JPH0777601A - 二波長反射防止膜 - Google Patents
二波長反射防止膜Info
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- JPH0777601A JPH0777601A JP5246445A JP24644593A JPH0777601A JP H0777601 A JPH0777601 A JP H0777601A JP 5246445 A JP5246445 A JP 5246445A JP 24644593 A JP24644593 A JP 24644593A JP H0777601 A JPH0777601 A JP H0777601A
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Abstract
た安価な二波長反射防止膜を実現できる。 【構成】 BK7ガラス製の基板1の表面にMgF2 の
第1層2a、Al2 O3の第2層2b、SiO2 の第3
層2c、MgF2 の第4層2dからなる4層膜2を設け
る。これらの材料はすべて屈折率1.7以下であり、各
層の光学膜厚はすべて中心波長λ0 (709.3nm)
の1/4である。中心波長λ0 は、Nd:YAGレーザ
の基本波の波長λ1 (1064nm)と2倍高調波の波
長λ2 (532nm)から以下の式によって求められた
ものであり、4層膜2は両波長λ1、λ2 においてすぐ
れた反射防止特性を有する。 2/λ0 =1/λ1 +1/λ2
Description
2倍高調波のように高出力で波長の異なる2つの光の反
射を防止する二波長反射防止膜に関するものである。
のように高出力で波長の異なる2つの光の反射を防止す
る二波長反射防止膜として、例えば、屈折率1.52の
基板上に屈折率1.82のλ/4膜、屈折率1.585
のλ/4膜、屈折率1.38のλ/4膜(λ=707n
m)の3層からなる二波長反射防止膜を設け、YAGレ
ーザの基本波(波長1064nm)と2倍高調波(波長
532nm)の2つの光の反射を防止する二波長反射防
止膜(THIN−FILM OPTICAL FILT
ERS 2nd edition;H.A.Macle
od Macmillan Publishing C
ompany NY p126参照)や、波長変換素子
KTP(KTiOPO4 結晶:屈折率可視域で1.7〜
1.85)にYAGレーザの基本波と2倍高調波の2つ
の光の反射を防止する二波長反射防止膜を設けたもの
(特開平2−247601号公報、特開平4−3338
34号公報参照)や、2つの光のうちの一方の反射防止
特性をくずさないための不関与層を用いて各光に対する
反射防止特性を有する2つの多層膜を組合わせたもの
(特開平2−127601号公報、特開平1−1677
01号公報参照)等が開発されている。これらは、3層
ないし5層のうちの一層に屈折率1.7以上のY2O3
やTiO2 等の高屈折率材料を用いるものであり、この
ような高屈折率材料は一般に吸収が大きいためにレーザ
光等の高出力の光に対する耐久性が低い傾向がある。
の技術によれば、いずれも前述のように、3層ないし5
層からなる多層膜の一部に吸収が大きい高屈折率材料を
用いるものであるため、高出力のレーザ光に対する耐久
性が極めて低い。また、5層膜のように層数が多く、さ
らに、各層の光学膜厚がそれぞれ異なる場合などは製造
工程が複雑化するために製造コストが上昇する。
に鑑みてなされたものであり、高出力のレーザ光等の光
に対する耐久性にすぐれた安価な二波長反射防止膜を提
供することを目的とするものである。
めに本発明の二波長反射防止膜は、基板の表面に設けら
れた多層膜を有し、該多層膜が、それぞれ所定の光学膜
厚またはその整数倍の光学膜厚を有する複数の薄膜から
なる二波長反射防止膜であって、各薄膜が屈折率1.7
以下の材料で作られていることを特徴とする。
