JPH06160629A - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

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JPH06160629A
JPH06160629A JP4310201A JP31020192A JPH06160629A JP H06160629 A JPH06160629 A JP H06160629A JP 4310201 A JP4310201 A JP 4310201A JP 31020192 A JP31020192 A JP 31020192A JP H06160629 A JPH06160629 A JP H06160629A
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JP
Japan
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film
stretching
polysulfone
refractive index
retardation
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JP4310201A
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English (en)
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Hironori Tabata
博則 田畑
Hideshi Matsumoto
英志 松本
Akihisa Miura
明久 三浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レターデーション値Reが全面で均一でかつ
視野角特性が優れたポリサルフォンフィルムから成る位
相差板の製造方法を提供すること。 【構成】 横一軸延伸処理したポリサルフォンフィルム
(一軸延伸フィルム1)の横方向両端部をその長さ方向
の寸法を維持しながら賦形して波形状の弛み部10を形
成し、この波形形状を保持しながらフィルム把持用針2
2を備えた把持手段2により上記弛み部10を把持させ
た後、熱収縮処理を施して一軸延伸フィルム1の縦方向
の長さを熱収縮前における長さの1/a’1/2 倍以上
(但し、a’は横一軸延伸処理の際のズリを考慮した理
論延伸倍率である)に制御することを特徴とする。そし
て得られたフィルムは延伸直角方向の屈折率と厚み方向
の屈折率が近似して入射角によるレターデーション値R
eが全面で均一になるためその視野角特性の向上が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリサルフォン系フィ
ルムを横一軸延伸して位相差板を製造する方法に係り、
特に、レターデーシヨンが全面で均一でかつ視野角特性
に優れた位相差板が求められる製造方法の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】位相差板(フィルム)とは、一軸延伸さ
れた高分子フィルムの複屈折性(延伸に伴う分子配向に
より延伸方向とそれに直交する方向の屈折率が異なるた
め生ずる)を利用し、例えば、液晶表示装置の液晶によ
ってその偏光間に生じた位相差を解消させる(位相差補
償という)ものである。そして、上記位相差補償性能は
レタデーション値Re、すなわち延伸方向の屈折率とこ
れに直交する方向の屈折率の差Δnとフィルムの厚みd
との積で表される。
【0003】このような位相差板は、例えば、特開平2
−42406号公報に記載されており、ネックイン率
(延伸方向に直交する方向の収縮率)が10%以下とな
るように一軸延伸(この公報においては横一軸テンター
延伸を特に推奨している)して製造される。
【0004】しかしながら、こうして製造された位相差
板のレターデーション値Reは入射光の入射角が増大す
ると変化するため、液晶表示装置の表示画面に色ムラを
生じたり、表示画面を正面から見た場合と横方向から見
た場合とによって白黒が反転したいわゆる色反転現象が
生じたりする。
【0005】他方、特開平2−191904号公報にお
いてはネックイン率(延伸前後の延伸方向と直交する方
向のフィルムの長さ変化率)を(1−1/延伸倍率の平
方根)×100(%)〜(1−1/延伸倍率の3乗根)
×100(%)にすることにより視野角特性に優れた位
相差板が製造できると報告され、その具体的な方法とし
て、延伸ロール間距離をフィルム幅の5倍以上に設定し
幅方向の自由な収縮を許しながら縦方向に延伸する方法
(縦一軸自由幅延伸法)が開示されている。
【0006】また、特開平3−23405号公報におい
てはネックイン率を0〜(1−1/延伸倍率の平方根)
に制御することにより視野角の改善が図れると記載さ
れ、その具体的な方法としてパンタグラフ式テンター延
伸機により一方向を延伸し、他方向を収縮させる方法が
報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高分子フィ
ルムを延伸処理して位相差板を製造する場合、いくつか
の重要品質の内で以下の3点に特に注意する必要があ
