JPH06182945A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH06182945A
JPH06182945A JP33990092A JP33990092A JPH06182945A JP H06182945 A JPH06182945 A JP H06182945A JP 33990092 A JP33990092 A JP 33990092A JP 33990092 A JP33990092 A JP 33990092A JP H06182945 A JPH06182945 A JP H06182945A
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ethylene
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Takeo Terasawa
武夫 寺沢
Yoshinori Ikenaga
義則 池永
Katsuaki Tsutsumi
克明 堤
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着強度及び耐熱性に優れ、各種の分野で幅
広く使用することができ、特に、低温で接着した場合の
接着強度及び高温下での耐熱クリープ性が要求される自
動車,住居等の内装用材料として好適に使用でき、かつ
有機溶剤の使用や複雑な作業等の製造工程上の問題を生
じない積層体を開発すること。 【構成】 接着材層が、(A)エチレンとラジカル重合
性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマーか
らなる多元共重合体(エチレン−無水マレイン酸−メタ
クリル酸メチル三元共重合体等)及び(B)有機カルボ
ン酸と周期表IA族,IIA族又はIIB族に属する金属と
の塩(アイオノマー等)を主成分とする樹脂組成物から
なる積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は積層体に関し、更に詳しくは接着
強度及び耐熱性に優れ、特に、低温で接着した場合の接
着強度及び高温下での耐熱クリープ性が要求される自動
車,住居等の内装用材料として好適に使用できる積層体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動
車、車両、船舶等の内装用材料として、また、住居等の
建築物の室内の居住性や美観を高めるための内装用材料
としては、その表皮材と、機能性を保持し高めるための
基板材を接着した積層体が使用されている。この積層体
は、上記の表皮材と基板材を溶剤型接着剤を用いて接着
することにより製造できるが、溶剤型接着剤は、塗装,
乾燥,エージング等の作業工程で手間がかかるうえ、近
年環境問題が重視されつつある中で、有機溶剤による労
働衛生及び火災等の危険性の問題があり、適切な製造方
法とは言い難い。このため溶剤型接着剤に代えて、エチ
レン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合
体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体又は低融点の共重合ナイロン等の
感熱接着性樹脂が使用されているが、未だ充分に満足で
きる積層体は得られていない。即ち感熱接着性樹脂は、
一般に、溶剤型接着剤に比べて接着強度が不充分であ
り、耐熱クリープ性に欠ける場合が多いため、これを用
いた積層体は炎天下の車内温度のような高温下(80℃
程度)に長時間置かれると、タレや剥がれを生じやすい
という欠点を有する。また、表皮材と基板材の接着に際
して、加熱温度を比較的高温とすれば接着強度を高める
ことができるが、この場合には表皮剤の損傷を招きやす
いという欠点を有する。一方、これらの欠点を有しない
感熱接着性樹脂もあるが、価格が高価であり、コスト面
からその使用が制限されるという欠点を有する。上述し
たように、自動車,住居等の内装用材料として使用で
き、作業性,環境問題等の製造工程上の問題を有さず、
接着強度、特に低温で接着した場合の接着強度に優れ表
皮剤の損傷を防止でき、また、良好な耐熱クリープ性を
示し、更にコスト面でも満足できる積層体は、未だ開発
されていないのが実情である。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の実情に鑑み、従来の欠点を解消した積層体を開発す
べく鋭意研究を重ねた。その結果、特定のエチレン系多
元共重合体及び有機カルボン酸と特定の金属との塩を主
成分とする熱可塑性樹脂組成物からなる接着材層を介し
て接着した積層体が、良好な接着強度及び耐熱性を有す
ることを見出した。本発明はかかる知見に基いて完成し
たものである。すなわち、本発明は、基材層及び接着材
層を有し、該接着材層が、(A)エチレンとラジカル重
合性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマー
からなる多元共重合体であって、該エチレン系多元共重
合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
が0.1〜5重量%で、これ以外のラジカル重合性コモノ
マーに由来する単位の割合が3〜50重量%であるエチ
レン系多元共重合体及び(B)有機カルボン酸と周期表
IA族,IIA族又はIIB族に属する金属との塩を含有す
る熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする積層体
を提供するものである。
【0004】本発明の積層体の接着材層を構成する熱可
塑性樹脂組成物は、上記のように、(A)成分であるエ
チレン系多元共重合体及び(B)成分である有機カルボ
ン酸と周期表IA族,IIA族又はIIB族に属する金属と
の塩を主成分とするものである。この熱可塑性樹脂組成
物中の(A)成分であるエチレン系多元共重合体は、エ
チレン,ラジカル重合性酸無水物及び前記のラジカル重
合性酸無水物以外のラジカル重合性コモノマーからなる
多元共重合体である。ここで、ラジカル重合性酸無水物
とは、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水
物基を各々1個以上有し、重合によって酸無水物基を分
子中に導入できるような化合物を意味する。酸無水物基
は環状のものが好ましい。このような化合物としては、
例えば、無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水エンデ
ィック酸,無水シトラコン酸,ドデセニル無水コハク
酸,1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物,炭素数
が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニ
ル無水コハク酸,炭素数が多くとも18である末端に二
重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等が挙げら
れる。これらは単独で、あるいは2種類以上を組み合わ
せて用いても差し支えない。これらの中では、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸が特に好ましい。(A)成分中
のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合は、0.
1〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜4.5重量
%の範囲、更に好ましくは1.0〜4.0重量%の範囲であ
る。ここで、ラジカル重合性酸無水物の割合が0.1重量
%未満では、接着性が不足して良好な接着強度が得られ
ない。また、5重量%を超えると、エチレン系共重合体
の製造が困難となり、実用的でない。
【0005】ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重
合性コモノマーとしては、様々な化合物があり、例え
ば、エチレン系不飽和エステル化合物,エチレン系不飽
和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化合物,エチレン
系不飽和エーテル化合物,エチレン系不飽和炭化水素化
合物,その他の化合物等が挙げられる。これらを具体的
に記すと、エチレン系不飽和エステル化合物としては、
例えば、酢酸ビニル,(メタ)アクリル酸メチル,(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸
ラウリル,(メタ)アクリル酸ベンジル,フマル酸メチ
ル,フマル酸エチル,フマル酸プロピル,フマル酸ブチ
ル,フマル酸ジメチル,フマル酸ジエチル,フマル酸ジ
プロピル,フマル酸ジブチル,マレイン酸メチル,マレ
イン酸エチル,マレイン酸プロピル,マレイン酸ブチ
ル,マレイン酸ジメチル,マレイン酸ジエチル,マレイ
ン酸ジプロピル,マレイン酸ジブチル等が挙げられる。
エチレン系不飽和アミド化合物としては、例えば、(メ
タ)アクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド,N−エチル(メタ)アクリルアミド,N−プロピル
(メタ)アクリルアミド,N−ブチル(メタ)アクリル
アミド,N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド,N−オ
クチル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド;N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド等が挙げられる。エチレン系不飽和酸化合物と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸,フマル酸,マレ
イン酸等が挙げられる。エチレン系不飽和エーテル化合
物としては、例えば、メチルビニルエーテル,エチルビ
ニルエーテル,プロピルビニルエーテル,ブチルビニル
エーテル,オクタデシルビニルエーテル,フェニルビニ
ルエーテル等が挙げられる。エチレン系不飽和炭化水素
化合物としては、例えば、スチレン,α−メチルスチレ
ン,(メタ)アクリロニトリル,アクロレイン,クロト
ンアルデヒド,トリメトキシビニルシラン,トリエトキ
シビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,ノルボ
ルネン,ブタジエン等が挙げられる。これらの中では、
(メタ)アクリル酸エステル類,(メタ)アクリル酸
が、特に好ましい化合物として挙げられる。そして、こ
れらのコモノマーは、単独で、あるいは2種以上を併用
しても差し支えない。(A)成分中のラジカル重合性コ
モノマーに由来する単位の割合は、3〜50重量%の範
囲であり、好ましくは4〜45重量%の範囲、更に好ま
しくは5〜40重量%の範囲である。ここで、ラジカル
重合性コモノマーの割合が3重量%未満では、エチレン
系多元共重合体の結晶融点が充分に低くならず、本発明
の特徴である低温接着時における良好な接着強度を充分
に確保することができない。また、50重量%を超える
と、樹脂の取扱いが困難になるとともに、製品の耐熱性
が低下する。
【0006】上記の(A)成分であるエチレン系多元共
重合体を製造するにあたっては、基本的には通常の高圧
法低密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利用す
ることができる。一般的には、塊状重合法により、70
0〜3,000気圧、好ましくは1,000〜2,500気圧
の重合圧力で、また100〜300℃、好ましくは15
0〜270℃の重合温度で、ラジカル重合にて製造され
