JPH0617659B2 - エンジンの制御方法 - Google Patents

エンジンの制御方法

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JPH0617659B2
JPH0617659B2 JP57072472A JP7247282A JPH0617659B2 JP H0617659 B2 JPH0617659 B2 JP H0617659B2 JP 57072472 A JP57072472 A JP 57072472A JP 7247282 A JP7247282 A JP 7247282A JP H0617659 B2 JPH0617659 B2 JP H0617659B2
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捷雄 秋篠
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D31/00Use of speed-sensing governors to control combustion engines, not otherwise provided for

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエンジンの制御方法に関し、特に低回転運転時
におけるエンジン回転数の急減時にエンジンストールの
発生を効果的に防止しうる方法に関する。
〔従来の技術〕
近年自動車用エンジンにおいては、アイドル時の燃費向
上を図る上からアイドル回転数を低めに設定することが
行われているが、このことは、エンジンストール発生の
蓋燃性を高めるという問題を抱えており、このため、ア
イドル運転等の低回転運転時のストールを回避する手段
を備える必要性が高まっている。この傾向は高速運転を
重視したエンジンのように低速トルクの不足が問題とな
るものにおいては顕著となる。
ところで、このようなエンジンストールを回避する技術
として最も一般的なものとして、アイドル運転時にエン
ジン回転数を検出してこの回転数が目標とするアイドル
回転数に制御されるように吸入空気量を調整する所謂ア
イドル回転数フィードバック制御装置が各種提案されて
いる。しかしながら、このような装置ではエンジン回転
数が実際に低下したことが検出されてからでないと吸気
量の増量がはかられず、特に回転系の摩擦力の変化やエ
ンジンの燃焼変動等に伴う一時的なトルクダウンが生じ
たときなどには、上述した装置による制御では間に合わ
ずストールを引き起こす虞がある。そこで、この技術の
改良として特開昭56−69438号公報に示されるよ
うに、エンジン回転数の急減状態が検出されたときに吸
気量を増量するとともに、この吸気量の増量による空燃
比のリーン化を防止すべく所定時間にわたり燃料増量を
行うものが提案されている。このようにエンジン回転数
の急減状態が検出されたときに吸気増量と一時的な燃料
増量(空燃比のリッチ化設定)を行うこと、或いは上記
急減状態に対応して一時的な燃料増量(空燃比のリッチ
化設定)のみを行って出力トルクを確保することは、エ
ンジン回転数の急減に対応して即座にエンジンの出力ト
ルク増大が図られるため、それなりのストール防止効果
を得ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、エンジン回転数の急減に対応して一時的
に燃料増量を行った場合には、その燃料増量の終了時点
において燃料量がステップ的に減少してエンジントルク
がステップ的に減少するため、そのことがエンジン回転
数の低下や車体へのショックとして現れる虞がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記に鑑み提案されたものであって、エンジ
ンの燃料室に燃料空気混合気を供給する混合気供給装
置、同混合気供給装置の燃料供給通路に介装された燃料
流量制御弁、上記エンジンに駆動される補機の作動・非
作動の変化を検出する負荷検出手段、同負荷検出手段が
上記補機の非作動状態から作動状態への変化を検出した
ときに上記燃料流量制御弁に制御信号を発し上記燃料空
気混合気中の燃料量を上記検出直後における予め定めら
れた期間だけ増大せしめる第1の制御手段、上記エンジ
ンの回転数を検出する回転数センサ、同回転数センサの
出力に基づいて上記エンジン回転数の急減状態が検出さ
れたときに上記燃料流量制御弁に制御信号を発し上記燃
料空気混合気中の燃料量を上記検出直後における設定期
間だけ増大せしめる第2の制御手段を備え、上記第1の
制御手段が、上記負荷検出手段による非作動状態から作
動状態への補機の作動変化検出に対応して上記燃料量を
予め定められた量だけ増量せしめたのち増大された燃料
量を時間の経過につれて漸減せしめて上記増量を終了せ
しめ、上記第2の制御手段が、上記回転数センサによる
エンジン回転数の急減状態検出に対応して上記燃料量を
設定量だけ増量せしめたのち増大された燃料量を時間の
経過につれて漸減せしめて上記増量を終了せしめるとと
もに、上記第2の制御手段に基づく増量特性が上記第1
の制御手段に基づく増量特性とは異なる特性に設定され
ていることを特徴とするエンジンの制御方法を要旨とす
る。
〔作用〕
本発明によれば、エンジン回転数の急減状態や補機の作
動開始状態が検出された直後に燃料増量が行われるが、
その際燃料増量値は時間の経過とともに徐々に減少せし
められる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図に示す実施例は,エンジン補機としてエアコンデ
ィショナ(以下エアコンという)のクーラコンプレッ
サ,パワーステアリング用オイルポンプおよびバッデリ
の充電やヘッドランプ等の電気負荷の連続作動時の電力
供給を行なうオールタネータを備えた自動車に関するも
のであって,2は容積型レシプロ式内燃機関のエンジン
本体であり,このエンジン本体2の一側には排気マニホ
ルド4が装着され,他側には吸気マニホルド6が装着さ
れている。そして吸気マニホルド6を介しエンジン燃料
室に一端が連通する吸気通路8には、途中に図示しない
アクセルペダルと連動するスロットル弁10,燃料噴射
装置12およびエアフローメータ(カルマン渦流量計)
14が介装され、同通路8の他端はエアクリーナ16を
介し外気に連通している。上記燃料噴射装置12は、吸
気通路8等と協力してエンジン燃料室に燃料空気混合気
を供給する混合気供給装置を構成するとともに、燃料ポ
ンプより低圧燃料が供給される燃料通路に燃料流量調整
弁である電磁弁13が介装されており,上記吸気通路内
に噴射される燃料量は上記電磁弁の開弁時間に対応して
設定されるようになっている。また,吸気通路8にはス
ロットル弁10をバイパスするようにしてバイパス通路
18が形成され,このバイパス通路18には同通路18
を通過する吸気量を制御することによりエンジン燃料室
へ供給される吸気量を制御するバイパス弁20が介装さ
れており,このバイパス弁20は弁座に当接してバイパ
ス通路18を全閉する全閉位置(第1図最右位置)から
図示しないストッパにより定められる全開位置(第1図
最左位置)まで移動できるようになっている。また,バ
イパス弁20はアクチュエターである圧力応動装置22
のダイヤフラム24に連結されている。圧力応動装置2
2の圧力室26は,負圧通路28を介してスロットル弁
10介装位置下流側の吸気通路に連通されるととも,大
気通路30を介してスロットル弁10介装位置上流側の
吸気通路に連通されており,上記圧力室26には上記負
圧通路28を介し吸気負圧(以下代表してマニホルド負
圧という)が供給され,大気通路30を介し大気圧が供
給されるようになっている。また負圧通路28には常閉
型の第1ソレノイド弁32および同弁と吸気通路8側ポ
ートの間にソレノイド弁側からポート側へのみ流体を移
動せしめる逆止弁33が介装されており,第1ソレノイ
ド弁32は上記圧力室26に供給される吸気負圧を制御
している。他方大気通路30には常開型の第2ソレノイ
ド弁34が介装されており,この第2ソレノイド弁34
は上記圧力室26に供給される大気圧を制御している。
35a,35bは流量制御用のオリフィスである。また
圧力室26内にはスプリング36が配設されており,こ
のスプリング36はダイヤフラム24を介しバイパス弁
20を閉方向に付勢し,同バイパス弁を常閉弁となして
いる。即ち上記圧力室26に負圧が作用しない時にこの
スプリング36はバイパス弁を機械的に定められる最大
開度位置である全閉位置に保持している。38は圧力応
動装置22のダイヤフラム24位置を検出することによ
りバイパス弁20の開度を検出する可変抵抗を利用した
ポジションセンサであって,このポジションセンサ38
が出力するバイパス弁20の開度位置信号はコンピュー
