JPH0627321A - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

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JPH0627321A
JPH0627321A JP4184991A JP18499192A JPH0627321A JP H0627321 A JPH0627321 A JP H0627321A JP 4184991 A JP4184991 A JP 4184991A JP 18499192 A JP18499192 A JP 18499192A JP H0627321 A JPH0627321 A JP H0627321A
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film
stretching
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waveform
phase difference
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JP4184991A
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Hironori Tabata
博則 田畑
Hideshi Matsumoto
英志 松本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムの略全域に亘り均一でかつ優れた位
相差補償性能と視野角特性を有する位相差板を容易に製
造できる方法を提供すること。 【構成】 ポリサルフォンフィルムをテンター延伸機を
使用して横一軸延伸し、かつ、延伸されたこのフィルム
pの縦方向の断面形状が波形となるように賦形すると共
に、この波形形状を保った状態で上記フィルムの横方向
両端部を把持した後、上記波形の1/2ピッチ毎の縮小
率のばらつきが±25%の範囲内となるよう制御しなが
ら加熱処理を施しフィルムの縦方向寸法を縮小させて位
相差板を製造する方法。そして、波形形状を保った状態
でフィルムの横方向両端部を把持して加熱処理を施して
いるためフィルムの横方向の部分収縮(ネックイン)が
起こらず、しかも波形の1/2ピッチ毎の縮小率のばら
つきを±25%の範囲内に制御しているため位相差値の
むらも低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一軸延伸された熱可塑
性樹脂フィルムにて構成され、例えば液晶表示板等に好
適に用いられる位相差板に係り、特に、視野角特性に優
れしかも位相差値のむらが少ない位相差板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】位相差板(フィルム)とは、延伸した高
分子フィルムの複屈折性(延伸による分子配向により延
伸方向とそれに直交する方向の屈折率が異なるために生
ずる)を利用し、例えば液晶表示板の液晶で生じた位相
差を解消させる(位相差補償という)もので、従来、こ
の種の位相差板(フィルム)としてはセルロース系樹脂
(特開昭63−167363号公報参照)、塩化ビニル
系樹脂(特公昭45−34477号公報、特開昭56−
125702号公報参照)、ポリカーボネート系樹脂
(特公昭41−12190号公報、特開昭56−130
703号公報参照)、アクリロニトリル系樹脂(特開昭
56−130702号公報参照)、スチレン系樹脂(特
開昭56−125703号公報参照)、オレフィン系樹
脂(特開昭60−24502号公報参照)等が知られて
おり、また、一軸延伸方法としては、縦一軸延伸(特開
平2−191904号公報参照)、横一軸延伸(特開平
2−42406号公報参照)等が提案されている。
【0003】そして、位相差板(フィルム)の上記位相
差補償性能はレターデーション値と呼ばれ、Δn×dで
表される。ここで、Δnは屈折率の異方性、dはフィル
ムの肉厚である。
【0004】ところで、入射光とフィルム面に対する法
線との為す角が増大すると、上記レターデーション値は
変化し(延伸方向を軸に回転させた場合と延伸方向に垂
直な軸で回転させた場合とで増減は異なる)液晶表示の
着色が生じる。
【0005】位相差板(フィルム)のような光学異方体
は3次元方向の屈折率(nx,ny,nz)が一様でな
く、屈折率楕円体で表現される。そして、各方向の屈折
率の関係は、例えば、図5に示す一軸延伸フィルムpに
おいて、xを延伸軸、yをフィルム面内の延伸方向と直
交する軸、zをフィルムの法線方向とすると、固有屈折
率が正のフィルムではnx>ny≧nzの関係があり、