F2 、またはAl2 O3 とMgF2であるとよい。
づいて算出された中心波長の1/4に等しいとよい。
の材料のみを用いることによって、光の吸収を低減し、
高出力のレーザ光等に対する耐久性を向上させる。薄膜
の材料をAl2 O3 とSiO2 とMgF2 の組合わせ、
あるいはAl2 O3 とMgF2 の組合わせにすることに
より、2つの異る所定の波長の光に対してすぐれた反射
防止特性を有する二波長反射防止膜を実現できる。各薄
膜の光学膜厚が所定の光学膜厚またはその整数倍である
ために、製造工程が複雑化するおそれもない。
K7ガラス製の基板1の表面にMgF2 の薄膜である第
1層2a、Al2 O3 の薄膜である第2層2b、SiO
2 の薄膜である第3層2c、MgF2 の薄膜である第4
層2dからなる多層膜である4層膜2を設けたもので、
各層の光学膜厚はいずれも中心波長λ0(709.3n
m)の1/4、すなわち177.4nmである。中心波
長λ0 は、Nd:YAGレーザの基本波の波長λ1 (1
064nm)と2倍高調波の波長λ2 (532nm)か
ら以下の式によって求められたものである。
00℃に加熱して行われた。
率の分光特性を測定した結果を示す。この図から解るよ
うに、本実施例の二波長反射防止膜はNd:YAGレー
ザの基本波と2倍高調波のそれぞれの波長1064nm
と532nmにおいて反射率が0.2%以下であり、二
波長反射防止膜としてすぐれた反射防止特性を有する。
また、本実施例の二波長反射防止膜のレーザ耐力(レー
ザ損傷しきい値)をパルスNd:YAGレーザを用いて
測定したところ、基本波(1064nm)に対するレー
ザ耐力は10.5J/cm2 、2倍高調波(532n
m)に対するレーザ耐力は9.3J/cm2 と極めて高
いことが判明した。
P結晶等の波長変換素子の窓や、波長変換後の二波長共
通の光学系のレンズ等に適している。
心波長λ0 (709.3nm)の1/3を中心波長とす
る2つの波長、266nmと212.7nmにおいても
反射防止特性を有する。波長266nmは前記Nd:Y
AGレーザの4倍高調波の波長であるから、本実施例の
二波長反射防止膜は前記レーザの基本波、2倍高調波お
よび4倍高調波に対してすぐれた反射防止特性を有する
三波長反射防止膜として用いることもできる。しかしな
がら4倍高調波に対する反射防止特性は極めて狭い波長
領域に限られるため、成膜時に高精度の膜厚制御を必要
とする。そこで本実施例の一変形例として本実施例と同
様の4層膜を紫外域まで透過率の高い合成石英基板上に
設けた。本変形例の二波長反射防止膜の反射率の分光特
性を測定した結果を図3に示す。この図から、本変形例
の二波長反射防止膜はNd:YAGレーザの4倍高調波
(266nm)に対しても反射率が0.6%以下であ
り、基本波と2倍高調波と4倍高調波に対してすぐれた
反射防止特性を有する三波長反射防止膜であることが解
る。
面にAl2 O3 の薄膜である第1層と、SiO2 の薄膜
である第2層と、MgF2 の薄膜である第3層からなる
多層膜である3層膜を設け、BK7ガラス製の基板を用
いたものをサンプルA、合成石英の基板を用いたものを
サンプルBとした。なお、サンプルA,Bともに、3層
膜の各層の光学膜厚は第1実施例と同じ中心波長λ0
(709.3nm)の1/4、すなわち177.4nm
とした。
光特性をそれぞれ曲線a,bで示す。この図から解るよ
うに、サンプルBすなわち合成石英を基板とするものは
Nd:YAGレーザの基本波(1064nm)と2倍高
調波(532nm)に対して反射率が0.6%以下であ
るが、サンプルAすなわち、BKガラス性の基板を用い
たものは反射率が0.8%程度である。
すぐれた二波長反射防止膜として、BKガラス製の基板
と合成石英の基板のそれぞれの表面にMgF2 の薄膜で
ある第1層と、Al2 O3 の薄膜である第2層と、Mg