タ40に入力されるようになっている。コンピュータ4
0には上記開度位置信号のほかエアフローメータ14に
設けられたエアフローセンサ42か出力される吸入空気
量信号,上記エアフローメーター14付近に設けられた
吸気温センサ43から出力される吸気温信号,エンジン
の点火装置44から出力されるイグニッションパルス信
号(即ちエンジン回転数信号),エンジン本体2の冷却
水温を検出する冷却水温センサ46から出力される冷却
水温信号,スロットル弁10が全閉状態にあることを検
出するアイドルスイッチ48から出力されるアイドル信
号,エアコン作動スイッチ50a,50b,50cから
出力されるエアコン信号,パワーステアリングの油圧発
生状態(即ち操舵ハンドルを中立位置から回転させた状
態)を検出するスイッチ(以下パワステスイッチとい
う)52から出力されるパワステ信号,図示しないトラ
ンスミッションの出力軸に設けられた車速センサ54か
ら出力される車速信号,スロットル弁10の開度を全閉
から全開まで検出する開度センサ56から出力される開
度信号およびバッテリ57から出力される電圧信号が入
力されるようになっている。
ところで,自動車の各電気負荷(例えばヘッドランプ)
69に電気を供給する上記バッテリ57はボルテージレ
ギュレータ68を介しエンジンに駆動されるオールタネ
ータ70により充電されるようになっており,上記電気
負荷が作動を開始し,その作動開始に基いて発生するバ
ッテリ57の電圧降下がレギュレータ68で検出される
と,同レギュレータ68がオールタネータ70にフィー
ルド電流を供給し,オールタネータ70において発電が
開始され,バッテリ57の電圧は定常値範囲に復帰す
る。こののち、電気負荷作動中はオールタネータ70が
レギュレータ68による電圧制御を受けながら発電を続
行する。他方,上記電気負荷の作動が停止すると,その
停止した瞬間にはオイルタネータ70は発電を続けてい
るので,バツテリの電圧が急増するが,電圧急増により
バッテリ電圧が定常値範囲を上まわるとレギュレータが
フィールド電流の供給を停止しオールタネータ70の発
電が停止されるようになっている。
また,上記エアコンスイッチは詳細には手動スイッチ5
0a,温度スイッチ50b,圧力スイッチ50cで構成
されている。このうち温度スイッチ50bは車室内温度
を検出し、同温度が設定温度を下まわるとオフする常閉
スイッチであり,また圧力スイッチ50cはコンプレッ
サ51の圧縮圧力が異常に高くなったときにオフする常
閉スイッチである。そして上記3つのスイッチ50a,
50b,50cはこの順で直列に接続されるとともに,
手動スイッチ50aの上流側端子はバッテリ57の正端
子に接続され,他方圧力スイッチ50cの下流側端子は
周知の遅延回路53を介しパワートランジスタ55に接
続されている。このパワートランジスタ装置55はコン
プレッサ51の図示しない断続装置である電磁クラッチ
を駆動させるパワーリレー59を作動させるものであ
る。また上記圧力スイッチ50cの下流側端子はコンピ
ュータ40に接続されており,コンピュータ40には,
上記3つのスイッチ50a,50b,50cの全てがオ
ン状態にあるときにエアコンオン信号が入力され上記3
つのスイッチ50a,50b,50cのうち1つでもオ
フ状態にあるときにエアコンオフ信号が入力されるよう
になっている。また上記車速センサ54は上記出力軸の
回転角度から車速をパルス信号として取り出すものであ
る。コンピュータ40は,各入力信号の波形整形(冷却
水温信号,電圧信号,開度位置信号等のアナログ信号の
A/D変換を含む)を行なう入力波形整形回路58,C
PU60,RAM62,ROM64および出力波形整形
回路66を有しており,このコンピュータ40では上記
各入力信号とROM64に予め記憶された演算情報とか
らエンジン出力の制御を行なう出力パルス信号を形成す
る。ところで本実施例においては,コンピュータ40か
ら出力されるパルス信号は燃料噴射装置12の噴射量を
定める噴射量信号,点火装置44の進角量を定める進角
量信号,第1ソレノイド弁32を開閉する第1弁駆動信
号および第2ソレノイド弁34を開閉する第2弁駆動信
号となっている。そして第1弁駆動信号および第2弁駆
動信号によりそれぞれ開閉せしめられる両ソレノイド弁
32,34は協力して圧力応動装置22の圧力室26内
の圧力を調整しバイパス弁20の開度を制御し吸入空気
量を制御するようになっている。
即ち本実施例装置はコンピュータ40を用いて燃料噴射
装置12の噴射量,点火装置44の進角量およびバイパ
ス弁20の開度を調整することによりエンジンの総合的
な制御を行なおうとするものであるが,この制御は予め
ROM64に記憶された各種フローをCPU60の指示
によって実行することにより行われる。そして具体的に
フローは第2図に示すようにエンジンの運転状態を識別
する条件判定フローA,2つのソレノイド弁32,34
を駆動してバイパス弁20の開度を制御する弁開度制御
フローB,アイドリング時の目標回転数を設定する回転
数設定フローC,燃料噴射装置12の駆動時間を設定し
て噴射量を決定する燃料供給フローD,点火進角を決定
する進角フローEおよいバッテリの電圧変化を検出する
電圧検出フローFが主なものであり,また各フローの選
択はCPU60より発せられる割込信号により行なわれ
るようになっている。これらのフローのうち条件判定フ
ローAは点火装置44の点火パルスに同期して実行さ
れ,また弁開度制御フローBは比較的短い周期t1の第1
タイマーの割込信号に同期して実行され,回転数設定フ
ローCは比較的長い周期t1(第1タイマーの周期の4〜
5倍程度)の第2タイマーの割込信号に同期して実行さ
れ,燃料供給フローDおよび進角フローEは極めて短い
周期の第3,第4タイマーに同期して実行され,電圧検
出フローFは上記第1タイマーの1/2の周期(t1/2)
を有する第5タイマーに同期して実行されるようになっ
ている。
以下においては、条件判定フローA,弁開度制御フロー
B,回転数設定フローC,電圧検出フローFに基いて行
なわれるバイパス弁20の開度調整について説明する。
このバイパス弁20の開度調整より行なわれる制御は,
エンジン回転数が入力される回転数制御(具体的にはア
イドル回転数制御)とエンジン回転数が入力されない開
度制御とに大別されるが,これを識別することは後述す
る微小負荷変動に関する補正を除き条件判定フローAで
行なわれる。
条件判定フローAでは,まずA−Oにおいてエンジンが
始動時であるか否かを判定する。これは具体的にはイグ
ニッションスイッチがオンで且つエンジン回転数Nrが設
定回転数(例えば200rpm)以下である場合に始動時
であると判定する。そして,A−1においてエンジン回
転数Nrが異常低回転数(500rpm)となっているか否
かを判別し,A−2においてアイドルスイッチ48がオ
ン(即ちスロットル弁10が全閉)であるか否かを判別
し,A−3において車速センサ54の出力する車速が設
定値(例えば1Km/h)以下であるか否かを判定し,A
−4において(車速Vr)/(エンジン回転数Nr)の変化
状態を検出し,A−5において(実際の)エンジン回転
数Nrと目標回転数Nsの偏差ΔNの絶対値が設定値ε以下
となっているか否か(即ちNrがISC回転域にあるか否
か)を判定するようになっており,始動後エンジン回転
数が異常低回転数となっておらず,且つアイドルスイッ
チ48がオンしており且つ車速が1Km/h以下であり且
つ偏差ΔNの絶対値が設定値ε以下となっている場合
(以下Case1という)および始動後エンジン回転数が異
常低回転数となっておらず且つアイドルスイッチ48が
オンしており且つ車速が1Km/h以上であり且つVr/Nr
の変化量ΔV/N(今回サンプルしたVr/Nrの値から前
回サンプルしたVr/Nrの値をさし引いたもの)がある正
の値αを上まわることがn回(例えば2回)以上続けと
判定され且つ偏差ΔNの絶対値がε以下となっている場
合(以下Case2という)にエンジンが安定したアイドリ
ング状態にあると判断してアイドリング回転数制御(以
下ISCという)を指示し,上記Case1,Caes2以外のと
きには開度制御を指示するようになっている。この条件
判定フローAの指示は後述する開度制御フローBの中の
B−20においてISCが指示されたか否かの判定に用
いられる。
ところで上記Case1は車両停止時における通常のアイド
リング状態を意味し,Case2は車両走行時においてクラ
ッチが切られたり,あるいはトランスミッションがニュ
ートラルに保持されていてエンジンが空転している状態
(即ち惰行状態)を意味している。そしてCase2ではこ
の惰行開始の判定を行なう際に走行中(通常エンジンブ
レーキによる減速時)にクラッチを切ることによって生
じるエンジン回転数の急減状態を検出することが用いら
