JPH0618307B2 - 演算増幅器 - Google Patents
演算増幅器Info
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- JPH0618307B2 JPH0618307B2 JP60071815A JP7181585A JPH0618307B2 JP H0618307 B2 JPH0618307 B2 JP H0618307B2 JP 60071815 A JP60071815 A JP 60071815A JP 7181585 A JP7181585 A JP 7181585A JP H0618307 B2 JPH0618307 B2 JP H0618307B2
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- circuit
- frequency
- differential amplifier
- capacitor
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Description
【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A 産業上の利用分野 B 発明の概要 C 従来の技術 D 発明が解決しようとする問題点 E 問題点を解決するための手段 F 作用 G 実施例 G−1 第1の実施例 G−2 第2の実施例 G−3 第3の実施例 H 発明の効果 A.産業上の利用分野 本発明は、集積化に適する2極補償を施した演算増幅器
に関する。
に関する。
B.発明の概要 本発明は、演算増幅器において、抵抗と容量の時定数に
よって伝達特性の零点のみが設定され、伝達特性の極の
時定数は該零点と容量の比により決定されるように構成
することによって、集積回路内部で実現し得る抵抗、容
量の実用的な値で2極補償を可能とするものである。
よって伝達特性の零点のみが設定され、伝達特性の極の
時定数は該零点と容量の比により決定されるように構成
することによって、集積回路内部で実現し得る抵抗、容
量の実用的な値で2極補償を可能とするものである。
C.従来の技術 演算増幅器は、集積化されて以来種々のアナログ信号処
理用として広く応用され、今日では最も汎用性の高い集
積回路のひとつとなっている。この演算増幅器の交流的
な振舞いは、第5図のような開ループ利得特性で表わす
ことができる。第5図において、A0は開ループ直流利
得、0は単位利得周波数と呼ばれる。
理用として広く応用され、今日では最も汎用性の高い集
積回路のひとつとなっている。この演算増幅器の交流的
な振舞いは、第5図のような開ループ利得特性で表わす
ことができる。第5図において、A0は開ループ直流利
得、0は単位利得周波数と呼ばれる。
一般的な演算増幅器では、100%の負帰還をかけても
安定なように、単位利得周波数0で約π/4〔rad〕以
上の位相余裕を保つように内部で位相補償を施してい
る。従って、第1極周波数pから単位利得周波数0ま
では6dB/octの積分特性を示す。その場合、p=0
/A0の関係にある。
安定なように、単位利得周波数0で約π/4〔rad〕以
上の位相余裕を保つように内部で位相補償を施してい
る。従って、第1極周波数pから単位利得周波数0ま
では6dB/octの積分特性を示す。その場合、p=0
/A0の関係にある。
一般的にはA0がより大きく0がより高い程性能が高
い。通常、A0は100dB前後であり、特に過不足はな
い。演算増幅器を例えばオーディオ信号用の増幅器とし
て用いる場合、単なる直流利得A0よりも扱う信号周波数
帯域、オーディオ信号の場合約20KHzにおける実効的
な開ループ利得が重要で、そのためには、単位利得周波
数0が高い必要がある。初期の集積化された演算増幅
器は単位利得周波数0が1MHz程度であったが、その後
帯域を広げる努力がなされ現在では3〜10MHzが一般
的となっている。しかし、単位利得周波数0が10MHz
でも、20KHzにおける開ループ利得は54dB程度であ
り、応用によっては必らずしも充分ではない。
い。通常、A0は100dB前後であり、特に過不足はな
い。演算増幅器を例えばオーディオ信号用の増幅器とし
て用いる場合、単なる直流利得A0よりも扱う信号周波数
帯域、オーディオ信号の場合約20KHzにおける実効的
な開ループ利得が重要で、そのためには、単位利得周波
数0が高い必要がある。初期の集積化された演算増幅
器は単位利得周波数0が1MHz程度であったが、その後
帯域を広げる努力がなされ現在では3〜10MHzが一般
的となっている。しかし、単位利得周波数0が10MHz
でも、20KHzにおける開ループ利得は54dB程度であ
り、応用によっては必らずしも充分ではない。
単位利得周波数0をより高めることは、技術的には可
能であるが、特殊な製造プロセスを必要とする。また単
位利得周波数0をより高くした演算増幅器では周辺回
路の位相推移を少なくする必要から使いにくかったり、
あるいは周辺回路において必然的に位相推移を伴なう場
合には上記単位利得周波数0が高すぎると不都合が生
じる場合もある。
能であるが、特殊な製造プロセスを必要とする。また単
位利得周波数0をより高くした演算増幅器では周辺回
路の位相推移を少なくする必要から使いにくかったり、
あるいは周辺回路において必然的に位相推移を伴なう場
合には上記単位利得周波数0が高すぎると不都合が生
じる場合もある。
演算増幅器の帯域を広げずに実効的な開ループ利得を上
げる目的のために有効な手法として2極補償という方法
がある。演算増幅器ではないがオーディオ用のパワーア
ンプではよく用いられている。以下、2極補償の有効性
について、オーディオ用増幅器とノイズリダクション回
路を例にとって説明する。
げる目的のために有効な手法として2極補償という方法
がある。演算増幅器ではないがオーディオ用のパワーア
ンプではよく用いられている。以下、2極補償の有効性
について、オーディオ用増幅器とノイズリダクション回
路を例にとって説明する。
まず、第6図はオーディオ用増幅器として用いる場合の
演算増幅器の利得特性を示している。同図において、特
性aは通常の演算増幅器の開ループ利得特性である。こ
の演算増幅器を利得AFの増幅器として使用することを
考える。破線bはこの場合の開ループ時の特性を示して
いる。上記特性aと上記破線bで囲まれた領域cが各周
波数における帰還量を示し、第1極p以上の周波数で
は帰還量が低下する。一方、帰還量が充分でないと高調
波歪等が増加し、高域程その傾向が強くなる。利得の設
定や演算増幅器の特性によっては高域の高調波歪みの増
