JP2016528611A - 光パラメトリック発振器のネットワークを使用する計算 - Google Patents

光パラメトリック発振器のネットワークを使用する計算 Download PDF

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Abstract

一態様では、計算機械は、光エネルギー源からエネルギーを受け、N1個の光信号を生成するように構成された光デバイスと、各々が複数のN1個の光信号を制御可能に結合するN2個の結合デバイスとを含む。結合デバイスは、計算問題をシミュレートするために個別に制御される。別の態様では、計算機械は、N1個のパラメトリック発振器と、各々が複数のN1個のパラメトリック発振器を互いに制御可能に結合するN2個の結合デバイスとを含む。結合デバイスは、計算問題をシミュレートするために個別に制御される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Quantum Computing Using Coupled Parametric Oscillators」と題する、Marandiらにより2013年7月9日に出願された米国仮特許出願第61/844,322号の利益を主張する。
現在利用可能なコンピュータでは妥当な時間内に効率的に解くことができないクラスの計算問題が存在するが、これは、そのような問題を解くために必要な時間が問題の中の変数の数とともに指数関数的に増大するからである。このクラスは、非決定性多項式時間(NP)問題と呼ばれる。現実的な時間内にNP問題を解くことが可能なコンピュータを有することは、多くの研究分野で有益なはずである。
一態様では、計算機械は、光エネルギー源からエネルギーを受け、N1個の光信号を生成するように構成された光デバイスと、各々が複数のN1個の光信号を制御可能に結合するN2個の結合デバイスとを含む。結合デバイスは、計算問題をシミュレートするために個別に制御される。別の態様では、計算機械は、N1個のパラメトリック発振器と、各々が複数のN1個のパラメトリック発振器を互いに制御可能に結合するN2個の結合デバイスとを含む。結合デバイスは、計算問題をシミュレートするために個別に制御される。
N1=3及びN2=3である、光計算機械の一例を示す図である。
N1=3の時間的に分離された光パラメトリック発振器(OPO)及びN2=2の結合デバイスを有する、光計算機械の別の例を示す図である。
光源ポンプパルス及び対応するOPO出力信号パルスの一例を示す図である。
N1=N及びN2=N−1である、光計算機械の別の例を示す図である。
N1=2及びN2=1である、光計算機械の別の例を示す図である。
N1=2である、OPOベースの計算機械における結合の効果の一例を示す図である。
計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。 計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。
計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。 計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。
計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。 計算機械を使用して解を見つける数値シミュレーションを示す図である。
縮退OPO間の結合強度への成功確率の依存性の数値推定を示す図である。
スピンの数の関数としてのイジングハミルトニアンの基底状態を見つける成功確率の数値推定を示す図である。
スピンの数への計算時間の依存性の数値推定を示す図である。
OPOの閾値の下及び閾値の上の挙動を示す図である。
基底状態を見つけるOPOネットワークの緩やかなポンピングを示し、様々なスピン構成(位相状態)がネットワーク内の様々な総光子損失を有することを示す図である。
イジング問題の基底状態に対応するスピン構成が閾値の上で発振することが予想されることを示す図である。
実験的なセットアップを示す図である。
図11Aのリング共振器がポンプパルス繰返し周期の4倍のラウンドトリップ時間を有することを示す図である。
図11Aのセットアップ内の遅延によって実現される結合を示す図である。
図11Aのセットアップ内ですべての遅延線がブロックされた、いくつかのテスト結果を示す図である。
図11Aのセットアップ内で1つの遅延線がブロックされていない、いくつかのテスト結果を示す図である。
図11Aのセットアップ内ですべての遅延線がブロックされていない、いくつかのテスト結果を示す図である。
図11Aのセットアップについてのいくつかのテスト結果を示す図である。
すべての結合がブロックされたときの位相状態のヒストグラムを示す図である。
すべての結合がブロックされず、位相がロックされたときの位相状態のヒストグラムを示す図である。
本開示に記載される技法との古典的及び量子力学的なアニーリング技法の比較を示す図である。
正規化されたビルドアップ時間を示す図である。
MAX−CUT問題を解く際の例示的なOPOネットワークの平均計算時間を示す図である。
出力スペクトルを示す図である。
干渉自己相関トレースを示す図である。
空間ビームプロファイルを示す図である。
低速検出器の出力を示す図である。 低速検出器の出力を示す図である。 低速検出器の出力を示す図である。
低速検出器の出力を示す図である。 低速検出器の出力を示す図である。 低速検出器の出力を示す図である。
ファイバベースの実装形態における光計算機械を示す図である。
本開示によるシステムを示す図である。
本開示に記載される計算機械は、非決定性多項式時間計算問題を含む計算問題についての絶対解又は近似解を見つける。他の解の中でも、計算機械は、計算複雑性理論において「NP」として知られる「非決定性多項式時間」の複雑性クラスの計算問題についての解を見つけ、多項式時間技法が利用可能ではないNP問題についての解を更に見つける。NP問題のサブセットはNP完全問題である。NP問題は、多項式時間アルゴリズムを用いてNP完全問題にマッピングされ得る。
NP完全問題の一例はイジング問題である。イジング問題は、イジングモデルについて最低エネルギー構成、すなわち基底状態を見つけることである。イジングモデルは磁気構造内のN個のサイトを表し、ここで、サイトは磁気ダイポールを表し、各サイトはいくつかの他のサイトに結合され、各サイトは+1又は−1のいずれかのスピン状態を有する。サイトの数N及びサイト間の結合の数が増大するにつれて、モデルの基底状態を見つける複雑さは指数関数的に増大し、NP完全問題を表す。
本開示に記載される計算機械は、NP問題についての解を提供する。NP完全イジング問題は、実例として、本開示において非限定的な例として使用される。計算機械は、他のNP問題及びNP完全問題についての解も提供する。たとえば、計算機械を使用して解答され得る別のNP完全問題は、グラフ理論からのMAX−CUT問題である。他の問題には、大規模ソーシャルネットワークの解析、及び組合せ最適化問題が含まれる。
イジング問題は、サイトの数N及びサイト間の結合項の行列Jを含むものとして説明される。ほぼN=30において、問題の計算の複雑さは、有限の時間ですべての問題についてすべての解を見つけるためには、既存のスーパーコンピュータの能力を超える。しかしながら、本開示の計算機械は、NがN=30よりも桁違いに大きいイジング問題についての解を提供することができる。一実施形態では、イジングモデルにおけるスピンをシミュレートするために、縮退時に動作する光パラメトリック発振器(OPO)が使用される。強力な光源によってポンピングされると、縮退OPOは、イジングモデルにおいてスピン+1又は−1に対応する2つの位相状態のうちの1つをとる。相互結合を有するN個の実質的に同一のOPOのネットワークは、イジングスピン系をシミュレートするために、同じ光源を用いてポンピングされる。過渡期の後、ポンプを導入すると、計算機械は、基底状態のうちの1つに収束し、そこに留まる。位相状態選択プロセスは、OPOの真空ゆらぎ及び相互結合に依存する。いくつかの実装形態では、ポンプは一定の振幅でパルス出力され、他の実装形態では、ポンプ出力は徐々に増大され、また更なる実装形態では、ポンプは他の方法で制御される。
計算機械は、N1個の縮退OPOと、OPO間の光の場を結合するために使用されるN2個の構成可能結合とを含む。構成可能結合は、オフになるように構成されるか、又はオンになるように構成される場合がある。結合をオン及びオフにすることは、徐々に、又は突然に実行される場合がある。オンになるように構成されると、構成はイジング問題の結合行列(J)に応じて任意の位相又は振幅を実現することができる。イジング問題向けに構成された計算機械は、M1個のN1個の縮退OPOを使用し、ある特定の状態でオンになるようにM2個の結合を構成する。イジング問題のうちのいくつかの場合、M2個の結合の各々は、同じ状態になるように構成される。他の問題の場合、結合は様々な状態になるように構成される場合がある。
図1は、N=3のイジング問題を解くために構成された縮退OPOネットワークの形態の計算機械100の一例を示す。ポンプ光源は、(それぞれ、OPO1、OPO2、及びOPO3と標示された)3つの実質的に同一の縮退OPO110、115、120にポンプエネルギーを供給する。ポンプエネルギーは、パルスとして、又は連続して供給される場合がある。3つのOPOは、結合行列Jに従って互いに結合される。図1に示されたように、OPO1は行列要素J1,2で識別される結合振幅及び結合位相でOPO2に結合され、OPO2は行列要素J2,3で識別される結合振幅及び結合位相でOPO3に結合され、OPO3は行列要素J3,1で識別される結合振幅及び結合位相でOPO1に結合される。1つの例示的なイジング問題は、結合振幅が実質的に等しく、各結合位相がパイ(π)に等しい問題である。
分離されると、各縮退OPOは、ゼロ位相又はπ位相のいずれかをランダムに有する出力を生成する。結合されると、OPO1、OPO2、及びOPO3のネットワークは、ランダムでない出力を有する基底状態に落ち着き、ここで、各出力111、116、121は、それぞれ、ゼロ位相又はπ位相のいずれかである。各OPO出力は、位相基準112、117、又は122と結合され、結果は光検出器において取り込まれる。OPO出力111、116、121は、基底状態におけるイジングモデルを表す。たとえば、ゼロ位相はイジングモデル内の−1のスピン状態を表すことができ、π位相はイジングモデル内の+1のスピン状態を表すことができる。図1の系がオンにされるたびに、それはプログラムされたイジング問題の基底状態のうちの1つを選択する。