れている。即ちエンジンブレーキ状態からクラッチを切
って惰行状態に移行する際にはクラッチを切る前後で車
速の変化が微小なのに対し,エンジンは強制的に回転せ
しめられていた状態からアイドリング状態になるため回
転数が急速に減少する。このため(車速Vr)/(エンジ
ン回転数Nr)のサンプル毎の変化量ΔV/Nがある正の
値αより大きくなっていることがクラッチを切ったのち
のエンジン回転数の低下状態を表わすことになり,本実
施例では具体的にはΔV/Nがαより大きくなることが
n回以上連続して検出された場合に惰行が開始されたと
判定している。なお,Case2ではA−4において惰行の
開始が検出されたのち,A−5においてエンジン回転数
がISC回転域にあることを確認してからISCを指示
するようになっている。一方惰行の終了はA−5におい
てクラッチの接続に伴うエンジン回転数の増加(エンジ
ン回転数がISC回転域から外れたこと)を検出するこ
とにより判定するようになっている。ところで上記惰行
の開始判定に用いられるVr/Nrは,Vr,Nrがともに車速
センサ54および点火装置44からパルス信号として取
り込まれるようになっているので,車速センサ54から
のパルス数を所定数カウントする間に点火パルスが幾つ
カウントされたかを調べることにより求めることができ
る。
次に開度制御フローBの説明に移る。
まず,開度制御フローBの実行にあたっては,ポジショ
ンセンサ38の初期化が行なわれる。これは始動前イグ
ニッションスイッチをオンした際RAM62の各アドレ
スに保持されている値をクリア(零にする)した直後に
なされるものであって,まず始動前におけるバイパス弁
20の開度位置(即ち全閉位置)に対応したポジション
センサ38の出力(電圧)をA/D変換して初期位置情
報としてRAM62のアドレスA00に入力し,次いでA00
の値,予めROM64に記憶されたバイパス弁20
の許容移動範囲を与える移動範囲情報bandおよび同じ
くROM64に記憶された最小開度設定情報Δから後
述する目標開度を与える設定情報の最小値minと
最大値maxを演算により求めそれぞれRAM62のア
ドレスA01とA02に入力する。即ち, A01Δ,A02Δ+band となるが,この際Δは極めて微小な値であり,また
Δ+bandはバイパス弁20の機械的に定められる全閉
位置(弁座に当接する位置)と全開位置(図示しないス
トッパにより定められる位置)との距離lよりわずかに
小さい値に対応しており,バイパス弁20の実際の位置
(開度)とRAM62に入力されている開度情報との関
係は第3図に示すようになっている。従って,バイパス
弁20の位置(開度)はminに対応する位置(開度)
とmaxに対応する位置(開度)との間で後述するよう
に前記目標開度になるように制御されることになる。と
ころでこの際後述する目標開度も上記minとmaxの間
で与えられるようになっている。このようにして初期設
定が行なわれたのち,開度制御フローBは第1タイマー
の割込信号に同期して実行されバイパス弁駆動手段を作
動させるが,このフローBでは,まず,エンジン運転中
に発生する特定の負荷変動(例えばエアコンのオンオ
フ,パワーステアリング装置の作動・非作動,電気負荷
変動に伴なって生じるバッテリ電圧の変化)を検出して
おき,上記負荷変動が検出された場合はその補正を行な
い,検出されない場合には条件判定フローAの判定に基
いてアイドル回転数制御または開度制御を選択的に実行
するようになっている。
以下第4図(a),(b)を用いてこの開度制御フロー
Bを詳細に説明する。第1タイマの割込信号が発生する
とまずB−1において,エアコンスイッチの切換が行な
われたか否かを判定し,切換が行なわれなかった場合に
はB−6に飛ぶように指示する。他方切換が行なわれた
場合にはB−2においてRAM62のアドレスNに1を
入力し,さらにB−3において上記切換の方向がオフ→
オン,オン→オフの何れかであるかを判定し,それぞれ
の場合に応じてB−4(又はB−5)においてROM6
4より目標開度変化量Δ11,Δ21,Δ31(又はΔ
12,Δ22,Δ32)を読み込み,それぞれRAM6
2のアドレスA1,A2,A3に入力する。この際Δ31はエ
アコンスイッチのオフ→オン切換に伴うエンジンの負荷
変動を補償する上で過渡現象を無視した場合に最適と予
想される正の変化量であり,またΔ11,Δ21はΔ
31と同様に正の変化量であり,その大きさは Δ11>Δ31>Δ21 となっており,他方Δ32もエアコンスイッチのオン→
オフ切換に伴うエンジンの負荷変動を補償する上で過渡
現象を無視した場合に最適と予想される負の変化量であ
り,またΔ12,Δ22はΔ32と同様に負の変化量で
あり,その絶対値の大きさは, |Δ12|>|Δ32|>|Δ22| となっている。またΔ31=|Δ32|の関係がある。
次に,B−6ではパワステスイッチの切換が行なわれた
か否かを判定し,切換が行なわれなかった場合にはB−
11に飛ぶように指示する。他方切換が行なわれた場合
には,B−7においてRAM62のアドレスMに1を入
力し,さらに,B−8において上記切換の方向がオフ→
オン(即ちオイルポンプが非作動→作動),オン→オフ
の何れかであるかを判定し,それぞれの場合に応じてB
−9(又はB−10)においてROM64より目標開度
変化量Δ41,Δ51,Δ61(又はΔ42,Δ52
Δ62)を読み込み,それぞれRAM62のアドレス
A4,A5,A6に入力する。この際,Δ61はパワステスイ
ッチのオフ→オン切換に伴うエンジンの負荷変動を補償
する上で過渡現象を無視した場合に最適と予想される正
の変化量であり,またΔ41,Δ51はΔ61と同様に
正の変化量であり,その大きさは, Δ41>Δ61>Δ51 となっており,他方Δ62もパワステスイッチのオン→
オフ切換に伴うエンジンの負荷変動を補償する上で過渡
現象を無視した場合に最適と予想される負の変化量であ
り,またΔ42,Δ52はΔ62と同様に負の変化量で
あり,その絶対値の大きさは, |Δ42|>|Δ62|>|Δ52| となっている。また,Δ61=|Δ62|の関係があ
る。次にB−11ではバッテリ電圧に変化があったか否
かを判定し,変化なしの場合はB−17を指示する。と
ころでこのバッテリ電圧の変化判定に際しては,第5タ
イマーの割込信号に同期して実行される電圧検出フロー
Fにより検出される電圧の変化量ΔVbが入力される。即
ち,電圧検出フローFでは第2図に示すように,周期t1
/2毎に読み込まれる電圧Vbの偏差ΔV1およびΔV2(Δ
V1は今回読み込まれた電圧Vb1と前回読み込まれた電圧V
b2との偏差,ΔV2は前回読み込まれた電圧Vb2と前々回
読み込まれた電圧Vb3との偏差)がそれぞれF−5,F
−2においてRAM62のアドレスA10,A11に入力され
ており,B−11ではこのA11の絶対値が設定値βより
大きい場合に電圧Vbに変化有と判定する。そして変化有
の場合はさらにB−12においてA10の値がA11と同符号
であるか否かを判定し, |A11+A10|>|A11| のときに補正を指示するようになっている。そして補正
が指示された場合はB−13において,RAM62のア
ドレスLに1を入力し,さらにB−14においてA11
符号(電圧Vbの変化の方向)を判別し,B−15(ある
いはB−16)においてA11+A10の値に対応した目標開
度変化量Δ71,Δ81,Δ91(あるいはΔ72,Δ
82,Δ92)をROM64の演算補助情報から算出し
て読み込み,それぞれRAM62のアドレスA7,A8,A9
に入力しB−17に至る。
ところで,この際電圧Vbが減少した場合(即ち,A11+A
10>Oの場合)は, Δ71=K1×F(|A11+A10|) Δ81=K2×F(|A11+A10|) Δ91=K3×F(|A11+A10|) で与えられる。ここでK1,K2,K3は正の定数でK1>K2
K3の関係があり,F(|A11+A10|)は|A11+A10|の
関数であり,ROM64に記憶されている。また電圧Vb
が増加した場合(即ちA11+A10>Oの場合)は, Δ72=−K1×F(|A11+A10|) Δ82=−K2×F(|A11+A10|) Δ92=−K3×F(|A11+A10|) で与えられる。ここで,K1〜K3およびF(|A11+A
10|)についてはΔ71〜Δ73の場合と同様である。
またB−11で, |A11|<β と判定された場合およびB−12で, |A11+A10|<|A11| と判定された場合はそのままB−17に至る。
B−17では,エアコンスイッチの切換,パワステスイ
ッチの切換もしくは電圧変化のうち少なくとも1つの補
正動作が指示されているか否かをアドレスN,M,Lの
値を読むことで判定し,上記補正動作が指示されなかっ
た場合,即ちN+M+L=0の場合(以下これに基く制
御を便宜上I制御という)はB−18およびB−19に
