JP3849071B2 - ガスタービン設備の運転方法 - Google Patents

ガスタービン設備の運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3849071B2
JP3849071B2 JP2000008629A JP2000008629A JP3849071B2 JP 3849071 B2 JP3849071 B2 JP 3849071B2 JP 2000008629 A JP2000008629 A JP 2000008629A JP 2000008629 A JP2000008629 A JP 2000008629A JP 3849071 B2 JP3849071 B2 JP 3849071B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas turbine
opening
air
temperature
inlet guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000008629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001200730A (ja
Inventor
友義 遠藤
文之 広瀬
武司 石田
昭範 藤本
親昌 鳥家
真治 藤本
令幸 門脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc, Hitachi Ltd filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2000008629A priority Critical patent/JP3849071B2/ja
Publication of JP2001200730A publication Critical patent/JP2001200730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849071B2 publication Critical patent/JP3849071B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)
  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タービンと圧縮機を有するガスタービンの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ガスタービンにおいては、燃料を空気圧縮機で圧縮された空気と混合して燃焼器で燃焼させ、生成された燃焼ガスのエネルギをタービンで取り出している。したがって燃焼器での燃焼温度が高い程、熱効率の良い運転が可能であり、通常100%負荷時に定格燃焼運転状態となり、効率が最大となる運用としている。
【0003】
この燃焼温度の調整は、空気圧縮機から供給される燃焼用空気の流量と燃料流量を制御、調整することにより実施されるが、空気流量の制御は、空気圧縮機の入口側に設けられた入口案内翼と称される可動翼により実施され、燃料流量の制御は、燃焼器に燃料を投入する燃料系統に設置された燃料弁によって実施される。
【0004】
また、通常ガスタービンでは、空気圧縮機の前記入口案内翼開度が全開状態で、定格燃焼運転状態となる運用としており、負荷の要求量に応じ、入口案内翼、あるいは燃料弁を絞り込むことで空気流量及び燃料流量を調整している。
【0005】
従来のガスタービン運転中における排気温度制御状態を図5に示す。
【0006】
ガスタービン排気温度制御は、起動時においては、排気温度上昇率を制御し、高温ガス通路部分に発生する熱応力を低減する。また負荷運転中においては、排気温度上限値の制御を、排気温度設定値と検出器からの実測値との偏差を比例/積分制御することで行ない、これにより、ガスタービン上限燃焼温度を一定に制御している。
【0007】
また、空気圧縮機の下流側に設置された発信器にて検出された圧縮機吐出圧力を変数として算出した排気温度設定値に基づき、「ベース制御運転線」32と称される燃焼温度一定線を形成している。
【0008】
更に、ガスタービン排気温度制御では、上記「ベース制御運転線」32による排気温度設定よりもn℃下側(低温側)に平行移動した位置に、圧縮機入口案内翼による排気温度制御を行う排気温度設定値「IGV制御線」33を設けている。
【0009】
これは、排気温度が燃料弁開度(燃料側)と圧縮機入口案内翼開度(空気側)の双方により制御されることに対し、入口案内翼開度の応答性が燃料弁の開度の応答性に比べ追従遅れが大きいので、応答性に差のある制御系において、2つのパラメータを同時に制御した場合、安定した排気(燃焼)温度制御を行なうことが出来なくなる為である。
【0010】
具体的には、排気温度の目標を「ベース制御運転線」32よりn℃下側に平行移動した位置に設けた「IGV制御線」33に設定し、排気温度がこの「IGV制御線」33上(ポイント34)に到達した時点から、ガスタービンの出力の上昇と共に、空気側の調整を実施する入口案内翼開度を制御して全開まで開していきつつ、排気温度を「IGV制御線」33上に制御する。
【0011】
入口案内翼開度が全開位置になったら(IGV制御線33上のポイント35の位置)、排気温度設定を「ベース制御運転線」32へ切り替え、入口案内翼開度を全開した状態で(つまり空気側は安定した状態として)、排気温度制御による燃料指令信号により、燃料流量の調節を燃料弁にて実施し、排気温度を制御する。
【0012】
このように、2つのパラメータを各々個別に制御することにより、安定した排気温度制御を行なうことが出来る。
【0013】
上記の「ベース制御運転線」32の線上でガスタービンを運転することが、即ち高効率運転となる。
【0014】
ガスタービンの排気温度制御線の各ポイントにおける運転状況を一例として、以下に示す。
【0015】
「IGV制御線」33上のポイント34に到達するまでは入口案内翼開度は中間開度を維持し、ポイント34に到達したら、入口案内翼開度が中間開度の状態から入口案内翼制御による排気温度制御運転開始となり、負荷上昇に伴い、徐々に案内翼開度が大きくなる。排気温度は「IGV制御線」33に沿うように制御され、運転状態は負荷上昇に伴って「IGV制御線」33に沿って図の右方向に移行する。
【0016】
「IGV制御線」33上のポイント35に到達したら、案内翼開度は開度上限となり(云いかえると入口案内翼開度が開度上限となった位置をポイント35とする)、負荷上昇しても、案内翼開度は上限値のままとなる。この段階で排気温度設定を「ベース制御運転線」32へ切り替え、本状態から、燃料弁の開度調節のみにより排気温度を制御する。運転状態は、負荷の上昇に伴いポイント35から「ベース制御運転線」32上のポイント36に向かって移行する。「ベース制御運転線」32上のポイント36に到達したら、ベース制御状態となり、入口案内翼開度上限値で定格燃焼温度一定での運転となる。
