JP7348578B2 - イジングモデルの計算装置 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば磁性体のような相互作用するスピン群の理論モデルであるイジングモデルに基づいて計算を行う計算装置(イジングマシン:Ising Machine)に関する。
例えば配送ルートの最適化や無線周波数割当など、現代社会の多くの重要な問題は組合せ最適化問題であり、大規模サイズの最適化問題をできるだけ短時間で、できるだけ高精度に求めることが急務となっている。
レーザーネットワークを用いて、イジングモデルを光パルスにより擬似的にシミュレーションした、イジングモデルの計算装置が知られている。例えばイジングモデルのサイト(格子点)のスピンに対応させた状態量を有する光パルス列を時分割多重して光共振器に周回させ、相互作用をフィードバックしつつ収束させ、組み合わせ最適化問題をイジングモデルの基底状態探索問題として解く、コヒーレント・イジングマシン(CIM:Coherent Ising Machine)が提案されている。
その後、縮退光パラメトリック発振器(DOPO:Degenerate Optical Parametric Oscillator)を用いた時分割多重方式の提案により、例えば2000ノードにも及ぶ大規模化が見込めるようになってきている。(特許文献1、非特許文献1)
縮退光パラメトリック発振器(DOPO)を用いたコヒーレント・イジングマシン(CIM)では、DOPOの発生する光パルスの位相0, πでスピン値を表現し、DOPOパルス群を、光共振器を構成するリング状の光ファイバの途中で光パルスを分岐してスピン値を測定し、フィードバックにより相互作用させ、収束するまで繰り返し計算を行っている。
これにより、相互作用するスピン群の理論モデル(イジングモデル)の基底状態探索問題を解くことができ、コヒーレント・イジングマシン(Coherent Ising Machine)が開発されている[非特許文献2]。
このコヒーレントイジングマシンに実装されている、DOPO光パルス間の相互作用を表現するハミルトニアンH(系のエネルギー関数)は、次の式(1)で表わされる。
Figure 0007348578000001
ここで、σiはイジングモデルでは{1,-1}の値をとるサイトi(iは自然数)のスピン 、Jijはスピンσiとスピンσの間のスピン間相互作用係数である。コヒーレントイジングマシンでは、スピンσは正負のアナログ値をとり、光パルスの振幅の余弦成分cを用いて近似的に表現される。光パルスの振幅の余弦成分cの絶対値は、光パルスの周回につれて、時間発展に伴い飽和する
図1は、DOPO光パルスを用いた従来のコヒーレントイジングマシンの概略図である。図1では、光ファイバループで構成された光共振器1を時分割多重された2048個のDOPO光パルスが周回しており、光分岐部2で分岐されたDOPO光パルスを平衡ホモダイン検出器3で、スピンにあたる電気信号{c,c、・・・、c2047}として振幅測定している。
また、この振幅測定に基づき、演算途中の光パルスのスピンを測定し、その情報をもとにFPGA(Field-Programmable Gate Array)4でスピン間相互作用を計算し、その信号を変調器5で光に乗せて、結合部6から光振器1にフィードバックする。この仕組みによって収束するまで繰り返し計算を行い、イジングマシンとしての解を得る。このコヒーレントイジングマシンを用いて、最大カット問題とよばれる組合せ最適化問題の、高速な解探索が可能であることが報告されている。
DOPOを用いて式(1)の形でコヒーレントイジングマシンを実装するとき、i番目(iは自然数)のDOPO光パルスの振幅の時間発展は、以下の式(1b)で近似的に記述される[非特許文献2]。
Figure 0007348578000002
ここで、pは独立したDOPO光パルスの発振閾値での値で規格化したポンプ振幅、ciはp=2における振幅値で規格化したDOPO光パルスの振幅の余弦成分である。DOPOの性質として、振幅の正弦成分は減衰することから無視している。
上記のようなコヒーレントイジングマシンにおいては、共振器の不安定性により発振時のDOPO光パルスの振幅が変動するため、動作条件が大きく揺らいでいた。
また、平衡ホモダイン検波用の局部発振光(図1には図示せず)の位相の不安定性、および注入パルスの位相の不安定性もDOPO光パルスの振幅変動をもたらすという課題があり、さらに、光パルス間結合の符号が反転した別な問題を解いてしまう可能性もあった。
そこで、問題を解いて得られた解答の品質をチェックする必要がある。従来はそのために、計算に使用する光パルスの一部に、小規模かつ正解が既知の簡単な問題に対応する光パルスを状態監視用のチェックスピンとして入れて、正解が未知の解きたい問題と同時に解かせていた。そしてこのチェックスピンに関する回答を、既知の簡単な問題の正解と比較し、評価することによって、正解が未知の解きたい問題が正しく計算されているかを確認していた(特許文献2)。
ここまでの上記の話は、ハミルトニアンがスピン間相互作用項のみで構成される、限定的なイジングモデルについて計算する、いわば制限付きのイジングマシンについての話であった。
一方で、より一般化されたイジングモデルでは、式(1)のハミルトニアンに対してさらに磁場項と呼ばれる項が加わり、下記の式(2)のハミルトニアンHで表されるものとなる。
Figure 0007348578000003
ここで式(1)と同じくJijはスピン間相互作用係数、σiはサイトiにおけるスピンであり、hは式(2)で加わったサイトiにおける外部磁場である。本発明では外部磁場とは、物理的な磁場として作用するものではなく、イジングモデルにおけるサイトのスピンに作用する仮想的な磁場として、チェック用のスピンを含め解くべき問題に応じて設定される磁場である。
式(2)の右辺第一項は式(1)と同じスピン間相互作用項であり、右辺第二項が各スピンに対する外部磁場による磁場項である。
例えば地図の四色塗り分け問題、巡回セールスマン問題など、より多種類の組合せ最適化問題を、式(2)のハミルトニアンを有する一般化されたイジングモデルに変換して、解を求められることが知られている。
国際公開第2017-047666号 国際公開第2019-078354号
Takahiro Inagaki et al., "A coherent Ising machine for 2000-node optimization problems", SCIENCE, 2016, pp. 603-606, Vol.354. Z. Wang et al., "Coherent Ising machine based on degenerate optical parametric oscillators", Phys. Rev. A 88, 063853 (2013) 活性化関数https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E9%96%A2%E6%95%B0
上記のように、より一般化したイジングモデルを表現するハミルトニアンの式(2)は、スピン間相互作用項と磁場項から構成される。しかし、特許文献2の従来技術における解の精度をチェックする方法では、磁場項は考慮されていない。このため、従来の方法では、磁場項とスピン間相互作用項で構成される、より一般化したイジングモデルの解の精度をチェックする方法には適用できないという課題があった。
つまり、一般化されたイジングモデルを計算する場合においては、ハミルトニアンは磁場項とスピン間相互作用項で構成されているため、スピン間相互作用項のみを取り入れている従来の方法では、磁場項が所望の状態に印加されているかどうか評価できない、という課題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、磁場項とスピン間相互作用項で構成されるより一般化したイジングモデルの解の精度をチェックすることを可能とした、イジングモデルの計算装置を実現することを目的とする。
本発明の実施形態の一例は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、磁場項の状態監視チェックビットとしての光パルスを設定し、状態監視用光パルスが模擬しているスピンに対して、外部磁場項のみの印加を行って、得られたパルスの応答をフィッティングにより求めて、磁場項印加の状態監視を行うことを特徴とする。
あるいは、上記課題を解決するために、コヒーレントイジングマシンCIMで使用するDOPOパルスの一部分を状態監視用光パルスとして用いるものであり、外部磁場項印加を模擬した状態監視用光パルスがCIMにおける時間発展の結果、適切な成長を遂げた場合のみ、その時間発展で得られた計算結果を採用するものである。
なお、特許文献1に記載の技術も状態監視用光パルスを用いるものであるが、こちらはパルス間に相互作用を入れ、簡単な磁場無しのイジングモデルの問題を解くことで品質をチェックしていたものである。本発明では、ハミルトニアンに磁場項を有する一般化されたイジングモデルの計算装置であり、パルス間の相互作用は入れず、磁場項のみを印加して、その時間発展後の状態を見るという点で、特許文献1記載の技術とは異なる。
(構成1)
ハミルトニアンに磁場項を有する一般化されたイジングモデルの計算装置において、
状態監視用光パルスのスピンに対し磁場のみの印加を行って、得られた前記状態監視用光パルスの振幅を測定することにより磁場項の状態監視を行い、コヒーレントイジングマシンとしての動作状態をモニタする、イジングモデルの計算装置。
(構成2)
前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、振幅値がタイムスロット依存性の傾きを持った磁場であり、磁場のゼロ点を横切るように印加する
ことを特徴とする構成1記載のイジングモデルの計算装置。
(構成3)
前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、定数値である
ことを特徴とする構成1記載のイジングモデルの計算装置。
(構成4)
前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、自身の測定振幅の絶対値に比例することを特徴とする構成1記載のイジングモデルの計算装置。
(構成5)
前記状態監視用光パルスの測定振幅に対して特定のフィッティング関数をフィッティングし、得られたフィッティングパラメータの値によりコヒーレントイジングマシンとしての計算の結果を選択する
ことを特徴とする構成1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置。
(構成6)
前記状態監視用光パルスの測定振幅の振幅値を求め、前記振幅値を用いてコヒーレントイジングマシンとしての計算の結果を選択する
ことを特徴とする構成1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置。
(構成7)
構成1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置を組み合わせた計算システム。
この発明は、磁場項とスピン間相互作用項で構成される一般化したイジングモデルの計算装置において、磁場項が所望の状態に印加されているか評価できる、という有利な効果を奏する。
本発明の手法によってコヒーレントイジングマシンの計算結果を取捨選択することにより、適切な条件で動作した場合の計算結果を抽出することが可能となり、安定して良い解を提供するコヒーレントイジングマシン計算システムが実現可能となる。
従来のコヒーレントイジングマシンの概略図である。 実施例1の状態監視用チェックビットのパルスのパターンを示す図である。 実施例1の状態監視用チェックビットのパルスの別のパターン1~3を示す図である。 磁場入りDOPO光パルスの振幅の定常解(振幅の絶対値に比例する磁場項の場合)を説明する、磁場振幅Bと規格化パルス振幅Cの関係の図である。 実施例1の状態監視用チェックビットのパルスの磁場振幅Bの入力と、シミュレーション結果を示す図である。 実施例1の磁場チェックビットのパルスの振幅測定結果の一例を示す実験結果の図である。 実施例2に用いるフィッティング関数の一例を示す図である。 実施例3の状態監視用チェックビットのパルスのパターンを示す図である。 実施例3の状態監視用チェックビットのパルスの別のパターン4~6を示す図である。 実施例3の状態監視用チェックビットのパルスの別のパターン7~9を示す図である。 実施例3のパターン9のパルス振幅を奇数と偶数のスロットで合わせた図である。
本発明では、磁場項の状態監視チェックビットとしての光パルスを設定し、状態監視用光パルスが模擬しているスピンに対して、外部磁場項のみの印加を行って、得られたパルスの応答をフィッティングにより求めて、磁場項印加の状態監視を行う。
外部磁場を印加する場合において、パルス毎に異なる強度および方向の磁場にすることができる。例えばタイムスロットにおける偶数番目のパルスには正方向の磁場、奇数番目のパルスは負方向の磁場、というように交互に逆方向の磁場を印加することもできる。
偶数番目のパルスに印加する正方向の磁場の、タイムスロット依存性には負の傾きを与えてもよい。また、奇数番目のパルスに印加する負方向の磁場の、タイムスロット依存性には正の傾きを与えてもよい。奇数番目のパルスと偶数番目のパルス、磁場の正方向と逆方向を入れ替えることもできる。
さらに、磁場を印加された状態監視用光パルスの振幅についてのタイムスロット依存性を観測し、偶数番号パルスについて、または奇数番号パルスについての曲線を活性化関数でフィッティングすることにより、注入パルス位相に関する情報を得ることができる。
外部磁場を印加する場合において、パルス毎に異なる強度及び方向にすることもできる。タイムスロットにおける番号前半のパルスには正方向の磁場を印加し、番号後半のパルスは逆方向の磁場を印加する、というように外部磁場を印加してもよい。前半番号と後半番号を入れ替えても同等である。
外部磁場を印加する場合において、パルス毎に異なる強度及び方向にすることをもできる。タイムスロットにおける偶数番目のパルスには磁場を印加し、奇数番目のパルスは磁場を印加しない、というように交互に外部磁場を印加してもよい。偶数番目と奇数番目を入れ替えても同等である。
このようにすることにより、磁場項とスピン間相互作用項で構成されるイジングモデルを計算する装置において、磁場項が所望の状態に印加されているか評価できる、という有利な効果を奏する。
時分割光パルスのタイムスロットにおいて例えば偶数番号、奇数番号の磁場項の状態監視チェックビットの光パルスの振幅を測定し、測定データの点をフィッティング関数によりフィッティングし、フィッティング関数のフィッティングパラメータに応じて下記項目(1)~(4)を確認することによって、外部磁場が所望の通りに印加されているかチェックすることができる。
フィッティングパラメータは、具体的には下記の(1)~(4)の4つの項目を反映しており、これらの項目を判定する。
(1)磁場の位相の向き(符号)が間違っていないか?
飽和振幅は、その符号が注入パルス位相の符号を、絶対値がDOPOの発振の状態を反映している。
(2)磁場の位相が0/πからどれだけずれているか?
飽和振幅は、その符号が注入パルス位相の符号を、絶対値がDOPOの発振の状態を反映している。
(3)磁場の中心点(変調器のバイアスずれなど)がずれていないか?
横軸のバイアスは、注入パルス位相のゼロ点のバイアスを反映している。
(4)注入した磁場や測定系に正負のアンバランスが無いか?
縦軸のバイアスは、注入パルスの振幅の正負のアンバランス、測定系の正負のアンバランス等を反映している。
これらの項目を、任意的に選択して磁場項の状態監視を行うことができる。
これらの情報を、部分的にでも取ることができるチェックビットのパターンには、以下の実施例に示すように、いくつかバリエーションがある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施例1)
図2は、実施例1の状態監視用チェックビットを含むパルスの振幅のパターンを示す図である。図2では、横軸を時間に取り、周回する光パルスの順にタイムスロットを取り、チェックビットと計算用ビットの両方の区間を示し、例えば光位相0を正、πを負としたパルスの振幅を縦軸としている。ここでは、偶数番のスロットのパルスが負の傾きを、奇数番のスロットのパルスが正の傾きの磁場を持った場合を示している。
パルスの傾きとは、タイムスロットの番号増大につれてパルスの振幅値が増加または減少する傾向(タイムスロット依存性)を意味し、図2の左側のチェックビット区間では、偶数番目、または奇数番目のタイムスロットの、パルスの先端を結んだ点線の傾きに相当している。
この傾きが磁場の振幅が正から負、または負から正になるように、タイムスロットの偶数/奇数の順番で交互に磁場を設定することがポイントである。チェックビットへのフィードバック信号は、測定振幅の絶対値に比例するもの(fi=Bi|Ci|)とすることができる。
図3は、実施例1の状態監視用チェックビットのパルスの別のパターン1~3を示す図3(a)~(c)である。それぞれ状態監視用チェックビットの部分のみを示しており、計算用ビットの部分は示していない。いずれも後述のフィッティング関数法でフィッティングパラメータの前記の項目(1)~(4)を確認することによって、外部磁場が所望の通りに印加されているかチェックすることができる。ただし、どちらが奇数スロット・偶数スロットであってもよい。
図4は、磁場入りDOPO光パルスの振幅の定常解(振幅の絶対値に比例する磁場項の場合)を説明する、磁場振幅B(横軸)と規格化パルス振幅C(縦軸)の関係の図である。
非特許文献2によれば、DOPO光パルスの規格化振幅の時間発展を記述する式は、下記の式(8)である。

Figure 0007348578000004
(8)

式(8)を単純化して定常解を求めると、

Figure 0007348578000005

となり、図4の磁場振幅Bと規格化パルス振幅Cの関係の図が得られる。
したがって、図5(a)に示すような磁場振幅Bを有する磁場項の状態監視チェックビット(全32パルス、偶数番パルスは負の傾き、奇数番パルスは正の傾きを持つ)を入力すると、図5(b)に示すようなシミュレーション結果が得られることとなる。
図6には、実際の磁場チェックビットの振幅測定結果の一例(実験結果)を示す。
この実験結果の測定点に、以下の実施例2の図7に示すようなフィッティング関数(図7ではフィッティング関数としてソフトサイン関数の例を示す)を適用してあてはめ、フィッティングパラメータ(図7ではα, β, γ)を求める。これによって、一般化したイジングモデルの計算装置において、磁場項が所望の状態に印加されているか評価することができる。
なお、ソフトサイン関数は一例であり、非特許文献3にあるような関数(活性化関数)ならばフィッティング関数として適用可能である。
(実施例2)
図7に示す実施例2のフィッティング関数により求めたフィッティングパラメータから、以下の情報を取得することができる。
例えば図7のようなフィッティング関数を、偶数番号、奇数番号の磁場チェックビット振幅測定の実験データにフィッティング(あてはめ)し、フィッティングパラメータ α, β, γを求めることによって、下記の情報を取得することができる。
フィッティングパラメータ α, β, γは、それぞれ下記の項目を反映している。
α: 飽和振幅 符号が注入パルス位相の符号を、絶対値がDOPOの発振の状態を反映している。
よって、
・磁場の位相の向き(符号)が間違っていないか(フィッティングパラメータα)
・磁場の位相が0/πからどれだけずれているか(フィッティングパラメータα)
を確認できる。
β: 横軸のバイアス→ 注入パルス位相のゼロ点のバイアスを反映している。
よって
