JPH06184342A - 難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡体 - Google Patents

難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡体

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JPH06184342A
JPH06184342A JP4340796A JP34079692A JPH06184342A JP H06184342 A JPH06184342 A JP H06184342A JP 4340796 A JP4340796 A JP 4340796A JP 34079692 A JP34079692 A JP 34079692A JP H06184342 A JPH06184342 A JP H06184342A
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JP
Japan
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foam
weight
vinyl acetate
parts
base resin
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Pending
Application number
JP4340796A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Arai
敏弘 新井
Tomohisa Watanabe
知久 渡邉
Akira Yoshino
明 吉野
Hideo Sunatsuka
英夫 砂塚
Toshio Niwa
利夫 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン−酢酸ビニル共重合体単独、又はエ
チレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン系樹脂との混合
物からなり、かつ酢酸ビニル含有量が35重量%以上で
メルトインデックスが5以下のベース樹脂100重量部
に対して、水酸化マグネシウム50〜300重量部、ア
ゾジカルボンアミド系発泡剤10〜30重量部、140
℃における半減期が10分以下又は1分半減期を得る温
度が170℃以下である有機過酸化物架橋剤0.5〜5
重量部、および多官能性モノマーからなる架橋助剤0.
2〜3重量部を添加してなる組成物を、加熱、発泡させ
る。 【効果】 難燃性および耐熱性に優れた発泡体が得られ
る。また発泡体製造時のガス抜けが防止されるとともに
コシのある発泡体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電、建材、空調など
の用途に特に有用な難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレン発泡体などのポ
リオレフィン系発泡体は非難燃のものが主であった。そ
してポリエチレン系樹脂をベースとした難燃性発泡体を
得るためには、ポリエチレン系樹脂からなるベース樹脂
に難燃剤として金属水酸化物を配合したり、ハロゲン系
難燃剤と三酸化アンチモンを併用添加する方法が行われ
ていた。ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを併用添
加した場合は、燃焼時に有毒ガスが発生することが問題
であった。またハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを
併用添加した系に金属水酸化物を添加することによっ
て、燃焼時に発生する有毒ガスを希釈させる方法もある
が、金属水酸化物を添加した系では、常圧下での発泡体
製造時にガス抜けが起こり易く、製品を安定して得られ
ないという欠点があった。この現象はポリエチレン系樹
脂に金属水酸化物を単独で添加した場合にも同様に生
じ、問題であった。
【0003】また金属水酸化物を添加して高難燃性のポ
リオレフィン系発泡体を得る際に、ベース樹脂として酢
酸ビニルを含有する樹脂を用いることが有効であること
が知られている。しかしながら、ベース樹脂の酢酸ビニ
ル含有量が20重量%以下では、金属水酸化物の添加量
を、ベース樹脂100重量部に対して300重量部以上
としないと充分な難燃性が得られず、そうすると前述し
たような常圧下での発泡体製造時にガス抜けが起こり易
いという問題があった。そこで、ベース樹脂の酢酸ビニ
ル含有量を20重量%以上、好ましくは35重量%以上
にして、金属水酸化物の添加量を50〜300重量部と
することによって、難燃性は容易に得られるようにな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合には架橋剤の選択が問題であった。すなわち、ベース
樹脂の酢酸ビニル含有量が35重量%以上に増えると、
