JP2986482B2 - 両性中空重合体粒子、その製造方法及び該粒子を用いた紙塗工用組成物 - Google Patents

両性中空重合体粒子、その製造方法及び該粒子を用いた紙塗工用組成物

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JP2986482B2
JP2986482B2 JP1210055A JP21005589A JP2986482B2 JP 2986482 B2 JP2986482 B2 JP 2986482B2 JP 1210055 A JP1210055 A JP 1210055A JP 21005589 A JP21005589 A JP 21005589A JP 2986482 B2 JP2986482 B2 JP 2986482B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な両性中空重合体粒子、その製造方法
及び該粒子を用いた紙塗工用組成物に関するものであ
る。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば紙塗工用の
顔料成分や各種塗料用の顔料成分などとして有用な、軽
量でかつ可視光線をよく散乱し、良好な不透明度、吸水
性、インク転移性などを有する両性中空重合体粒子、こ
のものを効率よく製造する方法及び白色度、印刷光沢な
どの光学的物性や、剛性などに優れた塗工紙を与える紙
塗工用組成物に関するものである。
従来の技術 従来、有機系顔料は、無機系のものに比べて軽量で、
かつ熱可塑性という特徴を有することから、例えば紙塗
工用の顔料成分や各種塗料用の顔料成分などとして広く
用いられている。そして、このような用途においては、
さらに軽量性や不透明度などを改良する目的で、近年粒
子の内部を中空化することが行われている。この中空化
は、その径が可視光線の波長オーダである粒子につい
て、その内部を中空化すれば可視光線の散乱作用をさら
に高めることができ、不透明度を向上させうることが知
られている。
従来、このような中空重合体粒子の製造方法として
は、例えばアルカリ膨潤性のコアを有するコア/シェル
型粒子をアルカリで膨潤させる方法、水−油−水(W/O/
W)型モノマーエマルジョンを調製して重合を行う方法
などが用いられている。
一方、近年印刷速度の高速化に伴って、吸水性、イン
ク転移性などの向上が望まれているが、両性重合体粒子
を紙塗工用バインダーとして用いた場合、吸水性が向上
し、インクの転移性が改善され、耐水性の高い塗工層が
得られることが知られている。このような両性重合体粒
子の製造方法としては、例えば、(1)カチオン系モノ
マーとアニオン系モノマーを共重合させる方法、(2)
イオン性モノマーを該モノマーの反対符号のイオンを与
えうる重合開始剤を用いて共重合する方法、(3)ポリ
マー重合体粒子を後処理して粒子表面の電荷状態を変え
る方法などが知られている。
しかしながら、従来の中空重合体粒子は、不透明性や
軽量性については優れているものの、紙塗工用のバイン
ダーなどとして用いた場合、両性重合体粒子よりも吸水
性やインク転移性などに劣るという欠点を有している。
また、両性重合体粒子は紙塗工用のバインダーなどに用
いられるが、中空孔を有し、軽量性、不透明性、光沢な
どが優れた両性中空重合体粒子はまだ見い出されていな
いのが現状である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、軽量でかつ可視
光線をよく散乱し、良好な不透明度、吸水性、インク転
移性などを有する、紙塗工用の顔料成分や各種塗料用の
顔料成分などとして有用な両性中空重合体粒子、このも
のを効率よく製造する方法、及び該両性中空重合体粒子
を含有して成る、白色度、印刷光沢などの光学的物性
や、剛性などに優れた塗工紙を与える紙塗工用組成物を
提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者は、軽量でかつ可視光線をよく散乱し、良好
な不透明度、吸水性、インク転移性などを有する両性中
空重合体粒子について鋭意研究を重ねた結果、所定の単
量体を用い、二段乳化重合により両性乳化剤を含有する
不活性液体によって膨潤されたコアを有するコア/シェ
ル型重合体粒子を形成させたのち、発泡処理及び/又は
不活性液体の除去処理を行うことにより得られた両性を
有し、かつ外径及び中空孔の径が特定の範囲にある中空
重合体粒子により、前記目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、スチレン系単量体、(メタ)ア
クリレート類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、
ビニルシアニド類、ハロゲン化ビニル類、ジエン類、不
飽和二塩基酸のジアルキルエステル類、オレフィン類、
グリシジル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル
アミド、そのN−メチロール化合物又はアルコキシ化合
物、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、ビニ
ルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの中
から選ばれた少なくとも1種のラジカル重合性単量体あ
るいは該ラジカル重合体単量体及び架橋性単量体の二段
乳化重合によるコア/シェル型重合体粒子であって、0.
