JPH0618292A - 光学式エンコーダ - Google Patents
光学式エンコーダInfo
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Abstract
いて、信号のひずみによる測定誤差を極力発生させない
ようにした光学式エンコーダを提供する。 【構成】 光束の垂直横モ−ドがスケ−ルとしての回折
格子の移動方向に対して垂直な方向になるように該半導
体レ−ザを設置するようにしている。または光源からの
光束を制限する絞りがあり、その絞りの開口形状が、ス
ケ−ルとしての回折格子の移動方向に対して水平な方向
の径は、該スケ−ルとしての回折格子の移動方向と垂直
な方向の径と同じか、または、短いように設定してい
る。これにより信号の暗側の歪みを低減し、信号処理に
おけるコンパレートレベルを振幅中心に配置でき、結果
として誤差発生を防止できる。
Description
にトールボット干渉原理を用いた光学式エンコーダに関
するものである。
基づいたエンコーダの原理が示されている。図1の
(A)中、1は半導体レーザからなる光源、2はコリメ
ータレンズで、半導体レーザ1より射出した光束を平面
波に変換し周期Pの回折格子3に入射する。トールボッ
ト干渉の原理より回折格子3で回折した光束は回折格子
3の直後に特定の間隔をおいて、その回折格子と同じ周
期Pを持つ干渉縞が形成される。これを図1の(B)に
示す。図1の(B)中、D+1、D0 、D-1はそれぞれ回
折格子3からの+1次、0次、−1次回折光の断面図を
示す。図中でWで示した領域に干渉縞が形成されてい
る。この干渉縞の像をフーリエイメージと呼び、この現
象をトールボット効果と呼んでいる。光源の波長をλ、
回折格子の周期をP、自然数をNとし、回折格子3と、
3と同じ周期の透過率分布をもつ格子4との間隔LをL
=N・P2 /λとなるように設定し、回折格子3がg方
向に移動することによって格子4の後方に設けられた受
光センサー5を介して明暗の出力信号を取り出すことが
でき、これにより不図示の信号処理系にてパルス信号を
形成し、これをカウントして回折格子3のg方向の変位
量が検知される。2相の正弦波信号を得るために受光セ
ンサー5は2つの受光素子A、Bに置き換えられること
がある。
従来例のトールボット干渉原理を用いた光学式エンコー
ダにおいて、以下のような問題点があった。図2に上述
の光学式エンコーダより得られる2相信号と、それから
形成されるA、B2相の矩形波信号を示す。光源である
半導体レーザの取りつける向き、即ち半導体レーザから
射出する光束の垂直横モードが、回折格子3が移動する
方向x(即ちg方向)と一致している場合、格子4に一
致して形成されるフーリエイメージの強度分布の波形形
状は、例えば図2に示されるように、明側Mに対して暗
側mの波形が丸くひずみ、この形の信号からハイとロー
が等間隔の矩形パルスを発生させるためのコンパレート
レベル(スライスレベル)Cを設定しようとすると、設
定する位置が信号の振幅中心ではなくて、暗側mへシフ
トした位置に寄ってしまう。例えば図2において、信号
の振幅中心C0 にコンパレートレベルを設定したとする
と、矩形パルスのハイとローの比、即ちディティーがハ
イ>ローとなりディティーを1:1にすることができな
い。また、2相の矩形パルスを用いる場合、この2相信
号の互いのハイ・ハイ、またはハイ・ローの間隔、即ち
パルスの立ち上がり・立ち下がりの位相差a、b、c、
dもa、cに対してb、dの間隔が狭くなり、信号の多
分割即ち内挿処理をしようとする時に余裕をなくしてし
まう欠点がある。
位置が信号振幅の中心から寄ってしまう場合(コンパレ
ートレベルC)には、この為に振幅変動が生じた場合に
矩形パルスの不発生を起こす危険性がある。即ち振幅変
動が生じてコンパレートレベルCに対する振幅の小さい
暗側の信号がコンパレートレベルを越えない状態が発生
する危険性がある。
生する。フーリエイメージを発生するのは+1次回折光
と0次回折光、または−1次回折光と0次回折光の干渉
である。従って回折格子4上ではなるべく+1次回折光
と0次回折光、または−1次回折光と0次回折光が重な
る領域を多くする必要がある。しかしながら図1の
(B)においては、±1次光の断面D+1、D-1が重なる
領域がある。この領域ではフーリエイメージの干渉縞間
隔の1/2の間隔の縞が発生し、この縞がノイズとして
検出信号に悪影響を与えることになる。
図3は本装置の光学系の配置の説明図である。本図では
コリメータレンズ2は省略されている。従来の装置では
オートパワーコントロール(APC)用のフォトダイオ
ードチップ6が図3のように光源1のx方向に取りつけ