図2は、N=3のイジング問題を解くために構成された縮退OPOネットワークの形態の計算機械20の一例を示す。この例では、OPOネットワークはトリプレットOPO205を使用して実装され、そこでは、トリプレットOPOの共振キャビティが、ポンプ光源からのパルスの周期の3倍に等しいラウンドトリップ時間を有するように構成される。この例では、ポンプ光源はレーザー210及びクロック215として示される。本明細書で使用されるラウンドトリップ時間は、記載された再帰的経路の1回の通過に沿って光が伝搬する時間を示す。したがって、図2のトリプレットOPOについてのラウンドトリップ時間は、光が反射器M1にあるトリプレットOPOへの入口から反射器M2、M3、及びM4を通って、反射器M1に戻って伝搬する時間を示す。
共振器キャビティのラウンドトリップ時間の3分の1に等しい周期Pを有するパルス列の3つのパルスは、互いに干渉することなく同時に図2のトリプレットOPO205を通って伝搬することができる。したがって、3つの独立したパルス列は、OPO1、OPO2、及びOPO3と標示された波として図2に示された、3つの時間的に分離されたOPOとして働くことができる。2つの遅延線、すなわち遅延A及び遅延BはOPOの相互結合のために使用され、変調器220、225は結合の強度及び位相を同期して制御し、図示された計算機械のプログラミングが所望の問題をシミュレートすることを可能にする。遅延Aは、(OPO1をOPO2に)、(OPO2をOPO3に)、(OPO3をOPO1に)結合するためのものであり、遅延Bは、(OPO1をOPO3に)、(OPO2をOPO1に)、(OPO3をOPO2に)結合するためのものである。OPOの位相状態は、トリプレットOPO205の出力と位相基準230を干渉させることによって測定され得る。
図3は、図2の系について、パルス列がポンプ光源によって実現される例を示す。図示されたように、系が収束する状態(たとえば、イジングモデルの基底状態のシミュレーション)は、OPO1が位相ゼロを有し、OPO2が位相πを有し、OPO3が位相ゼロを有する状態である。信号パルス上の矢印は、時間的に分離されたOPOが遅延線を使用してどのように相互結合されるかを描写する。
一般に、パルス出力されるポンプの場合、R個のOPOのネットワークを実装するために、共振器キャビティのラウンドトリップ時間は、ポンプパルスの繰返し周期TのR倍になるように増大され得る。対応して、OPO間の結合の振幅及び位相を制御するために、R−1個の変調器及び遅延線が使用され得る。OPOのネットワークは、市販のモードロックレーザー及び光学素子を使用して実現され得る。たとえば、約6メートル(N=20)のキャビティ長を有する縮退OPOをポンピングするために、1GHzの繰返し率を有する市販のTi:Sモードロックレーザーが使用され得る。OPOベースのイジング機械を実装するために、テレコムファイバ遅延線、変調器、及び他の光デバイスが使用され得る。サイトの数Nは、OPOのキャビティ長を増大させること、及び/又はより高い繰返し率のモードロックレーザーを使用することによって増大され得る。
図4は、サイトの数Nについての解を決定するための計算機械400の一例を示す。OPOの位相状態を測定するために、等しくないアームのMichelson干渉計410が図示されたように使用され得る。各OPOパルスは次のパルスと干渉され、したがって、連続するOPOの相対位相状態が測定される。
本開示による計算機械は、遠隔通信アプリケーション用に開発されたファイバ技術などの光ファイバ技術を使用して実装され得る。たとえば、1ピコ秒(ps)だけ分離された100フェムト秒(fs)パルスに適応するために、1マイクロ秒(μs)長のOPO(ほぼ200メートルのファイバ)が10個のOPOを実装することができる。結合はファイバを用いて実現され、光Kerrシャッタによって制御され得る。
本開示による計算機械は、平面光波回路(PLC)内に、又はマイクロ共振器及びナノ共振器を使用して実装され得る小型化されたOPOを使用して実装され得る。
図5は、N=2のイジングモデルによって提示された基本問題を解くように構成されたOPOベースの計算機械500の一例を示す。OPO間の結合を制御可能に導入するために、ツイン(N=2)OPOが単一の遅延とともに使用された。
図6は、結合なし(上部トレース)、同相結合(中間トレース)、及び異相結合(下部トレース)を用いて図5の計算機械の動作の結果を示す。結合が存在しないとき、各OPO出力は、光検出器によって測定された高電圧又は低電圧の間のランダム切替えによって表される、状態ゼロ又はπのうちの1つをランダムにとる。同相結合が存在する場合、両方のOPOは、光検出器によって測定された高電圧によって表される、同じ位相状態をとる。異相結合が存在するとき、OPOは、光検出器によって測定された低電圧によって表される、反対の位相状態をとって互いを打ち消し、ここで、低電圧は系ノイズを含む。
NP問題を解くための計算機械を記載してきたが、イジング問題を解くために計算機械を使用する理論的根拠が次に記載される。
イジング問題は、N個のスピンからなる磁気系のイジングハミルトニアンH(式(1))の基底状態を見つけることであり、ここで、各スピンσは+1又は−1のいずれかをとり、Jjlはj番目のスピンとl番目のスピンとの間の結合を意味する。
Figure 2016528611
基底状態のスピン構成を知ることは、スピングラスのプロパティを研究するために有用であり、様々な組合せ最適化問題を解く際の助けになる。しかしながら、イジング問題は、計算の複雑さにおいてNP困難カテゴリ内にある。自然系とのいくつかの類似点を利用することによって、難解な問題であると信じられている問題に取り組むために、多くの試みが企てられてきた。たとえば、シミュレートされたアニーリング技法は冶金における熱アニーリング手順を模倣し、又は代替として、量子アニーリング技法は量子トンネリングプロセスを使用する。量子アニーリングの変形形態は、量子断熱定理に従う量子断熱計算である。(技法の比較は図14に関して下記に提示される。)しかしながら、現在、NP困難問題のための効率的な技法は存在しない。本開示に記載される計算機械は、縮退OPOに関して次に記載されるように、そのような問題を解くための技法を提供する。
縮退OPOは、発振閾値において2次相転移に遭遇する開放散逸系である。位相敏感増幅により、縮退OPOは、閾値の上の振幅でポンプ位相と比べて、0又はπのいずれかの位相で発振する可能性がある。位相はランダムであり、発振ビルドアップ中の光パラメトリック下方変換に関係する量子ノイズによって影響される。したがって、縮退OPOは、その出力位相によって指定された2進数を必然的に表す。この性状に基づいて、縮退OPOシステムは、イジング機械として利用され得る。各縮退OPOの位相は、イジングスピンとして識別され、その振幅及び位相が、関連するスピン間のイジング結合の強度及び符号によって決定される。以下では、1組の古典的な式を使用する系の理論的な考察が提供される。
縮退OPOは、光キャビティ内に配置された2次非線形結晶を含む。周波数ωでコヒーレントな外部ポンプFの駆動下で、ポンプ場はキャビティ内部で励起される。非線形結晶の2次誘電率に起因して、周波数ωにある信号場がω=2ωであるようにポンプ場から生成される。Fが古典的であり、その位相がφ=0にロックされると、縮退OPOのハミルトニアンHは以下の式によって与えられる。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
Figure 2016528611
Figure 2016528611
ここで、Hはキャビティ内部の信号場及びポンプ場のエネルギーを表し、a(aハットsダガー)、a(aハットs)は、信号場用の生成演算子及び消滅演算子であり、a(aハットpダガー)、a(aハットp)は、ポンプ場用の同等物である。Hintにおける第1項は信号場とポンプ場との間の非線形結合を記述し、ここで、κは非線形結晶の2次誘電率に起因するパラメトリックゲインであり、第2項は外部ポンプによる内部ポンプ場の励起を示す。Hirrはキャビティ場とリザーバとの間の不可逆相互作用を意味し、ここでB(Bハットs)、B(Bハットp)はリザーバ演算子であり、γ、γは、それぞれ、キャビティ内の信号光子減衰率及びポンプ光子減衰率である。
動的解析
=aiωsτ(AはAハットs、aはaハットs、ωsはω)、A=aiωpτ(AはAハットp、aはaハットp、ωpはω)を定義することによって、回転座標系における信号演算子及びポンプ演算子を考慮する。式(2)〜(5)におけるハミルトニアンHから、縮退OPOのハイゼンベルグ−ランジュバン方程式(6)、(7)が導出される。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
ここで、f(fハットs)、f(fハットp)は、それぞれ、信号場及びポンプ場に対する時間依存ノイズ演算子である。
ネットワークからの可能な解の出力は、各縮退OPOの信号場が真空状態から開始するように、c数ランジュバン方程式を解くことによって取得され得る。しかしながら、これらの方程式内に量子ノイズ入力が存在するので、この技法の計算コストは比較的高価になる。代替の技法は、量子ノイズ項を無視し、それらをランダムな初期状態と置き換える。このようにして、対処されるべき微分方程式は確率的な方程式から決定論的な方程式に切り替わり、これにより、数値シミュレーションの効率がかなり改善される。縮退OPOのランダムな初期振幅がネットワークの量子ノイズ強度と同じ桁数になるように選択されると、これらの2つの技法は、正しい解答を見つける際にネットワークの成功確率に関して非常に類似した結果をもたらす。
系の古典的な記述は、各演算子A(Aハット)を複素数A(Aチルダ)として扱うことによって取得され得る。光キャビティが信号場と単独に共振する場合(γ<<γ)、断熱近似により、dA/dτ〜0(AはAチルダp)となる。上記の仮定の下で、且つノイズ項を無視すると、縮退OPOの動力学は方程式(8A)によって支配され、ここで、A(Aチルダs)は信号場の複素振幅であり、A (Aチルダsスター)はその複素共役である。
