JPH06173087A - タクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装置 - Google Patents

タクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装置

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JPH06173087A
JPH06173087A JP35113192A JP35113192A JPH06173087A JP H06173087 A JPH06173087 A JP H06173087A JP 35113192 A JP35113192 A JP 35113192A JP 35113192 A JP35113192 A JP 35113192A JP H06173087 A JPH06173087 A JP H06173087A
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joint
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bogie
hanger
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Akiyuki Ikemoto
昭幸 池本
Kenjiro Ko
賢二郎 洪
Masabumi Osawa
正文 大沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンガーの不要な揺れを防止できる揺れ防止
対策が講じられたタクト式搬送装置を備える前処理電着
塗装装置を提供する。 【構成】 前処理電着塗装装置が備えるタクト式搬送装
置の台車枠に、下方に延びる一対の平行なパンタグラフ
の上端を関節継手を介して連結し、該一対のパンタグラ
フの下端に関節継手を介して下端枠を連結し、下端枠の
下方で第1傾斜枠を関節継手を介して下端枠に連結し、
第1傾斜枠の下方でタクト式搬送装置の一対のホイスト
の昇降鎖の下端に連結された第2傾斜枠を関節継手を介
して第1傾斜枠に連結し、第2傾斜枠の下方でハンガー
を関節継手を介して第2傾斜枠に連結する。上記関節継
手は前記一対のパンタグラフの一方から他方に向かって
延在する軸線回りの回動のみを許容するように構成し、
前記一対のパンタグラフの対峙する関節継手を相対変位
を規制する態様でシャフトで連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タクト式搬送装置を備
え、塗装対象物をタクト処理にて順次処理する前処理電
着塗装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の前処理電着塗装装置が備えるタク
ト式搬送装置は、一般に、図5、6に示すように、処理
槽の上方に配設された1本の搬送レール100と、搬送
レール100の延在方向に互いに間隔を隔てて搬送レー
ル100に係合する一対のトローリー101と、トロー
リー101に懸架された台車桁102と、搬送レール1
00の延在方向に互いに間隔を隔てて台車桁102に取
り付けられた一対のホイスト103と、一対のホイスト
103の昇降鎖104の下端に懸架されたハンガー枠1
05と、ハンガー枠105に取り付けられたハンガー1
06と、トローリー101とホイスト103とを制御す
る図示しない制御装置とを備えている。上記従来構造の
タクト式搬送装置を備える従来の前処理電着塗装装置に
あっては、トローリー101とホイスト103とが制御
されて、塗装対象物Aを取り付けたスキッドBを乗せた
ハンガー106が搬送レール100に沿って走行し、発
停し、昇降し、搬送レール100の延在方向に向かって
上下に傾斜し、或いはこれらの組み合わせ動作をする間
に、塗装対象物が処理液等に浸漬され、或いは塗装対象
物に処理液等が噴射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来構造のタクト式搬
送装置を備える従来の前処理電着塗装装置にあっては、
タクト時間を縮めて処理物件数を増加させようとする場
合、ハンガー枠105ひいてはハンガー106が、一対