固有屈折率が負のフィルムではnx<ny≦nzの関係
がある。また完全一軸延伸フィルムではフィルム面内の
延伸方向と直交する方向yの屈折率nyとフィルムの法
線方向zの屈折率nzは等しく、ny=nzが成立す
る。
【0006】以下、一例としてxz面内でz軸からθ
(視角)傾斜した方向からみた複屈折[Δn
xz(θ)]、レターデーション値[Rxz(θ)]はそれ
ぞれ以下の式で表される(電子材料1991年2月号第
40頁参照)。
【0007】
【数1】 但し、式中dはフィルムの厚さ、nは平均屈折率であ
る。
【0008】そして、上記(1)(2)式に基づいて計
算した結果を図6に示す。
【0009】図6のグラフ図において、横軸は視角θ、
縦軸はxz面内で視角θにおけるレターデーション値R
xz(θ)を視角0(法線方向zから見た場合)のレター
デーション値Rxz(0)で割った値Rxz(θ)/R
xz(0)を示し、レターデーションRの変化率は[1−
xz(θ)/Rxz(0)]の絶対値で表される。また、
図6中aはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示し、
bはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示している。
【0010】ここで、視野角は、レターデーションRの
変化率、すなわち[1−Rxz(θ)/Rxz(0)]の絶
対値が小さい程広いのである。そして、図6より完全一
軸延伸(nz=ny)の方がレターデーション値の変化
が少なくかつ視野角が広くなり、他方、分子の配向に二
軸性が存在すると(nz<ny)上述のレターデーショ
ン値の変化は大きくかつ視野角が非常に狭くなることが
確認できる。
【0011】また、θの代わりに、yz面内でz軸から
傾斜した視角φを用いた場合の計算結果を図7に示す。
図7中cはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示し、
dはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示している。
【0012】そして、この結果からも分子の配向に二軸
性があるとレターデーション値の変化率、すなわち[1
−Ryz(φ)/Ryz(0)]の絶対値が大きく視野角が
狭くなり、他方、分子の一軸配向性が高い程レターデー
ション値の変化率、すなわち[1−Ryz(φ)/R
yz(0)]の絶対値が小さくかつ視野角が広くなる。ま
た、nz=nyの完全一軸延伸の場合が最も視野角が広
くなることが分かる。
【0013】従って、これ等図6及び図7の結果からい
ずれの方向から見る場合も分子の一軸配向性が高い程レ
ターデーション値の変化率が小さくかつ視野角が広いこ
とが分かる。
【0014】ところで、分子配向の一軸性を高めるため
には延伸方向と垂直な方向に発生する応力(縮小しよう
とする残留応力)をできるだけ小さくすることが必要で
ある。言い換えると、延伸方向と垂直な方向に延伸で生
じると考えられる縮小量だけ延伸方向と垂直な方向に縮
小すれば良いのである。
【0015】特開平2−191904号公報には、この
縮小率[ネックイン率(延伸前後の延伸方向と直交する
方向のフィルムの長さ変化率をいう)と以下称する。す
なわちネックイン率=(b−a)/b×100;ここで
aはアニール後の延伸方向と直交する方向の長さ、bは
延伸前のフィルムの延伸方向と直交する方向の長さであ
る]を検討し、このネックイン率を(1−1/延伸倍率
の平方根)×100(%)〜(1−1/延伸倍率の3乗
根)×100(%)にすることにより視野角特性に優れ
た位相差板(フィルム)が製造できることを開示してい
る。そしてこの具体的な方法として、延伸ロール間距離
をフィルム幅の5倍以上に設定し幅方向の自由な収縮を
許しながら縦方向に延伸する方法(縦一軸自由幅延伸
法)が開示されている。
【0016】また、特開平3−23405号公報には、
パンタグラフ式同時二軸テンター延伸機を適用し、フィ
ルムの幅方向両端部を部分的にテンタークリップで保持
して縦方向及び幅方向の両方向を同時に延伸し、0〜
(1−1/延伸倍率の平方根)のネックイン率を有する
位相差板を製造する方法が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−1
91904号公報に開示されている方法は上述したよう
に延伸ロール間距離をフィルム幅の5倍以上に設定して
いるため、ロール間の全域に亘り延伸中の加熱温度を均
一に制御することが困難な問題点があった。
【0018】また、この方法では間隔を開けて配置され
た延伸ロール間においてフィルムの幅方向の自由な収縮
