JPH0792515A - 光パラメトリック発振による波長変換装置 - Google Patents

光パラメトリック発振による波長変換装置

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JPH0792515A
JPH0792515A JP23686593A JP23686593A JPH0792515A JP H0792515 A JPH0792515 A JP H0792515A JP 23686593 A JP23686593 A JP 23686593A JP 23686593 A JP23686593 A JP 23686593A JP H0792515 A JPH0792515 A JP H0792515A
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JP
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wavelength
light
wavelength conversion
θmatch
idler
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JP23686593A
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English (en)
Inventor
Hideharu Ogami
秀晴 大上
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シグナル光又はアイドラ光が効率よく得られ
る光パラメトリック発振による波長変換装置を提供する
こと。 【構成】 波長λpのポンプ光pを出力するポンプ光源
1と、KTP結晶から成り入射されたポンプ光pを波長
λsのシグナル光sと波長λiのアイドラ光iに変換する
波長変換素子2と、対向面にそれぞれ高反射率の光学薄
膜30、40が設けられた入力側ミラー3、出力側ミラー4
とでその主要部が構成され、かつ、波長変換素子2の両
面に空気側からSiO2 の光学的膜厚0.26・λ0
(λ0はアイドラ光の波長変換範囲の中心波長を示しλ0
=3.1μm)とHfO2 の光学的膜厚0.28・λ0
(λ0=3.1μm)で構成された2層反射防止膜21、2
2が設けられたことを特徴とする。そして、上記反射防
止膜21、22の作用によりアイドラ光の反射率が低減する
ためその変換効率の向上が図れる効果を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入射されたポンプ光を
シグナル光とアイドラ光に変換する光パラメトリック発
振による波長変換装置に係り、特に、シグナル光又はア
イドラ光が効率よく得られる光パラメトリック発振によ
る波長変換装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、盛んに研究が進められている光パ
ラメトリック発振によるレーザ波長変換は、アイセーフ
レーザ(波長:1.4〜1.8μm)、分光学的化学分
析用近赤外域波長可変レーザ等を可能にする。
【0003】以下、この光パラメトリック発振による波
長変換装置について簡単に説明すると、この装置は、例
えば図13に示すように波長λpのポンプ光pを出力す
るポンプ光源aと、非線形光学結晶で構成されその結晶
のy軸を中心にして回転可能に配置されかつその結晶の
xカット面に対し入射されたポンプ光を波長λsのシグ
ナル光sと波長λiのアイドラ光iに変換すると共にポ
ンプ光の入射側及び出射側の両面に反射防止膜b1、b2を
有する波長変換素子bと、この波長変換素子bのポンプ
光の入射側並びに出射側に設けられ共振器を構成する入
力側ミラーc、出力側ミラーdとでその主要部が構成さ
れるものが知られている。
【0004】尚、図13は、上記光パラメトリック発振
による波長変換装置を上方よりながめた装置の概略構成
図である。また、図13中、ポンプ光p、シグナル光
s、及び、アイドラ光iを示す黒二重丸と矢印は各光の
偏光方向を意味している。また、シグナル光とアイドラ
光については、波長の短い方をシグナル光、波長の長い
方をアイドラ光と一般に称している。
【0005】そして、ポンプ光、シグナル光、及び、ア
イドラ光の関係は、エネルギ保存の法則から下記数式
(2)で表すことができる。
【0006】
【数9】 また、上記波長変換素子bをy軸を中心にして矢印fで
示す方向へ回転させることにより、波長変換素子bに対
するポンプ光pの入射角が変化するため上記シグナル光
sとアイドラ光iの波長λs、波長λiを連続的に変化さ
せることが可能となる。例えば、波長1.06μmのN
d:YAGレーザを用い、かつ、波長変換素子にKTi
OPO4 (以下、KTPと称する)を適用した場合、そ
の波長可変範囲は1.6〜3.2μmである。
【0007】また、上記入力側ミラーcと出力側ミラー
dには、シグナル光sとアイドラ光i若しくはどちらか
一方を共振させて増幅させるため、それぞれシグナル光
sとアイドラ光i若しくはどちらか一方の波長に対する
高反射率の光学薄膜c1、d1が施されており、かつ、共振
器内に配置された波長変換素子bのレーザ入出射面につ
いてはそれぞれ約7〜8%程度もの反射があるためこれ
等面にも上述したように反射防止膜b1、b2が設けられて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光パラメト
リック発振による波長変換装置においては、上述したよ
うに波長変換素子bをy軸を中心にして回転させると上
記シグナル光sとアイドラ光iの波長λs、波長λiが連
続的に変化し、かつ、波長変換素子bのシグナル光s及
びアイドラ光iに対する屈折率も波長の変化に伴い変化
する。
【0009】従って、波長変換素子bのレーザ入出射面
に設けられる反射防止膜b1、b2については、連続的に変
化するシグナル光sとアイドラ光iの各波長に対して反
射防止機能を具備させる必要があることからその光学薄
膜設計に困難性が伴い、この設計を誤るとシグナル光s
又はアイドラ光iの変換効率が著しく低下する問題点を
有していた。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、波長変換素子の
回転に伴い連続的に変化するシグナル光sとアイドラ光
iの各波長に対し有効に機能する反射防止膜を具備した
光パラメトリック発振による波長変換装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、連続的に変
化するシグナル光とアイドラ光の各波長に対して有効に
機能する反射防止膜の光学薄膜設計法を考案し本発明を
完成するに至ったものである。