る。
【0008】(1)上記レターデーションがフィルム全面
で同じであること。
【0009】(2)視野角特性が良好なこと。
【0010】(3)外観不良がないこと。
【0011】そこで、この3点を評価基準にして上記従
来法についてその良否を比較検討すると、フィルムが挟
み込まれたロール間の速度の違いを利用してフィルム長
手方向に延伸を行う縦一軸自由幅延伸法(特開平2−1
91904号公報参照)においては、延伸ロール間距離
がフィルム幅の5倍以上の延伸機を用いることを要する
ためロール間の全域に亘り延伸中の加熱温度を均一に制
御することが困難で、かつ、ネックインに伴う不良部の
発生が多くなるため製造効率が悪く、更にフィルムがロ
ールに巻き付いたりロールとフィルムが擦れて傷がつい
たりするため上記(3) の品質を満たすことができない問
題点があった。
【0012】他方、特開平2−42406号公報に記載
された横一軸テンター延伸法においては、特開平2−1
91904号公報に係る方法に較べて外観不良のないか
つレターデーションが均一な位相差板を製造できるが、
上記(2) の視野角特性を満たすことができない問題点が
あった。ここで、『視野角特性が良好』とは、フィルム
法線方向からみた特性と斜め方向からみた特性の差が無
い状態を指しているが、この視野角特性は樹脂内の屈折
率異方性と密接な関係がある。尚、『屈折率異方性』と
は、フィルムの延伸方向、これと直交する方向(延伸直
角方向)、フィルムの厚み方向の3方向の屈折率がそれ
ぞれ異なっている状態を指している。
【0013】そして、上記視野角特性を良好にするため
には、3方向の屈折率の内、延伸直角方向と厚み方向の
屈折率を等しく(完全一軸延伸状態)すればよい。これ
は以下の理由による。すなわち、面内(フィルム法線方
向からみた特性)のレターデーションは、延伸方向と延
伸直角方向の屈折率差から求められる。斜め方向からみ
る場合、これに厚み方向の成分が加わる。この厚み方向
の屈折率が他の2方向に較べて著しく異なる場合(分子
配向に二軸性がある場合)、上記レターデーションは面
内に較べ著しく大きくなるか小さくなる。この斜め方向
からみた場合のレターデーションの変化が視野角の不良
である。例えば、この様な位相差板を液晶ディスプレー
に実装した場合、上述したように正面と斜めとで色が反
転する現象が起こってしまう。そこで、この斜め方向か
らみたレターデーションの変化を極力抑えるためには、
見掛上厚み方向の屈折率が影響しないように延伸直角方
向と厚み方向の屈折率を等しくする方法がよい。
【0014】以上のことを数式を用いて以下説明する
と、位相差板のような光学異方体は3次元方向の屈折率
(nx,ny,nz)が一様でなく、屈折率楕円体で表
現される。そして、各方向の屈折率の関係は、例えば、
図11に示す一軸延伸フィルムpにおいて、xを延伸
軸、yをフィルム面内の延伸方向と直交する軸、zをフ
ィルムの法線方向とすると、固有屈折率が正のフィルム
ではnx>ny≧nzの関係があり、固有屈折率が負の
フィルムではnx<ny≦nzの関係がある。また完全
一軸延伸フィルムではフィルム面内の延伸方向と直交す
る方向yの屈折率nyとフィルムの法線方向zの屈折率
nzは等しく、ny=nzが成立する。
【0015】以下、一例としてxz面内でz軸からθ
(視角)傾斜した方向からみた複屈折[Δn
xz(θ)]、レターデーション値[Rxz(θ)]はそれ
ぞれ以下の式で表される(電子材料1991年2月号第
40頁参照)。
【0016】
【数1】 但し、式中dはフィルムの厚さ、nは平均屈折率であ
る。
【0017】そして、上記(2)(3)式に基づいて計
算した結果を図12に示す。
【0018】図12のグラフ図において、横軸は視角
θ、縦軸はxz面内で視角θにおけるレターデーション
値Rxz(θ)を視角0(法線方向zから見た場合)のレ
ターデーション値Rxz(0)で割った値Rxz(θ)/R
xz(0)を示し、レターデーションRの変化率は[1−
xz(θ)/Rxz(0)]の絶対値で表される。また、
図12中aはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示
し、bはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示してい
る。
【0019】ここで、視野角は、レターデーションRの
変化率、すなわち[1−Rxz(θ)/Rxz(0)]の絶
対値が小さい程広いのである。そして、図12より完全
一軸延伸(nz=ny)の方がレターデーション値の変
化が少なくかつ視野角が広くなり、他方、分子の配向に
二軸性が存在すると(nz<ny)上述のレターデーシ
ョン値の変化は大きくかつ視野角が非常に狭くなること
が確認できる。
【0020】また、θの代わりに、yz面内でz軸から
傾斜した視角φを用いた場合の計算結果を図13に示
す。図13中cはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを
示し、dはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示して
いる。
【0021】そして、この結果からも分子の配向に二軸