の昇降鎖104のみによって懸架されているために、ハ
ンガー106が、昇降鎖104が繰り出された状態で走
行・発停し、昇降し、搬送レール100の延在方向に向
かって上下に傾斜し、或いはこれらの組み合わせ動作を
する際に揺れ、特に塗装対象物Aが処理液等に浸漬され
た状態で上記動作をする際に大きく揺れるので、塗装対
象物が隣接する塗装対象物に衝突し、或いは前処理電着
塗装装置の構成部材に衝突して損傷する等の問題があっ
た。図5、6に示すように、ハンガー106の両側方に
固定設備として立設した一対のガイドレール107とハ
ンガー枠105の両側に取り付けた一対のピン108と
を係合させることにより、昇降時のハンガー106の揺
れを防止する等の揺れ防止対策が講じられてはいるが、
前述のハンガー106の動作の全てに対して有効な揺れ
防止対策は未だ実現されていない。本発明は上述のごと
き問題に鑑みてなされたものであり、ハンガー106
が、昇降鎖104が繰り出された状態で走行・発停し、
昇降し、搬送レール100の延在方向に向かって上下に
傾斜し、或いはこれらの組み合わせ動作をする際に、ハ
ンガー106の不要な揺れを防止できる揺れ防止対策が
講じられたタクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装
置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、処理槽の上方に配設された1本
の搬送レールと、処理槽の上方で搬送レールの両側に配
設され搬送レールと平行に延在する1対のガイドレール
と、搬送レールの延在方向に互いに間隔を隔てて搬送レ
ールに係合する一対のトローリーと、トローリーに懸架
された台車枠と、搬送レールの両側で台車枠に取り付け
られガイドレールに係合する一対のガイドローラーと、
搬送レールの延在方向に互いに間隔を隔てて台車枠に取
り付けられた一対のホイストと、搬送レールの両側で上
端が関節継手を介して台車枠に連結され下方に延びる一
対の平行なパンタグラフと、該一対のパンタグラフの下
端に関節継手を介して連結された下端枠と、下端枠の下
方で関節継手を介して下端枠に連結された第1傾斜枠
と、第1傾斜枠の下方で関節継手を介して第1傾斜枠に
連結され且つ前記一対のホイストの昇降鎖の下端に連結
された第2傾斜枠と、第2傾斜枠の下方で関節継手を介
して第2傾斜枠に連結されたハンガーと、前記一対のト
ローリーと前記一対のホイストとを制御する制御装置と
を有し、前記一対のパンタグラフは台車枠と下端枠とを
互いに平行に保持する態様で台車枠と下端枠とに連結さ
れ、パンタグラフの関節継手と、パンタグラフと台車枠
及び下端枠とを連結する関節継手と、下端枠と第1傾斜
枠とを連結する関節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜枠と
を連結する関節継手と、第2傾斜枠とハンガーとを連結
する関節継手とは、前記一対のパンタグラフの一方から
他方に向かって延在する軸線回りの回動のみを許容する
ように構成され、前記一対のパンタグラフの対峙する関
節継手は相対変位が規制された状態でシャフトで連結さ
れたタクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装置を提
供する。
【0005】また本発明においては、処理槽の上方に配
設された1本の搬送レールと、処理槽の上方で搬送レー
ルと平行に延在する1本のガイドレールと、搬送レール
の延在方向に互いに間隔を隔てて搬送レールに係合する
一対のトローリーと、トローリーに懸架された台車枠
と、ガイドレールに直交する方向に水平移動可能に台車
枠に取り付けられガイドレールに係合するガイドローラ
ーと、搬送レールの延在方向に互いに間隔を隔てて台車
枠に取り付けられた一対のホイストと、搬送レールの両
側で上端が関節継手を介して台車枠に連結され下方に延
びる一対の平行なパンタグラフと、該一対のパンタグラ
フの下端に関節継手を介して連結された下端枠と、下端
枠の下方で関節継手を介して下端枠に連結された第1傾
斜枠と、第1傾斜枠の下方で関節継手を介して第1傾斜
枠に連結され且つ前記一対のホイストの昇降鎖の下端に
連結された第2傾斜枠と、第2傾斜枠の下方で関節継手
を介して第2傾斜枠に連結されたハンガーと、前記一対
