JPH061849Y2 - 車両のウェザーストリップ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両のウエザーストリップ構造に関するもの
である。

（従来技術） 一般に自動車等の車両のフロントガラスは、防水機能を
持ったウエザーストリップを介して車体のフロント側ウ
インドフレームの内側に嵌合して固定されている。従っ
て、上記ウエザーストリップは、その内周側には上記フ
ロントガラスを嵌合するための凹状のフロントガラス嵌
合溝を有するとともに又同外周側には上記車体側ウイン
ドフレームと嵌合する嵌合凹部を各々有して構成されて
おり、さらにその下縁部には上記フロントガラス嵌合溝
に侵入した水を下方に排出するための水抜き穴が形成さ
れている。この水抜き穴は、通常車体側方部のフェンダ
ーパネル付近に寄せて形成されており、上記フロントガ
ラス嵌合溝を上記フェンダーパネル内側に形成された車
体外部に開放された空間に連通せしめるようになってい
る（例えば実開昭５８−３３３５２号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、一般にフェンダーパネル付近には、当該フェン
ダーパネルとフロントパネルとの間の隙間、すなわちパ
ーティングラインが存在し、該パーティングラインが通
常ピラーアウタパネルと上記フェンダーパネルとの間に
形成される上記外部開放空間の一部を介して上記水抜き
穴に連通しているために、例えば洗車時などに高水圧の
洗浄水が上記パーティングラインに吹き付けられると、
該洗浄水が同パーティクルラインから上記外部開放空間
内に侵入し、上記ピラーアウタパネルの壁面に沿って進
行し、さらに上記水抜き穴から上記フロントガラス嵌合
溝方向に侵入して、上記フロントガラスとウエザースト
リップとの内側の隙間から車室内に流れ出すということ
も考えられる。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記のような問題を解決することを目的とし
てなされたもので、車室方向の内側および外側に第１の
リップ部および第２のリップ部を有し、該第１および第
２のリップ部間にウィンドガラス嵌合溝が形成されると
ともに第１のリップ部の車室側に車体側ウインドフレー
ムへの嵌合凹部が形成され、且つ上記ウィンドガラス嵌
合溝底部に、車体側フロントパネル側方のピラーアウタ
パネルとフェンダーパネルとの間に形成され且つ上記フ
ロントパネルとフェンダーパネルとの間のパーティクル
ラインに連通する外部開放空間部に位置して当該ウィン
ドガラス嵌合溝を同外部開放空間部に連通させる水抜き
穴を形成してなる車両のウエザーストリップにおいて、
上記水抜き穴の上記パーティクルライン側開口縁部下部
に上記ピラーアウタパネル壁面に接した状態で上記外部
開放空間下方に延びる所定厚さ且つ所定長さの舌片状の
防水壁を設けてなるものである。

（作用） 上記の手段によると、ウエザーストリップのウィンドガ
ラス嵌合溝底部に形成されている水抜き穴のパーティク
ルライン側開口縁部下部に外部開放空間内をピラーアウ
タパネル壁面に接した状態で下方に延びる所定厚さ且つ
所定長さの舌片状の防水壁が設けられているので、パー
ティングライン側外部からのピラーアウタパネル壁面に
沿って侵入する侵入水は障壁である当該舌片状の防水壁
によって遮断されて下方に流れるようになり、上記水抜
き穴内への侵入を確実に阻止される。

（実施例） 第１図〜第６図は、本考案の実施例に係る車両のウエザ
ーストリップ構造を示している。

先ず第６図は、例えば小型トラックなどのキャブオーバ
型の自動車を示しており、該自動車１０のフロント側ウ
インドフレーム１部分にはウエザーストリップ２を介し
てフロントガラス３が支障されている。

上記ウエザーストリップ２は、第１図ないし第３図に示
すように中央部に車室方向内側と外側の第１および第２
のリップ４ａ，４ｂによって形成されたフロントガラス
嵌合溝５を有し、該フロントガラス嵌合溝５内に上記フ
ロントガラス３の下部周縁３ａを嵌合している。

また、上記ウエザーストリップ２の上記車室方向内側の
第１のリップ４ａの先端は上方側から下方に逆Ｕ状に折
り曲げられた状態で成形されており、それによって当該
ウエザーストリップ２の内周側（車室側）に上記車体側
ウインドフレーム１の縁部１ａに嵌合する嵌合凹部６を
形成している。そして、該嵌合凹部６を介して上記ウイ
ンドフレーム１の縁部１ａに嵌合固定されている。

上記ウインドフレーム１は、フロントパネル７ａ又はピ
ラーアウタパネル７ｂと車室インストルメントパネル下
部のクロスメンバー８との縁部同士の接合体によって構
成されており、該接合体の接合縁部が上記ウインドフレ
ーム１の縁部１ａとなっている。そして、上記フロント
パネル７ａ又はピラーアウタパネル７ｂの上部は、第３
図および第１図に示すように、上記縁部１ａの所から前
方に所定幅の水平段部９を形成し、該水平段部９の前端
部から下方に降りており、上記水平段部９で上記ウエザ
ーストリップ２の底部２ｃを受け止めている。

一方、符号１１は上記車体側方部に位置して上記ウエザ
ーストリップ２に形成された水抜き穴であり、該水抜き
穴１１は第１図および第５図に示すように当該ウエザー
ストリップ２の上記フロントガラス嵌合溝５の底部を所
定幅上記ピラーアウタパネル７ｂ側の水平段部９より前
側の外部開放空間１３に連通せしめることによって形成
しており、上記フロントガラス嵌合溝５内に侵入した水
を当該水抜き穴１１から外部開放空間１３を介して車体
外に排出するようになっている。