加が無視できなくなる。
演算増幅器の利得特性を示している。同図において、特
性aは通常の演算増幅器の開ループ利得特性である。こ
の演算増幅器を利得AFの増幅器として使用することを
考える。破線bはこの場合の開ループ時の特性を示して
いる。上記特性aと上記破線bで囲まれた領域cが各周
波数における帰還量を示し、第1極p以上の周波数で
は帰還量が低下する。一方、帰還量が充分でないと高調
波歪等が増加し、高域程その傾向が強くなる。利得の設
定や演算増幅器の特性によっては高域の高調波歪みの増
加が無視できなくなる。
同図において、特性dは2極補償を用いた演算増幅器の
開ループ利得特性を示す。2極補償によって周波数p2
に極が配置され周波数zに零点が配置されている。ま
た、第1極は同一単位利得周波数0を保つために周波
数p1まで上昇させられている。その結果、上記特性a
と上記特性bで囲まれた領域eの部分が帰還量の増大を
示し、その分特性、特に線形性が著しく改善される。零
点周波数zは、高い程改善効果が大きいが、単位利得
周波数0において位相余裕を悪化させないために該単
位利得周波数0よりも充分低いことが求められ、該単
位利得周波数0の1/10程度以下にする必要がある。
上記極周波数p2と上記零周波数zの比は、大きい方
が改善効果が大きいがこの比を大きくとると、上記p2
と上記z間で位相推移が大きくなる。通常は上記p2
と上記zの比は10程度が適当である。
開ループ利得特性を示す。2極補償によって周波数p2
に極が配置され周波数zに零点が配置されている。ま
た、第1極は同一単位利得周波数0を保つために周波
数p1まで上昇させられている。その結果、上記特性a
と上記特性bで囲まれた領域eの部分が帰還量の増大を
示し、その分特性、特に線形性が著しく改善される。零
点周波数zは、高い程改善効果が大きいが、単位利得
周波数0において位相余裕を悪化させないために該単
位利得周波数0よりも充分低いことが求められ、該単
位利得周波数0の1/10程度以下にする必要がある。
上記極周波数p2と上記零周波数zの比は、大きい方
が改善効果が大きいがこの比を大きくとると、上記p2
と上記z間で位相推移が大きくなる。通常は上記p2
と上記zの比は10程度が適当である。
次に、ノイズリダクション回路について2極補償の有効
性について説明する。ノイズリダクション回路はテープ
レコーダ等において録音媒体である磁気テープ等のダイ
ナミックレンジを見かけ上拡大する回路で、信号のダイ
ナミックレンジを圧縮して録音し、再生時に伸長復元す
るのに用いられる。
性について説明する。ノイズリダクション回路はテープ
レコーダ等において録音媒体である磁気テープ等のダイ
ナミックレンジを見かけ上拡大する回路で、信号のダイ
ナミックレンジを圧縮して録音し、再生時に伸長復元す
るのに用いられる。
第7図は従来知られているノイズリダクション回路の構
成の一例を示す。このノイズリダクション回路は圧縮動
作と伸長動作とを切り替えることが可能であり、入力端
子71,圧縮回路74,演算増幅器72,圧縮,伸長動
作の切替スイッチ73,伸長出力端子75,圧縮出力端子
76等より構成されている。また、上記圧縮回路74は
帯域制限回路77,可変高域フィルタ78,79、これ
等可変高域フィルタ78,79の制御回路80,81、加
算回路82,83,飽和防止回路84から構成されてい
る。
成の一例を示す。このノイズリダクション回路は圧縮動
作と伸長動作とを切り替えることが可能であり、入力端
子71,圧縮回路74,演算増幅器72,圧縮,伸長動
作の切替スイッチ73,伸長出力端子75,圧縮出力端子
76等より構成されている。また、上記圧縮回路74は
帯域制限回路77,可変高域フィルタ78,79、これ
等可変高域フィルタ78,79の制御回路80,81、加
算回路82,83,飽和防止回路84から構成されてい
る。
上記切替スイッチ73は圧縮動作時には端子73aの位置
に接続されており、上記演算増幅器72は上記入力端子
71に供給される信号に対し単なるボルテージフォロワ
回路として動作して上記圧縮回路74を駆動し、上記圧
縮出力端子76に圧縮出力信号を出力する。伸長動作時
には、上記スイッチ73が端子73bの側に接続され、
上記圧縮回路74は上記演算増幅器72の帰還回路とし
て取り込まれる。上記演算増幅器72は上記伸長出力端
子75に伸長出力信号を出力する。
に接続されており、上記演算増幅器72は上記入力端子
71に供給される信号に対し単なるボルテージフォロワ
回路として動作して上記圧縮回路74を駆動し、上記圧
縮出力端子76に圧縮出力信号を出力する。伸長動作時
には、上記スイッチ73が端子73bの側に接続され、
上記圧縮回路74は上記演算増幅器72の帰還回路とし
て取り込まれる。上記演算増幅器72は上記伸長出力端
子75に伸長出力信号を出力する。
上記圧縮回路74の入力信号のレベルの変化に対する伝
達特性を第8図に示す。同図において、特性曲線aは小
信号時の特性を示し、上記可変高域フィルタ78,79
は最もカットオフ周波数が低下した状態にある。その結
果、上記特性曲線aは、中高域が約20dB上昇した特性
を示す。上記帯域制限回路77の影響で周波数20KHz
近傍に約12dBの深さのディップ特性が表われる。上記
帯域制限回路77は、磁気テープが高域飽和をおこす可
聴帯域上限付近の成分を予め抑圧して記録し高域飽和を
避ける作用をする。
達特性を第8図に示す。同図において、特性曲線aは小
信号時の特性を示し、上記可変高域フィルタ78,79
は最もカットオフ周波数が低下した状態にある。その結
果、上記特性曲線aは、中高域が約20dB上昇した特性
を示す。上記帯域制限回路77の影響で周波数20KHz
近傍に約12dBの深さのディップ特性が表われる。上記
帯域制限回路77は、磁気テープが高域飽和をおこす可
聴帯域上限付近の成分を予め抑圧して記録し高域飽和を
避ける作用をする。
上記圧縮回路74は、信号レベルが上昇するにつれ上記
制御回路80,81の作用により上記可変高域フィルタ
78,79のカットオフ周波数が上昇し、特性曲線bの
ような伝達特性を示す。信号レベルがさらに上昇し入力
信号が周波数,振幅とも最大となると上記圧縮回路74
は特性曲線cに示す伝達特性となりカットオフ周波数は
上限に達する。
制御回路80,81の作用により上記可変高域フィルタ
78,79のカットオフ周波数が上昇し、特性曲線bの
ような伝達特性を示す。信号レベルがさらに上昇し入力
信号が周波数,振幅とも最大となると上記圧縮回路74
は特性曲線cに示す伝達特性となりカットオフ周波数は
上限に達する。
このような伝達特性を有する上記圧縮回路74を用いた