性があるとレターデーション値の変化率、すなわち[1
−Ryz(φ)/Ryz(0)]の絶対値が大きく視野角が
狭くなり、他方、分子の一軸配向性が高い程レターデー
ション値の変化率、すなわち[1−Ryz(φ)/R
yz(0)]の絶対値が小さくかつ視野角が広くなる。ま
た、nz=nyの完全一軸延伸の場合が最も視野角が広
くなることが分かる。
【0022】ところで、上記屈折率は樹脂の内部応力に
一次的に比例している。ポリサルフォンフィルムはもと
もと1.633の固有屈折率を有しているが、この樹脂
を内から外に引っ張ると屈折率は大きくなり、外から内
に圧縮すると小さくなる。
【0023】延伸処理の際のフィルムの単位体積を考え
ると、図14(A)に示すように延伸方向(この場合x
軸方向)にa倍に引っ張ると、他の2方向(y軸方向と
z軸方向)は普通1/a1/2 倍になる(すなわち延伸前
後のフィルムの体積は一定であるからである)。この場
合、屈折率は延伸直角方向と厚み方向共に同じ応力がか
かるため、図14(B)に示すように延伸直角方向の屈
折率(ny )と厚み方向の屈折率(nz )は等しくな
る。この状態では視野角特性は良好である。
【0024】ところが、特開平2−42406号公報に
記載された上記『横一軸テンター延伸法』においてはフ
ィルムの長手方向が規制されている(フィルムを搬送さ
せるためのクリップの間隔が一定で規制されている)た
め、図15(A)に示すように長手方向(y軸方向)へ
は収縮しない。このため、厚み方向は1/a倍に収縮
し、図15(B)に示すように延伸直角方向の屈折率
(ny )と厚み方向の屈折率(nz )が異なってしまい
上述したようにその視野角特性が低下する問題点を有し
ており、上記3点の品質を満たす製造方法ではなかっ
た。
【0025】また、特開平3−23405号に開示され
た製造方法は上述したようにパンタグラフ式テンター延
伸機を適用していることから上記3点の品質を満たすこ
とは可能であるが、上記パンタグラフ式テンター延伸機
はその機構が複雑で高価な装置なため得られる位相差板
も高価とならざるを得ない問題点があった。
【0026】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたものであって、その課題とするところは、ポリサル
フォン系フィルムを用いる横一軸延伸法においてレター
デーションが全面で均一でかつ視野角特性に優れた位相
差板の製造方法を提供するすることにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、ポリサルフォン系フィルムを横一軸延伸した
後、このポリサルフォン系フィルムの縦方向を熱収縮さ
せて位相差板を製造する方法を前提とし、横一軸延伸さ
れたポリサルフォン系フィルムの横方向両端部をその長
さ方向の寸法を維持しながら賦形して上記両端部に波形
状の弛み部を形成し、かつ、この波形形状を保持しなが
ら複数のフィルム把持用針を備えた把持手段により弛み
部を把持させた後、熱収縮処理を施してポリサルフォン
系フィルムの縦方向の長さを熱収縮前における長さの1
/a’1/2 倍以上(但し、a’は上記横一軸延伸処理の
理論延伸倍率である)に制御することを特徴とするもの
である。
【0028】また、請求項2に係る発明は請求項1に係
る位相差板の製造方法を前提とし、横一軸延伸されたポ
リサルフォン系フィルムを賦形形状に対応した凹凸歯を
備える一対の賦形ロール間へ挿通させてフィルムの横方
向両端部に上記弛み部を形成することを特徴とし、他
方、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明と同様
に請求項1に係る位相差板の製造方法を前提とし、横一
軸延伸されたポリサルフォン系フィルムを賦形形状に対
応した凹凸歯を備える一対の賦形ベルト間へ挿通させて
フィルムの横方向両端部に上記弛み部を形成することを
特徴とするものである。
【0029】一方、請求項4に係る発明は、請求項1、
2又は3に係る位相差板の製造方法を前提とし、製造さ
れた位相差板に対しその法線に平行な方向から波長589.
8 nmのナトリウムD線を入射した場合のレターデーシ
ョンをRe0 とし、法線に対し40度の方向から入射し
た場合のレターデーションをRe40としたとき、下記式
(1)を満たしていることを特徴とするものである。
【0030】 0.90 ≦ Re40/Re0 ≦ 1.10 (1) 請求項1〜4に係る発明によれば横一軸延伸法を適用し
た場合においても、横一軸延伸されたポリサルフォン系
フィルムの横方向両端部をその長さ方向の寸法を維持し
ながら賦形して上記両端部に波形状の弛み部を形成しか
つこの波形形状を保持しながら複数のフィルム把持用針
を備えた把持手段により弛み部を把持してフィルムの延
伸直角方向への収縮処理が図れるため、延伸直角方向と
厚み方向の屈折率を揃えることが可能となる。すなわ
ち、フィルムの延伸直角方向の長さが熱収縮される前の
延伸直角方向の長さの1/a’1/2 倍以上となり、延伸
直角方向の屈折率が厚み方向の屈折率に近づいて入射角
の相違によるレターデーションReの相違を小さいもの
とする。
【0031】ところで、一般に延伸されたフィルムを構
成するポリマー鎖は隣接するポリマー鎖と絡み合い、こ