のトローリーと前記一対のホイストとを制御する制御装
置とを有し、前記一対のパンタグラフは台車枠と下端枠
とを互いに平行に保持する態様で台車枠と下端枠とに連
結され、パンタグラフの関節継手と、パンタグラフと台
車枠及び下端枠とを連結する関節継手と、下端枠と第1
傾斜枠とを連結する関節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜
枠とを連結する関節継手と、第2傾斜枠とハンガーとを
連結する関節継手とは、前記一対のパンタグラフの一方
から他方に向かって延在する軸線回りの回動のみを許容
するように構成され、前記一対のパンタグラフの対峙す
る関節継手は相対変位が規制された状態でシャフトで連
結されたタクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装置
を提供する。
【0006】
【作用】本発明においては、台車枠を懸架するトローリ
ーが制御されることにより、台車枠に連結されて下方に
延びる一対のパンタグラフと、パンタグラフの下端に連
結された下端枠と、下端枠に連結された第1傾斜枠と、
第1傾斜枠に連結された第2傾斜枠とから構成される立
体トラスが搬送レールに沿って走行し、発停し、これに
伴って第2傾斜枠に取り付けられたハンガーが搬送レー
ルに沿って走行し、発停する。また、一対のホイストが
同時かつ同一に制御されることにより、パンタグラフが
上下に伸縮し、これに伴って、ハンガーが昇降する。パ
ンタグラフが規定伸長位置まで伸びた後一対のホイスト
が個別に制御されることより、第2傾斜枠、ひいてはハ
ンガーが搬送レールに直交する方向に水平に延在する軸
線の回りに傾斜し、揺動する。すなわちハンガーが縦揺
れする。ハンガーが上記動作或いはこれらの組み合わせ
動作をする間に、塗装対象物が処理液等に浸漬され、或
いは塗装対象物に処理液等が噴射される。
【0007】台車枠を懸架する一対のトローリーが、搬
送レールの延在方向に互いに間隔を隔てて搬送レールに
係合することにより、搬送レールに直交する方向に水平
に延在する軸線回りの台車枠の揺動、すなわち台車枠の
縦揺れが防止される。また、搬送レールの両側で台車枠
に取り付けられた一対のガイドローラーが搬送レールの
両側に配設され搬送レールと平行に延在する1対のガイ
ドレールに係合することにより、搬送レールと平行に延
在する軸線回りの台車枠の揺動、すなわち台車枠の横揺
れが防止される。
【0008】一対のパンタグラフは台車枠と下端枠とを
互いに平行に保持する態様で台車枠と下端枠とに連結さ
れ、パンタグラフの関節継手と、パンタグラフと台車枠
及び下端枠とを連結する関節継手と、下端枠と第1傾斜
枠とを連結する関節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜枠と
を連結する関節継手と、第2傾斜枠とハンガーとを連結
する関節継手とは、前記一対のパンタグラフの一方から
他方に向かって延在する軸線回りの回動のみを許容する
ように構成され、前記一対のパンタグラフの対峙する関
節継手は相対変位が規制された状態でシャフトで連結さ
れているので、ホイストが制御されてハンガーが昇降
し、或いは縦揺れする場合を除き、ハンガーは台車枠に
対して大きく相対変位しない。従って、台車枠の縦揺れ
と横揺れとが防止されることにより、ホイストの制御に
伴うハンガーの縦揺れ以外のハンガーの大きな動揺及び
台車枠に対するハンガーの前後、左右の大きなずれが規
制される。台車枠の横揺れは、台車枠に取り付けられた
ガイドローラーが、搬送レールに平行に配設された1本
のガイドレールと係合することによっても防止される。
【0009】
【実施例】以下添付図を参照しつつ、本発明の実施例に
係る前処理電着塗装装置を説明する。以下の説明におい
て、図1乃至4の矢印I、II、III、IV、V、V
Iの方向をそれぞれ前方、後方、左方、右方、上方、下
方と呼ぶ。図1に示すように、本前処理電着塗装装置に
おいては、予備湯洗槽1、脱脂槽2、第1水洗槽3、第
2水洗槽4、表面調整槽5、化成槽6、第3水洗槽7、
第4水洗槽8、第5水洗槽9、第1純水水洗槽10、電
着塗装槽11、第1UF水洗槽12、第2UF水洗槽1
3、第3UF水洗槽14、第4UF水洗槽15、第5U
F水洗槽16、第2純水水洗槽17、電着焼付乾燥炉1
8が上記順に後方から前方に向けて配列されている。予
備湯洗槽1、第2水洗槽4、第3水洗槽7、第5水洗槽
9、第1純水水洗槽10、第1UF水洗槽12、第2U
F水洗槽13、第3UF水洗槽14、第5UF水洗槽1
6、第2純水水洗槽17の上方には、スプレー19が配
設されている。スキッドBに取り付けられた塗装対象物
Aは、タクト式搬送装置Cによって各槽に順次運ばれ処
理される。
【0010】タクト式搬送装置Cの構成を、図2、3に
基づいて説明する。処理槽の上方に前後に延在する1本
の搬送レール20が配設されている。搬送レール20の
左右両側に、搬送レール20と平行に延在する1対のガ
イドレール21a、21bが配設されている。一対のト
ローリー22a、22bが、前後に互いに間隔を隔てて
搬送レール20に係合している。上下方向に見て矩形の
枠組から成る台車枠23がトローリー22a、22bに
よって懸架されている。搬送レール20の左右両側で台
車枠23に取り付けられた一対のガイドローラー24
a、24bがそれぞれガイドレール21a、21bに係
合している。ロッド部材を介してトローリー22a、2
2bに連結された衝突防止用のフロントトローリー22
c、リアトローリー22dが、それぞれトローリー22
aの前方、トローリー22bの後方で搬送レール20に
係合している。一対のホイスト25a、25bが、前後
に互いに間隔を隔てて台車枠23に取り付けられてい
る。トローリー22a、22b、ホイスト25a、25
bを制御するシーケンスコントローラ26が台車枠23
に取り付けられている。
【0011】搬送レール20の右側で台車枠23の下方
に、左右方向に見てX字状に交差する2本の同一長さの
ビーム30a、30bが配設され、ビーム30a、30
bの下方に、左右方向に見てX字状に交差する2本の同
一長さのビーム30c、30dが配設されている。左右
に延在するシャフト31、32の右端が、それぞれビー
ム30aと30bの交差部、ビーム30cと30dの交
差部、を摺動回転のみ可能に貫通している。左右に延在
するシャフト33、34の右端が、それぞれビーム30
aの下端とビーム30dの上端、ビーム30bの下端と
ビーム30cの上端、を摺動回転のみ可能に貫通してい
る。左右に延在するシャフト35の右端近傍部がビーム
30aの上端を摺動回転のみ可能に貫通している。シャ
フト35の右端は、台車枠23の前方下部に、所定位置
内でのみ前後に移動可能に連結されている。左右に延在
するシャフト36の右端近傍部がビーム30bの上端を
摺動回転のみ可能に貫通している。シャフト36の右端
は、台車枠23の後端下部に連結されている。左右に延
在するシャフト37の右端近傍部がビーム30dの下端
を摺動回転のみ可能に貫通している。シャフト37の右
端は、上下方向に見て矩形の枠組から成り、台車枠23
と平行に配設された下端枠39の前方上部に、所定位置
内でのみ前後に移動可能に連結されている。左右に延在
するシャフト38の右端近傍部がビーム30cの下端を
摺動回転のみ可能に貫通している。シャフト38の右端
は、下端枠39の後端上部に連結されている。
【0012】搬送レール20の左側で台車枠23の下方
に、ビーム30a〜30dと面対称にビーム40a〜4
0dが配設されている。ビーム40a〜40dは、シャ
フト31〜38の左端部分によりビーム30a〜30d
と同様に貫通され、ビーム40a〜40dと同様に台車
枠23と下端枠39とに連結されている。
【0013】上記説明から分かるごとく、ビーム30a
〜30d、40a〜40dは、関節継手を有し、左右方
向に見て上部に菱形の下半分、中央に菱形、下部に菱形
の上半分を形成する伸縮可能な一対の枠組、すなわち上
下に伸縮可能な一対のパンタグラフ30、40を構成し
ている。パンタグラフ30、40の上端は関節継手を介
して台車枠23に連結され、パンタグラフ30、40の
下端は関節継手を介して台車枠に平行に配設された下端
枠39に連結されている。パンタグラフ30、40の関
節継手と、パンタグラフ30、40の上端と下端とをそ
れぞれ台車枠23と下端枠39とに連結する関節継手と
は、左右に延在する軸線回りの回動のみを許容する。パ
ンタグラフ30と40の対峙する関節継手は、相対変位
を規制する態様でシャフト31〜34で連結されてい
る。
【0014】上下方向に見て矩形の枠組から成る第1傾
斜枠41の後端が、左右に延在する軸線回りの回動のみ
を許容する関節継手を介して、下端枠39の後方下部に
連結されている。上下方向に見て矩形の枠組から成る第
2傾斜枠42の前端が、左右に延在する軸線回りの回動
のみを許容する関節継手を介して、第1傾斜枠41の前
端下部に連結されている。ホイスト25aの昇降鎖25
1 の下端は、第2傾斜枠42の前方部に、ホイスト2
5bの昇降鎖25b1 の下端は第2傾斜枠42の後方部
に、それぞれ連結されている。
【0015】前後に間隔を隔てて配設された一対の門形
のビーム50a、50bと、前端と後端がそれぞれ左右
に延在する軸線回りの回動のみを許容する関節継手を介
して門形ビーム50aの右側の足元と門形ビーム50b
の右側の足元に連結されたビーム50cと、前端と後端
がそれぞれ左右に延在する軸線回りの回動のみを許容す
る関節継手を介して門形ビーム50aの左側の足元と門
形ビーム50bの左側の足元に連結されたビーム50d
とから成るハンガー50が、第2傾斜枠42の下部に、
左右に延在する軸線回りの回動のみを許容する関節継手
を介して懸架されている。塗装対象物Aを取り付けたス
キッドBは、ハンガー50に載置される。
【0016】上記構成を有するタクト式搬送装置Cにお
いては、台車枠23を懸架するトローリー22a、22
bがシーケンスコントローラ26によって制御されるこ
とにより、台車枠23に連結されて下方に延びる一対の
パンタグラフ30、40と、パンタグラフの下端に連結
された下端枠39と、下端枠39に連結された第1傾斜
枠41と、第1傾斜枠41に連結された第2傾斜枠42
とから構成される立体トラスが搬送レール20に沿って
走行し、発停し、これに伴って第2傾斜枠42に連結さ
れたハンガー50が搬送レール20に沿って走行し、発
停する。
【0017】ホイスト25a、25bがシーケンスコン
トローラ26によって同時且つ同一に制御され、昇降鎖
25a1 、25b1 が同時に繰り出され或いは引き上げ
られることにより、台車枠23と下端枠39との間の垂
直距離が最小となる収縮位置と、台車枠23と下端枠3
9との間の垂直距離が最大となる最大伸長位置との間
で、下端枠39を台車枠23に対して平行に保ちつつ、
パンタグラフ30、40が上下に伸縮し、これに伴っ
て、ハンガー50が昇降する。ハンガー50が下降する
際に、パンタグラフ30、40が錘となり、ハンガー5
0の下降速度を速める。これにより、塗装対象物Aの処
理液への浸漬速度が速められ、ひいては塗装処理時間の
短縮が図られる。
【0018】パンタグラフ30、40が規定伸長位置ま
で伸びた後、ホイスト25aの昇降鎖25a1 のみが更
に繰り出されることにより、図2で実線で示すように、
第2傾斜枠42が第1傾斜枠41と一体となって、第1
傾斜枠41と下端枠39とを連結する関節継手の回りに
回動し、第2傾斜枠42の前端が下降する。また、パン
タグラフ30、40が規定伸長位置まで伸びた後、ホイ
スト25bの昇降鎖25b1 のみが更に繰り出されるこ
とにより、図2で二点鎖線で示すように、第2傾斜枠4
2のみが、第1傾斜枠41と第2傾斜枠42とを連結す
る関節継手の回りに回動し、第2傾斜枠42の後端が下
降する。従って、パンタグラフ30、40が規定伸長位
置まで伸びた後、ホイスト25aと25bがシーケンス
コントローラ26によって個別に制御され、昇降鎖25
1 と25b1 とが個別に繰り出されることにより、第
2傾斜枠42、ひいてはハンガー50が前後に傾斜し、
或いは左右に延在する軸線回りの揺動、すなわち縦揺れ
をする。
【0019】台車枠23を懸架する一対のトローリー2
2a、22bが、前後に互いに間隔を隔てて搬送レール
20に係合することにより、左右に延在する軸線回りの
台車枠23の揺動、すなわち台車枠23の縦揺れが防止
される。また、搬送レール20の左右両側で台車枠23
に取り付けられた一対のガイドローラー24a、24b
が搬送レール20の左右両側に配設され搬送レールと平
行に延在する1対のガイドレール21a、21bに係合
することにより、前後に延在する軸線回りの台車枠23
の揺動、すなわち台車枠23の横揺れが防止される。
【0020】パンタグラフ30、40は面対称に配設さ
れ、左右方向に見て上部に菱形の下半分が、中央に菱形
が、下部に菱形の上半分が形成されているので、台車枠
23と下端枠39とは常に平行に保たれる。パンタグラ
フ30、40の関節継手と、パンタグラフ30、40の
上端と下端とをそれぞれ台車枠23と下端枠39とに連
結する関節継手とは、左右に延在する軸線回りの回動の
みを許容する。パンタグラフ30、40の対峙する関節
継手は、シャフト31〜34によって相対変位が規制さ
れた状態で連結されている。従って、下端枠39の台車
枠23に対する前後、左右の相対変位は微小値に規制さ
れる。また、下端枠39の台車枠23に対する、前後に
延在する軸線回りの相対回転変位、左右に延在する軸線
回りの相対回転変位、上下に延在する軸線回りの相対回
転変位も、それぞれ微小値に規制される。
【0021】第1傾斜枠41は左右に延在する軸線回り
の回動のみを許容する関節継手を介して下端枠39に連
結され、第2傾斜枠42は左右に延在する軸線回りの回
動のみを許容する関節継手を介して第1傾斜枠41に連
結され、ハンガー50は左右に延在する軸線回りの回動
のみを許容する関節継手を介して第2傾斜枠42に連結
されているので、ハンガー50の下端枠39に対する前
後、左右の相対変位は微小値に規制される。また、ホイ
スト25a、25bの作動によるハンガー50の前後傾
斜を除いて、ハンガー50の下端枠39に対する、前後
に延在する軸線回りの相対回転変位、左右に延在する軸
線回りの相対回転変位、上下に延在する軸線回りの相対
回転変位も、それぞれ微小値に規制される。
【0022】上記説明から分かるごとく、本実施例に係
るタクト式搬送装置Cによれば、ホイスト25a、25
bの作動による意図的なハンガー50の縦揺れを除き、
ハンガー50の縦揺れ、横揺れ、前後の往復動すなわち
前後揺れ、左右の往復動すなわち左右揺れ、および上下
軸回りの回転揺れは何れも微小値に規制される。
【0023】次に、上記のタクト式搬送装置Cを備える
本実施例に係る前処理電着塗装装置の作動を説明する。
本前処理電着塗装装置においては、例示した塗装対象物
である自動車ボデーAを取り付けたスキッドBが、タク
ト式搬送装置Cによって各槽に順次運ばれ処理される。
脱脂槽2、第1水洗槽3、表面調整槽5、化成槽6、第
4水洗槽8、電着塗装槽11、第4UF水洗槽15は浸
漬槽として構成されている。これらの処理槽の上方でハ
ンガー50は走行を停止し、槽内に下降し、自動車ボデ
ーAが処理液等の中に浸漬されて処理される。ハンガー
50は前方或いは後方に傾斜した状態で浸漬槽内に下降
し、また浸漬槽内で前後に傾斜揺動する。これにより自
動車ボデーAのルーフ裏側のエアポケットによる処理不
良が回避される。また、長い浸漬処理時間を要求される
脱脂槽2、化成槽6、電着塗装槽11では、自動車ボデ
ーAが浸漬された状態でハンガー50は前進する。次い
でハンガー50は前方或いは後方に傾斜して浸漬槽から
出槽する。これにより処理液等の液切りが良好に行われ
る。
【0024】予備湯洗槽1、第2水洗槽4、第3水洗槽
7、第5水洗槽9、第1純水水洗槽10、第1UF水洗
槽12、第2UF水洗槽13、第3UF水洗槽14、第
5UF水洗槽16、第2純水水洗槽17は、使用済の洗
浄液の貯蔵循環槽として構成されている。これらの洗浄
液槽の上方では、ハンガー50は下降することなく走行
を継続するか或いは一時停止する。ハンガー50がこれ
らの洗浄液槽の上方を走行する際に、自動車ボデーAに
スプレー19を介して洗浄液が吹き付けられる。使用済
の洗浄液は下方の洗浄液槽に流入し循環再使用される。
尚これらの洗浄液は前段の洗浄用に順送りされるものも
ある。
【0025】ハンガー50が第2純水水洗槽17を通過
した後、自動車ボデーAを取り付けたスキッドBがハン
ガー50から下ろされる。自動車ボデーAを取り付けた
スキッドBは、図示しないフロアーコンベヤーにより電
着焼付乾燥炉18に搬入される。スキッドBが取り除か
れたハンガー50は、予備湯洗槽1の後方に回送され、
該位置で自動車ボデーAを取り付けたスキッドBがハン
ガー50に積載される。
【0026】本前処理電着塗装装置においては、台車枠
23に取り付けられたシーケンスコントローラ26によ
り、各ハンガー50は単独に自動走行、昇降する。ハン
ガー毎に異なるプログラムを設定することも可能であ
る。作業者がペンダントスイッチにより各ハンガー50