【0012】すなわち、請求項1に係る発明は、波長λ
pのポンプ光を出力するポンプ光源と、非線形光学結晶
で構成されその結晶のy軸を中心にして回転可能に配置
されかつその結晶の(x−θcut)カット面[xカット
面からy軸を中心にθcut度回転した面]に対し入射さ
れたポンプ光を波長λsのシグナル光と波長λiのアイド
ラ光に変換する[但し、上記ポンプ光とシグナル光の偏
光方向は非線形光学結晶のy軸方向と平行である]と共
にポンプ光の入射側又は出射側の少なくとも一面に反射
防止膜を有する波長変換素子と、この波長変換素子のポ
ンプ光の入射側並びに出射側に設けられ共振器を構成す
るミラーとを備えた光パラメトリック発振による波長変
換装置を前提とし、 (a)適用するポンプ光源の波長λpと下記数式(1)
及び(2)より目的とするシグナル光又はアイドラ光の
波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイドラ光の波
長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、
【数10】 (b)下記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellme
ir)方程式から上記非線形光学結晶の波長λpのポンプ
光、波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光
に対する主軸の屈折率、すなわち、npx、npy、npz
(ポンプ光に対するx軸方向、y軸方向、z軸方向の屈
折率)、nsx、nsy、nsz(シグナル光に対するx軸方
向、y軸方向、z軸方向の屈折率)、及び、nix、ni
y、niz(アイドラ光に対するx軸方向、y軸方向、z
軸方向の屈折率)を求める工程、
【数11】 [但し、Ax、Bx、Cx、Dx、Ay、By、Cy、Dy、A
z、Bz、Cz、及び、Dzは分散定数を示し、また、λは
ポンプ光、シグナル光、及び、アイドラ光の各波長を示
す] (c)波長λpのポンプ光、波長λsのシグナル光、波長
λiのアイドラ光が位相整合するための下記数式(4)
及び(5)から位相整合アングル(θmatch)[但しθm
atchは非線形光学結晶のz軸からの角度とする]の最大
(θmatch)maxと最小(θmatch)minを求め、かつ、対
応するnsy 並びにnixz(θmatch)[非線形光学結晶の
アイドラ光に対する位相整合アングルθmatchにおける
xz方向の屈折率]を求める工程、
【数12】 (d)下記数式(6)により上記位相整合アングル(θ
match)が最大(θmatch)max並びに最小(θmatch)mi
nの場合におけるポンプ光の上記波長変換素子に対する
入射角(θpump)[但し、θpumpは入射端面上の垂線か
らの角度]の最大(θpump)max並びに最小(θpump)m
inを求める工程、
【数13】 [但し、nairは空気の屈折率を示す]により求められ
た上記nsy、nixz(θmatch)、θpumpと、上記シグナル
光の波長λs、及び、アイドラ光の波長λiの各パラメー
タに基づき上記波長変換素子に設けられる反射防止膜が
設定されていることを特徴とするものである。
【0013】以下、x−カットのKTP結晶におけるy
z面(すなわちxカット面)をレーザ入出射面とした波
長変換素子の場合について説明する。尚、xカット面
は、上記(x−θcut)カット面[xカット面からy軸
を中心にθcut度回転した面]で表現した場合において
θcut度=0度に対応する。
【0014】まず、ポンプ光源に上述した波長1.06
μmのNd:YAGレーザを適用した場合、上記数式
(1)に基づき目的とするシグナル光sの波長可変範囲
を例えば1.6〜1.7μmに設定する。尚、対応する
アイドラ光iの波長可変範囲は上記数式(2)より2.
8〜3.2μmとなる。
【0015】次に、上記KTP結晶の波長λpのポンプ
光、波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光
に対する主軸の屈折率、すなわち、npx、npy、npz
(ポンプ光に対するx軸方向、y軸方向、z軸方向の屈
折率)、nsx、nsy、nsz(シグナル光に対するx軸方
向、y軸方向、z軸方向の屈折率)、及び、nix、ni
y、niz(アイドラ光に対するx軸方向、y軸方向、z
軸方向の屈折率)を下記数式(10)で示されるセルメ
イヤー方程式[IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS,
VOL.27,NO.5,P.1137,MAY 1991記載]から求める。
【0016】
【数14】 次に、求められた主軸の屈折率nx、ny、nzの大小関
係(nx<ny<nz)と、適用するKTP結晶の方位に
より、ポンプ光、シグナル光、及び、アイドラ光の偏光
方向が決定される。
【0017】すなわち、xカット面の上記KTP結晶1
00を図2(A)〜(B)に示すように配置し、かつ、
矢印で示される偏光方向のポンプ光pを以下に示す位相
整合アングルθmatchからKTP結晶100のxカット
面へ入射させると、シグナル光sの偏光方向はポンプ光
pの偏光方向と同様にKTP結晶100のy軸方向と平
行となり、またアイドラ光iの偏光方向はKTP結晶1
00のz軸方向と平行な方向となる。但し、このような
変換状態になるためには上記位相整合アングルθmatch
の値が、縮退点の角度<θmatch<90度の条件を満た
す場合に限る。
【0018】尚、上記縮退点とは、シグナル光sの波長
λsとアイドラ光iの波長λiが同一のときをいい(すな
わち、λs = λi を満たすときをいう)、また、縮退
点の角度とはこのときの位相整合アングルの角度を意味
する(図6参照)。
【0019】そこで、縮退点の角度<θmatch<90度
の条件を満たすことを前提に、波長λpのポンプ光、波
長λsのシグナル光、波長λiのアイドラ光が位相整合す
るための上記数式(4)及び(5)[IEEE JOURNAL OF
QUANTUM ELECTRONICS,VOL.27,NO.5,P.1137,MAY 1991記
載]から位相整合アングル(θmatch)[但しθmatchは
非線形光学結晶のz軸からの角度とする:図4参照]の
最大(θmatch)maxと最小(θmatch)minを求め、か
つ、対応するnsy 並びにnixz(θmatch)[非線形光学
結晶のアイドラ光に対する位相整合アングルθmatchに
おけるxz方向の屈折率]を求める。
【0020】このようにして求めたシグナル光の屈折率
nsy、アイドラ光の屈折率nixz(θmatch)、及び、位相
整合アングルθmatch(deg)を下記表1に示す。尚、表1
においては目的とするシグナル光の波長可変範囲(1.