られているので、このチップ6の面方向に進行する内面
反射等の光がこの面から反射して再度z方向に向かい、
この場合、受光センサー5のA側にフレアーとなって混
入し、図4にあるように受光素子A、Bの出力信号(2
相信号SA、SB)に不要な直流成分を与えてしまうこ
とになる。
号のひずみによる測定誤差を極力発生させないようにし
た光学式エンコーダを提供することを目的とする。
め、本願発明は、光源からの光束をスケールとしての回
折格子に入射させ、該スケールとしての回折光からトー
ルボット干渉原理に基づいて発生する干渉縞を前記スケ
ールとしての回折格子の対向位置にある回折格子に投影
させ、該対向位置の回折格子からの光束を検出して前記
スケールとしての回折格子の変位情報を得るエンコーダ
において、前記光源は半導体レーザであり、その光束の
垂直横モードが前記スケールとしての回折格子の移動方
向に対して垂直な方向になるように該半導体レーザを設
置するようにしている。
ルとしての回折格子に入射させ、該スケールとしての回
折光からトールボット干渉原理に基づいて発生する干渉
縞を前記スケールとしての回折格子の対向位置にある回
折格子に投影させ、該対向位置の回折格子からの光束を
検出して前記スケールとしての回折格子の変位情報を得
るエンコーダにおいて、前記光源からの光束を制限する
絞りがあり、その絞りの開口形状が、前記スケールとし
ての回折格子の移動方向に対して水平な方向の径は、該
スケールとしての回折格子の移動方向と垂直な方向の径
と同じか、または、短いように設定している。
ーダを説明する図である。本装置の概略構成は図1に示
したものと同じなので説明、図面を省略する。またコリ
メータレンズは簡略化のため図5では省略されている。
また図1の部材と同様の部材には同じ符番を冠してあ
る。1Aは光源1からの出射光束の断面である。本装置
では光源である半導体レーザ1の取りつける向き、即ち
半導体レーザから射出する光束の垂直横モードが、回折
格子3が移動する方向とは垂直な方向yと一致してい
る。このため回折光子4上での各次数の光束断面のx方
向の径を小さくすることができる。このような方向に半
導体レーザ1の向きを設定しておくことで、フーリエイ
メージを回折格子4上に形成して、受光素子A、Bで得
られる検出信号の波形形状を前記図2に対して図6に示
す。このように本実施例の装置では2相信号の明側Mに
対して暗側mの波形のひずみが緩和されてくる。即ち従
来と比較して、x方向(回折格子の移動方向g)の光束
径をこのような配置で制限することによって、図1の
(B)で示される±1次光同士の重なり面積を小さく抑
えることができ、この重なり部分からのノイズによる信
号波形の歪を小さく出来る。これにより前記ディティ
ー、位相差の改善が図られ、かつコンパレートレベルが
信号振幅中心付近に設定可能となるので、振幅変動があ
っても信号とコンパレートレベルの間に余裕が確保され
矩形パルスの不発生現象を起こりにくくすることができ
る。
オートパワーコントロール(APC)用のフォトダイオ
ードチップ6が図5のように光源1のy方向側に取りつ
けられている。このため、この面からの反射光が再度z
方向に向かい、受光センサー5にフレアーとなって混入
しても、このフレアーはy方向に偏り、x方向に配列さ
れた受光素子A、Bへは入射したとしてもほぼ均等に混
入するので、図6にあるように受光素子A、Bの出力信
号に不要な直流成分を与えてしまう影響は両者均等にな
るか、受光素子A,B間の距離を適正に保つことによ
り、除外することができる。
コーダを示す説明図である。本図ではコリメータレンズ
2の付近のみの斜視図を示す。他の構成は図1と同様で
ある。本装置ではコリメータレンズ2の光束射出側にx
方向の光束径を制限する絞り8が設けられている。この
x方向の光束径を制限した場合のフーリエイメージを回
折格子4上に投影して各受光素子より得られる検出信号
の波形形状は前記図2に対して図8に示されていて,図
6に示した場合と同様に明側Mに対して暗側mの波形が
ひずみが緩和されてくる。これを図9にて説明する。図
9の(A)は第2実施例の配置図であり、図1、図5と
同様の部材は同じ符番を冠してある。この光学配置にお
いて、絞り8を挿入しない場合のコリメータレンズ2か
らの光束断面が例えば図9の(B)に示した様な形状だ
と仮定すると、この時の回折光子4上での各次数の回折
光断面D+1、D0 、D-1は図9の(C)の様になる。こ
の場合±1時回折光の重なる領域(斜線部)が大きくな
る。この領域では回折格子の周期とは異なる空間周波数
の干渉縞が形成されるため、出力信号に高周波の成分が
重畳し、波形形状に歪が生じる。これに対し図9の
(D)に示したように光束径を制限する絞り8’を挿入