ベース樹脂そのものが柔らかくなり、架橋剤として通常
よく使用されるジクミルパーオキサイド(dicumy
l peroxide,DCP)を用いた場合、常圧下
での発泡において、架橋が充分に進行しないうちからガ
スが抜けていくという現象が生じ、充分な高発泡体が得
られないという問題があった。また架橋剤としてDCP
を用い、架橋助剤として多官能性モノマーを併用した場
合でも、発泡倍率が16〜17倍程度の発泡体は得られ
るものの、発泡体そのものがコシがないものとなってし
まい、実使用に耐える発泡体を得ることはできなかっ
た。
【0005】さらに近年では、ポリオレフィン系発泡体
に対して耐熱性の要求が高まってきている。例えばフロ
ンやブタンによる発泡で得られた非架橋の発泡体では、
そのベース樹脂の融点以下の耐熱性しか得られない。こ
れに対して架橋発泡体の場合は、その製造工程で架橋が
なされるため、ベース樹脂の融点より5℃程度高い耐熱
温度を有するとされている。また、より高耐熱性が要求
される場合には、より高融点の樹脂をベース樹脂に添加
して架橋発泡させる方法が行われていた。しかしなが
ら、より高融点の樹脂をベース樹脂に添加したとして
も、120℃よりも高い耐熱性の達成は難しかった。例
えば、高温下で発泡体そのものが溶融してしまうという
現象はないとしても、発泡体の厚さが常温下での厚さよ
り10%以上薄くなってしまうという現象は解消されな
かった。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、発泡体の難燃性、高耐熱性を達成するとともに、製
造時のガス抜けの問題を解決し、コシがあって実用性に
富む難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃耐熱性ポリ
オレフィン系発泡体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
単独、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン系
樹脂との混合物からなり、かつ酢酸ビニル含有量が35
重量%以上でメルトインデックスが5以下のベース樹脂
100重量部に対して、水酸化マグネシウム50〜30
0重量部、アゾジカルボンアミド系発泡剤10〜30重
量部、140℃における半減期が10分以下又は1分半
減期を得る温度が170℃以下である有機過酸化物架橋
剤0.5〜5重量部、および多官能性モノマーからなる
架橋助剤0.2〜3重量部を添加してなる組成物を、加
熱、発泡させたことを前記課題の解決手段とした。
【0008】
【作用】本発明の難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡体に
よれば、酢酸ビニルを含有するベース樹脂に難燃剤とし
て水酸化マグネシウムを添加することにより、難燃性の
高い発泡体が得られる。金属水酸化物を添加した系では
発泡体製造時にガス抜けが起こり易いという問題に対し
ては、発泡剤として分解温度が200℃前後のアゾジカ
ルボンアミド系発泡剤を、および架橋剤として140℃
における半減期が10分以下又は1分半減期を得る温度
が170℃以下の有機過酸化物架橋剤を用いることによ
り、金属水酸化物を添加した系における架橋と発泡のバ
ランスをとり、発泡体製造時のガス抜けを防止すること
ができる。
【0009】またベース樹脂として酢酸ビニル含有量が
35重量%以上の樹脂を用いることにより、ベース樹脂
の結晶性部を減少させ、得られた発泡体が高温雰囲気に
曝された場合でも結晶性部に起因する収縮現象を低下さ
せることができる。このことにより、発泡体の耐熱性が
向上される。
【0010】ベース樹脂の酢酸ビニル含有量が35重量
%以上に増えると、ベース樹脂そのものが柔らかくな
り、発泡においてガス抜けが生じる、また架橋剤の選択
によっては発泡体のコシが弱くなる恐れがあるという問
題に対しては、ベース樹脂のメルトインデックスを5以
下とし、発泡剤として分解温度が200℃前後のアゾジ
カルボンアミド系発泡剤を用い、架橋剤として140℃
における半減期が10分以下又は1分半減期を得る温度
が170℃以下の有機過酸化物架橋剤を用い、また架橋
助剤として多官能性モノマーを用いて、それぞれを適量
添加することによって架橋と発泡のバランスをとり、発
泡体製造時のガス抜けを防止するとともにコシのある発
泡体を得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。本発明にお
いてベース樹脂として用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、酢酸ビニル含有量が35重量%以上で、かつ
メルトインデックスが5以下のエチレン−酢酸ビニル共
重合体を用いることができる。またこのベース樹脂とし
て、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で用い
てもよいが、これとエチレン系樹脂とを混合させて、酢
酸ビニル含有量が35重量%以上で、かつメルトインデ
ックス(MI)が5以下としたものも用いることができ
る。
【0012】本発明のベース樹脂において、酢酸ビニル
の含有量を35重量%以上とした理由は次の通りであ
る。すなわち、酢酸ビニル含有量がこれより少ないと、
酢酸ビニルと水酸化マグネシウムとの相互作用による難
燃効果が不十分なものとなる。またベース樹脂の結晶性
部が多くなる結果、得られた発泡体の高温下での収縮が
大きくなって、高温雰囲気下で厚みが薄くなるなど耐熱
性に劣るものとなる。本発明のベース樹脂において、M
Iを5以下とした理由は次の通りである。すなわち、M
Iが5より大きいと、アゾジカルボンアミド系発泡剤の
分解温度である200℃以上の雰囲気下での粘度が低過
ぎるものとなり、架橋剤を添加し架橋によって粘度の低
下を防止しようとしても、ガス抜けを防止することは困
難となる。
【0013】本発明においては、金属水酸化物難燃剤と
して水酸化マグネシウムが用いられる。またその添加量
はベース樹脂100重量部に対して、50〜300重量
部である。この水酸化マグネシウムは、チタネート系、
シラン系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩などで
表面処理されていてもよい。本発明において金属水酸化
物として水酸化マグネシウムが選択される理由は次の通
りである。すなわち、金属水酸化物としては他に水酸化
アルミニウムもあるが、水酸化アルミニウムを用いる
と、発泡時に200℃以上の温度に曝された際に脱水反
応を起こす可能性がある。そして発泡時に水が存在する
と、これが架橋反応を阻害し、また発泡剤の分解に影響
を与えて、高発泡体が得られないという不都合が生じ
る。本発明における水酸化マグネシウムの添加量につい
ては、これが50重量部より少ないと、充分な難燃化効
果が得られず、また300重量部以上であると発泡時の
ガス抜けが大きくなり、機械的強度の低下にもつなが
る。そして、水酸化マグネシウムを適切な量で添加する
ことにより、ベース樹脂における酢酸ビニルの含有量が
増加した際に、発泡体のコシの補強効果を得ることがで
きる。
【0014】本発明においては、発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド系(ADCA系)発泡剤が用いられる。そ
してその添加量は、ベース樹脂100重量部に対して1
0〜30重量部である本発明において発泡剤としてAD
CA系のものが用いられる理由は次の通りである。すな
わち、発泡剤としては、これ以外にアゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)系、ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン(DPT)系、4,4’−オキシビスベンゼン
スルホニルヒドラジッド(OBSH)系、パラトルエン
スルホニルヒドラジッド(TSH)系などが考えられる
が、分解温度が200℃前後のものが好ましく、分解時
の発生ガス量が多いものが好ましいことから、ADCA
系が最適である。これに対して、OBSH系、AIBN
系、TSH系のものは分解温度が低く、またDPT系の
ものは分解熱が大きいために発泡時に「やけ」が起こり
易く本発明の発泡体には不適当である。本発明におい
て、ADCA系発泡剤の添加量が10重量部より少ない
と、発泡が充分になされず、30重量部より多いと発泡
体に「ス」が生じ易くなる。
【0015】本発明においては、架橋剤として140℃
における半減期が10分以下又は1分半減期を得る温度
が170℃以下である有機過酸化物が用いられ、その添
加量はベース樹脂100重量部に対して、0.5〜5重
量部である。半減期がこれよりも長い架橋剤では、酢酸
ビニル含有量が35重量%以上のベース樹脂に水酸化マ
グネシウムが50〜300重量部添加された組成物を常
圧下で発泡させる際に、ガス抜けが起こり、高発泡体を
得るのは難しい。このような有機過酸化物として好適な
ものは、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイ
ルパーオキシヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス−t−ブチルパーオキシシクロドデカン等が挙げ
られる。本発明において、架橋剤の添加量が0.5重量
部よりも少ないと架橋が充分になされず、このためガス
抜けが生じて高発泡体を得ることができない。また、添
加量が5重量部よりも多いと、架橋が強過ぎてガスが樹
脂内部に閉じ込められてしまい、この場合も高発泡体を
得ることができない。また一部で「ス」が発生する場合
もある。
【0016】本発明においては、架橋助剤として多官能
性モノマーが用いられ、ベース樹脂100重量部に対し
て0.2〜3重量部添加される。好適な多官能性モノマ
ーとしては、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられ
る。本発明において、多官能性モノマーの添加量が0.
2重量部より少ないと架橋補助効果が小さく、得られる
発泡体はコシのないものとなってしまう。また3重量部
よりも多いと架橋密度が高くなり、このため発泡体に
「ワレ」が発生する場合がある。
【0017】本発明の難燃耐熱性ポリオレフィン系発泡
体は、上述したベース樹脂に、金属水酸化物、発泡剤、
架橋剤、および架橋助剤等を添加し、混練して得られた
コンパウンドを所望の形状に成形した後、熱風炉、塩
浴、遠赤外炉などを用いて、常圧下で加熱、発泡させる
ことによって得られる。また、発泡前にコンパウンドを
特に脱湿処理する必要はない。この発泡工程中、成形さ
れたコンパウンドと、これを支持する支持体とが融着し
ないことが必要で、このために任意の発泡装置を通過さ
せる際に、メッシュベルトや、エアーフロート法などが
適宜用いられる。
【0018】また本発明において、ベース樹脂に、上述
した配合剤、すなわち金属水酸化物、発泡剤、架橋剤、
および架橋助剤の他、ハロゲン系難燃剤、赤リン、リン
酸エステル系難燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助
剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、銅害防止剤、顔料、染
料、その他の着色剤、少量のタルクなどの無機物粉末、
あるいはチタネート系カップリング剤、シランカップリ
ング剤などの処理剤等を適宜添加することができる。
【0019】本発明の発泡体は、架橋剤として従来用い
られていたDCP等に比べて半減期が短い架橋剤が使用
されるため、混練時の架橋剤の添加は90℃以下の温度
で行われることが望ましい。また製造工程中にスコーチ
が発生しないように、添加される各材料の物性に応じて
温度設定をする必要がある。さらに、混練して得られた
コンパウンドが揮発性の架橋剤を含有する場合には、コ
ンパウンドの保管を密封状態で行うことが必要である。
またベース樹脂によっては、混練して得られたコンパウ
ンドにおいて、ペレットどうしがブロッキングする場合
があり、これを防止するためにアンチブロッキング剤処
理することができる。
【0020】以下、本発明の実施例を具体的に述べる。
尚、配合における単位はいずれも重量部である。 (実施例1〜3)下記表1に示す通りに各材料を配合
し、これらを混練した後、厚さ3mmのシート状に成形し
た。次いで200℃のオーブン中で15分間加熱、発泡
させた。得られた発泡体の発泡倍率、難燃性、耐熱性、
およびコシの有無を調べた。ここで、難燃性の評価はJ
IS K 7201に基づいて測定した酸素指数(ox
ygen index,OI)で示した。耐熱性の評価
はJIS K 6767に基づき、130℃のオーブン
中に22時間放置した後の寸法変化率が7%以下である
場合を○、7%より大きい場合を×として示した。また
コシの有無については、100gf/cm2の荷重をか
けて1分後の寸法変化が10%以下である場合を有、1
0%より大きい場合を無とした。これらの特性の測定結
果を下記表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(比較例1〜3)架橋剤として従来一般に
用いられていたDCPを用いた比較例を示す。下記表2
に示す配合で上記実施例1〜3と同様にして、発泡体を
製造し、その特性を調べた。その結果を下記表2に示
す。
【0023】
【表2】
【0024】上記実施例1〜3および比較例1〜3の結
果より、実施例1〜3では諸特性に優れた高発泡体が得
られたのに対して、架橋剤としてDCPを用いた比較例
では、DCPの添加量を変化させても発泡倍率が15倍
程度しか得られず、それもコシのないものであった。
【0025】本発明の実施例4、およびベース樹脂の酢
酸ビニル含有量またはMIを変えた場合の比較例4〜6
を示す。 (実施例4)下記表3に示す配合で上記実施例1〜3と
同様にして、発泡体を製造し、その特性を調べた。その
結果を下記表3に示す。 (比較例4〜6)下記表3に示す配合で上記実施例1〜
3と同様にして、発泡体を製造し、その特性を調べた。
その結果を下記表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】エバフレックスEV40LX:EVA、三
井デュポンポリケミカル(株)製、酢酸ビニル含有量
41重量%、MI 2 エバフレックスEV40X:EVA、三井デュポンポリ