おいてアドレスA3,A6,A9をリセット(既にA3,A6,A9
がOの場合は不要)したのち,B−20において条件判
定フローAの判定結果に基いてISCもしくは開度制御
が選択され,ISCが選択された場合にはB−21にお
いてアドレスAnsに入力されている目標開度ns(ns
の設定に関しては詳細後述)を読み込みアドレスAsに入
力し,他方開度制御が選択された場合にはB−22にお
いてアドレスApsに入力されている目標開度s(s
の設定に関しては詳細後述)を読み込みアドレスAsに入
力し,次いでB−23において実開度rを読み込み,
Asの値とrとからB−24において開度偏差Δrが
求められるようになっている。また,上記補正動作が指
示された場合(以下これに基く制御を便宜上J制御とい
う)にはB−100,B−200,B−300で示され
る各補正フローが実行される。そしてB−100におい
ては,エアコンスイッチ切換に伴う開度補正量Δacが
設定され,B−200においてはパワステスイッチ切換
に伴う開度補正量Δpsが設定され,B−300におい
ては電圧変化に伴う開度補正量Δbが設定され,これ
らの値Δas,Δps,ΔbはB−40において総合
されて目標開度補正レジスタΔsに入力され、このΔ
sおよび上記補正動作開始以前(N+M+L=Oのと
き)にB−21もしくはB−22において入力されたAs
の値からB−41において目標開度s′が設定され
る。そしてB−42,43ではこのs′がmaxを越
える場合にはs′=maxとなし,B−44,45で
はs′がminを下まわる場合にはs′=minとな
し,このようにして設定されるs′とB−46におい
て読み込まれる実開度rとからB−47において開度
偏差Δrが求められる。ところでこの際B−46にお
いて読み込まれる実開度rの情報は第5タイマーの割
込信号に同期して更新されてレジスタに入力されている
ものである。
さて,このようにして開度制御フローBにおいては,B
−24あるいはB−47で目標開度との偏差Δrを求
めたのち,ソレノイド弁駆動フローBSにおいてΔr
→Oとなるようにバイパス弁20の開度を制御する。
ソレノイド弁駆動フローBSでは,まずB−50におい
て開度偏差Δrが不感帯内に収まっているか否かを判
定し,収まっている場合には開度制御を行なわないよう
に指示する。他方Δrが不感帯を外れている場合には
B−51においてΔrの絶対値に対応したソレノイド
駆動時間Trを算出し,レジスタに読み込む。次いでB−
52においてΔrから弁開度の制御の方向を判定し,
Δr<Oとなり弁開度を増大させる場合には,B−5
3において第1ソレノイド弁32のソレノイド(以下第
1ソレノイドという)のタイマーTaにTrを入力し,B−
54において第2ソレノイド弁34のソレノイド(以下
第2ソレノイドという)のタイマーTbに予め設定された
駆動時間To(但し,To≦Tr)を入力し,他方Δr<O
となり弁開度を減少させる場合には,B−55において
タイマーTbにB−51で求めたTrを入力し,B−56に
おいてToを入力する。ところでTrは詳細には Tr=To+Ks|Δr|(但しKsは正の比例定数)で与え
られるようになっており,従って第1ソレノイド弁32
の駆動時間ta(タイマーTaに入力されている値)および
第2ソレノイド弁34の駆動時間tb(タイマーTbに入力
されている値)はΔrの正負に対し以下のように与え
られる。
また上記Ta,TbのΔrに対する変化の様子を図示する
と第5図(a),第5図(b)の如くとなる。そしてB−5
7,B−58においてそれぞれ第1ソレノイド,第2ソ
レノイドが駆動されるが,その際上記第1ソレノイドは
タイマーTaにより与えられる駆動時間のみ励磁され,第
1ソレノイド弁32を開放し,他の時間帯は非励磁とな
り第1ソレノイド弁32を閉塞し,一方上記第2ソレノ
イドはタイマーTbにより与えられる駆動時間のみ非励磁
となり,第2ソレノイド弁34を開放し他の時間帯は励
磁されて第2ソレノイド弁34を閉塞するようになって
いる。従ってΔr>Oのときは第5図(c)に示すよう
に第1ソレノイド弁32の開弁時間ta(タイマーTaの
値)が第2ソレノイド弁34の開弁時間tb(タイマーTb
の値)より大きく,両開弁時間の差Δt1=ta−tbに略比
例して圧力室26内がΔPだけ減圧され,バイパス弁2
0が開方向に駆動され,他方Δr<Oのときは第5図
(d)に示すように第2ソレノイド弁34の開弁時間tb
(タイマーTbの値)が第1ソレノイド弁32の開弁時間
Taの(タイマーTaの値)より大きく、両開弁時間の差Δ
t2=tb−taに略比例して圧力室26内がΔPだけ増圧さ
れバイパス弁20が閉方向に駆動される。そしてこの際 Δt1=ta−tb=Ks|Δr| Δt2=tb−ta=Ks|Δr| であるから,圧力室26の内圧ΔPは開度偏差Δrに
対し第5図(e)に示すように略比例的に変化し,これに
基きバイパス弁20は上記開度偏差Δr→Oとなるよ
うに変位する。なお,この際開度偏差Δrとバイパス
弁20の実際の変位量との間のゲインは比例定数Ksによ
り適切に調整される。
さて,ここで上述した各目標開度の設定について説明す
る。
まず,負荷変動,具体的にはエアコンスイッチのオフ→
オンへの切換が発生した場合の目標開度s′について
説明する。
この際はエアコンスイッチの切換直後のフローのB−2
においてN=1,B−4においてA1=Δ11,A2=Δ
21,A3=Δ31となり,(今M=O,L=Oとする),
B−17においてN+M+L≠Oが判定される。そして
B−101をN≠Oで通過後B−102において今回の
フローがB−2でN=1が入力された初期フローから数
えて4回目以内のものであることが判定されるとB−1
05においてΔac(レジスタ)にΔ11が入力され,
今回のフローがB−102,B−103において上記初
期フローから数えて5回目〜8回目のものであることが
判定されるとB−106においてΔacにΔ21が入力
され,今回のフローがB−103において上記初期フロ
ーから数えて9回目以上のものであることが判定される
とB−104においてΔacにΔ31が入力されるよう
になっている。そしてB−107においてN=12即ち
上記初期フローから数えて12回目のフローになったこ
とが判定されたときにはB−108においてNをリセッ
トする。これにより今M=O,L=OであるからB−1
07においてN>11(N=12)が判定された次のフ
ローではB−17においてN+M+L=Oが判定され、
エアコンスイッチの切換時の補正動作が終了するように
なっている。即ち上記初期フローから数えて12回目ま
でが上記補正動作となるが,その際M=O,L=Oであ
ることからΔps(レジスタ),Δb(レジスタ)に
はそれぞれB−209,B−309においてOが入力さ
れており(なぜなら上記初期フローが始まる前にB−1
9においてA6,A9がリセットされている),B−40に
おける目標開度補正レジスタΔsの値はΔacの値と
なっている。即ち、目標開度s′は,B−41におい
て, s′=As+Δ11(但し,N=1〜4) s′=As+Δ21(但し,N=5〜8) s′=As+Δ31(但し,N=9〜12) となる。今Asの値は前記初期フロー開始直前のフローで
B−21もしくはB−22において入力された目標開度
ns(s)である。そして目標開度s′は時間の経
過に対し第6図に示すパターンに従って変化することに
なる。即ち,第6図においてはI制御状態即ちISCも
しくは通常の開度制御状態が破線で示され,エアコンス
イッチ切換直後の実線で示す部分がJ制御即ちエアコン
スイッチの切換時の過渡制御(パターン制御)となって
いる。そしてこのパターン制御における一つのパターン
の巾は第1タイマーの周期t1の4倍即ち4t1となってい
る。
他方エアコンスイッチをオン→オフへ切換えた時には,
切換直後にB−2においてN=1,B−4においてA1
Δ12,A2=Δ22,A3=Δ32となり,このあと上述
したオフ→オンへの切換の際と同様のフローが実行さ
れ,目標開度s′が設定される。そして s′=As+Δ12(但し,N=1〜4) s′=As+Δ22(但し,N=5〜8) s′=As+Δ32(但し,N=9〜12) となる。そしてこの目標開度s′は時間の経過に対し
第7図に示すパターンで変化する。この場合も1つのパ
ターンの巾は第1タイマーの周期t1の4倍即ち4t1とな
っている。
また,パワステスイッチのオフ→オンへの切換が発生し
た場合は,切換直後のフローのB−7において,M=
1,B−9においてA4=Δ41,A5=Δ51,A6=Δ
61となり(今N=O,L=Oとする),B−17におい
てN+M+L≠Oが判定される。そしてB−101を通
過後B−109でΔac=O(なぜならM=1となる以
前のフローでA3はB−19においてリセットされてい
る),B−201において今回のフローがB−7でM=