る。重合圧力が700気圧未満では、重合体の分子量が
低くなり、成形性、樹脂組成物の樹脂物性が悪化する。
一方、3,000気圧を超えると、製造コストを高めるだ
けで、実質的には無意味である。また、重合温度が10
0℃未満では重合反応が安定せず、共重合体への転化率
が低下し、経済的に問題がある。一方、300℃を超え
ると、共重合体の分子量が低下すると同時に暴走反応の
危険性が生じる。重合装置としては、ベッセル型の反応
器を用いるのが好ましい。特に、ラジカル重合性酸無水
物は重合安定性が乏しいため、高度の反応器内の均一化
が必要である。また、必要に応じて、複数個の反応器を
直列又は並列に接続し、多段重合を行うこともできる。
更に、反応器の内部を複数のゾーンに仕切ることによっ
て、より緻密な温度コントロールを行うこともできる。
【0007】エチレン系多元共重合体の製造は、前記の
反応条件にて少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の
存在下で行われる。ここで、フリーラジカル開始剤とし
ては、具体的には例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオ
キシド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパー
オキシド等のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオ
キシド,i−ブタノイルパーオキシド,オクタノイルパ
ーオキシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i−プロピ
ルパーオキシ−ジカーボネート,ジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシ−ジカーボネート等のパーオキシ−ジカー
ボネート;t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチ
ルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル;メチ
ルエチルケトンパーオキシド,シクロヘキサノンパーオ
キシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス−t−ブ
チルパーオキシシクロヘキサン,2,2−ビス−t−ブ
チルパーオキシオクタン等のパーオキシケタール;t−
ブチルヒドロパーオキシド,クメンヒドロパーオキシド
等のヒドロパーオキシド;2,2−アゾ−i−ブチロニ
トリル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、重合にあ
たっては、分子量調節剤として、種々の連鎖移動剤を用
いることができる。その連鎖移動剤としては、例えば、
プロピレン,ブテン,ヘキセン等のオレフィン類;エタ
ン,プロパン,ブタン等のパラフィン類;アセトン,メ
チルエチルケトン,酢酸メチル等のカルボニル化合物;
トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水
素等が挙げられる。
【0008】このようにして製造されるエチレン系多元
共重合体は、比較的に低温で融解し、各種基材(表皮材
及び基板材を含む。)との物理化学的相互作用、反応性
に富んでいるために、本発明の積層体を低温成形により
製造する場合においても、高い接着強度を確保するのに
大きな役割を果たす。
【0009】前記の熱可塑性樹脂組成物中の(B)成分
である有機カルボン酸と周期表IA族,IIA族又はIIB
族に属する金属との塩とは、有機カルボン酸を周期表I
A族,IIA族又はIIB族に属する金属で、完全に又は部
分的に中和した形の化合物をいう。上記の有機カルボン
酸としては様々なものを用いることができるが、例え
ば、ラウリン酸,ミリスチン酸,ステアリン酸,パルミ
チン酸,デカノイックアシッド,ペンタデカノイックア
シッド,エイコサノイックアシッド,ドコサノイックア
シッド,トリコサノイックアシッド,トリアコンタノイ
ックアシッド,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン
酸,ヘキサデカンジオイックアシッド等の炭素数10以
上(通常は10〜40)の飽和脂肪酸;オレイン酸,エ
ルカ酸,リノレイン酸,リノレニン酸,アラキドン酸等
