボキシ変性共重合体ラテ
ックスにおける重合体中のカルボキシル基量の少なくと
も一部を中和させるだけの量が必要であり、ラテックス
のpHが8以上、好ましくは10以上になる量比で添加
する。
【0021】塩基をラテックスに添加した後、重合体粒
子内部のカルボキシル基を中和させるためには、塩基が
重合体粒子内部に拡散する時間が必要であり、塩基を添
加した後、時間をかけて撹拌を充分に行うことが好まし
い。塩基処理における処理温度は、重合体粒子を充分に
軟化させうる温度以上が好ましい。塩基添加後の処理時
間は、通常は10分以上、好ましくは30分以上、より
好ましくは1時間以上である。塩基の添加により系の安
定性が低下するが、これを防ぐために、塩基を添加する
前に、アニオン界面活性剤や非イオン界面活性剤を単独
あるいは併用して添加してもよい。
【0022】本発明においては、前記塩基処理に次い
で、カルボキシル基含有重合性単量体を添加してラテッ
クスのpHを7以下、好ましくは6以下にする(酸処
理)。
【0023】本発明で使用するカルボキシル基含有重合
性単量体は、特に限定されるものではなく、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタ
コン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸
等の不飽和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステ
ル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチ
ルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエス
テル;等を例示することができる。カルボキシル基含有
重合性単量体の使用割合は、カルボキシ変性共重合体ラ
テックス(前重合体粒子)を製造する際に仕込んだ全単
量体混合物100重量部に対して、通常0.5〜20重
量部、好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0024】酸処理における処理温度、処理時間等は、
塩基処理の条件とほぼ同じである。カルボキシル基含有
重合性単量体の添加時におけるラテックスの安定性低下
を防ぐために、アニオン界面活性剤や非イオン界面活性
剤を単独または併用して添加してもよい。
【0025】酸処理によって重合体粒子がなぜ中空化す
るのか、その理由は、現段階では定かではないが、中空
化現象は、得られた重合体粒子の透過型電子顕微鏡によ
る形態観察等で確認できる。酸処理の途中段階において
透過型電子顕微鏡により重合体粒子を観察すると、最初
は数個の小孔であるが、処理が進行するとそれらの小孔
が集まり、単一中空粒子になることが確認できる。つま
り、処理条件により、小孔を複数個有する多中空粒子、
単一孔を有する単一中空粒子のいずれでも得ることがで
きる。中空数及び中空の孔径は、カルボキシル基量と分
布、重合体粒子の親水性、塩基処理条件、酸処理条件、
処理開始時の重合転化率、単量体の添加量等によりコン
トロールできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、部および%は、
特に断りのない限り重量基準とする。また、重合はすべ
て不活性ガスである窒素雰囲気下で行った。
【0027】[実施例1] <共重合体ラテックスA1の作製>四ツ口フラスコから
なる反応容器に還流冷却管、温度計、分液ロートを取り
付け、イオン交換水200部を仕込み80℃まで加温し
た。別容器にてイオン交換水30部、ドデシルベンセン
硫酸ナトリウム0.2部、スチレン93部、メタクリル
酸7部の単量体混合物を撹拌し、エマルジョンを作成し
た。
【0028】反応容器に過硫酸カリウム(KPS)3%
水溶液5部を分液ロートより添加した。さらに、その分
液ロートにKPS3%水溶液20部を仕込み、連続的に
8時間かけて添加するよう調節した。別の分液ロートに
先に作成したエマルジョンを移し、その分液ロートから
8時間かけて添加するように調節した。その後、2時間
反応を行った。
【0029】その段階での重合転化率は98%であり、
pHを測定すると2.3であった。ラテックスの一部を
採取し、透過型電子顕微鏡で重合体粒子径を測定したと
ころ500nmであった。この得られた共重合体ラテッ
クスを(A1)とする。
【0030】<中空重合体ラテックスの作製>重合体粒
子を軟化させるために、スチレン5部を分液ロートから
後添加した。その直後に水酸化カリウム10%水溶液4
4部を分液ロートから添加し、その後、3時間、80℃
に加熱を続けて塩基処理をした。この段階でラテックス
を一部採取し、室温にてpHを測定したところ12.3
であった。次いで、メタクリル酸5%水溶液140部を
加え、80℃で3時間撹拌して酸処理をした。その後、
KPS3%水溶液10部を添加し、未反応単量体混合物
を2時間撹拌して重合させた後、室温まで冷却した。
【0031】この最終段階での重合転化率は99%であ
り、pHは5.5であった。透過型電子顕微鏡(TE
M)で重合体粒子の粒子径と中空化の有無を観察した。
その結果を表1に示した。さらに、中空重合体ラテック
スを水蒸気蒸留し、残留単量体を除去した。臭いについ
ての結果も表1に示した。
【0032】[実施例2]実施例1と同様にして共重合
体ラテックス(A1)を作製した。重合体粒子を軟化さ
せるために、スチレン5重量部を分液ロートから後添加
した。その直後に水酸化カリウム10%水溶液46部を
分液ロートから添加し、その後、3時間、80℃に加熱
を続けて塩基処理をした。この段階で一部を採取し、室
温にてpHを測定したところ12.3であった。次い
で、イタコン酸5%水溶液140部を加え、80℃で3
