JPH06221185A - ガスタ−ビン制御装置 - Google Patents

ガスタ−ビン制御装置

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Publication number
JPH06221185A
JPH06221185A JP2718693A JP2718693A JPH06221185A JP H06221185 A JPH06221185 A JP H06221185A JP 2718693 A JP2718693 A JP 2718693A JP 2718693 A JP2718693 A JP 2718693A JP H06221185 A JPH06221185 A JP H06221185A
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JP
Japan
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inlet guide
gas turbine
guide vane
exhaust gas
load
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JP2718693A
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English (en)
Inventor
Norihiro Uchida
典弘 内田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気圧縮機の入口案内翼が不必要な動作をし
ないようにすることにある。 【構成】 本発明のガスタービン制御装置は、排ガス温
度とその設定値との偏差に基づいて空気圧縮機の入口案
内翼の開度を制御する入口案内翼制御器に設けられ、運
転モードが自動負荷制御運転であるときにガスタービン
発電機出力が予め定めた負荷設定値に達したとき又は負
荷制限器による手動運転のときに空気圧縮機の入口案内
翼開度をその時点の開度に保持する入口案内翼開度保持
手段18と、運転モードがベース運転からピーク運転に
切替わったとき又は自動負荷制御運転からベース運転に
切替わったとき空気圧縮機の入口案内翼開度を強制的に
全開にする入口案内翼強制全開手段19とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明のガスタービン発電プラン
トに設置するガスタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン発電プラントの一般的な構
成を図5に示す。ガスタービン1と空気圧縮機2及び発
電機3が同一軸で結ばれており、空気圧縮機2からの高
圧空気と燃料を燃焼器4で燃焼させ、ここで得られる高
温高圧ガスをガスタービン1に供給し、ガスタービン1
を回転させている。この回転エネルギーにより発電機3
から出力を得ている。
【0003】燃料は燃料圧力制御弁5及び燃料流量制御
弁6を経由して燃焼器4に供給されている。また、空気
は、空気圧縮機入口案内翼7を経由して空気圧縮機2に
供給されている。
【0004】このようなガスタービン発電プラントのガ
スタービン制御装置の燃料流量制御ブロック構成を図6
に示す。ガスタービン1の燃料流量制御ブロックは、速
度負荷制御器8の出力信号と、負荷制限制御器9の出力
信号と、起動制御器10の出力信号と、排ガス温度制御
器11の出力信号とを低値選択器12に各々入力し、選
択された信号を燃料流量指令、すなわち燃料流量制御弁
6の開度設定となるように構成されている。
【0005】また、速度負荷制御器8の内部は、設定器
8aに設定された上限値と負荷信号すなわち発電機出力
信号との偏差信号を上下限リミッタ8bに通し出力され
る信号を、ガスタービン1のベース運転もしくはピーク
運転を選択した時に閉じるスイッチ8cを経由して積分
器8dに入力している。また、設定器8eに任意に設定
された自動負荷制御設定値と負荷信号との偏差信号を上
下限リミッタ8fに通し出力される信号を、ガスタービ
ン1の運転モードが自動負荷制御運転を選択している時
に閉するスイッチ8gを経由して積分器8dに入力して
いる。