05〜100μmの外径を有し、かつその外径の1〜99%の
径の中空孔をもち、しかも沈殿点を与えるpH3〜9であ
ることを特徴とする両性中空重合体粒子、及び無機顔料
と、この無機顔料に対し、0.1〜50重量%の該両性中空
重合体粒子とを含有して成る紙塗工用組成物を提供する
ものである。
この両性中空重合体粒子は、スチレン系単量体、(メ
タ)アクリレート類、ビニルエステル類、ビニルエーテ
ル類、ビニルシアニド類、ハロゲン化ビニル類、ジエン
類、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類、オレフィ
ン類、グリシジル(メタ)アクリレート類、(メタ)ア
クリルアミド、そのN−メチロール化合物又はアルコキ
シ化合物、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量
体、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートの中から選ばれた少なくとも1種のラジカル重合性
単量体を用いるかあるいは該ラジカル重合性単量体と架
橋性単量体を併用して二段乳化重合を行い、その際両性
乳化剤を含有する不活性液体を用いることにより、該不
活性液体によって膨潤されたコアを有するコア/シェル
型重合体粒子を形成させ、次いで発泡処理及び/又は不
活性液体の除去処理を行うことにより、製造することが
できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の両性中空重合体粒子は、実質上球形であっ
て、その外径は0.05〜100μm、好ましくは0.07〜10μ
m、より好ましくは0.1〜1μmの範囲にあることが必
要である。該外径が前記範囲を逸脱すると本発明の目的
が十分に達せられない。
本発明の中空重合体粒子はその内部に1個以上、好ま
しくは1個の中空孔を内包する重合体粒子であり、この
中空孔も実質上球形であって、その径は外径の1〜99
%、好ましくは10〜80%、より好ましくは20〜70%の範
囲にあることが必要である。中空孔の径がこの範囲より
も小さいと軽量性及び不透明性が不充分となるおそれが
あるし、大きいと粒子自体の物理的強度が低下する傾向
がみられる。
該中空重合体粒子を構成する重合体は、以下のラジカ
ル重合性単量体を用いるか、あるいは該単量体と、架橋
した重合体を与える架橋性単量体を併用し、二段乳化重
合して形成されたコア/シェル型のものである。
このラジカル重合性単量体は、スチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
エチルスチレン、ar−ビニルキシレン、ar−クロロスチ
レン、ar−ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、
p−第三ブチルスチレンなどのスチレン系単量体、メチ
ル−、プロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、第三
ブチル−、n−アミル−、イソアミルヘキシル−、オク
チル−、ノニル−、デシル−、ドデシル−、オクタデシ
ル−、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−の各
アクリレート又はメタクリレート類〔(メタ)アクリレ
ート類ともいう〕、ビニルアセテート、ビニルブチレー
ト、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミ
リステート、ビニルプロピオネート、パーサティック酸
ビニルなどのビニルエステル類、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、アミル、ヘキシルなどのアルキル基を有
するビニルエーテル類、アクリロニトリルやメタクリロ
ニトリルなどのビニルシアニド類、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデ
ンなどのハロゲン化ビニル類、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレンなどのジンエン類、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸のジアルキルエス
テル類、エチレンなどのオレフィン類、グリシジル(メ
タ)アクリレートやメチルグリシジル(メタ)アクリレ
ートなどのグリシジル(メタ)アクリレート類、アクリ
ルアミド又はメタクリルアミド〔(メタ)アクリルアミ
ドともいう〕、それらのN−メチロール化合物又はアル
コキシ化合物、ビニルトリクロロシランやビニルトリエ
トキシシランなどのケイ素含有α,β−エチレン性不飽
和単量体、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートの中から選ばれる。これらの単量体はそれぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート又
はメタクリレートをいう。
上記架橋性単量体としては、例えばエチレングリコー
ルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ジビニル
ベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ
アクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プ
ロパン、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
