JPS645430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリニアフエーズ型のマルチウエイスピ
ーカシステムに関し、ウーハをツイータの前方に
配置するための台とウーハとの間に所定の隙間を
形成し、この隙間をバスレフポートとして利用す
るようにしたものである。

従来より、ウーハ、スコーカ、ツイータの各ス
ピーカからの音の伝播速度の違いを考慮してウー
ハよりスコーカを、スコーカよりツイータをそれ
ぞれ後方に配置し、これらのスピーカの前方にお
ける所定の聴取点での音圧位相両周波数特性が平
坦になるようにした、いわゆるリニアフエーズ型
のマルチウエイスピーカシステムが知られてい
る。

一方、従来より、スピーカボツクス内に放射さ
れた音波をスピーカボツクスに設けた空間を介し
てスピーカボツクス外へ放射することにより、低
域の再生を改善するようにした、いわゆるバスレ
フ型のスピーカシステムも知られている。

従来、このようなリニアフエーズで、かつバス
レフ型のマルチウエイスピーカシステムを構成す
る場合には、第１図に示すようにスピーカボツク
ス１の前面のバツフル板２にバスレフポート３を
設け、さらにツイータ４はバツフル板２の前面か
ら少し奥まつた位置に、スコーカ５はバツフル板
２とほぼ同一面に、ウーハ６はバツフル板２に設
けた台７の上に、それぞれ取付けるようにしてい
た。

ところが、このような構成では、ウーハ６の取
付けとバスレフポート３の取付けを別々に行なわ
なければならないから、組立工数、部品点数共に
増え、コストアツプの要因になるという欠点があ
る。

本考案は、このような従来の欠点を解決するた
めに、ウーハを台の上に所定の隙間をあけて取付
け、この隙間をバスレフポートとして利用するよ
うにしたマルチウエイスピーカシステムを提供す
るものである。

以下本考案の一実施例を第２図，第３図ととも
に説明する。

第２図，第３図において、第１図と同一機能を
有する部分には同一符号を付して説明を省略す
る。環状で断面形状略クランク形状の台７はバツ
フル板２に設けたウーハ取付用孔の周辺に取付け
られており、周囲４カ所に突起７ａが形成されて
いる。６ａはウーハ６のフレーム、６ｂはウーハ
６の振動板、６ｃはそのエツジ、６ｄはエツジ６
ｃの端部を保持する部材であり、上記ウーハ６
は、フレームの下面を上記台７の突起７ａに載せ
るようにして台７上に配置され、ビス８を上記突
起７ａにねじ込むことにより、所定の隙間９をあ
けて台７に取付けられている。

このようにすれば、台７及び隙間９の寸法を適
当に設定することにより、ウーハ６をツイータ４
やスコーカ５より前方に配置し、音圧位相両周波
数特性を平坦化することができ、しかもスピーカ
ボツクス１内の音波が第３図に矢印で示すように
隙間９を介してスピーカボツクス１の前方に放射
されるため、この隙間９にバスレフポートの機能
をもたせることができる。

なお、実施例では３ウエイの場合について説明
したが、２ウエイ、４ウエイ等の場合にも同様に
実施できることはいうまでもない。

以上のように本考案はバツフル板のウーハ取付
用孔の周辺に断面略クランク形状の台を設け、こ
の台の上に所定の隙間をあけかつウーハの端部と
上記台の内周部を重なるようにしてウーハを取付
け、このウーハをツイータより前方に配置するこ
とによつて音圧位相両周波数特性の平坦化を図る
とともに、上記隙間をバスレフポートとして利用
するようにしたものであるから、バツフル板とウ
ーハの位置決めが簡単で取付けが容易なリニアフ
エーズ型でバスレフ型のスピーカシステムをきわ
めて簡単に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図は本考案の一
実施例の斜視図、第３図はその要部の断面図であ
る。 １……スピーカボツクス、２……バツフル板、
４……ツイータ、５……スコーカ、６……ウー
ハ、７……台、７ａ……突起、８……ビス、９…
…隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツフル板のウーハ取付用孔の周辺に断面略ク
   ランク形状の台を設け、この台の上に所定の隙間
   をあけ、かつウーハの端部と上記台の内周部を重
   なるようにしてウーハを取付け、上記ウーハを上
   記バツフル板に取付けられたツイータより前方に
   配置することにより、上記ウーハおよび上記ツイ
   ータの前方の所定の聴取点における音圧位相両周
   波数特性を平坦化するとともに、上記隙間をバス
   レフポートとして用いるようにしたマルチウエイ
   スピーカシステム。