の炭素数10以上(通常は10〜40の不飽和脂肪酸;
エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体等の高分子カ
ルボン酸を挙げることができる。一方、有機カルボン酸
と共に塩を形成する金属は、周期表IA族,IIA族又は
IIB族に属する金属である。(B)成分は、本発明の積
層体の接着強度、特に耐熱クリープ性を向上させるのに
大きな役割を果たすが、上記以外の金属では接着強度を
充分に向上させることができない。(B)成分の中で好
ましいものとしては、ステアリン酸ナトリウム,オレイ
ン酸ナトリウム,オレイン酸カルシウム,一般にアイオ
ノマーと称される高分子カルボン酸の金属塩(例えば、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のナトリウム化
合物又は亜鉛化合物による部分的中和物)等を挙げるこ
とができる。なお(B)成分は、1種のみを単独で用い
るだけでなく、2種以上を併用することもできる。
【0010】(A)成分及び(B)成分の配合比率は特
に制限がなく、本発明の積層体に要求される製造条件や
性能等、例えば、接着する基材の種類,接着作業の工
程,得られた積層体の用途等に応じて、任意の比率とす
ることができる。一般的には、(B)成分中の金属原子
のモル数と(A)成分中のラジカル重合性酸無水物に由
来する単位のモル数の比率が1/10〜10/1の範
囲、好ましくは2/10〜10/2の範囲、更に好まし
くは3/10〜10/3の範囲になるようにする。この
配合比率で調製した熱可塑性樹脂組成物は、良好な接着
性を示し、本発明の積層体に優れた接着強度を与える。
特に自動車等の内装用材料として使用される積層体を製
造する場合に、表皮材と基板材を低温で強力に接着でき
ることから、表皮材の損傷を防止することができ、しか
も耐熱クリープ性に優れた積層体を得ることができる。
また、特殊な用途の場合、例えば、非常に低温(90℃
程度)での接着が要求されるような場合には、上記の範
囲外の配合比率とすることができる。
【0011】本発明の積層体の接着材層を構成する熱可
塑性樹脂組成物には、前記の(A)成分及び(B)成分
以外にも、本発明の積層体の特徴を損なわない範囲で、
各種の添加剤,配合剤,充填剤等を配合することができ
る。具体的には例えば、酸化防止剤(耐熱安定剤),紫
外線吸収剤(光安定剤),帯電防止剤,防曇剤,難燃
剤,滑剤(スリップ剤,アンチブロッキング剤),ガラ
スフィラー等の無機充填剤,有機充填剤,補強剤,着色
剤(染料,顔料),発泡剤,架橋剤,香料等が挙げられ
る。これらの添加剤等は、本発明の樹脂組成物を製造す
る際に添加してもよいし、(A)成分又は(B)成分に
初めから添加されていてもよい。
【0012】上記の熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分
及び(B)成分、更に必要に応じてその他の成分を混合
することによって調製される。各成分の混合にあたって
は、通常知られている種々の方法を用いることができ
る。具体的には例えば、各成分を高温のトルエンのよう
な溶媒に溶解、再沈させる方法、各成分を溶融状態で混
合する方法、即ち、一般的に用いられている加圧ニーダ
ー,ロール,バンバリーミキサー,スタティックミキサ
ー,スクリュー式押出機等を用いる方法等が挙げられ
る。また、場合によっては、各成分をドライブレンドし
成形時に組成物化することもできる。即ち、各成分をペ
レット又は粉体の状態で混合し、フィルム等の製造段階
を利用して溶融混合することができる。
【0013】本発明の積層体の基材層を構成する基材と
しては、製造すべき積層体の用途等に応じて、従来から
知られている様々な基材を使用することができる。従っ
て本発明は、広範な分野に接着強度の優れた積層体を提
供することができ、この点が本発明の特徴の一つとなっ
ている。ここで使用可能な基材としては、例えば、上質
紙,クラフト紙,グラシン紙,和紙,ダンボール原紙,
合成紙,アート紙,コート紙等の各種紙類;木綿,麻,
ポリエステル,ナイロン等による各種織布又は不織布;
木板;鉄,アルミニウム,銅,ブリキ等の各種金属板又
は箔;ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチレン,
ポリエステル,ナイロン,ポリカーボネート,アクリル
樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン等の各種プラスチ
ックにより形成された板,成形品,フィルム又は発泡
体;ガラス繊維,セラミックス等の各種無機物等を挙げ
ることができる。また、これらの基材は必要に応じて、
表面処理、コーティング、印刷等が施されていても差し
支えない。
【0014】本発明の積層体は、任意に選ばれた一の基
材の片面上又は両面上に前記の熱可塑性樹脂組成物を積
層するか、或いは、任意に選ばれた二以上の基材を前記
の熱可塑性樹脂組成物で接着することにより製造でき
る。製造に際しては、従来から知られている様々な成形
方法を適用できる。前者の積層体の場合には、例えば、
前記の熱可塑性樹脂組成物をインフレーション成形又は
Tダイ成形等することによって得たフィルムを基材に熱
ロールラミネート成形する方法;基材に前記の熱可塑性
樹脂組成物を押出しラミネート成形によってコーティン
グする方法等が挙げられる。また、後者の積層体の場合
には、例えば、上記のフィルムを基材間に挟み熱接着さ
せる方法;熱ロールラミネート成形又は押出しラミネー
ト成形して得た上記の積層体の接着材層側を、更に他の
基材に熱プレス又は熱ロールで加熱圧着する方法;前記
の熱可塑性樹脂組成物を、粉体接着剤として基材上に振
りかけて使用する方法等が挙げられる。ここで前者の積
層体は、接着材層が積層体の表面に存在することから、
後者の積層体を製造する際の中間体として使用されるだ
けでなく、基材以外の物品,構造物等、例えば、家具,
外壁等に接着可能な積層体として各種の分野に使用する
ことができる。
【0015】本発明の積層体は、基材として表皮材及び
基板材を使用することにより、特に、低温で接着した場
合の接着強度及び高温下での耐熱クリープ性が要求され
る自動車,住居等の内装用材料として、好適に使用する
ことができる。従って、この点も本発明の特徴の一つと
なっている。ここで、使用可能な表皮材及び基板材に特
に制限はなく、現在一般に自動車,車両,船舶,住居等
の内装用材料に用いられている種々の材料に適用するこ
とができる。例えば、表皮材としては、ポリエステル不
織布,起毛ニット,ファブリック,スウェード調合成皮
革,塩化ビニル(塩ビ)レザー,ポリウレタンレザー,
ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーあるいはクッシ
ョン性を与えるためにこれらの材料に発泡ウレタン,発
泡ポリプロピレン,発泡ポリエチレン,発泡ポリビニリ
デン等の発泡体を貼り合わせたもの等が挙げられる。一
方、基板材としては、レジンフェルト,ガラス繊維入り
フェノール樹脂板,段ボール,ポリプロピレンハニカ
ム,ポリスチレンフォームあるいはこれらの材料に不織
布を貼り合わせたもの等が挙げられる。
【0016】上記の内装用材料を製造する場合にも、内
装用材料以外の本発明の積層体を製造する場合と同様
に、従来から知られている様々な成形方法を適用でき
る。例えば、基板材を所定の温度に加熱し、真空成形機
にセットし、この上にインフレーション成形又はTダイ
成形等によってフィルム化した前記の熱可塑性樹脂組成
物を置き、次いで予め所定の温度に加熱した表皮材を重
ねて真空圧着する方法;表皮材と基板材の間に上記のフ
ィルムを挟み、熱プレスする方法;表皮材に前記の熱可
塑性樹脂組成物を押出しラミネート成形によってコーテ
ィングして得た積層体の接着材層側を、更に基板材に熱
プレス又は熱ロールで加熱圧着する方法;前記の熱可塑
性樹脂組成物を粉末にし、熱プレス上に置いた基板材に
振りかけ、その上に表皮材を熱プレスする方法;更に
は、表皮材の接着側に上記のフィルムを予め熱ロールラ
ミネートして得た積層体を、更に基板材に熱プレス又は
熱ロールで加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0017】
【実施例】更に、本発明を参考例,比較参考例,実施例
及び比較例によって、具体的に説明する。 参考例1 エチレン系多元共重合体(A)として、エチレン−無水
マレイン酸−メタクリル酸メチル三元共重合体を用い
た。この三元共重合体は高圧法低密度ポリエチレンプラ
ントの設備を利用し、重合温度240℃,重合圧力1,9
00kg/cm2の条件で製造した。この三元共重合体
のMFR(JIS−K7210,190℃,以下、MF