6〜1.7μm)を越えて記載している。
【0021】
【表1】 そして、求められた上記位相整合アングル(θmatch)
が最大(θmatch)max並びに最小(θmatch)minの場合
におけるポンプ光pの上記KTP結晶100に対する入
射角(θpump)[但し、θpumpは入射端面上の垂線から
の角度:図4参照]の最大(θpump)max並びに最小
(θpump)minを上記数式(6)により求める。尚、数
式(6)中、nairは空気の屈折率(=1)を示してい
る。
【0022】また、求めた(θpump)maxと(θpump)m
inを下記表2に示す。尚、この表においても目的とする
シグナル光の波長可変範囲(1.6〜1.7μm)を越
えて記載している。
【0023】
【表2】 ここで、この例においては波長変換素子としてxカット
されたKTP結晶100のxカット面をレーザ入出射面
とした場合についてKTP結晶100のxカット面に対
するポンプ光の入射角(θpump)を求めているが、xカ
ット面からy軸を中心にθcut度回転した面(言い換え
るとz軸からy軸を中心にしてθcut度回転させた結晶
を切出した場合のその切出し面:図5参照)を上記レー
ザ入出射面にすることにより上記ポンプ光の入射角(θ
pump)を変化させることが可能となる。例えば、レーザ
入出射面をy軸を中心として(x−10)度に加工して
おくことにより、ポンプ光が垂直入射のとき、xカット
面をレーザ入出射面としたKTP結晶100の位相整合
アングル80度のときに対応させることが可能となり、
垂直入射にも拘らず位相整合アングル80度のときの波
長を有するシグナル光とアイドラ光を求めることができ
る。
【0024】このような工程を経て求められたシグナル
光の屈折率nsy、アイドラ光の屈折率nixz(θmatch)、
位相整合アングルθmatch(deg)、及び、ポンプ光の入射
角(θpump)等に基づきKTP結晶から成る波長変換素
子のレーザ入出射面に設けられる反射防止膜を設計す
る。
【0025】すなわち、波長可変範囲を上記1.6〜
1.7μm(対応する位相整合アングルθmatchは、表
1から約90度〜70度となる)に設定した場合、波長
変換素子のレーザ入出射面に設けられる反射防止膜は、
KTP結晶の屈折率1.736〜1.734(表1のシ
グナル光の屈折率nsyの欄参照)、入射角0〜36.8
度[表2のポンプ光入射角θpump(deg)の欄参照]のS
偏光(その偏光方向がKTP結晶のy軸方向と平行な偏
光)に対し、波長約1.6〜1.7μmにおいて反射防
止機能を有していることが必要となる。
【0026】また、この波長変換素子は、ポンプ光のパ
ワー密度が高いほどその変換効率が高い特性があること
から、高出力レーザをレンズにより集光させて用いられ
ることがあるため、反射防止膜のレーザダメージにも注
意を払うことが望ましい。尚、レーザの吸収が小さい膜
で反射防止膜を構成するとレーザダメージのしきい値が
高くなる。そこで、近赤外領域で吸収の小さい低屈折率
物質層にSiO2 、高屈折率物質層にHfO2 を適用す
ることが望ましい。更に、作製の再現性、膜厚の制御性
等を考慮すると膜層数は少ないほど好ましい。また、最
表面層には硬度が高く、耐湿性に優れた上記SiO2
構成することが望ましい。
【0027】そこで、これ等のことを考慮し波長変換素
子の反射防止膜についてこれを空気側からSiO2 とH
fO2 から成る2層膜で構成した場合の2層反射防止膜
の光学的膜厚を以下求める。すなわち、SiO2 (波長
約1.6〜1.7μmにおける屈折率:1.43)とH
fO2 (波長約1.6〜1.7μmにおける屈折率:
1.85)の光学的膜厚をそれぞれ独立して増減させ、
その都度分光反射率のシュミレーションを行って、シグ
ナル光におけるKTP結晶の屈折率1.734〜1.7
36、入射角0度[(θpump)min]〜36.8度
[(θpump)max]のS偏光に対して、波長約1.6〜
1.7μmのシグナル光の反射率が約1%以下になる最
適な光学的膜厚を求める。
【0028】そして、分光反射率のシュミレーションの
結果に基づき空気側からSiO2 の光学的膜厚0.25
・λ0(λ0はシグナル光の波長変換範囲の中心波長を示
し、λ0=1.65μm)とHfO2 の光学的膜厚0.