の絡み合いによって生じる剪断力により配向状態を保持
する。そして、一旦延伸されたフィルムにおいては、ガ
ラス転移点以下の温度に加熱された場合であってもこの
剪断力により上記延伸状態が保持される。
【0032】しかし、ポリマーの種類によっては上記剪
断力が低いため延伸状態を保持できないものもある。こ
の樹脂間の滑りを便宜的に『ズリ』と呼んでいるが、ポ
リサルフォン系樹脂のズリ量は他の光学用樹脂に較べて
大きい。
【0033】前述した横一軸延伸後の収縮状態において
は延伸直角方向が1のまま厚み方向が1/a倍で(図1
5A参照)、単純な弾性回復であればそれぞれ1/a
1/2 になって安定するが、上記『ズリ』のため実際の回
復後は1/a1/2 より大きい。この応力緩和も加味した
回復制御を行うことがポリサルフォン系フィルムの屈折
率制御上重要なポイントである。
【0034】この1/a1/2 より大きな予想回復量は1
/a’1/2 とおくことができる。すなわち、a倍に延伸
したフィルムを、上記『ズリ』分を相殺して見掛上a’
倍(a’<a)に延伸したフィルムとみなして扱うので
ある。
【0035】そして、延伸直角方向及び厚み方向を1/
a’1/2 に制御することで良好な視野角を得ることがで
きる。
【0036】このa’(a’:ズリを考慮した理論延伸
倍率)は実測から求めることができる。
【0037】以下、この点についてより具体的に説明
と、例えば固有屈折率1.633のポリサルフォンフィ
ルムを1.5倍に横一軸延伸すると、延伸方向の屈折率
は1.6357に増加する。
【0038】そして、この延伸状態を保持したまま(す
なわち延伸されたフィルムの四方を固定したまま)加熱
すると屈折率は1.6347に低下する。
【0039】ここで、延伸による長さの増加分と、屈折
率の増加分が比例すると仮定すると、横一軸延伸倍率を
a、屈折率をn、比例定数をkとして、下記式(4)が
成立する。
【0040】 n=k×(a−1)+1.633 (4) 但し、式中の(a−1)は、延伸による長さの増加分を
延伸前の長さで割ったものを意味している。
【0041】そして、a=1.5の場合、n=1.63
57であることからk=0.0054であり、上記
(4)は下記式(5)と書き直すことができる。
【0042】 n=0.0054(a−1)+1.633 (5) そして、延伸状態を保持したまま加熱した後のフィルム
の屈折率が1.6347であることから、これと同様の
屈折率を有する延伸フィルムの延伸倍率(理論延伸倍
率)をa’とすると、下記式(6)が成立する。
【0043】 1.6347=0.0054(a’−1)+1.633 (6) これを計算するとa’=1.315となり、加熱後のフ
ィルムは見掛け上1.5倍に延伸処理されたものであり
ながら、実質的には1.315倍に延伸されたフィルム
と同様の配向状態を有するに過ぎず、この理論延伸倍率
a’で延伸された横一軸延伸ポリサルフォンフィルムと
等価に取り扱うことができる。
【0044】このため、延伸直角方向(横一軸延伸され
たポリサルフォンフィルムの縦方向)の長さを熱収縮前
の長さの1/a’1/2 倍以上に制御した場合、この延伸
直角方向の屈折率と厚み方向の屈折率が等しくなり、入
射角の如何を問わずレターデーション値Reが一定で視
野角特性の優れたものとなる。
【0045】請求項1〜4に係る発明はこのような技術
的理由に基づいてなされている。
【0046】これ等発明において延伸状態を保持したま
ま加熱した後の屈折率によって特定される理論延伸倍率
a’は、上述した予備実験によって加熱前の屈折率nと
延伸倍率a、及び、加熱後の屈折率n’を測定して、下
記式(7)、及び(8)から算出することができる。
【0047】すなわち、 n =k×(a−1)+n0 (7) n’=k×(a’−1)+n0 (8) 但し、n0 は延伸前の固有屈折率、kは比例定数であ
る。
【0048】そして、式(7)及び(8)から a’=1+(a−1)×(n’−n0 )/(n−n0 ) (9) 尚、実験を繰り返してこの理論延伸倍率を求めた結果に
よると、 一般に、 1/a1/2 < 1.05/a1/2 < 1
/a’1/2 の関係が成り立つ。
【0049】また、1/a1/3 と1/a’1/2 は延伸条
件によって大小関係は異なる。特開平2−191904
号公報に記載されているように1/a1/3 以下という範
囲内に制御することは、横一軸延伸したポリサルフォン
フィルムを用いる限りは限られた延伸条件でしか対応す
ることができない。
【0050】次に、熱収縮させるポリサルフォンフィル
ムの収縮量は(1−1/a’1/2 )が適当であるが、不
具合により正確な収縮量が与えられなかったとする。例
えば、特開平2−191904号公報の記載のように1
−1/a1/2 〜1/a1/3 の範囲で延伸直角方向に弛ま
せて熱収縮処理をしてしまったとすると、弛ませ量が1
−1.05/a1/2 (正確には1−1/a’1/2 )より
大の場合、フィルムはズリによって収縮しきれなくな
り、表面には波状のしわが残り光学フィルムとしては使
用できない。
【0051】また、逆に(1−1/a’1/2 )より著し
く小さな弛ませ量で保持した場合には(例えば、ほとん
どネックイン量が0に近い場合)、熱収縮処理を加えて
