JP2725043B2 - 広帯域ハーフミラー - Google Patents
広帯域ハーフミラーInfo
- Publication number
- JP2725043B2 JP2725043B2 JP1034564A JP3456489A JP2725043B2 JP 2725043 B2 JP2725043 B2 JP 2725043B2 JP 1034564 A JP1034564 A JP 1034564A JP 3456489 A JP3456489 A JP 3456489A JP 2725043 B2 JP2725043 B2 JP 2725043B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- half mirror
- sub
- light
- refractive index
- lambda
- Prior art date
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- Optical Filters (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、可視光から赤外光に及ぶ広い波長域で使用
可能なハーフミラーに関する。
可能なハーフミラーに関する。
従来の可視域用ハーフミラーとしては、例えばnsub／
(nH・nL)2/airなる膜構成を有し、nHにTiO2（屈折率nH＝
2.35）を、又nLにMgF2（屈折率nL＝1.38）を用い中心波
長をλ0とし、各膜の光学的膜厚をλ0/4とした４層膜ハ
ーフミラーが使用されている。その分光透過・反射率特
性を第３図に示す。第３図において、（１）は垂直入射
用、（２）は45°入射用の場合を示し、実線は透過率を
示し、点線は反射率を示す。45°入射の場合の膜厚は45
°入射用に補正してある。以下のグラフについても同様
とする。さらに、45°入射の場合、反射率及び透過率は
偏光のＰ成分とＳ成分の平均値をとっている。
(nH・nL)2/airなる膜構成を有し、nHにTiO2（屈折率nH＝
2.35）を、又nLにMgF2（屈折率nL＝1.38）を用い中心波
長をλ0とし、各膜の光学的膜厚をλ0/4とした４層膜ハ
ーフミラーが使用されている。その分光透過・反射率特
性を第３図に示す。第３図において、（１）は垂直入射
用、（２）は45°入射用の場合を示し、実線は透過率を
示し、点線は反射率を示す。45°入射の場合の膜厚は45
°入射用に補正してある。以下のグラフについても同様
とする。さらに、45°入射の場合、反射率及び透過率は
偏光のＰ成分とＳ成分の平均値をとっている。
又、可視域から近赤外域にわたる広い波長範囲で使用
されるハーフミラーとしては、クロメルなどの金属薄膜
を透明な基板上に蒸着して作製したハーフミラーが知ら
れている。その分光透過・反射特性を第４図に示す。
されるハーフミラーとしては、クロメルなどの金属薄膜
を透明な基板上に蒸着して作製したハーフミラーが知ら
れている。その分光透過・反射特性を第４図に示す。
４層膜構成の誘電体ハーフミラーは、第３図の分光特
性に示されているように、透過光と反射光の光量比が可
視域では略1:1であるが、近赤外域では透過率が増加
し、反射率が減少するため、上記光量比が1:1とはなら
ず、使用波長域が狭くなる。帯域巾が狭いことから、製
作誤差により使用中心波長が設計値からずれたときは、
透過光及び反射光が着色し、ハーフミラーとして有効に
使用できないという問題があった。
性に示されているように、透過光と反射光の光量比が可
視域では略1:1であるが、近赤外域では透過率が増加
し、反射率が減少するため、上記光量比が1:1とはなら
ず、使用波長域が狭くなる。帯域巾が狭いことから、製
作誤差により使用中心波長が設計値からずれたときは、
透過光及び反射光が着色し、ハーフミラーとして有効に
使用できないという問題があった。
一方、クロメルなどの金属膜蒸着ハーフミラーは、第
４図に示されているように、分光特性が広い波長範囲に
わたって平坦ではあるものの、吸収が約40％にも達し、
光量の損失が大きいいう欠点があった。
４図に示されているように、分光特性が広い波長範囲に
わたって平坦ではあるものの、吸収が約40％にも達し、
光量の損失が大きいいう欠点があった。
本発明は、従来技術の有する上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、可視域から赤外域に及ぶ広い波長範
囲にわたって入射光を略1:1の光量比で透過光と反射光
とに分割し、しかもその際光量の損失を少ない誘電体多
層膜による広帯域ハーフミラーを提供することを目的と
する。
れたものであって、可視域から赤外域に及ぶ広い波長範
囲にわたって入射光を略1:1の光量比で透過光と反射光
とに分割し、しかもその際光量の損失を少ない誘電体多
層膜による広帯域ハーフミラーを提供することを目的と
する。
又、他の目的は、可視域で使用する場合に、製作誤差
に起因する中心波長のずれによって透過光及び反射光が
着色することの無いようなハーフミラーを提供すること
にある。
に起因する中心波長のずれによって透過光及び反射光が
着色することの無いようなハーフミラーを提供すること
にある。
上記目的を達するため、本発明の、広帯域ハーフミラ
ーにおいては、高屈折率誘電体物質nH1、nH2、……と、
低屈折率誘電体物質nL1、nL2、……の各λ0/2膜厚を有
する交互層を従来のnsub／(nH・nL)2／空気の４層膜誘電
体ハーフミラーに挿入することによって従来のハーフミ
ラーの持つ波長帯域を拡大している。
ーにおいては、高屈折率誘電体物質nH1、nH2、……と、
低屈折率誘電体物質nL1、nL2、……の各λ0/2膜厚を有
する交互層を従来のnsub／(nH・nL)2／空気の４層膜誘電
体ハーフミラーに挿入することによって従来のハーフミ
ラーの持つ波長帯域を拡大している。
すなわち、挿入する交互層は nsub≦nH1≦nH2≦………≦nHN、及び nsub≧nL1≧nL2≧………≧nHNとし、 （１）（2nH1・2nL1・2nH2・2nL2・……2nH(N-1)・2n
L(N-1)） 又は、 （２）（2nL1・2nH1・2nL2・2nH2・……2nH(N-2) ・2n
L(N-1) ・2nH(N-1) ）を、基板と(nHN・nHN)2の間に挿入す
る。
L(N-1)） 又は、 （２）（2nL1・2nH1・2nL2・2nH2・……2nH(N-2) ・2n
L(N-1) ・2nH(N-1) ）を、基板と(nHN・nHN)2の間に挿入す
る。
実施例について図面を参照して説明する。
第１図に、２つのハーフミラー（１）及び（２）の分
光透過・反射特性を示す。
光透過・反射特性を示す。
膜構成（１）1.51/（2nH1・2nL1）(nH2・nL2)2／空気 （２）1.51/（2.1nH1・2.2nL1）(nH2・1.1nL2)2／
空気 但し、nH1＝1.63,nH2＝2.35,nL1＝nL2＝1.38とした。
（１）は垂直入射用であり、（２）は45°入射用に膜厚
を補正したものであることは上述した通りである。
空気 但し、nH1＝1.63,nH2＝2.35,nL1＝nL2＝1.38とした。
（１）は垂直入射用であり、（２）は45°入射用に膜厚
を補正したものであることは上述した通りである。
図示の分光透過・反射特性から明らかなように、400n
m乃至700nmの可視域において、透過光と反射光は略1:1
に分割されているため、第３図に示す従来方式の４層膜
ハーフミラーと比較して透過光、反射光ともに着色せ
ず、極めて良好なハーフミラーとなっている。又、第４
図に示す従来方式のクロメルハーフミラーと比較すれ
ば、光の吸収が無いため光量の損失もほとんど無い。
m乃至700nmの可視域において、透過光と反射光は略1:1
に分割されているため、第３図に示す従来方式の４層膜
ハーフミラーと比較して透過光、反射光ともに着色せ
ず、極めて良好なハーフミラーとなっている。又、第４
図に示す従来方式のクロメルハーフミラーと比較すれ
ば、光の吸収が無いため光量の損失もほとんど無い。
第２図に、２つのハーフミラー（１）及び（２）の分
光透過・反射特性を示す。
光透過・反射特性を示す。
膜構成（１）1.51/（2nH1・2nL1・2nH2・2nL2）(nH3・n
L3)2／空気 （２）1.51/（2.1nH1・2.2nL1・2nH2・2.2nL2）
(nH3・1.1nL3)2／空気 但し、nH1＝1.63,nH2＝1.80,nH3＝2.35,nL1＝1.46,nL2
＝nL3＝1.38とした。
L3)2／空気 （２）1.51/（2.1nH1・2.2nL1・2nH2・2.2nL2）
(nH3・1.1nL3)2／空気 但し、nH1＝1.63,nH2＝1.80,nH3＝2.35,nL1＝1.46,nL2
＝nL3＝1.38とした。
（１）は垂直入射用であり、（２）は45°入射用に膜
厚を補正したものである。
厚を補正したものである。
第２図に分光特性を示す（１）と（２）の両実施例
は、可視域から近赤外域までにわたって使用される光学
系において有効なハーフミラーを提供するもので、400n
m乃至800nmの広い波長範囲で良好なハーフミラーとなっ
ている。従来方式のハーフミラーと対比するに、第３図
に示す４層膜ハーフミラーでは700nm乃至900nmの波長域
において透過光と反射光の比率が1:1から大きく崩れて
いる。又、第４図に示すクロメル蒸着のハーフミラーに
おいては、吸収が有るため光量の損失が大きい。
は、可視域から近赤外域までにわたって使用される光学
系において有効なハーフミラーを提供するもので、400n
m乃至800nmの広い波長範囲で良好なハーフミラーとなっ
ている。従来方式のハーフミラーと対比するに、第３図
に示す４層膜ハーフミラーでは700nm乃至900nmの波長域
において透過光と反射光の比率が1:1から大きく崩れて
いる。又、第４図に示すクロメル蒸着のハーフミラーに
おいては、吸収が有るため光量の損失が大きい。
上記実施例において、入射角０°及び45°以外の条件
で使用できるように、特許請求の範囲に記載の膜構成に
おいてλ0/2層及びλ0/4層の膜厚を当該目的に応じて補
正することも可能である。
で使用できるように、特許請求の範囲に記載の膜構成に
おいてλ0/2層及びλ0/4層の膜厚を当該目的に応じて補
正することも可能である。
さらに、λ0/2層及びλ0/4層の膜厚を補正することに
よっって、透過光と反射光の片方のみを使用してND（ニ
ュートラルデンシティ）フィルターとして働くように設
計することも可能である。
よっって、透過光と反射光の片方のみを使用してND（ニ
ュートラルデンシティ）フィルターとして働くように設
計することも可能である。
本発明は上述のとおり構成されているので、可視域か
ら赤外域に及ぶ広い波長範囲にわたって入射光を略1:1
の光量比で透過光と反射光とに分割し、しかもその際光
量の損失を伴うことのないようにすることができる。
ら赤外域に及ぶ広い波長範囲にわたって入射光を略1:1
の光量比で透過光と反射光とに分割し、しかもその際光
量の損失を伴うことのないようにすることができる。
又、可視域で使用する場合には、広い波長範囲にわた
って平坦な分光特性が得られるので、製作誤差に起因し
て中心波長がずれたとしても、透過光及び反射光が着色
することなく、有効なハーフミラーとして使用すること
ができる。
って平坦な分光特性が得られるので、製作誤差に起因し
て中心波長がずれたとしても、透過光及び反射光が着色
することなく、有効なハーフミラーとして使用すること
ができる。
第１図は可視域で使用される実施例のハーフミラーの分
光特性を示すグラフ図、第２図は可視域から近赤外域に
わたって使用される実施例のハーフミラーの分光特性を
示すグラフ図、第３図は従来の誘電体多層膜ハーフミラ
ーの分光特性を示すグラフ図、そして第４図は従来の金
属膜蒸着ハーフミラーの分光特性を示すグラフ図であ
る。
光特性を示すグラフ図、第２図は可視域から近赤外域に
わたって使用される実施例のハーフミラーの分光特性を
示すグラフ図、第３図は従来の誘電体多層膜ハーフミラ
ーの分光特性を示すグラフ図、そして第４図は従来の金
属膜蒸着ハーフミラーの分光特性を示すグラフ図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項１】基板上に誘電体薄膜を順次積層して成り、
入射光を透過光と反射光とに分割するハーフミラーにお
いて、基板の屈折率をnsubより大なる屈折率を有する高
屈折率誘電体物質の屈折率をnsub≦nH1≦nH2≦………≦
nHNとし、nsubより小なる屈折率を有する低屈折率誘電
体物質の屈折率をnsub≧nL1≧nL2≧……≧nLNとし、又
屈折率を表示する文字の係数１、及び２によって各誘電
体薄膜が、λ0を中心波長として、λ0/4及びλ0/2の薄
厚を有することを示すようにしたとき、 （１） nsub／（2nH1・2nL1・2n H2・2n L2・……2n
H(N-1)・2nL(N-1)）(nLN・nHN)2／空気、 又は、 （２） nsub／（2nL1・2nH1・2n L2・2n H2・……2n
H(N-2)・2nL(N-1)・2nH(N-1) ）(nHN・nLN)2／空気 からなる構成を有することを特徴とする広帯域ハーフミ
ラー。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1034564A JP2725043B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | 広帯域ハーフミラー |
| US07/744,600 US5198930A (en) | 1989-02-14 | 1991-08-12 | Wide-band half-mirror |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1034564A JP2725043B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | 広帯域ハーフミラー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02212801A JPH02212801A (ja) | 1990-08-24 |
| JP2725043B2 true JP2725043B2 (ja) | 1998-03-09 |
Family
ID=12417811
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1034564A Expired - Lifetime JP2725043B2 (ja) | 1989-02-14 | 1989-02-14 | 広帯域ハーフミラー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2725043B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2847511B1 (en) * | 2012-05-09 | 2017-03-22 | Philips Lighting Holding B.V. | Light emitting arrangement |
-
1989
- 1989-02-14 JP JP1034564A patent/JP2725043B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02212801A (ja) | 1990-08-24 |
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Legal Events
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