38・λ0(λ0=1.65μm)で構成される2層反射
防止膜を求めた。尚、この反射防止膜が設けられた波長
変換素子におけるシグナル光の波長約1.6μm、入射
角0度の分光反射特性計算値を図7に、また、シグナル
光の波長約1.7μm、入射角36.8度におけるその
分光反射特性計算値を図8にそれぞれ示す。この図7〜
8に示されたデータから、SiO2 の光学的膜厚0.2
5・λ0とHfO2の光学的膜厚0.38・λ0の2層反
射防止膜が施された波長変換素子のシグナル光の波長約
1.6〜1.7μmに対する反射率は1%以下であるこ
とが確認できる。
【0029】次に、上記波長変換素子におけるポンプ光
の反射損失を重視してポンブ光の反射率を低く設定した
2層反射防止膜を設計すると(この場合、シグナル光に
対する反射率は若干高くなる)、この反射防止膜は、空
気側からSiO2 の光学的膜厚0.22・λ0(λ0=
1.65μm)とHfO2 の光学的膜厚0.41・λ0
(λ0=1.65μm)の2層膜で構成することができ
る。尚、この反射防止膜が設けられた波長変換素子にお
けるシグナル光の波長約1.6μm、入射角0度におけ
る分光反射特性計算値を図9に、また、シグナル光の波
長約1.7μm、入射角36.8度におけるその分光反
射特性計算値を図10にそれぞれ示す。
【0030】他方、表1〜表2を参考にして位相整合ア
ングルを約90度(θmatch)max〜70度(θmatch)m
inまで波長変換素子の角度を回転させ、アイドラ光の波
長約3.2μm〜3.0μmを得る場合の反射防止膜
は、KTP結晶の屈折率1.774〜1.770[表1
のアイドラ光の屈折率nixz(θmatch)の欄参照]、入射
角0〜36.8度[表2のポンプ光入射角θpump(deg)
の欄参照]のP偏光(その偏光方向がKTP結晶のz軸
方向と平行な偏光)に対し、波長約3.2〜3.0μm
において反射防止機能を有していることが必要となる。
【0031】そこで、波長変換素子の反射防止膜を空気
側からSiO2 とHfO2 から成る2層膜で構成した場
合の2層反射防止膜の光学的膜厚を以下求める。すなわ
ち、SiO2 (波長約3.0〜3.2μmにおける屈折
率:1.42)とHfO2 (波長約3.0〜3.2μm
における屈折率:1.83)の光学的膜厚をそれぞれ独
立して増減させ、その都度分光反射率のシュミレーショ
ンを行って、アイドラ光におけるKTP結晶の屈折率
1.774〜1.770、入射角0度[(θpump)mi
n]〜36.8度[(θpump)max]のP偏光に対して、
波長約3.0〜3.2μmのアイドラ光の反射率が約1
%以下になる最適な光学的膜厚を求める。
【0032】そして、分光反射率のシュミレーションの
結果に基づき空気側からSiO2 の光学的膜厚0.26
・λ0(λ0はアイドラ光の波長変換範囲の中心波長を示
し、λ0=3.1μm)とHfO2 の光学的膜厚0.2
8・λ0(λ0=3.1μm)で構成される2層反射防止
膜を求めた。尚、この反射防止膜が設けられた波長変換
素子におけるアイドラ光の波長約3.2μm、入射角0
度の分光反射特性計算値を図11に、また、アイドラ光
の波長約3.0μm、入射角36.8度におけるその分
光反射特性計算値を図12にそれぞれ示す。この図11
〜12に示されたデータから、SiO2 の光学的膜厚
0.26・λ0とHfO2の光学的膜厚0.28・λ0の
2層反射防止膜が施された波長変換素子のアイドラ光の
波長約3.0〜3.2μmに対する反射率は1%以下で
あることが確認できる。
【0033】このように請求項1に係る発明において
は、その各工程から求められたシグナル光の屈折率ns
y、アイドラ光の屈折率nixz(θmatch)、位相整合アン
グルθmatch(deg)、及び、ポンプ光の入射角(θpump)
等に基づき波長変換素子のレーザ入出射面の少なくとも
一方に設けられる反射防止膜を設計することにより回転
操作される波長変換素子に対する上記シグナル光及びア
イドラ光の反射率低減を図ることができるため、シグナ
ル光又はアイドラ光が効率良く得られる光パラメトリッ
ク発振による波長変換装置を提供することが可能とな
る。
【0034】そして、x−カットのKTP結晶における
xカット面をレーザ入出射面とした波長変換素子を適用
すると共に、ポンプ光源に波長1.06μmのNd:Y
AGレーザを適用した場合、その波長変換素子の少なく
とも一方の面に設けられる反射防止膜について空気側に
製膜された光学的膜厚0.20・λ0〜0.30・λ0
(λ0はシグナル光又はアイドラ光の波長変換範囲の中
心波長を示す)のSiO2膜と、波長変換素子側に製膜
された光学的膜厚0.20・λ0〜0.60・λ0のHf
2 膜との2層膜でこれを構成することにより波長変換
素子に対するシグナル光とアイドラ光の反射率を略1%
以下にすることが可能となる。請求項3に係る発明はこ
のような技術的理由に基づきなされている。
【0035】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は以下に述べる請求項2記載の発明に係る光パラメ
トリック発振による波長変換装置を前提とし、空気側に
製膜された光学的膜厚0.20・λ0〜0.30・λ0
(λ0はシグナル光又はアイドラ光の波長変換範囲の中
心波長を示す)のSiO2 膜と、波長変換素子側に製膜
された光学的膜厚0.20・λ0〜0.60・λ0のHf
2 膜との2層膜により波長変換素子の少なくとも一方
の面に設けられる反射防止膜が構成されていることを特
徴とするものである。
【0036】また、これまでKTP結晶で構成された波
長変換素子に設ける反射防止膜について説明してきた
が、RbTiOPO4 (RTP)結晶を適用した波長変
