JPS6319210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジンを機枠に固定するエンジ
ンの懸架装置の改良に関する。

一般に、エンジンを機枠に固定する場合、エン
ジンは運転によつて振動するので、エンジンの振
動を機枠に伝えないようにするため振動吸収材を
介して固定する。通常は、第１図に示すように、
弾性ブロツクＡの上下面に焼付け等によつて保持
板Ｂを固着し、上下の保持板Ｂの中央に突設した
ネジ軸Ｃを機枠ＤとエンジンケースＥに挿通して
ナツトＦで固定し、エンジンケースＥを機枠Ｄに
弾性ブロツクＡを介して連結し、弾性ブロツクＡ
でエンジンケースＥの振動を減衰し、機枠Ｄにエ
ンジンケースＥの振動が伝わるのを低減してい
る。この場合、上側の保持板Ｂは全面でエンジン
ケースＥに接触するが、当り面の平面度が正確に
できないので部分的に僅かな隙間ができる。そし
て、この隙間がエンジンケースＥ内のギヤ音等の
特に高周波帯の振動に共振して、機枠側に振動が
伝わり不快である。

この考案は、かかることがないように改善した
もので、以下第２図乃至第６図に示す本考案の実
施例について説明する。

弾性ブロツク１の上下面に焼付け等によつて保
持板２を固着し、上下の保持板２の中央に突設し
たネジ軸３を機枠４及びエンジンケース５に挿通
し、ナツト６で締着してエンジンケース５を弾性
ブロツク１を介して機枠４に取付ける点は、従来
例に示したものと同一である。而して本考案は、
上部の保持板２とエンジンケース５の接触面に突
部７を設ける。突部７は、第２図に示すように、
保持板２の中央にワツシヤ状のものを重ねてもよ
いし、第３図及び第４図に示すように、エンジン
ケース５又は保持板２の中央部に打出して膨めた
突部７にしてもよい。又、第５図及び第６図に示
すように、エンジンケース５又は保持板２の接触
部の両端に打出しによつて設けてもよい。

作用について説明する。

エンジンケース５と上部の保持板２は、突部７
の小面積で接する。従つて接触面の密着がよくな
り隙間が生じない。このため、接触面に隙間がで
きて、ギヤ音等の高周波音に共振することがなく
なり、機枠への振動伝達が少くなつて静かにな
る。又、第２図に示すように、ワツシヤ状のもの
を挿入して突部にする場合、ワツシヤ状のもの
は、弾性材で作つたものにすれば一層効果があ
る。

以上説明したように、この考案は弾性ブロツク
の上下面に各々保持板を固着し、上下の保持板の
中央に突設したネジ軸をエンジンケースと機枠と
に挿通してナツトで締着するものに於て、上部保
持板とエンジンケースの接触面に突部を設け、該
突部に於て上部保持板とエンジンケースを接触さ
せて少面積で上部保持板とエンジンケースを連結
するようにしたので、接触面が少く、接触面に隙
間をなくすることができる。これによつて接触面
の隙間が共振することがなくなり、高周波音の伝
達を少くできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す正面図、第２図乃至第６
図は本考案の各種の実施例を示す正面図である。 １…弾性ブロツク、２…保持板、３…ネジ軸、
４…機枠、５…エンジンケース、６…ナツト、７
…突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性ブロツクの上下面に各々保持板を固着し、
   上下の保持板の中央に突設したネジ軸をエンジン
   ケースと機枠とに挿通してナツトで締着するもの
   に於て、上部保持板とエンジンケースの接触面に
   突部を設け、該突部に於て上部保持板とエンジン
   ケースを接触させて少面積で上部保持板とエンジ
   ンケースを連結するようにしたことを特徴とする
   エンジンの懸架装置。