上記ノイズリダクション回路の伸長動作時の周波数特性
を第9図にボーデ線図で示す。同図において特性a上記
演算増幅器72の開ループ利得特性を示し、特性b,c
は上記圧縮回路14の伝達特性の逆数を示し、上記特性b
は小信号入力時,上記特性cは大信号入力時に対応す
る。上記特性aと上記特性bまたは上記特性cに囲まれ
た領域が帰還量を示す。0はループ全体の単位利得周
波数で、上記圧縮回路74が約20dBの高域利得を持つ
ため上記演算増幅器72単体の単位利得周波数の10倍
となる。
上記ノイズリダクション回路の伸長動作時の周波数特性
を第9図にボーデ線図で示す。同図において特性a上記
演算増幅器72の開ループ利得特性を示し、特性b,c
は上記圧縮回路14の伝達特性の逆数を示し、上記特性b
は小信号入力時,上記特性cは大信号入力時に対応す
る。上記特性aと上記特性bまたは上記特性cに囲まれ
た領域が帰還量を示す。0はループ全体の単位利得周
波数で、上記圧縮回路74が約20dBの高域利得を持つ
ため上記演算増幅器72単体の単位利得周波数の10倍
となる。
このノイズリダクション回路における問題点のひとつ
は、上記単位利得周波数0を高くすると不安定になる
可能性が高いということである。これは単に上記演算増
幅器72の問題ではなく、上記圧縮回路74の位相推移
が問題で、上記圧縮回路74は第7図に示すようにかな
り複雑な回路構成であるため位相推移が累積し、上記単
位利得周波数0を高くするのは困難である。
は、上記単位利得周波数0を高くすると不安定になる
可能性が高いということである。これは単に上記演算増
幅器72の問題ではなく、上記圧縮回路74の位相推移
が問題で、上記圧縮回路74は第7図に示すようにかな
り複雑な回路構成であるため位相推移が累積し、上記単
位利得周波数0を高くするのは困難である。
他の問題点は、伸長動作時には上記帯域制限回路77の
影響で20KHzでの帰還量が減少し、特に第9図特性曲
線cに示す大振幅時にこの帰還量の減少が著しくなるこ
とである。従って、伸長動作が圧縮動作と完全に対称に
なるには、20KHzにおいて上記演算増幅器72の利得
が十分高くなければならない。
影響で20KHzでの帰還量が減少し、特に第9図特性曲
線cに示す大振幅時にこの帰還量の減少が著しくなるこ
とである。従って、伸長動作が圧縮動作と完全に対称に
なるには、20KHzにおいて上記演算増幅器72の利得
が十分高くなければならない。
そこで、このノイズリダクション回路では、伸長動作と
圧縮動作とを完全に対称とするために、20KHzにおい
て上記演算増幅器72の利得を上げる必要がある。とこ
ろが、利得を上げると前述のように上記単位利得周波数
0が高くなって上記ノイズリダクション回路が不安定
になるおそれが生じる。
圧縮動作とを完全に対称とするために、20KHzにおい
て上記演算増幅器72の利得を上げる必要がある。とこ
ろが、利得を上げると前述のように上記単位利得周波数
0が高くなって上記ノイズリダクション回路が不安定
になるおそれが生じる。
実際に両方の条件を完全に満たすこと、すなわち上記ノ
イズリダクション回路の安定を保ち、かつ20KHzでの
利得を上げるということは普通の演算増幅器では現実に
は困難である。ところが2極補償の手法を施した演算増
幅器を用いるとこの問題を簡単に解決することができ
る。第9図に破線で示す特性曲線dは2極補償を施した
演算増幅器の開ループ利得特性を示している。このよう
に2極補償を施すことにより20KHzでの利得を、上記
単位利得周波数0を高くすることなく大幅に増加させ
ることが可能となる。
イズリダクション回路の安定を保ち、かつ20KHzでの
利得を上げるということは普通の演算増幅器では現実に
は困難である。ところが2極補償の手法を施した演算増
幅器を用いるとこの問題を簡単に解決することができ
る。第9図に破線で示す特性曲線dは2極補償を施した
演算増幅器の開ループ利得特性を示している。このよう
に2極補償を施すことにより20KHzでの利得を、上記
単位利得周波数0を高くすることなく大幅に増加させ
ることが可能となる。
D.発明が解決しようとする問題点 以上説明したように2極補償を施した演算増幅器は特に
オーディオ信号処理に適している。しかしながら、少く
とも集積回路としての演算増幅器では2極補償演算増幅
器は皆無に近い。その大きな理由は比較的低い周波数に
伝達特性の零点と極を配置することが難しいためであ
る。望ましい零点と極の周波数は、極の周波数はオーデ
ィオ帯域よりやや高いこと,零点の周波数は単位利得周
波数より充分低いこと,両者の比は1:10程度である
こと等の条件から零点の周波数300KHz、極の周波数
30KHzが典型的な最適値である。これらの特性は全て
集積回路内部で設定されなければならない。今日の集積
化演算増幅器は特殊な例を除いて全て位相補償は内蔵化
されているからである。
オーディオ信号処理に適している。しかしながら、少く
とも集積回路としての演算増幅器では2極補償演算増幅
器は皆無に近い。その大きな理由は比較的低い周波数に
伝達特性の零点と極を配置することが難しいためであ
る。望ましい零点と極の周波数は、極の周波数はオーデ
ィオ帯域よりやや高いこと,零点の周波数は単位利得周
波数より充分低いこと,両者の比は1:10程度である
こと等の条件から零点の周波数300KHz、極の周波数
30KHzが典型的な最適値である。これらの特性は全て
集積回路内部で設定されなければならない。今日の集積
化演算増幅器は特殊な例を除いて全て位相補償は内蔵化
されているからである。
ところが集積回路では高い抵抗と大容量のコンデンサと
を内蔵させることが困難であるためこのような零点と極
とを配置するのが困難であった。このことを一般的な2
極補償演算増幅器の基本回路に基づいて説明する。
を内蔵させることが困難であるためこのような零点と極
とを配置するのが困難であった。このことを一般的な2
極補償演算増幅器の基本回路に基づいて説明する。
第10図は2極補償演算増幅器の基本回路を示してい
る。同図において、端子101,102は各々正負の電
源端子であり、端子103,104は各々正相及び逆相
の入力端子であり、端子105は出力端子である。実際に
は該端子105には出力回路が接続されるが図面上では
省略してある。
る。同図において、端子101,102は各々正負の電
源端子であり、端子103,104は各々正相及び逆相
の入力端子であり、端子105は出力端子である。実際に
は該端子105には出力回路が接続されるが図面上では
省略してある。
初段はトランジスタ106a,106bにより第1の差
