JP3008172U - 壁掛け型スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビネットの不要振動を抑えることができ
るとともに、軽量化を図ることができる壁掛け型スピー
カを得ることを目的とする。 【構成】 この考案は、キャビネット８と、このキャビ
ネット８の前面部に設けられたスピーカ本体２と、基端
部が前記スピーカ本体２の後面部に取り付けられており
先端部が壁面４に固着される固着具５とを備えたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、前面部にスピーカ本体が設けられたキャビネットが壁面に設置さ れる壁掛け型スピーカに関するものである。

【０００２】 図５は従来の壁掛け型スピーカの一例を示す側断面図であり、図において、１ はキャビネット、２はキャビネット１の前面に設けられた音響放射を行うスピー カ本体、３ａはキャビネット１の裏面上部に取り付けられた第一の取付具、３ｂ は壁面４に取り付けられた第二の取付具で、第一の取付具３ａを第二の取付具３ ｂに係止することにより、スピーカは壁面４に取り付けられる。

【０００３】 上記のように構成された壁掛け型スピーカでは、スピーカ本体２の振幅が大き い低音域においても不要振動が起こらないようにキャビネット１の板厚を厚くし ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の壁掛け型スピーカは上記のように構成されているので、キャビネット１ の不要振動を抑えるために板厚が大きくなって全体の重量が大きく、また第一の 取付具３ａを第二の取付具３ｂに係止してスピーカを壁面４に係止しているので 、落下し易く、また落下したときの被害もそれだけ大きくなるという課題があっ た。

【０００５】 この考案は、上記のような課題を解決するためになされたもので、キャビネッ トの不要振動を低く抑えることができるとともに、軽量化を図ることができる壁 掛け型スピーカを得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の壁掛け型スピーカは、キャビネットと、このキャビネットの前面部 に設けられたスピーカ本体と、基端部が前記スピーカ本体の後面部に取り付けら れており先端部が壁面に固着される固着手段とを備えたものである。

【０００７】 請求項２の壁掛け型スピーカは、請求項１の固着手段の先端部をキャビネット の背面側に形成された開口部を貫通して壁面に固着するものである。

【０００８】 請求項３の壁掛け型スピーカは、請求項１のキャビネットを背面開放型のキャ ビネットとし、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面との間にパッキンを介 在させるものである。

【０００９】 請求項４の壁掛け型スピーカは、請求項１のキャビネットを背面開放型のキャ ビネットとし、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面との間のスリットの幅 寸法を固着手段により調節するようになっているものである。

【００１０】

【作用】

請求項１の壁掛け型スピーカにおいては、振動源であるスピーカ本体を固着手 段により直接壁面に固着するので、スピーカ本体の振動は低く抑えられ、そのた めスピーカ本体の振動に起因するキャビネットの不要振動を板厚を大きくするこ となく抑えることができる。

【００１１】 請求項２の壁掛け型スピーカにおいては、請求項１の固着手段の先端部をキャ ビネットの外部に突出させるための開口部をバスレフポートとして利用すること ができる。

【００１２】 請求項３の壁掛け型スピーカにおいては、請求項１のキャビネットを背面開放 型のキャビネットとし、キャビネットの背板を壁面で代用している。

【００１３】 請求項４の壁掛け型スピーカにおいては、請求項１のキャビネットを背面開放 型のキャビネットとし、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面との間のスリ ットの幅寸法を固着手段により調節するようになっているので、バスレフ効果を 得ることができるとともに、スリットの幅寸法の調節により音質を変化させるこ とができる。

【００１４】

【実施例】

実施例１． 図１はこの考案の実施例１を示す側断面図であり、図５と同一または相当部分 は同一符号を付し、その説明は省略する。 図において、５は基端部がスピーカ本体２の裏面に接着剤で固着され先端部に ネジ部５ａが形成された固着手段としての非金属製の固着具、６はキャビネット １内を密閉するために固着具５の周囲に設けられたゴム等からなるパッキンであ る。

【００１５】 上記のように構成された壁掛け型スピーカは、キャビネット１の板厚を薄く構 成しても、スピーカ本体２は固着具５を用いて壁面４に直接固着されているので 、スピーカ本体２の振幅が大きい低音域においてでもスピーカ本体２の振動を低 く抑えることができ、キャビネット１の不要振動を抑えることができる。

【００１６】 実施例２． 図２はこの考案の実施例２を示す側断面図であり、図において、８は円筒状の 開口部７を有するキャビネットで、固着具５をキャビネット１の外部に突出させ る開口部７をバスレフポートとして利用することができ、低音域での再生能率を 向上させることができる。なお、開口部は断面矩形状の筒状であってもよい。