を単独に制御することも可能である。ハンガー50の昇
降の停止制御は図示しないロータリーエンコーダーによ
り行われ、停止位置制御の正確性が図られる。後方を走
行するハンガー50に付随するフロントトローリー22
cが前方を走行するハンガー50に付随するリアトロー
リー22dに当接することにより、前記フロントトロー
リー22cに設置された図示しないリミットスイッチが
作動して、後方を走行するハンガー50が停止する。こ
れにより、走行するハンガー50が前方を走行するハン
ガー50に追突する事態が防止される。停止後のハンガ
ー50の再発進は、前方のハンガー50の走行による前
記フロントトローリー22cとリアトローリー22dと
の当接解除後、所定のタイムラグを以て行われ、隣接す
るハンガー間の適切な間隔が維持される。
【0027】上記実施例では、搬送レール20の左右両
側で台車枠23に取り付けられた一対のガイドローラー
24a、24bが、搬送レール20の左右両側で搬送レ
ール20と平行に延在する1対のガイドレール21a、
21bに係合することにより、台車枠23の横揺れ防止
がなされたが、図4に示すように、搬送レール20に平
行に延在する1本のガイドレール21cを配設し、左右
方向に移動可能に台車枠23に取り付けたガイドローラ
ー24cをガイドレール21cと係合させることによっ
ても、台車枠23の横揺れを防止することができる。
【0028】
【効果】以上説明したごとく、本発明においては、台車
枠を懸架する一対のトローリーが、搬送レールの延在方
向に互いに間隔を隔てて搬送レールに係合することによ
り、搬送レールに直交する方向に水平に延在する軸線回
りの台車枠の揺動、すなわち台車枠の縦揺れが防止され
る。また、搬送レールの両側で台車枠に取り付けられた
一対のガイドローラーが搬送レールの両側に配設され搬
送レールと平行に延在する1対のガイドレールに係合す
ることにより、搬送レールと平行に延在する軸線回りの
台車枠の揺動、すなわち台車枠の横揺れが防止される。
【0029】一対のパンタグラフは台車枠と下端枠とを
互いに平行に保持する態様で台車枠と下端枠とに連結さ
れ、パンタグラフの関節継手と、パンタグラフと台車枠
及び下端枠とを連結する関節継手と、下端枠と第1傾斜
枠とを連結する関節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜枠と
を連結する関節継手と、第2傾斜枠とハンガーとを連結
する関節継手とは、前記一対のパンタグラフの一方から
他方に向かって延在する軸線回りの回動のみを許容する
ように構成され、前記一対のパンタグラフの対峙する関
節継手は相対変位が規制された状態でシャフトで連結さ
れているので、ホイストが制御されてハンガーが昇降
し、或いは縦揺れする場合を除き、ハンガーは台車枠に
対して大きく相対変位しない。従って、台車枠の縦揺れ
と横揺れとが防止されることにより、ホイストの制御に
伴うハンガーの縦揺れ以外のハンガーの大きな動揺及び
台車枠に対するハンガーの前後左右の大きなずれが規制
される。従って本発明により、ハンガーが走行・発停
し、昇降し、搬送レールの延在方向に向かって上下に傾
斜し、或いはこれらの組み合わせ動作をする際に、ハン
ガーの不要な揺れを防止できる揺れ防止対策が講じられ
たタクト式搬送装置を備える前処理電着塗装装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る前処理電着塗装装置の全
体配置を示す模式図である。
【図2】図1の前処理電着塗装装置が備えるタクト式搬
送装置の側面図である。
【図3】図1のα−α矢視図である。
【図4】タクト式搬送装置の他の実施例を示す図3に相
当する図である。
【図5】従来の前処理電着塗装装置が備えるタクト式搬
送装置の側面図である。
【図6】図5のβ−β矢視図である。
【符号の説明】
20 搬送レール 21a、21b、21c ガイドレール 22a、22b トローリー 23 台車枠 24a、24b、24c ガイドローラー 25a、25b ホイスト 25a1 、25b1 昇降鎖 26 シーケンスコントローラ 30a、30b、30c、30d ビーム 40a、40b、40c、40d ビーム 30、40 パンタグラフ 31、32、33、34、35、36、37、38 シ
ャフト 39 下端枠 41 第1傾斜枠 42 第2傾斜枠 50 ハンガー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽の上方に配設された1本の搬送レ
    ールと、処理槽の上方で搬送レールの両側に配設され搬
    送レールと平行に延在する1対のガイドレールと、搬送
    レールの延在方向に互いに間隔を隔てて搬送レールに係
    合する一対のトローリーと、トローリーに懸架された台
    車枠と、搬送レールの両側で台車枠に取り付けられガイ
    ドレールに係合する一対のガイドローラーと、搬送レー
    ルの延在方向に互いに間隔を隔てて台車枠に取り付けら
    れた一対のホイストと、搬送レールの両側で上端が関節
    継手を介して台車枠に連結され下方に延びる一対の平行
    なパンタグラフと、該一対のパンタグラフの下端に関節
    継手を介して連結された下端枠と、下端枠の下方で関節
    継手を介して下端枠に連結された第1傾斜枠と、第1傾
    斜枠の下方で関節継手を介して第1傾斜枠に連結され且
    つ前記一対のホイストの昇降鎖の下端に連結された第2
    傾斜枠と、第2傾斜枠の下方で関節継手を介して第2傾
    斜枠に連結されたハンガーと、前記一対のトローリーと
    前記一対のホイストとを制御する制御装置とを有し、前
    記一対のパンタグラフは台車枠と下端枠とを互いに平行
    に保持する態様で台車枠と下端枠とに連結され、パンタ
    グラフの関節継手と、パンタグラフと台車枠及び下端枠
    とを連結する関節継手と、下端枠と第1傾斜枠とを連結
    する関節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜枠とを連結する
    関節継手と、第2傾斜枠とハンガーとを連結する関節継
    手とは、前記一対のパンタグラフの一方から他方に向か
    って延在する軸線回りの回動のみを許容するように構成
    され、前記一対のパンタグラフの対峙する関節継手は相
    対変位が規制された状態でシャフトで連結されたタクト
    式搬送装置を備える前処理電着塗装装置。
  2. 【請求項2】 処理槽の上方に配設された1本の搬送レ
    ールと、処理槽の上方で搬送レールと平行に延在する1
    本のガイドレールと、搬送レールの延在方向に互いに間
    隔を隔てて搬送レールに係合する一対のトローリーと、
    トローリーに懸架された台車枠と、ガイドレールに直交
    する方向に水平移動可能に台車枠に取り付けられガイド
    レールに係合するガイドローラーと、搬送レールの延在
    方向に互いに間隔を隔てて台車枠に取り付けられた一対
    のホイストと、搬送レールの両側で上端が関節継手を介
    して台車枠に連結され下方に延びる一対の平行なパンタ
    グラフと、該一対のパンタグラフの下端に関節継手を介
    して連結された下端枠と、下端枠の下方で関節継手を介
    して下端枠に連結された第1傾斜枠と、第1傾斜枠の下
    方で関節継手を介して第1傾斜枠に連結され且つ前記一
    対のホイストの昇降鎖の下端に連結された第2傾斜枠
    と、第2傾斜枠の下方で関節継手を介して第2傾斜枠に
    連結されたハンガーと、前記一対のトローリーと前記一
    対のホイストとを制御する制御装置とを有し、前記一対
    のパンタグラフは台車枠と下端枠とを互いに平行に保持
    する態様で台車枠と下端枠とに連結され、パンタグラフ
    の関節継手と、パンタグラフと台車枠及び下端枠とを連
    結する関節継手と、下端枠と第1傾斜枠とを連結する関
    節継手と、第1傾斜枠と第2傾斜枠とを連結する関節継
    手と、第2傾斜枠とハンガーとを連結する関節継手と
    は、前記一対のパンタグラフの一方から他方に向かって
    延在する軸線回りの回動のみを許容するように構成さ
    れ、前記一対のパンタグラフの対峙する関節継手は相対
    変位が規制された状態でシャフトで連結されたタクト式
    搬送装置を備える前処理電着塗装装置。
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