時間撹拌して酸処理をした。その後、KPS3%水溶液
10部を添加し、未反応単量体混合物を2時間撹拌して
重合させた後、室温まで冷却した。
【0033】この最終段階での重合転化率は99%であ
り、pHは5.5であった。透過型電子顕微鏡で重合体
粒子の粒子径と中空化の有無を観察した。その結果を表
1に示した。さらに、中空重合体ラテックスを水蒸気蒸
留し、残留単量体を除去した。臭いについての結果も表
1に示した。
【0034】[実施例3〜4、比較例1〜3]実施例1
と同様にして共重合体ラテックス(A1)を作製した。
後添加、塩基処理、及び酸処理について、表1に示すよ
うな条件としたこと以外は、実施例1と同様にして処理
した。結果を表1に示した。
【0035】[実施例5]表1に示すように、単量体混
合物として、スチレン63部、メチルメタクリレート3
0部、及びメタクリル酸7部を用いて乳化重合して共重
合体ラテックス(A2)を作成し、これを用いたこと以
外は、実施例1と同様に操作し、処理を行った。結果を
表1に示す。 [実施例6]
【0036】表1に示すように、単量体混合物として、
スチレン94部、及びアクリル酸6部を用いて乳化重合
して共重合体ラテックス(A3)を作成し、これを用い
たこと以外は、実施例1と同様に操作し、処理を行っ
た。結果を表1に示す。
【0037】[実施例7]表1に示すように、単量体混
合物として、スチレン87.7部、メチルメタクリレー
ト5部、メタクリル酸7部、及びジビニルベンゼン0.
3部を用いて乳化重合して共重合体ラテックス(A4)
を作成し、これを用いたこと以外は、実施例1と同様に
操作し、処理を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】(脚注) (1)処理安定性 〇:中空体粒子が安定してできる、 ×:中空体が形成されない、あるいは重合体粒子が凝集
する。 (2)臭気 〇:臭気無し〜わずかにモノマー臭が残る、 ×:強い溶媒臭がある。
【0040】表1から明らかなように、本発明の製造方
法(実施例1〜7)によれば、中空重合体ラテックスを
安定して得ることができる。これに対して、塩基処理の
際に重合性単量体を添加しなかった場合(比較例1)に
は、中空重合体ラテックスを得ることができない。塩基
処理の際に重合性単量体の添加量が多すぎる場合(比較
例2)には、重合体粒子ラテックスの凝集が生じ、塩基
処理の際に有機溶剤を用いると(比較例3)、臭気が残
る。
【0041】[実施例8] <重合途中で塩基・酸処理を行う方法>四ツ口フラスコ
に還流冷却管、温度計、分液ロートを取り付け、イオン
交換水200部を仕込み80℃まで加温した。別容器に
てイオン交換水30部、ドデシルベンセン硫酸ナトリウ
ム0.2部、スチレン93部、メタクリル酸7部の単量
体混合物を撹拌し、エマルジョンを作成した。その後、
反応容器にKPS3%水溶液5部を分液ロートより添加
した。さらに、その分液ロートにKPS3%水溶液20
部を仕込み、連続的に8時間かけて添加するよう調節し
た。
【0042】別の分液ロートに、先に作成したエマルジ
ョンを移し、その分液ロートから8時間かけて添加する
ように調節し、重合を開始した。エマルジョンの添加途
中の推移重合転化率は90%であった。添加終了直後、
水酸化カリウム10%水溶液44部を分液ロートから添
加し、その後、3時間、80℃に加熱を続けて塩基処理
をした。この段階で一部採取し、室温でpHを測定した
ところ12.3であった。
【0043】次いで、メタクリル酸5%水溶液140部
を加え、80℃にて3時間撹拌して酸処理をした。その
後、KPS3%水溶液10部を添加し、未反応の単量体
混合物を2時間撹拌して重合させた後、室温まで冷却し
た。この最終段階での重合転化率は99%であり、pH
は5.5であった。透過型電子顕微鏡で重合体粒子の粒
子径と中空化の有無を観察した。その結果、平均粒子径
は520nmであり、平均小孔径は180nm、小孔数
は1〜4個、測定Tgは106℃であった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、高いガラス転移温度を
持つ中空重合体粒子を含有するラテックスを安定的に製
造することがでる。また、本発明の製造方法によれば、
有機溶剤を使用しないため、残留臭気が少ない中空重合
体ラテックスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られた中空重合
体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例2で得られた中空重合
体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明の実施例3で得られた中空重合
体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、比較例3で得られた中空重合体粒子の
粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明の実施例5で得られた中空重合
体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明の実施例6で得られた中空重合
体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、比較例1で得られた中空を有しない重
合体粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真であ
る。なお、各図中、線分は200nmを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/03 C08J 3/03 3/075