換素子に設けられる反射防止膜についても上述した同様
の光学薄膜設計法が適用可能である。請求項4に係る発
明は上記波長変換素子の適用材料を特定した発明に関す
るものである。
【0037】すなわち、請求項4に係る発明は、請求項
1、2又は3記載の発明に係る光パラメトリック発振に
よる波長変換装置を前提とし、波長変換素子が、KTi
OPO4 又はRbTiOPO4 で構成されていることを
特徴とするものである。
【0038】ここで、請求項1に係る発明は、『縮退点
の角度<θmatch<90度』の条件を具備する場合(す
なわち、ポンプ光とシグナル光の偏光方向が非線形光学
結晶のy軸方向と平行になる場合)の光パラメトリック
発振による波長変換装置を前提としている。これに対し
請求項2に係る発明は『θmatch<縮退点の角度』の条
件を具備する場合(すなわち、ポンプ光とアイドラ光の
偏光方向が非線形光学結晶のy軸方向と平行になる場
合:図3A及びB参照)の光パラメトリック発振による
波長変換装置を前提にした発明に関する。
【0039】すなわち、請求項2に係る発明は、波長λ
pのポンプ光を出力するポンプ光源と、非線形光学結晶
で構成されその結晶のy軸を中心にして回転可能に配置
されかつその結晶の(x−θcut)カット面[xカット
面からy軸を中心にθcut度回転した面]に対し入射さ
れたポンプ光を波長λsのシグナル光と波長λiのアイド
ラ光に変換する[但し、上記ポンプ光とアイドラ光の偏
光方向は非線形光学結晶のy軸方向と平行である]と共
にポンプ光の入射側又は出射側の少なくとも一面に反射
防止膜を有する波長変換素子と、この波長変換素子のポ
ンプ光の入射側並びに出射側に設けられ共振器を構成す
るミラーとを備えた光パラメトリック発振による波長変
換装置を前提とし、 (a)適用するポンプ光源の波長λpと下記数式(1)
及び(2)より目的とするシグナル光又はアイドラ光の
波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイドラ光の波
長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、
【数15】 (b)下記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellme
ir)方程式から上記非線形光学結晶の波長λpのポンプ
光、波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光
に対する主軸の屈折率、すなわち、npx、npy、npz
(ポンプ光に対するx軸方向、y軸方向、z軸方向の屈
折率)、nsx、nsy、nsz(シグナル光に対するx軸方
向、y軸方向、z軸方向の屈折率)、及び、nix、ni
y、niz(アイドラ光に対するx軸方向、y軸方向、z
軸方向の屈折率)を求める工程、
【数16】 [但し、Ax、Bx、Cx、Dx、Ay、By、Cy、Dy、A
z、Bz、Cz、及び、Dzは分散定数を示し、また、λは
ポンプ光、シグナル光、及び、アイドラ光の各波長を示
す] (c)波長λpのポンプ光、波長λsのシグナル光、波長
λiのアイドラ光が位相整合するための下記数式(7)
及び(8)から位相整合アングル(θmatch)[但しθm
atchは非線形光学結晶のz軸からの角度とする]の最大
(θmatch)maxと最小(θmatch)minを求め、かつ、対
応するniy 並びにnsxz(θmatch)[非線形光学結晶の
シグナル光に対する位相整合アングルθmatchにおける
xz方向の屈折率]を求める工程、
【数17】 (d)下記数式(9)により上記位相整合アングル(θ
match)が最大(θmatch)max並びに最小(θmatch)mi
nの場合におけるポンプ光の上記波長変換素子に対する
入射角(θpump)[但し、θpumpは入射端面上の垂線か
らの角度]の最大(θpump)max並びに最小(θpump)m
inを求める工程、
【数18】 [但し、nairは空気の屈折率を示す]により求められ
た上記niy、nsxz(θmatch)、θpumpと、上記シグナル
光の波長λs、及び、アイドラ光の波長λiの各パラメー
タに基づき上記波長変換素子に設けられる反射防止膜が
設定されていることを特徴とするものである。
【0040】そして、この請求項2に係る発明において
も、その各工程から求められたアイドラ光の屈折率ni
y、シグナル光の屈折率nsxz(θmatch)、位相整合アン
グルθmatch(deg)、及び、ポンプ光の入射角(θpump)
等に基づき波長変換素子のレーザ入出射面の少なくとも
一方に設けられる反射防止膜を設計することにより回転
操作される波長変換素子に対する上記シグナル光及びア
イドラ光の反射率低減を図ることができるため、シグナ
ル光又はアイドラ光が効率良く得られる光パラメトリッ
ク発振による波長変換装置を提供することが可能とな
る。
【0041】
【作用】請求項1及び請求項4に係る発明によれば、
(a)適用するポンプ光源の波長λpと上記数式(1)
及び(2)より目的とするシグナル光又はアイドラ光の
波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイドラ光の波
長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、(b)上
記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellmeir)方程
式から非線形光学結晶の波長λpのポンプ光、波長λsの
シグナル光、及び、波長λiのアイドラ光に対する主軸
の屈折率を求める工程、(c)波長λpのポンプ光、波
