JPH06170238A - 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒成型体及びその使用 - Google Patents

不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒成型体及びその使用

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JPH06170238A
JPH06170238A JP4332057A JP33205792A JPH06170238A JP H06170238 A JPH06170238 A JP H06170238A JP 4332057 A JP4332057 A JP 4332057A JP 33205792 A JP33205792 A JP 33205792A JP H06170238 A JPH06170238 A JP H06170238A
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徹 塩谷
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン又は第三級ブチルアルコールから
気相接触酸化によって不飽和アルデヒド及び不飽和カル
ボン酸を有利に製造する新規な形状の触媒を提供する。 【構成】 内部に中央孔を持つ円形横断面をもつ円筒形
の触媒であって、該中央孔の横断面形状が、その外接円
と接する少なくとも3つの丸みのある凸形曲線と、これ
と同数の丸みのある凹形曲線からなる形状を有する触媒
成型体。触媒成分としては少なくともモリブデンとビス
マスと鉄を含む。 【効果】 オレフィン等の気相接触酸化反応で不飽和ア
ルデヒドを得る際の収率を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレン、イソブチ
レン、第三級ブチルアルコール(以下TBAと略記す
る)又はメチル第三級ブチルエーテル(以下MTBEと
略記する)を分子状酸素と気相接触酸化により、それぞ
れに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を
合成する際に使用する触媒の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレンを気相接触酸化してア
クロレイン及びアクリル酸を製造する際に用いられる触
媒や、イソブチレン、TBA又はMTBEを気相接触酸
化してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造する際に
用いられる触媒の形状について、数多くの提案がなされ
ている。例えば特開昭58−119346号公報及び5
9−46132号公報等の報告がある。しかしながら、
工業用触媒としての使用に際して更に改良が望まれてい
るのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不飽和アル
デヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の新規な触媒成
型体の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の触
媒成型体の形状を改善すべく鋭意研究した結果、目的と
する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸が高収率で
得られる新規な触媒成型体の形状を見い出した。
【0005】本発明は、プロピレン、イソブチレン、T
BA又はMTBEを分子状酸素を用いて、気相接触酸化
し、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カ
ルボン酸を合成する際に用いられる、少なくともモリブ
デン、ビスマス及び鉄を含む触媒において、中央孔の外
接円と接する少なくとも3つの丸みのある凸形曲線とそ
れと同数の丸みのある凹形曲線からなる形状の中央孔を
有する円形横断面をもつ円筒形であることを特徴とする
不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒成型
体及びその使用法に関する。
【0006】一般に、リング状触媒は円柱形触媒よりも
外表面積が大きい。このため反応器中の成型触媒の外表
面積が増加するので、触媒活性が向上する。さらにま
た、触媒床がより大きな空隙率を有するので、圧力損失
が小さくなる。しかしながら、触媒の実体積が減少する
ため、触媒寿命の点で不利となったり、機械的強度が大
きく低下するので、触媒の反応管への充填の際など取扱
いが煩雑になる。
【0007】本発明の凹凸をもつ中央孔を有する円筒形
触媒は、凹凸の度合いを大きくすることにより、リング
状触媒より大きい実体積で同じ外表面積を達成すること
ができる。このため反応器中の成型触媒の充填量が増加
するので、触媒活性が向上し、その結果、不飽和アルデ
ヒド及び不飽和カルボン酸が高収率で得られる。また、
触媒の機械的強度も改善される。
【0008】本発明による触媒粒の断面形は多数のパラ
メータによって規定されうる。例えばLは触媒粒の半
径、Rは中央孔において丸みのある凸形曲線が接する外
接円の半径、rはその外接円と凹形曲線の端部との距
離、Nは凸形曲線の丸みの数として規定できる。Lは
1.5〜10mmの範囲が好ましい。反応管に触媒を充
填した際、Lが1.5mmより小さいと圧力損失が大き
くなり、触媒反応を円滑に行なうことができなくなる。
また、Lが10mmより大きいと充填量が少なくなり、
触媒寿命の点で不利となる。Nは3〜8個の範囲が好ま
しい。また、R/Lは0.1〜0.9、(L/R)は
0.5mm以上、r/Rは0.2〜0.8の範囲が好ま
しい。本触媒は通常の押出し成型機又は打錠成型機によ
り成型することができる。本触媒を成型する際には、従
来公知の添加剤、例えば、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の有機化合物、グラファイト
やケイソウ土等の無機化合物、無機ファイバー等をさら
に添加しても差し支えない。
【0009】本発明は、一般式 Moa Bib Fec d e f g Sih i (式中Mo,Bi,Fe,Si及びOはそれぞれモリブ
デン、ビスマス、鉄、ケイ素及び酸素を示し、Aはコバ
ルト及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウ
ム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タン
タル及び亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テル
ル、セリウム、タングステン、アンチモン及びチタンか
らなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Z
はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシ
ウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を示す。a,b,c,d,e,f,g,h及び
iは各元素の原子比率を表し、a=12の時b=0.0
1〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜
8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20で
あり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸
素原子数である。)で表される組成を有する触媒に適用
することができる。
【0010】本発明の触媒を製造する方法としては、特
殊な方法に限定する必要はなく、成分の著しい偏在を伴
わない限り、従来からよく知られている蒸発乾固法、沈
殿法、酸化物混合法等の種々の方法を用いることができ
る。触媒成分の原料としては、各元素の酸化物、硫酸
塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム塩、ハロ
ゲン化物などを組み合わせて使用することができる。例
えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アンモ
ニウム、三酸化モリブデン等が使用できる。
【0011】本発明の方法により得られた触媒はシリ
カ、アルミナ、シリカ・アルミナ、マグネシア、チタニ
ア、シリコンカーバイト等の不活性担体で希釈して用い
ることもできる。本発明の触媒を使用するに際して、原
料のプロピレン、イソブチレン、TBA又はMTBEに
分子状酸素を加え、前記の触媒成型体の存在下に気相接
触酸化を行う。原料対酸素のモル比は1:0.5〜3が
好ましい。原料ガスは不活性ガスで希釈して用いること
が好ましい。酸素源としては空気を用いることが経済的
であるが、必要ならば純酸素で富化した空気も用いう
る。反応圧力は常圧から数気圧までが良い。反応温度は
200〜450℃の範囲で選ぶことができるが、特に2
50〜400℃の範囲が好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明による触媒の製造法及び、それ
を用いての反応例を具体例に説明する。実施例及び比較
例中の原料オレフィン、TBA及びMTBAの反応率、
生成する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の選択
率は以下のように定義される。
【0013】
【数1】 以下実施例、比較例中の部は重量部であり、分析はガス
クロマトグラフィーによった。
【0014】実施例1 水1000部にパラモリブデン酸アンモニウム500
部、パラタングステン酸アンモニウム、6.2部及び硝
酸カリウム1.2部を加え加熱撹拌した後、85%リン
酸2.2部を純水100部に溶解した溶液を加え更に加
熱撹拌した(A液)。別に純水600部に60%硝酸4
1.9部を加え、均一にした後、硝酸ビスマス114.
5部を加え溶解した。これに硝酸第二鉄104.9部、
硝酸亜鉛14.0部、硝酸コバルト309.0部及び硝
酸ニッケル20.6部を順次加え、更に純水700部を
加え溶解した(B液)。A液にB液を加えスラリー状と
した後、三酸化アンチモン17.2部を加え加熱撹拌
し、水の大部分を蒸発させた。
【0015】得られたケーキ状物質を120℃で乾燥さ
せた後、空気雰囲気下300℃で1時間焼成した。ここ
で得られた焼成粉100部に対して水35部を添加して
混練した後、押出し機にて、触媒粒の断面形状がL=
2.5mmで、R=1mm、r=0.5mm、N=3の
中央孔を有する(図1)平均長さ5mmの円筒形に賦型
した。該賦型触媒を130℃で6時間乾燥し、次いで再
び空気雰囲気下500℃で6時間熱処理したものを触媒
として用いた。得られた触媒の酸素以外の元素の組成
(以下同じ)は、Mo120.1 Bi1 Fe1.1 Co4.5
Ni0.3 Zn0.2 0.050.08Sb0.5であった。
【0016】本触媒をステンレス製反応管に充填し、プ
ロピレン5%、酸素12%、水蒸気10%及び窒素73
%(容量%)の原料混合ガスを接触時間3.6秒で触媒
層を通過させ、310℃で反応させた。その結果、プロ
ピレン反応率99.5%、アクロレイン選択率90.1
%、アクリル酸選択率6.1%であった。
【0017】実施例2 実施例1において触媒粒の形状を、触媒粒の断面形状が
L=2.5mmで、R=1mm、r=0.5mm、N=
4の中央孔を有する(図2)平均長さ5mmの円筒形と
した点以外は実施例1と同様にして賦型及び反応を行な
った。その結果、プロピレンの反応率99.5%、アク
ロレインの選択率90.2%、アクリル酸の選択率6.
1%であった。
【0018】実施例3 実施例1において触媒粒の形状を、触媒粒の断面形状が
L=2.5mmで、R=1mm、r=0.5mm、N=
5の中央孔を有する(図4)平均長さ5mmの円筒形と
した点以外は実施例1と同様にして賦型及び反応を行な
った。その結果、プロピレンの反応率99.6%、アク
ロレインの選択率90.2%、アクリル酸の選択率6.
