JP5188839B2 - フラットパネルスピーカー - Google Patents
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Description
音の伝播特性から、音波に方向性(指向性)が表れるが、音波の方向性は高い周波数の音波ほど強く、低い周波数の音波では弱い。
このように低音域の音波は方向性を持たないため、図14に示すとおり、振動板の背面から出た音波S1は振動板の前面に回り込むので、前面に生成された低音域の音圧は、背面から回り込んできた音圧によって打ち消されてしまうため、前方(聴取者の方向)への音響放射が弱くなってしまう。
この現象は音波の“回り込み”現象と称されるが、この “回り込み” 現象は、低音域ほど強く作用するので、小型スピーカーの低音域特性不良の主原因となっている。
一方、野外コンサートや案内放送などでは、図15に示すように音波が拡散するので、放送の目的区域外の周辺では騒音となる。
このような使用目的のスピーカーでは、放射する音波の中低音域にも指向性を持たせて拡散を防止することが望まれている。
従来のコーン型スピーカーでは、スピーカーをボックスに入れることで前記の“回り込み”現象を抑制して前面への低音放射を豊富にしており、各種のスピーカーボックスが研究されて来た。
スピーカーボックスには密閉型、位相反転型、共鳴箱型などがあるが、低音特性を求めると、いずれも大型となる。
この他に、ホーン型と称するスピーカーもある。この方法は、スピーカー前面から放射される音波を長いホーン状の管から放射する方式である。ホーンの長さが長くなるため、通常のスピーカーボックスより大きくなってしまう欠点があって普及していない。
以上のように、スピーカー背面から出る逆位相の音波の処理は、現在でも大きな問題である。
スピーカーの振動板をコーン紙に替えて、曲げ剛性の高いパネルを振動版としたフラットパネルスピーカーがある。
通常のフラットパネルスピーカーのユニット40は、図18に示すとおり、フレーム41、振動板42、加振器(ドライバー)44で構成される。
フラットパネルスピーカーの最大の特徴は薄型であることなので、スピーカーボックスに入れずに使われている例が多い。
しかし、図19に示すように、理論的には面音源からの音響放射も振動板の一辺の長さの1/πから拡散を始めるので、振動板の大きさに限度がある小型のフラットパネルスピーカーでは、回り込み現象を抑制することが出来ないため、低音域特性は必ずしも満足されていない。
また、振動板パネルと、振動板パネルに装備される加振器と、振動板パネルの両方の音響放射面に対して隙間を介して配設される多数のチューブ状のダクトで構成される音響拡散抑制ダクト装置と、音響拡散抑制ダクト装置の周囲と振動板パネルとの間の隙間を封止する弾性材製のシール部材とを備えるものである。
そして、チューブ状のダクトは、ハニカムコアで形成され、チューブ状のダクトの軸線は、振動板パネルに対して任意の角度を有するように形成されるものである。
さらに、チューブ状のダクトの軸線は、焦点を有するように形成されることもできる。
フラットパネルスピーカー100の振動板パネル110の放射面に、振動板と僅かな隙間Gを設けて、無数のチューブ状のダクトで構成した拡散抑制ダクト装置120を装着した。隙間Gの周辺は、シール材140で覆われる。
この装置によって、ダクト120の内部の空気が振動板110の音圧によって振動し、ダクト120の内部に音圧が導入される。ダクトは平行で、細くて長いので、一般的な“メガフォン”が持っている効果と同じく、音波Sがダクトの内面に反射して、お互いにぶつかり合った音波は干渉し合い、さらに反射を繰り返しながら干渉し合って背面Bから放射される。この過程において音波はダクトの方向に方向付けされる。
この現象は、金属鏡面のハニカムコアの内面を進む光が、反射し干渉し合って方向付けされる原理と似ている。
中音域の音響放射においても拡散を抑制することによって、方向性を与えることができたので、案内放送の区域制限が可能となり、到達距離の延伸も可能となった。
拡散抑制ダクト装置110のチューブの断面形状は、円形、6角形、4角形を問わない。
図2は、フラットパネルスピーカー200の振動板210に対して、隙間Gを介して取り付けられるダクト220をハニカムコアで構成したものである。隙間Gの周囲はシール材240で覆われる。
図3に示すように、ハニカムコアのダクト220にかえてロールコア320のダクトを用いることもできる。
具体的には、スピーカーの使用目的によってチューブの長さと太さの選択が必要となる。チューブが細いと高音域の反射などが出て振動板に影響を与えて音質を阻害する。
実験では隙間を狭くすると、隙間から洩れる音波も少なくなるので、方向付けの効果が大きいことが確認されたが、振動板の振幅から2mm程度が限度である。
さらに実験を進めて、隙間を設けずに振動板210、310にダクト220,320を直接装着する方法も試みたが、ダクト中の空気が振動板と一緒に振動し、ダクト中を音波が走らないので、音波の反射や干渉が起きないため、音波に方向性を与えることができないことが確認された。
さらには、振動系の質量が増すために高音域の音響特性が悪化する。
