JPS6336771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、平面駆動型スピーカを奥行の浅い天
井や壁等（以下、単に「壁」という。）に設置し、
壁裏の空間部を音響箱とする該平面駆動型スピー
カの設置構成に関する。

従来、コーン型振動板を有するコーン型スピー
カを奥行の浅い壁に設置して音声を出力する場
合、特に低音域の再生忠実度を高める手段とし
て、コーンの背面から出力される位相の逆な音波
をコーンの前面からさえぎるため壁裏の空間部を
音響箱として利用するのが通例である。しかし、
前記空間部の奥行が浅くて音響箱としての容積が
十分とれない場合はその低音再生をある程度犠性
にせざるを得なかつた。

上記、コーン型スピーカに比較し、音波出力が
平面波形となる平面駆動型スピーカでは、上記低
音再生不足は特に著しく現われる。また、該平面
駆動型スピーカは、平面波形の音波を出力するの
で指向角度が狭くなる。そのため、音声を壁裏等
の空間部に適宜に拡散させるべく第１図に示すよ
うに２つの平面駆動型スピーカ１にある傾斜角度
を持たせて設置させていた。しかし、奥行の浅い
壁裏等を音響箱とした従来の平面駆動型スピーカ
１の設置構成では特に低音域の忠実再生は、解消
されなかつた。

本考案は、前述した従来技術の問題点を解消す
べく案出したものであり、奥行の浅い壁の内部空
間を最も有効に利用して、特に低音域の再生能力
の増加を狙つた平面駆動型スピーカの設置構成を
提供することを目的としたものである。

以下、添付図面に基づき、本考案に係る平面駆
動型スピーカ設置構成の一実施例につき詳細に説
明する。

第２図に示す如く、１個又は複数個の平面駆動
型スピーカ１を取付パネル２を介して壁面３の垂
直線Ｌに対し傾斜角度Ｘで設置する。前記壁面３
と吸音材４で覆つた外壁５とで構成される空間部
６内に前記平面駆動型スピーカ１の背面側１ａよ
り出力される音波を適宜に拡散させる反射部材２
ａを設ける。該反射部材２ａは前記取付パネル２
と一体で構成され、且つ、該反射部材２ａには、
前記垂直線Ｌに対し傾斜角度Ｙの反射面２ｂを有
する。

該反射面２ｂの傾斜角度Ｙは、平面駆動型スピ
ーカ１の傾斜角度Ｘの略1/2の角度で構成される。

上記構成で平面駆動型スピーカ１を設置するこ
とにより、該平面駆動型スピーカ１の背面側１ａ
から発生する音波を第２図に示す如く障害なしに
空間部６へ壁面３に略平行方向に反射拡散させ
る。

なお、第３図は本考案に係る平面駆動型スピー
カ設置構成を大型車両７に利用したものであり、
浅い天井空間を有効に利用することができる。ま
た、第４図は車両のドア８の内壁部に利用したも
のである。

本考案に係る平面駆動型スピーカ設置構成は叙
上した構成、作用を有するので次の効果がある。

すなわち、非常に簡易な構成で平面駆動型スピ
ーカ背面に起る定在波を防ぎ、特に低音の減衰を
防止することができ、広帯域にわたり忠実再生が
可能となるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の平面駆動型スピーカ設置構成を
示す断面図、第２図は本考案に係る平面駆動型ス
ピーカ設置構成の一実施例を示す断面図、第３図
は本考案に係る平面駆動型スピーカ設置構成を大
型車両に利用したものを示す断面図、第４図は本
考案に係る平面駆動型スピーカ設置構成を車両の
ドアに利用したものを示す斜視図である。 １……平面駆動型スピーカ、１ａ……背面側、
２……取付パネル、２ａ……反射部材、２ｂ……
反射面、３……壁面、６……空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 奥行の浅い壁に平面駆動型スピーカを設置し該
   平面駆動型スピーカ背面側の壁裏の空間部を音響
   箱として利用する平面駆動型スピーカ設置構成に
   おいて、該平面駆動型スピーカを壁面の垂直線に
   対し任意の傾斜角度で設置し、該平面駆動型スピ
   ーカの背面側から出力される音波が該背面側の前
   記空間部に適宜に放射拡散させるべく該平面駆動
   型スピーカの傾斜角度の略1/2の傾斜角度の反射
   面を有する反射部材を設けたことを特徴とする平
   面駆動型スピーカ設置構成。