F2 の薄膜である第3層からなる多層膜である3層膜を
設け、BKガラス製の基板を用いたものをサンプルC、
合成石英の基板を用いたものをサンプルDとした。な
お、サンプルC,Dともに3層膜の第1層および第2層
の光学膜厚は中心波長λ0 (709.3nm)の1/
2、すなわち354.6nm、第3層の光学膜厚は中心
波長λ0 (709.3nm)の1/4、すなわち17
7.4nmとした。
光特性をそれぞれ曲線c,dで示す。この図から解るよ
うに、サンプルCはNd:YAGレーザの基本波の波長
λ1(1064nm)と2倍高調波の波長λ2 (532
nm)において反射率が0.2%以下であり、またサン
プルDの反射率もこれらの波長において0.3%以下で
あり、極めてすぐれた二波長反射防止膜である。このよ
うに3層膜でも材料の組合わせを工夫することにより、
充分な2波長反射防止特性を得ることができる。さら
に、サンプルA〜Dのレーザ耐力をパルスNd:YAG
レーザを用いて測定したところ、表1に示すように、す
べてのサンプルのレーザ耐力が基本波で約11J/cm
2 、2倍高調波で約10J/cm2 と極めて高いことが
判明した。なお、Al2 O3 ,SiO2 およびMgF2
は、単層膜を成膜した場合にそれぞれ極めて高いレーザ
耐力を示す材料である。
率に応じて4層または5層の二波長反射防止膜を設け
る。まず、レーザ光の波長変換素子として用いられる非
線形光学材料であるKD2 PO4 結晶(DKDP)に第
1実施例と同じくMgF2 の薄膜である第1層と、Al
2 O3 の薄膜である第2層と、SiO2 の薄膜である第
3層と、MgF2 の薄膜である第4層からなる多層膜で
ある4層膜を設け、これをサンプルEとした。Nd:Y
AGレーザの2倍高調波に対するKD2 PO4 結晶の屈
折率は1.47であり、各層の光学膜厚は第1実施例と
同様に中心波長λ0 (709.3nm)の1/4とし
た。またβ−BaB2 O4 結晶(BBO)にAl2 O3
の薄膜である第1層、MgF2 の薄膜である第2層、A
l2 O3 の薄膜である第3層、SiO2 の薄膜である第
4層、MgF2 の薄膜である第5層からなる多層膜であ
る5層膜を設け、これをサンプルFとした。β−BaB
2 O4 結晶の前記2倍高調波に対する屈折率は1.66
であり、各層の光学膜厚はサンプルEと同じく中心波長
λ0 の1/4とした。また、同じくβ−BaB2 O4 結
晶にSiO2 の薄膜である第1層、MgF2 の薄膜であ
る第2層、Al2 O3 の薄膜である第3層、SiO2 の
薄膜である第4層、MgF2 の薄膜である第5層からな
る多層膜である5層膜を設け、これをサンプルGとし
た。各層の光学膜厚はサンプルE,Fと同じく中心波長
λ0 の1/4とした。さらに、KTiOPO4 結晶(K
TP)にAl2 O3 の薄膜である第1層、MgF2 の薄
膜である第2層、Al2 O3 の薄膜である第3層、Si
O2 の薄膜である第4層、MgF2 の薄膜である第5層
からなる多層膜である5層膜を設け、これをサンプルI
とした。KTiOPO4 結晶の前記2倍高調波に対する
屈折率は1.78であり、各層の光学膜厚はサンプルE
〜Gと同じく中心波長λ0 の1/4とした。サンプルE
の反射率の分光特性を図6に曲線eで示し、サンプル
F,Gの反射率の分光特性を図7に曲線f,gで示し、
サンプルIの反射率の分光特性を図8に曲線iで示す。
またNd:YAGレーザの基本波(1064nm)と2
倍高調波(532nm)に対する各サンプルの反射率は
表2に示すようにいずれも0.3%以下であり、いずれ
も極めてすぐれた二波長反射防止膜であることが判明し
た。
例の4層膜、3層膜と同様に極めて高いことが実験によ
って判明している。さらに、本実施例の基体の屈折率は
1.47〜1.78であるが、コンピュータによるシミ
ュレーションの結果、基体あるいは基板の屈折率が1.