を許しながらフィルム縦方向への延伸処理を施している
ため、延伸ロール近傍部位におけるフィルムの幅方向の
収縮量に較べて延伸ロール間中央部付近におけるフィル
ムの幅方向収縮量が大きくなり、この収縮率の差異に起
因してフィルムの幅方向両端部における延伸軸(延伸主
軸)の方向とフィルム中央部における延伸軸の方向とが
一致しなくなる欠点があった。従って、延伸処理された
フィルムの幅方向両端部と中央部とでその位相差補償性
能や視野角特性が相違するためフィルムの幅方向両端部
を不良品として大量に廃棄しなければならず、歩留まり
が悪いといった問題点があった。
【0019】他方、特開平3−23405号公報に開示
されている方法においては、フィルムの幅方向両端部を
テンタークリップにより部分的に保持して延伸処理を施
しているため、上記テンタークリップにて保持されない
部位においてネックインが発生し、製造された位相差板
の位相差補償性能と視野角特性の均一性に問題があっ
た。
【0020】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、フィルムの略全
域に亘り均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角特性
を有する位相差板を容易に製造できる方法を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、熱可塑性樹脂フィルムを横一軸延伸した後、
この熱可塑性樹脂フィルムの縦方向を熱収縮させて位相
差板を製造する方法を前提とし、横一軸延伸された熱可
塑性樹脂フィルムの縦方向の断面形状が波形となるよう
に上記熱可塑性樹脂フィルムを賦形すると共に、この波
形形状を保った状態で上記熱可塑性樹脂フィルムの横方
向両端部を把持した後、上記波形の1/2ピッチ毎の縮
小率のばらつきが±25%の範囲内となるよう制御しな
がら加熱処理を施すことを特徴とするものである。
【0022】このような技術的手段において上記縮小率
は(β−α)/β×100%で与えられる。すなわち、
上記波形が図3に示すように三角形状の場合を例に挙げ
て説明すると、収縮後のフィルムの長さ(波形の軸に沿
った直線距離で表される)をα、波形に沿ったフィルム
の長さをβとしたとき、縮小率は(β−α)/β×10
0%で与えられ、波のピッチ、高さ、形状で所望の値に
制御可能である。
【0023】そして請求項1に係る発明においては、波
形の1/2ピッチ毎の縮小率のばらつきが±25%の範
囲内となるよう制御しながら加熱処理を施すことを要す
る。ここで1/2ピッチ毎の縮小率のばらつきとは、1
/2ピッチ毎の縮小率を1mの範囲で測定して求められ
た(Xmax −Xav)/Xav、及び、(Xmin −Xav)/
avをいい(但し、Xavは縮小率の平均値、Xmax は縮
小率の最大値、Xminは縮小率の最小値を示してい
る)、本発明においてはこの値が±25%の範囲内であ
ることを要する。上記縮小率が±25%を越えた場合、
その最大値と最小値の差が10nm以上(350mm×
350mm□)の位相差値むらが発生し、位相差特性の
揃った位相差板の製造が困難となるからである。
【0024】尚、上記波形の1/2ピッチ毎の縮小率の
ばらつきが±25%の範囲内となるよう制御する手段と
しては、賦形された熱可塑性樹脂フィルムの横方向両端
部を把持して熱収縮させる際、フィルム縦方向の熱収縮
にばらつきが生じないようフィルムの横方向両端部を均
一に把持する方法等が挙げられる。
【0025】ここで、上記波形の具体的な形状として
は、例えば、断面三角形状、断面台形状等の形状が挙げ
られるがこれに限定されるものではない。また、そのピ
ッチ、波の高さも任意であり、所望の縮小率に対応させ
て適宜設定可能である。
【0026】また、賦形の方法や横方向両端部の形状を
把持する方法も任意であり、フィルムに破れや傷を与え
ず、しかも上記縮小率のばらつきを±25%の範囲内に
制御できる方法であれば如何なる方法でもよい。また、
加熱処理の温度、時間等も任意である。
【0027】次に、この請求項1に係る発明において
は、横一軸延伸処理された熱可塑性樹脂フィルムについ
てその縦方向の断面形状が波形となるように賦形し、こ
の波形形状を保った状態でフィルムの横方向(すなわち
幅方向)両端部を把持して加熱処理を施しているため、
フィルム横方向の部分的収縮(ネックイン)が起こらず
特開平3−23405号公報に開示された製造方法の欠
点を解消することが可能となる。また、この発明におい
ては上記加熱処理の際にフィルムの横方向両端部が把持
され、かつ、賦形された波形形状が拘束力として作用す
ることから縦方向の略均等な収縮が可能になるため、特
開平2−191904号公報に開示された製造方法の弊
害も解消できる。
【0028】また、このような技術的手段において上記
熱可塑性樹脂フィルムの横一軸方向への延伸は横一軸テ
ンター延伸機を改造した装置により可能である。また、
その延伸温度、延伸倍率、延伸速度、ヒートセット(延
伸後の熱処理)温度、ヒートセット時間等の諸条件は所
望の位相差値になるよう適宜設定することができ、上記
特開平2−191904号に開示された製造方法に較べ
てその制御が極めて容易である。
【0029】次に、この技術的手段において適用される
熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、セルロース系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ア
クリロニトリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリサルフ
ォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサル
フォン系樹脂等のフィルムが挙げられる。
【0030】また、これらフィルムの製造方法として
は、溶剤キャスト法、カレンダー法又は押出し法のいず
れによって製造してもよい。
【0031】
【作用】請求項1に係る発明によれば、横一軸延伸され
た熱可塑性樹脂フィルムの縦方向の断面形状が波形とな
るように上記熱可塑性樹脂フィルムを賦形すると共に、
この波形形状を保った状態で上記熱可塑性樹脂フィルム
の横方向両端部を把持した後、上記波形の1/2ピッチ
毎の縮小率のばらつきが±25%の範囲内となるよう制
御しながら加熱処理を施して熱可塑性樹脂フィルムの縦
方向寸法を縮小させている。
【0032】この結果、延伸方向と垂直な方向の応力
(縮小しようとする応力)が小さくなり、求められた位
相差板の一軸性が高まるため視野角の広い位相差板の製
造が可能となる。
【0033】また、波形の1/2ピッチ毎の縮小率のば
らつきが±25%の範囲内に制御されているため位相差
値のむらの少ない位相差板を製造することが可能とな
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0035】[実施例1]幅430mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムをテンター延伸機を使用し、延伸温度190℃、
延伸倍率1.5倍、ヒートセット温度170℃、ヒート
セット時間30sec の条件で横一軸延伸した。
【0036】次いで、得られた横一軸延伸フィルムpを
図1に示す波形(設定縮小率14%)に賦形し、この波
形形状を保った状態でフィルムの横方向両端部を把持し
た後、190℃、2分間加熱処理を施して縦方向の寸法
を縮小させた。
【0037】尚、加熱処理前に1/2ピッチ毎の縮小率
を測定し(長さ1m)その縮小率を求めると、Xav=1
3.98%、Xmin :13.75%、Xmax =14.2
0%であり、これ等の値からそのばらつきを求めると±
1.6%であった。
【0038】そして、得られた位相差板(位相差フィル
ム)の評価は、視野角特性、平均R値、R値均一性、及
び、端部不良率について行った。
【0039】視野角特性としては、フィルムの延伸軸及
び延伸軸と直交する軸(フィルム面内)を軸とし、45
度回転させた時のレターデーション値(590nm)と
0度の時のレターデーション値の差の絶対値を、0度の
時のレターデーション値(590nm)で除した値に1
00を掛けた値の大きい方を代用特性とした。尚、この
値が小さい方が視野角特性が優れていると言える。
【0040】また、上記R値は測定波長と位相差値が等
しい時の位相差値である。そして、平均R値とR値均一
性については以下の方法で評価した。すなわち、得られ
たフィルムを長手方向に350mmカットし、幅方向は
両耳を均等にカットし350mm×350mmのサンプ
ルを作成する。次に、R値を1cm間隔で幅方向及び長
手方向に測定しその平均値を平均R値とした。また、R
値均一性は、各々測定したR値の最大値と最小値の差を
代表値とした。
【0041】次に、上記端部不良率は、偏光顕微鏡によ
り光学主軸と延伸方向(フィルムの幅方向)のずれを測
定してこの軸ずれが1度を越える部位を端部不良部と
し、フィルムの左右両側の端部不良部の幅寸法のうち大
きい方を代表値として下記式により算出した。
【0042】端部不良率=(端部不良部の幅寸法の代表
値/延伸後の幅寸法)×100% そして、評価の結果、視野角特性は13.1、平均R値
は580.9nm(n=1225)、R値均一性は4.
7nm(n=1225)、及び、端部不良率は8%であ
った。
【0043】[実施例2]幅430mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムをテンター延伸機を使用し、延伸温度190℃、
延伸倍率1.5倍、ヒートセット温度170℃、ヒート
セット時間30sec の条件で横一軸延伸した。
【0044】次いで、得られた横一軸延伸フィルムを図
2に示す波形(設定縮小率14%)に賦形し、その横方
向両端部をその波形形状を保った状態で固定した後、1
95℃、2分間加熱処理を施して縦方向の寸法を縮小さ
せた。
【0045】尚、加熱処理前に1/2ピッチ毎の縮小率
を測定し(長さ1m)その縮小率を求めると、Xav=1
4.1%、Xmin :13.7%、Xmax =14.50%
であり、これ等の値からそのばらつきを求めると±2.
8%であった。
【0046】ここで、実施例1に較べて縮小率のばらつ
きが若干相違しているが(実施例1においては±1.6
%、実施例2においては±2.8%)、この原因として
は測定誤差と上記波形形状が異なる点にあるものと推察
している。
【0047】そして、実施例1と同様に得られた位相差
板(位相差フィルム)についてその視野角特性、平均R
値、R値均一性、及び、端部不良率を評価したところ、
視野角特性は13.2、平均R値は580.2nm(n
=1225)、R値均一性は5.3nm(n=122
5)、及び、端部不良率は8%であった。
【0048】[実施例3]幅430mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムをテンター延伸機を使用し、延伸温度190℃、
延伸倍率1.5倍、ヒートセット温度170℃、ヒート
セット時間30sec の条件で横一軸延伸した。
【0049】次いで、得られた横一軸延伸フィルムを図
2に示す波形(設定縮小率14%)に賦形し、その横方
向両端部をその波形形状を保った状態で固定した後、1
95℃、2分間加熱処理を施して縦方向の寸法を縮小さ
せた。尚、実施例1、2に較べてフィルムの熱収縮に若
干ばらつきが生ずるような条件で上記フィルムの横方向
両端部を把持させた。
【0050】そして、加熱処理前に1/2ピッチ毎の縮
小率を測定し(長さ1m)その縮小率を求めると、Xav
=14.0%、Xmin :12.5%、Xmax =15.5
0%であり、これ等の値からそのばらつきを求めると±
10.7%であった。
【0051】また、実施例1と同様に得られた位相差板
(位相差フィルム)についてその視野角特性、平均R
値、R値均一性、及び、端部不良率を評価したところ、
視野角特性は13.1、平均R値は580.9nm(n
=1225)、R値均一性は4.7nm(n=122
5)、及び、端部不良率は8%であった。
【0052】[比較例1]幅430mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムをテンター延伸機を使用し、延伸温度195℃、
延伸倍率1.35倍、ヒートセット温度170℃の条件
で横一軸延伸した。
【0053】このようにして得られた位相差板(位相差
フィルム)についてその視野角特性、R値、及び、端部
不良率を評価したところ、視野角特性は31.6、R値
は413nm、、及び、端部不良率は31%であった。
【0054】[比較例2]幅600mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムを、縦一軸延伸機を使用し、幅方向の自由な収縮
を許しながら、延伸温度200℃、延伸倍率1.5倍で
縦一軸延伸した。そのときの延伸間距離(図4参照)は
800mmであり、ネックイン率(延伸により収縮した
幅/延伸前の幅×100%)は17.2%であった。
【0055】得られた位相差板(位相差フィルム)につ
いてその視野角特性、R値、及び、端部不良率を評価し
たところ、視野角特性は13.1、R値は646.7n
m、、及び、端部不良率は30%であった。
【0056】[比較例3]幅430mm、厚さ100μ
m、ガラス転移点(Tg)190℃のポリサルフォンフ
ィルムをテンター延伸機を使用し、延伸温度190℃、
延伸倍率1.5倍、ヒートセット温度170℃、ヒート
セット時間30sec の条件で横一軸延伸した。
【0057】次いで、得られた横一軸延伸フィルムを図
2に示す波形(設定縮小率14%)に賦形し、その横方
向両端部をその波形形状を保った状態で固定した後、1
95℃、2分間加熱処理を施して縦方向の寸法を縮小さ
せた。この場合、実施例1〜3と較べてフィルムの縦方
向の熱収縮にばらつきが生ずるよう上記フィルムの横方
向両端部を意図的に不均等に把持させた。
【0058】尚、加熱処理前に1/2ピッチ毎の縮小率
を測定し(長さ1m)その縮小率を求めると、Xav=1
4.0%、Xmin :10.0%、Xmax =18.0%で
あり、これ等の値からそのばらつきを求めると±28.
6%であった。
【0059】そして、実施例1と同様に得られた位相差
板(位相差フィルム)についてその視野角特性、平均R
値、R値均一性、及び、端部不良率を評価したところ、
視野角特性は13.8、平均R値は578.6nm(n
=1225)、R値均一性は13.3nm(n=122
5)、及び、端部不良率は8%であった。
【0060】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、横一軸延
伸された熱可塑性樹脂フィルムの縦方向の断面形状が波
形となるように上記熱可塑性樹脂フィルムを賦形すると
共に、この波形形状を保った状態で上記熱可塑性樹脂フ
ィルムの横方向両端部を把持した後、上記波形の1/2
ピッチ毎の縮小率のばらつきが±25%の範囲内となる
よう制御しながら加熱処理を施して熱可塑性樹脂フィル
ムの縦方向寸法を縮小させているため、延伸方向と垂直
な方向の応力(縮小しようとする応力)が小さくなり求
められた位相差板の一軸性が高まると共にその位相差値
のむらも少なくなる。
【0061】従って、フィルムの略全域にわたって均一
でかつ優れた位相差補償性能と視野角特性を有する位相
差板を容易に製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る熱可塑性樹脂フィルムの波形を示
す説明図。
【図2】他の実施例に係る熱可塑性樹脂フィルムの波形
を示す説明図。
【図3】本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの縮小率を
説明するための説明図。
【図4】比較例に係る縦一軸延伸法を示す説明図。
【図5】一軸延伸フィルムの斜視図。
【図6】xz面内で視角θとRxz(θ)/Rxz(0)と
の関係を示すグラフ図。
【図7】yz面内で視角φとRyz(φ)/Ryz(0)と
の関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
p 一軸延伸フィルム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムを横一軸延伸した
    後、この熱可塑性樹脂フィルムの縦方向を熱収縮させて
    位相差板を製造する方法において、 横一軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムの縦方向の断面
    形状が波形となるように上記熱可塑性樹脂フィルムを賦
    形すると共に、この波形形状を保った状態で上記熱可塑
    性樹脂フィルムの横方向両端部を把持した後、上記波形
    の1/2ピッチ毎の縮小率のばらつきが±25%の範囲
    内となるよう制御しながら加熱処理を施すことを特徴と
    する位相差板の製造方法。
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