動増幅器106を構成し、このトランジスタ106a,
106bのエミッタには共通にエミッタ電流源110が
接続されている。また、上記トランジスタ106a,1
06bのコレクタには抵抗R1,R2,R3、コンデンサC1から
成る負荷回路が接続されている。2段目には抵抗R4,R5
によって電流帰還を施されたトランジスタ107a,1
07bからなる第2の差動増幅器107が配置され、上
記抵抗R4,R5には共通電流源108が接続されている。
また、上記トランジスタ107a,107bのコレクタ
には電流ミラー回路を用いた能動負荷109が接続され
ている。上記トランジスタ107aのコレクタと上記負
電源端子102間に接続されたコンデンサC2は位相補償
用のコンデンサである。
動増幅器106を構成し、このトランジスタ106a,
106bのエミッタには共通にエミッタ電流源110が
接続されている。また、上記トランジスタ106a,1
06bのコレクタには抵抗R1,R2,R3、コンデンサC1から
成る負荷回路が接続されている。2段目には抵抗R4,R5
によって電流帰還を施されたトランジスタ107a,1
07bからなる第2の差動増幅器107が配置され、上
記抵抗R4,R5には共通電流源108が接続されている。
また、上記トランジスタ107a,107bのコレクタ
には電流ミラー回路を用いた能動負荷109が接続され
ている。上記トランジスタ107aのコレクタと上記負
電源端子102間に接続されたコンデンサC2は位相補償
用のコンデンサである。
この回路の伝達関数は、第1の差動増幅器106の伝達コ
ンダクタンスをGmとすると概略次式で与えられる(S
は複素角周波数とする)。
ンダクタンスをGmとすると概略次式で与えられる(S
は複素角周波数とする)。
この第(1)式より2極補償に必要な零点と極は抵抗R1,
R2、コンデンサC1によって設定される。なお上記抵抗R3
の値はR3=R2と設定されている。
R2、コンデンサC1によって設定される。なお上記抵抗R3
の値はR3=R2と設定されている。
第(1)式に示される伝達関数を有する上記回路を集積化
する際の問題点は、以下の3点である。
する際の問題点は、以下の3点である。
(a)極の時定数は第(1)式分母のC1(R1+2R2)で決まるた
め、30KHz程度の比較的低い周波数に設定するには上
記コンデンサC1か上記抵抗R2が相当大きくなり実用的で
ない。集積回路内部で実用的な抵抗、容量の最大値は製
造プロセスにもよるが30KΩ,30pF程度でそれ以
上はチップに占める面積が無視できなくなる。
め、30KHz程度の比較的低い周波数に設定するには上
記コンデンサC1か上記抵抗R2が相当大きくなり実用的で
ない。集積回路内部で実用的な抵抗、容量の最大値は製
造プロセスにもよるが30KΩ,30pF程度でそれ以
上はチップに占める面積が無視できなくなる。
(b)標準的な集積回路製造プロセスでは上記トランジス
タ107a,107bは横方向PNPトランジスタとし
て構成されるため遮断周波数が低く帯域を広げることが
困難になる。
タ107a,107bは横方向PNPトランジスタとし
て構成されるため遮断周波数が低く帯域を広げることが
困難になる。
(c)初段の負荷が抵抗負荷なので、直流のループ利得が
充分大きいとは言えない。
充分大きいとは言えない。
以上のような問題点があるため従来は2極補償型の演算
増幅器を集積化することが極めて困難であった。
増幅器を集積化することが極めて困難であった。
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり集
積回路における実用的な抵抗値,容量値の範囲内で2極
補償を施した演算増幅器を実現することを目的とする。
積回路における実用的な抵抗値,容量値の範囲内で2極
補償を施した演算増幅器を実現することを目的とする。
また、横方向PNPトランジスタを使用してもその遮断
周波数の制約を受けないこと及び充分に大きな直流開ル
ープ利得を得る2極補償を施した演算増幅器を実現する
ことを目的とする。
周波数の制約を受けないこと及び充分に大きな直流開ル
ープ利得を得る2極補償を施した演算増幅器を実現する
ことを目的とする。
E.問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本発明は、二つの電流源
負荷を有しトランジスタ対から成る第1の差動増幅器
と、電流帰還抵抗を有しトランジスタ対から成り上記第
1の差動増幅器出力が供給される第2の差動増幅器と、
この第2の差動増幅器のトランジスタ対の各々のトラン
ジスタのコレクタ側と各々他方のトランジスタのベース
側とに接続された第1のコンデンサ及び第2のコンデン
サと、上記第2の差動増幅器の上記第1のコンデンサが
接続された一方の出力に接続された反転増幅器と、該反
転増幅器の入力と出力との間に接続された第3のコンデ
ンサと、上記反転増幅器の出力と上記第2の差動増幅器
の上記第1のコンデンサが接続された入力側との間に接
続された第4のコンデンサとを備えて構成されることを
特徴とする。
負荷を有しトランジスタ対から成る第1の差動増幅器
と、電流帰還抵抗を有しトランジスタ対から成り上記第
1の差動増幅器出力が供給される第2の差動増幅器と、
この第2の差動増幅器のトランジスタ対の各々のトラン
ジスタのコレクタ側と各々他方のトランジスタのベース
側とに接続された第1のコンデンサ及び第2のコンデン
サと、上記第2の差動増幅器の上記第1のコンデンサが
接続された一方の出力に接続された反転増幅器と、該反
転増幅器の入力と出力との間に接続された第3のコンデ
ンサと、上記反転増幅器の出力と上記第2の差動増幅器
の上記第1のコンデンサが接続された入力側との間に接
続された第4のコンデンサとを備えて構成されることを
特徴とする。
F.作用 本発明では2極補償に必要な伝達特性の零点と極の周波
数は零点の周波数が上記第1のコンデンサと上記電流帰
還抵抗に依存し、極の周波数が上記第1,第3,第4の
コンデンサ及び上記電流帰還抵抗に依存する。また、上
記第1のコンデンサの値,上記電流帰還抵抗の値は集積
回路内で実現し得る実用的な値で、例えばオーディオ用
として充分な零点の周波数を得る。
数は零点の周波数が上記第1のコンデンサと上記電流帰
還抵抗に依存し、極の周波数が上記第1,第3,第4の
コンデンサ及び上記電流帰還抵抗に依存する。また、上
記第1のコンデンサの値,上記電流帰還抵抗の値は集積
回路内で実現し得る実用的な値で、例えばオーディオ用
として充分な零点の周波数を得る。
また、上記第1及び第2のコンデンサによりフィードフ
ォワード回路が構成されているので、上記第2の差動増