すれば、光量ロスが発生するが、図6の(E)に示され
るように±1時回折光の重なる領域を小さくすることが
できる。これに対し本実施例では更に、光量ロスを最小
限にするために、絞り8の開口形状をx方向径が小さく
y方向径の大きな矩形形状にしている。この場合の各次
数の回折光の回折光子4上での重なり状態を図9の
(G)に示す。このように±1次回折光の重なる領域を
ほとんどなくすることができ、かつフーリエイメージが
発生する領域(斜線部)を大きくとって信号光量を大き
くすることができる。このようにx方向の光束径を制限
することにより、前記ディティー、位相差の改善が図ら
れ、かつコンパレートレベルが信号振幅中心付近に設定
可能となるので、振幅変動があっても信号とコンパレー
トレベルの間に余裕が確保され矩形パルスの不発生現象
を起こりにくくすることができる。これとともにy方向
の光束径を大きくすることによって、光量ロスを防ぎ、
信号光量を大きくして更にS/N比を大きくすることが
できる。図9の(H)に絞り8の開口形状を示す。x、
y両方向の径をそれぞれ2D、Tとし、回折格子3、4
の間隔をL、光源1からの光束の波長をλ、回折格子3
の格子ピッチをP1とすると、 D=L・tanθ θ=sin(1/P1) の条件を満たすとき、図9の(I)に示すように、回折
格子4上で±1次回折光同士の重なる領域を理論上全く
無くした状態でフーリエイメージの発生する領域の面積
を最大にできる。ただし、信号にそれほど影響を与えな
い範囲であれば、この式よりはずれた構成になっていて
も実質的に問題ない。
うな絞り8を第2実施例と同様に設置しても良い。この
場合、更にx方向の光束径を制限することができて望ま
しい。
距離L隔てた位置に固定設置された回折格子3と同じ周
期の透過率分布を持つ格子4が示されていたが、図10
にあるように前述回折格子3、4を円周状に連結し、そ
の直径をLとした円筒状回折格子9としても良い。この
場合回転軸10のまわりにg方向の回転をさせることに
より、受光センサー5に回折格子周期の2倍の明暗出力
信号を得ることができる。この場合も半導体レーザ1を
図5に示したように配置することにより、または図7に
示したように絞り8をコリメータレンズ2の光束出射側
に設けることにより、さらにはその両方を行なうことに
より、上述と同様の効果が得られるものである。このよ
うに回転量を検出するエンコーダであっても波形の整形
手段として本実施内容が有効に機能するといえる。
干渉原理を用いた光学式エンコーダにおいて、ディティ
ー、位相差の改善が図られ、かつコンパレートレベルが
信号振幅中心付近に設定可能となるので、振幅変動があ
っても信号とコンパレートレベルの間に余裕が確保され
矩形パルスの不発生現象を起こりに憎くすることができ
る。
ある。
信号の説明図である。
光学系配置の説明図である。
信号の説明図である。
光学系配置の説明図である。
部分説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 光源からの光束をスケールとしての回折
格子に入射させ、該スケールとしての回折光からトール
ボット干渉原理に基づいて発生する干渉縞を前記スケー
ルとしての回折格子の対向位置にある回折格子に投影さ
せ、該対向位置の回折格子からの光束を検出して前記ス
ケールとしての回折格子の変位情報を得るエンコーダに
おいて、前記光源は半導体レーザであり、その光束の垂
直横モードが前記スケールとしての回折格子の移動方向
に対して垂直な方向になるように該半導体レーザを設置
するようにしたことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 【請求項2】 光源からの光束をスケールとしての回折
格子に入射させ、該スケールとしての回折光からトール
ボット干渉原理に基づいて発生する干渉縞を前記スケー
ルとしての回折格子の対向位置にある回折格子に投影さ
せ、該対向位置の回折格子からの光束を検出して前記ス
ケールとしての回折格子の変位情報を得るエンコーダに
おいて、前記光源からの光束を制限する絞りがあり、そ
の絞りの開口形状が、前記スケールとしての回折格子の
移動方向に対して水平な方向の径は、該スケールとして
の回折格子の移動方向と垂直な方向の径と同じか、また
は、短いように設定されていてることを特徴とする光学
式エンコーダ。 - 【請求項3】 前記光束を制限する絞りは、レンズの射
出側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の
光学式エンコーダ。
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