Rは全てこの条件を使用。)は15g/10分、無水マ
レイン酸に由来する単位の割合は2.2重量%、メタクリ
ル酸メチルに由来する単位の割合は16重量%であっ
た。なお、コモノマーの組成は赤外吸収スペクトルによ
り決定した。一方、有機カルボン酸の金属塩(B)とし
ては、アイオノマー(a)を用いた。このアイオノマー
(a)は、エチレンとメタクリル酸の共重合体(メタク
リル酸の含有量20重量%)を水/メタノール=1/1
の溶媒中で50℃,2時間,酢酸ナトリウムによって処
理し、共重合体中のメタクリル酸に由来する単位の55
モル%を中和して得られた部分中和物である。そのMF
Rは2.8g/10分であった。上記2成分の重量比
((A)/(B) )を85/15とし、この(A)成分
及び(B)成分の合計量に対し、添加剤として珪酸マグ
ネシウム0.2重量%、エルカ酸アミド0.2重量%をタン
ブラーでドライブレンドした後、37mmφ同方向二軸
押出機を用い180℃で溶融混練し、樹脂組成物のペレ
ットを得た。この配合内容は第1表に示した。
【0018】比較参考例1 アイオノマー(a)を配合しなかったこと以外は、参考
例1と同様に操作し、樹脂組成物のペレットを得た。こ
の配合内容は第1表に示した。
【0019】比較参考例2 (A)成分としてエチレン−アクリル酸メチル二元共重
合体を用いたこと以外は、参考例1と同様に操作し、樹
脂組成物のペレットを得た。この配合内容は第1表に示
した。
【0020】参考例2〜7 参考例1に準じて各種エチレン系多元共重合体(A)を
製造し、一方、有機カルボン酸の金属塩(B)としても
各種準備し、参考例1に準じて参考例2〜7として示し
た各種樹脂組成物を作成した。その配合内容は第1表に
示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】実施例1 参考例1で得られたペレットを、45mmφの押出機を
有するインフレーションフィルム成形機で75μmの厚
みで製膜し円筒状のフィルムを切開することにより、4
0cm幅のフィルムを得た。このフィルムを接着材層と
して用い、実際に自動車用内装材料に用いられている基
材(表皮材及び基板材)を接着して、その接着性を試験
した。表皮材はポリエチレンテレフタレート(PET)
系不織布、基板材はレジンフェルト(RF)を用いた。
接着は上板110℃,下板140℃に設定した熱プレス
に、上から表皮材、上記のフィルム、基板材の順に挟
み、実質面圧2kg/cm2 ,30秒の条件で圧着し
た。基板材のプレスのサイズは、JIS−K6829に
準じて150mm×175mmとした。接着後、23
℃,相対湿度50%で24時間状態調節した後、25m
m幅の試験片に切断し、引張試験機を用いて常温(23
℃)及び高温(85℃)における180°剥離試験を実
施した。原則として剥離時の接着強度(g/25mm)
を測定したが、剥離前に表皮材又は基板材が材料破壊し
た場合には、破壊時の強度を測定した。更に、途中まで
剥離した試験片に100gの荷重をつり下げ、80℃雰
囲気に24時間放置した場合の剥離距離(mm)を測定
し、耐熱クリープ性の目安とした。なお、接着強度の値
は試験片5個の平均値(最大、最小2点カット)、また
耐熱クリープ性は試験片3個の平均値である。結果を第
2表に示す。
【0024】実施例2〜4 第2表に示したように、接着材層用樹脂組成物,表皮材
及び基板材の種類を変えた以外は実施例1と同様に操作
した。結果を第2表に示す。
【0025】実施例5 実施例1で得られたフィルムを用い、表皮材として0.2
mmの塩化ビニル樹脂レザーを貼った2mmの発泡ポリ
プロピレン(PP)、基板材としてレジンフェルト(R
F)を用い接着性を試験した。接着は、先ず130℃に
加熱したテフロンコートロールで表皮とフィルムを挟
み、5m/分のスピードで熱ロールラミネート処理し
て、これらを貼り合わせた。次に、基板材を80℃に3
分間加熱し、表皮は120℃に加熱し、真空接着法で接
着した。結果を第2表に示す。
【0026】実施例6〜8 第2表に示したように、接着材層用樹脂組成物,表皮材
及び基板材の種類を変えた以外は実施例5と同様に操作
した。結果を第2表に示す。
【0027】比較例1〜4 比較参考例1で得られたペレットから、実施例1と同様
の方法でフィルムを製造した。このフィルムを接着材層
として用い、第2表に示したように、表皮材及び基板材