も延伸直角方向に収縮しないため屈折率の変化が起きな
い。従って、延伸直角方向の屈折率を厚み方向の屈折率
に近付けることが困難なため、視野角特性の改善は期待
できなくなる。また、不用意にズリを起こさせてしまう
ため、フィルム面内の屈折率差が小さくなり所定のレタ
ーデーションを得ることが困難となる。
【0052】従って、1.05/a1/2 より大で、1/
a’1/2 以上で、かつ1/a’1/2より著しく大きくな
らないように制御することが不可欠である。
【0053】また、上述した特開平2−42406号公
報においてはネックイン率を10%以下、望ましくは0
%に抑えるように記載されているが、ネックインを束縛
して延伸を行うと上述したように延伸方向に対し直交す
る方向が1/a’1/2 倍になれないため、延伸直角方向
と厚み方向の屈折率が等しくならない。従って、視野角
特性の向上は期待できない。特に、a’>1.24のフ
ィルムにおいてはネックイン率が10%以下では絶対に
延伸直角方向と厚み方向の屈折率は等しくならず、視野
角特性の良い位相差板は得られない。
【0054】請求項1〜4に係る発明においては上記1
/a’1/2 倍以上という範囲を実現するために、上述し
たように横一軸延伸処理(横延伸方向に対し直角方向で
ある縦の長さが延伸前の長さと等しい状態で延伸する処
理)されたポリサルフォン系フィルムについて縦方向に
弛んだ状態を作り出し、その弛みを加熱収縮処理するこ
とにより実現している。そして、ポリサルフォン系フィ
ルムの縦方向に弛んだ状態はフィルムの横方向両端部を
その長さ方向を維持しながら賦形して波形状の弛み部を
形成することにより実現し、賦形されたフィルムの上記
弛み部を複数のフィルム把持用針を備えた把持手段によ
りその波形形状を保持しながら突き刺して把持すること
によりその状態を保持している。
【0055】このような技術的手段において製品に折り
目、傷がはいると位相差板としては不適であるので上述
したように弛み部はフィルムの横方向両端部に設定する
ことを要する。また、賦形時にフィルムに寸法変化が生
ずると正確な弛みを作り出すことが困難となり、縮小量
の制御が不可能になって好ましくない。従って、上述し
たようにフィルムの長さ方向の寸法を維持しながら賦形
して波形状の弛み部を形成することを要する。
【0056】このような賦形方法としては、例えば、図
3に示すように賦形形状に対応した凹凸歯3aを備える
一対の賦形ロール31、32間に上記ポリサルフォン系
フィルム1を通過させる方法が挙げられる。上記請求項
2に係る発明はこのような賦形方法を特定したものであ
る。
【0057】また、図4に示すように上記賦形形状に対
応した凹凸歯4aを備えた一対のエンドレスベルト4
1、42間に上記ポリサルフォン系フィルム1を通過さ
せて賦形させる方法も例示できる。上記請求項3に係る
発明はこのような賦形方法を特定したものである。
【0058】尚、賦形においては上記ポリサルフォン系
フィルム1を加熱して賦形してもよく常温下で賦形して
もよい。また、上記賦形ロール、賦形ベルトの材質につ
いても特に制約はない。
【0059】また、このように賦形されたポリサルフォ
ン系フィルム1の弛み部10についてフィルム把持用針
を突き刺してこれを把持する把持手段2としては、上記
賦形形状を変えることなく縦方向の弛みを維持できかつ
幅方向の距離を拘束できるものなら任意であり、例え
ば、図5に示すように、多数のフィルム把持用針22が
打ち付けられたプレート21等を例示できる。ここで、
このプレート21のフィルム把持用針22を上記フィル
ム1の弛み部10に突き刺した状態の側面図を図1
(A)に、正面図を図1(B)に示す。尚、上記フィル
ム把持用針22の径、長さ、ピッチ、配列等は適宜選択
される。
【0060】また、本発明における加熱処理の温度、時
間は加熱処理後のレターデーション値をいかほどにする
かによって適宜選択される。
【0061】以下、波形状の上記弛み部10が図2に示
すように略正弦波形状の場合を例に上げてその作用を具
体的に説明と、収縮後のフィルムの長さ(波形の軸に沿
った直線距離で表される)をα、波形に沿ったフィルム
の長さをβとした場合、縦方向の縮小率は(β−α)/
β×100%、横方向の縮小率は0%となり、これ等の
縮小率はその部位によらず一定である。従って延伸軸も
その部位によらず一定方向に保たれる。
【0062】そして、上記弛み部10の形状としては上
述したように断面略正弦波形状を例示できるが、フィル
ムに折り目が発生することなく必要な弛みを付与できる
形状なら任意である。また、そのピッチ、波の高さも任
意であり、所望の縮小率に対応させて適宜設定可能であ
る。
【0063】また、このような技術的手段において上記
ポリサルホン系フィルムの横一軸方向への延伸は横一軸
テンター延伸機により可能である。また、その延伸温
度、延伸倍率、延伸速度、ヒートセット(延伸後の熱処
理)温度、ヒートセット時間等の諸条件は所望の位相差
値に応じて適宜設定することができ、上記特開平2−1
91904号公報に開示された製造方法に較べてその制
御が極めて容易となる利点を有する。
【0064】また、特開平2−191904号に係る自
由幅延伸の問題であるネックインの不良部(軸ずれ)
は、延伸直交方向に拘束されていないため延伸軸(位相