【0006】積分 8dの出力信号すなわちガバナ設定
信号とガスタービン速度信号との偏差信号は比例制御器
8hに入力され、その出力信号と設定器8iに設定され
た無負荷定格速度時の燃料流量指令値とを加算した信号
が速度負荷制御器8の出力信号となる。
【0007】一方、排ガス温度制御器11の内部は、圧
縮機吐出空気圧力信号により出力信号を変えるベース温
度設定を設定している関数発生器11aの出力信号を、
ピーク運転以外すなわちベース運転もしくは自動負荷制
御運転を選択している時に閉するスイッチ11bを経由
して変化率リミッタ11cに入力している。また、関数
発生器11aと同様にピーク温度設定を設定している関
数発生器11dの出力信号をピーク運転時に閉するスイ
ッチ11eを経由して変化率リミッタ11cに入力して
いる。そして、変化率リミッタ11cの出力信号と圧縮
機入口案内翼の角度信号により出力信号を変える関数発
生器11fの出力信号との加算信号とガスタービン排ガ
ス温度信号との偏差信号をPID演算器11gに入力
し、出力される信号を排ガス温度制御器11の出力信号
としている。
【0008】変化率リミッタ11cの出力信号は圧縮機
入口案内翼の開度を制御する入口案内翼制御器14の排
ガス温度設定に使用される。関数発生器11a,11d
の関数設定を図7に示す。また関数発生器11fの関数
設定を図8に示す。
【0009】図9は従来のガスタービン制御装置の圧縮
機入口案内翼制御ブロック構成を示すものである。図示
する如く、昇速時スケジュール制御器13と入口案内翼
制御器14の各出力信号を低値選択器15に入力し、選
択された信号を圧縮機入口案内翼の角度設定となるよう
に構成されている。また、入口案内翼制御器14の内部
は、変化率リミッタ11cの出力信号である排ガス温度
設定信号と排ガス温度実測信号との偏差信号をPID演
算器14aに入力し、出力信号を上下限リミッタ14b
を通し、出力信号を排ガス温度制御器14の出力信号に
している。この上下限リミッタ14bの上限値は全開値
であり、下限値は、無負荷定格速度時必要とする中間開
度値である。
【0010】このように構成されたガスタービン制御装
置によって、ガスタービン1の運転は次のように行なわ
れる。まず、図示していない起動モータによりガスター
ビン軸を回転させ、ガスタービン1の起動に必要な空気
量が空気圧縮機2で得られるようになるとガスタービン
1を起動する。
【0011】この段階では、負荷信号は零であり、また
回転数も小さいことから、速度負荷制御部8の出力信号
は大きな値である。また、空気圧縮機2の吐出空気圧力
は小さいので、図7からもわかるように排ガス温度制御
器11の出力信号も大きな値である。一方、負荷制限器
9の値も上限となっているので、この段階では起動制御
器10の出力信号が低値選択回路12で選択されること
になる。
【0012】したがって、起動制御器10の出力信号を
増加させることにより燃料流量制御弁6が開いていき、
燃料を燃焼器4に供給し、空気圧縮機2からの空気と燃
焼を行ないガスタービン1の速度を上昇させる。この場
合、燃料圧力制御弁5は燃料流量制御弁6が開いている
間、ガスタービン速度に比例した燃料流量制御弁6の入
力圧力を得るように動作している。
【0013】ガスタービン1の速度が定格速度に近づく
と、起動モータが外されて、圧縮機入口案内翼7が昇速
時スケジュール制御器13により無負荷定格速度時に必
要とする角度まで開く。すなわち、この段階では、図9
に示す入口案内翼制御器14に入力される排ガス温度設
定値は大きく、排ガス温度信号は小さいが、入口案内翼
制御器14の出力信号は上下限リミッタ14bにて無負
荷定格速度時の開度に制限されるので、低値選択器15
では昇速時スケジュール制御器13の出力信号が選択さ
れ、入口案内翼7は無負荷定格速度時に必要とする角度
まで開くことになる。
【0014】ガスタービン1が定格速度に到達すると、
速度負荷制御器8の出力信号が低値選択器12で選択さ
れ、起動制御器10の出力信号は上限まで上昇する。す
なわち、この段階では、積分器8dの出力信号が100
%に設定されており、実測の速度信号も100%である
ため比例制御器8hの出力信号が0%になっている。こ
のため設定器8iに設定されている値が速度負荷制御器