1が入力された初期フローから数えて4回目以内のもの
であることが判定されるとB−205においてΔpsに
Δ41が入力され,今回のフローがB−202,B−2
03において上記初期フローから数えて5回目〜8回目
のものであることが判定されるとB−206においてΔ
psにΔ51が入力され,今回のフローがB−203に
おいて上記初期フローから数えて9回目以上のものであ
ることが判定されるとB−204においてΔpsにΔ
61が入力されるようになっている。そしてB−207に
おいてM=12即ち上記初期フローから数えて12回目
のフローになったことが判定されたときにはB−208
においてMをリセットする。これにより今N=O,L=
OであるからB−207においてM>11(M=12)
が判定された次のフローではB−17においてN+M+
L=Oが判定されパワステスイッチの切換時の補正動作
が終了するようになっている。即ちこの場合も上記エア
コンスイッチの切換の際と同様に初期フローから数えて
12回目までが上記補正動作となる。そしてL=Oであ
ることからB−301を介しB−309においてΔb
=Oとなっており,従って、B−40における目標開度
補正レジスタΔsの値はΔpsの値となっている。即
ち目標開度s′は,B−41において, s′=As+Δ41(但し,M=1〜4) s′=As+Δ51(但し,M=5〜8) s′=As+Δ61(但し,M=9〜12) となる。そしてこの際s′は上述したエアコンスイッ
チのオフ→オンへの切換に際して設定されたものと同様
に第6図に示すパターンに従って変化することになる。
(但し、第6図においてΔ11→Δ41,Δ21→Δ
51,Δ31→Δ61となる)。
他方パワステスイッチをオン→オフへ切換えた時には,
切換直後のB−7において,M=1,B−9においてA4
=Δ42,A5=Δ52,A6=Δ62となり,このあと上
述したパワステスイッチのオフ→オンへの切換の際と同
様のフローが実行され,目標開度s′が設定される。
そして s′=As+Δ42(但し,M=1〜4) s′=As+Δ52(但し,M=5〜8) s′=As+Δ62(但し,M=9〜12) となる。そしてこの際のs′は上述したエアコンスイ
ッチのオン→オフへの切換に際して設定されたものと同
様に第7図に示すパターンに従って変化することにな
る。(但し,第7図においてΔ12→Δ42,Δ22
Δ52,Δ32→Δ62となる)。
また,ヘッドランプ等を点灯してバッデリ電圧Vbの急激
な低下が発生した場合には,バッテリ電圧Vb低下が発生
した直後のフローのB−13においてL=1,B−15
においてA7=Δ71,A8=Δ81A9=Δ91となり,
(今N=O,M=Oとする),B−17においてN+M
+L≠Oが判定される。そして,B−101を通過後B
−109でΔac=O,B−201を通過後B−209
でΔps=O,となったのち,B−301において今回
のフローがB−13でL=1が入力された初期フローか
ら数えて4回目以内のものであることが判定されるとB
−305においてΔbにΔ71が入力され今回のフロ
ーがB−302,B−303において上記初期フローか
ら数えて5回目〜8回目のものであることが判定される
とB−306においてΔbにΔ81が入力され、今回
のフローがB−303において上記初期フローから数え
て9回目以上のものであることが判定されるとB−30
4においてΔbにΔ91が入力されるようになってい
る。そしてB−307においてL=12即ち上記初期フ
ローから数えて12回目のフローになったことが判定さ
れたときにはB−308においてLをリセットする。こ
れにより今N=O,M=OであるからB−307におい
てL>11(L=12)が判定された次のフローではB
−17において,N+M+L=Oが判定され,バッテリ
電圧Vbの変化に対する補正動作が終了するようになって
いる。即ちこの場合も上記エアコンスイッチ,パワステ
スイッチの切換の際と同様に初期フローから数えて12
回目までが上記補正動作となる。そしてΔac=Δps
=OであることからB−40におけるΔsの値はΔ
bの値となっている。即ち目標開度s′は,B−41
において, s′=As+Δ71(但し,L=1〜4) s′=As+Δ81(但し,L=5〜8) s′=As+Δ91(但し,L=9〜12) となる。今Asの値は前記初期フロー開始直前のフローで
B−21もしくはB−22において入力された目標開度
ns(s)である。そして目標開度s′は時間の経
過に対し第8図に示すパターンに従って変化することに
なる。なおこの第7図において,破線部分がI制御即ち
ISCもしくは通常の開度制御状態であり,バッテリ電
圧Vb急減直後の実線部がJ制御即ちバッテリ電圧変化時
の過渡制御(パターン制御)となっている。そしてこの
パターン制御における一つのパターンの巾は第1タイマ
の周期t1の4倍即ち4t1となっている。また第8図にお
いてバッテリ電圧Vb急減後徐々に(電圧が)回復するの
はオールタネータによる発電が開始されたことに基くも
のである。
他方ヘッドランプ等を消灯してバッテリ電圧Vbの急激な
上昇が発生した場合には,電圧上昇直後のB−13にお
いてL=1,B−15においてA7=Δ72,A8=Δ
82,A9=Δ92となり,このあとは上述したバッテリ
電圧Vb低下時と同様のフローが実行され,開度s′が
設定される。そして, s′=As+Δ72(但し,L=1〜4) s′=As+Δ82(但し,L=5〜8) s′=As+Δ92(但し,L=9〜12) となる。このs′は時間経過に対し第9図に示すパタ
ーンに従って変化する。なおこの第9図においてバッテ
リ電圧Vb急増後徐々に(電圧が)減少するのは,オール
タネータによる発電が停止されたことに基くものであ
る。
次に1つの過渡制御が行なわれている間に他の過渡制御
が開始される場合について述べる。
まず,エアコンスイッチのオフ→オンの切換直後(2t1
後)にパワステスイッチのオフ→オンの切換が発生した
場合の例を第1表に示す。
第1表において時間の経過の欄に示された数字はある時
点を基点としてフローBが行なわれた回数を示す。従っ
て、周期t1とこの数字の積とが実時間の経過となってい
る。以下では経過時間1t1,2t1……に対応した時刻を
時刻1t1,2t1……として表現する。さて第1表によれ
ば時刻1t1,2t1ではN=M=Oであり,I制御即ちI
SCもしくは通常の開度制御が指示される。時刻3t1
はエアコンスイッチの切換が検出されN=1となりJ制
御即ち過渡制御が指示される。通常であればこのJ制御
はN=12となる時刻14t1までで終了するが,この場
合は時刻5t1においてパワステスイッチの切換が検出さ
れM=1となっているため上記J制御はM=12となる
時刻16t1まで持続することになる。従って、第1表に
おいては時刻1t1,2t1および17t1,18t1ではI制
御が指示されるがそれ以外(時刻3t1から16t1まで)
はJ制御が指示される。そしてJ制御の開始時3t1およ
びそれに続く時刻4t1においてはM=Oであるため,第
4図(a)のB−209でΔpsにOが入力されるこれは
時刻2t1以前のフローのB−19においてA6がリセット
されているからである。他方J制御の終了付近の時刻1
5t1,16t1では,N=OとなっているがA3にはΔ31
が入力されているため,B−109においてΔacにΔ
31が入力される。即ち、J制御実行中第4図(a)のB
−40において目標開度補正レジスタΔsに入力され
るデータは第1表に示すようになる。従ってB−41に
おいて設定される目標開度s′は第10図に実線で示
すようになる。ところで,この実線で示した目標開度
は,エアコンスイッチの切換のみに対応して設定される
目標開度(破線)とパワステスイッチの切換のみに反応
して設定される目標開度(二点鎖線)の和となっている
ことは言うまでもない。
次にエアコンスイッチのオン→オフの切換から6t1が経
過したときにバッテリ電圧Vbの急減状態が検出された場
合をとりあげると第2表および第11図に示すとおりと
なる。
1つの過渡制御が行なわれている間に他の過渡制御が開
始される例は他にもあるが,それらは全て(3つの過渡
制御が重なる場合も含め)上述した2例と同様にして実
行される。
次に通常の開度制御の際の目標開度sの設定について
説明する。
目標開度sは,基本的にはバイパス弁20の初期位置
情報としてアドレスA00に入力されていると,冷却
水温,アイドルスイッチ,エンジン回転数,スロットル
弁開度(およびその変化速度)に応じてROM64の通
常マップに入力されている情報とを総合してsoとして
設定されており,これに運転状態に応じた補正が加えら
れるようになっており,min≦s≦maxの範囲内で
与えられるようになっている。そしてエアコンスイッチ
がオン状態になったときには上記soに上述したΔ31