幅器の遮断周波数の影響を受けず広帯域で動作する。
ォワード回路が構成されているので、上記第2の差動増
幅器の遮断周波数の影響を受けず広帯域で動作する。
また、上記第1の差動増幅器は、その電流源負荷により
直流開ループ利得が高くなる。
直流開ループ利得が高くなる。
G.実施例 以下、本発明に係る演算増幅器について、一実施例を図
面を参照しながら説明する。
面を参照しながら説明する。
G−1 第1の実施例 本発明の第1の実施例の基本的な回路構成を第1図に示
す。同図において端子1には正電源が接続され、端子2
には負電源が接続される。端子3,4間には入力信号が
供給され、この信号は増幅されて出力端子5より出力さ
れる。
す。同図において端子1には正電源が接続され、端子2
には負電源が接続される。端子3,4間には入力信号が
供給され、この信号は増幅されて出力端子5より出力さ
れる。
初段のトランジスタ6a,6bより成る第1の差動増幅
器6の共通に接続されたエミッタと上記負電源端子2間
には定電流源7が配されている。また、上記差動増幅器
6の出力側にはトランジスタ13a,13b,抵抗
R11,R12から成る電流源負荷回路13が接続されてい
る。
器6の共通に接続されたエミッタと上記負電源端子2間
には定電流源7が配されている。また、上記差動増幅器
6の出力側にはトランジスタ13a,13b,抵抗
R11,R12から成る電流源負荷回路13が接続されてい
る。
上記差動増幅器6の差動出力は、トランジスタ9a,9
bより成る2段目の第2の差動増幅器9へ供給されてい
る。該差動増幅器9は上記トランジスタ9a,9bのエ
ミッタにそれぞれ抵抗R4,R5を有し、これ等抵抗R4,R5
は共通エミッタ抵抗R13に接続されている。この接続点
は上記電流源負荷回路13の上記トランジスタ13a,
13bのベースに接続され、該ベースには上記共通エミ
ッタ抵抗R13により初段の上記差動増幅器6の電流と上
記電流源負荷回路13である上記トランジスタ13a,
13bのコレクタ電流の平衡とを保ち適切な同相電位を
保つべく同相信号が帰還されている。また、上記共通エ
ミッタ抵抗R13は2段目の上記差動増幅器9の直流バイ
アス抵抗としても動作する。
bより成る2段目の第2の差動増幅器9へ供給されてい
る。該差動増幅器9は上記トランジスタ9a,9bのエ
ミッタにそれぞれ抵抗R4,R5を有し、これ等抵抗R4,R5
は共通エミッタ抵抗R13に接続されている。この接続点
は上記電流源負荷回路13の上記トランジスタ13a,
13bのベースに接続され、該ベースには上記共通エミ
ッタ抵抗R13により初段の上記差動増幅器6の電流と上
記電流源負荷回路13である上記トランジスタ13a,
13bのコレクタ電流の平衡とを保ち適切な同相電位を
保つべく同相信号が帰還されている。また、上記共通エ
ミッタ抵抗R13は2段目の上記差動増幅器9の直流バイ
アス抵抗としても動作する。
2段目の差動増幅器9の出力は、電流ミラー回路10に
よりシングルエンド信号に変換されてトランジスタ12
を駆動する。該トランジスタ12は反転増幅器として動
作する。
よりシングルエンド信号に変換されてトランジスタ12
を駆動する。該トランジスタ12は反転増幅器として動
作する。
2段目の上記差動増幅器9の上記トランジスタ9bのコ
レクタと上記トランジスタ9aのベースとの間にはコン
デンサC11が配され、上記トランジスタ9aのコレクタ
と上記トランジスタ9bのベースとの間にはコンデンサ
C12が配されている。これ等コンデンサC11,C12は、フ
ィードフォワード回路を構成し、2段目の上記差動増幅
器9の伝達コンダクタンスと絡んで伝達関数の零点を形
成する。
レクタと上記トランジスタ9aのベースとの間にはコン
デンサC11が配され、上記トランジスタ9aのコレクタ
と上記トランジスタ9bのベースとの間にはコンデンサ
C12が配されている。これ等コンデンサC11,C12は、フ
ィードフォワード回路を構成し、2段目の上記差動増幅
器9の伝達コンダクタンスと絡んで伝達関数の零点を形
成する。
上記トランジスタ9aのベースと反転増幅器として動作
する上記トランジスタ12のコレクタとの間にはコンデ
ンサC13が配され、上記トランジスタ12のコレクタと
ベースとの間にはコンデンサC14が配されている。これ
等コンデンサC13,C14はミラー位相補償用のコンデンサ
である。
する上記トランジスタ12のコレクタとの間にはコンデ
ンサC13が配され、上記トランジスタ12のコレクタと
ベースとの間にはコンデンサC14が配されている。これ
等コンデンサC13,C14はミラー位相補償用のコンデンサ
である。
次に、この回路の伝達特性を説明するために簡略化した
等価回路図を第2図に示す。同図において、電流源2
1,22は上記トランジスタ6a,6bをそれぞれ表わ
し、対の電流源負荷23は上記電流源負荷回路13を表
わしている。加算器24はノード25,26の2点の電
位の和を検出して上記電流源負荷回路23に同相成分を
帰還している。従って、上記ノード25,26に常に対
称な電圧−v及びvの信号が発生するように上記電流源
負荷回路23の電流が定まる。上記加算器24は第1図
における上記共通エミッタ抵抗R13回路に相当する。
等価回路図を第2図に示す。同図において、電流源2
1,22は上記トランジスタ6a,6bをそれぞれ表わ
し、対の電流源負荷23は上記電流源負荷回路13を表
わしている。加算器24はノード25,26の2点の電
位の和を検出して上記電流源負荷回路23に同相成分を
帰還している。従って、上記ノード25,26に常に対
称な電圧−v及びvの信号が発生するように上記電流源
負荷回路23の電流が定まる。上記加算器24は第1図
における上記共通エミッタ抵抗R13回路に相当する。
ここで、初段の上記差動増幅器6の伝達コンダクタンス
をGm1とし、上記トランジスタ6a,6bのベース間の電
位差,すなわち入力電圧をVin(s)とし、該入力電圧Vin
(s)における電流変動分をI(s)とすると、I(s)は次式で
表わされる。
をGm1とし、上記トランジスタ6a,6bのベース間の電
位差,すなわち入力電圧をVin(s)とし、該入力電圧Vin
(s)における電流変動分をI(s)とすると、I(s)は次式で
表わされる。
I(s)=Gm1・Vin(s) ……………(2) また、上記共通エミッタ電流源7のバイアス電流をIE
とすると、上記伝達コンダクタンスGm1は次式で表わさ
れる。
とすると、上記伝達コンダクタンスGm1は次式で表わさ
れる。
ここで、VT=kT/qであり、kはボルツマン定数,Tは
絶対温度,qは電子の荷電量である。
絶対温度,qは電子の荷電量である。