ケミカル(株)製、酢酸ビニル含有量 41重量%、M
I 65 エバフレックスEV360:EVA、三井デュポンポリ
ケミカル(株)製、酢酸ビニル含有量 25重量%、M
I 2 エバフレックスEV560:EVA、三井デュポンポリ
ケミカル(株)製、酢酸ビニル含有量 14重量%、M
I 3.5 パーヘキサ25Z:2,5−ジメチル−2,5−ジベン
ゾイルパーオキシヘキサン、日本油脂(株)製 TAC:トリアリルシアヌレート、日本化成(株)製
【0028】これらの結果より、上記実施例4では、難
燃性、耐熱性、コシの面で優れた高発泡体が得られたの
に対して、MIが大きいベース樹脂を用いた比較例4で
は発泡倍率が低く、高発泡体は得られなかった。また比
較例5および6の結果より、ベース樹脂として酢酸ビニ
ル含有量が少ないものを用いると、難燃性および耐熱性
が低下することが認められた。
【0029】実施例5〜8および比較例7〜9として、
金属水酸化物の種類および添加量を変化させて、得られ
た発泡体の諸特性を調べた。 (実施例5〜8)下記表4に示す配合で上記実施例1〜
3と同様にして、発泡体を製造し、その特性を調べた。
その結果を下記表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】(比較例7〜9)下記表5に示す配合で上
記実施例1〜3と同様にして、発泡体を製造し、その特
性を調べた。その結果を下記表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】これらの結果より、実施例5〜8では、発
泡倍率、難燃性、耐熱性、コシともに問題なく、高発泡
体が得られた。また水酸化マグネシウムに加えて水酸化
アルミニウムを少量添加した実施例8においても、良好
な結果が得られた。これに対して、金属水酸化物とし
て、水酸化マグネシウムを用いず水酸化アルミニウムの
みを用いた比較例7では高発泡体は得られなかった。こ
れは金属水酸化物の脱水の影響で、架橋反応の阻害によ
りガス抜けが生じたためと考えられる。また、水酸化マ
グネシウムの添加量を本発明のものより少なくした比較
例8では難燃性が低くなり、さらにはコシがなくなるこ
とが認められた。反対に、水酸化マグネシウムの添加量
を本発明のものより多くした比較例9では、架橋剤とし
て好適なものを用いたにもかかわらずガス抜けが多くな
り、発泡倍率の低下が認められた。
【0034】実施例9〜12および比較例10〜11と
して、架橋助剤の添加量を変化させて、得られた発泡体
の諸特性を調べた。 (実施例9〜12)下記表6に示す配合で上記実施例1
〜3と同様にして、発泡体を製造しその特性を調べた。
その結果を下記表6に示す。 (比較例10,11)下記表6に示す配合で上記実施例
1〜3と同様にして、発泡体を製造しその特性を調べ
た。その結果を下記表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】これらの結果より、実施例9〜12では、
発泡倍率、難燃性、耐熱性、コシともに問題なく、高発
泡体が得られたのに対して、架橋助剤の添加量が少ない
比較例10では、得られた発泡体がコシのないものとな
った。また架橋助剤の添加量が多い比較例11では発泡
体に割れが生じたほか、架橋密度が高くなったためと考
えられるが、高温下での収縮が見られ耐熱性が悪くなる
ことが認められた。
【0037】発泡体の形状の他の例として、パイプ状の
発泡体を製造した。図1は発泡工程の例を示したもので
ある。 (実施例13)下記表7に示す通りに各材料を配合し、
これらを混練した後、内径5mm、外径11mmのパイプ状
に押出成形した。これを図1(A)に示すように、30
メッシュのステンレスメッシュ1上に保持した状態で、
200℃のオーブン中で15分間加熱、発泡させて、図
1(B)に示すようなパイプ状発泡体2を得た。得られ
た発泡体の諸特性を上記実施例1〜3と同様にして調べ
た。また、発泡後のパイプのつぶれの有無についても調
べた。その測定結果を下記表7に示す。
【0038】(比較例12)下記表7に示すように、ベ
ース樹脂として低密度ポリエチレンを用い、これに上記
実施例13と同様の発泡剤を添加し、さらに架橋剤とし
てDCPを添加してこれらを混練し、他は上記実施例1
3と同様にしてパイプ状発泡体を製造し、諸特性を調べ