【００１７】 実施例３． 図３はこの考案の実施例３を示す側断面図であり、図において、９は背面開放 型のキャビネット、１０はキャビネット９と壁面４との間に密着されたパッキン である。

【００１８】 このような壁掛け型スピーカにおいては、キャビネット９を壁面４にパッキン １０を介して密着させることで、キャビネットの背板を省くことができ、部品点 数を削減することができ、生産能率を向上させることができるとともに、キャビ ネット９の軽量化が図られ、それだけ固着具５に対する重量負担が軽減される。

【００１９】 実施例４． 図４はこの考案の実施例４を示す側断面図であり、図において、１０は背面開 放型のキャビネット、１１はキャビネット１０の周縁端面と壁面４との間に形成 され、固着具５により空隙が調整されたスリットである。

【００２０】 このような壁掛け型スピーカにおいては、実施例３と同様に、キャビネットの 背板を省くことができ、部品点数を削減することができ、生産能率を向上させる ことができるとともに、キャビネット９の軽量化が図られ、それだけ固着具５に 対する重量負担が軽減される。また、キャビネット１０の周縁端面と壁面４との 間にスリット１１を設けることにより、バスレフ効果が得られ、低音域での再生 効率の向上に寄与することができる。さらに、固着具５のネジ部５ａの螺着程度 によってスリット１１の空隙寸法を調節することで、共振周波数が変化し音質を 変化させることできる。

【００２１】 なお、上記各実施例はいずれも非金属製の固着具５を用いたが、金属製の固着 具でもよい。また、壁面４は側面、天井面のいずれでもよい。さらに、固着手段 である固着具５の先端部にネジ部５ａを形成したが、壁面４に固着できるのであ ればネジ部に限定されないのは勿論である。また、スピーカ本体の裏側に固着具 の基端部を螺着するようにしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の請求項１の壁掛け型スピーカによれば、振動 源であるスピーカ本体を固着手段により直接壁面に固着するので、スピーカ本体 の振動は低く抑えられ、そのためスピーカ本体の振動に起因するキャビネットの 不要振動を板厚を大きくすることなく抑えることができ、スピーカの軽量化を図 ることができるとともに、スピーカは壁面に強固に固着される効果がある。

【００２３】 また、請求項２の壁掛け型スピーカによれば、請求項１の固着手段の先端部を キャビネットの外部に突出させる開口部を、バスレフポートとして利用すること ができ、請求項１の効果を得ることができるとともに、低音域での再生の能率を 向上させることができる効果もある。

【００２４】 また、請求項３の壁掛け型スピーカによれば、請求項１のキャビネットを背面 開放型のキャビネットとし、キャビネットの背板を壁面で代用しているので、請 求項１の効果を得ることができるとともに、部品点数が削減され生産効率がよく なるという効果もある。

【００２５】 また、請求項４の壁掛け型スピーカによれば、請求項１のキャビネットを背面 開放型のキャビネットとし、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面との間の スリットの幅寸法を固着手段により調節するようになっているので、請求項１の 効果を得ることができるとともに、バスレフ効果を得ることができる効果もある 。また、固着手段によってスリットの幅寸法の調節を行い、音質を変化させるこ とができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例１の壁掛け型スピーカの側断面図であ
る。

【図２】 実施例２の壁掛け型スピーカの側断面図であ
る。

【図３】 実施例３の壁掛け型スピーカの側断面図であ
る。

【図４】 実施例４の壁掛け型スピーカの側断面図であ
る。

【図５】 従来の壁掛け型スピーカの一例を示す側断面
図である。

【符号の説明】

２ スピーカ本体、４ 壁面、５ 固着具（固着手
段）、６，１０ パッキン、７ 開口部、１，８，９，
１０ キャビネット、１１ スリット。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビネットと、このキャビネットの前
   面部に設けられたスピーカ本体と、基端部が前記スピー
   カ本体の後面部に取り付けられており先端部が壁面に固
   着される固着手段とを備えたことを特徴とする壁掛け型
   スピーカ。
2. 【請求項２】 固着手段の先端部がキャビネットの背面
   側に形成された筒状の開口部を貫通して壁面に固着され
   ること特徴とする請求項１記載の壁掛け型スピーカ。
3. 【請求項３】 キャビネットは背面開放型のキャビネッ
   トであり、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面と
   の間にパッキンが介在することを特徴とする請求項１記
   載の壁掛け型スピーカ。
4. 【請求項４】 キャビネットは背面開放型のキャビネッ
   トであり、このキャビネットの背面側周縁端面と壁面と
   の間に形成されるスリットの幅寸法を固着手段により調
   節できるようになっていることを特徴とする請求項１記
   載の壁掛け型スピーカ。