アクリレート、ペンタエリトリトールアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート、アリルメタクリレート
などが挙げられる。この他、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレンなどのジエン系単量体や、トリビニルベ
ンゼン、トリアリルイソシアヌレートなどの3個以上の
二重結合を有するポリエン系単量体も、もちろん架橋性
単量体として用いることができる。これらの架橋性単量
体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
本発明の中級重合体粒子は両性であることが必要であ
る。本発明においては、この両性とは、沈殿点を与える
pHが3〜9の値となるものをいう。この沈殿点は実験に
よって容易に測定することができる。すなわち、各pHに
調整した緩衝液20mlに本発明の中空重合体粒子35mgを滴
下し、かきまぜたのち、24時間静置後、上澄液の470nm
の光透過率を測定し、その値が80%以上を示すpHの最高
値である。
本発明の両性中空重合体粒子は水などの分散媒に分散
されたものであってもよいし、粉末状に処理されたもの
であってもよい。
このような両性中空重合体粒子を製造するには、まず
二段乳化重合により、両性乳化剤を含有する不活性液体
によって膨潤されたコアを有するコア/シェル型重合体
粒子を形成させる。前記両性乳化剤については特に制限
はなく、一般に両性乳化剤として入手しうるものを使用
することができる。
この両性乳化剤は同一分子内にカチオン部分とアニオ
ン部分の親水基をもつ乳化剤であって、カチオン部分と
してはアミン塩、第四級アンモニウム塩を、アニオン部
分としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン
酸塩、リン酸エステル塩をもつものを使用することがで
きる。このようなものとしては、例えばラウリルベタイ
ン、ステアリルベタイン、ココアミドプロピルベタイ
ン、2−ウンデシル−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタイン、カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタインなどのアルキルベタインの
塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリル(アミノエチ
ル)グリシン、ステアリル−β−アラニン、オクチル
(アミノエチル)グリシン、ジオクチル(アミノエチ
ル)グリシンなどのアミノ酸タイプの塩を挙げることが
できる。これらの両性乳化剤は単独で用いてもよいし、
2種以上組み合わせて用いてもよく、その使用量につい
ては特に制限はないが、重合体粒子100重量部に対し、
通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲
で選ばれる。
また、前記不活性液体については、コア/シェル型重
合体粒子のコアを形成するポリマーに対し、親和性を有
するものであればよく、特に制限はない。例えばコアポ
リマーが水溶性であれば、不活性液体として水を用いる
ことができるし、一般の有機溶剤に対して親和性を有す
るものであれば、その有機溶剤を用いることができる。
該有機溶剤としては、例えばエタン、エチレン、プロピ
レン、プロパン、ブタン、ブタジエン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、イソブチレン、ネオ
ペンタンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化メチ
レン、塩化エチル、クロロホルム、四塩化炭素、トリク
ロロエタンなどの塩素化炭化水素、トリクロロフルオロ
メタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロフルオロ
メタン、クロロジフルオロメタン、トリクロロトリフル
オロエタン、ジクロロテトラフルオロエタンなどのフッ
素化塩素化炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、ジブ
チルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルメタクリレ
ート、スチレンなどの揮発性単量体などを挙げることが
できる。これらの不活性液体は1種用いてもよいし、2
種以上組み合わせて用いてもよく、またその使用量は、
重量体粒子に対し、通常1〜1000重量%、好ましくは1
〜200重量%の範囲で選ばれる。
次に、前記両性乳化剤を含有する不活性液体によって
膨潤されたコアを有するコア/シェル型重合体粒子を形
成させる方法について説明する。この方法は該不活性液
体の存在下にコア/シェル型重合体粒子を形成させる方
法である。この方法については特に制限はなく、従来公
知の方法を採用することができる。例えばまず乳化重合
によりコア粒子を形成させたのち、このコア粒子の存在
下、シェルを構成するポリマー(以下、シェルポリマー
という)を、該不活性液体の存在下に乳化重合させるこ
とによって得ることができる。この際、該不活性液体の
使用方法としては、コア粒子を該液体でまず膨潤させて
からシェルポリマーを重合する方法と、シェルポリマー
を形成する単量体と該不活性液体とを混合して重合系に
供する方法とがあり、いずれの方法を用いてもよい。
またこのコア/シェル重合体粒子を製造する方法とし