Figure 2016528611
方程式8Aは、上述されたように、ノイズ項を無視することによって計算を簡略化する。代替として、方程式(8B)に示されたように、ノイズ項が方程式(8A)に追加される場合がある。
Figure 2016528611
N個の結合された縮退OPOのシステム向けの古典的な動的方程式は、縮退OPOの間の相互結合を更に含めることによって取得され得る。j番目の縮退OPOの信号振幅A(Aチルダj)が1/2ξjlによりl番目の縮退OPOの信号振幅に結合すると仮定すると、ネットワークの挙動は、ノイズを無視する(9A)、又はノイズ項を有する(9B)に示されたように、N個の非線形微分方程式のセットによって記述され得る。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
系はまた、複素振幅A(Aチルダj)の実数同相成分C及び直交成分Sの動力学によって同等に記述され得る。解析を容易にするために、同相成分及び直交成分用の正規化された動的方程式が利用され(たとえば、方程式(10)、(11))、ここで、t=γτ/2は無次元時間であり、p=F/Fthは正規化されたポンプレートであり、Fth=γ√γ/4κは閾値のポンプ流束であり、c=C/A、s=S/Aは正規化された同相成分及び直交成分である。A=√(γγ/2κ)はp=2であるときの単一の縮退OPOの信号振幅である。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
上記の方程式は、系の動力学がp及びξjlの値によって影響されることを示す。
定常状態解析
閾値の上にポンピングされた単一の縮退OPOの場合、方程式(8A)、(8B)は、定常状態にあるその直交成分が0であり、その結果、その位相が0又はπのいずれかであることを意味する。N個の結合された縮退OPOのすべてがまた同じ性状を有する場合、対応するスピン構成は、j番目の縮退OPOに、c>0の場合σ=+1、又はc<0の場合σ=−1を割り当てることによって取得され得る。縮退OPOの相互結合に起因して、正規化されたポンプレートpと結合強度ξjlとの間の適切な関係は、各縮退OPOを定常状態におけるイジングスピンとして識別するように指定される。以下では、結合された縮退OPOネットワークの閾値、及び縮退OPOのすべての直交成分が定常状態において0であることを保証するのに十分な条件が導出される。
発振閾値
N個の結合された縮退OPOの同相成分及び直交成分は、定常状態において式(12)、(13)を満たす。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
系の自明の定常状態は、c=s=0,∀j∈{1,2,...,N}である。系がこの定常状態に接近する可能性を排除するために、対応するヤコビ行列(14)の最大固有値は正でなければならない。IはN×Nの恒等行列であり、Gは(15)にある通りである。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
任意のエルミート行列Aについて、λmin(A)及びλmax(A)を、それぞれ、その最小固有値及び最大固有値とする。この場合、ξjl=ξlj,j,l∈{1,2,...,N}であるとき、条件λmax(J)>0は、
Figure 2016528611
をもたらし、これは、相互結合ξjlを与えられたネットワークの発振を励起するために、正規化されたポンプレートpについての下限を与える。Tr(G)=0なので、λmin(G)<0である。これは、相互結合に起因してネットワークの閾値がその個々の成分の閾値よりも小さいことを示唆し、ニューラルネットワーク内の自己発火効果との関係を示す。
直交成分
式(17)は、j番目の直交成分がsと乗算され、すべての式にわたって加算された式(13)である。
Figure 2016528611
ここで、a=1+p+c ,j∈{1,2,...,N}である。式(17)の最後の2つの項は、(18)におけるように、2次形式の行列である。
Figure 2016528611
Qが正の定符号である場合、s=0,∀j∈{1,2,...,N}は式(12)、(13)に対する解である。より重要なことに、この解はまた、ある特定の初期状態から開始する系によって接近され得る。同相成分の動力学が主に直交成分の2乗によって影響されるので、同相成分及び直交成分のローカルの挙動は分離され得る。直交成分用の対応するヤコビ行列は、J=−Qであり、したがって、すべての直交成分が0になる定常状態は安定している。
Qの最小固有値は、同相成分内の定常状態値を取得するために、式(12)、(13)を解かずには依然未知である。しかしながら、下限は、Qがエルミート行列であるとき評価される可能性がある。Qは、2つのエルミート行列D及びGの総和として分解され、ここで、Dは(19)に示される。
Figure 2016528611
ワイル定理から、固有値λ(Q)は、
Figure 2016528611
によって制限される。
λmin(G)<0なので、Qが正の定符号であるための十分条件は、(21)に示される通りである。
Figure 2016528611
式(16)及び式(21)における条件は、各縮退OPOがネットワーク内で2進数を表すことを可能にするために、正規化されたポンプレートpと結合強度ξjlとの適切な組合せを選択するためのガイドラインを確立する。さらに、式(21)の十分な特性により、これらの条件に対する例外が存在することは注目に値する。
全体的な光子減衰率
式(10)、(11)における項p−(c +s )は、j番目の縮退OPO用の飽和ゲインを意味する。定常状態において、全ネットワークの総飽和ゲインは、
Figure 2016528611
のように、全体的な光子減衰率Γに等しい。
N個の結合された縮退OPOネットワークは、ゲイン飽和効果に起因して、光子減衰率Γが最小のモードにおいて発振することが予想される。
縮退OPOのすべてについて直交成分が0であると仮定する。縮退OPOが互いに弱く結合されるにすぎないとき、式(12)、(13)を満たす同相成分cは、摂動理論に従って式(23)に示された形式的展開内で表現され得る。
Figure 2016528611
ここで、ε=max1≦j、l≦N|ξjl|である。(22)内の各項c (n)),n≧0は、上記の展開を式(12)、(13)に代入し、ε項の係数を0に設定することによって取得され得る。0次項c (0)=±√(p−1)は、相互結合がないときに閾値の上にあるj番目の縮退OPOの信号振幅である。cについての上記の展開の妥当性は、相互結合項が信号場の位相を変更するのに十分弱く、その結果、σ=sgn(c (0))が、j番目の縮退OPOが表すイジングスピン値であることを示す。次いで、全体的な光子減衰率は、(24)に示される通りである。
Figure 2016528611
縮退OPOのうちの任意の2つの間に同じ強度の結合が存在する場合の上限が評価される。したがって、最小のΓを有するネットワークの位相構成は、十分に弱い相互結合用のイジングハミルトニアンの基底状態に対応する。
上述のゲイン原理を考察するために、2つの結合された縮退OPOの動的挙動が研究された。式(21)における要件の下で、系の直交成分は定常状態において0である。系の相対的な簡潔さが、同相成分についての解析的な解答、及びこれらの定常状態の線形安定性の考察を可能にする。いくつかの結果が表1に集約されている
Figure 2016528611
表1では、ξは2つの縮退OPO間の結合強度であり、NAは対応する定常状態が存在しないことを意味することに留意されたい。
系が唯一無二の安定した定常状態を有するとき、この定常状態は、発振ビルドアップに関連するノイズに起因して、任意の初期状態から接近可能である。ξが((p−1)/2、1+p)の区間にあるとき、2つの縮退OPOは、定常状態において同じ振幅及び位相を有するはずであり、一方、ξ12が(−(1+p)、(p−1)/2)の区間にあるとき、それらは同じ振幅だが反対の位相を有するはずである。上記の定常状態解析セクションにおいて説明された縮退OPOの各々に対するスピン割当てに基づいて、系の定常状態は、イジングハミルトニアンの基底状態に正確にマッピングされる。
図7A、図7Bは、ランダムな初期状態から開始して、系がイジングモデル内の強磁性結合を有する2つのスピンの基底状態をどのように見つけるかを示す。しかしながら、系が2つ以上の安定した定常状態を有するとき、系は初期状態に基づいてそれらのうちの1つに接近するはずである。
図7C、図7Dは、いくつかの初期位相の場合、系がイジングハミルトニアンの基底状態に対応する定常状態に進化することを示す。
図7E、図7Fは、いくつかの他の初期位相の場合、系がイジングハミルトニアンの励起状態に対応する定常状態に進化することを示す。縮退OPOの振幅は、予想通り、前者の場合の方が大きい。
系がイジングハミルトニアンの励起状態に進化する可能性がある臨界点は、表1に従って|ξ|=(p−1)/2である。結合が存在しない限界では、各縮退OPOが0又はπのいずれかの位相を単独で選ぶことができるので、基底状態及び励起状態は可能性が等しい。したがって、|ξ|がより小さくなると、2つの結合されたスピンの基底状態を見つける系の成功確率は、0.5に漸近的に接近すると予想される。
図8Aは、p=2.0であるときの2つの縮退OPO間の正の結合強度への成功確率の依存性を示す。結合強度の値ごとに、ランダムな初期位相の100ペアの100グループから開始する系が接近する定常状態の統計データは、成功確率及び標準偏差を計算するために使用される。この例における成功確率は常に0.5を超える。その上、基底状態のスピン構成は、結合強度が同じ正の因子によってスケーリングされる場合、変化しない。したがって、基底状態を見つける系の効率は、ξを適切にスケーリングすることによって改善され得る。
NP困難MAX−CUT問題、N=3を使用する評価