・磁場の中心点(変調器のバイアスずれなど)がずれていないか(フィッティングパラメータβ)
を確認できる。
γ: 縦軸のバイアス → 注入パルスの振幅の正負のアンバランス、測定系の正負のアンバランス等を反映している。
よって
・注入した磁場や測定系に正負のアンバランスが無いか(フィッティングパラメータγ)
を確認できる。
これらの項目を、任意的に選択して磁場項の状態監視を行うことができる。
(実施例3)
図8は、実施例3の状態監視用チェックビットのパターンの図である。図8では左半分に、チェックビットの区間を示し、右半分に計算用ビットの区間も示している。
実施例2のような情報を部分的にでも取ることができるチェックビットのパターンは、いくつかバリエーションがあり、図8実施例3の状態監視用チェックビットでは、チェックビットに一定値の磁場を印加することを特徴とする。
チェックビットへのフィードバック信号としては、定数(f=B)とすることができる。図9は、実施例3の状態監視用チェックビットの別のパターン4、5、6を示す図9(a)、(b)、(c)である。図9(c)のパターン6は、図9(a)、(b)のパターン4と5を合わせたものである。
この場合は、
・磁場チェックビット部分の符号がちゃんとあっていれば、正負はok (フィッティングパラメータの項目(1)の情報取得)
・振幅が一定値を超えていれば、位相ずれはok (フィッティングパラメータの項目(2)の情報取得)
・フィッティングパラメータの項目(3)の情報はとれない
・信号や測定系の正負に差があると、正部分と負部分の高さが違う。(フィッティングパラメータの項目(4)の情報取得)
を判定することができる。
これらの項目を、任意的に選択して磁場項の状態監視を行うことができる。図10は、実施例3の状態監視用チェックビットのさらに別のパターン7、8、9を示す図10(a)、(b)、(c)である。図10(c)のパターン9は、図10(a)、(b)のパターン7と8を、偶数のスロットと奇数のスロットで合わせたものである。
図11には図10(c)のパターン9を、タイムスロットの横軸に対するパルス振幅Cとして表現したものである。
この場合は、
・磁場チェックビット部分の符号がちゃんとあっていれば、正負はok (フィッティングパラメータの項目(1)の情報取得)
・振幅が一定値を超えていれば、位相ずれはok (フィッティングパラメータの項目(2)の情報取得)
・フィッティングパラメータの項目(3)の情報はとれない。
・パターン9の場合、信号や測定系の正負に差があると、正部分と負部分の高さが違う。 (フィッティングパラメータの項目(4)の情報取得)
を判定することができる。これらの項目を、任意的に選択して磁場項の状態監視を行うことができる。
以上のように、本発明では、磁場項とスピン間相互作用項で構成される一般化したイジングモデルにおいて磁場項の状態監視を行い解の精度をチェックすることができる、イジングモデルの計算装置を実現することが可能となった。

Claims (7)

  1. ハミルトニアンに磁場項を有する一般化されたイジングモデルの計算装置において、
    状態監視用光パルスのスピンに対し磁場のみの印加を行って、得られた前記状態監視用光パルスの振幅を測定することにより磁場項の状態監視を行い、コヒーレントイジングマシンとしての動作状態をモニタする、イジングモデルの計算装置。
  2. 前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、振幅値がタイムスロット依存性の傾きを持った磁場であり、磁場のゼロ点を横切るように印加する
    ことを特徴とする請求項1記載のイジングモデルの計算装置。
  3. 前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、定数値である
    ことを特徴とする請求項1記載のイジングモデルの計算装置。
  4. 前記状態監視用光パルスに対し印加する前記磁場が、自身の測定振幅の絶対値に比例する
    ことを特徴とする請求項1記載のイジングモデルの計算装置。
  5. 前記状態監視用光パルスの測定振幅に対して特定のフィッティング関数をフィッティングし、得られたフィッティングパラメータの値によりコヒーレントイジングマシンとしての計算の結果を選択する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置。
  6. 前記状態監視用光パルスの測定振幅の振幅値を求め、前記振幅値を用いてコヒーレントイジングマシンとしての計算の結果を選択する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のイジングモデルの計算装置を組み合わせた計算システム。
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