また、2段目の上記差動増幅器9の伝達コンダクタンス
をGm2とすると、このGm2は概略次式で表わされる。(R4
=R5とする。) そこで、上記ノード25,26の電位を各々−v,vと
おくと、上記コンデンサC11,C12,C14に流れる電流は次
式で求められる。ただし、上記コンデンサC11,C12に流
れる電流をI0(s)としC11=C12とする。
をGm2とすると、このGm2は概略次式で表わされる。(R4
=R5とする。) そこで、上記ノード25,26の電位を各々−v,vと
おくと、上記コンデンサC11,C12,C14に流れる電流は次
式で求められる。ただし、上記コンデンサC11,C12に流
れる電流をI0(s)としC11=C12とする。
S・C14・Vout(s)=2(I0(s)−2Gm2・v) …(5) I0(s)=S・C1・v ……………(6) ここで、第(5),(6)式より上記ノード25,26の電位
−v,vは次式で表わすことができる。
−v,vは次式で表わすことができる。
また、上記電流源負荷23に流れる電流をIS(s),上記
コンデンサC13に流れる電流をIF(s)とおくと上記ノード
25,26における電流式は次のようになる。
コンデンサC13に流れる電流をIF(s)とおくと上記ノード
25,26における電流式は次のようになる。
ノード25……I(s)=I0(s)+IS(s)+IF(s) ……(8) ノード25……I0(s)=I(s)+IS(s) ……(9) ここで、第(8),(9)式より次式が得られる。
2I(s)=2I0(s)+IF(s) …………………(10) 次に、上記コンデンサC13に流れる電流IF(s)は次式で与
えられる。
えられる。
IF(s)=S・C13・(Vout(s)+v) ……(11) 以上より第(10)式に第(6),(11)式を代入すると次式が
得られる。
得られる。
ここで、この第(12)式に第(4)式を代入すると次式が得
られる。
られる。
この第(13)式に第(2)式を代入すると次式が得られる。
この第(14)式は第1図の回路の伝達関数を表わす式であ
る。ここで2極補償に必要な零点及び極は第(14)式より
C11(=C12),C13,C14,R4(=R5)によって設定されるこ
とが明らかである。上記零点を時定数をτ1,上記極の時
定数をτ2とすると、このτ1,τ2は各々次式で表わすこ
とができる。
る。ここで2極補償に必要な零点及び極は第(14)式より
C11(=C12),C13,C14,R4(=R5)によって設定されるこ
とが明らかである。上記零点を時定数をτ1,上記極の時
定数をτ2とすると、このτ1,τ2は各々次式で表わすこ
とができる。
前述したように演算増幅器をオーディオ信号の処理に用
いる場合には零点の周波数Zは、Z=300KHz、極
の周波数p2は、p2=30KHzが典型的な最適値であ
る。そこで、この回路を集積化する際、集積回路内部で
の設定が実用的であるということについて説明する。
いる場合には零点の周波数Zは、Z=300KHz、極
の周波数p2は、p2=30KHzが典型的な最適値であ
る。そこで、この回路を集積化する際、集積回路内部で
の設定が実用的であるということについて説明する。
まず零点の時定数は第(15)式で決まる。集積回路内部で
の実用的な抵抗、容量の最大値は前述したようにそれぞ
れ30KΩ,30pF程度である。300KHz程度の零
点周波数なら集積回路内部でこれらの値、すなわち30
KΩ,30pFで十分に実現可能である。
の実用的な抵抗、容量の最大値は前述したようにそれぞ
れ30KΩ,30pF程度である。300KHz程度の零
点周波数なら集積回路内部でこれらの値、すなわち30
KΩ,30pFで十分に実現可能である。
次に、極の時定数は第(16)式で決まる。前述したように
極の時定数τ2は零点の時定数τ1の10倍程度が望まし
い。従って、次式が条件となる。
極の時定数τ2は零点の時定数τ1の10倍程度が望まし
い。従って、次式が条件となる。
また、単位利得周波数0は前述したように3〜10MHz
程度であることが望まれるため、上記コンデンサC14は
10〜20pF程度である。よって、第(17)式より次の
条件が成り立つ。
程度であることが望まれるため、上記コンデンサC14は
10〜20pF程度である。よって、第(17)式より次の
条件が成り立つ。
第(18)式の条件より第(16)式で表わされる上記極の時定
数τ2は、 と表わすことができる。
数τ2は、 と表わすことができる。
また、第(17)式を満足するためには次式の関係となる。
10・C13C14 …………(20) ここで、第(14)式で表わされる伝達関数は第(18)式の条
件を考慮すると、 と表わすことができる。
件を考慮すると、 と表わすことができる。
単位利得周波数0は、第(21)式中で高周波領域では であることを考慮すると、次式で表わされる。
第(22)式中コンデンサC14の容量は前述したように10
〜20pFと小さいため、10MHz程度の単位利得周波
数0を容易に実現することができる。
〜20pFと小さいため、10MHz程度の単位利得周波
数0を容易に実現することができる。
次に、2段目の上記差動増幅器9は、上記コンデンサC
11,C13によりフィードフォワード回路が構成されてい
るため、信号の高域成分は増幅しない。この高域成分
は、上記コンデンサC11,C13を経て直接上記トランジス
タ12へ供給され、ここで増幅される。従って、上記差
動増幅器9を横方向PNPトランジスタで構成しても該
横方向PNPトランジスタの遮断周波数による帯域制限
を受けることはなくなる。
11,C13によりフィードフォワード回路が構成されてい
るため、信号の高域成分は増幅しない。この高域成分
は、上記コンデンサC11,C13を経て直接上記トランジス
タ12へ供給され、ここで増幅される。従って、上記差
動増幅器9を横方向PNPトランジスタで構成しても該
横方向PNPトランジスタの遮断周波数による帯域制限
を受けることはなくなる。
また、初段の差動増幅器6の負荷は電流源負荷13であ
るために、直流の開ループ利得を充分大きくとることが
できる。
るために、直流の開ループ利得を充分大きくとることが
できる。
G−2 第2の実施例 次に、第3図に第2の実施例を示す。第2の実施例は第
1の実施例をさらに実用化したものである。この第2の
実施例では初段の差動増幅器36を構成しているトラン
ジスタ36a,36bのそれぞれのコレクタ間にダイオ
ードD1,D2,D3,D4からなるダイオード回路が配されて
いる。これ等ダイオードD1,D2,D3,D4は、大信号入力
時に上記差動増幅器36が飽和領域に入ることによる特