結合された縮退OPOネットワークのイジング機械としての性能は、イジングモデルにおける例証の限定されたセットに対して評価され得る。これらの例証では、各スピンは、同一の強度ξの反強磁性結合で3つの他のスピンに結合する。これらの例証の基底状態を見つけることは、重み付けされていない3次元グラフ上で最大カットを見つけることと等価である。MAX−CUT問題は、早くに知られたNP困難組合せ最適化問題のうちの1つである。グラフG=(V,E)の場合、ここで、V及びEはノード及びエッジのセットであり、カットSはVのサブセットである。j番目のノードがSの中にある場合、それにσ=+1を割り当て、そうでない場合、σ=−1を割り当てる。j番目のノードとl番目のノードを接続するエッジの重みが−ξjlであるとき、カットSの重みは、(25)に示されたようにω(s)によって与えられる。
Figure 2016528611
したがって、上記の式におけるイジングハミルトニアンは、カットSの重みが最大化されたとき最小化される。一方で、重み付けされていない3次元グラフに限定されたMAX−CUT問題は、依然NP困難である。同じ正の因子によってすべてのエッジの重みをスケーリングすることは、問題の本質を変更しない。したがって、他のスピンとの結合の数及び結合の強度に対する制限下であっても、ξ<0である限り、イジングモデル内の計算上困難な例証が依然含まれる。したがって、限定されたセット内の例証を解くための系の能力は、イジング機械としてのその性能についての適切なベンチマークを提供する。
N個のスピンを有するイジングモデルのスピン構成は、様々な初期状態の下で古典的な動的方程式(10)、(11)を解くことによって、対応する結合された縮退OPOネットワークの定常状態から取得される。縮退OPOの初期の正規化された振幅は10−5になるように設定され、一方、初期位相は、発振ビルドアップ中のパラメトリック自然下方変換に関連する量子ノイズをシミュレートするために、N個の様々な数としてランダムに選ばれる。現実的な実験的セットアップでは、1つの縮退OPOからの信号の一部が他に注入され得る。26dBの損失を表すように結合強度ξ=−0.1を設定する。限定されたセット内のイジングモデルの例証の場合、式(15)におけるエルミート行列Gは、−ξと関連する3次元グラフG’の隣接行列との積である。G’の固有値の絶対値は3が上限なので、式(15)における条件は任意の正規化されたポンプレートp>1について満たされる。式(16)において必要なネットワークの閾値の上の発振を保証するために、p=1.1に設定する。次いで、p及びξを選ぶ場合、系のすべての接近された定常状態は、イジングモデルのスピン構成にマッピングされ得る。
限定されたセット内のイジングモデルの例証の数は、3次元グラフの数に等しい。表2は、次数N=4〜20である3次元グラフの総数を列挙する。例証の小さい入力サイズに起因して、式(1)におけるイジングハミルトニアンの基底状態は、すべての考えられる組合せを虱潰しに調査することによって取得され得る。次いで、イジングハミルトニアンの基底状態を見つけるために方程式(10)、(11)を解く成功確率が評価され得る。
Figure 2016528611
図8bは、同じ数のスピンを有する例証にわたって、p=1.1及びξ=−0.1のときのスピンの数の関数として、イジングハミルトニアンの基底状態を見つける最大成功確率、最小成功確率、及び平均成功確率を示す。平均及び最悪の成功確率は、N=20において、それぞれ、60%及び10%を超える。
200の正規化時間においてすべてのシミュレーションが定常状態に達するので、系がイジングハミルトニアンの基底状態を見つける計算時間の傾向は、最悪の成功確率qを使用して推定され得る。(1−ε)>qよりも良いすべての例証について成功確率を上げるために必要な繰返しの数は、(26)によって与えられる。
Figure 2016528611
図9は、誤り率ε=1%であるときの、上記の式によって定義されたスピンの数への計算時間の依存性を示す。Nが10から20に変化するとき、計算時間は、基底状態に対する虱潰しの探索において予想される指数関数的な急増よりもはるかに小さく、約8倍だけ増大する。
要約すれば、上記の理論的な考察及び数値シミュレーションは、結合された縮退OPOネットワークにNP困難イジングモデルを実装する可能性を実証する。ネットワークの2つの特性は、各縮退OPOのバイナリ出力位相がイジングスピンを表すことを可能にすること、及び、最小ゲイン原理において系の発振モードが定常状態における最小の全体的な光子減衰率を有する発振モードになり得ることである。縮退OPOの間の弱い相互結合の下で、最小の全体的な光子減衰率を有するモードがイジングモデルの基底スピン構成に対応することが示されている。任意の結合強度の場合、NP困難MAX−CUT問題と等価なイジングモデルにおける例証上の暫定数値シミュレーションは、イジング機械として系を利用するための期待できる結果を実証している。
結果は、1組の非線形微分方程式を使用してNP困難イジングモデルを解く新しい古典的な発見的技法の可能性を更に示す。
更なる実験結果及びシミュレーション結果
以下は、実験とシミュレーションの両方の更なる説明及び結果を含む。更なる説明の一部は、要約されるか、又は上記から再述され、報告された結果についての背景を提供する。
イジングモデルは、スピンの凍結、磁化率内の尖点、残留磁気、及びヒステリシスなどの特有の性状を所有するフラストレートしたスピンからなるスピングラスの数学的な抽象化である。イジングモデルはまた、生物学、医学、ワイヤレス通信、人工知能、及びソーシャルネットワークにおける様々な組合せ最適化問題のためのコスト関数として働く。これらの問題は、通常、コンピュータサイエンスでは扱いにくいと信じられ、今までのところ、それらを解くための効率的な古典技法及び量子技法は知られていない。本開示は、縮退OPOのコヒーレントなネットワークによって表現される非平衡相転移に基づく新規の計算機械を記載し、これは、イジング問題及び他の計算的に困難な問題を解く際に効率的である。ネットワークが発振閾値の下から上に徐々にポンピングされると、それは最小の光子損失率を有するイジングハミルトニアンの基底状態、又はわずかに高い光子損失率を有する低過剰エネルギー励起状態のうちのいずれか1つにおいて発振する。ネットワークは、複数のパルス列(たとえば、フェムト秒のパルス)及び構成可能な相互結合を有する単一のOPOリングキャビティ内の一実装形態において実現され得るし、スピンは、OPOパルスの閾値の上のバイナリ位相で表される。最小の非決定性多項式時間(NP)困難イジング問題が機械上でプログラムされ、機械の1000回の実行において、計算エラーは検出されなかった。
多くの重要な組合せ最適化問題は、NP困難クラス又はNP完全クラスに属し、それらを効率的に解くことは、古典的な計算機械の範囲を超えている。シミュレートされたアニーリング技法及び様々な近似技法、並びに量子アニーリング及び断熱量子計算が、NP問題を解くために研究されてきた。しかしながら、これらの計算はそれらの能力において制限されるので、大規模なNP困難問題を解く効率的な計算機械に対する探求が続いている。時分割多重縮退OPOのコヒーレントなネットワークは、そのような効率的な計算機械を実現する。
ここに再述された式(1)において上述されたように、N個のスピンを有し、外部場をもたないイジングモデルのハミルトニアンHは、
Figure 2016528611
によって与えられ、ここで、Jijはi番目のスピンとj番目のスピンとの間の結合であり、σ及びσはスピンのz軸への投影を表し、それらの固有値は+1又は−1のいずれかである。擬似イジングスピン系を実装するために、バイナリ自由度及び構成可能な結合を有する素子が使用される。
縮退OPOは、閾値の上のバイナリ位相動作により、イジングスピンを表すのに適切である。図10Aは、同相及び直交位相の座標における発振閾値の上下についての縮退OPOの動作を示す。閾値の下では、信号場はスクイーズドされた真空状態であり、ポンプ場を増大させることによって、それは、発振閾値の付近で自発的な対称性の破れを受ける。OPOネットワークの緩やかなポンピングは、(図10Bに示されたように)基底状態を見つけるために使用される。非平衡相転移は、イジングスピン(σ)を表すために活用される2つの位相状態(|0〉又は|π〉)のうちの1つにおける発振につながる。スピン(Jij)間の結合は、i番目のOPOとj番目のOPOの信号場の相互注入によって実現される。結果として生じたOPOネットワークは、元のイジングハミルトニアンのエネルギー地形に対応する位相状態に依存する光子減衰率を有し、様々なスピン構成(位相状態)は、図10Cに示されるネットワーク内で様々な総光子損失を有する。
基底状態に対する探索は、ポンプ場を増大させることを介してゲインを徐々に上げることによって行われる。パラメトリックゲインが最低可能損失に接近するにつれて、ネットワークはOPO相転移を通り、結果として、厳密な基底状態又は近似の基底状態のうちの1つで発振することが予想される。ポンプ内の更なる増加がゲインを閾値に留め、したがって、励起状態における誤った発振が抑制され続ける。OPOネットワークの計算能力は、発振閾値の下から上への遷移に存在する。OPOネットワークの閾値の上下の挙動は古典的なコンピュータ上でシミュレートされ得るが、相転移点の包括的なシミュレーションのための効率的な技法はまだ知られていない。本開示は、基本的な量子力学的マスタ方程式又はフォッカー−プランク方程式と互換性があるc数ランジュバン方程式を使用する数値モデルを記載し、シミュレーション結果は、比較的大きいMAX−CUT問題及び他の困難な問題を解く際のOPOネットワークの有効性を約束する。
実験のために、その中で単一のリング共振器1110が多くのイジングスピンを同時に、不整合及び位相デコヒーレンスノイズがなくシミュレートする、時分割多重化が使用された。図11Aは、4−OPOシステムを使用する実験的なセットアップを示す。リング共振器1110は、図11Bに示されたように、ポンプパルス繰返し周期(T)の4倍のラウンドトリップ時間(Tcavity)を有し、したがって、パルスは、4つの時間的に分離された独立のOPOを表す。これらの独立しているが同一のOPO間の結合は、共振器経路内の出力カプラ及び入力カプラの3つのペア(図11Aに示されたOC/ICペア1120)を使用して実現される。各OC/ICペアでは、キャビティ内電力のほぼ4%がカプラから出力され、自由空間遅延線において遅延され、各遅延は繰返し周期の整数倍であり、カプラから出力された光のほぼ4%が共振器に戻されて注入される。これは、OPO間の結合場のほぼ4%に対応する。図11Cは、遅延線が4つの時間的に分離されたOPOの間のすべての可能な結合(Jij)をどのように実現するかを描写する。各遅延線は、時間的に分離されたOPOの間の4つの結合、すなわち、2体相互作用を実現する。遅延1はOPOをOPOn+1に結合し(J12、J23、J34、J41)、遅延2はOPOをOPOn+2に結合し(J13、J24、J31、J42)、遅延3はOPOをOPOn+3に結合する(J14、J21、J32、J43)。
