JPH0112476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案はウーハとツイータとを一体化した複合
型スピーカに関するものである。

従来技術と問題点 従来のこの種複合型スピーカとして、第１図及
び第２図の一部縦断面図に示すような構造のもの
が知られている。

第１の図スピーカは、略お椀型のフレーム１の
底面の外側に、第１のプレート２、マグネット
３、第２のプレート４から成る磁気回路を固定
し、第２のプレート４上からフレーム１の底面中
央の穴を貫通して上に延びるサポータ５上にツイ
ータ６を取付けたものであり、第２図のスピーカ
は、サポータ５の代りにフレーム１の上端にサポ
ータ７を取付け、これにツイータ６を固定したも
のである。なお、第１図及び第２図において、８
はボイスコイル、９はコーン、１０はダストキヤ
ツプ、１１はガスケツトである。

ところで、このような複合型スピーカを車載用
スピーカとして自動車のリヤトレイに取付ける際
には、第１図及び第２図に示すように、リアトレ
イのボード１２と、その下部にある鉄板１３に穴
を開け、この穴にフレーム１の一部を埋め込み、
鉄板下部のトランクルームをエンクロージヤとし
て使用する。従つて、鉄板１３に開ける穴は少な
くともフレーム１の挿入位置の径より大きくなけ
ればならない。一般に、鉄板１３にはその後のス
ピーカの装着を予想して穴が開けられているが、
その穴の大きさは小さいのが普通であり、この
為、大きなスピーカを取付けるには穴を大きくす
る必要があり、大変面倒であつた。この穴が小さ
いままで、第１図、第２図のスピーカを取付ける
と、例えば第１，第２のプレート２，４とマグネ
ット３が丁度入る程度の穴しか開いていないと、
ウーハの再生音がトランクルーム内に進入し難
く、エンクロージヤの働きがなくなるので、その
ような取付け方は適当でない。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を改善したもの
であり、その目的は、取付け面の穴の大きさに左
右されずに自由に装着できる複合型スピーカを提
供することにある。

考案の構成 本考案は、スピーカの前面から出る音と背面か
ら出る音の低域はほぼ同じとみなされる点に着目
し、ウーハとツイータを逆向きに固定したもので
ある。即ち、本考案の複合型スピーカは、側面に
音取出し用窓が設けられると共に底面中央に穴が
開けられた略お椀型のフレームと、このフレーム
の底面内側に固定され前記穴と対向する部分に穴
が開けられたヨークと、このヨーク上に固定され
たドーナツ型のマグネットと、このマグネットと
前記ヨークとの間に挿入されコーンを振動させる
為のボイスコイルとでウーハを構成し、ツイータ
を、少なくともその一部が前記フレームとヨーク
に開けられた穴に前記ウーハと反対の向きに埋め
込むようにしたものである。従つて、、フレーム
を俯せにしてリアトレイ等に取付けることがで
き、取付け面より下部にスピーカ部が露出しない
為、エンクロージヤとして使用する容器例えばト
ランクルームとの仕切に設ける穴の大きさに左右
されずに装着着することができるから、装着が大
変容易になる利点がある。また、ウーハのコーン
とリアトレイ等に設けられた穴との間には何も障
害物がないのでウーハの再生音が容易にリアトレ
イ等の穴に進入し、トランクルーム等をエンクロ
ージヤとして有効に使用することができる。

考案の実施例 第３図は本考案の実施例の一部縦断面図であ
り、３０はフレームで、略お椀型の形状をしてい
る。また底面の中央にはツイータ３１を埋め込む
為の穴が開けられ、側面にはウーハの再生音を前
方（紙面上方向）に取出す為の音取出し用窓４０
が第４図の平面図に示すように等間隔で開けられ
ている。更に、フレーム３０の縁部分には当接ス
ピーカをネジ止めする為のネジ穴４１が設けられ
ている。フレーム３０の底面の内側には、中央部
にツイータ３１を埋め込む為の穴を開けたドーナ
ツ型（但し、周辺部は直角に折れ曲つている）の
ヨーク３２が両者の穴を一致させて固定されてお
り、このヨーク３２にドーナツ型のマグネット３
３を介在させてドーナツ型のプレート３４が重ね
合されている。プレート３４とヨーク３２の直角
に折れ曲つた端部とは所定の間隔を置いて対向し
ており、その間隔にボイスコイル３５が挿入され
る。ボイスコイル３５の端部は、ドーナツ型のコ
ーン３６の内縁に固定され、コーン３６の外縁は
ガスケツト３７によりフレーム３０の端部に固定
されている。また、フレーム３０の内面の適当な
箇所にダンパー３８が設けられ、内部にゴミ等が
混入しないようにダストキヤツプ３９が被せられ
ている。なお、フレーム３０は、ヨーク３２、マ
グネット３３、プレート３４、ボイスコイル３
５、コーン３６、ダンパー３８、ダストキヤツプ
３９が全て収まる程度の内容積を有するものであ
る。ツイータ３１は前述したようにフレーム３
０、ヨーク３２に開けた穴にウーハと同軸上で反
対の向きに埋め込まれ、接着剤等で固定される。
第３図の実施例では、ツイータ３１のマグネット
部３１ａ部分までを埋め込んだ例を示すが、すり
深く、例えばツイータ３１の上面とフレーム３０
の底面とが略同一面になるまで埋め込むようにし
ても良い。