性劣化を防ぐために、クランプダイオードとして働く。
1の実施例をさらに実用化したものである。この第2の
実施例では初段の差動増幅器36を構成しているトラン
ジスタ36a,36bのそれぞれのコレクタ間にダイオ
ードD1,D2,D3,D4からなるダイオード回路が配されて
いる。これ等ダイオードD1,D2,D3,D4は、大信号入力
時に上記差動増幅器36が飽和領域に入ることによる特
性劣化を防ぐために、クランプダイオードとして働く。
また、上記差動増幅器36の差動出力は、トランジスタ
57,58を介して2段目の差動増幅器39へ供給され
る。上記トランジスタ57,58はエミッタフォロワと
して作動し、横方向PNPトランジスタ39a,39b
で構成された2段目の差動増幅器39の入力インピーダ
ンスを高めている。また、上記トランジスタ57,58
のエミッタにはそれぞれ電流源負荷59,60が配置さ
れている。
57,58を介して2段目の差動増幅器39へ供給され
る。上記トランジスタ57,58はエミッタフォロワと
して作動し、横方向PNPトランジスタ39a,39b
で構成された2段目の差動増幅器39の入力インピーダ
ンスを高めている。また、上記トランジスタ57,58
のエミッタにはそれぞれ電流源負荷59,60が配置さ
れている。
前記フィードフォワード回路の構成用には上記トランジ
スタ58のベースと上記トランジスタ39bのコレクタ
間にコンデンサC31が、上記トランジスタ57のベース
と上記トランジスタ39aのコレクタ間にコンデンサC32が
接続されている。
スタ58のベースと上記トランジスタ39bのコレクタ
間にコンデンサC31が、上記トランジスタ57のベース
と上記トランジスタ39aのコレクタ間にコンデンサC32が
接続されている。
また、上記差動増幅器39のエミッタ抵抗R34,R35に接
続されたダイオードD5は、エミッタフォロワ用の上記ト
ランジスタ57,58によるVBE(ベース・エミッタ間
電圧)のレベルシフト用である。
続されたダイオードD5は、エミッタフォロワ用の上記ト
ランジスタ57,58によるVBE(ベース・エミッタ間
電圧)のレベルシフト用である。
上記差動増幅器39の出力は、トランジスタ52,53,
54,55,56、ダイオードD6,D7,D8、抵抗R36,R
37,R38から成る出力段に接続され、該出力段の回路は
いわゆるAB級増幅器として動作する。
54,55,56、ダイオードD6,D7,D8、抵抗R36,R
37,R38から成る出力段に接続され、該出力段の回路は
いわゆるAB級増幅器として動作する。
前記ミラー位相補償用コンデンサは該出力段回路の上記
トランジスタ53のコレクタと上記トランジスタ52の
ベースとの間にコンデンサC34が接続され、上記トラン
ジスタ53のコレクタと上記トランジスタ58のベース
との間にコンデンサC33が接続されている。
トランジスタ53のコレクタと上記トランジスタ52の
ベースとの間にコンデンサC34が接続され、上記トラン
ジスタ53のコレクタと上記トランジスタ58のベース
との間にコンデンサC33が接続されている。
この第2の実施例では、第1の実施例で得られる効果の
他に、上記ダイオードD1,D2,D3,D4により大信号入力
時に初段の差動増幅器36の特性劣下を回避することが
できること、2段目の差動増幅器39の入力インピーダ
ンスを高くすることができること、出力段の駆動能力が
はるかに向上していること等の利点を有する。
他に、上記ダイオードD1,D2,D3,D4により大信号入力
時に初段の差動増幅器36の特性劣下を回避することが
できること、2段目の差動増幅器39の入力インピーダ
ンスを高くすることができること、出力段の駆動能力が
はるかに向上していること等の利点を有する。
G−3 第3の実施例 次に、第4図に本発明の第3の実施例を示す。この第3
の実施例は第1図に示した第1の実施例に用いられてい
る2段目の差動増幅器9の電流ミラー回路10による負
荷を1個の電流源に置き換えた構成となっている。すな
わち、第4図において2段目の差動増幅器49のトラン
ジスタ49bのコレクタに電流源62が負荷として接続
されトランジスタ63を駆動し、トランジスタ49aの
コレクタは負電源端子42側に接続されている。それに
伴ないコンデンサC42は単に上記負電源端子42側に接
続され、該コンデンサC42に流れる電流は上記トランジ
スタ63の駆動には奇与しない。
の実施例は第1図に示した第1の実施例に用いられてい
る2段目の差動増幅器9の電流ミラー回路10による負
荷を1個の電流源に置き換えた構成となっている。すな
わち、第4図において2段目の差動増幅器49のトラン
ジスタ49bのコレクタに電流源62が負荷として接続
されトランジスタ63を駆動し、トランジスタ49aの
コレクタは負電源端子42側に接続されている。それに
伴ないコンデンサC42は単に上記負電源端子42側に接
続され、該コンデンサC42に流れる電流は上記トランジ
スタ63の駆動には奇与しない。
この実施例では、2段目の差動増幅器49の電流利得を
1/2にすることができ、次のような利点を有する。例え
ば電圧性ノイズを減少させる場合、初段の差動増幅器4
6の共通電流源47の電流を増加させ伝達コンダクタン
スを増加させる必要が生ずる。その場合、同一単位利得
周波数を保つためには第(22)式を考慮すると、上記コン
デンサC44の値を大きくする必要がある。第1の実施例
で、上記電流源7の電流を増加して伝達コンダクタンス
Gm1を増加した場合に設定される上記コンデンサC14の値
に比べ、本実施例では上記コンデンサC14に相当する上
記コンデンサC44の値は1/2で済み、集積化が容易になる
という利点を有する。
1/2にすることができ、次のような利点を有する。例え
ば電圧性ノイズを減少させる場合、初段の差動増幅器4
6の共通電流源47の電流を増加させ伝達コンダクタン
スを増加させる必要が生ずる。その場合、同一単位利得
周波数を保つためには第(22)式を考慮すると、上記コン
デンサC44の値を大きくする必要がある。第1の実施例
で、上記電流源7の電流を増加して伝達コンダクタンス
Gm1を増加した場合に設定される上記コンデンサC14の値
に比べ、本実施例では上記コンデンサC14に相当する上
記コンデンサC44の値は1/2で済み、集積化が容易になる
という利点を有する。
H.発明の効果 以上述べたように本発明によれば集積回路内部で実現し
得る実用的な抵抗,容量で2極補償を行なうことができ
る。従って、集積回路内部で2極補償を施した演算増幅
器を実現することが可能となる。
得る実用的な抵抗,容量で2極補償を行なうことができ