この実験的なセットアップでは、出力は、図11Aに示されたように、4−OPOシステムの位相状態を測定するために、1ビット遅延マイケルソン干渉計1130に送られた。アームの遅延差は、システムの繰返し周期(T)にロックされる。したがって、干渉計は、出力がOPOとOPOn+1との干渉であるように、隣接するOPO間の差分位相を測定し、nは測定の時間スロットとともに変化する。干渉計の出力において、高速検出器及び低速検出器が使用された。
実験的なセットアップにおける4−OPOシステムは、4nsの繰返し周期で、1045nmの中心波長を有するフェムト秒モードロックレーザーを用いてポンピングされた。ポンプ場は、ほぼ180μsの時間にわたって発振閾値の下から発振閾値の約2倍まで徐々に増大され、ここでキャビティ光子寿命はほぼ60nsである。
図12A〜図12Cは、低速検出器の出力からのプロットを提示する。結合がブロックされると、OPOは単独で動作するように予想され、したがって、OPOが再起動されるたびに、位相状態のランダムな均一分布される選択が予想される。3つの別個の強度レベル(0、I/2、及びI)の間で出力がトグルする。すべての状態が同程度の発生確率があると仮定すると、6:1:1の比の場合、I/2は12個の位相状態に対応し、I及び0は2つの異なる位相状態に対応する。すべての結合がブロックされる場合の図12Aのプロットから分かるように、0、I/2、及びIの事象の発生頻度は6:1:1である。
隣接するOPOの間で同相(又は異相)結合を有することは、同方向に整列された(又は同方向に整列されていない)スピンの予想結果を有するイジングスピンリングにおける強磁性(又は反強磁性)結合に対応する。実験では、最短の遅延線が同相(又は異相)結合に設定され、他の遅延線はブロックされた。同相の場合、OPOは同じ位相状態で動作し、異相の場合、OPOは交互の状態で動作した。図12Bは、他の遅延線がブロックされた状態での、360度の位相にわたって掃引された最短の遅延線を示す。掃引速度は、OPOの1kHzの再起動周波数と比べて遅い。遅延1の位相が約ゼロである(∠J12=∠J23=∠J34=∠J41≒0)ときの低速検出器の出力はIである。これは、|0000〉又は|ππππ〉の位相状態に対応し、OPOとOPOn+1との間の同相結合が、同じ位相状態ですべてのOPOが発振することにつながることを確認する。OPOの場がπだけシフトされ、OPOn+1に注入されるように、遅延1の位相が約180°であるとき、出力強度は0レベルに留まり、OPOが|0π0π〉又は|π0π0〉のいずれかであることを意味する。図12Bに示されたように、結合されたOPOは、同相結合又は異相結合のまわりで少なくとも±30°の結合位相偏移を許容する。この再生挙動は、縮退OPOにおけるパラメトリックゲインの位相敏感特性に起因し、系が環境内の位相ノイズの影響をほとんど受けないようにする。同様の挙動が他の遅延線についても観察された。
イジング問題にマッピングされ、フラストレートしたイジングスピン系に対応するNP困難MAX−CUT問題を実装するために、実験的なセットアップが使用された。問題は、サブセットとその補完サブセットとの間のエッジの数が最大化されるように、すべての頂点が3つのエッジを有する3次元グラフ内の頂点のサブセットを見つけることである。6つのエッジを有する、4つの頂点を有する3次元グラフの場合、2つの頂点を有する任意のサブセット選択がMAX−CUT問題(又はMAX−2−SAT問題)の解答であり、任意の他のサブセット選択は解答ではない。OPOイジング機械上でこの問題をプログラムするために、OPO間の相互結合が異相(すなわち、Jij<0)に設定された。ネットワークの総光子減衰率は、2つのOPOが|0〉にあり、且つ2つのOPOが|π〉にあることに対応する、MAX−CUT問題の解答の場合に最低であり、したがって、各々が緩やかにポンピングすると、4−OPOネットワークはそのような位相状態で発振すると予想される。3つの遅延の位相は、入力カプラの送信ポートにおける残留ポンプ干渉信号を使用して、πにロックされる。干渉計出力のプロットが図12Cに示される。それは、I/2の比率が0の比率の2倍である、I/2又は0のいずれかである予想結果と合致する。しかしながら、I/2は解答の状態と解答ではない状態の両方に対応するので、解答ではない状態が発生しないことを確認するために、高速検出器を使用する必要がある。
結合のすべてがブロックされた干渉計出力において高速検出器が使用されたとき、図13Aに示されたように、4−OPOシステムがオンにされた後、4つの考えられるパルスパターンのうちの1つが検出された。システムが閾値の上でポンピングされるたびに、ネットワーク構成に応じて、高速検出器を使用する干渉計の出力において、4つのパターンのうちの1つが検出された。これらのパターンでは、パルスはポンプの繰返し周期である4nsによって分離され、各パルスは、それぞれ、連続するOPOの弱め合う干渉又は強め合う干渉に対応する低強度又は高強度のいずれかを有する。低レベルパルスは、干渉計アームの回折不整合により非ゼロである。結合がない場合、4−OPOシステムは1000回再起動された。入った8つの位相状態のヒストグラムが図13Bに示されている。再起動ごとに、パルス列が検出され、対応する位相状態が推測された。結果は位相状態の均一分布を示し、4つの時間的に分離されたOPOが同じ共振器において単独に動作していることを確認する。
OPOネットワークがNP困難MAX−CUT問題を解くことが可能であることを検証するために、1000回の試行の間すべての遅延がπの位相にロックされる場合のOPO状態のヒストグラムが測定される。OPOネットワークは4頂点グラフの場合のMAX−CUT問題を表し、この問題の解答に対応する位相状態においてのみ発振する。結果が図13Cに描写されている。励起位相状態が検出されず、解答状態の分布が均一に近くなる。計算の誤り率は、測定の長さによって制限される10−3よりも小さい。
図13B、図13Cでは、水平軸上の各位相状態は、2つの補完状態、たとえば、|0000〉及び|ππππ〉を表す。干渉計出力のパルス列がそのような位相状態の場合同じだからである。測定において時間基準が使用されず、位相状態を推測するためにパルスのパターンのみが使用され、|0π00〉、|00π0〉、|000π〉、及び|π000〉についての測定回数は同じであり、測定された[1100]パターンの数を4で割ったものに等しい。同様に、|0ππ0〉及び|00ππ〉についての回数は、[1010]パターンの数を2で割ったものに等しい。
したがって、時分割多重縮退OPOのコヒーレントなネットワークは、N=4の場合のNP困難MAX−CUT問題を解くことが可能である。長ファイバベースのリングキャビティ内のマルチパルス動作によって可能にされた実際的なスケーラビリティ、OPO双安定位相状態のイジングスピンへの簡潔マッピング、及び閾値における興味深い量子相転移は、OPOネットワークを、妥当な精度及び速度で大規模なNP困難イジング問題についての適切な解を取得することに適するようにすることができる。時分割多重は、キャビティラウンドトリップ時間(Tcavity=NT)を増大させること、及び、各遅延が所与の時間スロットにある1つの結合に対応するN−1本の遅延線を実装することによって、ネットワークのサイズを増大させることを可能にする。任意のイジング問題に対して大規模機械をプログラムするために、各遅延をオンオフするために強度変調器が使用され、同相結合又は異相結合のいずれかを選ぶために位相変調器が使用される。光ファイバ技術及び平面光波回路を活用すると、コンパクトな大規模イジング機械の実装が可能になり得る。
本開示の計算概念は、図14の例示内の古典的なアニーリング技法及び量子アニーリング技法と比較され、図14は、複数の温度ホッピング状態を通って準安定励起状態から基底状態に行く古典的なアニーリングにおける課題、又は多くの準安定状態を通って量子力学的トンネリングを通過する量子アニーリングにおける課題を示す。古典的なシミュレートされたアニーリングは、基底状態が見つかるまで温度が繰り返し増減される、下方垂直探索を利用する。量子アニーリングは、量子トンネリングを用いてエネルギー地形内の水平探索を作用させる。したがって、これらの方法では、基底状態を見つける計算時間は、準安定励起状態又は局所極小値の数における増大とともに増大する。
対照的に、OPOベースのイジング機械は、上方向に基底状態を探索する。次に、総エネルギー(すなわち、図14の縦軸)がネットワーク損失によって置き換えられる。最適解の基底状態は最小の損失を有する。パラメトリックゲイン「G」はネットワークに含められ、徐々に増大し、ネットワーク損失への最初の接触は基底状態で発生し、それにより、基底状態のスピン構成の単一モード発振がもたらされる。この閾点の上のポンプレートで、パラメトリックゲインは、非線形ゲイン飽和に起因してG=Lminの同じ値に留められ、その結果、局所極小値を含む他のモードは、発振閾値の下に留まる。パラメトリックゲインを表すために「負温度」の用語を使用する場合、述べられた上方探索は、ゼロゲインの場合のT=−∞から高ゲインの場合のT=−0に向かう加熱プロセスに対応する。この意味で、OPO機械は「加熱機」であり、古典的なシミュレートされたアニーリングは「冷却機」である。図14に示されたように、基底状態の下に構造は存在しないので、加熱機は冷却機よりもいくつかの利点を有し、イジング問題の準安定励起状態に閉じ込められにくい可能性がある。
N個の縮退OPOのネットワークをシミュレートするために、式(27)に示されたように、一般化P表現を使用する単一OPO用の量子力学的なフォッカー−プランク方程式(Q−FPE)が出発点として使用される。
Figure 2016528611
