JPH0617424Y2 - マイクロホン防振装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、マイクロホンのケースとマイクロホンユニ
ットの間に配置されて外部からの振動がマイクロホンユ
ニットに伝達されるのを防止するマイクロホン防振装置
に関する。

［従来の技術］ 従来から、マイクロホンのケースを通じてマイクロホン
ユニットに伝達される外部からの振動を遮断するための
簡単な防振手段として、マイクロホンユニットの周囲に
ゴムの様な弾性体シートを巻き付け、その状態でケース
の中に挿入した構造が一般的である。

［解決しようとする問題点］ この様な構造を有する従来のマイクロホン防振装置は、
ケースの内壁とマイクロホンユニットの外側面との間に
弾性体が充填された状態で介在し、弾性体の外周接触面
積が最も大きい状態で使用されているため弾性体の単位
面積当たりのストレスは小さく、従って振動吸収に寄与
するコンプライアンスが極めて低いのでケースに加わっ
た外部振動は充分吸収されることなくマイクロホンユニ
ットに直接伝達され、S/Nが劣化するという問題があっ
た。

そこで本考案は、防振用の弾性体が、ストレスが大きく
なるような状態で使用することにより上記従来例の有す
る問題点を解決することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記した目的を達成するための本考案に係るマイクロホ
ン防振装置を実施例を示す第１図〜第３図を用いて説明
すると、本考案は、内部にマイクロホンユニット１を保
持すると共に外側面に軸方向に沿った複数本の突条を設
けた形状を有するロールバネ２と、該ロールバネ２とケ
ース４との間に圧縮状態で介在する弾性体３とからなる
ことを特徴とするマイクロホン防振装置である。

［作用］ そして、此の様な構成のマイクロホン防振装置では、弾
性体３はケース４の内壁と、ロールバネ２の突条2aの先
端とで圧縮され、突条2aと突条2aの間では引伸ばされて
圧縮部と共に局部的に大きなストレスが蓄積され、弾性
体３の呈するコンプライアンスは大きくなって防振系の
固有振動周波数は低くなり、外部から侵入する振動雑音
を吸収して遮断することが出来る。

［実施例］ 第１図〜第３図により、本考案の実施例を詳述すると、
１はマイクロホンユニットで本実施例では直径10mmのエ
レクトレット・コンデンサマイクロホンユニットを使用
している。

２はロールバネで厚さ0.07mmの燐青銅板で製作され、軸
に垂直な断面が星形となるように折曲げ加工され、星形
の腕の先端は突条2aとなっていて、一部分に欠如部2cを
設けて径方向の弾力性が付与されており、この弾力性に
よってマイクロホンユニット１を隣接する突条2aの間の
谷間2bの部分でその内部に保持する。

３は該ロールバネ２とケース４との間に介在する弾性体
で発泡樹脂からなり、ロールバネ２の突条2aが食込んだ
状態となってケース４の内部に保持されると共に、ケー
ス４に対しマイクロホンユニット１を内蔵したロールバ
ネ２を防振された状態で保持する。

本実施例では当該ロールバネ２が金属製であるからシー
ルドケースとしての作用を有して電磁気的雑音からマイ
クロホンユニット１を保護すると同時に、アース導体と
して使用するため後端にアース端子となるラグ2dが形成
されている。

尚、本実施例に於けるロールバネの星形断面は、マイク
ロホンユニット１に対し接面に近い状態で当接するた
め、ロールバネ自体も幾らかコンプライアンスを有する
ものである。

以上、本考案に係るマイクロホン防振装置について代表
的と思われる実施例を基に上述したが、本考案によるマ
イクロホン防振装置の実施態様に於て、例えばマイクロ
ホンユニットの型式、弾性体の材質等は上記実施例の構
造に限定されるものではなく、更にロールバネの断面形
状も、マイクロホンユニットや弾性体とロールバネ並び
にケースとの係合関係が前記したクレーム記載の構成要
件を具備し、本考案にいう作用を呈し、以下に述べる効
果を有する限りにおいて、適宜改変して実施しうるもの
である。

［効果］ 本考案に係るマイクロホン防振装置は以下に述べる効果
を有する。

(1)弾性体にはロールバネの突条2aによって局部的に大
きなストレスが蓄積され、弾性体の呈するコンプライア
ンスは大きくなって外部から侵入する振動雑音を吸収し
て完全に遮断することが出来る。

(2)ロールバネをシールドケースとして利用することに
より、別途シールドケースを使用することなく、電磁気
的、機械的にマイクロホンの対雑音性能を向上させるこ
とが出来る。

(3)第４図に本考案実施例の外部振動遮断効果を周波数
特性によって示す。

ケースを加振機に取付け、広帯域の振動を印加してマイ
クロホンユニットの出力を記録した。

実線で示した実施例は、点線で示す前述の従来例と比較
して、500Hz以上の帯域でレベルが低下して著しい遮断
効果を示し、本考案の構成がマイクロホン防振装置とし
て優れていることが明瞭である。

以上の利点によって簡単な構造で、外部振動に影響され
ない高S/Nの測定が可能になるという効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はマイクロホン防振装置の主軸に垂直な断面図、
第２図は同主軸方向断面図、第３図は実施例ロールバネ
の斜視図、第４図は実施例の防振効果を示す周波数特性
図である。 １はマイクロホンユニット、２はロールバネ、３は弾性
体、４はケースである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部にマイクロホンユニット（１）を保持
   すると共に外側面に軸方向に沿った複数本の突条を設け
   た形状のロールバネ（２）と、該ロールバネ（２）とケ
   ース（４）との間に圧縮状態で介在する弾性体（３）と
   からなることを特徴とするマイクロホン防振装置。