38から1.85の範囲であれば、本実施例と同様に反
射防止特性のすぐれた二波長反射防止膜を得ることがで
きることが判明した。
で、以下に記載するような効果を奏する。
すぐれた安価な二波長反射防止膜を実現できる。
ある。
すグラフである。
れぞれの反射率の分光特性を示すグラフである。
れぞれの反射率の分光特性を示すグラフである。
示すグラフである。
れぞれの反射率の分光特性を示すグラフである。
示すグラフである。
のように高出力で波長の異なる2つの光の反射を防止す
る二波長反射防止膜として、例えば、屈折率1.52の
基板上に屈折率1.82のλ/4膜、屈折率1.585
のλ/4膜、屈折率1.38のλ/4膜(λ=707n
m)の3層からなる二波長反射防止膜を設け、YAGレ
ーザの基本波(波長1064nm)と2倍高調波(波長
532nm)の2つの光の反射を防止する二波長反射防
止膜(THIN−FILM OPTICAL FILT
ERS 2nd edition;H.A.Macle
od Macmillan Publishing C
ompany NY p126参照)や、波長変換素子
KTP(KTiOPO4 結晶:屈折率可視域で1.7〜
1.85)にYAGレーザの基本波と2倍高調波の2つ
の光の反射を防止する二波長反射防止膜を設けたもの
(特開平2−247601号公報、特開平4−3338
34号公報参照)や、2つの光のうちの一方の反射防止
特性をくずさないための不関与層を用いて各光に対する
反射防止特性を有する2つの多層膜を組合わせたもの
(特開平2−127601号公報、特開平1−1677
01号公報参照)等が開発されている。これらは、3層
ないし5層のうちの一層に屈折率1.7より大きいY2
O3 やTiO2 等の高屈折率材料を用いるものであり、
このような高屈折率材料は一般に吸収が大きいためにレ
ーザ光等の高出力の光に対する耐久性が低い傾向があ
る。
K7ガラス製(中心波長λ0 のときの屈折率1.51
2)の基板1の表面にMgF2 (中心波長λ0 のときの
屈折率1.378)の薄膜である第1層2a、Al2 O
3 (中心波長λ0 のときの屈折率1.615)の薄膜で
ある第2層2b、SiO2 (中心波長λ0 のときの屈折
率1.463)の薄膜である第3層2c、MgF2 (中
心波長λ0 のときの屈折率1.378)の薄膜である第
4層2dからなる多層膜である4層膜2を設けたもの
で、各層の光学膜厚(nd)はいずれも中心波長λ0
(709.3nm)の1/4、すなわち177.4nm
である。中心波長λ0 は、Nd:YAGレーザの基本波
の波長λ1 (1064nm)と2倍高調波の波長λ2
(532nm)から以下の式によって求められたもので
ある。
射率の分光特性を測定した結果を示す。この図から解る
ように、本実施例の二波長反射防止膜はNd:YAGレ
ーザの基本波と2倍高調波のそれぞれの波長1064n
mと532nmにおいて反射率が0.2%以下であり、
二波長反射防止膜としてすぐれた反射防止特性を有す
る。また、本実施例の二波長反射防止膜のレーザ耐力
(レーザ損傷しきい値)をパルス幅1nsのパルスN
d:YAGレーザを用いて測定したところ、基本波(1
064nm)に対するレーザ耐力は10.5J/cm
2 、2倍高調波(532nm)に対するレーザ耐力は
9.3J/cm2 と極めて高いことが判明した。
2)の基板と合成石英(中心波長λ0 のときの屈折率
1.463)の基板のそれぞれの表面にAl2 O3 (中
心波長λ0 のときの屈折率1.615)の薄膜である第
1層と、SiO2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.4
63)の薄膜である第2層と、MgF2 (中心波長λ0
のときの屈折率1.378)の薄膜である第3層からな
る多層膜である3層膜を設け、BK7ガラス製の基板を
用いたものをサンプルA、合成石英の基板を用いたもの
をサンプルBとした。なお、サンプルA,Bともに、3
層膜の各層の光学膜厚(nd)は第1実施例と同じ中心
波長λ0 (709.3nm)の1/4、すなわち17
7.4nmとした。
のすぐれた二波長反射防止膜として、BKガラス製(中
心波長λ0 のときの屈折率1.512)の基板と合成石