8の出力信号になっている。その後、発電機3の出力を
系統に併入し、負荷上昇を行なう。
【0015】ガスタービン1の運転モードは、ベース運
転,ピーク運転,自動負荷制御運転のいづれか選択され
ており、選択された運転モードにより負荷上昇が行なわ
れる。ベース運転もしくはピーク運転が選択されている
時は、設定器8aに設定されている値を目標に負荷上昇
が行なわれる。このときは、スイッチ8cが閉し、スイ
ッチ8gが開している。設定器8aに設定されている値
は、比較的大きな値に設定されているので、上下限リミ
ッタ8bの入出力信号が常に正の値であるため積分器8
dの出力信号が増加し、速度負荷制御器8の出力信号が
増加する。これにより、燃料流量制御弁6が開き、燃料
流量が増加する。
【0016】ガスタービン速度が一定で圧縮機入口案内
翼の角度も一定であると燃焼器4への空気流量も一定に
なるため、燃料/空気比が燃料流量の増加に伴ない上昇
する。燃焼器4の燃焼温度は、この燃料/空気比と比例
関係にあるため、燃焼温度も上昇し、ガスタービン1の
排ガス温度も上昇する。
【0017】排ガス温度が上昇し、排ガス温度がその設
定値、つまりベース運転の場合は図7のA点、ピーク運
転の場合は図7のA′点を越えようとすると、図9に示
すように圧縮機入口案内翼7の入口案内翼制御器14内
のPID演算器14aの入力信号が負から正に変わり、
入口案内翼制御器14の出力信号が増加する。これによ
り、圧縮機入口案内翼7が定格速度時の中間開度から開
き始める。この時、昇速時スケジュール制御器13の出
力信号は全開指令になっているため低値選択器15で選
択されることはない。
【0018】圧縮機入口案内翼7が開くと、燃焼器4の
空気流量が増加し、燃料/空気比が減少するため、燃焼
温度すなわちガスタービン排ガス温度が低下する。ま
た、燃焼器4の出力すなわちガスタービン負荷が上昇す
ると、燃焼器4の内部圧力および圧縮機吐出空気圧力が
上昇する。
【0019】以上から、ガスタービンの負荷上昇を行な
うと、排ガス温度設定値がベース運転の場合は図7に示
すA点からB点の方向へ、ピーク運転の場合はA′点か
らB′点の方向へ移行する。この間圧縮機入口案内翼7
は、関数発生器11aもしくは11dの特性曲線上に対
応して移行するように入口案内翼制御器14により制御
されている。なお、排ガス温度制御器11の出力信号
は、圧縮機入口案内翼7が全開するまで関数発生器11
fの出力信号により排ガス温度設定に正バイアスが入力
されているため、低値選択器12で選択されることはな
い。
【0020】圧縮機入口案内翼7が全開すると、排ガス
温度設定値は図7のB点もしくはB′点に到達し、関数
発生器11fの出力信号が0%になる。さらに負荷上昇
を行なおうとするとPID演算器11gの入力信号が負
になり、排ガス温度制御器11の出力信号が低値選択器
12で選択され、負荷上昇が停止する。PID演算器1
1gは、排ガス温度制御11の出力信号が低値選択器1
2で選択されていない間、低値選択器12の出力信号に
トラッキングしている。積分器8dの出力信号は、排ガ
ス温度制御器11の出力信号が低値選択器12で選択さ
れたことにより、保持される。
【0021】なお、運転モードがベース運転とピーク運
転時の排ガス温度設定を比べると、図7に示すようにピ
ーク運転の方が高い。すなわちピーク運転の方がベース
運転よりもガスタービン負荷をより高くすることができ
る。通常はピーク運転を選択することは少ないが、ガス
タービン1の寿命を若干犠牲にしても負荷上昇を優先さ
せなければならない状況の場合にピーク運転を選択する
ことがある。
【0022】一方、運転モードとして、自動負荷制御運
転が選択されている場合は、スイッチ8cが開し、スイ
ッチ8gが閉じており運転員が任意に設定した設定器8
eの値を目標とする負荷制御が行なわれる。負荷上昇時
の各所の動作はベース運転もしくはピーク運転と同じで
ある。なお、図7に示すベース運転点Bに到達する前に
設定器8eの値に実負荷信号が到達すると負荷上昇が停
止する。自動負荷制御運転が選択されている場合はスイ
ッチ11bが閉じて、スイッチ11eが開いているため
関数発生器11aの出力信号により排ガス温度制御が行
なわれる