の種類を変え、実施例1と同様に操作した。結果を第2
表に示す。
【0028】比較例5〜8 比較参考例2で得られたペレットから、実施例1と同様
の方法でフィルムを製造した。このフィルムを接着材層
として用い、第2表に示したように、表皮材及び基板材
の種類を変え、実施例1と同様に操作した。結果を第2
表に示す。
【0029】上記試験の結果を第2表に示す。実施例1
〜8の積層体の場合には、常温及び高温の接着強度、耐
熱クリープ性のいずれも良好であった。また、接着作業
も非常に容易かつ衛生的であり作業性の点でも良好であ
った。すなわち、本発明の積層体は、各種の分野に幅広
く使用することができ、特に自動車等の内装用材料とし
て好適に使用することができる。更に、本発明の積層体
は、塩化ビニル樹脂レザーを貼った表皮材を使用する場
合(実施例5〜8)においても塩化ビニル樹脂レザー特
有の模様をおかすことなく保て、表皮材の損傷を招くこ
となく、幅広く使用することができる。一方、比較例1
〜4の積層体の場合には、接着強度は比較的良好であっ
たが、耐熱クリープ性が大幅に劣っており、自動車等の
内装用材料として使用するには問題が大きい。また、比
較例5〜8の積層体の場合には、耐熱クリープ性の測定
以前に、接着強度が全く不充分であり、実用に耐える積
層体を得ることができなかった。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層体は、常温
及び高温での接着強度に優れ、各種の分野で幅広く使用
することができる。特に、基材を低温で接着して製造し
た場合の接着強度に優れることから、製造工程中の表皮
材の損傷を防止することができ、かつ耐熱クリープ性に
優れていることから、自動車,住居等の内装用材料とし
て好適に使用することができる。しかも、本発明の積層
体を製造する場合において、接着材層の積層時又は基材
層の接着時に有機溶剤を使用する必要がなく、また作業
工程が簡単なことから、製造工程上の問題も生じない。
更に、本発明の積層体の接着材層に使用される熱可塑性
樹脂組成物は、従来の接着性樹脂と同様の方法、設備を
用いて製造できることから、比較的安価かつ容易に製造
することができる。従って、本発明の積層体は、各種の
分野で、特に自動車,住居等の内装用材料として有効に
利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層及び接着材層を有し、該接着材層
    が、(A)エチレンとラジカル重合性酸無水物及びこれ
    以外のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体
    であって、該エチレン系多元共重合体中のラジカル重合
    性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5重量%で、
    これ以外のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の
    割合が3〜50重量%であるエチレン系多元共重合体及
    び(B)有機カルボン酸と周期表IA族,IIA族又はII
    B族に属する金属との塩を含有する熱可塑性樹脂組成物
    からなることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 少なくとも二層の基材層及び一層の接着
    材層を有し、接着材層を介して基材層を接着した構成で
    ある請求項1記載の積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015502271A (ja) * 2011-10-24 2015-01-22 ハンファ アズデル インコーポレイテッド 深絞り複合材およびこれらの使用方法

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JP3958936B2 (ja) * 1998-12-24 2007-08-15 東洋鋼鈑株式会社 ユニットバス用化粧板およびユニットバス
JP2015502271A (ja) * 2011-10-24 2015-01-22 ハンファ アズデル インコーポレイテッド 深絞り複合材およびこれらの使用方法
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