第５図は第３図示実施例の複合型スピーカを自
動車のリアトレイに装着した状態を示す一部縦断
面図であり、５０はリアトレイボード、５１は鉄
板である。装着は、フレーム３０を俯せにした格
好で、ネジ穴４１にネジ５２をねじこんで固定す
る。このようにすれば、ツイータ３１の再生音は
直接前面より取出すことができ、ウーハの再生音
はフレーム３０に開けた音取出し用窓４０から取
出すことができる。また、リアトレイボード５
０、鉄板５１に開けられた穴５０ａ，５１ａとコ
ーン３６の間にはなにも障害物がないので、コー
ン３６で再生された音は鉄板５１の穴５１ａより
容易に鉄板５１下のトランクルーム内に進入し、
トランクルームがエンクロージヤとして有効に働
くことになる。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、側面に
音取出し用窓が設けられると共に底面中央に穴が
開けられた略お椀型のフレームと、このフレーム
の底面内側に固定され前記穴と対向する部分に穴
が開けられたヨークと、このヨーク上に固定され
たドーナツ型のマグネットと、このマグネットと
前記ヨークとの間に挿入されコーンを振動させる
為のボイスコイルとでウーハを構成し、ツイータ
を、少なくともその一部を前記フレームとヨーク
に開けられた穴に前記ウーハと反対の向きに埋め
込むようにしたものであるから、ツイータの音は
直接前面から取出すことができ、またウーハの音
は前記フレームに設けた音取出し用窓から取出す
ことができる。従つて、フレームを俯せにしてリ
アトレイ等に取付けることができ、取付け面より
下部にスピーカ部が露出しない為、エンクロージ
ヤとして使用する容器例えばトランクルームとの
仕切に設ける穴の大きさに左右されずに装着する
ことができるから、装着が大変容易になる利点が
ある。また、ウーハのコーンとリアトレイ等に設
けられた穴との間には何も障害物がないのでウー
ハの再生音が容易にリアトレイ等の穴に進入し、
トランクルーム等をエンクロージヤとして有効に
使用することができる。更に、マグネット等の磁
気回路はフレームの底面内側に取付けてあるの
で、スピーカの厚みが薄くなり、自動車のリアト
レイに取付けても後方の視野を妨げることもな
い。また、前述したように、スピーカの前面から
出る音と背面から出る音の低減はほぼ同じとみな
されるから、本考案のように構成しても十分にオ
ーデイオ帯域（20Hz〜20KHZ）をカバーする周
波数特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の複合型スピーカの構
成説明図、第３図はウーハとツイータを一体化し
た本考案の複合型スピーカの実施例の一部縦断面
図、第４図は第３図示スピーカの平面図、第５図
は第３図示スピーカを自動車のリアトレイに装着
した状態を示す一部縦断面図である。 ３０はフレーム、３１はツイータ、３２はヨー
ク、３３はマグネット、３４はプレート、３５は
ボイスコイル、３６はコーンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウーハとツイータとを一体化した複合型スピー
   カにおいて、前記ウーハは、側面に音取出し用窓
   が設けられると共に底面中央に穴が開けられた略
   お椀型のフレームと、該フレームの底に固定され
   前記穴と対向する部分に穴が開けられたヨーク
   と、該ヨーク上に固定されたドーナツ型のマグネ
   ットと、該マグネットと前記ヨークとの間に挿入
   されコーンを振動させる為のボイスコイルとを有
   し、前記ツイータは少なくともその一部が前記フ
   レームとヨークに開けられた穴に前記ウーハと反
   対の向きに埋め込まれていることを特徴とする複
   合型スピーカ。