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ガスタービン制御装置において、運転モードとして自動
負荷制御運転を選択し、設定器8eの設定を低く設定す
ると、図7に示すB点に到達す手前で負荷上昇が停止
し、圧縮機入口案内翼7が中間開度で常時開度変動する
という不具合があった。これは、設定器8eの設定値と
実測負荷信号とを一致させるために燃料流量が振れ、こ
れにより排ガス温度が振れてこの温度の振れを無くそう
として圧縮機入口案内翼7の開度が振れるからである。
【0024】圧縮機入口案内翼7の開度が長時間変動す
ると圧縮機入口案内翼7の駆動機構に負担がかかり、場
合によっては損傷することがあった。さらに、圧縮機入
口案内翼7が中間開度のまま運転するのは、発電端効率
が低下し、燃料コストに対する発電量が下がるため効率
の悪い運転になる問題があった。また、負荷制限制御器
9の出力信号を手動により下げて、低値選択器12で選
択させて運転を行なった場合も、燃料流量制御弁6の変
動が無くなるものの燃料圧力の変動により温度変動が起
こり前記同様の不具合が起こる。
【0025】一方、ベース運転もしくは自動負荷制御運
転を選択して負荷運転を行なっている状態からピーク運
転に切換えた場合にも入口案内翼7が不必要な動作をす
ることがある。すなわち、ピーク運転に切換わると、排
ガス温度目標値である関数発生器11aの出力信号から
関数発生器11dの出力信号に切換わり、変化率リミッ
タ11cの出力信号が一定レートで増加する。このため
PID演算器11gの出力信号も増加し、低値選択器1
2で排ガス温度制御器11の出力信号が非選択となる。
これに伴ない速度負荷制御器8の出力信号が低値選択器
12に選択され、そして積分器8dのトラッキングがと
かれて、出力信号が増加し、速度負荷制御器8の出力信
号も上昇し燃料流量が増加し、負荷上昇が行なわれる。
【0026】この負荷上昇の時の排ガス温度設定すなわ
ち変化率リミッタ11cの出力信号の動きは、図7に示
すB点からB″点に移行する。この移行の間、圧縮機入
口案内翼7は、実測排ガス温度信号の上昇よりも排ガス
温度設定の上昇の方が速いため、PID演算器14aの
入力信号が負になり閉まることになる。B″点に到達
し、B″点以上に実測排ガス温度信号が上昇しようとす
ると、PID演算器14aの入力信号が正になり圧縮機
入口案内翼7が開き始めて、図7に示すB′点に移行す
る。圧縮機入口案内翼7が全開した点がB′点になる。
【0027】この間、排ガス温度制御器11では、圧縮
機入口案内翼7が閉まるため、関数発生器11fの出力
信号が正の値になっており、PID演算器11gの入力
が正の値であるため低値選択器12で非選択になってい
る。圧縮機入口案内翼7が全開し、B′点に到達し、
B′点以上に実測排ガス温度信号が上昇しようとする
と、PID演算器11gの入力が負になり、排ガス温度
制御器11gの出力信号が低値選択器12で選択され、
負荷上昇が停止し、ピーク運転になる。
【0028】以上のように、図7に示すB点からB″点
に移行する間、圧縮機入口案内翼7が一旦閉まってしま
う。この動作は無意味な動作であり、運転バランスを無
理にくずすため運転切換えとして問題があった。
【0029】本発明は、圧縮機入口案内翼7の駆動機構
の負担を下げて損傷を防ぎ、効率のよい運転を可能と
し、また、ピーク運転への運転切換えを良好にすること
のできるガスタービン制御装置を提供することを目的と
する。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン制
御装置は、ガスタービン回転数を定格回転数に維持しな
がらその発電機出力が運転モードに応じて予め定めた負
荷設定値になるようにガスタービンに供給される燃料を
調節するための速度負荷制御部と、ガスタービンに供給
される燃料を制限すると共に運転員による手動運転を行
う際にガスタービンに供給される燃料を調節するための
負荷制限器と、ガスタービンの排ガス温度が空気圧縮機
の吐出空気圧力に基づいてその時の運転モードに応じて
定められる排ガス温度設定値になるようにガスタービン
に供給される燃料を調節するための排ガス温度制御器
と、排ガス温度と排ガス温度設定値との排ガス温度偏差
に基づいて空気圧縮機の入口案内翼の開度を制御する入