長λsのシグナル光、波長λiのアイドラ光が位相整合す
るための上記数式(4)及び(5)から位相整合アング
ル(θmatch)の最大(θmatch)maxと最小(θmatch)
minを求め、かつ、対応するnsy 並びにnixz(θmatch)
を求める工程、(d)上記数式(6)により位相整合ア
ングル(θmatch)が最大(θmatch)max並びに最小
(θmatch)minの場合におけるポンプ光の波長変換素子
に対する入射角(θpump)の最大(θpump)max並びに
最小(θpump)minを求める工程、の各工程から求めら
れたシグナル光の屈折率nsy、アイドラ光の屈折率nix
z(θmatch)、位相整合アングル(θmatch)並びにポン
プ光の入射角(θpump)と、シグナル光の波長λs、及
び、アイドラ光の波長λiの各パラメータに基づき波長
変換素子の少なくとも一面に設けられる反射防止膜が設
定されているため、回転操作される波長変換素子に対す
る上記シグナル光及びアイドラ光の反射率低減を図れ、
シグナル光又はアイドラ光が効率良く得られる光パラメ
トリック発振による波長変換装置を提供することが可能
となる。
【0042】他方、請求項2及び請求項4に係る発明に
よれば、(a)適用するポンプ光源の波長λpと上記数
式(1)及び(2)より目的とするシグナル光又はアイ
ドラ光の波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイド
ラ光の波長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、
(b)上記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellme
ir)方程式から非線形光学結晶の波長λpのポンプ光、
波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光に対
する主軸の屈折率を求める工程、(c)波長λpのポン
プ光、波長λsのシグナル光、波長λiのアイドラ光が位
相整合するための上記数式(7)及び(8)から位相整
合アングル(θmatch)の最大(θmatch)maxと最小
(θmatch)minを求め、かつ、対応するniy 並びにns
xz(θmatch)を求める工程、(d)上記数式(9)によ
り位相整合アングル(θmatch)が最大(θmatch)max
並びに最小(θmatch)minの場合におけるポンプ光の波
長変換素子に対する入射角(θpump)の最大(θpump)
max並びに最小(θpump)minを求める工程、の各工程か
ら求められたアイドラ光の屈折率niy、シグナル光の屈
折率nsxz(θmatch)、位相整合アングル(θmatch)並
びにポンプ光の入射角(θpump)と、シグナル光の波長
λs、及び、アイドラ光の波長λiの各パラメータに基づ
き波長変換素子の少なくとも一面に設けられる反射防止
膜が設定されているため、回転操作される波長変換素子
に対する上記シグナル光及びアイドラ光の反射率低減を
図れ、シグナル光又はアイドラ光が効率良く得られる光
パラメトリック発振による波長変換装置を提供すること
が可能となる。
【0043】また、請求項3に係る発明によれば、x−
カットのKTP結晶におけるxカット面をレーザ入出射
面とした波長変換素子を適用しかつポンプ光源に波長
1.06μmのNd:YAGレーザを適用することを前
提に、その波長変換素子の少なくとも一面に設けられる
反射防止膜について空気側に製膜された光学的膜厚0.
20・λ0〜0.30・λ0(λ0はシグナル光又はアイ
ドラ光の波長変換範囲の中心波長を示す)のSiO2
と、波長変換素子側に製膜された光学的膜厚0.20・
λ0〜0.60・λ0のHfO2膜との2層膜でこれを構
成しているため、波長変換素子に対するシグナル光とア
イドラ光の反射率を略1%以下にすることが可能とな
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0045】まず、この実施例に係る光パラメトリック
発振による波長変換装置は、図1に示すように波長λp
のポンプ光pを出力するポンプ光源1と、KTP結晶で
構成されその結晶のy軸を中心にして回転可能に配置さ
れかつその結晶のxカット面に対し入射されたポンプ光
pを波長λsのシグナル光sと波長λiのアイドラ光iに
変換すると共にポンプ光pの入射側及び出射側の両面に
反射防止膜21、22を有する波長変換素子2と、この
波長変換素子2のポンプ光pの入射側並びに出射側に設
けられかつその対向面にそれぞれ高反射率の光学薄膜3
0、40が設けられた入力側ミラー3、出力側ミラー4
とでその主要部が構成されている。
【0046】尚、この装置においては位相整合アングル
θmatchが約90度〜70度まで波長変換素子2の角度
を回転させ(すなわち『縮退点の角度<θmatch<90
度』の条件を満たしており、かつ、対応するポンプ光の
上記波長変換素子2に対する入射角は前記表2より0度
〜36.8度である)、アイドラ光iの約3.2〜3.
0μmを波長可変範囲としている。
【0047】そして、この装置は以下のようにして製造
されている。
【0048】まず、フラックス法により育成されたKT
P結晶から厚さ10mmのxカット板を作製し、かつ、
この板のy面とz面をカットして10×10×10mm
の波長変換素子を作製すると共に、xカット面を両面光
学研摩した。
【0049】次に、この波長変換素子2の両面に上述し
た光学薄膜設計に従って求められた2層膜、すなわち、
空気側からSiO2 の光学的膜厚0.26・λ0(λ0は
アイドラ光の波長変換範囲の中心波長を示しλ0=3.