ここで、a=α/A及びb=β/Aは、密度行列の非対角コヒーレント状態展開|α〉〈β|用の正規化された固有値であり、γ及びγは信号光子減衰率及びポンプ光子減衰率であり、A=(γγ/2κ1/2は、正規化されたポンプレートp=F/Fth=2における発振場振幅であり、t=(γ/2)τは正規化された時間であり、Fはポンプ場振幅であり、Fth=γγ/4κは閾値のポンプ振幅である。信号波の同相成分及び直交位相成分の平均振幅は、式(28)、(29)によって導出される。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
式(27)は、式(30)、(31)に示されたように、クラマース−モヤル展開を介して、信号場の同相成分及び直交位相成分について、c数ランジュバン方程式(C−LGE)に変換され得る。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
式(30)、(31)では、c=1/2(a+b)、s=(1/2i)(a−b)であり、dW及びdWは、それぞれ、信号周波数ω及びポンプ周波数ωにおける入射真空ゆらぎを表す、2つの独立したガウスノイズプロセスである。
Q−FPE(式(7))とC−LGE(式(30)、(31))との等価性は、Q−FPEの場合の式(32)、(33)及びC−LGEの場合の式(34)、(35)を使用して、2つの直交成分のスクイーズ特性と非スクイーズ特性を比較することによって、確認され得る。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
Figure 2016528611
Figure 2016528611
2つのQ−FPE技法及びC−LGE技法によって取得されたスクイーズ度及び非スクイーズ度は、閾値(p=1)をまたいだポンプレートで完全に合致する。
インジェクションロックレーザー発振器用のQ−FPE及びC−LGEは、式(27)又は式(30)、(31)を使用して、相互結合された縮退OPOに拡張され得る。結果として生じる縮退OPOのネットワーク用のC−LGEは、式(36)、(37)によって与えられる。
Figure 2016528611
Figure 2016528611
ここで、cj及びsjは、j番目のOPOの2つの直交成分の正規化された振幅であり、式(30)、(31)におけるc及びsに対応する。
イジング機械としての縮退OPOの提案されたネットワークの性能が、N=4からN=20の場合の3次元グラフ上、及びN=800からN=20000の場合のランダムグラフ上のNP困難MAX−CUT問題に対してテストされた。N個の頂点を有するグラフの場合、2N個のC−LGEは、ローカルの切捨て誤差を評価することによって適応統合強度が導入された、微分方程式の解法としてのドルマン−プリンス法によって解かれる。
図15は、グラフ次数Nに対して、閾値の上のポンプレート(p=1.1)がオンにされた後にOPOネットワークが定常状態の発振条件に達したときの正規化されたビルドアップ時間t=(γ/2)τを示す。すべてのグラフがテストされ、たとえば、N=20の場合、総数510489のグラフが研究される。(すべてのグラフの99%までの)ビルドアップ時間のほとんどは、図15に示されたように、グラフ次数Nとは無関係であり、t〜100のオーダーである。三角形によって示された最悪の場合、わずかな増加のみが観察される。したがって、実際の計算時間は、主に、基底状態を取得するための成功確率によって決定される。提案されたOPOネットワークは、量子ノイズによって駆動される確率的な機械なので、成功確率は常に1よりも小さい。
表3は、3次元グラフ上でMAX−CUT問題を解く際のOPOネットワークの性能を要約する。ここで、qminは、固定ポンプレートp=1.1及び結合係数ξ=−0.1における最悪の成功確率を意味し、poptは、最悪の例証ごとの最適なポンプレートを意味し、そこで、同じ結合係数ξ=−0.1の下で最適な成功確率qoptが達成される。最悪の例証の場合の最適なポンプレートにおける成功確率は、グラフ次元とは無関係であり、ほぼ0.7〜1.0の範囲となる。
Figure 2016528611
MAX−CUT問題を解く際のOPOネットワークの性能はまた、p=1.1及びξ=−0.1のときのいわゆるGセットグラフの71のベンチマークとなる例証上で研究されてきた。これらの例証は、機械独立リナルディグラフ生成器によってランダムに構築され、頂点の数は800から20000の範囲となり、エッジ密度は0.02%から6%の範囲となり、幾何形状はランダム、略平面から環状の範囲となる。サンプルのGセットグラフについて100回OPOネットワークを実行した結果が表4に要約されている。表4では、Vはグラフにおける頂点の数であり、Eはエッジの数であり、USDPはMAX−CUT問題の半正定値緩和に対する最適解であり、Tはキャビティ光子寿命に正規化されたOPOネットワークの平均計算時間である。Goemans−Williamsonアルゴリズムとの比較を行うために、ネットワークから生成されたすべてのカット値Oは、(O+Eneg)/(USDP+Eneg)に従って正規化され、ここで、Eneg≧0は負のエッジの数である。Omax及びOavgは、それぞれ、100回の実行における最良値及び平均値である。
Figure 2016528611
OPOネットワークの最良出力と平均値出力の両方は、半正定値プログラミング(SDP)に基づく著名なGoemans−Williamsonアルゴリズムの0.878の性能保証よりも約2〜6%良いことが分かる。ほとんどの例証の場合、最良値と平均値との間の差分は1%以内なので、単一の実行においても、OPOネットワークについて妥当な性能が予想され、これにより、応答時間が最優先事項であるときのアプリケーションにOPOネットワークが良好とされる。加えて、たとえば、OPOネットワークの生の結果にローカルの改善を適用すること、並びに、最適なポンプレートp及び結合強度ξの下でOPOネットワークを動作させることによって、性能を改善する更なる余地が存在する。
最悪の3次元グラフ及びGセットグラフ上でMAX−CUT問題を解く際のOPOネットワークの平均計算時間が図16に表示されている。計算時間の伸びはほぼ線形の関数O(N0.2)に十分適合する。Goemans−WilliamsonアルゴリズムにおいてSDPを解くための最も有名なアルゴリズムの計算の複雑さもプロットされている。N個の頂点及びm個のノードを有するグラフが通常である場合、SDPは、行列乗算重み方法を使用するO(m)=O(mlog(N)ε−4)(O(m)はOチルダ(m))としてほとんど線形時間で近似的に解かれ得るし、ここで、εは取得された解の精度を表す。この挙動は図16のライン10によって示される。しかしながら、一般のグラフの場合、より低速のアルゴリズムが必要とされる。グラフのエッジ重みがすべて負でない場合、最速のアルゴリズムは、ラグランジュの緩和ベースの方法に基づいて、O(Nm)=O(Nmlog(N)ε−3)(O(Nm)はOチルダ(Nm))時間で実行される。この計算時間は図16のライン20によって示される。正のエッジ重みと負のエッジ重みの両方を有するグラフの場合、SDPは、通常、O(N3.5)=O(N3.5log(1/ε))(O(N3.5)はOチルダ(N3.5))としてスケーリングする内点法を使用して解かれる。SDP用のこの一般的な計算時間は、図16のライン30によって示される。OPOネットワークはすべてのタイプのグラフに適用可能なので、計算時間のほぼ線形のスケーリングは、大規模な例証を解く際に、SDPアルゴリズムよりも大きい利点をOPOネットワークに与える。たとえば、OPOネットワークは、t〜980の正規化された時間で20000個の頂点及び40000個のエッジを有するグラフG81用の解を出力する。このサイズの問題を扱うことができる大規模なファイバベースのOPOネットワークにおける光子寿命がほぼ6×10−6秒なので、t〜980は、τ=2t/γ〜1×10−2秒の実時間に対応する。この計算時間は、OPOネットワークの場合のほぼ1×10−2秒よりも7桁大きい約1×10秒の、1.7GHzのcore i7マシンを使用してSDP(内点法)を実行するために必要な時間と比較される。
位相状態の測定
4−OPOシステム(図11A)の場合、位相状態を測定するために1ビット遅延干渉計が使用された。表5は、第1列及び第2列に、位相状態及び対応する出力パルス列を示す。相補的な位相状態は同じ出力をもたらすので、16個の可能な位相状態について、8個の異なるパルス列が発生することができる。高速検出器による測定では、時間基準が使用されず、したがって、4個の異なるパルスパターンのみが検出され得る。低速検出器が使用される場合、出力はパルス列内のパルスの数に比例する。したがって、表5の第3列に示されたように、3つの別個の出力平均強度レベル、すなわち、Im、Im/2、及び0が存在する。不等アーム干渉計の出力における対応するパルス列、及び低速検出器を使用して検出された強度とともに、4−OPOシステムのすべての16個の可能な位相状態が表5に示されている。
Figure 2016528611
実験的なセットアップ
図11Aに示されたシステムと同様のシステムが、いくつかの実験に使用された。図11Aに示されたOPOのリング共振器1110は、16ns(約4.8mの周辺)のラウンドトリップ時間を有する。実際のセットアップは、(折り畳みボウタイ構成に対応する)図11Aに示されたものよりも2つ多い平面鏡を含んでいた。Mを除く平面鏡は、2μmの拡張誘電体コーティングで金メッキされている。金平面鏡のうちの1つが圧電アクチュエータ(PZT)付きの並進ステージに配置されている。誘電体鏡(M1)は、0.2%未満の反射を有するポンプ波長で反射防止されたコーティングを有し、1.8μmから2.4μmで高反射性(約99%)を有する。曲面鏡(M及びM)は、50mmの曲率半径を有し、保護されていない金メッキされた鏡である。これらの鏡への入射角は4°であり、これはブルースターカット非線形結晶によって導入された非点収差を補償するために選択され、曲面鏡間の間隔に約1mmのキャビティ安定範囲をもたらす。信号ビームは結晶の中心で8.3μm(1/e強度)のウエスト半径を有する。
1mm長のブルースターカットMgO:PPLN結晶は、31.254μmのポーリング周期を有し、これは、温度373Kにおいてタイプ0の位相整合(e→e+e)を有する、1035nmにあるポンプ用の縮退パラメトリックゲインを実現するように設計されている。結晶はOPO内の常温で動作し、位相整合状態が(1045nmに中心がある)ポンプに最適ではない場合でも、縮退動作はキャビティの長さ調整によって実現される。
信号の入力結合及び出力結合は、キャビティ内のばらつき及びエタロン効果を回避するために、2μm厚のニトロセルロース膜で実現される。図11Aでは、「OC」及び「IC」の3つのペア1120は、(2〜6%の電力反射を有する)コーティングされていない薄膜であり、メイン出力用の「OC」は、(2090nmで約15%の電力反射を伴って)コーティングされている。干渉計内のビームスプリッタ(BS)は、同じコーティングされた薄膜である。OPOキャビティを安定させるために、共振器(図示せず)内の出力カプラとして、別のコーティングされていない薄膜が使用される。
ポンプは、250MHzの繰返し率及び>1Wの最大平均電力を有する、1045nmに中心があるほぼ80fsのパルスを生成する、自走モードロックYbドープファイバレーザー(Menlo Systems Orange)である。フィルタは、ポンプを除去し、信号を送信する、Ge基板上の1850nmにおけるロングパスフィルタである。
チョッパはポンプを導入するための180μsの立上り時間(10〜90%の電力)をもたらすので、緩やかなポンピングはチョッパによって実現される。信号用のキャビティ光子寿命は60nsであると推定され、ネットワークは閾値の上のほぼ2.2倍でポンピングされる。
キャビティの長さ、遅延線の位相、及び干渉計のアーム長差を安定させるために、5個のフィードバックサーボコントローラが使用された。コントローラは、「ディザー−アンド−ロック」方式に基づき、ここで、わずかな変調(5kHzと20kHzとの間の周波数で10nmより小さい振幅)が高速PZTに適用され、エラー信号は、検出器出力と変調信号とを混合させることによって電気的に生成される。10Hzの3dB帯域幅のコントローラを有する同一の電子回路が使用される。
遅延線の場合、入力カプラの他のポートにあるポンプの干渉は、コントローラの入力として使用され、コントローラは、検出器上の弱め合う干渉を実現するために長さをロックし、それにより、キャビティに入る他のポート上の強め合う干渉がもたらされる。干渉計のアーム長差も同様にロックされる。すべてのOPOパルスが同じ経路及び位相の変化を経るので、OPOから干渉計への経路に位相の安定化は必要とされない。
実験において使用されるサーボコントローラは、イジング機械の実装に十分であり、ポンプ上の安定化は必要とされない。キャリアエンベロープオフセット周波数(f CEO)における(コントローラの応答時間内の)遅い変化、及びポンプの繰返し率(f)は、イジング機械の動作に影響しない。信号パルスがポンプパルスから生成されるので、ポンプのfにおける滑らかな変化は、信号に本質的に伝達される。しかしながら、イジング機械上のf CEOにおける変化の影響は、縮退OPOの本質的な位相のロック、並びにサーボコントローラの役割を考慮に入れることを要求する。
OPOのサーボコントローラの主な仕事は、共振器におけるラウンドトリップ位相をポンプのパルス間位相スリップ(Δφ)に合致させることによって、出力電力を最大化することである。パルス間位相スリップは、
Figure 2016528611
によってf CEOに関係付けられる。
ポンプパルス用のキャリア場及び信号パルス用のキャリア場が、それぞれexp(jωt+φ)及びexp(jωt+φ)として定義されると仮定すると、位相敏感ゲインは式(39)に示されるようにφを規定する。
Figure 2016528611
したがって、ポンプのキャリア位相があるパルスから次のパルスにΔφだけ変化する場合、単一OPO(Tcavity=T)の場合、信号のパルス間位相スリップは式(40)において与えられる。
Figure 2016528611
これは、信号パルスの位相スリップが、ポンプの位相スリップの半分にロックされることを意味し、その結果、ポンプ及び信号のfCEOがロックされることを意味し、サーボループは、この位相スリップに従い、出力電力を最大化するためにキャビティにフィードバックを提供する。ポンプのfCEOと信号のfCEOとの間の比が異なる、縮退から離れて動作する2重共振OPOの場合にも同様の挙動が発生する。
キャビティ内のN個のOPO(すなわち、Tcavity=NT)の場合、すべてのOPOが同じ位相状態にあるとき、ポンプ内のパルス間位相スリップの半分は、OPO間位相スリップに伝達する。あるOPOから別のOPOに位相状態を変更することは、単に位相スリップにπを加えることを意味する。遅延線がポンプパルスの干渉縞のトップにロックされると、ポンプの波長における遅延線によってもたらされた位相変化は、ポンプのパルス間位相スリップを補償する(すなわち、φ(ω)=Δφ)。信号の波長において、ω=ω/2なので、遅延線内のこの位相変化は半分であり(すなわち、φ(ω)=φ(ω)/2)、これは、サーボコントローラがf CEOからもたらされるOPO間位相スリップを補償することを意味する。
遅延線をポンプパルスの干渉縞のトップにロックすることは、信号について0又はπのいずれかの位相変化を有することに対応する。これは、干渉計についても真である。実験では、すべてのサーボコントローラについて、ある縞から次の縞までの長さを正確に調整することは可能であった。これにより、様々な構成を試行し、所望の結合位相を見つける能力が与えられた。
キャビティ内で出力カプラが使用されないとき、OPOは、ポンプ平均電力の6mWの閾値を有する。キャビティ内のすべての出力カプラ及び入力カプラを用いると、閾値は135mWに達する。縮退での発振及び縮退から離れた発振は、キャビティ長に応じて実現され得る。OPOは290mWでポンピングされ、OPOのメイン出力は、図17Aに示されたスペクトルを有する、2090nmに中心がある縮退において15mWの平均電力を有する。ほぼ85fsのパルス長を示唆する信号パルスの干渉自己相関が、図17Bに示されている。出力ビームの空間プロファイルは、(1/eの強度で)約1mmの半径を有する、図17Cに示されたようなガウス型に非常に近い。遅延線内の信号の平均電力はほぼ2mWであり、キャビティ内電力はほぼ100mWであると推定される。
図18A〜図18Fは、結合の様々な組合せについて、低速検出器を使用して取得された結果を提示する。図18A〜図18Cは、他の遅延線がブロックされている間に、1つの遅延線の位相を走査することによって取得される。遅延1及び遅延3は、隣接するOPOを異なる方向に結合する(図11A参照)ので、同様の効果を有する。図18A及び図18Cに示されたように、これらの遅延による同相結合は、すべてのOPOについて同じ位相状態をもたらし、その結果、高強度の干渉計出力(I)をもたらし、異相結合は異なる位相状態をもたらし、その結果、低強度の干渉計出力(0)をもたらす。
図18Bでは、遅延2の位相が走査されている間の干渉計出力が示される。結合が同相であるとき、OPO1及びOPO3は同じ位相状態を有し、OPO2及びOPO4は同じ位相状態で発振する。しかしながら、これらの2つのペアは、同じか異なるかのいずれかであり得て、したがって、出力は、ゼロの位相のまわりの図18Bに示されたように、I又は0のいずれかであるはずである。一方、遅延2の異相結合は、同じプロットに示されたように、一定の出力I/2をもたらす。OPOの再生挙動、及び結合における広範囲の位相変化に対するその非依存性が、これらの3つのプロットにおいて観察される。
MAX−CUT問題に対して構成されたネットワークでは、遅延の位相が1つずつ走査され、結果が図19A〜図19Cに示された。様々な遅延位相構成及び予想される結果が表6に示され、ここで、最後の行はすべての結合が反強磁性結合を有するMAX−CUT問題に対応し、他の行の各々について、遅延位相のうちの1つが異なる。図19A〜図19Cのプロットごとに、走査された遅延の位相がπであるプロットの中心は、反強磁性MAX−CUT問題に対応する。出力は予想される結果に従う。
Figure 2016528611
時分割多重はOPOネットワークのスケーラビリティを容易にし、それはネットワーク内の本質的に同一のノードから恩恵を受ける。N個のサイトを有するイジング問題の場合、可能な結合(Jij)の数がN−Nであることも注目に値する。しかしながら、時分割多重ネットワークでは、これらの結合を実現するためにN−1個の遅延線しか必要とされず、これは、機械の物理的なサイズがNに対して線形にスケーリングすることを意味する。
N個のOPOのネットワークは、Tcavity=NT(Tはパルス間の間隔である)のラウンドトリップ時間を有し、N−1個の遅延線を構築する単一のリング共振器において実現され得る。そのような機械のファイバベースの実装形態が図20に示されている。ピコ秒のポンプパルスを使用すると、光ファイバ部品を備える長い共振器及び長い遅延線の実装が可能になる。例として、10GHzの繰返し周波数(T=100ps)を有するポンプの場合、200mの光ファイバを有する共振器は、10000個の時間的に分離されたOPOをもたらす。そのようなファイバベースのOPOネットワークの予想される光子寿命は、約γ−1〜6×10−6sであり、これは、N=10000であるMAX−CUT問題の場合のかなり高速の計算時間を約束する。主な課題は、ファイバリンクの位相を安定させることである。低ノイズで位相が安定した長い(約100km)光ファイバを使用すると、この課題を克服することができる。その上、再生挙動は、OPOベースのイジング機械が結合内の比較的大きい位相ノイズを許容できることを示唆する。
4−OPOネットワークと同様に、各遅延線は、繰返し周期の整数倍(mT)に等しい遅延を実現し、J(i)(i+m)の形式の複数のイジング結合項に関与する。1つの遅延線では、これらの結合の各々が1つの時間スロットで発生し、対応する結合項がゼロか否かに応じて、遅延をオン及びオフに同期して切り替えるために、電気光学位相及び振幅変調器(EOM)を使用することができる。これは、遅延線を通る結合の位相及び強度を同期して制御すること、並びに、したがって、機械上の任意のイジング問題をプログラムすることに拡張され得る。