口案内翼制御器と、入口案内翼制御器に設けられ、運転
モードが自動負荷制御運転のときにガスタービン発電機
出力が予め定めた負荷設定値に達したとき又は負荷制限
器による手動運転のときに空気圧縮機の入口案内翼開度
をその時点の開度に保持する入口案内翼開度保持手段
と、入口案内翼制御器に設けられ、運転モードがベース
運転からピーク運転に切替わったとき又は自動負荷制御
運転からベース運転に切替わったとき空気圧縮機の入口
案内翼開度を強制的に全開にする入口案内翼強制全開手
段とを備えている。
【0031】そして、入口案内翼開度保持手段は、運転
モードが自動負荷制御運転のときにガスタービン発電機
出力が予め定めた負荷設定値に達したとき又は負荷制限
器による手動運転のときに排ガス温度偏差を不感帯器に
入力して得られた信号に基づいて空気圧縮機の入口案内
翼開度を調節するようにしており、入口案内翼強制全開
手段は、運転モードがベース運転からピーク運転に切替
わったとき又は自動負荷制御運転からベース運転に切替
わったとき排ガス温度偏差にバイアス信号を加算して得
られた信号に基づいて空気圧縮機の入口案内翼開度を全
開にするようにしている。
【0032】また、ガスタービン制御装置は、ガスター
ビン回転数を定格回転数に維持しながらその発電機出力
が運転モードに応じて予め定めた負荷設定値になるよう
にガスタービンに供給される燃料を調節するための速度
負荷制御部と、ガスタービンに供給される燃料を制限す
ると共に運転員による手動運転を行う際にガスタービン
に供給される燃料を調節するための負荷制限器と、ガス
タービンの排ガス温度が空気圧縮機の吐出空気圧力に基
づいてその時の運転モードに応じて定められる排ガス温
度設定値になるようにガスタービンに供給される燃料を
調節するための排ガス温度制御器と、排ガス温度と前記
排ガス温度設定値との排ガス温度偏差に基づいて空気圧
縮機の入口案内翼の開度を制御する入口案内翼制御器
と、入口案内翼制御器に設けられ、運転モードが自動負
荷制御運転のときにガスタービン発電機出力が予め定め
た負荷設定値に達したとき、負荷制限器による手動運転
のとき、ベース運転からピーク運転に切替わったとき、
自動負荷制御運転からベース運転に切替わったときのい
ずれかのときに空気圧縮機の入口案内翼開度を強制的に
全開にする入口案内翼強制全開手段とを備えている。
【0033】そして、この入口案内翼強制全開手段は、
運転モードが自動負荷制御運転のときにガスタービン発
電機出力が予め定めた負荷設定値に達したとき、負荷制
限器による手動運転のとき、ベース運転からピーク運転
に切替わったとき、自動負荷制御運転からベース運転に
切替わったときのいずれかのときに排ガス温度偏差にバ
イアス信号を加算して得られた信号に基づいて空気圧縮
機の入口案内翼開度を全開にするようにしている。
【0034】
【作用】本発明では、ガスタービン発電機の負荷上昇を
行なった時、自動負荷制御運転を選択している状態で目
標負荷に到達したときは、圧縮機入口案内翼7の開度指
令を保持させるかもしくは強制的に全開させるようにす
る。また、負荷上昇後、負荷制限制御器9の出力信号が
低値選択器12で選択されているときは、圧縮機入口案
内翼7の開度指令を保持させるか、もしくは強制的に全
開させるようにする。このようにして、圧縮機入口案内
翼7の開度が長時間中間開度で変動することを防ぐ。
【0035】さらに、ベース運転もしくは自動負荷制御
運転により発電機出力の制御を行なっている状態からピ
ーク運転を選択した時、圧縮機入口案内翼7を強制的に
全開させるか、開度の低下を制限するようにする。これ
により運転モードの切換えの間に圧縮機入口案内翼7が
一旦閉まるのを防ぐことができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は本発明の一実施例を示すガスタービン制
御装置の圧縮機入口案内翼制御ブロック構成図である。
図9と同一符号は、同一部分または相当部分を示す。図
9の従来のものと異なる点は、排ガス温度設定信号と実
測排ガス温度信号との偏差に設定器14cの出力信号を
スイッチ14dを経由して加算した点と、この加算信号
を不感帯器14eを通し出力される信号を切換スイッチ
14fに入力し、この切換スイッチ14fのもう一方の
入力に加算信号を入力し、出力される信号をPID演算
器14aに入力するようにした点である。
【0037】また、図2は、本発明の一実施例に係るガ
スタービン制御装置の圧縮機入口案内翼制御ロジック構
成図である。図2は、圧縮機入口案内翼保持指令S16
と強制全開指令S17を出力するロジックである。保持
指令S16は、自動負荷制御運転選択信号と自動負荷制
御が設定器8eで設定された値に実測負荷信号が到達し
た信号とを論理積演算器16aに入力し、出力される信
号と負荷制限制御器9の出力信号が低値選択器12で選
択された信号とを論理和演算器16bに入力し、出力さ
れる信号と発電機出力を系統に併列した信号とを論理積
演算器16cに入力し、出力される信号が保持指令S1
6になるよう構成されている。
【0038】また、強制全開指令S17はベース運転選
択信号と自動負荷制御運転選択信号とを論理和演算器1
7aに入力し出力信号を入力論理不成立後所定時間経過
して出力信号が不成立になるオフディレイタイマー17
bを通し、出力される信号と強制全開指令S17とを論
理和演算器17cに入力し、出力される信号とピーク運
転選択信号と発電機出力併列信号とを論理積演算器17
dに入力し、出力される信号を強制全開指令S17にな
るよう構成されている。
【0039】また、保持指令S16が成立した時、切換
スイッチ14fが不感帯器14e側に動作するよう構成
されており、強制全開指令S17が成立した時スイッチ
14dが閉するよう構成されている。
【0040】以上の構成により、ガスタービン発電機出
力の負荷上昇中に、負荷制限制御器9の出力信号が低値
選択器12で選択された場合、もしくは自動負荷制御運
転を選択していて、目標負荷に到達した場合に、排ガス
温度制御器14内の排ガス温度偏差信号が不感帯14e
を通してPID演算器14aに入力される。このため排
ガス温度偏差信号が不感帯14eに設定されている不感
帯値を越えないかぎり、圧縮機入口案内翼7の開度設定
が保持され実開度も保持される。
【0041】この状態で自動負荷制御運転の設定器8e
の値を変更した場合や、負荷制限制御器9の出力信号が
低値選択器12で非選択になった場合は、切換スイッチ
14fが復旧し、通常の排ガス温度制御が行なわれる。
【0042】不感帯器14eの内部設定の一例を図3に
示す。不感帯を使用しているのは、運転状態が変わり、
排ガス温度偏差が大きくなった時に圧縮機入口案内翼7
を運転状態に応じた開度にして、運転バランスを安定に
させるためである。
【0043】また、ベース運転もしくは自動負荷制御運
転を選択し、負荷運転を行なっている時に、ピーク運転
を選択した場合強制全開指令S17が成立し、スイッチ
14dが閉じる。これにより、設定器14cに設定され
ている開バイアス信号により、PID演算器14aの入
力信号が正方向になり、入口案内翼制御器14の出力信
号が増加し、やがて圧縮機入口案内翼7が全開する。
【0044】この状態からベース運転もしくは自動負荷
制御運転を選択すると、スイッチ14dが開し、通常の
排ガス温度制御に復旧する。スイッチ14dが閉してい
る時運転状態が変わり排ガス温度偏差が負方向に大きく
なった場合は設定器14cの値を偏差信号が止まるため
圧縮機入口案内翼7が閉まり、運転バランスを安定にす
る。
【0045】このようにして、圧縮機入口案内翼7の開
度が長時間変動することを防ぐことができる。また、運
転切換え時の圧縮機入口案内翼7の無意味な閉動作を無
くすことができ、良好な運転切換えを可能にすることが
できる。
【0046】図4は、本発明の他の一実施例を示すガス
タービン制御装置の圧縮機入口案内翼制御ブロック構成
図である。図1と同一符号は同一部分または相当部分を
示す。図1と異なる点は、不感帯器14eと切換スイッ
チ14fを無くして保持機能を削除した点であり、図2
の圧縮機入口案内翼7の保持指令S16も強制全開指令
とし、S16信号とS17信号のどちらか成立でスイッ
チ14dを閉じるようにしている。この実施例の場合、
S16信号成立で圧縮機入口案内翼7が全開となるた
め、長時間中間開度で変動することを防ぐことができ
る。また、さらに、圧縮機入口案内翼7が全開で運転さ
れるため発電端効率が向上し、燃料コストに対する発電
量を増加することもできる。
【0047】以上の説明では、図2のS16信号が成立
したことにより、保持もしくは強制全開とするようにし
ているが、自動負荷制御目標負荷到達で保持を行ない負
荷制限制御器低値選択で強制全開させるように各々独立
にしてもよい。また、設定器14cの開バイアス値及び
不感帯器14eの不感帯値を、成立条件の内容により設
定変更してもよい。さらに強制全開信号S17成立で排
ガス温度偏差信号を下限リミッタを通してPID演算器
に入力してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガスター
ビン発電機出力を負荷上昇し、ベース運転点に到達する
前に自動負荷制御運転の目標負荷に到達した場合、もし
くは負荷制限制御器で運転が行なわれた場合において、
圧縮機入口案内翼が中間開度で長時間変動することを防
ぎ、入口案内翼の駆動機構の負担を下げて損傷するのを
防ぐことができる。
【0049】また圧縮機入口案内翼を負荷運転中全開に
することにより発電端効率を向上させることもできる。
さらに、負荷運転中ベース運転もしくは自動負荷制御運
転からピーク運転に切換えた時無意味な圧縮機入口案内
翼の閉動作を防ぐことができ、運転バランスをくずすこ
となく良好な運転切換えが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るガスタービン制御装置
の圧縮機入口案内翼制御ブロックの構成図
【図2】本発明の一実施例に係るガスタービン制御装置
の圧縮機入口案内翼制御ロジックの論理回路図
【図3】本発明の入口案内翼制御器における不感帯器の
特性図
【図4】本発明の他の一実施例に係るガスタービン制御
装置の圧縮機入口案内翼制御ブロックの構成図
【図5】ガスタービン発電プラントの構成図
【図6】従来例に係るガスタービン制御装置の燃料流量
制御ブロックの構成図
【図7】排ガス温度設定値を発生する関数発生器の特性
【図8】排ガス温度設定値のバイアス信号を発生する関
数発生器の特性図
【図9】従来例に係るガスタービン制御装置の圧縮機入
口案内翼制御ブロックの構成図
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 空気圧縮機 3 発電機 4 燃焼器 5 燃料圧力制御弁 6 燃料流量制御弁 7 空気圧縮機入口案内翼 8 速度負荷制御器 8a、8e、8i、14c 設定器 8b、8f、14b 上下限リミッタ 8c、8g、11b、11e、14d スイッチ 8d 積分器 8h 比例制御器 9 負荷制限制御器 10 起動制御器 11 排ガス温度制御器 11a、11d、11f 関数発生器 11c 変化率リミッタ 11g、14a PID演算器 12、15 低値選択器 13 昇速時スケジュール制御器 14 入口案内翼制御器 14e 不感帯器 14f 切換スイッチ 16a、16c、17d 論理積演算器 16b、17a、17c 論理和演算器 17b オフディレイタイマー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービン回転数を定格回転数に維持
    しながらその発電機出力が運転モードに応じて予め定め
    た負荷設定値になるようにガスタービンに供給される燃
    料を調節するための速度負荷制御部と、前記ガスタービ
    ンに供給される燃料を制限すると共に運転員による手動
    運転を行う際に前記ガスタービンに供給される燃料を調
    節するための負荷制限器と、前記ガスタービンの排ガス
    温度が空気圧縮機の吐出空気圧力に基づいてその時の運
    転モードに応じて定められる排ガス温度設定値になるよ
    うに前記ガスタービンに供給される燃料を調節するため
    の排ガス温度制御器と、前記排ガス温度と前記排ガス温
    度設定値との排ガス温度偏差に基づいて前記空気圧縮機
    の入口案内翼の開度を制御する入口案内翼制御器と、前
    記入口案内翼制御器に設けられ、運転モードが自動負荷
    制御運転のときにガスタービン発電機出力が予め定めた
    負荷設定値に達したとき又は前記負荷制限器による手動
    運転のときに前記空気圧縮機の入口案内翼開度をその時
    点の開度に保持する入口案内翼開度保持手段と、前記入