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシ変性共重合体ラテックスに、
    重合性単量体の存在下で、塩基を添加してラテックスの
    pHを8以上とし、次いで、カルボキシル基含有重合性
    単量体を添加してラテックスのpHを7以下にした後、
    重合を行うことを特徴とする中空重合体ラテックスの製
    造方法。
JP10877092A 1992-03-31 1992-03-31 中空重合体ラテックスの製造方法 Expired - Fee Related JP2679523B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10877092A JP2679523B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 中空重合体ラテックスの製造方法
US08/040,006 US5360827A (en) 1992-03-31 1993-03-30 Process for preparation of latex of hollow polymer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10877092A JP2679523B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 中空重合体ラテックスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05279409A JPH05279409A (ja) 1993-10-26
JP2679523B2 true JP2679523B2 (ja) 1997-11-19

Family

ID=14493051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10877092A Expired - Fee Related JP2679523B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 中空重合体ラテックスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2679523B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016190325A1 (ja) 2015-05-28 2016-12-01 サイデン化学株式会社 水性ゲル内包樹脂粒子エマルション及び該水性ゲル内包樹脂粒子エマルションの製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4843850B2 (ja) * 2001-02-21 2011-12-21 Jsr株式会社 中空ポリマー粒子の製造方法
DK2511312T3 (da) 2011-03-21 2013-08-05 Organik Kimya Sanayi Ve Tic A S Fremgangsmåde til fremstilling af en emulsion indeholdende kerne-hylster-skal-polymerpartikler

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016190325A1 (ja) 2015-05-28 2016-12-01 サイデン化学株式会社 水性ゲル内包樹脂粒子エマルション及び該水性ゲル内包樹脂粒子エマルションの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05279409A (ja) 1993-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0404184B1 (en) Process for the preparation of microvoid-containing polymer particles
US5360827A (en) Process for preparation of latex of hollow polymer
EP0301880B1 (en) Polymeric particles and their preparation
JP3727980B2 (ja) カプセル化された親水性ポリマーおよびその製造方法
EP0451940B1 (en) Preparation of polymeric particles
EP0321096B1 (en) Polymer particles and their preparation
US4910229A (en) Process for producing hollow polymer latex particles
EP1098927A1 (en) Preparation of core-shell polymer particles containing voids
EP0338486A2 (en) Stable emulsion polymers and methods of preparing same
AU606875B2 (en) Sequentially-produced polymer particles, aqueous dispersions of sequentially-produced polymer particles, processes for preparing sequentially-produced polymer particles, and uses of sequentially-produced polymer particles
JP2713081B2 (ja) 中空重合体粒子の製造方法
CA2283480A1 (en) A method for the preparation of hollow polymer particle latex
JPH011704A (ja) 中空重合体粒子の製造方法
JP2679523B2 (ja) 中空重合体ラテックスの製造方法
JP3557823B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
JP3948083B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
JP2556453B2 (ja) 中空重合体粒子の製造方法
WO2006035749A1 (ja) 球状樹脂微粒子、球状樹脂微粒子の製造方法、及び液晶表示素子用スペーサ
JP3601215B2 (ja) 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法
JPH05155907A (ja) メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JP2992043B2 (ja) 真球状重合体粒子の製造方法
JP3165469B2 (ja) 内孔を有する重合体粒子の製造方法
JP2549940B2 (ja) 高架橋重合体粒子の製造方法
JPH0827204A (ja) 大粒子径ゴムラテックスの製造方法
JP3875794B2 (ja) 重合体微粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100801

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees