JPH06159102A - ガスタービンエンジンの制御方法 - Google Patents

ガスタービンエンジンの制御方法

Info

Publication number
JPH06159102A
JPH06159102A JP31029292A JP31029292A JPH06159102A JP H06159102 A JPH06159102 A JP H06159102A JP 31029292 A JP31029292 A JP 31029292A JP 31029292 A JP31029292 A JP 31029292A JP H06159102 A JPH06159102 A JP H06159102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
fuel
block
acceleration
vane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31029292A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohiko Maekawa
裕彦 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP31029292A priority Critical patent/JPH06159102A/ja
Publication of JPH06159102A publication Critical patent/JPH06159102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービンエンジンのサージングを防止し
つつ、加速応答性を改善する。 【構成】 アイドリング時からの加速時に入口ベーンを
圧縮機の羽根車に流入する吸気に強い順方向旋回を付与
する角度に保持するとともに、燃料を増量することによ
り急加速させ、この急加速時にサージングに対する所定
の危険領域に入ったら燃料増加率を減らすことにより緩
加速させ、この緩加速時にサージングに対する所定の安
全領域に入ったら入口ベーンの角度および燃料量を制御
して目標作動点に到達させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンエンジン
の制御方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用ガスタービンエンジン
は、広い運転領域をもっており、アイドル時から加速性
能を高めたいという要求がある。
【0003】従来の自動車用ガスタービンエンジンの出
力制御方法として、例えば特開昭52−3911号公報
に開示されているものは、圧縮機の入口に配設される入
口ベーンと、圧縮機の羽根車より下流側のディフューザ
に配設される出口ベーンとを備え、出力要求が12.5
%未満の運転状態で入口ベーンと出口ベーンの両方を最
小面積に保持し、12.5%以上の運転状態で入口ベー
ンと出口ベーンの開口面積を出力要求に応じて増加させ
るように制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のガスタービンエンジンの出力制御方法にあっ
ては、軸受損失を低減する必要からアイドリング回転数
を抑える一方、アイドリング時からの加速時はアクセル
開度に応じて圧縮機の入口側、あるいは出口側の面積を
連続的に増加させる制御を行っていたため、急加速時に
サージングが発生し、サージングの防止と十分な加速応
答性を得ることとの両立がはかれないという問題点があ
った。
【0005】本発明は上記の問題点に着目し、ガスター
ビンエンジンの加速応答性を改善することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、吸入空気
を圧縮する圧縮機と、燃料を圧縮空気と共に燃焼させる
燃焼器と、この燃焼ガスによって駆動され圧縮機を回転
させるタービンと、圧縮機の入口に配設されその角度を
可変とする入口ベーンとを備えるガスタービンエンジン
の制御方法において、アクセル開度の検出値に基づいて
アイドリング時からの加速時に入口ベーンを圧縮機の羽
根車に流入する吸気に強い順方向旋回を付与する角度に
保持するとともに、燃料を増量することにより急加速さ
せ、この急加速時にサージングに対する所定の危険領域
に入ったら燃料増加率を減らすことにより緩加速させ、
この緩加速時にサージングに対する所定の安全領域に入
ったら入口ベーンの角度および燃料量を制御して目標作
動点に到達させる。
【0007】第二の発明は、吸入空気を圧縮する圧縮機
と、燃料を圧縮空気と共に燃焼させる燃焼器と、この燃
焼ガスによって駆動され圧縮機を回転させるタービン
と、圧縮機の入口でその角度を可変とする入口ベーン
と、羽根車より下流側のディフューザに配設されその角
度を可変とする出口ベーンとを備えるガスタービンエン
ジンの制御方法において、アクセル開度の検出値に基づ
いてアイドリング時からの加速時に出口ベーンの角度を
小流量側に保持するとともに、入口ベーンを圧縮機の羽
根車に流入する吸気に逆方向旋回を付与する角度に保持
した状態で、燃料を増量することにより急加速させ、こ
の急加速時にサージングに対する所定の危険領域に入っ
たら燃料増加率を減らすことにより緩加速させ、この緩
加速時にサージングに対する所定の安全領域に入ったら
出口ベーンの角度と入口ベーンの角度および燃料量を制
御して目標作動点に到達させる。
【0008】
【作用】第一の発明は、アイドリング時からの加速時に
圧縮機の入口ベーンを羽根車に流入する吸気に強い順方
向旋回を付与する角度に保持して燃料を増量することに
より、圧縮機のサージングを避けながら出力を急速に立
ち上げ、目標の作動点に到達する時間を短縮することが
できる。
【0009】第二の発明は、アイドリング時からの加速
時に圧縮機の出口ベーンの角度を小流量側に保持すると
ともに、入口ベーンを圧縮機の羽根車に流入する吸気に
逆方向旋回を付与する角度に保持した状態で、燃料を増
量することにより、圧縮機のサージングを避けながら出
力を急速に立ち上げ、目標の作動点に到達する時間を短
縮することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0011】図1に示すように、自動車用ガスタービン
エンジンは圧縮機1、タービン2、燃焼器3の基本コン
ポーネントから成り立つ。
【0012】燃焼器3は燃料噴射弁4から噴射される燃
料を燃焼させ、圧縮機1から送り込まれる加圧空気を加
熱し、高温ガスをつくる。
【0013】タービン2は燃焼器3から出た高温ガスを
その羽根車5に流入させ、高温ガスの持つエネルギを機
械的仕事に変換する。
【0014】圧縮機1はその内部に収装される羽根車6
がタービン2の羽根車6と同一回転軸に連結され、空気
をその回転軸方向から羽根車6の翼間流路に吸入し、半
径方向に流れの向きを変えながら遠心力により圧縮する
と同時に、ディフューザ7で相対速度を減少させること
によっても圧縮する。
【0015】図2、図3にも示すように、圧縮機1の羽
根車6より上流側の入口流路8には多数の入口ベーン9
が配列された可変案内翼機構が設けられ、各入口ベーン
9の角度により羽根車6に流入する吸気に予旋回を与え
るようになっている。
【0016】図4にも示すように、圧縮機1の羽根車6
より下流側のディフューザ7には多数の出口ベーン10
が配列された可変ディフューザ機構が設けられ、各出口
ベーン10の角度を変えることにより、スロート面積が
変わり、サージラインおよび作動範囲が変化するように
なっている。
【0017】各可変入口ベーン9と各出口ベーン10の
作動はリンク機構と油圧アクチュータを介してそれぞれ
行われ、各作動角度がロータリエンコーダによって検出
される。
【0018】ガスタービンエンジンの制御装置は、各種
運転状態の検出信号を入力して、各入口ベーン9と各出
口ベーン10の角度および燃料噴射弁4から燃焼器3に
供給される燃料量を制御する。
【0019】制御装置は、アクセル開度の検出値に基づ
いてアイドリング時からの加速時に入口ベーン9を羽根
車6に流入する吸気に強い順方向旋回を付与する角度
(αc=60°)に保持するとともに、燃料を増量する
ことにより急加速させ、この急加速時にサージングに対
する所定の危険領域に入ったら燃料増加率を減らすこと
により緩加速させ、この緩加速時にサージングに対する
所定の安全領域に入ったら入口ベーン9を吸気に旋回を
付与しない角度(αe=0°)に切換えるとともに、燃
料を増量して目標作動点に到達させる。
【0020】上記制御内容を図5〜図7のフローチャー
トにしたがって説明する。
【0021】まずブロック10でアイドルスイッチがO
FFになると発進加速サブルーチンに進む。なお、ブロ
ック10は設定時間間隔ΔTms毎に入力される割り込
み信号により繰り返し実行され、アイドルスイッチがO
Nの状態になるとメインルーチンに復帰する。
【0022】サブルーチンに進むと、まずブロック11
でアクセルペダルの踏み込み量Lacを、ブロック12
で踏み込み速度∂Lac/∂tを読込む。次にブロック
13でLac、∂Lac/∂tより予め決められた目標
作動点における流量Ge、圧縮機1の圧力比πe、回転
数Ne、入口ベーン9の角度αe、および後で述べる緩
加速開始回転数Ncをテーブルルックアップ方式により
読込む。
【0023】ブロック14,15で、入口ベーン9の角
度αe,αcのときのサージライン関数Sαe,Sαc
をROMより読込む。ここでαcは、羽根車6に流入す
る吸気に最も強い順方向旋回がかけられる入口ベーン9
の角度である。
【0024】ブロック16で初期の急加速時の制御を行
うスイッチとして使用する変数Iに1を与える。
【0025】ブロック17で現在の入口ベーン9の角度
αaをロータリエンコーダより読込む。
【0026】次に、ブロック18でαcとαaの差Δα
を計算し、ブロック19で油圧アクチュエータのサーボ
バルブにΔαだけ入口ベーン9の角度を動かす信号が送
られ、入口ベーン9は図2に2点鎖線で示すように羽根
車6に流入する吸気に強い順方向旋回を付与する角度α
cに保持される。
【0027】図8は圧縮機1の運転線とサージライン関
数を示したもので、縦軸は圧力比π、横軸は流量Gであ
る。またサージライン関数より図中左側はサージング領
域で運転が危険な領域である。これに示すように入口ベ
ーン9の角度を羽根車6に流入する吸気に旋回をかけな
い角度αeから旋回をかける角度αcにするとサージラ
イン関数Sαcが左側に動き、運転可能な領域が左側に
拡がる。短時間で出力を上げたいときは、燃料を多く供
給すればよいが、図8上の運転線の傾きが大きくなり、
サージ領域に入りやすくなる。しかし入口ベーン9の角
度をαcとすることにより多くの燃料が供給できる。
【0028】続いてブロック20,21に進んで、圧縮
機1の入口圧力P1、出口圧力P2を読込み、ブロック2
2で圧力比πを計算する。ブロック23で流量Gを読込
む。ブロック24,25で所定の時間差tを持って回転
数N1,N2を読込み、ブロック26で回転上昇率∂N/
∂tを計算する。ブロック27でタービン入口温度Tt
itを読込む。
【0029】ブロック28でスイッチIが1であること
を確認し、ブロック29に進んで現作動点におけるイン
ペラ回転数N2が緩加速開始回転数Ncを越えたか否か
を判定し、N2≧Ncとなるまでブロック30以下の燃
料制御を繰り返すことになる。
【0030】ブロック30でスイッチIが1または2で
あることを確認し、ブロック31でサージライン関数に
入口ベーン9の角度αcのときのサージライン関数Sα
cを置く。ブロック32でスイッチIを確認した後、ブ
ロック33〜42で以下で説明する3つの制約を設けな
がら、燃料を最も多く供給できるようにフィードバック
係数εを求める。
【0031】制約の一つめは、サージングに対する所定
の危険領域に入らないことである。そのためブロック3
3で図8のマップ上で現作動点とサージライン関数Sα
cとの距離Lαを計算する。ただし、Lαの符号は現作
動点がサージライン関数Sαcより図中右側にあるとき
を正、左側にあるときを負とする。ブロック34で必要
とされるサージマージンLlimとLαとの差ΔLを求
める。ブロック35でΔLに実験により決められた所定
の係数aを乗じてフィードバック係数εlを計算する。
【0032】制約の二つめは、タービン入口温度Tti
tが限界値Tlim以上にならないことである。ブロッ
ク36でTlimとTtitとの差ΔTを計算し、ブロ
ック37でΔTに実験により決められた所定の係数bを
乗じてフィードバック係数εtを計算する。
【0033】制約の三つめは、現作動点におけるインペ
ラ回転数N2が限界値Nlim以上にならないことであ
る。ブロック38でNlimとN2の差ΔNを計算し、
ブロック39でΔN1に実験により決められた所定の係
数Cを乗じ、フィードバック係数εn1を計算する。
【0034】ブロック40ではブロック35,37,3
9で求めた3つのフィードバック係数(εl,εt,ε
1)の中から最小の係数を選択し、フィードバック係
数をε1とする。このようにするとε1が正か負のいずれ
の場合にも対応できる。
【0035】ブロック41でスイッチIが1であること
を確認し、ブロック42でフィードバック係数εにε1
を代入する。ブロック43,44を経てブロック45に
進み、新しく更新する出力デューティDuty(NE
W)を現在の出力デューティDuty(OLD)と単位
燃料流量ΔQから次式で求める。
【0036】 Duty(NEW)=Duty(OLD)+ε・ΔQ この演算結果Duty(NEW)を次のブロック46で
Duty(OLD)に置き換える。ブロック47でDu
ty(NEW)を出力デューティとして燃料噴射ポンプ
に出力する。
【0037】このようにして入口ベーン9を吸気に最も
強い順方向旋回がかけられる角度に保持して燃料を増量
した後、ブロック29で現作動点のインペラ回転数N2
が緩加速開始回転数Nc以上に上昇したと判定される
と、ブロック48,49でスイッチIを2とした後にブ
ロック50以下に進んで、図8上で作動点を入口ベーン
9の角度αeのときのサージライン関数Sαeより右側
に移動させるように運転する。
【0038】ブロック50でフィードバック係数ε2
実験により決められた定数dを代入する。ブロック51
で作動点とサージラインSαeとの距離Lαeが所定距
離Lsより大きいと判定されるまで、ブロック30〜4
7で前述したように燃料量を制御するが、ブロック53
でフィードバック係数εはε1とε2のうち小さい方を選
ぶ。
【0039】ブロック52で図8のマップ上で現作動点
とサージライン関数Sαeとの距離Lαeが所定値Ls
以下と判定されると、ブロック54,55でスイッチI
を3とした後にブロック56以下に進んで、入口ベーン
9の角度をαcから目標作動点における入口ベーン9の
角度αeへと回転させる。すなわち、ブロック56で現
在の入口ベーン9の角度αaを読込み、ブロック57で
αeとαaの差Δαを計算し、ブロック58でΔαだけ
入口ベーン9を回転させるように出力する。
【0040】ブロック59でスイッチIを4とした後、
ブロック60で目標作動点の回転数Neと現作動点にお
けるインペラ回転数N2の差ΔN2を計算し、ブロック6
1でΔN2の絶対値が予め決められた値B以下になるま
で、ブロック30〜47の燃料制御を繰り返す。制御の
対象となるサージライン関数はブロック62でSαから
Sαeとなり、ブロック63でフィードバック係数εn
2をΔN2に実験により求めた係数eを乗じた値とし、ブ
ロック64でフィードバック係数εをεn2とε1との間
で小さい方を選択する。
【0041】ブロック60でΔN2の絶対値が所定値B
以下と判定されれば、ブロック65に進んで回転上昇率
∂N/∂tの絶対値が所定値C以下となるまでブロック
30〜47で燃料制御が繰り返される。回転上昇率∂N
/∂tの絶対値がC以下になれば、ブロック66に進ん
でメインルーチンへ戻る。
【0042】本サブルーチンを実行することにより、図
9に実線で示すように、アイドリング時からの加速時に
圧縮機1の入口ベーン9を羽根車6に流入する吸気に強
い順方向旋回を付与する角度(αc=60°)に保持し
て燃料を増量することにより、図9に破線で示すように
圧縮機の入口ベーンを備えないガスタービンエンジンと
比べて、圧縮機1のサージングを避けながら出力を急速
に立ち上げ、目標の作動点に到達する時間を短縮するこ
とができる。なお、図8、図9において、図5〜7のフ
ローチャートにおける制御動作と対応する作動域にはS
TEP1〜4を付している。
【0043】次に、第二の発明の実施例について説明す
る。
【0044】制御装置は、アクセル開度の検出値に基づ
いてアイドリング時からの加速時に出口ベーン10の角
度を小流量側に保持するとともに、入口ベーン9を羽根
車6に流入する吸気に逆方向旋回を付与する角度に保持
した状態で、燃料を増量することにより急加速させ、こ
の急加速時にサージングに対する所定の危険領域に入っ
たら燃料増加率を減らすことにより緩加速させ、この緩
加速時にサージングに対する所定の安全領域に入ったら
出口ベーン10の角度を大流量側に切換えるとともに、
入口ベーン9の角度および燃料量を制御して目標作動点
に到達させる。
【0045】ここで、自動車の発進加速時におけるガス
タービンエンジンの制御内容を図10〜図12のフロー
チャートにしたがって説明する。
【0046】まずブロック10でアイドルスイッチがO
FFになると発進加速サブルーチンに進む。なお、ブロ
ック10で設定時間間隔ΔTms毎に入力される割り込
み信号により繰り返し実行され、アイドルスイッチがO
Nの状態になるとメインルーチンに復帰する。
【0047】サブルーチンに進むと、まずブロック11
でアクセルペダルの踏み込み量Lacを、ブロック12
で踏み込み速度∂Lac/∂tを読込む。次にブロック
13でLac、∂Lac/∂tより予め決められた目標
作動点における流量Ge、圧縮機1の圧力比πe、回転
数Ne、入口ベーン9の角度αe、および後で述べる緩
加速開始回転数Ncをテーブルルックアップ方式により
読込む。
【0048】ブロック14,15では、出口ベーン10
の角度(VD)が大流量側と小流量側のときのサージラ
イン関数Sv1,Sv2をROMより読込む。
【0049】ブロック16は初期の急加速時の制御を行
うスイッチとして使用する変数Iに1を与える。
【0050】ブロック17で出口ベーン10を小流量側
角度v1に保持する信号が油圧アクチュエータのサーボ
バルブにΔαに送られ、出口ベーン10はディフューザ
7のスロート面積を絞る角度に保持される。
【0051】ブロック18で現在の入口ベーン9の角度
αaをロータリエンコーダより読込み、ブロック19で
αcとαaの差Δαを計算し、ブロック20で油圧アク
チュエータのサーボバルブにΔαだけ入口ベーン9の角
度を動かす信号が送られ、入口ベーン9は図3に破線で
示すように羽根車6に流入する吸気に逆方向旋回を付与
する角度αd(=−10°)に保持される。
【0052】図13は圧縮機1の運転線とサージライン
関数を示したもので、縦軸は圧力比π、横軸は流量Gで
ある。またサージライン関数より図中左側はサージング
領域で運転が危険な領域である。これに示すよう出口ベ
ーン10を小流量側角度v2から大流量側角度v1に変え
るとサージライン関数Sv2が図中左側に動き、運転可
能な領域が左側に拡がる。短時間で出力を上げたいとき
は、燃料を多く供給すればよいが、図13上の運転線の
傾きが大きくなり、サージ領域に入りやすくなる。しか
し出口ベーン10を小流量側角度v2とすることにより
多くの燃料が供給できる。
【0053】続いてブロック21,22に進んで、圧縮
機1の入口圧力P1、出口圧力P2を読込み、ブロック2
2で圧力比πを計算する。ブロック24で流量Gを読込
む。ブロック25,26で所定の時間差tを持って回転
数N1,N2を読込み、ブロック27で回転上昇率∂N/
∂tを計算する。ブロック28でタービン入口温度Tt
itを読込む。
【0054】ブロック29でスイッチIが1であること
を確認し、ブロック30に進んで現作動点におけるイン
ペラ回転数N2が緩加速開始回転数Ncを越えたか否か
を判定し、N2≧Ncとなるまでブロック31以下の燃
料制御を繰り返すことになる。
【0055】ブロック31はスイッチIが1または2で
あることを確認し、ブロック32でサージライン関数に
出口ベーン10が小流量角度v2のときのサージライン
関数Sv2を置く。ブロック33でスイッチIを確認し
た後、ブロック34〜43では以下の3つの制約の上
で、燃料を最も多く供給できるようにフィードバック係
数εを求める。
【0056】制約の一つめは、サージングに対する所定
の危険領域に入らないことである。そのためブロック3
4で図13のマップ上で現作動点とサージライン関数S
vとの距離Lvを計算する。ただし、Lvの符号は現作
動点がサージライン関数Sv2より図中右側にあるとき
を正、左側にあるときを負とする。ブロック35で必要
とされるサージマージンLlimとLvとの差ΔLを求
める。ブロック36はΔLに実験により決められた所定
の係数aを乗じてフィードバック係数εlを計算する。
【0057】制約の二つめは、タービン入口温度Tti
tが限界値Tlim以上にならないことである。ブロッ
ク37でTlimとTtitとの差ΔTを計算し、ブロ
ック38でΔTに実験により決められた所定の係数bを
乗じてフィードバック係数εtを計算する。
【0058】制約の三つめは、現作動点におけるインペ
ラ回転数N2が限界値Nlim以上にならないことであ
る。ブロック39でNlimとN2の差ΔNを計算し、
ブロック40でΔN1に実験により決められた所定の係
数Cを乗じてフィードバック係数εn1を計算する。
【0059】ブロック41ではブロック36,38,4
0で求めた3つのフィードバック係数(εl,εt,ε
1)の中から最小の係数を選択し、これをフィードバ
ック係数ε1とする。このようにするとε1が正か負のい
ずれの場合にも対応できる。
【0060】ブロック42でスイッチIが1であること
を確認し、ブロック43でフィードバック係数εにε1
を代入する。ブロック44,45を経てブロック46に
進み、新しく更新する出力デューティDuty(NE
W)を現在の出力デューティDuty(OLD)と単位
燃料流量ΔQから次式で求める。
【0061】 Duty(NEW)=Duty(OLD)+ε・ΔQ この演算結果Duty(NEW)を次のブロック47で
Duty(OLD)に置き換える。ブロック48でDu
ty(NEW)を出力デューティとして燃料噴射ポンプ
に出力する。
【0062】このようにして出口ベーン10を小流量側
角度v2に保持するとともに、入口ベーン9を吸気に逆
方向旋回がかけられる角度αdに保持した状態で燃料を
増量した後、ブロック30で現作動点のインペラ回転数
2が緩加速開始回転数Nc以上に上昇したと判定され
ると、ブロック49,50でスイッチIを2とした後に
ブロック51以下に進んで、図13上で作動点を出口ベ
ーン10が大流量側角度v1に保持された場合のサージ
ライン関数Sv1より右側に移動させるように運転す
る。
【0063】ブロック51でフィードバック係数ε2
実験により決められた定数dを代入する。ブロック52
で作動点とサージラインSv1との距離Lv1が決められ
た距離Lsより大きいと判定されるまで、ブロック31
〜48で前述したように燃料量を制御するが、ブロック
54でフィードバック係数εはε1とε2のうち小さい方
を選ぶ。
【0064】ブロック53で図8のマップ上で現作動点
とサージライン関数Sv1との距離Lv1が所定値Ls以
下と判定されると、ブロック55,56でスイッチIを
3とした後にブロック57以下に進んで、出口ベーン1
0を大流量側角度v1に変えるとともに、入口ベーン9
の角度をαd(=−10°)から目標作動点における設
定角度αe(=0°)へと変える。すなわち、ブロック
58で現在の出口ベーン10の角度αaを読込み、ブロ
ック59でαeとαaの差Δαを計算し、ブロック60
でΔαだけ入口ベーン9を回転させるように出力する。
【0065】ブロック61でスイッチIを4とした後、
ブロック62で目標作動点の回転数Neと現作動点にお
けるインペラ回転数N2の差ΔN2を計算し、ブロック6
3でΔN2の絶対値が予め決められた値B以下になるま
で、ブロック31〜48の燃料制御を繰り返す。制御の
対象となるサージライン関数はブロック64でSv2
らSv1となり、ブロック65でフィードバック係数ε
2をΔN2に実験により求めた係数eを乗じた値とし、
ブロック66でフィードバック係数εをεn2とε1との
間で小さい方を選択する。
【0066】ブロック62でΔN2の絶対値が所定値B
以下と判定されれば、ブロック67に進んで回転上昇率
∂N/∂tの絶対値が所定値C以下となるまでブロック
31〜48で燃料制御が繰り返される。回転上昇率∂N
/∂tの絶対値がC以下になれば、ブロック68に進ん
でメインルーチンへ戻る。
【0067】本サブルーチンを実行することにより、図
14に実線で示すように、アイドリング時からの加速時
に圧縮機1の出口ベーン10を小流量側角度に保持する
とともに、入口ベーン9を圧縮機1の羽根車6に流入す
る吸気に逆方向旋回を付与する角度に保持した状態で、
燃料を増量することにより、図14に破線で示すように
圧縮機の可変出口ベーンを備えないガスタービンエンジ
ンと比べて、圧縮機1のサージングを避けながら出力を
急速に立ち上げ、目標の作動点に到達する時間を短縮す
ることができる。なお、図13、図14において、図1
0〜12のフローチャートにおける制御動作と対応する
作動域にはSTEP1〜4を付している。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように第一の発明は、ガス
タービンエンジンの制御方法において、アイドリング時
からの加速時に入口ベーンを圧縮機の羽根車に流入する
吸気に強い順方向旋回を付与する角度に保持するととも
に、燃料を増量することにより急加速させ、この急加速
時にサージングに対する所定の危険領域に入ったら燃料
増加率を減らすことにより緩加速させ、この緩加速時に
サージングに対する所定の安全領域に入ったら入口ベー
ンの角度および燃料量を制御して目標作動点に到達させ
る構成としたため、短い時間でアイドリングから所定の
出力が得られ、自動車用ガスタービンエンジンの発進加
速性を改善し、エアコン始動時等の急激な負荷変動に対
してサージングを避けることができる。
【0069】第二の発明は、ガスタービンエンジンの制
御方法において、アイドリング時からの加速時に出口ベ
ーンの角度を小流量側に保持するとともに、入口ベーン
を圧縮機の羽根車に流入する吸気に逆方向旋回を付与す
る角度に保持した状態で、燃料を増量することにより急
加速させ、この急加速時にサージングに対する所定の危
険領域に入ったら燃料増加率を減らすことにより緩加速
させ、この緩加速時にサージングに対する所定の安全領
域に入ったら出口ベーンの角度と入口ベーンの角度およ
び燃料量を制御して目標作動点に到達させる構成とした
ため、やはりサージングを避けながら短い時間でアイド
リングから所定の出力が得られ、自動車用ガスタービン
エンジンの発進加速性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すガスタービンエンジンの
縦断面図である。
【図2】同じく図1のA−A線に沿う横断面図である。
【図3】同じく図1のA−A線に沿う横断面図である。
【図4】同じく図1のB−B線に沿う横断面図である。
【図5】同じく制御動作を示すフローチャートの一部で
ある。
【図6】同じく制御動作を示すフローチャートの一部で
ある。
【図7】同じく制御動作を示すフローチャートの一部で
ある。
【図8】同じく圧縮機のサージラインおよび運転線を示
すマップである。
【図9】同じく作用を示す線図である。
【図10】他の実施例の制御動作を示すフローチャート
の一部である。
【図11】同じく制御動作を示すフローチャートの一部
である。
【図12】同じく制御動作を示すフローチャートの一部
である。
【図13】同じく圧縮機のサージラインおよび運転線を
示すマップである。
【図14】同じく作用を示す線図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 タービン 3 燃焼器 4 燃料噴射弁 6 羽根車 7 ディフューザ 8 入口側流路 9 入口ベーン 10 出口ベーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入空気を圧縮する圧縮機と、燃料を圧
    縮空気と共に燃焼させる燃焼器と、この燃焼ガスによっ
    て駆動され圧縮機を回転させるタービンと、圧縮機の入
    口に配設されその角度を可変とする入口ベーンとを備え
    るガスタービンエンジンにおいて、アクセル開度の検出
    値に基づいてアイドリング時からの加速時に入口ベーン
    を羽根車に流入する吸気に強い順方向旋回を付与する角
    度に保持するとともに、燃料量を増やすことにより急加
    速させ、この急加速時にサージングに対する所定の危険
    領域に入ったら燃料量の増加率を減らすことにより緩加
    速させ、この緩加速時にサージングに対する所定の安全
    領域に入ったら入口ベーンの角度および燃料量を制御し
    て目標作動点に到達させることを特徴とするガスタービ
    ンエンジンの制御方法。
  2. 【請求項2】 吸入空気を圧縮する圧縮機と、燃料を圧
    縮空気と共に燃焼させる燃焼器と、この燃焼ガスによっ
    て駆動され圧縮機を回転させるタービンと、圧縮機の入
    口に配設されその角度を可変とする入口ベーンと、羽根
    車より下流側のディフューザに配設されその角度を可変
    とする出口ベーンとを備えるガスタービンエンジンにお
    いて、アクセル開度の検出値に基づいてアイドリング時
    からの加速時に出口ベーンの角度を小流量側に保持する
    とともに、入口ベーンを羽根車に流入する吸気に逆方向
    旋回を付与する角度に保持した状態で、燃料量を増やす
    ことにより急加速させ、この急加速時にサージングに対
    する所定の危険領域に入ったら燃料量の増加率を減らす
    ことにより緩加速させ、この緩加速時にサージングに対
    する所定の安全領域に入ったら出口ベーンの角度と入口
    ベーンの角度および燃料量を制御して目標作動点に到達
    させることを特徴とするガスタービンエンジンの制御方
    法。
JP31029292A 1992-11-19 1992-11-19 ガスタービンエンジンの制御方法 Pending JPH06159102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31029292A JPH06159102A (ja) 1992-11-19 1992-11-19 ガスタービンエンジンの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31029292A JPH06159102A (ja) 1992-11-19 1992-11-19 ガスタービンエンジンの制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06159102A true JPH06159102A (ja) 1994-06-07

Family

ID=18003467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31029292A Pending JPH06159102A (ja) 1992-11-19 1992-11-19 ガスタービンエンジンの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06159102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001020760A (ja) * 1999-06-25 2001-01-23 General Electric Co <Ge> 最適性能を得るための工業用ガスタービンの運転方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001020760A (ja) * 1999-06-25 2001-01-23 General Electric Co <Ge> 最適性能を得るための工業用ガスタービンの運転方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100751672B1 (ko) 배기압의 검출에 의한 가변형상의 터보 과급기 제어방법및 시스템
EP2022948B1 (en) Deicing method and device for variable inlet guide vanes of a compressor
KR20080003392A (ko) 연소 엔진에서의 부스트 조절
WO2002040844A2 (en) Method and apparatus for turbogenerator anti-surge control
US5259188A (en) Method and system to increase stall margin
JPH06159102A (ja) ガスタービンエンジンの制御方法
JP2005188411A (ja) 2軸式ガスタービンの運転制御方法と2軸式ガスタービン、及び2軸式ガスタービンの運転制御装置
US5269136A (en) Sub-idle stability enhancement and rotating stall recovery
JPH06129264A (ja) ガスタービンエンジンの制御方法
CA1228484A (en) Method and apparatus for improving acceleration in a multi-shaft gas turbine engine
JPH11257097A (ja) ガスタービンのファン・圧縮機の可変静翼の制御方法
JPH06129263A (ja) ガスタービンエンジンの制御方法
JPH0783074A (ja) ガスタービン制御装置
JPH06159100A (ja) ガスタービンエンジンの制御方法
JPH10331651A (ja) ターボチャージャの制御装置
JPH06221185A (ja) ガスタ−ビン制御装置
JPH0518268A (ja) ガスタービン自動車の加速制御装置
JP2941319B2 (ja) 航空機用軸出力式ガスタービンとその運転方法
JPH06323166A (ja) ガスタービン燃焼器
JPS6319688B2 (ja)
JPS61123718A (ja) タ−ボ過給機の可変ノズル制御装置
JP4151537B2 (ja) ガスタービン機関の制御装置
JP2004353489A (ja) ガスタービン機関の制御装置
JPH0318665Y2 (ja)
GB2618047A (en) Gas turbine system, and method for controlling same