JPH056719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、円筒型ケースに収納する電子部品
搭載基板（以下収納基板という）のシールド構造
に関する。

〔従来の技術〕

電気部品には近時一層の信頼性、組立の容易化
および低価格化が要求されており、円筒型ケース
に収納される収納基板にも様々な改良が加えられ
るようになつた。

例えば、円筒型ケースに収納する収納基板のシ
ールド構造としては、第３図に示すようなものが
ある。

第３図において、１は収納基板２を収容する円
筒型ケースであり、この円筒型ケース１は導電性
を有し、一方の側壁３に固定金具４を介して収納
基板２の一端がねじ止めされるとともに、収納基
板２の他端に固定用ばね５がねじ止めされ、この
固定用ばね５の復元力により収納基板２の他端が
固定されるとともにアースされるようになつてい
る。

前記構成においては、収納基板２が導電性の円
筒型ケース１に収納されて覆われているので、収
納基板２は電気ノイズに対してシールドされ、低
ノイズ化が可能となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記シールド構造では、固定用
ばねの加工精度を良くする必要があり、加工が困
難であり、製造コストが高くついてしまう。

また、円筒型ケースに収納基板の一端を固定用
ばねで押付けているので、振動や衝撃によつて収
納基板が動かないように固定用ばねの復元力を大
きく設定すると、収納基板はその材質によつては
変形したり、割れたりするおそれがあつた。

さらに、円筒型ケースはケース材質として導電
性の材質でなければならないという制約を受け
る。

またさらには、固定用ばねの当り面が少ないの
で、導電性が悪化し、電気的障害が発生するおそ
れもあるという問題があつた。

そこで、この考案は前記問題点に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、簡易な構
造とし、組立性を向上させ、製造コストを安価に
し、しかも収納基板を電気ノイズに対し確実にシ
ールドさせた円筒型ケース収納基板のシールド構
造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、円筒型ケ
ースに収納基板を電気的ノイズに対してシールド
可能に収納する円筒型ケース収納基板のシールド
構造において、前記収納基板を円柱状の弾性体内
に配置すると共に、前記収納基板にアース端子を
設けて、このアース端子のシート状の絶縁材の片
面全体に導体部を設けて成るフレキシブル平板の
前記導体部を電気的に接続し、かつ前記フレキシ
ブル平板をその導体部を外側に向けると共に前記
収納基板を覆うように前記弾性体の外周面に巻付
け、前記フレキシブル平板を前記弾性体と共に前
記円筒型ケースに収納して、その内壁に前記導体
部を前記弾性体の復元力により接触させたことを
特徴とする。

〔作用〕

このような構成を有する本考案によれば、弾性
体により収納基板は円筒型ケース内に固定され、
またフレキシブル平板も弾性体の復元力により円
筒型ケースの内壁に固定される。

そして、このフレキシブル平板の導体部は前記
収納基板のアース端子に電気的に接続されてい
て、このフレキシブル平板により収納基板が覆わ
れているため、収納基板はノイズに対してシール
ドされることになる。

従つて、振動や衝撃を受けても収納基板やフレ
キシブル平板が動くことはなく、弾性体により収
納基板を保護できると共に、フレキシブル平板の
導体部が前記収納基板にアース端子に電気的に接
続された状態を保つて、フレキシブル平板により
収納基板を覆つた状態を保持できるので、円筒型
ケースの導電性の有無に拘わらず、収納基板をノ
イズに対して確実にシールドすることができるこ
とになる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は円筒型ケースに収納基板を収納したシ
ールド構造を示す斜視図、第２図は収納基板とフ
レキシブル平板との電気的接続状態を示す斜視図
である。

第１図および第２図において、１１は円筒型ケ
ース１２の内径よりも大きめの円柱状のゴムラバ
ー（弾性体）であり、このゴムラバー１１は二つ
割り形状を有し、この二つ割り形状により収納基
板１３を包込むことができるようになつている。

この収納基板１３の端部にアース端子１４が設
けられ、このアース端子１４とフレキシブル平板
１５の導体部１６とが電気的に接続されている。

このフレキシブル平板１５は、シート状の絶縁
フイルム（絶縁材）１７の片面全体に前記導体部
１６を設けた構造となつている。

導体部１６が円筒型ケース１２の内壁と接触す
るように導体部１６が外向きにした状態でフレキ
シブル平板１５がゴムラバー１１に巻付けられて
いる。

収納基板１３を包込んだゴムラバー１１および
これを巻付けたフレキシブル平板１５を押し縮め
ながら、円筒型ケース１２内に挿入することによ
り、常にフレキシブル平板１５の導体部１６が円
筒型ケース１２の内壁に接触するようになつてい
る。

前記シールド構造において、組立手順を説明す
れば、円柱状のゴムラバー１１の中央に２つ割り
形状により収納基板１３を収納する。

次いで、あらかじめ収納基板１３のアース端子
１４と接続したフレキシブル平板１５を前記収納
基板１３を覆うように前記ゴムラバーの外周面に
巻付ける。

そして、収納基板１３を包込んだゴムラバー１
１およびこれを覆つたフレキシブル平板１５を、
押し縮めながら円筒型ケース１２内に挿入する。

これにより、フレキシブル平板１５の導体部１
６が円筒型ケース１２の内壁に接触し、かつ収納
基板１３がシート状の導体部１６によつて覆われ
る。

そのため、収納基板１３は電気的ノイズに対し
て確実にシールドされる。

また、ゴムラバー１１が復元力により常にフレ
キシブル平板１５を広げるように作用するので、
フレキシブル平板１５の導体部１６は円筒型ケー
ス１２の内壁に確実に接触し、シールドがより確
実なものとなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、収納基板を円柱
状の弾性体内に配置すると共に、前記収納基板に
アース端子を設けて、このアース端子にシート状
の絶縁材の片面全体に導体部を設けて成るフレキ
シブル平板の前記導体部を電気的に接続し、かつ
前記フレキシブル平板をその導体部を外側に向け
ると共に前記収納基板を覆うように前記弾性体の
外周面に巻付け、前記フレキシブル平板を前記弾
性体と共に前記円筒型ケースに収納して、その内
壁に前記導体部を前記弾性体の復元力により接触
させた構造とすることで、弾性体により収納基板
は円筒型ケース内に固定され、またフレキシブル
平板も弾性体により円筒型ケースの内壁に固定さ
れるようにしている。

従つてこれによれば、振動や衝撃を受けても収
納基板やフレキシブル平板が動くことはなく、弾
性体により収納基板を保護できると共に、フレキ
シブル平板の導体部が前記収納基板にアース端子
に電気的に接続された状態を保つて、フレキシブ
ル平板により収納基板を覆つた状態を保持できる
ので、円筒型ケースの導電性の有無に拘わらず、
収納基板をノイズに対して確実にシールドするこ
とができるという効果が得られる。

また、弾性体を圧縮した状態で保持され、常に
フレキシブル平板を広げるような付勢力が作用し
ているので、導体は円筒型ケースの内壁と確実に
接触し、電気的ノイズに対するシールドがより完
全に得られる。

さらに、円筒型ケースの材質が絶縁体であつて
も、収納基板をフレキシブル平板で覆つているの
で、前記と同様のシールド効果が得られる。

しかも、構造が簡単で、組立も容易であるとい
う効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る円筒型ケース収納基板の
シールド構造を示す斜視図、第２図は電気的接続
状態を示す斜視図、第３図は従来例に係るシール
ド構造を示す斜視図である。 １１……ゴムラバー、１２……円筒型ケース、
１３……収納基板、１４……アース端子、１５…
…フレキシブル平板、１６……導体部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円筒型ケースに収納基板を電気的ノイズに対し
   てシールド可能に収納する円筒型ケース収納基板
   のシールド構造において、 前記収納基板を円柱状の弾性体内に配置すると
   共に、前記収納基板にアース端子を設けて、この
   アース端子にシート状の絶縁材の片面全体に導体
   部を設けて成るフレキシブル平板の前記導体部を
   電気的に接続し、 かつ、前記フレキシブル平板をその導体部を外
   側に向けると共に前記収納基板を覆うように前記
   弾性体の外周面に巻付け、 前記フレキシブル平板を前記弾性体と共に前記
   円筒型ケースに収納して、その内壁に前記導体部
   を前記弾性体の復元力により接触させたことを特
   徴とする円筒型ケース収納基板のシールド構造。