    口案内翼制御器に設けられ、運転モードがベース運転か
    らピーク運転に切替わったとき又は自動負荷制御運転か
    らベース運転に切替わったとき前記空気圧縮機の入口案
    内翼開度を強制的に全開にする入口案内翼強制全開手段
    とを備えたことを特徴とするガスタービン制御装置。
  2. 【請求項2】 前記入口案内翼開度保持手段は、運転モ
    ードが自動負荷制御運転のときにガスタービン発電機出
    力が予め定めた負荷設定値に達したとき又は前記負荷制
    限器による手動運転のときに前記排ガス温度偏差を不感
    帯器に入力して得られた信号に基づいて前記空気圧縮機
    の入口案内翼開度を調節するようにした請求項1に記載
    のガスタービン制御装置。
  3. 【請求項3】 入口案内翼強制全開手段は、運転モード
    がベース運転からピーク運転に切替わったとき又は自動
    負荷制御運転からベース運転に切替わったとき前記排ガ
    ス温度偏差にバイアス信号を加算して得られた信号に基
    づいて空気圧縮機の入口案内翼開度を全開にするように
    した請求項1又は請求項2に記載のガスタービン制御装
    置。
  4. 【請求項4】 ガスタービン回転数を定格回転数に維持
    しながらその発電機出力が運転モードに応じて予め定め
    た負荷設定値になるように前記ガスタービンに供給され
    る燃料を調節するための速度負荷制御部と、前記ガスタ
    ービンに供給される燃料を制限すると共に運転員による
    手動運転を行う際に前記ガスタービンに供給される燃料
    を調節するための負荷制限器と、前記ガスタービンの排
    ガス温度が空気圧縮機の吐出空気圧力に基づいてその時
    の運転モードに応じて定められる排ガス温度設定値にな
    るように前記ガスタービンに供給される燃料を調節する
    ための排ガス温度制御器と、前記排ガス温度と前記排ガ
    ス温度設定値との排ガス温度偏差に基づいて前記空気圧
    縮機の入口案内翼の開度を制御する入口案内翼制御器
    と、前記入口案内翼制御器に設けられ、運転モードが自
    動負荷制御運転のときに前記ガスタービン発電機出力が
    予め定めた負荷設定値に達したとき、前記負荷制限器に
    よる手動運転のとき、ベース運転からピーク運転に切替
    わったとき、自動負荷制御運転からベース運転に切替わ
    ったときのいずれかのときに前記空気圧縮機の入口案内
    翼開度を強制的に全開にする入口案内翼強制全開手段と
    を備えたことを特徴とするガスタービン制御装置。
  5. 【請求項5】 前記入口案内翼強制全開手段は、運転モ
    ードが自動負荷制御運転のときに前記ガスタービン発電
    機出力が予め定めた負荷設定値に達したとき、前記負荷
    制限器による手動運転のとき、ベース運転からピーク運
    転に切替わったとき、自動負荷制御運転からベース運転
    に切替わったときのいずれかのときに前記排ガス温度偏
    差にバイアス信号を加算して得られた信号に基づいて前
    記空気圧縮機の入口案内翼開度を全開にするようにした
    請求項4に記載のガスタービン制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11200890A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Toshiba Corp ガスタービン装置の空気供給装置
JP2002004889A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガスタービンの燃料流量制御方法
US10801361B2 (en) 2016-09-09 2020-10-13 General Electric Company System and method for HPT disk over speed prevention
CN113700675A (zh) * 2021-08-19 2021-11-26 鑫磊压缩机股份有限公司 一种可自动调节的进口导叶调节器

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