る。従って、集積回路内部で2極補償を施した演算増幅
器を実現することが可能となる。
また、集積回路内部に形成される第2の差動増幅器の横
方向PNPトランジスタの遮断周波数は、上記容量によ
り該横方向PNPトランジスタがバイパスされるため、
伝達特性に影響を与えず上記演算増幅器の広帯域化が可
能となる。
方向PNPトランジスタの遮断周波数は、上記容量によ
り該横方向PNPトランジスタがバイパスされるため、
伝達特性に影響を与えず上記演算増幅器の広帯域化が可
能となる。
また、第1の差動増幅器の負荷として電流源負荷を用い
ているため直流の開ループ利得が充分に大きくなる。
ているため直流の開ループ利得が充分に大きくなる。
第1図は本発明の第1の実施例の演算増幅器の回路図で
あり、第2図は第1の実施例の回路の等価回路図であ
る。 第3図は本発明の第2の実施例の回路図であり、第4図
は本発明の第3の実施例の回路図である。 第5図は一般的な演算増幅器の周波数特性図であり、第
6図は、2極補償を説明するための演算増幅器の周波数
特性図である。 第7図は従来知られているノイズリダクション回路のブ
ロック図であり、第8図は該ノイズリダクション回路の
圧縮回路の伝達特性図であり、第9図は該ノイズリダク
ション回路における2極補償の効果を説明するための周
波数特性図である。 第10図は一般的な2極補償演算増幅器の回路図であ
る。 1,31,41……正電源端子 2,32,42……負電源端子 3,33,43……正相入力端子 4,34,44……逆相入力端子 5,35,45……出力端子 6,36,46……第1の差動増幅器 7,37,47,59,60,62……定電流源 9,39,49……第2の差動増幅器 10,50……電流ミラー回路 12,52,53,54,55,56,63……トラン
ジスタ 13,38,48……電流源負荷回路 R4,R5,R34,R35,R44,R45……電流帰還抵抗 R13,R33,R43……共通エミッタ抵抗 C11,C12,C13,C14,C31,C32,C33,C34,C41,C42,
C43,C44……コンデンサ
あり、第2図は第1の実施例の回路の等価回路図であ
る。 第3図は本発明の第2の実施例の回路図であり、第4図
は本発明の第3の実施例の回路図である。 第5図は一般的な演算増幅器の周波数特性図であり、第
6図は、2極補償を説明するための演算増幅器の周波数
特性図である。 第7図は従来知られているノイズリダクション回路のブ
ロック図であり、第8図は該ノイズリダクション回路の
圧縮回路の伝達特性図であり、第9図は該ノイズリダク
ション回路における2極補償の効果を説明するための周
波数特性図である。 第10図は一般的な2極補償演算増幅器の回路図であ
る。 1,31,41……正電源端子 2,32,42……負電源端子 3,33,43……正相入力端子 4,34,44……逆相入力端子 5,35,45……出力端子 6,36,46……第1の差動増幅器 7,37,47,59,60,62……定電流源 9,39,49……第2の差動増幅器 10,50……電流ミラー回路 12,52,53,54,55,56,63……トラン
ジスタ 13,38,48……電流源負荷回路 R4,R5,R34,R35,R44,R45……電流帰還抵抗 R13,R33,R43……共通エミッタ抵抗 C11,C12,C13,C14,C31,C32,C33,C34,C41,C42,
C43,C44……コンデンサ
Claims (1)
- 【請求項1】二つの電流源負荷を有しトランジスタ対か
ら成る第1の差動増幅器と、電流帰還抵抗を有しトラン
ジスタ対から成り上記第1の差動増幅器出力が供給され
る第2の差動増幅器と、この第2の差動増幅器のトラン
ジスタ対の各々のトランジスタのコレクタ側と各々他方
のトランジスタのベース側とに接続された第1のコンデ
ンサ及び第2のコンデンサと、上記第2の差動増幅器の
上記第1のコンデンサが接続された一方の出力に接続さ
れた反転増幅器と、該反転増幅器の入力と出力との間に
接続された第3のコンデンサと、上記反転増幅器の出力
と上記第2の差動増幅器の上記第1のコンデンサが接続
された入力側との間に接続された第4のコンデンサとを
備えて構成されることを特徴とする演算増幅器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60071815A JPH0618307B2 (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 演算増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60071815A JPH0618307B2 (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 演算増幅器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61230414A JPS61230414A (ja) | 1986-10-14 |
JPH0618307B2 true JPH0618307B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=13471430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60071815A Expired - Lifetime JPH0618307B2 (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 演算増幅器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0618307B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5414382B2 (ja) * | 2009-06-24 | 2014-02-12 | 新日本無線株式会社 | 出力回路 |
JP2015187560A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-29 | トヨタ自動車株式会社 | レゾルバ励磁回路 |
-
1985
- 1985-04-04 JP JP60071815A patent/JPH0618307B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61230414A (ja) | 1986-10-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |