JPH06169127A - 固体レーザ素子とこれを用いた第二高調波レーザ発振装置 - Google Patents

固体レーザ素子とこれを用いた第二高調波レーザ発振装置

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JPH06169127A
JPH06169127A JP24691491A JP24691491A JPH06169127A JP H06169127 A JPH06169127 A JP H06169127A JP 24691491 A JP24691491 A JP 24691491A JP 24691491 A JP24691491 A JP 24691491A JP H06169127 A JPH06169127 A JP H06169127A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザ励起による第二高調波発生装置
において必要とされ、かつ、第二高調波に対して高反射
能を有する誘電体光学薄膜の構成並びにその配置関係を
開示する。 【構成】 NdドープYVO4 結晶のレーザ透過の一端
面には基本波に対して高反射率を有する誘電体光学薄膜
が施され、これと相対するレーザ透過の他の端面には基
本波に対しては高透過率を保持しながら、第二高調波に
対しては高反射率を有する誘電体光学薄膜が配されてい
る固体レーザ素子を製作し、この固体レーザ素子の集光
レンズに対応する端面には合計15〜41層に亘ってS
iO2 とTa2 5 との積層誘電体光学薄膜を、夫々、
基本波に対して高反射率を示す膜厚で配すると共に、前
記固体レーザ素子の第二高調波発生素子と対応する端面
には合計17〜51層に亘ってSiO2 とHfO2 との
積層誘電体光学薄膜を、夫々、基本波に対しては高透過
率を示しながら第二高調波に対しては高反射率を示す膜
厚にて配し、第二高調波発生素子としてはKTiOPO
4 を配した第二高調波発生装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録媒体である
光ディスク等の記録並びに更生を目的としたレーザ装
置、加工用レーザ装置および学術研究用レーザ装置とし
て利用される第二高調波レーザ発振装置用の固体レーザ
素子、ならびに、この固体レーザ素子を利用した第二高
調波レーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザによって励起される第二高
調波は、その波長が短いという特性を生かして、高密度
記録媒体である光ディスク等の記録並びに更生を目的と
したレーザ装置、加工用レーザ装置および学術研究用レ
ーザ装置として利用される事が予想されて居り、各所で
研究が進められている。
【0003】その一つとして、図3に提示された様に、
半導体レーザ励起装置1と、集光レンズ2と、固体レー
ザ素子3と、第二高調波発生素子4と、出力鏡5とから
なり、これらの各部が記載順に位置された半導体レーザ
励起による第二高調波レーザ発振装置が利用されてい
る。
【0004】この場合、図4に示した様に、固体レーザ
素子3として利用されているNd:YVO4 はその半導
体レーザ励起装置側になる面には基本波と第二高調波を
共に反射させる機能を有した誘電体光学薄膜31を配す
と共に、上記誘電体光学薄膜31と対応する面にはSi
2 からなる基本波の反射防止膜32を配し、第二高調
波発生素子4としては、レーザ入出力の両面にSiO2
とAl2 3 からなる基本波の多層反射防止膜41を配
したKTiOPO4 を用い、出力鏡5の固体レーザ素子
側になる面には基本波を反射させる機能を有した誘電体
光学薄膜51を配した第二高調波レーザ発振装置、若し
くは、図5に示した様な、固体レーザ素子3として利用
されているNd:YVO4 の半導体レーザ励起装置側に
なる面には基本波を反射させる機能を有した誘電体光学
薄膜311を配すと共に、上記誘電体光学薄膜311と
対応する面にはSiO2 からなる基本波の反射防止膜3
2を配し、第二高調波発生素子4としては固体レーザ素
子3に対応する面にSiO2 とHfO2 の積層からなる
誘電体光学薄膜411を配し、前記誘電体光学薄膜41
1と対応する面にSiO2 とAl2 3 からなる基本波
の多層反射防止膜41を配したKTiOPO4 を用い、
出力鏡5の固体レーザ素子側になる面には基本波を反射
させる機能を有した誘電体光学薄膜51を、夫々配した
第二高調波レーザ発振装置等が利用されている。
【0005】しかしながら、前者の場合、固体レーザ素
子3として利用されているNd:YVO4 は第二高調波
を吸収する性質を有するため、折角、変換して出力しよ
うとしている第二高調波の変換効率を低下させていた。
【0006】また、後者の場合、固体レーザ素子3とし
て利用されているNd:YVO4 の半導体レーザ励起装
置側になる面から基本波と第二高調波を共に反射させる
機能有した誘電体光学薄膜31を外すと共に、これに代
わって、基本波のみを反射させる誘電体光学薄膜311
を配し、さらに、前記誘電体光学薄膜311と対応する
面にはSiO2 からなる基本波の反射防止膜32を配
し、さらに、第二高調波発生素子4としては、固体レー
ザ素子3に対応する面にSiO2 とHfO2 の積層から
なり、第二高調波を反射させると共に基本波の反射防止
機能を有した誘電体光学薄膜411を配すと共に、前記
誘電体光学薄膜411と対応する面にSiO2 とAl2
3 からなる基本波の多層反射防止膜41を配したKT
iOPO4を配した為、固体レーザ素子3として利用さ
れているNd:YVO4 による第二高調波の吸収作用は
抹消されるものの、第二高調波を反射させる機能を有し
た誘電体光学薄膜411は、高屈折率物質としてHfO
2 を、低屈折率物質としてSiO2 を用いた場合に、入
力レーザの98%以上を反射させる為には、少なくとも
高屈折率物質と低屈折率物質を交互に17層以上に亘っ
て積層させた誘電体光学薄膜が必要となると共に、多層
膜を施した為に、交互に配置された高屈折率物質と低屈
折率物質の各層が吸収する基本波並びに第二高調波によ
って、第二高調波発生素子4であるKTiOPO4 に温
度上昇を与える事となり、結果的に、第二高調波発生素
子4であるKTiOPO4 に屈折率の変化をもたらし、
この為、レーザの位相を整合させる為の条件が満足出来
ない状態になって、最終的に、第二高調波への変換効率
を低下させる要因になっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ビディオ・ディスクと
か、光ディスクファイルの記録密度を向上させるために
は、これに使用するレーザのビーム径を絞り込む必要が
ある。
【0008】しかしながら、このレンズ等を用いてレー
ザを絞り込む場合にも、絞り込まれた後のビーム径は入
射されたレーザの波長程度にしか狭められないところか
ら、波長の短い光源の確保が課題とされている。
【0009】また、光ディスク、レーザプリンタ、レー
ザカード等に使用されている記録材料の多くが短波長領
域の光線に高い感度を示している事から、より波長の短
い半導体レーザを発振する素子の開発が望まれていた。
【0010】この場合、単に、波長の短い半導体レーザ
を発振する装置としては、既に、He−Ne等を用いた
ガスレーザ装置が存在するものの、このガスレーザ装置
は設備が大掛かりとなる為、設置面積が巨大になると共
に、取扱いの軽便さについても難点があった。
【0011】本発明は、以上の事態に対応する為、半導
体レーザ励起による第二高調波発生装置において必要と
され、かつ、第二高調波に対して高反射能を有する誘電
体光学薄膜の構成並びにその配置関係を明らかにして、
課題を解決する事を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は、NdドープYVO4 結晶のレーザ透過
の一端面には基本波に対して高反射能を有する誘電体光
学薄膜が施され、これと相対するレーザ透過の他の端面
には基本波に対しては高透過能を保持しながら、第二高
調波に対しては高反射能を有する誘電体光学薄膜が施さ
れている固体レーザ素子を開示する。
【0013】また、本発明は、NdドープYVO4 結晶
のレーザ透過の一端面には合計15〜41層に亘ってS
iO2 膜とTa2 5 膜とを交互に積層した誘電体光学
薄膜が、夫々結果的に、基本波に対して高反射率を示す
膜厚に調整されて配されると共に、同一固体レーザ素子
の第二次高調波発生素子と対応する端面には合計17〜
51層に亘ってSiO2 膜とHfO2 膜とを交互に積層
した誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基本波に対して
は高透過率を示しながら第二高調波に対しては高反射率
を示す膜厚に調整されて配された固体レーザ素子を開示
する。
【0014】さらに、本発明は、NdドープYVO4
晶のレーザ透過の一端面に配された波長が1.064μ
mの場合に屈折率が1.43〜1.45のSiO2
と、同じく波長が1.064μmの場合に屈折率が1.
93〜2.03のTa2 5 膜とを交互に積層した誘電
体光学薄膜を構成する夫々の膜厚と、NdドープYVO
4 結晶のレーザ透過の一端面に配された波長が1.06
4μmの場合に屈折率が1.43〜1.45のSiO2
膜と、同じく波長が1.064μmの場合に屈折率が
1.83〜1.93のHfO2 膜とを交互に積層した誘
電体光学薄膜を構成する夫々の膜厚とが、いずれも中心
波長が1.064μmである場合に於ける光学的膜厚が
0.05以上0.60以下に調整されると共に、積層さ
れた誘電体光学薄膜の膜厚は、何れも、基本波に対する
透過率と第二高調波に対する反射率とについて、夫々の
所定位置にあって規定された機能が満足される様に、シ
ンプレックス法を用いて算出された膜厚に調整されてい
る固体レーザ素子を開示する。
【0015】本発明は上記の固体レーザ素子を用いた高
調波レーザ発振装置として、半導体レーザ励起装置と、
集光レンズと、固体レーザ素子と、第二高調波発生素子
と、出力鏡とからなり、これらの各部が記載順に位置さ
れた半導体レーザ励起による第二高調波レーザ発振装置
にあって、その一部を構成する固体レーザ素子として上
記の発明になる固体レーザ素子を利用し、NdドープY
VO4 結晶のレーザ透過の左右両端面に誘電体光学薄膜
を配した固体レーザ素子の集光レンズに対応する端面に
は合計15〜41層に亘ってSiO2 とTa2 5 とを
交互に積層した誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基本
波に対して高反射率を示す膜厚に調整されて配されると
共に、同一固体レーザ素子の第二高調波発生素子と対応
する端面には合計17〜51層に亘ってSiO2 とHf
2 とを交互に積層した誘電体光学薄膜が、夫々結果的
に、基本波に対しては高透過率を示しながら第二高調波
に対しては高反射率を示す膜厚に調整されて配され、第
二高調波発生素子としてはKTiOPO4 が配された第
二高調波レーザ発振装置を開示する。
【0016】また、本発明は、上記発振装置に付帯し
て、上記の第二高調波レーザ発振装置を構成する固体レ
ーザ素子の追加要因として、前記の発明になるNdドー
プYVO4 結晶のレーザ光透過の一端面に配された波長
が1.064μmである場合に於ける屈折率が1.43
〜1.45のSiO2 膜と、同じく波長が1.064μ
mである場合に於ける屈折率が1.93〜2.03のT
2 5 膜とを交互に積層した誘電体光学薄膜を構成す
る夫々の膜厚と、NdドープYVO4 結晶のレーザ光透
過の一端面に配された波長が1.064μmである場合
に於ける屈折率が1.43〜1.45のSiO2 膜と、
同じく波長が1.064μmである場合に於ける屈折率
が1.83〜1.93のHfO2 膜とを交互に積層した
誘電体光学薄膜を構成する夫々の膜厚とが、いずれも中
心波長が1.064μmである場合に於ける光学的膜厚
が0.05以上0.60以下に調整されると共に、積層
された誘電体光学薄膜の膜厚は、何れも、各膜の膜厚の
多変数関数としてなる多層膜の反射率と、目的の波長に
於ける反射率との差が最小になる様に設定して得た各層
毎の膜厚とし、基本波に対する透過率と第二高調波に対
する反射率とについて、夫々の所定位置にあって規定さ
れた機能が満足される様に、いずれもシンプレックス法
を用いて算出された膜厚関係に調整されている固体レー
ザ素子を利用した第二高調波レーザ発振装置を開示す
る。
【0017】
【作用】本発明は、NdドープYVO4 結晶のレーザ透
過の一端面には基本波に対して高反射能を有する誘電体
光学薄膜が施され、これと相対するレーザ透過の他の端
面には基本波に対しては高透過能を保持しながら、第二
高調波に対しては高反射能を有する誘電体光学薄膜が施
されている固体レーザ素子を用いるものであるが、この
場合、NdドープYVO4 結晶をレーザが透過する際の
相対する端面に夫々相異なる誘電体光学薄膜を施したの
は、第二高調波レーザ発振装置を構成させる部材として
見た場合、半導体レーザの入力側の端面には基本波に対
して高反射能を有する誘電体光学薄膜が施された端面を
位置させ、これと相対するレーザ透過の他の端面には基
本波に対しては高透過能を保持しながら、第二高調波に
対しては高反射能を有する誘電体光学薄膜が施された端
面を位置させる事によって、発生してくる第二高調波が
NdドープYVO4 結晶によって吸収される割合を極限
まで低下させ、これによって、NdドープYVO4 結晶
を利用した第二高調波レーザ発振装置で発生させる第二
高調波の変換効率を極限まで高める為のものである。
【0018】また、本発明では、NdドープYVO4
晶の一端面上には基本波に対して高反射能を有する誘電
体光学薄膜としてSiO2 膜とTa2 5 膜とを交互に
合計15〜41層に亘って積層して利用するものである
が、これは、誘電体光学薄膜としての積層数が合計15
層未満では基本波を98%以上反射させる事が不可能に
なる為であり、逆に、合計41層を超えた誘電体光学薄
膜を設けてもその目的とする反射率の向上に優位性が無
くなるばかりか、製造工程に於ける滞留時間が徒らに長
引く為である。
【0019】同じく、本発明では、基本波に対して高反
射能を有する誘電体光学薄膜としてSiO2 膜とTa2
5 膜とを交互に合計15〜41層に亘って積層したN
dドープYVO4 結晶の他の端面上に合計17〜51層
に亘ってSiO2 膜とHfO2 膜とを交互に積層した誘
電体光学薄膜を利用するものであるが、これは、誘電体
光学薄膜としての積層数が合計17層未満では本発明で
目的とする第二高調波の98%以上反射の確保が不可能
になって、第二高調波の一部がNdドープYVO4 結晶
で吸収され、結果的に第二高調波の出力を低下させてし
まう為であり、逆に、合計51層を超えた誘電体光学薄
膜を設けてもその目的とする反射率の向上に優位性が無
くなるばかりか、製造工程に於ける滞留時間が悪戯に長
引くだけのものである為である。
【0020】本発明では、誘電体光学薄膜を構成する積
層各膜の膜厚をシンプレックス法を用いて算出された膜
厚関係に調整させているが、これは、特定波長域のレー
ザを選択反射もしくは選択透過させる為に適切な膜厚が
容易に確保出来る為である。
【0021】一方、本発明では、誘電体光学薄膜を構成
する積層膜として、低屈折率物質としてSiO2 膜を、
高屈折率物質としてHfO2 膜とTa2 5 膜とを用い
ているが、これは、現在利用され得る酸化物系の低屈折
率物質としてはSiO2 膜より屈折率の低いものがな
く、また、誘電体光学薄膜として反射率を高く維持しよ
うとすれば低屈折率物質と高屈折率物質との間の屈折率
の差が大きいほど好ましいとされるところから、高屈折
率物質としては中心波長が1.064μm以下のレーザ
に対してその吸収度が小さいとされ、かつ、高屈折率物
質の中でも比較的屈折率の高いとされるHfO2 膜とT
2 5 膜とを用いたものである。
【0022】また、SiO2 膜の屈折率を中心波長が
1.064μmである場合に1.43〜1.45に、H
fO2 膜の屈折率を中心波長が1.064μmである場
合に1.83〜1.93に、Ta2 5 膜の屈折率を中
心波長が1.064μmである場合に1.93〜2.0
3に、夫々規定したのは、いずれも、この規定値より小
さい屈折率の場合には誘電体光学薄膜として機械的な品
質を保つ事が困難になる為であり、逆に、この規定値よ
り大きい屈折率の場合には光の吸収度を高めてしまう可
能性が高く、結果的に、目的とする第二高調波の出力を
下げてしまう事になるからである。
【0023】さらに、これら低屈折率物質や高屈折率物
質の薄膜の厚さは、余り薄いと膜の厚さを制御するのが
困難であると共に、逆に、余り厚くし過ぎても吸収、散
乱等によるレーザの出力損失が高まってしまい、只、徒
らに、処理時間を延長させてしまうだけとなる為、中心
波長が1.064μmである場合の光学的膜厚は0.0
5〜0.60である事が好ましい。
【0024】
【実施例】
(実施例1) NdドープYVO4 の結晶より縦横3m
m、厚さ1mmの固体レーザ素子を切り出し、半導体レ
ーザの入出射する面を光学的に見て平滑に成る様に研磨
した後、先ず低屈折率物質であるSiO2 と高屈折率物
質であるTa25 とを用いて、弱酸化雰囲気中で、半
導体レーザの入射面に対して、SiO2とTa2 5
の両者を交互に蒸着して得られた誘電体光学薄膜を生成
させた後、半導体レーザの入射面に相対する面に対して
も低屈折率物質であるSiO2 と高屈折率物質であるH
fO2 とを用い上記の方法と同様にして誘電体光学薄膜
を蒸着させた。
【0025】この際、何れの場合にも、夫々の誘電体光
学薄膜の膜厚はOptica Acta,1973,V
ol.20,No.8のp.641〜661に記載され
ているハイパス・フィルター並びにローパス・フィルタ
ーの設計方法を用いて概略設計を行った後、固体レーザ
素子としての基本波に対する反射率が0.1%を下回る
様に、英国のパーソナル・コンピューター・ソフト会社
であるKidgerOptics Ltd製のMacl
eod Thin−Film DesignSoftw
areを用いてComputer Journal 1
965.No.7 p.308等に記載されているシン
プレックス法により求めた最適厚さに成るように各酸化
物膜の厚さを設定し、実際には、光学干渉膜厚計を用い
て各蒸着膜の膜厚を制御した。
【0026】上記の如くして得られたNdドープYVO
4 を基板とし、その上面に中心波長が1.064μmで
ある場合に1.44の屈折率を示すSiO2 と、同じく
中心波長が1.064μmである場合に1.95の屈折
率を示すTa2 5 とで構成された誘電体光学薄膜31
1の光学的膜厚をその中心波長が1064nmである場
合について表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】また、上記の如くして得られた、Ndドー
プYVO4 を基板とし、その上面に中心波長が1.06
4μmである場合に1.44の屈折率を示すSiO
2 と、同じく中心波長が1.064μmである場合に
1.85の屈折率を示すHfO2 とで構成された誘電体
光学薄膜412の光学的膜厚分布状況をその中心波長が
532nmである場合について表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】本実施例に示された如く、NdドープYV
4 の結晶を基板とし、この基板の上面に低屈折率物質
であり、中心波長が1.064μmである場合に屈折率
が1.44のSiO2 と、高屈折率物質であり、中心波
長が1.064μmである場合に屈折率が1.95のT
2 5 とを用いて、半導体レーザの入射面に対して、
SiO2 とTa2 5 との両者が交互になる様に、しか
も、分光反射特性として、基本波に対しては98%以上
の反射率を有する様に調整された膜厚の薄膜で積層して
得られた誘電体光学薄膜の分光反射率について、自記分
光光度計により測定した結果を図6に示した。
【0031】その結果、NdドープYVO4 の結晶を基
板とし、その上面に配された誘電体光学薄膜が十分にそ
の目的を果している事が明らかになった。
【0032】また、NdドープYVO4 の結晶を基板と
し、その上面に、低屈折率物質であり、中心波長が1.
064μmである場合に屈折率が1.44のSiO
2 と、高屈折率物質であり、中心波長が1.064μm
である場合に屈折率が1.85のHfO2 とを用いて、
半導体レーザの入射面に対して、SiO2 とTa2 5
との両者が交互になる様に、しかも、分光反射特性とし
て、基本波に対しては99%以上の透過率を有すると共
に、第二高調波に対しては98%以上の反射率を有する
様に調整された膜厚の薄膜で積層して得られた誘電体光
学薄膜の分光反射率について、自記分光光度計により測
定した結果を図7に示した。
【0033】その結果、NdドープYVO4 の結晶を基
板とし、その上面に配された誘電体光学薄膜が十分にそ
の目的を果している事が明らかになった。
【0034】上記の様にして得られ、図1に示された様
にレーザ透過の左右両面に異なる誘電体光学薄膜31
1、412を配し、NdドープYVO4 の結晶を基板1
0とした固体レーザ素子3を図2に示す様な配置関係で
半導体レーザ励起の第二高調波レーザ発生装置に組み込
み、この装置に入射される半導体レーザの強さを700
mWから900mWに変化させながら第二高調波レーザ
の出力を測定したところ表3に示す様な結果を得て、こ
の表3より本実験の最大励起力である900mWを用い
た場合、第二高調波レーザの出力は従来装置によって得
られる数値に比較して20%を超えた改善が為されてい
ることが判る。
【0035】
【表3】
【0036】
【比較例】
(比較例1)図4に示した様に、固体レーザ素子3とし
て利用されているNd:YVO4 の半導体レーザ励起装
置側になる面には基本波と第二高調波を共に反射させる
機能を有した中心波長が1.064μmである場合に屈
折率が1.95のTa2 5と、中心波長が1.064
μmである場合に屈折率が1.44のSiO2 を交互
に、しかも、その膜厚が表4に示した様に積層した誘電
体光学薄膜31を配すと共に、上記誘電体光学薄膜31
と対応する面には中心波長が1.064μmである場合
に屈折率が1.44であって、中心波長が1.064μ
mである場合に光学的膜厚が0.250であり、その分
光反射特性が図8に示されるSiO2 反射防止膜32を
配し、第二高調波発生素子4としては、中心波長が1.
064μmである場合に屈折率が1.44であり、中心
波長が1.064μmである場合にその光学的膜厚が
0.306である2層のSiO2 薄膜の間に、中心波長
が1.064μmである場合に屈折率が1.59であ
り、中心波長が1.064μmである場合に光学的膜厚
が0.136であるAl2 3 の多層反射防止膜41を
半導体レーザ入出射の両面に配したKTiOPO4 を用
いた。
【0037】
【表4】
【0038】また、出力鏡5の固体レーザ素子側になる
面には基本波を反射させる機能を有する様に、中心波長
が1.064μmである場合に屈折率が1.95のTa
2 5 と、同じく中心波長が1.064μmである場合
に屈折率が1.44のSiO2 を、夫々、表5に示した
光学的膜厚となる様に、交互に積層した誘電体光学薄膜
51を配した従来の形式の第二高調波レーザ発振装置を
用い、上記と同様な出力試験を行った結果は表3に提示
した値を示し、本発明が優れている事を示している。
【0039】
【表5】
【0040】(比較例2)図5に示した様に、固体レー
ザ素子3として利用されているNd:YVO4 の半導体
レーザ励起装置側になる面には基本波を反射させる機能
を有する様に、中心波長が1.064μmである場合に
屈折率が1.44のSiO2 と、同じく中心波長が1.
064μmである場合に屈折率が1.95のTa2 5
とを表1に示す様な膜厚で交互に積層した誘電体光学薄
膜311を配すと共に、上記誘電体光学薄膜311と対
応する面には中心波長が1.064μmである場合に屈
折率が1.44であって、同じく中心波長が1.064
μmである場合に光学的膜厚が0.250であり、その
分光反射特性が図8に示されるSiO2 からなる反射防
止膜32を配し、第二高調波発生素子4としては、これ
が固体レーザ素子3に対応する面に対しては中心波長が
1.064μmである場合に屈折率が1.44のSiO
2 と、同じく中心波長が1.064μmである場合に屈
折率が1.85のHfO2 を表6に示した光学的膜厚と
なる様に積層した誘電体光学薄膜411を配した。
【0041】
【表6】
【0042】また、前記誘電体光学薄膜411と対応す
る面には、中心波長が1.064μmである場合に屈折
率が1.44であり、同じく中心波長が1.064μm
である場合に光学的膜厚が0.306である2層のSi
2 薄膜の間に、中心波長が1.064μmである場合
に屈折率が1.59であり、同じく中心波長が1.06
4μmである場合に光学的膜厚が0.136であるAl
2 3 薄膜を配した誘電体光学薄膜41を配したKTi
OPO4 を用い、出力鏡5の固体レーザ素子側になる面
には基本波を反射させる機能を有する様に、中心波長が
1.064μmである場合に屈折率が1.95のTa2
5 と同じく中心波長が1.064μmである場合に屈
折率が1.44のSiO2 を、夫々、表5に示した光学
的膜厚となる様に、交互に積層した誘電体光学薄膜51
を配した第二高調波レーザ発振装置を用い、上記と同様
な出力試験を行った結果は表6に提示した値を示し、本
発明が優れている事を示している。
【0043】なお、自記分光光度計を用いて測定した、
誘電体光学薄膜31の反射率を図9に、誘電体光学薄膜
41の反射率を図10に、誘電体光学薄膜411の反射
率を図11に、誘電体光学薄膜51の反射率を図12に
示す。
【0044】
【発明の効果】本発明による異なった誘電体光学薄膜を
レーザ入出射面に配した固体レーザ素子を用いるとき
は、以上の如くして、レーザの励起入力が増大するほ
ど、これに伴って発振される第二高調波の出力割合を向
上させ得る為、斯装置を利用する業界に大なる貢献を為
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の固体レーザ素子の側面図。
【図2】は本発明の第二高調波レーザ発振装置の概要
図。
【図3】は第二高調波レーザ発振装置の一般的概要図。
【図4】は従来例の第二高調波レーザ発振装置の概要
図。
【図5】は他の従来例の第二高調波レーザ発振装置の概
要図。
【図6】は誘電体光学薄膜311の反射率変化状況を示
した図。
【図7】は誘電体光学薄膜412の反射率変化状況を示
した図。
【図8】は誘電体光学薄膜32の反射率変化状況を示し
た図。
【図9】は誘電体光学薄膜31の反射率変化状況を示し
た図。
【図10】は誘電体光学薄膜41の反射率変化状況を示
した図。
【図11】は誘電体光学薄膜411の反射率変化状況を
示した図。
【図12】は誘電体光学薄膜51の反射率変化状況を示
した図。
【符号の説明】
1:半導体レーザ励起装置 2:集光レンズ 3:固体レーザ素子 4:第二高調波発生素子 5:出力鏡 10:Nd:YVO4 20:KTiOPO4 31:誘電体光学薄膜 311:誘電体光学薄膜 32:誘電体光学薄膜 41:誘電体光学薄膜 411:誘電体光学薄膜 412:誘電体光学薄膜 51:誘電体光学薄膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】半導体レーザによって励起される固体レ
ーザの第二高調波は、その波長が短いという特性を生か
して、高密度記録媒体である光ディスク等の記録並びに
更生を目的としたレーザ装置、加工用レーザ装置および
学術研究用レーザ装置として利用される事が予想されて
居り、各所で研究が進められている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】この場合、図4に示した様に、固体レーザ
素子3として利用されているNd:YVO4 はその半導
体レーザ側になる面には基本波と第二高調波を共に反射
させる機能を有した誘電体光学薄膜31を配すと共に、
上記誘電体光学薄膜31と対応する面にはSiO2 から
なる基本波の反射防止膜32を配し、第二高調波発生素
子4としては、レーザ入出力の両面にSiO2 とAl2
3 からなる基本波の多層反射防止膜41を配したKT
iOPO4 を用い、出力鏡5の固体レーザ素子側になる
面には基本波を反射させる機能を有した誘電体光学薄膜
51を配した第二高調波レーザ発振装置、若しくは、図
5に示した様な、固体レーザ素子3として利用されてい
るNd:YVO4 半導体レーザ側になる面には基本波
を反射させる機能を有した誘電体光学薄膜311を配す
と共に、上記誘電体光学薄膜311と対応する面にはS
iO2 からなる基本波の反射防止膜32を配し、第二高
調波発生素子4としては固体レーザ素子3に対応する面
にSiO2 とHfO2 の積層からなる誘電体光学薄膜4
11を配し、前記誘電体光学薄膜411と対応する面に
SiO2 とAl2 3 からなる基本波の多層反射防止膜
41を配したKTiOPO4 を用い、出力鏡5の第二高
調波発生素子側になる面には基本波を反射させる機能を
有した誘電体光学薄膜51を、夫々配した第二高調波レ
ーザ発振装置等が利用されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明は上記の固体レーザ素子を用いた高
調波レーザ発振装置として、半導体レーザと、集光レン
ズと、固体レーザ素子と、第二高調波発生素子と、出力
鏡とからなり、これらの各部が記載順に位置された半導
体レーザ励起による第二高調波レーザ発振装置にあっ
て、その一部を構成する固体レーザ素子として上記の発
明になる固体レーザ素子を利用し、NdドープYVO4
結晶のレーザ透過の左右両端面に誘電体光学薄膜を配し
た固体レーザ素子の集光レンズに対応する端面には合計
15〜41層に亘ってSiO2 とTa2 5 とを交互に
積層した誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基本波に対
して高反射率を示す膜厚に調整されて配されると共に、
同一固体レーザ素子の第二高調波発生素子と対応する端
面には合計17〜51層に亘ってSiO2 とHfO2
を交互に積層した誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基
本波に対しては高透過率を示しながら第二高調波に対し
ては高反射率を示す膜厚に調整されて配され、第二高調
波発生素子としてはKTiOPO4 が配された第二高調
波レーザ発振装置を開示する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【実施例】 (実施例1) NdドープYVO4 の結晶より縦横3m
m、厚さ1mmの固体レーザ素子を切り出し、半導体レ
ーザの入出射する面を光学的に見て平滑に成る様に研磨
した後、先ず低屈折率物質であるSiO2 と高屈折率物
質であるTa25 とを用いて、半導体レーザの入射面
に対して、SiO2 とTa2 5 との両者を交互に蒸着
して得られた誘電体光学薄膜を生成させた後、半導体レ
ーザの入射面に相対する面に対しても低屈折率物質であ
るSiO2 と高屈折率物質であるHfO2 とを用い上記
の方法と同様にして誘電体光学薄膜を蒸着させた。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の如くして得られたNdドープYVO
4 を基板とし、その上面に中心波長が1.064μmで
ある場合に1.44の屈折率を示すSiO2 と、同じく
中心波長が1.064μmである場合に1.95の屈折
率を示すTa2 5 とで構成された誘電体光学薄膜31
1の光学的膜厚をその中心波長が1064μmである
場合について表1に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【比較例】 (比較例1)図4に示した様に、固体レーザ素子3とし
て利用されているNd:YVO4 半導体レーザ側にな
る面には基本波と第二高調波を共に反射させる機能を有
した中心波長が1.064μmである場合に屈折率が
1.95のTa2 5 と、中心波長が1.064μmで
ある場合に屈折率が1.44のSiO2 を交互に、しか
も、その膜厚が表4に示した様に積層した誘電体光学薄
膜31を配すと共に、上記誘電体光学薄膜31と対応す
る面には中心波長が1.064μmである場合に屈折率
が1.44であって、中心波長が1.064μmである
場合に光学的膜厚が0.250であり、その分光反射特
性が図8に示されるSiO2 反射防止膜32を配し、第
二高調波発生素子4としては、中心波長が1.064μ
mである場合に屈折率が1.44であり、中心波長が
1.064μmである場合にその光学的膜厚が0.30
6である2層のSiO2 薄膜の間に、中心波長が1.0
64μmである場合に屈折率が1.59であり、中心波
長が1.064μmである場合に光学的膜厚が0.13
6であるAl2 3 の多層反射防止膜41を半導体レー
ザ入出射の両面に配したKTiOPO4 を用いた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】(比較例2)図5に示した様に、固体レー
ザ素子3として利用されているNd:YVO4 半導体
レーザ側になる面には基本波を反射させる機能を有する
様に、中心波長が1.064μmである場合に屈折率が
1.44のSiO2 と、同じく中心波長が1.064μ
mである場合に屈折率が1.95のTa2 5 とを表1
に示す様な膜厚で交互に積層した誘電体光学薄膜311
を配すと共に、上記誘電体光学薄膜311と対応する面
には中心波長が1.064μmである場合に屈折率が
1.44であって、同じく中心波長が1.064μmで
ある場合に光学的膜厚が0.250であり、その分光反
射特性が図8に示されるSiO2 からなる反射防止膜3
2を配し、第二高調波発生素子4としては、これが固体
レーザ素子3に対応する面に対しては中心波長が1.0
64μmである場合に屈折率が1.44のSiO2 と、
同じく中心波長が1.064μmである場合に屈折率が
1.85のHfO2 を表6に示した光学的膜厚となる様
に積層した誘電体光学薄膜411を配した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NdドープYVO4 結晶のレーザ透過の
    一端面には基本波に対して高反射率を有する誘電体光学
    薄膜が施され、これと相対するレーザ透過の他の端面に
    は基本波に対しては高透過率を保持しながら、第二高調
    波に対しては高反射率を有する誘電体光学薄膜が配され
    ている事を特徴とする固体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 NdドープYVO4 結晶のレーザ透過の
    一端面には合計15〜41層に亘ってSiO2 膜とTa
    2 5 膜とを交互に積層した誘電体光学薄膜が、夫々結
    果的に、基本波に対して高反射率を示す膜厚に調整され
    て配されると共に、上記の誘電体光学薄膜の配された端
    面と対応する同一結晶のレーザ透過の他の端面には合計
    17〜51層に亘ってSiO2 膜とHfO2 膜とを交互
    に積層した誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基本波に
    対しては高透過率を示しながら第二高調波に対しては高
    反射率を示す膜厚に調整されて配された事を特徴とする
    固体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 NdドープYVO4 結晶のレーザ透過の
    一端面に配された誘電体光学薄膜は中心波長1.064
    μmの場合の屈折率が1.43以上1.45以下である
    SiO2 膜と、同じく中心波長1.064μmの場合の
    屈折率が1.93以上2.03以下であるTa2 5
    とが相互に積層されたものであり、これと対応するNd
    ドープYVO4 結晶のレーザ透過の他の端面には、中心
    波長1.064μmの場合の屈折率が1.43以上1.
    45であるSiO2 膜と、同じく中心波長1.064μ
    mの場合の屈折率が1.83以上1.93以下であるH
    fO2 膜とが交互に積層された誘電体光学薄膜を構成す
    る夫々の膜厚とが、いずれも中心波長1.064μmの
    場合に於ける光学的膜厚を0.05以上0.60以下に
    調整されると共に、積層された誘電体光学薄膜の膜厚
    は、各膜の膜厚の多変数関数としてなる多層膜の反射率
    と、目的の波長に於ける反射率との差が最小になる様に
    設定して得た各層毎の膜厚とし、シンプレックス法を用
    いて算出された膜厚に調整されている事を特徴とする請
    求項1または請求項2記載の固体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 半導体レーザ励起装置と、集光レンズ
    と、固体レーザ素子と、第二高調波発生素子と、出力鏡
    とからなり、これらの各部が記載順に位置された半導体
    レーザ励起による第二高調波レーザ発振装置にあって、
    その一部を構成するNdドープYVO4 結晶のレーザ透
    過の左右両端面に誘電体光学薄膜を配した固体レーザ素
    子の集光レンズに対応する端面には合計15〜41層に
    亘ってSiO2 とTa2 5 とを交互に積層した誘電体
    光学薄膜が、夫々結果的に、基本波に対して高反射率を
    示す膜厚に調整されて配されると共に、前記固体レーザ
    素子の第二高調波発生素子と対応する端面には合計17
    〜51層に亘ってSiO2 とHfO2 とを交互に積層し
    た誘電体光学薄膜が、夫々結果的に、基本波に対しては
    高透過率を示しながら第二高調波に対しては高反射率を
    示す膜厚に調整されて配され、第二高調波発生素子とし
    てはKTiOPO4 が配された事を特徴とする第二高調
    波レーザ発振装置。
  5. 【請求項5】 固体レーザ素子として請求項3に記載さ
    れた固体レーザ素子が配置されている事を特徴とする請
    求項4記載の第二高調波レーザ発振装置。
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