差板の光学主軸)が中央と両端部で大きくずれて発生す
る。これに対し、本発明に係る製造方法においては延伸
直交方向にはフィルム把持用針で保持されており、拘束
力が働き不良部の発生が抑えられる。
【0065】実際の設備としては、布の幅出しに用いら
れる装置において賦形ロールをピンニング(フィルム把
持用針をフィルムに突き刺す)工程の前に設置したもの
が考えられ、上記特開平2−191904号公報に係る
ものと比較すると温度の制御が容易であり、かつ、特開
平3−23405号公報に係るものと比較すると安価で
簡単な装置となる。
【0066】請求項1〜4に係る発明において適用され
るポリサルホン系フィルムとはポリサルホン系樹脂を溶
剤キャスト法、カレンダー法又は押出法等の手段により
製膜したものである。ここで言うポリサルホン系樹脂と
は、分子内にスルホン基を有するポリマーであり、例え
ば、4−フェノキシスルホニルクロリド等スルホニルク
ロリド化合物の重縮合によって得られるポリアリルサル
ホン、4,4’−ジクロロジフェニルサルホン等のジハ
ロゲンジフェニルサルホンとビスフェノールA等のジオ
ールのナトリウム塩の重縮合で得られるポリサルホン、
4,4’−ジクロロジフェニルサルホン等のジハロゲン
ジフェニルサルホンとジフェニルエーテルの重縮合で得
られるポリエーテルサルホン等のポリサルホン樹脂、及
び、上記ポリサルホン樹脂に必要に応じて可塑剤、押出
助剤等を適当量配合したもの等が挙げられる。
【0067】
【作用】請求項1〜3に係る発明によれば、横一軸延伸
されたポリサルフォン系フィルムの横方向両端部をその
長さ方向の寸法を維持しながら賦形して上記両端部に波
形状の弛み部を形成し、かつ、この波形形状を保持しな
がら複数のフィルム把持用針を備えた把持手段により弛
み部を把持させた後、熱収縮処理を施してポリサルフォ
ン系フィルムの縦方向の長さを熱収縮前における長さの
1/a’1/2 倍以上(但し、a’は上記横一軸延伸処理
の理論延伸倍率である)に制御しているため、良好な外
観を有ししかも延伸直角方向と厚み方向の屈折率が略同
等の位相差板を製造することができる。
【0068】また、請求項4に係る発明によれば、製造
された位相差板に対しその法線に平行な方向から波長58
9.8 nmのナトリウムD線を入射した場合のレターデー
ションをRe0 とし、法線に対し40度の方向から入射
した場合のレターデーションをRe40としたとき、この
製造された位相差板が、 0.90 ≦ Re40/Re0 ≦ 1.10 (1) の(1)式を満たしており、延伸直角方向の屈折率と厚
み方向の屈折率が近似して入射角によるレターデーショ
ン値の変化が小さくなるためその視野角特性の向上が図
れる。
【0069】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0070】[実施例1]幅430mm、100μmの
ポリサルフォンフィルム(Tg=190℃)をテンター
延伸機により、延伸温度190℃、延伸倍率1.5倍、
ヒートセット温度170℃、ヒートセット時間30 sec
の条件で横一軸延伸し、かつ、耳をスリットし600m
mの延伸原反(横一軸延伸フィルム)を得た。尚、この
ときの理論延伸倍率a’を測定により求めると1.38
6倍であった。
【0071】そして、理論縮小率=(1−1/a’
1/2 )×100 (%) とすると、この場合の理論縮小率は15.05%であっ
た。
【0072】次いで、得られた横一軸延伸フィルム1の
両端から50mmの部位を図3に示す賦形ロール31、
32(材質;機械構造用炭素鋼S45C)により縦方向
断面が略正弦波形状となるよう(設定縮小率14.8
%)に賦形した。使用した賦形ロール31、32の凹凸
歯3aの形状を図6に示す。図6においてピッチ円直径
o は89mm、この円のピッチは18.6mm、外径
dは92mm、歯数zは15、圧力角θは30度、歯幅
bは50mm、歯元の長さwfは10mm、歯末の長さ
wkは8.268mmである。
【0073】こうして賦形された弛み部10に図7に示
す把持手段2のフィルム把持用針22を突き刺し、図1
(A)及び(B)に示すような状態で固定した後、19
0℃、4分間加熱処理を施して縦方向の寸法を縮小させ
た。得られた位相差板の評価は、R値、(Re40/Re
0 )、端部不良率について行った。
【0074】尚、R値は、測定波長と位相差値が等しい
ときの位相差値である。
【0075】また、(Re40/Re0 )は、フィルムを
延伸軸、及び、延伸軸と直交する軸(フィルム面内)を
軸とし、40度回転させたときのレターデーション値R
40(590nm)と、0度のときのレターデーション
値Re0 を測定し、その比をとったものである。尚、こ
の値が1に近い方が視野角特性が良いと言える。
【0076】次に、上記端部不良率は、偏光顕微鏡によ
り光学主軸と延伸方向(フィルムの幅方向)のずれを測
定してこの軸ずれが1度を越える部位を端部不良部と
し、フィルムの左右両側の端部不良部の幅寸法のうち大
きい方を代表値として下記式により算出した。
【0077】端部不良率=[有効幅/延伸又はアニール
後の幅(弛み部を除く)]×100% この結果を表1に示す。
【0078】[実施例2]幅430mm、100μmの
ポリサルフォンフィルム(Tg=190℃)をテンター
延伸機により、延伸温度190℃、延伸倍率1.5倍、
ヒートセット温度170℃、ヒートセット時間30 sec
の条件で横一軸延伸し、かつ、耳をスリットし600m
mの延伸原反(横一軸延伸フィルム)を得た。尚、この
ときの理論延伸倍率a’を測定により求めると1.38
6倍であった。
【0079】そして、理論縮小率=(1−1/a’
1/2 )×100 (%) とすると、この場合の理論縮小率は15.05%であっ
た。
【0080】次いで、得られた横一軸延伸フィルムの両
端から50mmの部位を図8に示すエンドレスベルト4
1、42(材質;ベルト部はウレタンゴム、賦形部は機
械構造用炭素鋼S45C)により縦方向断面が略正弦波
形状(縮小率14.8%)となるように賦形した。使用
したエンドレスベルト41、42の凹凸歯4aの形状を
図9に示す。図8及び図9において、ピッチ円直径do
は89mm、この円のピッチは18.6mm、平行部長
さλは183mm、外形dは92mm、歯数zは35、
圧力角θは30度、歯幅bは50mm、歯元の長さwf
は10mm、歯末の長さwkは8.268mmである。
【0081】こうして賦形された弛み部10に図7に示
す把持手段2のフィルム把持用針12を突き刺し、図1
(A)及び(B)に示すような状態で固定した後、19
0℃、4分間加熱処理を施して縦方向の寸法を縮小させ
た。
【0082】そして、得られた位相差板について、その
R値、(Re40/Re0 )、端部不良率を表1に示す。
【0083】[比較例1]幅430mm(初期テンター
クリップ間距離400mm)、100μmのポリサルフ
ォンフィルム(Tg=190℃)をテンター延伸機で、
延伸温度195℃、延伸倍率1.35倍、ヒートセット
温度170℃で横一軸延伸した。
【0084】そして、得られた位相差板について、その
R値、(Re40/Re0 )、端部不良率を表1に示す。
【0085】[比較例2]幅430mm、100μmの
ポリサルフォンフィルム(Tg=190℃)をテンター
延伸機により、延伸温度190℃、延伸倍率1.4倍、
ヒートセット温度170℃、ヒートセット時間30 sec
の条件で横一軸延伸し、かつ、耳をスリットし600m
mの延伸原反(横一軸延伸フィルム)を得た。尚、この
ときの理論延伸倍率a’を測定により求めると1.30
6倍であった。
【0086】そして、理論縮小率=(1−1/a’
1/2 )×100 (%) とすると、この場合の理論縮小率は12.56%であっ
た。
【0087】次いで、得られた横一軸延伸フィルム1の
両端から50mmの部位を図3に示す賦形ロール31、
32(材質;機械構造用炭素鋼S45C)により縦方向
断面が略正弦波形状となるよう(設定縮小率14.8
%)に賦形した。尚、使用した賦形ロール31、32は
実施例1において使用したものと同一である。
【0088】こうして賦形された弛み部10に図7に示
す把持手段2のフィルム把持用針22を突き刺し、図1
(A)及び(B)に示すような状態で固定した後、19
0℃、4分間の加熱処理を施した。
【0089】しかし、求められた位相差板のフィルム表
面上にしわが残ってしまい上記R値等の測定は不可能で
あった。
【0090】[比較例3]幅600mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムを、縦一軸延伸機を使用し、幅方向の自由な収縮
を許しながら、延伸温度200℃、延伸倍率1.5倍で
縦一軸延伸した。そのときの延伸間距離(図10参照)
は800mmであり、ネックイン率(延伸により収縮し
た幅/延伸前の幅×100%)は17.2%であった。
また、表面にロールによるスリ傷が観測された。
【0091】そして、得られた位相差板について、その
R値、(Re40/Re0 )、端部不良率を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】請求項1〜3に係る発明によれば、横一
軸延伸したポリサルフォン系フィルムについてその延伸
方向と直交する方向の屈折率と厚み方向の屈折率とを揃
えることが可能となる。
【0094】また、請求項4に係る発明によれば、良好
な外観を有ししかも延伸直角方向と厚み方向の屈折率が
略同等の位相差板を製造することが可能となる。
【0095】従って、製造された位相差板における入射
角によるレターデーション値の変化が小さいためその視
野角特性を向上できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は実施例に係るポリサルフォン系フィル
ムの弛み部にフィルム把持用針を突き刺した状態を示す
側面図、(B)はその正面図。
【図2】本発明に係るポリサルフォン系フィルムの縮小
率を説明するための説明図。
【図3】実施例に係るポリサルフォン系フィルムを賦形
ロールで賦形する工程を示す説明図。
【図4】本発明に係る賦形用のエンドレスベルトの構成
概念図。
【図5】本発明に係る把持手段の斜視図。
【図6】実施例に係る賦形ロールの凹凸歯の形状を示す
部分斜視図。
【図7】実施例に係る把持手段の斜視図。
【図8】実施例に係るポリサルフォン系フィルムを賦形
用のエンドレスベルトで賦形する工程を示す説明図。
【図9】実施例に係る賦形用のエンドレスベルトの凹凸
歯の形状を示す部分斜視図。
【図10】比較例3に係る縦一軸延伸法を示す説明図。
【図11】一軸延伸フィルムの斜視図。
【図12】xz面内で視角θとRxz(θ)/Rxz(0)
との関係を示すグラフ図。
【図13】yz面内で視角φとRyz(φ)/Ryz(0)
との関係を示すグラフ図。
【図14】(A)はフィルムをx軸方向へa倍に一軸延
伸した際の単位体積当りのy軸及びz軸方向の変化を示
す説明図、(B)はこの延伸に伴う各方向の屈折率の変
化を示す説明図。
【図15】(A)はフィルムをx軸方向へa倍に横一軸
延伸した際の単位体積当りのy軸及びz軸方向の変化を
示す説明図、(B)はこの延伸に伴う各方向の屈折率の
変化を示す説明図。
【符号の説明】
1 フィルム 2 把持手段 10 弛み部 21 プレート 22 フィルム把持用針 31 賦形ロール 32 賦形ロール 41 エンドレスベルト 42 エンドレスベルト
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図12のグラフ図において、横軸は視角
θ、縦軸はxz面内で視角θにおけるレターデーション
値RXZ(θ)を視角0(法線方向zから見た場合)のレ
ターデーション値RXZ(0)で割った値RXZ(θ)/R
XZ(0)を示し、レターデーションRの変化率は[1−
XZ(θ)/RXZ(0)]の絶対値で表される。また、
図12中aはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示
し、bはnz<nyの一軸延伸フィルムを示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、θの代わりに、yz面内でz軸から
傾斜した視角φを用いた場合の計算結果を図13に示
す。図13中cはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを
示し、dはnz<nyの一軸延伸フィルムを示してい
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリサルフォン系フィルムを横一軸延伸し
    た後、このポリサルフォン系フィルムの縦方向を熱収縮
    させて位相差板を製造する方法において、 横一軸延伸されたポリサルフォン系フィルムの横方向両
    端部をその長さ方向の寸法を維持しながら賦形して上記
    両端部に波形状の弛み部を形成し、かつ、この波形形状
    を保持しながら複数のフィルム把持用針を備えた把持手
    段により弛み部を把持させた後、熱収縮処理を施してポ
    リサルフォン系フィルムの縦方向の長さを熱収縮前にお
    ける長さの1/a’1/2 倍以上(但し、a’は上記横一
    軸延伸処理の理論延伸倍率である)に制御することを特
    徴とする位相差板の製造方法。
  2. 【請求項2】横一軸延伸されたポリサルフォン系フィル
    ムを賦形形状に対応した凹凸歯を備える一対の賦形ロー
    ル間へ挿通させてフィルムの横方向両端部に上記弛み部
    を形成することを特徴とする請求項1記載の位相差板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】横一軸延伸されたポリサルフォン系フィル
    ムを賦形形状に対応した凹凸歯を備える一対の賦形ベル
    ト間へ挿通させてフィルムの横方向両端部に上記弛み部
    を形成することを特徴とする請求項1記載の位相差板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】製造された位相差板に対しその法線に平行
    な方向から波長589.8 nmのナトリウムD線を入射した
    場合のレターデーションをRe0 とし、法線に対し40
    度の方向から入射した場合のレターデーションをRe40
    としたとき、 下記式(1)を満たしていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の位相差板の製造方法。 0.90 ≦ Re40/Re0 ≦ 1.10 (1)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006047882A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Nippon Zeon Co Ltd 光学積層体、偏光板、および液晶表示装置
JP2011016246A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Kaneka Corp 延伸フィルムの製造方法、位相差フィルム、偏光板、並びに、画像表示装置
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JPWO2010082620A1 (ja) * 2009-01-19 2012-07-05 株式会社カネカ 位相差フィルムの製造方法、光学フィルム、画像表示装置、液晶表示装置、並びに、位相差フィルム

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