が加算されアドレスApsにはso+Δ31が入力され,
またパワステスイッチがオン状態になったときには上記
soにΔ61が加算され,Apsにはso+Δ61が入力
され,さらにヘッドランプが点灯状態となったときには
so+Δ91が加算されApsにはso+Δ91が入力さ
れる。一方条件判定フローAのA−1において実エンジ
ン回転数Nr<500rpmが判定された場合には,前記マ
ップからの読み込みが中止され、sは全開状態max
に近い開度となり,またA−Oにおいて始動時であるこ
とが判定された場合には上記通常マップからの読み込み
が中止され,s=startが別途設定される。start
はエンジンの始動を容易にする上での最適値となってい
る。なおこのstartもoに基いて設定されている。
次にISC時の目標開度nsの設定について説明する。
nsの設定に際しては第2タイマーの割込信号によって
実行される回転数設定フローCが使用される。まず第2
図に示すように回転数設定フローCではC−1において
実回転数Nrがレジスタに読み込まれ,C−2において目
標回転数Nsがレジスタに読み込まれる。この目標回転数
Nsは冷却水温およびエアコンスイッチの切換に対して第
12図に示すように変化するように設定されており,こ
れはROM64にマップとして入力されている。そして
C−3において回転数偏差ΔNおよび回転数の変化量D
Nが算出され、C−4においてこのΔN,DNに基いて
目標変化量Δnが算出され,さらにC−5において実
開度rが読み込まれ、C−6においてr+Δnに
より目標開度Δsが求められる。この際C−5におい
て読み込まれる実開度rは第5タイマーの割込信号に
同期して更新されレジスタに入力されているものであ
る。そしてnsはC−7,C−8,C−9,C−10に
おいてmin≦ns≦maxの範囲内に収められるように
必要に応じて修正されたのちC−11においてアドレス
Ansに入力される。ところでC−3およびC−4におけ
る詳細のフローは第13図に示すようになっており,C
−3においてはC−31で目標回転数Nsと実回転数Nrと
が読み込まれその差でΔNが求められ,C−32で今回
のフローで読み込まれたNrと前回のフローでC−33に
おいてアドレスAnに入力されているNr′との差としてD
Nが求められるようになっている。また,C−4におい
ては,エンジン始動時に予め初期値としてOが入力され
たRAM62のアドレスPの判定をC−401で行なっ
たのち,C−402において変化量DNの絶対値の大き
さを判定し,DNが大きいと判定されたときには,C−
413で偏差ΔNが不感帯域にあるか否かを判定し,不
感帯外にあることが判定されるとC−403においてD
Nの大きさに応じてΔn(以下Δnaとする)を設定
し,さらにC−403が実行されたことを示すためにC
−404においてRAM62のアドレスRに1を入力
し,さらにC−405においてC−403で求めたΔ
naの累積値をアドレスAeに入力してC−5に至る。他方
C−402においてDN(の絶対値)が小さいと判定さ
れた場合は,さらにC−406においてRの値即ち前回
フローでC−403が実行されたか否かを判定し,実行
されなかった(即ちR=O)と判定された場合にはC−
407において偏差ΔNの大きさに応じてΔn(以下
Δnbとする)を設定しC−5に至る。これに対しC−
406においてC−403が実行された(即ちR≠O)
と判定された場合には,C−408においてアドレスAe
の値およびΔNの大きさに応じてΔn(以下Δncと
する)が設定され,さらにC−409においてアドレス
Rをリセットし,C−410においてアドレスPにある
自然数(第13図では3)を入力し,C−411におい
てAeをリセットしてC−5に至る。P=3となった次の
フローではC−401においてP≠Oが判定され,C−
412においてPの値が1減じられたのちC−407に
おいてΔNに応じてΔnbが設定されてC−5に至る。
そして一旦P=3となった場合はC−412においてP
=Oが入力されるまでC−407が実行される。そして
P=Oとなると再びC−402およびC−406の判定
に基いてC−403,C−408,C−407が選択的
に実行される。なお,偏差ΔNが不感帯域にあるときは
C−413を介してC−414でΔna=Oとなり、ま
たC−407においてΔnc=Oとなる。
ところでDNの絶対値が大きくなったときにC−403
で設定されるΔna(Δnaは必要に応じて継続して設
定されるが,その場合はΔnaの和)は定常的に見れば
ΔN→Oとする上では過大な補正量となっている。他方
C−403でΔnaが設定されたのちDNの絶対値が小
さくなったときにC−408で設定されるΔncは,上
記過大な補正量を補償する上で, Δnc=−Kn×Δna となっている。ここでKnはΔNの関数でROM64に入
力されO<Kn<1となっており、またΔnaは,継続し
て設定される場合はΔnaの和ΣΔnaを表わす。
第14図には上述した如く設定されるΔna,Δnb、
Δncに基いて行なわれるアイドル回転数制御の一例を
示す。なお第14図において目標回転数Nsを含む斜線部
は不感帯域を示し,またタイマー信号とは第2タイマー
の割込信号を示す。以上バイパス弁20の開度制御に基
くエンジンの出力調整について述べたが,次にエンジン
に出力変動が発生した際に上記開度制御とともに行なわ
れる燃料噴射装置12の噴射量調整について説明する。
この燃料噴射装置12は電磁弁がデューティ制御されて
燃料噴射量が設定されるものであるが,その設定は燃料
供給フローDに基いて実行される。
フローDではまずD−1で吸入空気量Wa,吸気温度Ta,
実回転数Nr,冷却水温Twが読み込まれる。そしてD−2
において,このWa,Ta,Nr,Twに基いて燃焼噴射量12
の通常時の電磁弁駆動時間(デューティ制御の周期Hと
パルス巾θ)が設定される。この際周期Hは吸気流量Wa
に比例するエアフローセンサ42の出力パルス信号によ
って設定され,パルス巾θは周期Hに応じて設定されて
いる基本パルス巾θに加算(減算)される通常補正量
θnが,Ta,Nr,TwよりROM64のマップに基いて設
定されて通常時の最適燃料噴射量Gnに対応した通常時の
電磁弁駆動時間Znが得られるようになっている。そして
D−3〜D−6ではエンジンに出力変動が発生した場合
の燃料の補正制御が行なわれるようになっており,まず
D−3ではエアコンスイッチのオフ→オンへの切換があ
った場合にパルス巾補正量θacが算出され,D−4では
パワステスイッチのオフ→オンへの切換があった場合に
パルス巾補正書θpsが算出され,D−5では電気負荷が
発生しバッテリ電圧の急減状態が検出され電圧検出フロ
ーFのF−2,F−5でそれぞれA11,A10に入力されて
いるΔV1とΔV2の和が所望値以下となった場合にパルス
巾補正量θbが算出され,さらにD−6ではISC中に
実回転数Nrが急激に低下し,回転数の変化量DNの値が
大きな負の値となり,回転数設定フローCのC−403
において設定されるΔnaの値が所望値以上となった場
合にパルス巾補正量θdが算出される。これらの補正量
θac,θps,θb,θdは全てそれぞれの出力変動が発
生した場合に燃料の増量を指示する値となっている。そ
してD−7ではD−2で求められている通常時のパルス
巾θ(θo+θn)にD−3〜D−6で求めた補正量θ
ac,θps,θb,θdが加算され出力変動補償後のパル
ス巾 θ′=θo+θn+θac+θps+θb+θd が設定される。(D−3〜D−6では各出力変動が検出
されないときはパルス巾補正量はOとなっている)。さ
らにD−8ではD−2で求められた周期HとD−7で求
められたパルス巾θ′に基いて電磁弁駆動時間Zが形成
され,電磁弁が駆動される。
ところでD−3〜D−6のフローの詳細は第15図に示
すようになっており,まずエアコンスイッチの切換に基
く補正であるがD−31でエアコンスイッチのオフ→オ
ンへの切換の有無を開度制御フローBのB−2で入力さ
れるアドレスNの値に基いて判定し,有の場合はD−3
2でRAM62のアドレスK1に自然数n1が入力され,さ
らにD−33でレジスタθacに初期補正値X1が入力され
る。そして一旦K1=n1となってからn1回のフローではD
−34でK1≠Oが判定され,D−35においてレジスタ
θacに補正値が入力され続け,このレジスタθacの値か
らD−7でパルス巾θ′が設定される。この際θacの値
はエアコンスイッチの切換が行なわれて初期補正値が与
えられてから時間が経過するにつれて徐々に小さくなる
ようにD−35において設定されており、これによりエ
ンジンに供給される混合気の空燃比は一旦小さく(混合
気が濃く)なったのち徐々に大きく(混合気が薄く)な
るようになっている。ところで上記切換による補正が終
了した場合および上記切換がなかった場合にはD−36
においてθacがリセットされる。また,D−4で行なわ
れるパワステスイッチのオフ→オンへの切換に基く補正
であるが,これはD−41においてパワステスイッチの
オフ→オンへの切換の有無を開度制御フローBのB−7
で入力されるアドレスMの値に基いて判定し,切換有の
場合にエアコンスイッチの切換に基く補正と同様の補正
が行なわれる。但し,D−42でアドレスK2に入力され
るn2(補正フローの回数を設定する自然数)およびD−
43でレジスタθpsに入力されるX2(初期補正値)はパ
ワステスイッチの切換に伴う負荷変動を補正する上で最
適となるべく上記n1,X1とは独立に設定されている。さ
らにD−5で行なわれるバッテリ電圧Vbの急減に際して
の補正であるが,これは,まずD−51においてアドレ
スL(開度制御フローBのB−13で入力される)にO
→1の変化があったか否かを判定し,変化有の場合にD
−52で電圧変化の大きさΔV1+ΔV2が負の設定値ΔVs
を越えるものであるか否かを判定しΔVsを越える場合に
上記エアコンスイッチ,パワステスイッチの切換の際の
補正と同様にしてバッテリ電圧変化に対する補正が行な
われる。ところでこの際もD−53でアドレスK3に入力
されるn3(補正フローの回数を設定する自然数)および
D−54でレジスタθbに入力されるX3(初期補正値)
はバッテリ電圧変化に伴う負荷変動を補正する上で最適
となるべく上記n1,n2,X1,X2とは独立に設定されてい
る。さらにはまたD−6で行なわれるISC中における
実回転数Nrの急減に際しての補正であるが,これはまず
D−60でエアコンスイッチ,パワステスイッチの切換
またはバッテリ電圧変化に基く過渡制御が行なわれてい
るか否かを判定し,否の場合にD−61においてアドレ
スR(回転数設定フローCのC−404で入力される)
にO→1の変化があったか否かを判定し,変化有の場合
にD−62で回転数変化DNが負の設置値DNsを越える
ものであるか否かを判定し,DNsを越える場合にD−6
3でさらに条件判定フローAの判定結果に基いてISC
が指示されているか否かを判定し,ISCが指示されて
いる場合に上記エアコンスイッチの切換,パワステスイ
ッチの切換,バッテリ電圧の急減の際の補正と同様にし
てアイドル回転数急減に対する補正が行なわれる。とこ
ろでこの際もD−64でアドレスK4に入力されるn4(補
正フローの回転を設定する自然数)およびD−65でレ
ジスタθdに入力されるX4(初期補正値)は,アイドル
回転数急減時にバイパス弁20の開度増大に伴なって発
生する燃焼室内の混合気のオーバーリーン化を防止する
上で最適となるように上記n1,n2,n3,X1,X2,X3とは
独立に設定されている。第16図は上述した補正を具備
した燃料噴射装置12の噴射量調整に関するタイムチャ
ートである。第16図においてIはバッテリ電圧の急減
に基いて電磁弁駆動時間Zが増大し(燃料噴射量が増大
し)た様子を示す,II,IVはISC時の回転数急減に基
いてZが増大した様子を示し,IIIはエアコンスイッ
チ,パワステスイッチのオン→オフへの切換に基いてZ
が増大した様子を示す。
上記実施例によれば,バイパス弁20の開度を検出する
ポジションセンサ38を設け,エンジンのアイドリング
運転時に同センサの検出する実開度rと回転数偏差に
基いて設定される目標開度nsとの開度偏差Δrによ
り上記バイパス弁20の開度を制御してエンジン回転数
Nrが目標回転数Nsとなるように構成したので,回転数制
御が極めて迅速に行なわれるようになり,アイドリング
運転時におけるエンジンストール等の不具合を確実に防
止することができるという効果を奏する。
また上記実施例ではISC時にエンジン回転数の急変状
態が発生すると,まずその変化量に応じて大きめの補正
開度を設定してバイパス弁20の開度制御を行ない,上
記急変状態を速やかに解消し,次いで上記急変状態が解
消されると一旦補正開度を小さく設定し開度制御を行な
ったのち通常の回転数偏差に基く目標開度制御を行なう
ように構成してあるので,アイドル回転数の変動を速や
かにとり除くことができ,アイドル回転数の安定化が極
めて迅速になされるという効果を奏する。
さらに上記実施例においては,ISC時を含めエンジン
運転中にエアコンスイッチ(またはパワステスイッチ)
のオン・オフの切換が検出された際にはエアコンコンプ
レッサ(またはパワステ油圧ポンプ)の駆動に伴う負荷
変動を相殺する上で,ポジションセンサ38のフィード
バック信号に基いて予め定められた最適開度パターンに
従ってバイパス弁開度を制御し,吸入空気量を調整する
ように構成したので,上記負荷変動に伴うエンジン出力
(アイドル回転数やクラッチを介し駆動軸に伝達される
トルク)の変動は極めて小さいものに抑えることができ
るものである。
さらにまた,上記実施例においては,バッテリ電圧Vbの
変動からオールタネータの発電負荷の発生および発電負
荷の消滅を検出し,上記バッテリ電圧Vbの単位時間当り
の変化量に応じて制御開度を段階的に設定し,上記制御
開度に従ってバイパス弁開度を制御し,吸入空気量を調
整するように構成したので、発電負荷の発生,消滅に伴
うエンジン出力(アイドル回転数や駆動軸への伝達トル
ク)の変動を極めて小さいものに抑えることができるも
のである。
また,上記実施例においては,エンジンに駆動される補
機即ちエアコンコンプレッサ,パワーステアリング用油
ポンプもしくはオールタネータが作動を開始することが
検出されると一時的に燃料噴射装置12の噴射量が増大
するように構成したので,負荷トルク急増時のエンジン
ストールが防止されるという効果を奏する。これは各補
機駆動開始時に実行されるバイパス弁20駆動に基く吸
入空気量の増大作用と相俟って極めて大きな効果を発揮
するものである。
さらに,上記実施例においては,ISC時に回転数が急
減したことが検出される(即ちDNが負の大きな値とな
る)と一時的に燃料噴射装置12の噴射量が増大するよ
うに構成したので,アイドリング回転数急減時のエンジ
ンストールが防止されるという効果を奏する。これは回
転数急減状態に対応して実行されるバイパス弁20駆動
に基く吸入空気量の増大作用と相俟って極めて大きな効
果を発揮するものである。
また,上記実施例によれば,バイパス弁20の初期開度
位置(全閉位置)に対応したポジションセンサ38の出
力をA/D変換してバイパス弁20の初期位置情報とし
てコンピュータ40に読み込む手段を備え,この初期位
置情報に基いてバイパス弁20の開度制御が行なわれる
ように構成してあるので,従来のようにエンジン製造時
にエンジン毎にバイパス弁の初期位置情報をコンピュー
タに入力する必要がなく,エンジン組立時の作業の手間
が大巾に改善されるという効果を奏する。
また,上記実施例によればRAM62のアドレスAooに
入力された初期位置情報およびRON64に記憶された
情報bandおよびΔに基いてminおよびmaxを設定
し,バイパス弁20の開度が機械的に設定される最小開
度(全閉状態)よりわずかに開いたminから機械的に
設定される最大開度(全開状態)よりわずかに閉じた
maxまでの範囲内で制御されるように構成しており,バ
イパス弁20の開度は圧力応動装置22の圧力室26の
負圧の大きさとスプリング36の付勢力の平衡点で一義
的に設定されるようになっているので,バイパス弁20
がいかなる開度位置から他の開度位置に変位する場合で
あってもその変位はソレノイド弁32,34の駆動に基
く圧力室26内の圧力制御によって迅速に行なわれ,開
度制御の遅れが防止されるという効果を奏する。
さらに上記実施例では負圧通路28に第1ソレノイド弁
32側から吸気通路8側へのみ流体の移動を可能ならし
める逆止弁33が配設されており,マニホルド負圧が小
さくかつ変動の大きい始動クランキング時においても同
負圧の絶対値が比較的大きいときに第1ソレノイド弁3
2を介し圧力室26内の気体が吸気通路8側へ吸引され
上記逆止弁33によりその状態が保持されるようになっ
ているので,圧力室26内は始動クランキング時におい
ても比較的大きな負圧が作用する状態となり,バイパス
弁20の開度を予め設定されているstartに近づける
ことが可能となりエンジンの始動性の向上を計ることが
できる。
さらにまた上記実施例では圧力室26に導通されるマニ
ホルド負圧が第1ソレノイド弁32で制御され,同圧力
室26に導通される大気が第2ソレノイド弁34で制御
されるとともに,バイパス弁20の開度に比例する圧力
室26内の圧力が両ソレノイド弁32,34の駆動時間
の差に基いて設定されるように構成されているので,単
一のソレノイド弁による駆動の際に問題となっていた最
小駆動時間の限界が取り除かれ,開度偏差Δrが微小
な場合であってもその微小偏差に対応して正確に圧力室
26内の圧力即ちバイパス弁20の開度を制御すること
ができ,ISCにおいては回転数の安定化が速やかに計
られ,他方開度制御においてもバイパス弁20の開度の
最適化が速やかに計られるという効果を奏する。
また,上記実施例では,エアコンスイッチ50a,50
b,50cが全てオンしたエアコンが作動可能な状態と
なった場合には即座にエアコンオン信号がコンピュータ
40に入力され,これに基き速やかにエアコンスイッチ
切換に係るエンジン出力補正動作即ちバイパス弁20の
開度増大制御および燃料噴射装置12の燃料増量制御が
行なわれる一方,エアコンスイッチ50a,50b,5
0cとパワートランジスタ55の間には遅延回路53が
介装されており,コンプレッサの駆動はエアコンスイッ
チが全てオンしてから所定時間経過してから行なわれる
ようになっており,上記コンプレッサの作動は上記出力
補正動作が確実に行なわれたのちに開始されるので,コ
ンプレッサ作動開始直後のエンジン出力の異常低下状態
の発生が防止されドライバビリティが向上するとともに
特にアイドリング運転時にはエンジン回転数の異常低下
に基くストールの発生が防止されるという効果を奏す
る。またエアコンスイッチ50a,50b,50cのう
ち少なくとも一つがオフした場合には即座にエアコンス
イッチ切換に係るエンジン出力補正動作即ちバイパス弁
20の開度減少制御が行なわれる一方コンプレッサの作
動停止は遅延回路53の作用により遅れて実行れるよう
になっており,上記コンプレッサは上記出力補正動作が
確実に行なわれたのちに停止するので,コンプレッサ停
止直後にエンジン出力が異常に増大することが防止さ
れ,ドライバビリティの向上が計られるものである。
さらに,上記実施例ではアイドルスイッチ48および車
速センサ54の出力に基いて車両停止状態におけるエン
ジンのアイドリング運転状態を検出し,アイドルスイッ
チ48,車速センサ54の出力およびイグニッションパ
ルス信号(エンジン回転数信号)に基いて車両走行時に
おけるエンジンのアイドリング運転状態を検出して,双
方の場合にISCを行なうように構成したので,車両停
止時のみならず車両走行時におけるアイドリング回転数
を安定させることができ,車両走行時におけるエンジン
ストールも防止できるという効果を奏する。
上記実施例ではエンジン回転数急減時の出力補正を行な
う際に吸気量と燃料供給量の双方を増量させるものを示
したが,これは燃料供給量の増量のみを行なってもエン
ジンストール防止等の効果が十分に発揮されるものであ
る。
また上記実施例ではISCの期間中にのみ回転数の急減
状態を生じると一時的に燃料量が増大されるものを示し
たが,一般にISC期間中に限らず回転数の急減時には
エンジンストールを発生しやすいので,第15図に示し
た燃料供給フローDのD−63で行なったISCの判定
は省略してD−62でDN<DNsとなった場合には常に
D−64に至り設定期間燃料量を増大させるように構成
してもよい。
さらに上記実施例では燃料噴射装置12の電磁弁を制御
するものを示したが,本発明は燃料供給装置として気化
器を備え,同気化器のスロー系等に燃料流量調整弁とし
て電磁式開閉弁が介装されたものにも応用できるもので
ある。
さらにまた上記実施例では自動車用エンジンについて発
明したが,本発明は他のエンジン例えば定置式エンジン
等にも応用が可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エンジン回転数の急減状態やエンジン
の負荷となる補機の作動開始状態が検出されるとすぐに
燃料増量が行われるため、エンジンストール発生を未然
に防止することができ、また、かかる燃料増量値が徐々
に低減されて燃料増量制御が終了するため、該終了時に
おいて空燃比がステップ的に変動することがなく、エン
ジン回転数の変動・車体のショック発生といった不具合
発生が防止され、さらには、エンジン回転数急減検出時
の増量特性が補機の作動開始検出時の増量特性とは異な
った特性に設定されているので、予め回転変動特性が予
測可能な補機の作動状態変化に対してはその変動特性に
見合った増量特性が設定できる一方で予測が不可能な回
転変動に対してはその平均的な状況に見合った増量特性
を設定することができ、エンジンストールの発生を効果
的に抑えつつ増量に基づくエンジン回転数の変動の発生
も最小限に抑えられるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略説明図,第2図は
同実施例の動作の概略フローチャート,第3図は同実施
例におけるバイパス弁20の実開度とコンピュータ情報
との関連を示す線図,第4図は同実施例の開度制御フロ
ーBの詳細フローチャート,第5図は同実施例の第1お
よび第2ソレノイド弁の作動特性を示す図,第6図〜第
11図は同実施例におけるバイパス弁開度の過渡制御特
性を示す図,第12図は同実施例に係る目標回転数Nsの
特性線図,第13図は同実施例に係る回転数設定フロー
Cの部分的詳細フローチャート,第14図は同実施例に
係る回転数制御特性を示す図,第15図は同実施例に係
る燃料供給フローDの部分的詳細フローチャート,第1
6図は同実施例に係る燃料供給特性を示す図である。 2…エンジン本体,8…吸気通路,10…スロットル
弁,12…燃料噴射装置,14…エアフローメータ,1
8…バイパス通路,20…バイパス弁,22…圧力応動
装置,32…第1ソレノイド弁,33…逆止弁,34…
第2ソレノイド弁,36…スプリング,38…ポジショ
ンセンサ,40…コンピュータ,42…エアフローセン
サ,43…吸気温センサ,44…点火装置,46…冷却
水温センサ,48…アイドルスイッチ,50a,50
b,50c…エアコンスイッチ,52…パワステスイッ
チ,51…コンプレッサ,53…遅延回路,57…バッ
テリ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−69438(JP,A) 特開 昭54−113725(JP,A) 特開 昭57−59038(JP,A) 特開 昭56−116119(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの燃焼室に燃料空気混合気を供給
    する混合気供給装置、同混合気供給装置の燃料供給通路
    に介装された燃料流量制御弁、上記エンジンに駆動され
    る補機の作動・非作動の変化を検出する負荷検出手段、
    同負荷検出手段が上記補機の非作動状態から作動状態へ
    の変化を検出したときに上記燃料流量制御弁に制御信号
    を発し上記燃料空気混合気中の燃料量を上記検出直後に
    おける予め定められた期間だけ増大せしめて上記混合気
    の空燃比をリッチ化せしめる第1の制御手段、上記エン
    ジンの回転数を検出する回転数センサ、同回転数センサ
    の出力に基づいて上記エンジン回転数の急減状態が検出
    されたときに上記燃料流量制御弁に制御信号を発し上記
    燃料空気混合気中の燃料量を上記検出直後における設定
    期間だけ増大せしめて上記混合気の空燃比をリッチ化せ
    しめる第2の制御手段を備え、上記第1の制御手段が、
    上記負荷検出手段による非作動状態から作動状態への補
    機の作動変化検出に対応して上記燃料量を予め定められ
    た量だけ増量せしめたのち増大された燃料量を時間の経
    過につれて漸減せしめて上記増量を終了せしめ、上記第
    2の制御手段が、上記回転数センサによるエンジン回転
    数の急減状態検出に対応して上記燃料量を設定量だけ増
    量せしめたのち増大された燃料量を時間の経過につれて
    漸減せしめて上記燃料増量を終了せしめるとともに、上
    記第2の制御手段に基づく増量特性が上記第1の制御手
    段に基づく増量特性とは異なる特性に設定されているこ
    とを特徴とするエンジンの制御方法
JP57072472A 1982-04-28 1982-04-28 エンジンの制御方法 Expired - Lifetime JPH0617659B2 (ja)

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JPS62225740A (ja) * 1986-03-28 1987-10-03 Mitsubishi Motors Corp 車両用エンジンのアイドル回転数制御装置
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JPS56116119A (en) * 1980-02-18 1981-09-11 Nissan Motor Co Ltd Controller for engine rotational frequency

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