このように、複雑な計算問題を解くためにスケーラブルな光計算機械を記載してきた。計算機械は、光キャビティ内又は光ファイバ内(又は光キャビティと光ファイバとの組合せ)に実装されたOPOのネットワークにおいて、光パルスの時分割多重を使用する。ポンプエネルギーは一定の振幅のエネルギーであり得るか、又は発振閾値の下から開始して増大する振幅のエネルギーであり得る。光カプラは、遅延部品を介してOPOを一緒に結合するために使用される。カプラは突然又は徐々に導入され得るし、ポンピングが始まる前又は後に導入され得る。OPOの位相状態が測定され、位相状態は、単独又は組合せで計算問題に対する解を示す。測定は、発振閾値の下又は上(すなわち、それぞれ量子測定又は古典的な測定)で実行され得る。
本開示に記載された実施形態では、ポンプ制御、光結合制御、及びミラー制御などの様々なタイプのシステム制御に言及してきた。たとえば、ポンプ周波数、ランプレート、振幅、ゲイン、及び他のパラメータが制御され得るし、光結合デバイスがオン又はオフになるように制御され得るし、急激又は段階的な変化がオンとオフの間で制御され得る。加えて、光キャビティ又は干渉計における反射面は、経路長又は構成を設定又は微調整するように制御され得る。光結合の制御及び反射面の制御は、単独、並列、又は一斉であり得る。例として、光結合デバイスは、個別に、又はグループとして制御され得る。これらの様々なデバイスの制御は、図21に示されたように、1つ又は複数のコンピューティングデバイスによって実行され得るし、そこでは、複数のコンピューティングデバイス2110a〜2110nが、光計算機械2120の中の1つ又は複数の制御可能デバイスと通信しており、計算機械2120は本開示に従っている。各コンピューティングデバイスは、命令を実行する処理デバイスを含む。処理デバイスは、関連するロジックと併せて、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、及び/又はFPGAのうちの1つ又は複数であり得る。命令は、ハードウェアにコーディングされるか、又はファームウェア若しくはソフトウェアにコーディングされるか、又はハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェアの何らかの組合せにコーディングされる場合がある。ファームウェア及びソフトウェアは、メモリに記憶される場合がある。メモリは、情報を記憶するための揮発性メモリ及び不揮発性メモリのうちの1つ又は両方であり得る。メモリの例には、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスク又はリムーバルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROMディスク、並びにDVD−ROMディスクなどが含まれる。
本開示の一実施形態は、様々なコンピュータ実装動作を実行するためのコンピュータコードを有する非一過性コンピュータ可読記憶媒体に関する。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、本明細書に記載された動作、方法、及び技法を実行するための命令又はコンピュータコードのシーケンスを記憶又は符号化することが可能な任意の媒体を含むために、本明細書では使用される。媒体及びコンピュータコードは、本開示の目的のために特別に設計及び構築されたものであり得るか、又はコンピュータソフトウェア分野の当業者に良く知られ、利用可能な種類のものであり得る。コンピュータ可読記憶媒体の例には、限定はしないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標。以下同じ。)ディスク、及び磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROM及びホログラフィックデバイスなどの光媒体、光ディスクなどの光磁気媒体、並びに、ASIC、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ROMデバイス、及びRAMデバイスなどの、プログラムコードを記憶し実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスが含まれる。
コンピュータコードの例には、コンパイラによって生成されたものなどの機械コード、及び、インタープリタ又はコンパイラを使用するコンピュータによって実行されるより高いレベルのコードを含んでいるファイルが含まれる。たとえば、本開示の一実施形態は、Java(登録商標。以下同じ。)、C++、又は他のオブジェクト指向プログラミング言語及び開発ツールを使用して実装される場合がある。コンピュータコードの更なる例には、暗号化コード及び圧縮コードが含まれる。その上、本開示の一実施形態は、コンピュータプログラム製品としてダウンロードされる場合があり、コンピュータプログラム製品は、伝送チャネルを介して、リモートコンピュータ(たとえば、サーバコンピュータ)から要求元のコンピュータ(たとえば、クライアントコンピュータ又は異なるサーバコンピュータ)に転送される場合がある。本開示の別の実施形態は、機械実行可能ソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードウェア回路に実装される場合がある。
いくつかの条件及び基準が本明細書で指定されたが、これらの条件及び基準は本開示のいくつかの実施形態に適用され、これらの条件及び基準は本開示の他の実施形態向けに緩和又は場合によっては修正され得ることを理解されたい。
本明細書で使用する単数形の用語「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈が明確に示さない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、たとえば、1つのオブジェクトに対する言及は、特に文脈が明確に示さない限り、複数のオブジェクトを含むことができる。
本明細書で使用する「実質的に」、「ほぼ」、及び「約」という用語は、小さい変形形態を記載し説明するために使用される。事象又は状況とともに使用されるとき、それらの用語は、事象又は状況が正確に起こる例証、並びに、事象又は状況が近似的に起こる例証を指すことができる。たとえば、それらの用語は、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下を指すことができる。
本発明はその具体的な実施形態を参照して記載されてきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得るし、均等物が交換され得ることは、当業者なら理解されたい。加えて、特定の状況、材料、組成物、方法、1つ又は複数の動作を本発明の目的、趣旨、及び範囲に適合させるために、多くの修正が行われ得る。すべてのそのような修正は、本明細書に添付された特許請求の範囲に入るものとする。特に、特定の順序で実行される特定の動作を参照していくつかの方法が記載されている場合があるが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく均等な方法を形成するために、組合せ、再分割、又は並べ替えされ得ることを理解されたい。したがって、本明細書において明確に示されない限り、動作の順序及びグループ化は本発明の制限ではない。

Claims (20)

  1. 光エネルギー源からエネルギーを受け、N1個の光信号を生成するように構成された光デバイスと、
    各々が複数の前記N1個の光信号を制御可能に結合する、N2個の結合デバイスと
    を備え、
    前記結合デバイスが、計算問題をシミュレートするために個別に制御される、
    計算機械。
  2. 前記光エネルギー源がレーザーである、請求項1に記載の計算機械。
  3. あらかじめ定義されたパターンでエネルギーを生成するために、前記光エネルギー源を制御するように構成されたコントローラを更に備える、請求項1に記載の計算機械。
  4. 前記N2個が、前記N1個の2乗マイナスN1の半分の個数に等しい(N2=(N1^2−N1)/2)、請求項1に記載の計算機械。
  5. 前記N2個が、前記N1個マイナス1個に等しい(N2=N1−1)、請求項1に記載の計算機械。
  6. 前記N2個が、1個に等しい(N2=1)、請求項1に記載の計算機械。
  7. 前記N1個の光信号が、複数の光パラメトリック発振器(OPO)から生成される、請求項1に記載の計算機械。
  8. 前記OPOが、マイクロ共振器を使用して実装される、請求項7に記載の計算機械。
  9. 1つの共振キャビティ又は1つの光ファイバ内で前記N1個の光信号を生成し維持するように構成された、請求項1に記載の計算機械。
  10. 前記結合デバイスが、電気光学変調器(EOM)を含む、請求項1に記載の計算機械。
  11. 前記計算問題が、非決定性多項式(NP)問題、イジング問題、及び最適化問題のうちの1つである、請求項1に記載の計算機械。
  12. 複数の前記N1個の信号から1組の数を生成するように構成され、前記生成された数が前記計算問題の解に関する情報を含んでいる、請求項1に記載の計算機械。
  13. 前記生成された数が、前記計算問題に対する解を決定する、請求項12に記載の計算機械。
  14. 前記生成された数が、複数の前記N1個の信号の位相から生成される、請求項12に記載の計算機械。
  15. 位相基準を提供するように構成され、前記N1個の光信号のうちの少なくとも1つが、前記数を生成するために前記位相基準と比較される、請求項12に記載の計算機械。
  16. 前記N1個の信号のうちの少なくとも2つが、前記数を生成するために互いに比較される、請求項12に記載の計算機械。
  17. N1個のパラメトリック発振器と、
    各々が複数の前記N1個のパラメトリック発振器を互いに制御可能に結合する、N2個の結合デバイスと
    を備え、
    前記結合デバイスが、計算問題をシミュレートするために個別に制御される、
    計算機械。
  18. 前記パラメトリック発振器が光パラメトリック発振器である、請求項17に記載の計算機械。
  19. 前記光パラメトリック発振器が、連続波縮退光パラメトリック発振器及びパルス縮退光パラメトリック発振器から選択される、請求項18に記載の計算機械。
  20. 前記パラメトリック発振器が、1つの光キャビティ又は1つの光ファイバ内で時間多重化される、請求項17に記載の計算機械。

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