て、いわゆるフェーズインバージョンと呼ばれる方法も
採用することができ、この場合には、シェルポリマーの
存在下にコアを構成するポリマー(以下、コアポリマー
という)を形成する単量体を該不活性液体の存在下、乳
化重合させることによって所望のコア/シェル型重合体
粒子を得ることができる。この方法によって、中空重合
体粒子を製造する場合には、該不活性液体がコア部分に
主として存在するように設計することが必要であり、ポ
リマーの親和性、分子量などを考慮して決定することが
肝要である。
前記乳化重合法としては、従来公知の方法、例えば乳
化剤及び必要に応じて用いられる連鎖移動剤やシード粒
子の存在下に、重合開始剤を用いて所望の単量体を重合
させる方法などを用いることができる。本発明において
は、該乳化剤として、前記の両性乳化剤を用いることが
必要であるが、所望に応じ、本発明の目的をそこなわな
い範囲でアニオン性やノニオン性乳化剤を用いることが
できる。
該アニオン性乳化剤としては、例えばアルキルベンゼ
ンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルサルフェートア
ルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
サルフェートアルカリ金属塩、アルキルジフェニルエー
テルジスルホン酸アルカリ金属塩、ジアルキルスルホコ
ハク酸アルカリ金属塩などを用いることができる。一
方、ノニオン性乳化剤としては、例えばポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エス
テル、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック
共重合体などを用いることができる。また、アクリル系
水溶性オリゴマーを前記アニオン性乳化剤と併用しても
よい。さらに、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース等も必要に応じて用いることができる。こ
れらの乳化剤や水溶性高分子化合物は使用量が増加する
に伴い、得られる重合体の耐水性が低下する場合がある
ので、その使用量は少ない方が好ましいが、少なくとも
重合安定性や生成物の機械的安定性、化学的安定性を保
持するための必要最低限度の量を用いることが好まし
い。この使用量は通常単量体100重量部に対して0.1〜7
重量部の範囲で選ばれる。
連鎖移動剤としては、特に制限はなく、通常の重合反
応の分子量調節に慣用されているものの中から適宜選択
して用いることができる。このような連鎖移動剤には、
例えばプロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタンなどの炭素数1〜30のアルキル基を
もつメルカプタンや、オクチルチオグリコレート、チオ
グリコール酸、ジフェニルスルフィドなどの炭素数1〜
30の有機イオウ化合物や、四塩化炭素、四臭化炭素、ブ
ロムトリクロルメタンなどの炭素数1〜20のハロゲン化
炭化水素などが含まれる。これらの連鎖移動剤は単独で
用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、約0〜150℃の温度において、
ラジカルを発生する化合物が使用される。この重合開始
剤としては、主として水溶性のものが用いられるが、油
溶性のものであってもよい。代表的な重合開始剤として
は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウムなどの水溶性過硫酸塩類、過酸化水素などの無機
過酸化物、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド、第三ブチルパー
オキシド、第三ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エートなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ化合物などが挙げられる。また、上記過酸
化物と還元剤とを組み合わせ、微量の金属イオンの存在
下ラジカルを発生させる、いわゆるレドックス系の開始
剤も用いられる。このレドックス系の例としては、過酸
化水素−塩化第一鉄系、クメンヒドロパーオキシド−ア
スコルビン酸ナトリウム系などが挙げられる。さらに、
アゾビスイソブチルアミンなどのアミン基を有する開始
剤も使用することができる。これらの重合開始剤の使用
量は、通常単量体の合計量100重量部に対して、0.1〜2.
5重量部の範囲で選ばれる。また、前記過酸化物は1種
用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
重合反応は、通常0〜130℃、好ましくは30〜100℃の
範囲の温度で行われる。重合時間については特に制限は
なく、通常、1〜24時間、好ましくは1〜6時間程度で
ある。
本発明において、中空重合体粒子の外径をコントロー
ルする方法としては、従来公知の方法を採用することが
でき、例えば乳化剤の量や、シード粒子の量などによっ
て外径を任意に変化させることができる。また、内径の
大きさを設計する方法としては、いくつかの方法が知ら
れており、例えばコア/シェル比を適宜変化させる方
法、重合体粒子に対し不活性液体の量を変化させる方
法、物理発泡の条件を適宜変化させる方法などを採用す
ることができる。また、粒径が10μm以上の重合体粒子
を製造する場合にはいわゆる懸濁重合法を採用すること
もできる。
次に、このようにして得られた両性乳化剤を含有する