1μm)とHfO2 の光学的膜厚0.28・λ0(λ0=
3.1μm)で構成された2層反射防止膜21、22を
形成した。この製膜には電子ビーム真空蒸着装置を用
い、はじめに5.0×10-6Torrまで排気した後、
HfO2 層蒸着時には酸素を1.0×10-4Torrに
保たれるように導入した。HfO2 層並びにSiO2
の蒸着時における膜厚制御には光学干渉式膜厚モニター
を適用した。尚、上記2層反射防止膜21、22が設け
られた波長変換素子におけるアイドラ光の波長約3.2
μm、入射角0度の分光反射特性計算値については上述
したように図11に、また、アイドラ光の波長約3.0
μm、入射角36.8度における分光反射特性計算値に
ついては図12に示す。
【0050】そして、図1に示すようにこの波長変換素
子2を配置し、波長1.06μmのNd:YAGレーザ
でポンピングしながら位相整合アングルが約90度〜7
0度まで変わるように波長変換素子2の角度を0度〜3
6.8度まで回転させ、アイドラ光iが約3.2〜3.
0μmの範囲で波長可変することを確認した。
【0051】また、波長変換素子2の両面に上記設定の
反射防止膜21、22が設けられていない装置に較べこ
の実施例に係る波長変換装置においてはアイドラ光の強
度が平均30%向上していることが確認できた。
【0052】
【発明の効果】請求項1〜4に係る発明によれば、回転
操作される波長変換素子に対するシグナル光及びアイド
ラ光の反射率の低減が図れるため、シグナル光又はアイ
ドラ光が効率良く得られる光パラメトリック発振による
波長変換装置を提供できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る光パラメトリック発振による波長
変換装置の概略上面図。
【図2】(A)は波長変換素子の作用を示す説明斜視
図、(B)はこの上面図。
【図3】(A)は波長変換素子の作用を示す説明斜視
図、(B)はこの上面図。
【図4】波長変換素子へのポンプ光の入射角θpump、及
び、位相整合アングルθmatchの説明図。
【図5】xカット面からy軸を中心にθcut度回転した
面をレーザ入出射面にした場合の波長変換素子の作用説
明図。
【図6】実施例に係る光パラメトリック発振による波長
変換装置における位相整合アングル(deg)と波長との関
係を示すグラフ図。
【図7】波長1.6〜1.7μmのシグナル光を得るた
めの2層反射防止膜の0度入射におけるS偏光の分光反
射特性を示すグラフ図。
【図8】波長1.6〜1.7μmのシグナル光を得るた
めの2層反射防止膜の36.8度入射におけるS偏光の
分光反射特性を示すグラフ図。
【図9】ポンプ光の反射損失を考慮した条件下で波長
1.6〜1.7μmのシグナル光を得るための2層反射
防止膜の0度入射におけるS偏光の分光反射特性を示す
グラフ図。
【図10】ポンプ光の反射損失を考慮した条件下で波長
1.6〜1.7μmのシグナル光を得るための2層反射
防止膜の36.8度入射におけるS偏光の分光反射特性
を示すグラフ図。
【図11】波長3.2〜3.0μmのアイドラ光を得る
ための2層反射防止膜の0度入射におけるP偏光の分光
反射特性を示すグラフ図。
【図12】波長3.2〜3.0μmのアイドラ光を得る
ための2層反射防止膜の36.8度入射におけるP偏光
の分光反射特性を示すグラフ図。
【図13】光パラメトリック発振による波長変換装置の
概略上面図。
【符号の説明】
1 ポンプ光源 2 波長変換素子 3 入力側ミラー 4 出力側ミラー 21 反射防止膜 22 反射防止膜 30 高反射率の光学薄膜 40 高反射率の光学薄膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λpのポンプ光を出力するポンプ光源
    と、非線形光学結晶で構成されその結晶のy軸を中心に
    して回転可能に配置されかつその結晶の(x−θcut)
    カット面[xカット面からy軸を中心にθcut度回転し
    た面]に対し入射されたポンプ光を波長λsのシグナル
    光と波長λiのアイドラ光に変換する[但し、上記ポン
    プ光とシグナル光の偏光方向は非線形光学結晶のy軸方
    向と平行である]と共にポンプ光の入射側又は出射側の
    少なくとも一面に反射防止膜を有する波長変換素子と、
    この波長変換素子のポンプ光の入射側並びに出射側に設
    けられ共振器を構成するミラーとを備えた光パラメトリ
    ック発振による波長変換装置において、 (a)適用するポンプ光源の波長λpと下記数式(1)
    及び(2)より目的とするシグナル光又はアイドラ光の
    波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイドラ光の波
    長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、 【数1】 (b)下記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellme
    ir)方程式から上記非線形光学結晶の波長λpのポンプ
    光、波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光
    に対する主軸の屈折率、すなわち、 npx、npy、npz(ポンプ光に対するx軸方向、y軸方
    向、z軸方向の屈折率)、nsx、nsy、nsz(シグナル
    光に対するx軸方向、y軸方向、z軸方向の屈折率)、
    及び、nix、niy、niz(アイドラ光に対するx軸方
    向、y軸方向、z軸方向の屈折率)を求める工程、 【数2】 [但し、Ax、Bx、Cx、Dx、Ay、By、Cy、Dy、A
    z、Bz、Cz、及び、Dzは分散定数を示し、また、λは
    ポンプ光、シグナル光、及び、アイドラ光の各波長を示
    す] (c)波長λpのポンプ光、波長λsのシグナル光、波長
    λiのアイドラ光が位相整合するための下記数式(4)