振動板パネル210、310と拡散抑制ダクト装置220、320の隙間Gから音波が洩れないよう、周囲をスポンジ状のゴム材240、340などでシールすることが必要である。
図4によって、本発明のより具体的な形態について説明する。
図4は、室内で音楽を聴く目的のフラットパネルスピーカー400を示し、パネル状の振動板410の矢印Bで示す裏面(背面)に隙間Gを設けてロールコアを使った拡散抑制ダクト装置420を装着した形態で、図4(a)、(b)は見取り図を、図5は断面図を示している。
発明の実施の形態−1における振動板パネル410のサイズは高さ40センチ、幅60センチである。
振動板パネル410に装着した加振器450が振動板を加振する。拡散抑制ダクト装置420は、多数のチューブ効果を発揮して、振動板パネル410から後方に放射される音波に方向性を与える。
方向性を与えられた音波は、後方に向かってしばし直進するので、背面から前面への回り込みが抑制され、音圧の打ち消し合いが低減して、低音域の音圧レベルが向上する。
目的に合わせてコアの厚さ(チューブの長さ)とセルの太さ(チューブの太さ)の選択が必要となるが、この実施の形態では、全体の厚さ(奥行き寸法)を抑えたいので、チューブの長さをどこまで短くできるかを試した。
コアの厚さ(チューブの長さ)を20mmから90mmまで、セルサイズは3.2mmから12mmまで、種々な組合せで試験を重ねた。
結果として、コアの厚さ(チューブの長さ)を40mm、チューブ径(コアのセルサイズ)は8.4mmとして好結果を得た。
ハニカムコア、ロールコア、いずれの場合もセルサイズ(チューブの太さ)を小さくし過ぎると、チューブ内の音圧が上昇してしまい、また、反射による干渉もあって中音域の音質が低下した。
図6に周波数特性における改善を示す。図の(b)は改善前、(a)はハニカムコアによる低音域の改善状態を示す。50Hzから300Hzの範囲で、10db程度の改善が見られた。
なお、図に記載された6040の数字は振動板のパネルサイズが高さ40cm、幅60cmであることを示す。
図7、図8は、屋外ステージ用のフラットパネルスピーカー500の例を示し、スピーカー振動板パネル510の前面に、ハニカム状の拡散抑制ダクト装置520隙間540を介して装着した例で、スピーカー前方の音響放射を必要以上に拡散させないので、聴取領域外の騒音を低減するとともに、聴取領域における音圧レベルを向上させて、音響特性(音質)を改善している。
振動板510は円形で、サイズは直径20センチで、加振器550で加振される。
この場合のダクト520は、チューブ長さ(コアの厚さ)80mm、チューブ径(コアのセルサイズ)は8.4mmとして好結果を得た。
図9は、本発明を壁掛けスピーカー600に適用した形態で、拡散抑制ダクト装置620を構成するハニカムコアを斜め45度に切断して使用したもので、音波を部屋の壁面W1で反射させず、反射波をスピーカー両端に導き、端部から拡散させて放出する形態である。
従来から、厚さを取らないフラットパネルスピーカーの特性を活かして、「壁掛けスピーカー」が求められて来たが、振動板が部屋の壁面に接近すると、壁面からの反射音圧が振動板に作用して振動板を逆に振動させ、結果的に反射音を前面へ放射するので、放射音響の音質を阻害する。
このため、振動板と壁面の間隔を少くすることが出来ないので、スピーカーの厚さを薄くすることが出来なかった。
この実施の形態−3の適用によって、壁面に振動板を近接させても、壁面からの反射による悪影響を低減することが出来た。
図10は本発明を映像スクリーン760の下端に装着するスピーカー700に適用した形態で、実施の形態−3と同じくハニカムコアを斜め45度に切断した拡散抑制ダクト装置720を背面に装着している。
加振方法、隙間を設けることなどは、これまでの実施の形態と同じである。
振動板710の背面から放射される逆位相の音波は、映像スクリーン760の裏面に放射されるので壁面W1の反射がなくなり、反射音の悪影響を避けることが出来た。同時に低音域の回り込みも削減できたので、豊富な低音特性を得ることが出来た。
映像スクリーンのみならず図示しないホワイトボードパネルなどにも適用可能である。
図11のスピーカー800は、振動板パネル810の両面に拡散抑制ダクト装置820、822を装着して効果の増大を図った例である。
駅のプラットフォームの案内など、区域を限定した案内放送に適している。
図12のスピーカー900は、振動板パネル910に曲面とした拡散抑制ダクト装置920を装着して、中高音域の指向性をさらに強くした例である。
110 振動板パネル
120 ダクト
140 シール材
G 隙間
Claims (2)
- 振動板パネルと、振動板パネルに装備される加振器と、振動板パネルの両方の音響放射面に対して隙間を介して配設される多数のチューブ状のダクトで構成される音響拡散抑制ダクト装置と、音響拡散抑制ダクト装置の周囲と振動板パネルとの間の隙間を封止する弾性材製のシール部材とを備えるフラットパネルスピーカー。
- チューブ状のダクトは、ハニカムコアで形成される請求項1記載のフラットパネルスピーカー。
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