JPH0616428Y2 - プリント基板用雄形コネクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプリント基板用コネクタに係り、特にその雄形
コネクタの構造に関するものである。

（考案の概要） 例えば、２枚のプリント基板を上下に配置して、この両
プリント基板間をコネクタで接続する場合、２枚のプリ
ント基板を互に平行に配置するとは限らず、一方のプリ
ント基板を他方のプリント基板に対して傾斜して配置す
ることもあり、コネクタは何れの配置の場合でも使用で
きることが望ましい。然るに、本考案は、両プリント基
板の配置関係に応じてコネクタピンの傾きを調整できる
雄形コネクタを提供することにより、プリント基板同志
が互に平行に配置される場合に限らず、一方のプリント
基板が他方のプリント基板に対して傾斜するような場合
でも、両プリント基板間の接続に使用できるようにした
ものである。

（従来の技術） 従来、互に平行に配置したプリント基板間の接続は、一
方のプリント基板に設けた雌形コネクタと、他方のプリ
ント基板に設けた雄形コネクタとにより行なっていた
が、従来の雄形コネクタはコネクタピンの傾きを調整す
ることができず、一方のプリント基板が他方のプリント
基板に対して傾斜して配置されているような場合にはそ
の両プリント基板間の接続に使用できなかった。

一方のプリント基板が他方のプリント基板に対して傾斜
して配置されている場合における両プリント基板間の接
続は、従来専ら第４図示の構造により行なわれていた。
第４図示のものでは、一方のプリント基板１１に雌形コ
ネクタ１２を設け、この雌形コネクタ１２と電気的及び
機械的に接続する雄形コネクタ１３を他方のプリント基
板１４上に設けると共に、該雄形コネクタ１３を、複数
本のコネクタピン１５とこれらを貫挿固定するコネクタ
ベース１６とにより構成し、コネクタピン１５をプリン
ト基板１１の傾斜に合わせて予め折り曲げておくもので
ある。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記第４図示の構造では、各コネクタピンの曲
げ角度にばらつきを生じ易く、雌形コネクタとの接続作
業性が悪くなり、又種々の角度に対応できるようにする
ためには、高価な曲げ加工設備が要求されるものであっ
た。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するため、他のプリント基板上
に設けた雌形コネクタと電気的及び機械的に接続するプ
リント基板用雄形コネクタにおいて、パターン接続孔及
びホルダー取付孔を穿設するプリント基板と、該プリン
ト基板のホルダー取付孔に取付けられ、上記パターン接
続孔との対向面にピン挿通孔を有するホルダーと、上記
プリント基板とホルダー間に傾動可能に保持され、複数
本のコネクタピンを貫挿固定すると共に、該コネクタピ
ンの一端をパターン接続孔に、他端をピン挿通孔に夫々
遊びを以って挿通し、上記パターン接続孔とピン挿通孔
との相対的な位置関係により傾きが決定されるコネクタ
ベースとを具備し、上記ホルダー取付孔の穿設位置を上
記雌形コネクタを設けたプリント基板との配置関係に基
づき設定することによって、上記パターン接続孔とピン
挿通孔との相対的な位置関係を決定したものである。

（作用） 上記の構成において、ホルダーの取付け位置を変える
と、ホルダーのピン挿通孔とプリント基板の接続孔との
相対的な位置関係も変化することになり、これらの孔に
挿入されているコネクタピンは必然的に傾くことにな
る。

従って、ホルダーの取付位置をプリント基板の傾斜を基
にして設定すれば、コネクタピンもそのプリント基板の
傾斜に合った傾きとなり、そのプリント基板上の雌形コ
ネクタとスムースかつ確実に接続することができる。

（実施例） 以下第１図乃至第３図に示した本考案の実施例について
詳細に説明する。

１は下面に導体箔１ａを有するプリント基板、２は上面
に導体箔２ａを有するプリント基板であり、プリント基
板２はプリント基板１に対してα°傾斜して配設されて
いる。３はピン受片３ａを導体箔２ａに半田付けするこ
とによりプリント基板２の下面に設けた雌形コネクタ、
４は複数本のコネクタピン５と、これらコネクタピン５
を貫挿固定するコネクタベース６と、コネクタピン５の
一端（雌形コネクタ３への挿入端）が挿通するスリット
状のピン挿通孔７ａを有するホルダー７と、各コネクタ
ピン５の他端が挿入するプリント基板１の接続孔（パタ
ーン接続孔）１ｂとにより構成する雄形コネクタであ
り、上記ホルダー７は下面開口のケース状をなし、下端
縁に一対の係合爪７ｂを突設するものであって、係合爪
７ｂをプリント基板１の角孔（ホルダー取付孔）１ｃに
挿入係合することによりプリント基板１に取付ける。而
して、上記ホルダー７はプリント基板１に取付けた状態
で該基板１上にコネクタベース６を保持するものであ
る。尚、プリント基板１の接続孔１ｂ及びホルダー７の
ピン挿通孔７ａはコネクタピン５の傾動をある程度許す
大きさに形成する。

上記の構成において、今、プリント基板１をプリント基
板２に対してα°傾斜して配設する場合、コネクタピン
５はプリント基板１の面を直交する線に対してα°傾斜
させてプリント基板１に取付ける必要がある。

このような場合には、先ずコネクタピン５がα°傾くた
めに必要なピン挿通孔７ａと接続孔１ｂとの位置関係を
求める。今、接続孔１ｂの中心線とピン挿通孔７ａの中
心線との間に距離ｘが必要であるとすると、上記距離ｘ
が生じる位置にホルダー７の取付け位置即ち角孔１ｃの
位置を設定すればよい。

従って、プリント基板１の角孔１ｃをプリント基板２の
傾斜に応じて適当な位置に形成しておけばよく、その角
孔１ｃに係合爪７ｂを挿入係合してホルダー７を取付け
れば、コネクタピン５は第１図に示すように必然的にα
°傾いた状態で保持されることになり、この状態でコネ
クタピン５の一端をプリント基板１の導体箔１ａに半田
付けすればよい。

又、プリント基板１，２が互に平行に配置される場合に
は、接続孔１ｂとピン挿通孔７ａの双方の中心線が一致
する位置にホルダー７の取付け位置を設定すればよく、
この場合、コネクタピン５は傾くことなく取付けられ
る。

（考案の効果） 以上の如く本考案の構成によれば、プリント基板の傾斜
に応じてホルダーの取付け位置を設定することによりコ
ネクタピンの傾きを調整することができ、互に平行に配
置されるプリント基板間の接続は勿論、傾斜して配置さ
れるプリント基板間の接続にも使用でき、しかも従来の
ようにコネクタピンの曲げ角度にばらつきを生じ、雌形
コネクタとの接続作業性を悪くするという虞れがなく、
特別な曲げ加工設備も不要とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における雄形コネクタを用いた
コネクタ装置の断面図、第２図は同装置の外観斜視図、
第３図は同装置の分解斜視図、第４図は従来における雄
形コネクタを用いたコネクタ装置の外観斜視図である。 １……プリント基板、１ｂ……接続孔、２……プリント
基板、３……雌形コネクタ、４……雄形コネクタ、５…
…コネクタピン、６……コネクタベース、７……ホルダ
ー、７ａ……ピン挿通孔、７ｂ……係合爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】他のプリント基板上に設けた雌形コネクタ
   と電気的及び機械的に接続するプリント基板用雄形コネ
   クタにおいて、 パターン接続孔及びホルダー取付孔を穿設するプリント
   基板と、 該プリント基板のホルダー取付孔に取付けられ、上記パ
   ターン接続孔との対向面にピン挿通孔を有するホルダー
   と、 上記プリント基板とホルダー間に傾動可能に保持され、
   複数本のコネクタピンを貫挿固定すると共に、該コネク
   タピンの一端をパターン接続孔に、他端をピン挿通孔に
   夫々遊びを以って挿通し、上記パターン接続孔とピン挿
   通孔との相対的な位置関係により傾きが決定されるコネ
   クタベースとを具備し、 上記ホルダー取付孔の穿設位置を上記雌形コネクタを設
   けたプリント基板との配置関係に基づき設定することに
   よって、上記パターン接続孔とピン挿通孔との相対的な
   位置関係を決定することを特徴とするプリント基板用雄
   形コネクタ。