不活性液体によって膨潤されたコアを有するコア/シェ
ル型重合体粒子は、発泡処理及び/又は不活性液体の除
去処理が施される。発泡処理を行う場合には、不活性液
体を内包した粒子を含有するエマルジョンを適当な温度
と圧力に設定したのち、低圧域に移行させる操作が実施
される。このときの温度と圧力は発泡の程度に大きな影
響を及ぼし、この温度は該不活性液体の沸点以上である
ことが必要である。沸点未満の温度では発泡した粒子を
ほとんど得ることができない。また、この温度では該粒
子、特にシェルポリマーは十分な変形流動性を有してい
ることが必要であるが、さらに、発泡圧力によって粒子
が膨張する程度に、気体の透過性が低いとともに、圧力
に抗する引張り強さを有することが重要である。したが
って、該エマルジョン温度は高いほど良いわけではな
く、不活性液体の沸点からこの沸点より50℃高い温度ま
での範囲にあることが好ましい。
該エマルジョンの圧力については特に制限はないが、
不活性液体の沸点以上に加熱されているため、通常自圧
は大気圧よりも高くなり、この自圧でもよいが、これよ
りも高い圧力に保持する方が発泡性の高い粒子が得られ
やすいので好ましい。また、圧力は低圧側に移行する際
の移行速度と深い関係があるので、この点の考慮も必要
である。このようにして加熱、加圧された重合体エマル
ジョンは低圧域に移行させて、重合体粒子を膨張させ
る。この低圧域の雰囲気は、気体であっても液体であっ
てもよい。気体である場合は窒素などの不活性ガスが、
液体である場合には、水が有利である。低圧域の温度
は、重合体粒子の組成、その粒子中に含有する不活性液
体の種類や量などによって、適宜得ばれるが、通常、該
重合体エマルジョンの温度以下である。この不活性液体
の大部分が取り除かれ、もはや粒子内部の圧力を高く保
持しえなくなった時点では、該エマルジョンの温度は、
重合体粒子のガラス転移温度以下であることが好まし
い。この高圧域から低圧域への重合体エマルジョンの移
行は、そのまま、該エマルジョン系を減圧にしてもよい
が、通常は単孔や多孔、あるいはスリット状、その他流
速や移行時の圧力変化を制御しうる形状の移動口から行
う方法が用いられる。本発明においては、このような物
理発泡を実施することは、より大きな中空孔を形成しう
るので好ましい。
次に本発明において不活性液体を除去する操作を実施
する場合、この方法については特に制限はなく、従来行
われている方法をそのまま採用することができる。具体
的には、必要により減圧下に加熱留去する方法、噴霧乾
燥法、凍結乾燥法などが用いられる。本発明の中空重合
体粒子を水性エマルジョンの形で所望する場合には、加
熱留去する方法が採用され、この場合には該不活性液体
は、水より沸点の低いものが好ましい。また、粉体の状
態で所望する場合には、噴霧乾燥法、凍結乾燥法などが
採用される。
本発明の目的は、前記の両性中空重合体粒子及びその
製造方法とともに、無機顔料と、この無機顔料に対し、
該両性中空重合体粒子0.1〜50重量%とを含有して成る
紙塗工用組成物を提供することにある。
本発明の紙塗工用組成物には、無機顔料及び該両性中
空重合体以外に、通常分散媒、結合剤、各種添加剤など
が含有されており、無機顔料としては、例えばクレー、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、酸化チ
タン、リトボン、サチン白、酸化亜鉛などが挙げられ、
それぞれ単独で用いてもよいし2種以上組み合わせても
よい。
また、該結合剤としては、高分子エマルジョン、水溶
性バインダーなどが挙げられ、高分子エマルジョンは、
水を分散媒とするエマルジョンであり、このようなもの
としては、例えばスチレン−ブタジエン系、スチレン−
アクリル系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、酢
酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル系、塩化ビニリデン
系、天然ゴム系ラテックスなどが挙げられる。これらの
高分子エマルジョンはカルボキシル基、水酸基、N−メ
チロール基、アミド基、グリシジル基、スルホン酸基な
どの官能基を含んでいてもよい。この高分子エマルジョ
ンは、1種の重合体に限らず2種以上の混合物であって
もよいし、アルカリ増粘性を有するものであってもよ
く、また高分子粒子の粒径は、通常0.05〜1μm、固形
分濃度は40〜65重量%である。一方、水溶性バインダー
としては、例えばスターチ、変性スターチ、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、
大豆タンパクなどが挙げられる。これらの結合剤は単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、その量は、通常顔料100重量部当り5〜40重量部、
好ましくは5〜30重量部の範囲で選ばれる。
本発明の紙塗工用組成物においては、中空重合体粒子
を、顔料に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量
%の割合で配合することが必要である。この中空重合体
粒子の配合量が0.1重量%未満では、不透明度などの向
上効果が十分に発揮されないし、50重量%を超えるとそ
の量の割には不透明度の向上は認められず、むしろ組成
物の流動性などの他の物性が劣化する傾向がみられる。
本発明の紙塗工用組成物には、必要に応じて、慣用さ
れている各種添加剤、例えば、分散剤、潤滑剤、消泡
剤、防腐剤、耐水化剤、老化防止剤などが含有させるこ