た。その測定結果を下記表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】これらの結果より、実施例13では、発泡
倍率、難燃性、耐熱性、コシともに問題なく、高発泡体
が得られ、発泡時にパイプにつぶれが生じることもなか
った。これに対して、比較例12で得られた発泡体は、
難燃性、耐熱性ともに劣り、また発泡時にパイプがつぶ
れた状態となった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の難燃耐熱性
ポリオレフィン系発泡体は、エチレン−酢酸ビニル共重
合体単独、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレ
ン系樹脂との混合物からなり、かつ酢酸ビニル含有量が
35重量%以上でメルトインデックスが5以下のベース
樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウム50〜
300重量部、アゾジカルボンアミド系発泡剤10〜3
0重量部、140℃における半減期が10分以下又は1
分半減期を得る温度が170℃以下である有機過酸化物
架橋剤0.5〜5重量部、および多官能性モノマーから
なる架橋助剤0.2〜3重量部を添加してなる組成物
を、加熱、発泡させたものである。
【0042】したがって、高酢酸ビニル含有のベース樹
脂に難燃剤として水酸化マグネシウムを添加して、難燃
性の高い発泡体が得られる。そして、ベース樹脂のメル
トインデックスを特定するとともに、発泡剤、架橋剤、
架橋助剤として上記のものを選択して用い、それぞれを
適量添加することによって、架橋と発泡のバランスをと
り、発泡体製造時のガス抜けを防止するとともにコシの
ある発泡体を得ることができる。またベース樹脂として
非結晶性部が多い樹脂を用いることにより、発泡体の耐
熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における発泡工程の例を示した説明図
である。
【符号の説明】
2…発泡体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂塚 英夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 丹羽 利夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体単独、又
    はエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン系樹脂との
    混合物からなり、かつ酢酸ビニル含有量が35重量%以
    上でメルトインデックスが5以下のベース樹脂100重
    量部に対して、水酸化マグネシウム50〜300重量
    部、アゾジカルボンアミド系発泡剤10〜30重量部、
    140℃における半減期が10分以下又は1分半減期を
    得る温度が170℃以下である有機過酸化物架橋剤0.
    5〜5重量部、および多官能性モノマーからなる架橋助
    剤0.2〜3重量部を添加してなる組成物を、加熱、発
    泡させたことを特徴とする難燃耐熱性ポリオレフィン系
    発泡体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006028284A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Tosoh Corp 難燃性エチレン系共重合体樹脂組成物及びその製造方法
WO2014003376A1 (ko) * 2012-06-25 2014-01-03 화인케미칼 주식회사 신발창용 스펀지 조성물
JP2014070102A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Sekisui Chem Co Ltd マスターバッチ及び発泡成形体
JP2017082244A (ja) * 2017-02-07 2017-05-18 積水化学工業株式会社 マスターバッチ及び発泡成形体
CN111961280A (zh) * 2020-08-28 2020-11-20 晨虹(天津)科技股份有限公司 一种新型阻燃聚乙烯——醋酸乙烯酯合金发泡方法

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