また上記外部開放空間１３は、第１図、第２図、第４
図、第５図に示すように、車体側部のフロントフェンダ
ーパネル１４の内側に位置して形成されており、第４
図、第５図から明らかなように、当該フロントフェンダ
ーパネル１４の車体中央側端部１４ａと上記フロントパ
ネル７ａの折曲部７ｃとの間で形成されている上記パー
ティクルライン（隙間）１６とも連通している。

他方、符号２０は、上記ウエザーストリップ２のフロン
トガラス嵌合溝５の底部に形成された水抜き穴１１の上
記パーティングライン１６側開口縁部下部に一体的に設
けられた対水障壁としての防水壁であり、該防水壁２０
は上記水抜き穴１１の上記開口縁部下部から上記外部開
放空間１３下方に、少なくとも上記ピラーアウタパネル
７ｂに接した状態で所定厚さ且つ所定長さを有して舌片
状に延びて構成されている。該防水壁２０の厚さは、上
記ピラーアウタパネル７ｂの壁面からの障壁高さとなる
ので、同厚さは十分な進入水阻止作用が得られるように
考慮して設定される。

そして、該防水壁２０の障壁作用によって上記外部開放
空間１３内にパーティクルライン１６側から第４図並び
に第５図の矢印のようにピラーアウタパネル７ｂの傾斜
壁面に沿って侵入してくる水を阻止して下方に流し、当
該水が、それよりも側方かつ上方の上記水抜き穴１１側
には侵入しないようにしている。

（考案の効果） 本考案は、以上に説明したように、車室方向の内側およ
び外側に第１のリップ部および第２のリップ部を有し、
該第１および第２のリップ部間にウィンドガラス嵌合溝
が形成されるとともに第１のリップ部の車室側に車体側
ウインドフレームへの嵌合凹部が形成され、且つ上記ウ
ィンドガラス嵌合溝底部に、車体側フロントパネル側方
のピラーアウタパネルとフェンダーパネルとの間に形成
され且つ上記フロントパネルとフェンダーパネルとの間
のパーティクルラインに連通する外部開放空間部に位置
して当該ウィンドガラス嵌合溝を同外部開放空間部に連
通させる水抜き穴を形成してなる車両のウエザーストリ
ップにおいて、上記水抜き穴の上記パーティクルライン
側開口縁部下部に上記ピラーアウタパネル壁面に接した
状態で上記外部開放空間下方に延びる所定厚さ且つ所定
長さの舌片状の防水壁を設けたことを特徴とするもので
ある。

すなわち、本考案によると、ウエザーストリップのウィ
ンドガラス嵌合溝底部に形成されている水抜き穴のパー
ティクルライン側開口縁部下部に外部開放空間内をピラ
ーアウタパネル壁面に接した状態で下方に延びる所定厚
さ且つ所定の長さの舌片状の防水壁が設けられているの
で、パーティクルライン側外部からのピラーアウタパネ
ル壁面に沿って侵入する侵入水は障壁である当該舌片状
の防水壁によって遮断されて下方に流されるようにな
り、上記水抜き穴内への侵入を確実に阻止される。

従って、従来のように水抜き穴を通して車室内に水が侵
入するような恐れは完全に解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例に係る車両のウエザーストリ
ップ構造を示す当該ウエザーストリップの水抜き穴部分
の断面図（第４図Ａ−Ａ線断面図）、第２図は、同ウエ
ザーストリップの防水壁部の断面図（第４図Ｂ−Ｂ線断
面図）、第３図は、同ウエザーストリップの水抜き穴が
形成されていない部分の断面図（第４図Ｃ−Ｃ線断面
図）、第４図は、車体側部のウエザーストリップ部の平
面図、第５図は、同ウエザーストリップの水侵入防止作
用を説明する説明用平面図、第６図は、同実施例構造を
採用した自動車の外部構造を示す斜視図である。 １・・・・・ウインドフレーム ２・・・・・ウエザーストリップ ３・・・・・フロントガラス ４ａ・・・・第１のリップ ４ｂ・・・・第２のリップ ５・・・・・フロントガラス嵌合溝 ６・・・・・嵌合凹部 ７ａ・・・・フロントパネル ８・・・・・クロスメンバー ９・・・・・水平段部 １０・・・・自動車 １１・・・・水抜き穴 １３・・・・外部開放空間 １４・・・・フロントフェンダーパネル ２０・・・・防水壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室方向の内側および外側に第１のリップ
   部および第２のリップ部を有し、該第１および第２のリ
   ップ部間にウィンドガラス嵌合溝が形成されるとともに
   第１のリップ部の車室側に車体側ウインドフレームへの
   嵌合凹部が形成され、且つ上記ウィンドガラス嵌合溝底
   部に、車体側フロントパネル側方のピラーアウタパネル
   とフェンダーパネルとの間に形成され且つ上記フロント
   パネルとフェンダーパネルとの間のパーティクルライン
   に連通する外部開放空間部に位置して当該ウィンドガラ
   ス嵌合溝を同外部開放空間部に連通させる水抜き穴を形
   成してなる車両のウエザーストリップにおいて、上記水
   抜き穴の上記パーティクルライン側開口縁部下部に上記
   ピラーアウタパネル壁面に接した状態で上記外部開放空
   間下方に延びる所定厚さ且つ所定長さの舌片状の防水壁
   を設けたことを特徴とする車両のウエザーストリップ構
   造。