とができる。また、この紙塗工用組成物の固形分濃度
は、通常、30〜75重量%、好ましくは40〜75重量%の範
囲で選ばれる。pH調整剤としては、通常、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどが用いられる。
本発明の紙塗工用組成物の調製は、クレー、炭酸カルシ
ウムなどの無機顔料、結合剤、分散剤、中空重合体粒子
及び必要に応じて加えられるその他の添加剤を、適宜混
合することによって行われる。
この際、中空重合体粒子の添加方法については特に制
限はなく、紙塗工用組成物調製時に適宜添加してもよい
し、あらかじめ高分子エマルジョンなどの結合剤と混合
したものを用いてもよい。紙塗工液の分散媒には、通
常、水が使用される。
本発明の紙塗工用組成物は、通常、紙塗工液として調
製され、板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙など
の塗工に用いられる。この紙塗工液を前記の紙に塗工す
るに当っては、サイドプレスコーター、ロールコータ
ー、エアナイフコーター、ブレードコーターなどを用い
る公知の任意の方法が採用される。塗工量については、
使用目的に応じ異なり、特に制限はないが、固形分換算
で、通常0.1〜30g/m2の範囲で選ばれる。
発明の効果 本発明の両性中空重合体粒子は、軽量でかつ可視光線
をよく散乱し、良好な不透明度、吸水性、インク転移性
などを有し、例えば紙塗工用の顔料成分や各種塗料用の
顔料成分などとして有用である。
また、該両性中空重合体粒子を含有する本発明の紙塗
工用組成物は、白色度、印刷光沢などの光学的物性や剛
性に優れる上、従来同時に達成することの困難であった
ウェット強度、吸水性、インク転移性などの印刷適性も
極めて良好な塗工紙を提供することができる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、塗工紙製造における各物性及びその他の物性は
次のようにして求めた。
(1) カラー粘度 Brookfield型(B型)粘度計により、60rpmにて測定
した。またハーキュレス型粘度計により、4400rpmにて
測定した。
(2) 白紙グロス グロスメーターにより、75゜−75゜で測定した。
(3) インキグロス 塗工紙サンプルに、0.3mlのインク〔東洋インキ
(株)製、ニューブライトG藍〕を使用し、印刷試験機
により印刷したのち、一昼夜調湿してグロスメーターに
より60゜−60゜で測定した。
(4) 印刷適正 印刷試験機により、適切なタックを有するインキを用
いてドライ強度、ウェット強度、着肉性、吸水性及びイ
ンクセットを測定し、次の4段階で評価した。
◎:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る ×:非常に劣る (5) 耐ブリスター性 両面塗工し、かつカレンダー仕上げした塗工紙を明製
作所(株)RI印刷機を使用し、黄インキ(0.3cc)で両
面ベタ刷りし試料とする。この試料を加熱したオイルバ
スに浸せきし、ブリスターの発生した温度を読み取り以
下のとおり評価した。
◎:ブリスターが全く発生しない ○:ブリスターがわずかに発生 △:ブリスターがかなり発生 ×:ブリスターが全面に発生した (6)網点再現性 大蔵省式でグラビア印刷機を用い欠落した網点の個数
%で表わした。
(7) 高分子エマルジョン粒子径(μm) 高分子エマルジョンをオスミウム酸で処理しし、これ
を走査型電子顕微鏡で3万倍に拡大し、得られた顕微鏡
写真における粒子500個の径を測定して、この数平均で
求めた。
(8) 剛度(腰) 紙を2cm幅の短冊状とし、これをクラーク式スティフ
ネステスターによって剛度を測定した。
実施例1 かきまぜ機、温度計、還流管を備えた1リットルのセ
パラブルフラスコに、ニューコール506(日本乳化剤
(株)製)0.2重量部を溶解した脱イオン水100重量部及
びシード粒子として粒径430Åのスチレン/アクリル酸
共重合体ラテックス(重量比96/4)を固形分換算で1.0
重量部入れ、窒素置換したのち、80℃に加熱した。この
フラスコに、スチレン80重量部、ブチルアクリレート15
重量部及びドデシルメルカプタン3.0重量部から成る混
合液を4.5時間で、また、ニューコール506 0.15重量
部、水酸化ナトリウム0.16重量部及び過酸化ナトリウム
0.8重量部を溶解した脱イオン水20重量部を5.0時間でフ
ィードした。その後、温度を90℃に上げて、重合を完結
させた。得られた重合体の粒径は0.2μm、エマルジョ
ンの固形分濃度は44重量%であった。
次に、かきまぜ機、温度計、還流管を備えた1リット
ルのセパラブルフラスコに、ラウリルジ(アミノエチ
ル)グリシン0.2重量部、ニューコール506 0.2重量部
を溶解した脱イオン水65重量部及び前記で得られたエマ
ルジョンを固形分換算で12.5重量部入れ、窒素置換した
のち、85℃に加熱した。このフラスコに、スチレン53.4
重量部、メチルメタクリレート21.9重量部、アクリロニ
トリル6.1重量部及びエチレングリコールジメタクリレ
ート2.6重量部から成る混合液を4.5時間かけて添加し
た。ただし、エチレングリコールジメタクリレートは、
重合開始2時間後の単量体混合液に添加することで重合
反応に供した。
これらの単量体を添加する間に平行して、ニューコー
ル506 0.15重量部、水酸化ナトリウム0.16重量部及び
過硫酸ナトリウム0.8重量部を溶解した脱イオン水20重
量部を5.0時間でフィードした。その後、温度を90℃に
上げて、重合を完結させた。得られた重合体の粒径は0.
35μm、固形分濃度は46重量%であった。
次に、前記エマルジョン46.7重量部(固形分濃度42重
量%)にシクロヘキサン10.0重量部を加え、超音波分散
機(ブランソン社製モデル450)にて30秒間処理した。
この混合物をかきまぜ機付きのステンレス製オートクレ
ーブに入れ、110℃で2時間かきまぜた。この間、オー
トクレーブの内圧は窒素ガスにより4kg/cm2となるよう
調節した。次に内容物を噴出ノズルから、窒素置換さ
れ、大気圧を維持させる容器に噴出させた。
得られたエマルジョンの粒径を光散乱法によって測定
したところ、0.40μmとなっていた。この操作による体
積増加率(ΔV)は49%である。走査型電子顕微鏡写真
によって、該粒子の断面を観察したところ、前記の粒径
と合致する結果が得られ、ほぼ0.28μmの中空孔が形成
されていることが観察された。このものの沈殿点を与え
るpHを測定したところ5.1であった。
実施例2 かきまぜ機、温度計、還流管、導入管を備えた1リッ
トルのセパラブルフラスコに、ニューコール506(日本
乳化剤(株)製)0.3重量部を溶解した脱イオン水100重
量部及びシード粒子として粒径400Åのスチレン/アク
リル酸共重合体ラテックスを固形分換算で0.24重量部入
れ、窒素置換したのち、80℃に加熱した。このフラスコ
に、スチレン80.0重量部、ブチルアクリレート15.0重量
部、及びドデシルメルカプタン3.0重量部から成る混合
液を4.5時間で、また、ニューコール506 0.15重量部、
水酸化ナトリウム0.16重量部及び過酸化ナトリウム0.8
重量部を溶解した脱イオン水20重量部を5.0時間でフィ
ードした。その後、温度を90℃に上げて重合を完結させ
た。得られた重合体の粒径は0.30μm、エマルジョンの
固形分濃度は46重量%であった。
次に、かきまぜ機、温度計、還流管、導入管を備えた
1リットルのオートクレーブに、ステアリルベタイン0.
2重量部、ニューコール506 0.2重量部を溶解した脱イ
オン水105重量部及び前記で得られたエマルジョンを固
形分換算で12.5重量部入れ、窒素置換したのち、85℃に
加熱した。このオートクレーブに、スチレン56.9重量
部、メチルメタクリレート21.9重量部、アクリロニトリ
ル6.1重量部、シクロヘキサン20.0重量部及びエチレン
グリコールジメタクリレート2.6重量から成る混合液を
4.5時間かけて添加した。ただし、エチレングリコール
ジメタクリレートは、重合開始2時間後の単量体混合液
に添加することで重合反応に供した。これらの単量体を
添加する間に平行して、ニューコール506 0.15重量
部、水酸化ナトリウム0.16重量部及び過硫酸ナトリウム
0.8重量部を溶解した脱イオン水20重量部を5.0時間でフ
ィードした。その後、温度を90℃に上げて、重合を完結
させた。得られた重合体の粒径は0.60μmで重合率は10
0%であった。このようにして得られた重合体エマルジ
ョンを凍結乾燥して粉体とした。この粉体を樹脂に包埋
し、その切断面を観察したところ重合体粒子は0.35μm
の中空孔を有していることが確認できた。このものの沈
殿点を与えるpHを測定したところ、5.8であった。
実施例3 スチレン60重量部、ブタジエン28重量部、メチルメタ
クリレート10重量部、フマル酸2重量部及び四塩化炭素
5重量部の混合物を乳化重合して作製した高分子エマル
ジョン(数平均粒子径0.18μm)と実施例1で作製した
中空重合体粒子を用い、第1表に示すカラー配合の組成
物(固形分濃度61重量%)を調製し、これをアンモニア
水溶液でpH9に調節することにより塗工用組成物を得
た。
この塗工用組成物の粘度を測定し、次に、市販の上質
紙にブレード式の連続巻とり塗工機により14g/m2(片
面)となるように両面に塗工した。さらにスーパーカレ
ンダー装置を用い50℃、15kg/cm2の条件で片面当り2回
ずつ通した。このようにして作製された塗工紙の印刷物
性を評価しその結果を第3表に示した。
実施例4 実施例3の高分子エマルジョンの代りに、スチレン50
重量部、ブタジエン38重量部、エチルアクリレート5重
量部、アクリロニトリル5重量部、イタコン酸2重量部
を用いて作製した高分子エマルジョン(数平均粒子径0.
15μm)を用いた以外は、実施例3と同様の手法により
塗工紙を作製した。評価結果を第3表に示す。
実施例5 アルカリ増粘型ラテックス(旭化成工業株式会社製ラ
テックスL−1295、pH5.7)と実施例2の中空重合体粒
子を用い、第2表に示す配合を使用した他は実施例3と
同様の手法により塗工紙を作製した。評価結果を第3表
に示す。
比較例1 中空重合体粒子の代りにスチレン90重量部、メチルメ
タクリレート6重量部、メタクリル酸4重量部を通常の
乳化重合して得られたアニオン型の非中空重合体(固形
分濃度40重量%、外径0.5μm)を使用した以外は、実
施例3と全く同様の方法で塗工紙を製造した。評価結果
を第3表に示す。
比較例2 中空重合体粒子の代りにスチレン65重量部、メチルメ
タクリレート25重量部、アクリロニトリル7重量部、イ
タコン酸3重量部から成る重合体粒子を物理発泡して得
られるアニオン型の中空重合体(固形分濃度40重量%、
外径0.5μm、内径0.3μm)を使用した以外は、実施例
4と全く同様の方法で塗工紙を製造した。評価結果を第
3表に示す。
比較例3 中空重合体粒子を使用しなかったこと以外は、実施例
5と全く同様な方法で塗工紙を製造した。評価結果を第
3表に示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−185311(JP,A) 特開 昭62−127336(JP,A) 特開 昭64−134(JP,A) 特開 平2−92938(JP,A) 特開 昭56−32513(JP,A) 特開 平3−74440(JP,A) 特開 平1−315437(JP,A) 特開 昭60−252635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/16 C08J 9/22 C08J 9/32 C08F 2/00 - 2/60 C08F 251/00 - 289/00 C08F 291/00 - 291/18 D21H 19/36 - 19/64

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体、(メタ)アクリレート
    類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルシア
    ニド類、ハロゲン化ビニル類、ジエン類、不飽和二塩基
    酸のジアルキルエステル類、オレフィン類、グリシジル
    (メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、そ
    のN−メチロール化合物又はアルコキシ化合物、ケイ素
    含有α,β−エチレン性不飽和単量体、ビニルピリジ
    ン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジ
    エチルアミノエチル(メタ)アクリレートの中から選ば
    れた少なくとも1種のラジカル重合性単量体あるいは該
    ラジカル重合性単量体及び架橋性単量体の二段乳化重合
    によるコア/シェル型重合体粒子であって、0.05〜100
    μmの外径を有し、かつその外径の1〜99%の径の中空
    孔をもち、しかも沈殿点を与えるpHが3〜9であること
    を特徴とする両性中空重合体粒子。
  2. 【請求項2】スチレン系単量体、(メタ)アクリレート
    類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルシア
    ニド類、ハロゲン化ビニル類、ジエン類、不飽和二塩基
    酸のジアルキルエステル類、オレフィン類、グリシジル
    (メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、そ
    のN−メチロール化合物又はアルコキシ化合物、ケイ素
    含有α,β−エチレン性不飽和単量体、ビニルピリジ
    ン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジ
    エチルアミノエチル(メタ)アクリレートの中から選ば
    れた少なくとも1種のラジカル重合性単量体を用いるか
    あるいは該ラジカル重合性単量体と架橋性単量体を併用
    して二段乳化重合を行い、その際両性乳化剤を含有する
    不活性液体を用いることにより、該不活性液体によって
    膨潤されたコアを有するコア/シェル型重合体粒子を形
    成させ、次いで発泡処理及び/又は不活性液体の除去処
    理を行うことを特徴とする請求項1記載の両性中空重合
    体粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】無機顔料と、この無機顔料に対し、0.1〜5
    0重量%の請求項1記載の両性中空重合体粒子とを含有
    して成る紙塗工用組成物。
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