英(中心波長λ0 のときの屈折率1.463)の基板の
それぞれの表面にMgF2 (中心波長λ0 のときの屈折
率1.378)の薄膜である第1層と、Al2 O3 (中
心波長λ0 のときの屈折率1.615)の薄膜である第
2層と、MgF2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.3
78)の薄膜である第3層からなる多層膜である3層膜
を設け、BKガラス製の基板を用いたものをサンプル
C、合成石英の基板を用いたものをサンプルDとした。
なお、サンプルC,Dともに3層膜の第1層および第2
層の光学膜厚(nd)は中心波長λ0 (709.3n
m)の1/2、すなわち354.6nm、第3層の光学
膜厚(nd)は中心波長λ0 (709.3nm)の1/
4、すなわち177.4nmとした。
分光特性をそれぞれ曲線c,dで示す。この図から解る
ように、サンプルCはNd:YAGレーザの基本波の波
長λ1 (1064nm)と2倍高調波の波長λ2 (53
2nm)において反射率が0.2%以下であり、またサ
ンプルDの反射率もこれらの波長において0.3%以下
であり、極めてすぐれた二波長反射防止膜である。この
ように3層膜でも材料の組合わせを工夫することによ
り、充分な2波長反射防止特性を得ることができる。さ
らに、サンプルA〜Dのレーザ耐力をパルスNd:YA
Gレーザ(パルス幅1ns)を用いて測定したところ、
以下の表1に示すように、すべてのサンプルのレーザ耐
力が基本波で約11J/cm2 、2倍高調波で約10J
/cm2 と極めて高いことが判明した。なお、Al2 O
3 ,SiO2 およびMgF2 は、単層膜を成膜した場合
にそれぞれ極めて高いレーザ耐力を示す材料である。
率に応じて4層または5層の二波長反射防止膜を設け
る。まず、レーザ光の波長変換素子として用いられる非
線形光学材料であるKD2 PO4 結晶(DKDP)に第
1実施例と同じくMgF2 (中心波長λ0 のときの屈折
率1.378)の薄膜である第1層と、Al2 O3 (中
心波長λ0 のときの屈折率1.615)の薄膜である第
2層と、SiO2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.4
63)の薄膜である第3層と、MgF2 (中心波長λ0
のときの屈折率1.378)の薄膜である第4層からな
る多層膜である4層膜を設け、これをサンプルEとし
た。Nd:YAGレーザの2倍高調波(532nm)に
対するKD2 PO4 結晶の屈折率は1.47であり、各
層の光学膜厚(nd)は第1実施例と同様に中心波長λ
0 (709.3nm)の1/4とした。またβ−BaB
2 O4 結晶(BBO)にAl2 O3 (中心波長λ 0 のと
きの屈折率1.615)の薄膜である第1層、MgF2
(中心波長λ0 のときの屈折率1.378)の薄膜であ
る第2層、Al2 O3 (中心波長λ0 のときの屈折率
1.615)の薄膜である第3層、SiO2 (中心波長
λ0 のときの屈折率1.463)の薄膜である第4層、
MgF2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.378)の
薄膜である第5層からなる多層膜である5層膜を設け、
これをサンプルFとした。β−BaB2 O4 結晶の前記
2倍高調波(532nm)に対する屈折率は1.66で
あり、各層の光学膜厚(nd)はサンプルEと同じく中
心波長λ0 (709.3nm)の1/4とした。また、
同じくβ−BaB2 O4結晶にSiO2 (中心波長λ0
のときの屈折率1.463)の薄膜である第1層、Mg
F2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.378)の薄膜
である第2層、Al2 O3 (中心波長λ0 のときの屈折
率1.615)の薄膜である第3層、SiO2 (中心波
長λ0 のときの屈折率1.463)の薄膜である第4
層、MgF2 (中心波長λ0 のときの屈折率1.37
8)の薄膜である第5層からなる多層膜である5層膜を
設け、これをサンプルGとした。各層の光学膜厚(n
d)はサンプルE,Fと同じく中心波長λ0 (709.
3nm)の1/4とした。さらに、KTiOPO4 結晶
(KTP)にAl2 O3 (中心波長λ0 のときの屈折率
1.615)の薄膜である第1層、MgF2 (中心波長
λ0 のときの屈折率1.378)の薄膜である第2層、
Al2 O3 (中心波長λ0 のときの屈折率1.615)
の薄膜である第3層、SiO2 (中心波長λ0 のときの
屈折率1.463)の薄膜である第4層、MgF2 (中
心波長λ0 のときの屈折率1.378)の薄膜である第
5層からなる多層膜である5層膜を設け、これをサンプ
ルIとした。KTiOPO4 結晶の前記2倍高調波(5
32nm)に対する屈折率は1.78であり、各層の光
学膜厚(nd)はサンプルE〜Gと同じく中心波長λ0
(709.3nm)の1/4とした。サンプルEの反射
率の分光特性を図6に曲線eで示し、サンプルF,Gの
反射率の分光特性を図7に曲線f,gで示し、サンプル
Iの反射率の分光特性を図8に曲線iで示す。またN
d:YAGレーザの基本波(1064nm)と2倍高調
波(532nm)に対する各サンプルの反射率は以下の
表2に示すようにいずれも0.3%以下であり、いずれ
も極めてすぐれた二波長反射防止膜であることが判明し
た。
例の4層膜、3層膜と同様に極めて高いことが実験によ
って判明している。さらに、本実施例の基板の屈折率は
1.47〜1.78であるが、コンピュータによるシミ
ュレーションの結果、基板の屈折率が1.38から1.
85の範囲であれば、本実施例と同様に反射防止特性の
すぐれた二波長反射防止膜を得ることができることが判
明した。
Claims (7)
- 【請求項1】 基板の表面に設けられた多層膜を有し、
該多層膜が、それぞれ所定の光学膜厚またはその整数倍
の光学膜厚を有する複数の薄膜からなる二波長反射防止
膜であって、各薄膜が屈折率1.7以下の材料で作られ
ていることを特徴とする二波長反射防止膜。 - 【請求項2】 薄膜の材料がAl2 O3 とSiO2 とM
gF2 、またはAl2 O3 とMgF2 であることを特徴
とする請求項1記載の二波長反射防止膜。 - 【請求項3】 所定の光学膜厚が、2つの異なる波長に
基づいて算出された中心波長の1/4に等しいことを特
徴とする請求項1または2記載の二波長反射防止膜。 - 【請求項4】 多層膜が3層膜であって、各薄膜の材料
が、基板の表面に近い順にMgF2 、Al2 O3 、Mg
F2 であり、各薄膜の光学膜厚が前記の順にそれぞれ中
心波長の1/2、1/2、1/4に等しいことを特徴と
する請求項3記載の二波長反射防止膜。 - 【請求項5】 多層膜が4層膜であって、各薄膜の材料
が、基板の表面に近い順にMgF2 、Al2 O3 、Si
O2 、MgF2 であり、各薄膜の光学膜厚が中心波長の
1/4に等しいことを特徴とする請求項3記載の二波長
反射防止膜。 - 【請求項6】 多層膜が5層膜であって、各薄膜の材料
が、基板の表面に近い順にAl2 O3 、MgF2 、Al
2 O3 、SiO2 、MgF2 であり、各薄膜の光学膜厚
が中心波長の1/4に等しいことを特徴とする請求項3
記載の二波長反射防止膜。 - 【請求項7】 多層膜が5層膜であって、各薄膜の材料
が、基板の表面に近い順にSiO2 、MgF2 、Al2
O3 、SiO2 、MgF2 であり、各薄膜の光学膜厚が
中心波長の1/4に等しいことを特徴とする請求項3記
載の二波長反射防止膜。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24644593A JP3224316B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 二波長反射防止膜 |
US08/299,402 US5557466A (en) | 1993-09-07 | 1994-09-01 | Two-wavelength antireflection film |
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