    及び(5)から位相整合アングル(θmatch)[但しθm
    atchは非線形光学結晶のz軸からの角度とする]の最大
    (θmatch)maxと最小(θmatch)minを求め、かつ、対
    応するnsy 並びにnixz(θmatch)[非線形光学結晶の
    アイドラ光に対する位相整合アングルθmatchにおける
    xz方向の屈折率]を求める工程、 【数3】 (d)下記数式(6)により上記位相整合アングル(θ
    match)が最大(θmatch)max並びに最小(θmatch)mi
    nの場合におけるポンプ光の上記波長変換素子に対する
    入射角(θpump)[但し、θpumpは入射端面上の垂線か
    らの角度]の最大(θpump)max並びに最小(θpump)m
    inを求める工程、 【数4】 [但し、nairは空気の屈折率を示す]により求められ
    た上記nsy、nixz(θmatch)、θpumpと、上記シグナル
    光の波長λs、及び、アイドラ光の波長λiの各パラメー
    タに基づき上記波長変換素子に設けられる反射防止膜が
    設定されていることを特徴とする光パラメトリック発振
    による波長変換装置。
  2. 【請求項2】波長λpのポンプ光を出力するポンプ光源
    と、非線形光学結晶で構成されその結晶のy軸を中心に
    して回転可能に配置されかつその結晶の(x−θcut)
    カット面[xカット面からy軸を中心にθcut度回転し
    た面]に対し入射されたポンプ光を波長λsのシグナル
    光と波長λiのアイドラ光に変換する[但し、上記ポン
    プ光とアイドラ光の偏光方向は非線形光学結晶のy軸方
    向と平行である]と共にポンプ光の入射側又は出射側の
    少なくとも一面に反射防止膜を有する波長変換素子と、
    この波長変換素子のポンプ光の入射側並びに出射側に設
    けられ共振器を構成するミラーとを備えた光パラメトリ
    ック発振による波長変換装置において、 (a)適用するポンプ光源の波長λpと下記数式(1)
    及び(2)より目的とするシグナル光又はアイドラ光の
    波長可変範囲を設定し、かつ、対応するアイドラ光の波
    長λi又はシグナル光の波長λsを求める工程、 【数5】 (b)下記数式(3)で示されるセルメイヤー(Sellme
    ir)方程式から上記非線形光学結晶の波長λpのポンプ
    光、波長λsのシグナル光、及び、波長λiのアイドラ光
    に対する主軸の屈折率、すなわち、 npx、npy、npz(ポンプ光に対するx軸方向、y軸方
    向、z軸方向の屈折率)、nsx、nsy、nsz(シグナル
    光に対するx軸方向、y軸方向、z軸方向の屈折率)、
    及び、nix、niy、niz(アイドラ光に対するx軸方
    向、y軸方向、z軸方向の屈折率)を求める工程、 【数6】 [但し、Ax、Bx、Cx、Dx、Ay、By、Cy、Dy、A
    z、Bz、Cz、及び、Dzは分散定数を示し、また、λは
    ポンプ光、シグナル光、及び、アイドラ光の各波長を示
    す] (c)波長λpのポンプ光、波長λsのシグナル光、波長
    λiのアイドラ光が位相整合するための下記数式(7)
    及び(8)から位相整合アングル(θmatch)[但しθm
    atchは非線形光学結晶のz軸からの角度とする]の最大
    (θmatch)maxと最小(θmatch)minを求め、かつ、対
    応するniy 並びにnsxz(θmatch)[非線形光学結晶の
    シグナル光に対する位相整合アングルθmatchにおける
    xz方向の屈折率]を求める工程、 【数7】 (d)下記数式(9)により上記位相整合アングル(θ
    match)が最大(θmatch)max並びに最小(θmatch)mi
    nの場合におけるポンプ光の上記波長変換素子に対する
    入射角(θpump)[但し、θpumpは入射端面上の垂線か
    らの角度]の最大(θpump)max並びに最小(θpump)m
    inを求める工程、 【数8】 [但し、nairは空気の屈折率を示す]により求められ
    た上記niy、nsxz(θmatch)、θpumpと、上記シグナル
    光の波長λs、及び、アイドラ光の波長λiの各パラメー
    タに基づき上記波長変換素子に設けられる反射防止膜が
    設定されていることを特徴とする光パラメトリック発振
    による波長変換装置。
  3. 【請求項3】空気側に製膜された光学的膜厚0.20・
    λ0〜0.30・λ0(λ0はシグナル光又はアイドラ光
    の波長変換範囲の中心波長を示す)のSiO2 膜と、波
    長変換素子側に製膜された光学的膜厚0.20・λ0〜
    0.60・λ0のHfO2 膜との2層膜により上記反射
    防止膜が構成されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の光パラメトリック発振による波長変換装置。
  4. 【請求項4】上記波長変換素子が、KTiOPO4 又は
    RbTiOPO4 で構成されていることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の光パラメトリック発振による波
    長変換装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101501457B1 (ko) * 2013-08-27 2015-03-11 한국원자력연구원 원자로 수조의 사이펀 효과 차단장치 및 이를 위한 제어방법
JP2016528611A (ja) * 2013-07-09 2016-09-15 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー 光パラメトリック発振器のネットワークを使用する計算
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