2%であった。
【0019】比較例1 実施例1において触媒粒の形状を、触媒粒の断面形状が
L=2.5mmで、半径1mmの円形孔を有する(図
3)平均長さ5mmのリング状とした点以外は実施例1
と同様にして賦型及び反応を行なった。その結果、プロ
ピレンの反応率99.0%、アクロレインの選択率8
9.7%、アクリル酸選択率6.0%であった。
【0020】実施例4 純水1000部にパラモリブデン酸アンモニウム500
部及び硝酸セシウム27.6部を加え加熱撹拌した(A
液)。別に純水80部に60%硝酸10部を加え均一に
した後、硝酸ビスマス68.7部を加え溶解した。これ
に硝酸第二鉄209.8部、硝酸ニッケル274.5
部、硝酸コバルト137.3部及び硝酸マグネシウム1
21.0部を順次加え、更に純水720部を加え溶解し
た(B液)。A液にB液を加えスラリー状とした後、三
酸化アンチモン31.0部を加え加熱撹拌し、水の大部
分を蒸発させた。
【0021】得られたケーキ状物質を120℃で乾燥さ
せた後、空気雰囲気下300℃で1時間焼成した。ここ
で得られた焼成粉100部に対して水35部を添加して
混練した後、押出し機にて、実施例1と同様にして実施
例1と同じ形状に賦型した。該賦型触媒を130℃で6
時間乾燥し、次いで再び空気雰囲気下500℃で6時間
熱処理したものを触媒として用いた。得られた触媒の元
素の組成は、Mo12Bi0.6 Fe2.2 Co2 Ni4 Mg
2 Cs0.6 Sb0.9 であった。本触媒をステンレス製反
応管に充填し、イソブチレン5%、酸素12%、水蒸気
10%及び窒素73%(容量%)の原料混合ガスを接触
時間3.6秒で触媒層を通過させ、360℃で反応させ
た。その結果、イソブチレン反応率97.7%、メタク
ロレイン選択率89.6%、メタクリル酸選択率3.1
%であった。
【0022】実施例5 実施例4において触媒粒の形状を、実施例2と同じとし
た点以外は実施例4と同様にして賦型及び反応を行なっ
た。その結果、イソブチレンの反応率97.7%、メタ
クロレインの選択率89.6%、メタクリル酸の選択率
3.2%であった。
【0023】実施例6 実施例4において触媒粒の形状を、実施例3と同じとし
た点以外は実施例4と同様にして賦型及び反応を行なっ
た。その結果、イソブチレンの反応率97.9%、メタ
クロレインの選択率89.7%、メタクリル酸の選択率
3.2%であった。
【0024】比較例2 実施例4において触媒粒の形状を、比較例1と同じとし
た点以外は実施例4と同様にして賦型及び反応を行なっ
た。その結果、イソブチレンの反応率97.0%、メタ
クロレインの選択率89.4%、メタクリル酸の選択率
2.9%であった。
【0025】実施例7 実施例4の触媒を用い、原料をTBAに変え、その他は
実施例4と同様にして反応を行った。その結果、TBA
の反応率100%、メタクロレインの選択率87.9
%、メタクリル酸の選択率2.8%であった。
【0026】比較例3 比較例2の触媒を用い、原料をTBAに変え、その他は
実施例4と同様にして反応を行った。その結果、TBA
の反応率100%、メタクロレインの選択率87.3
%、メタクリル酸の選択率2.3%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の触媒成型体はオレフィン類、T
BA又はMTBEの気相接触酸化で対応する不飽和アル
デヒド及び不飽和カルボン酸を製造する場合に目的物の
収率を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の触媒の横断面図
【図2】本願発明の別の触媒の横断面図
【図3】従来の触媒の横断面図
【図4】本願発明の別の触媒の横断面図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明による触媒粒の断面形は多数のパラ
メータによって規定されうる。例えばLは触媒粒の半
径、Rは中央孔において丸みのある凸形曲線が接する外
接円の半径、rはその外接円と凹形曲線の端部との距
離、Nは凸形曲線の丸みの数として規定できる。Lは
1.5〜10mmの範囲が好ましい。反応管に触媒を充
填した際、Lが1.5mmより小さいと圧力損失が大き
くなり、触媒反応を円滑に行なうことができなくなる。
また、Lが10mmより大きいと充填量が少なくなり、
触媒寿命の点で不利となる。Nは3〜8個の範囲が好ま
しい。また、R/Lは0.1〜0.9、(L−R)は
0.5mm以上、r/Rは0.2〜0.8の範囲が好ま
しい。本触媒は通常の押出し成型機又は打錠成型機によ
り成型することができる。本触媒を成型する際には、従
来公知の添加剤、例えば、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の有機化合物、グラファイト
やケイソウ土等の無機化合物、無機ファイバー等をさら
に添加しても差し支えない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/22 H 7457−4H 57/05 9356−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン、イソブチレン、第三級ブチ
    ルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを分子状
    酸素を用いて、気相接触酸化し、それぞれに対応する不
    飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を合成する際に用
    いられる、少なくともモリブデン、ビスマス及び鉄を含
    む触媒において、中央孔の外接円と接する少なくとも3
    つの丸みのある凸形曲線とそれと同数の丸みのある凹形
    曲線からなる形状の中央孔を有する円形横断面をもつ円
    筒形であることを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽
    和カルボン酸合成用触媒成型体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒成型体を用いて、プ
    ロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又は
    メチル第三級ブチルエーテルを分子状酸素を用いて、気
    相接触酸化し、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及
    び不飽和カルボン酸を合成することを特徴とする製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264358A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 触媒、ならびに不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法

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JP2010264358A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 触媒、ならびに不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造方法

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