JP2636995B2 - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

Info

Publication number
JP2636995B2
JP2636995B2 JP3314868A JP31486891A JP2636995B2 JP 2636995 B2 JP2636995 B2 JP 2636995B2 JP 3314868 A JP3314868 A JP 3314868A JP 31486891 A JP31486891 A JP 31486891A JP 2636995 B2 JP2636995 B2 JP 2636995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stretching
film
sheet
viewing angle
retardation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3314868A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05150116A (ja
Inventor
英志 松本
博則 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP3314868A priority Critical patent/JP2636995B2/ja
Publication of JPH05150116A publication Critical patent/JPH05150116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2636995B2 publication Critical patent/JP2636995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一軸延伸された熱可塑
性樹脂フィルムにて構成され例えば液晶表示板等に好適
に用いられる位相差板に係り、特に、視野角特性に優れ
た位相差板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】位相差板(フィルム)とは、延伸した高
分子フィルムの複屈折性(延伸による分子配向により延
伸方向とそれに直交する方向の屈折率が異なるために生
ずる)を利用し、例えば液晶表示板の液晶で生じた位相
差を解消させる(位相差補償という)ものである。従
来、この種の位相差板(フィルム)としてはセルロース
系樹脂(特開昭63−167363号公報参照)、塩化
ビニル系樹脂(特公昭45−34477号公報、特開昭
56−125702号公報参照)、ポリカーボネート系
樹脂(特公昭41−12190号公報、特開昭56−1
30703号公報参照)、アクリロニトリル系樹脂(特
開昭56−130702号公報参照)、スチレン系樹脂
(特開昭56−125703号公報参照)、オレフィン
系樹脂(特開昭60−24502号公報参照)等が知ら
れており、また、一軸延伸方法としては、縦一軸延伸
(特開平2−191904号公報参照)、横一軸延伸
(特開平2−42406号公報参照)等が提案されてい
る。
【0003】そして、位相差板(フィルム)の上記位相
差補償性能はレターデーション値と呼ばれ、Δn×dで
表される。ここで、Δnは屈折率の異方性、dはフィル
ムの肉厚である。
【0004】ところで、入射光とフィルム面に対する法
線との為す角が増大すると、上記レターデーション値は
変化し(延伸方向を軸に回転させた場合と延伸方向に垂
直な軸で回転させた場合とで増減は異なる)液晶表示の
着色が生じる。
【0005】位相差板(フィルム)のような光学異方体
は3次元方向の屈折率(nx,ny,nz)が一様でな
く、屈折率楕円体で表現される。そして、各方向の屈折
率の関係は、例えば、図4に示す一軸延伸フィルムpに
おいて、xを延伸軸、yをフィルム面内の延伸方向と直
交する軸、zをフィルムの法線方向とすると、固有屈折
率が正のフィルムではnx>ny≧nzの関係があり、
固有屈折率が負のフィルムではnx<ny≦nzの関係
がある。また完全一軸延伸フィルムではフィルム面内の
延伸方向と直交する方向yの屈折率nyとフィルムの法
線方向zの屈折率nzは等しく、ny=nzが成立す
る。
【0006】以下、一例としてxz面内でz軸からθ
(視角)傾斜した方向からみた複屈折[Δn
xz(θ)]、レターデーション値[Rxz(θ)]はそれ
ぞれ以下の式で表される(電子材料1991年2月号第
40頁参照)。
【0007】
【数1】
【0008】但し、式中dはフィルムの厚さ、nは平均
屈折率である。
【0009】そして、上記(1)(2)式に基づいて計
算した結果を図5に示す。
【0010】図5のグラフ図において、横軸は視角θ、
縦軸はxz面内で視角θにおけるレターデーション値R
xz(θ)を視角0(法線方向zから見た場合)のレター
デーション値Rxz(0)で割った値Rxz(θ)/R
xz(0)を示し、レターデーションRの変化率は[1−
xz(θ)/Rxz(0)]の絶対値で表される。また、
図5中αはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示し、
βはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示している。
【0011】ここで、視野角は、レターデーションRの
変化率、すなわち[1−Rxz(θ)/Rxz(0)]の絶
対値が小さい程広いのである。そして、図5より完全一
軸延伸(nz=ny)の方がレターデーション値の変化
が少なくかつ視野角が広くなり、他方、分子の配向に二
軸性が存在すると(nz<ny)上述のレターデーショ
ン値の変化は大きくかつ視野角が非常に狭くなることが
確認できる。
【0012】また、θの代わりに、yz面内でz軸から
傾斜した視角φを用いた場合の計算結果を図6に示す。
図6中γはnz=nyの完全一軸延伸フィルムを示し、
λはnz<nyの完全一軸延伸フィルムを示している。
【0013】そして、この結果からも分子の配向に二軸
性があるとレターデーション値の変化率、すなわち[1
−Ryz(φ)/Ryz(0)]の絶対値が大きく視野角が
狭くなり、他方、分子の一軸配向性が高い程レターデー
ション値の変化率すなわち[1−Ryz(φ)/R
yz(0)]の絶対値が小さくかつ視野角が広くなる。ま
た、nz=nyの完全一軸延伸の場合が最も視野角が広
くなることが分かる。
【0014】従って、これ等図5及び図6の結果から、
いずれの方向から見る場合も分子の一軸配向性が高い程
レターデーション値の変化率が小さくかつ視野角が広い
ことが分かる。
【0015】ところで、分子配向の一軸性を高めるため
には延伸方向と垂直な方向に発生する応力(縮小しよう
とする残留応力)をできるだけ小さくすることが必要で
ある。言い換えると、延伸方向と垂直な方向に延伸で生
ずると考えられる縮小量[ネックイン率(延伸前後延伸
方向と直交する方向のフィルム、シートの長さ変化率を
いう)と以下称する。すなわち、ネックイン率=(a−
b)/a×100;ここでaは延伸前におけるフィル
ム、シートの延伸方向と直交する方向の長さ、bは延伸
後におけるフィルム、シートの延伸方向と直交する方向
の長さである]だけ延伸方向と垂直な方向に縮小すれば
よいのである。
【0016】例えば、特開平2−191904号公報に
は、ロール間距離がフィルム幅の5倍以上となる条件で
主にポリカーボネート系樹脂フィルム又はシートについ
て、上記ネックイン率を(1−1/延伸倍率の平方根)
×100%〜(1−1/延伸倍率の3乗根)×100%
となるように幅方向に一定の収縮を行い得る二軸延伸機
を用いて延伸する方法又は縦一軸自由延伸する方法が報
告されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は主
にポリカーボネート系樹脂が適用された位相差板の製造
法にいえることで、直ちにポリサルフォン系樹脂にも同
様のことがいえるわけではなく、また、ロール間距離を
フィルム又はシート幅の5倍以上に設定する必要から巨
大な延伸装置を要し、更に延伸ロール間にガイドのため
のフリーロールを要する等の設備上の制約が大きいとい
う問題点があった。
【0018】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、巨大な設備を要
する等の設備上の制約が少なく、より視野角の広いポリ
サルフォン系位相差板を容易に製造できる方法を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、ポリサルフォン系樹脂フィルム又はシート
を、延伸方向に直交する方向の自由な収縮を許しながら
一軸延伸して位相差板を製造する方法を前提とし、上記
フィルム又はシートのガラス転移点をTg、延伸温度を
T、延伸倍率をA、延伸前における延伸方向のフィルム
又はシートの長さをa、延伸前の延伸方向に直交する方
向のフィルム又はシートの長さをbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とするものである。
【0020】このような技術的手段において、a/bは
延伸前のフィルム又はシートの縦横の長さの比を意味
し、上記式0.5≦aA/b≦1.5は延伸前のフィル
ム又はシートの延伸方向の長さがこれと直交する方向の
長さのせいぜい1.5倍である場合においてこの式で特
定される範囲の倍率で延伸する時、フィルム又はシート
にたるみが生ずることなく十分にネックインして一軸配
向性に優れ、従って視野角特性に優れた位相差板が得ら
れることを意味する。
【0021】これに対しaA/bが1.5より大きい場
合、延伸時に最もネックインした箇所がフィルム又はシ
ートの中央部ではなくその両側に生じ、極端な場合には
この最もネックインした箇所に挟まれたフィルム又はシ
ートの中央部にたるみが生じることがある(図3参
照)。またaA/bが0.5より小さい場合、十分にネ
ックインせず、延伸方向に直交する方向に応力が残り、
分子の配向に二軸性が存在して視野角特性に劣る結果と
なる。
【0022】また、上記式を満たす場合であっても延伸
倍率Aの限界は3.0であってこれを越えると均一な延
伸ができないことになる。
【0023】好ましくは1.2〜2.0倍である。
【0024】次に、長尺のポリサルフォン系樹脂フィル
ム又はシートを多数のロールを介して連続的に移送し、
幅方向の自由な収縮を許しながら周速の異なる一対のニ
ップロール間でフィルム又はシートの流れ方向に一軸延
伸する縦一軸延伸法においては、その延伸方向はフィル
ム又はシートの流れ方向を意味しその方向のフィルム又
はシートの長さが特定し難い。また、延伸後の延伸方向
の長さaAについてはニップロールのニップ部位間距離
で表される。
【0025】このため、上記ニップ部位間距離をaAと
し、またフィルム又はシートの収縮がこのニップ部位間
で幅方向(すなわち延伸方向と直交する方向)に生じる
ことから、フィルム又はシートの幅(すなわち延伸方向
と直交する方向の長さ)をbとして上記式0.5≦aA
/b≦1.5を満たせばよい。
【0026】すなわち、請求項2に係る発明はこのよう
な技術的背景に基づいてなされたもので、長尺のポリサ
ルフォン系樹脂フィルム又はシートを、幅方向の自由な
収縮を許しながら周速の異なる一対のニップロール間に
おいてフィルム又はシートの流れ方向に一軸延伸して位
相差板を製造する方法を前提とし、上記フィルム又はシ
ートのガラス転移点をTg、延伸温度をT、延伸倍率を
A、一対のニップロールのニップ部位間距離をaA、延
伸前の延伸方向に直交する方向のフィルム又はシートの
長さをbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とするものである。
【0027】請求項2に係る発明によれば、比較的幅広
で長尺のフィルム又はシートであっても、ニップ部位間
の距離がフィルム又はシートの幅のせいぜい1.5倍で
ある縦一軸延伸機により視野角特性に優れた位相差板を
連続的に製造することが可能となる利点を有する。
【0028】他方、長尺のポリサルフォン系樹脂フィル
ム又はシートに幅方向の亀裂を入れ、この亀裂間で自由
な収縮を許しながらフィルム又はシートの両側を把持し
てこのフィルム又はシートを幅方向に一軸延伸する横一
軸テンター延伸法においては、フィルム又はシートの延
伸は把持部位の間で生じる。従って、上記把持部位間の
距離をaとし、またフィルム又はシートの収縮について
は上記亀裂間で生じることから延伸前の亀裂間距離をb
として上記式0.5≦aA/b≦1.5を満たせばよ
い。
【0029】すなわち、請求項3に係る発明はこのよう
な技術的背景に基づいてなされたもので、長尺のポリサ
ルフォン系樹脂フィルム又はシートに幅方向の亀裂を入
れると共に、この亀裂間で自由な収縮を許しながら上記
フィルム又はシートの両側を把持しこのフィルム又はシ
ートを幅方向に一軸延伸して位相差板を製造する方法を
前提とし、上記フィルム又はシートのガラス転移点をT
g、延伸温度をT、延伸倍率をA、延伸前における延伸
方向のフィルム又はシートの把持部位間距離をa、延伸
前の亀裂間距離をbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とするものである。
【0030】そして請求項3に係る発明によれば、比較
的幅狭のフィルム又はシートであっても亀裂間距離を比
較的大きくして視野角特性に優れた枚葉状の位相差板を
横一軸テンター延伸法により連続的に製造することが可
能となる利点を有する。
【0031】尚、上記式0.5≦aA/b≦1.5と
1.0<A≦3.0を満たす条件下で延伸する際に、延
伸温度Tが(Tg−20℃)より低いとフィルム又はシ
ートを均一に延伸することができず、一方、(Tg+3
0℃)より高いと延伸して得られたフィルム又はシート
に位相差補償性能が発生しない。このような技術的理由
から(Tg−20℃)≦T≦(Tg+30℃)の条件で
延伸する必要がある。
【0032】尚、本発明に係るポリサルフォン系樹脂フ
ィルム又はシートとしては溶剤キャスト法、カレンダー
法、押出法等の方法により製膜して得られるフィルム又
はシートが適用できる。
【0033】
【作用】請求項1に係る発明によれば、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で、ポリサルフォン系樹脂フィルム又はシートを
延伸方向と直交する方向の自由な収縮を許しながら一軸
延伸するため、延伸前のフィルム又はシートの延伸方向
の長さがこれに直交する方向の長さの1.5倍である場
合においてもしわが発生することなく十分にネックイン
を生じさせることができ、従って延伸方向と直交する方
向に残留応力が少なく視野角特性に優れた位相差板を容
易に製造することが可能となる。
【0034】また、請求項2に係る発明によれば、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で、長尺のポリサルフォン系樹脂フィルムを幅方
向の自由な収縮を許しながら縦一軸延伸を行う一方、請
求項3に係る発明によれば、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で、長尺のポリサルフォン系樹脂フィルムに幅方
向の亀裂を入れこの亀裂間で自由な収縮を許しながらフ
ィルム又はシートの両側を把持してこのフィルム又はシ
ートを幅方向に一軸延伸するため、延伸前のフィルム又
はシートの延伸方向の長さがこれと直交する方向の長さ
の1.5倍である長尺のフィルム又はシートの場合にお
いてもしわが発生することなく十分にネックインを生じ
させることができ、従って延伸方向と直交する方向に残
留応力が少なく視野角特性に優れた位相差板を連続的に
かつ容易に製造することが可能となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0036】[実施例1]図1に示すように、幅150
mm、厚さ100μmのポリスルフォン樹脂フィルム1
(Tg190℃)を、縦一軸延伸機を用いて連続的に移
送しながら二本のロール21、22から構成されたニッ
プロールと、このロール21、22の周速より速い周速
で回転する二本のロール31、32から構成されたニッ
プロールを使用して、ニップ部位2a、3a間距離20
0mm、延伸温度200℃、延伸倍率1.5倍の条件で
幅方向に自由な収縮を許しながら、縦一軸延伸した。
尚、延伸後のフィルムの幅は124mmであり、この時
のaA/bは200/150=1.33であった。
【0037】そして、得られた一軸延伸フィルムの評価
はR値と視野角特性について行った。尚、法線方向から
波長を変えてレターデーションR(0)を測定し、レタ
ーデーションR(0)が波長と等しくなった時のレター
デーションR(0)を代表値Rとして、位相差補償性能
を評価した。このR値がより大きい程位相差補償性能に
優れているといえる。
【0038】一方、視野角特性については以下の方法に
よりレターデーションの差を測定して代用した。すなわ
ち、波長590nmの光を使用してまずフィルムの法線
方向zを視角としてレターデーションR(0)を測定
し、この法線方向zと延伸方向xを含む面内で法線方向
zと45度の角度を視角とするレターデーションR
xz(θ=45)、及び、法線方向zと延伸方向に直交す
る方向yを含む面内で法線方向zと45度の角度を視角
とするレターデーションRyz(φ=45)を測定し、 {[R(0)−Rxz(θ=45)]/R(0)}の絶対
値×100と、 {[R(0)−Ryz(φ=45)]/R(0)}の絶対
値×100のうち大きい方を採用した。上述のようにR
xz(θ)又はRyz(φ)と視野角特性は一定の関係があ
るから、{[R(0)−Rxz(θ=45)]/R
(0)}の絶対値×100と、{[R(0)−Ryz(φ
=45)]/R(0)}の絶対値×100のうち大きい
方によって視野角特性の代用値とすることができ、しか
もこの値が小さい程視野角特性に優れていることが分か
る。
【0039】この結果を表1に示す。
【0040】[実施例2]ニップ部位2a、3a間距離
を150mmとした他は実施例1と略同様に縦一軸延伸
した。延伸後のフィルムの幅は126mmであり、この
時のaA/bは150/150=1.00であった。
【0041】実施例1と同様に測定した視野角特性とR
値を表1に示す。
【0042】[実施例3]ニップ部位2a、3a間距離
を100mmとした他は実施例1と略同様に縦一軸延伸
した。延伸後のフィルムの幅は129mmであり、この
時のaA/bは100/150=0.67であった。
【0043】実施例1と同様に測定したR値と視野角特
性を表1に示す。
【0044】[比較例1]ニップ部位2a、3a間距離
を320mmとした他は実施例1と略同様に縦一軸延伸
した。この結果、均一な延伸はできず、評価は不可能で
あった。
【0045】尚、この時のaA/bは320/150=
2.13であった。
【0046】[比較例2]ニップ部位2a、3a間距離
を70mmとした他は実施例1と略同様に縦一軸延伸し
た。延伸後のフィルムの幅は131mmであり、この時
のaA/bは70/150=0.47であった。
【0047】実施例1と同様に測定したR値と視野角特
性を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】[実施例4]図2に示すように、幅430
mm、厚さ100μmのポリスルフォン樹脂フィルム
(Tg190℃)1を使用し、その亀裂間隔が360m
mで延伸前の亀裂の長さが400mmである亀裂11を
幅方向に多数入れ、かつ、テンター延伸機に装着し上記
亀裂の両端部位をクリップして(初期テンタークリップ
間距離は400mm)亀裂間の自由な収縮を許しなが
ら、延伸温度195℃、延伸倍率1.35倍の条件で横
一軸テンター延伸した。
【0050】この時のaA/bは400×1.35/3
60=1.50であった。
【0051】そして、実施例1と同様に測定したR値と
視野角特性を表2に示す。
【0052】[実施例5]上記亀裂間隔を540mmに
設定した以外は実施例4と略同様に横一軸テンター延伸
した。
【0053】この時のaA/bは400×1.35/5
40=1.00であった。
【0054】そして、測定したR値と視野角特性を表2
に示す。
【0055】[実施例6]上記亀裂間隔を1000mm
に設定した以外は実施例4と略同様に横一軸テンター延
伸した。この時のaA/bは400×1.35/100
0=0.54であった。
【0056】そして、測定したR値と視野角特性を表2
に示す。
【0057】[比較例3]上記亀裂間隔を250mmに
設定した以外は実施例4と略同様に横一軸テンター延伸
した。この結果、均一な延伸はできず、評価は不可能で
あった。
【0058】尚、この時のaA/bは400×1.35
/250=2.16であった。
【0059】[比較例4]上記亀裂間隔を1200mm
に設定した以外は実施例4と略同様に横一軸テンター延
伸した。この時のaA/bは400×1.35/120
0=0.45であった。
【0060】そして、測定したR値と視野角特性を表2
に示す。
【0061】
【表2】
【0062】『評価』表1の結果から、縦一軸延伸法に
おいて、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸した各実施例に係る位相差板は、0.5≦
aA/b≦1.5の条件外で延伸した各比較例に係る位
相差板と較べて位相差補償性能と視野角特性の双方に優
れていることが確認できた。
【0063】一方、表2の結果から、横一軸テンター延
伸法においても同じ条件を満たしている各実施例に係る
位相差板は、条件外で延伸した各比較例に係る位相差板
と較べて位相差補償性能と視野角特性の双方に優れてい
ることが確認された。
【0064】従って、これ等双方の結果から、延伸方法
の種類によらず、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸した位相差板は位相差補償性能と視野角特
性の双方に優れていることが理解出来る。
【0065】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、延伸前の
フィルム又はシートの延伸方向の長さがこれに直交する
方向の長さの1.5倍である場合においてもしわが発生
することなく十分にネックインを生じさせることがで
き、延伸方向と直交する方向に残留応力が少なく視野角
特性に優れた位相差板を製造することが可能となる。
【0066】従って、巨大な設備を要することなく視野
角特性に優れた位相差板を容易に製造できる効果を有し
ている。
【0067】また、請求項2〜3に係る発明によれば、
延伸前のフィルム又はシートの延伸方向の長さがこれと
直交する方向の長さの1.5倍である長尺のフィルム又
はシートの場合においてもしわが発生することなく十分
にネックインを生じさせることができ、延伸方向と直交
する方向に残留応力が少なく視野角特性に優れた位相差
板を連続的に製造することが可能となる。
【0068】従って、巨大な設備を要することなく視野
角特性に優れた位相差板を連続的にかつ容易に製造でき
る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦一軸延伸機の概略構成説明図。
【図2】横一軸テンター延伸法の概略説明図。
【図3】aA/bが1.5より大きい条件で延伸を行っ
たときのネックインの発生の仕方を示した説明図。
【図4】一軸延伸フィルムの斜視図。
【図5】xz面内で視角θとRxz(θ)/Rxz(0)と
の関係を示すグラフ図。
【図6】xz面内で視角φとRyz(φ)/Ryz(0)と
の関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1 フィルム 11 亀裂 21 ロール 22 ロール 31 ロール 32 ロール 2a ニップ部位 3a ニップ部位 x 延伸軸 y フィルム面内で延伸軸と直交する軸 z フィルムの法線 x1 x軸端部 x2 x軸端部 y1 y軸端部 y2 y軸端部 θ 視角 φ 視角

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリサルフォン系樹脂フィルム又はシート
    を、延伸方向に直交する方向の自由な収縮を許しながら
    一軸延伸して位相差板を製造する方法において、 上記フィルム又はシートのガラス転移点をTg、延伸温
    度をT、延伸倍率をA、延伸前における延伸方向のフィ
    ルム又はシートの長さをa、延伸前の延伸方向に直交す
    る方向のフィルム又はシートの長さをbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とする位相差板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】長尺のポリサルフォン系樹脂フィルム又は
    シートを、幅方向の自由な収縮を許しながら周速の異な
    る一対のニップロール間においてフィルム又はシートの
    流れ方向に一軸延伸して位相差板を製造する方法におい
    て、 上記フィルム又はシートのガラス転移点をTg、延伸温
    度をT、延伸倍率をA、一対のニップロールのニップ部
    位間距離をaA、延伸前の延伸方向に直交する方向のフ
    ィルム又はシートの長さをbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とする位相差板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】長尺のポリサルフォン系樹脂フィルム又は
    シートに幅方向の亀裂を入れると共に、この亀裂間で自
    由な収縮を許しながら上記フィルム又はシートの両側を
    把持しこのフィルム又はシートを幅方向に一軸延伸して
    位相差板を製造する方法において、 上記フィルム又はシートのガラス転移点をTg、延伸温
    度をT、延伸倍率をA、延伸前における延伸方向のフィ
    ルム又はシートの把持部位間距離をa、延伸前の亀裂間
    距離をbとする時、 (Tg−20℃) ≦ T ≦ (Tg+30℃)、 1.0 < A ≦ 3.0、 及び、 0.5 ≦ aA/b ≦ 1.5、 の条件で延伸することを特徴とする位相差板の製造方
    法。
JP3314868A 1991-11-28 1991-11-28 位相差板の製造方法 Expired - Fee Related JP2636995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3314868A JP2636995B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 位相差板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3314868A JP2636995B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 位相差板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05150116A JPH05150116A (ja) 1993-06-18
JP2636995B2 true JP2636995B2 (ja) 1997-08-06

Family

ID=18058589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3314868A Expired - Fee Related JP2636995B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 位相差板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2636995B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05150116A (ja) 1993-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4790890B2 (ja) 位相差フィルム及びその連続製造法
JP2857889B2 (ja) 液晶表示装置
TWI429993B (zh) 光學補償薄膜及其製法、偏光板及其製法、以及液晶顯示裝置
JP2005254812A (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる延伸フィルムの製造方法及び位相差フィルム
US5888634A (en) Phase retarder film
JPH0511114A (ja) 位相差板の製造方法
JPH02191904A (ja) 位相差フィルム及び位相差フィルムの製造法
JP5170093B2 (ja) 液晶表示装置
JP2636995B2 (ja) 位相差板の製造方法
JPH0830765B2 (ja) 位相差フイルムの製造方法
JPH05150115A (ja) 位相差板の製造方法
JPH06222213A (ja) 光学異方素子の製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH0323405A (ja) 位相差板の製造法
JPH05288931A (ja) 位相差板の製造方法
JP2004144942A (ja) 位相差補償フィルムの製造方法
JP2733371B2 (ja) 新規なる光学シート及び該シートを有する液晶表示装置
JP3383359B2 (ja) 位相差膜の製造方法
JPH06194646A (ja) 光学補償フイルムを設けたtn型液晶表示素子
JPH06160623A (ja) 位相差板の製造方法
JPH05127019A (ja) 位相差板の製造方法
JPH0511113A (ja) 位相差板の製造方法
JPH0511111A (ja) 位相差板の製造方法
JPH04230704A (ja) 位相差板およびその製造方法
JP3719761B2 (ja) 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム及びそれを用いた液晶表示素子
JPH06160629A (ja) 位相差板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080425

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees