JPS6211111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スピーカー装置に関する。

スピーカー装置の放射音にはスピーカーユニツ
ト振動の直接放射音と、スピーカーユニツトの振
動がバツフル板に伝達されて振動が生じエンクロ
ージヤーが振動する間接的な放射音があるが、本
考案はエンクロージヤーに対するスピーカーユニ
ツトの伝達影響レベルを軽減し、エンクロージヤ
ー放射音レベルを減衰させることを目的とする。

従来のスピーカーシステムは第１図及び第２図
に示す如く、スピーカーユニツト１のフレーム取
付部１ａをエンクロージヤー２のバツフル板３に
埋め込んだ固定ナツト４にボルト５により締付け
て固定するか、第３図に示す如くスピーカーユニ
ツト１を木ネジ６でバツフル板３に固定されてい
た。

このいずれの場合も、バツフル板３に直接スピ
ーカーユニツト１を固定するのでスピーカーユニ
ツト１が振動すれば同時にバツフル板３も振動す
ることになるのでエンクロージヤー放射音の著し
い音圧レベルの減衰は望めない。更にバツフル板
の放射音は使用する木質材料の違いで様々に変化
し、スピーカー装置の再生音の音質に大きな影響
を与えている。特にこの影響はスピーカー装置再
生音周波数特性で木質材料の板共振周波数の近似
値である約500Hz以下の周波数帯域で顕著に表わ
れる。この欠点を解消するために、第４図に示す
如くスピーカーユニツト振動のエンクロージヤー
伝達防止の目的でスピーカーユニツト１のフレー
ム取付部１ａとバツフル板３の間に防振材７を介
在したり、又第５図に示す如くバツフル板３のス
ピーカーユニツト１の固定部周辺に補強棒８を配
して振動レベルを軽減するようにしたものもある
が、バツフル板３にスピーカーユニツト１がボル
ト等を利用して直接固定している状態である限
り、バツフル板３に対するスピーカーユニツト１
の振動の伝達影響は極端にはなくならない。少な
くともバツフル板振動の影響はエンクロージヤー
放射音だけではなく、他の中、高音域のスピーカ
ーユニツトやバスレフ形式の装置では、バツフル
板に備えられているダクトを振動させてしまうな
どの悪影響を与え、スピーカー再生音上からは好
ましくない。

そこで本考案は斯る点に鑑みてなされたもの
で、スピーカーユニツトをバツフル面より浮くよ
うに取付けるようにしたものである。即ち本考案
はエンクロージヤー内部にバツフル板に接しない
ように固定用支持フレームを配設し、この支持フ
レームにスピーカーユニツトをバツフル板から適
宜離隔した状態で固定することを特徴とするもの
である。

以下第６図以降について本考案の実施例を説明
する。１１はスピーカーユニツト支持フレーム
で、バツフル板３の開口３ａよりやや大きい四辺
形の枠状に形成され、各角部にはバツフル板３に
形成された透孔３ｂと対応してネジ孔が形成され
ている。この支持フレーム１１はエンクロージヤ
ー２の内部にバツフル板３に対し適宜離隔した位
置において両側板２ａに取付けられている。バツ
フル板３の透孔３ｂにはバツフル板の厚みよりや
や長いスリーブ１２が嵌挿され、その内端は支持
フレーム１１のネジ孔１１ａの周縁部に当接さ
れ、外端部は透孔３ｂの外口部より突出される。
この状態でスピーカーユニツト１をバツフル板３
の開口３ａに嵌挿し、周縁のフレーム取付部１ａ
をスリーブ１２の突出端に当接してこのフレーム
取付部１ａの前方からボルト１３を挿入し、スリ
ーブ１２を通して支持フレーム１１のネジ孔１１
ａに螺合し、締付けてスピーカーユニツト１を固
定する。この状態でスピーカーユニツト１とバツ
フル板３との間には間隙ａが形成される。従つて
スピーカーユニツト１の振動はバツフル板３に伝
達されないことになる。又、スピーカーユニツト
１とバツフル板３との間の間隙ａにはエアー漏れ
を防止するためにパツキングを介在するもでき
る。尚、このエアー漏れ防止用パツキングを介在
せず、間隙ａをバスレフ形式でのダクトに応用す
ることができる。

又、第８図に示す如く、スピーカーユニツト１
のフレーム部が成形品の場合は、スリーブ１２′
をフレーム取付部１ａと一体に成形し、このスリ
ーブ１２′をバツフル板３の透孔３ｂに直接挿通
するようにしてもよい。

尚、第９図において１４はスピーカーユニツト
１とバツフル板３との間の間隙ａに介在したパツ
キングである。

以上のように、本考案によればスピーカーユニ
ツトをバツフル板から浮かせた状態、即ちスピー
カーユニツトをバツフル板に固定するのではな
く、エンクロージヤー内部に設置したスピーカー
ユニツト支持フレームに固定するので、スピーカ
ーユニツトの振動は、直接にはバツフル板には伝
達されず、バツフル板振動は著しく減衰し、同時
にエンクロージヤー放射音の減衰をはかることが
できる。又バツフル板は振動されないため材質の
違いによる材質固有音が小さくなり、バツフル板
材料の選択も不必要となる。しかもスピーカーユ
ニツトは支持フレームを介してエンクロージヤー
に堅固に固定されることになり、スピーカーユニ
ツト振動板の振動もより正確に行なわれ、純粋な
再生音が得られる。又、バツフル板固定でのスピ
ーカーユニツトの直接放射音とエンクロージヤー
放射音が重畳された放射音も避けられる。特に本
考案は低域（約500Hz以下）において効果を発揮
しウーハー部に適応すればその効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスピーカー装置の斜視図、第２
図乃至第５図は、従来のスピーカー装置における
スピーカーユニツトの固定部分の断面図、第６図
は本考案によるスピーカー装置の一例の一部截断
した分解斜視図、第７図は同スピーカー装置の固
定部分の拡大縦断面図、第８図は本考案に適用す
る他例のスピーカーユニツトの背面側斜視図、第
９図は同スピーカーの固定部分の拡大断面図であ
る。 図中、１はスピーカーユニツト、２はエンクロ
ージヤー、３はバツフル板、３ｂは透孔、１１は
支持フレーム、１１ａはネジ孔、１２，１２′は
スリーブ、１３はボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンクロージヤー内部にバツフル板に接しない
   ように固定用支持フレームを配設し、該支持フレ
   ームにスピーカーユニツトを上記バツフル板に遊
   挿されるスリーブを介して上記バツフル板から適
   宜離隔した状態で固定したことを特徴とするスピ
   ーカー装置。