JPS5830372Y2 - パツシブラジエ−タ

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【考案の詳細な説明】本考案はバスレフ型のスピーカシステムに用いるパッシ
ブラジェータに係り、特に重量バランスの平衡に関する
。

一般に高忠実度再生を行なうオーディオ装置の代表的な
スピーカシステムに密閉箱内にスピーカユニットを装着
した密閉型と、スピーカユニット背面の音波を箱および
ダクトで共鳴させて前面へ放射スるバスレフ型とがある
。

このバスレフ型のスピーカシステムは比較的安価に高性
能が得られるため広く用いられ、代表的な構成にダクト
を用いるものおよびダクトをスピーカの振動系に置き換
えた、所謂パッシブラジェータを用いたものとがある。

また、このようなパッシブラジェータで振動系の重量を
増してインピーダンスを整合し、あるいは通常のスピー
カの低音域にだけ応動するようにしたものがある。

第１図はこの種のパッシブラジェータの一例を示す側断
面図で図中１は略円錐形のコーン、２はコーン１のネッ
ク部を取着した円筒体からなるボビンである。

そして３はコーン１の外周縁を保持するフレーム、４は
フレーム３の基部とボビン２との間に設けたダンパ、５
はボビン２の後端に取着した質量調整用のウェイトであ
る。

しかしながらこのようなものでは円錐状のコーン１の質
量と、ダンパ４付近に設けたウェイト５との質量のアン
バランスにより振動板が傾き、それによって音質型を発
生することになる。

さらにこの種の振動系の質量バランスがくずれた場合、
ローリング（横ブレ）現象などにより良好な低音再生を
行なうことは困難であり、さらにこのような現象は、特
に大入力時、大振巾時に顕著にあられれる。

したがって、このような問題に対処するためにエツジ、
ダンパー等の支持系を硬くすることが行なわれているが
、この結果低域再生限度が狭くなり、共振周波数（ｆ。

）の上昇を招くという問題があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので質量調整用
のウェイトを振動系全体の重心付近でコーンのエツジと
ダンパとの中間に配置することにより簡単な構成で良好
な特性を得ることができるパッシブラジェータを提供す
ることを目的とするものである。

以下本考案の一実施例を第２図に示す載断面図を参照し
て詳細に説明する。

なお第１図と同一部分には同一符号を付与してその説明
を省略する。

すなわち１は略円錐形のコーンでこのネック部を円筒体
のボビン２に取着している。

そしてこのコーン１の外周縁をフレーム３の外周に取着
して保持している。

そしてこのフレーム３はその後側へボビン２の後側端と
同一平面まで突出する円筒部３ａを設けている。

そしてフレーム３の円筒部３ａの後端とボビン２の後側
端との間にダンパ４を設け、ボビン２を進退自在に弾性
的に保持するようにしている。

そして上記ボビン２に質量調整用のウェイト５を装着し
ている。

このウェイト５はボビンのコーン１による支持位置を中
心としてダンパ４の反対側すなわち先端側でかつ振動系
の重心付近に配置している。

このような構成であればコーン１に音圧が作用して振動
する場合、ウェイト５を振動系の重心付近に配置し、か
つこのウェイト５をボビン２を支持するコーン１とダン
パ４との支持部の中間にしている。

したがって、ボビン３に作用するコーン１およびダンパ
４による復元力がバランスし、駆動力の作用しない場合
は即座に定位置へ復帰する。

したがって良好な直線性を得ることができ、しがちボビ
ン２の支持点がその軸方向の中心部および後端部になる
ため大振巾時の横ブレを防止することができる。

またダンパ４をフレーム３の後端で保持するようにして
いるので組立時の作業性も良好である。

さらにフレーム３の後端側がボビン２の後端に達しない
場合は適宜な筒体によりフレーム３を後方へ延長しても
よい。

以上詳述したように本考案は略円錐形のコーンの外周縁
をフレームで保持したパッシブラジェータにおいてコー
ンのネック部をボビンに取着し、このボビンの後端とフ
レームの後端側との間にダンパを設け、かつ振動系の重
心付近でボビンの先端に振動系の質量を調整するウェイ
トを配置したものである。

したがって振動系の直線性が優れ、振動時の横ブレを防
止でき、特に良好な低音再生を行なうことができるパッ
シブラジェータを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパッシブラジェータの一例を示す側断面
図、第２図は本考案の一実施例を示す側断面図である。１・・・・・・コーン、２・・・・・・ボビン、３・・
・・・・フレーム、４・・・・・・ダンパ、５・・・・
・・ウェイト。

【実用新案登録請求の範囲】