【0017】
一方、ガスタービンの特徴として図4に示すように、大気温度、つまり圧縮機に吸入される空気の温度が低い時ほど、高い出力31を得ることが可能であることから、プラントの計画出力を決めたときの大気条件次第では(運転時の大気温度が計画時の大気温度よりも低い場合など)、入口案内翼を全開状態で運転すると出力が計画値をオーバーする場合が生ずる。しかしながら、一般的に各発電プラントにおいては、計画段階で予め出力条件が定められており、計画値以上の出力を得ることは事実上認められていないため、このような場合、ガスタービンを部分負荷運転とする必要が生じる。
【0018】
同様にプラント運用のニーズとして、部分負荷運用をするケースも考える必要がある。
【0019】
上記のように、計画値に対しガスタービン出力に余裕がある場合や、プラント運用の一ケースとして、ガスタービンを部分負荷運転状態とした場合、これまでの運用方法では、燃料を絞り、その結果として燃焼温度が低くなり、更に燃料量に見合った空気量とするため、圧縮機入口案内翼を絞り、ガスタービンの熱効率も低下した状態で運用していた(例えば、図5のポイント37)。
【0020】
尚、2軸ガスタービンの制御装置においては、前述の様なガスタービンの部分負荷運転状態においても、定格燃焼温度を算出し、圧縮機入口案内翼開度及びタービン第2段ノズル開度を調節することにより、効率向上を図る制御方式が特開昭58−162731号公報に開示されている。
【0021】
上記公報開示の制御方式によれば、常に定格燃焼温度を算出しながら、入口案内翼開度を制御することになるため、入口案内翼開度の制御と同時に最適な燃空比を保つため、常に燃料の制御が必要となることを意味する
即ち、これは前述したように、燃料系に比べ、制御の応答性において追従遅れの大きい入口案内翼の制御と燃料制御を同時に行なうことになるため、結果として、安定した燃焼温度制御を行なうことが難しくなる。
【0022】
従って、上記公報開示の制御方式を採用することにより、部分負荷時の効率向上を図ることも可能ではあるが、より安定した燃焼温度制御を行ないながら、尚且つ高効率運転が実現できることが、運用上好ましい。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、計画値に対し、ガスタービン出力に余裕がある場合やプラント運用の一ケースとして、ガスタービンを部分負荷運転状態とした場合、これまでの運用方法では、排気温度が図5に示される定格燃焼温度一定となる「ベース制御運転線」32から外れ、その結果として、燃焼温度が低くなることから、ガスタービンの効率も低下した状態で運用していた。
【0024】
本発明の目的は、ガスタービンの部分負荷時における燃焼温度の低下による効率低下を防止することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
ガスタービン空気圧縮機入口案内翼開度上限を調整することで、燃焼温度の低下を防止し、定格燃焼温度にて運転継続させることにより、計画値に対し、ガスタービン出力に余裕がある場合やプラント運用の一ケースとして、ガスタービンを部分負荷運転状態とした場合においても、ガスタービンを高効率で運用することが可能となる。
【0026】
即ち本発明は、上記課題を達成するために、空気圧縮機に吸入される空気量、すなわち燃焼器に供給される空気量を制御する入口案内翼開度の上限値を、空気圧縮機入口空気温度を入力として制御することを特徴とする。
【0027】
その際、空気圧縮機入口空気温度が、ガスタービンの定格出力に対応する計画空気温度よりも低いとき、前記開度上限値を、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さくなるように設定し、ガスタービン実出力とガスタービン出力計画値とを比較して、ガスタービン実出力が大きい場合、圧縮機入口案内翼開度上限値を前記算出された値に設定するとともに、圧縮機入口案内翼を先行制御して前記設定された圧縮機入口案内翼開度上限値に保持し、その後、燃料制御により定格燃焼温度となるように運転することが望ましい。
【0028】
また、ガスタービンを部分負荷で運転する場合に、前記開度上限値を、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さくなるように設定することを特徴とする。複数のガスタービンを備え、それらを合計した出力が指定されるガスタービン設備の場合、各ガスタービンの熱効率を監視し、熱効率の低いガスタービンに設けられた空気圧縮機の入口案内翼開度の上限値を、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さくなるように設定すればよい。
【0029】
入口案内翼開度の上限値を制限することにより、先に説明したIGV制御線に沿った排気温度制御から速やかにべース制御運転線上での排気温度制御に移行することができ、定格燃焼温度にて運転が継続されるから、ガスタービンの部分負荷時における燃焼温度の低下による効率低下が防止される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を説明する。図3にガスタービンの基本構成を示す。図示のガスタービンは、外気を濾過する吸気フィルタと、該吸気フィルタの下流側に接続された空気圧縮機24と、燃料弁27を通って供給される燃料を前記空気圧縮機24で圧縮された空気で燃焼させる燃焼器26と、該燃焼器26で生成された燃焼ガスのエネルギを取り出すタービン部28と、該タービン部28から排出される排気ガスの温度を検出する熱電対29と、前記空気圧縮機24で圧縮された圧縮空気の圧力を検出する発信器30と、を含んで構成され、空気圧縮機24の空気取り入れ口には、空気流量を制御する可動翼である入口案内翼25が配置されている。
【0031】
図1に、本発明のガスタービンの運転方式中、圧縮機入口案内翼制御の実施例を示すロジック図を示し、図2に、本発明のガスタービンの運転方式に切り替える場合の実施例を説明するためのフローチャートを示す。
【0032】
通常、ガスタービンでは、空気圧縮機の前記入口案内翼開度が全開状態で定格燃焼運転状態となる運用としており、負荷の要求量に応じ、入口案内翼、あるいは燃料弁を絞り込むことで空気流量及び燃料流量を調整している。
【0033】
空気流量制御は、前述のように空気圧縮機の入口に設置された入口案内翼の開度を調節して行われるが、本制御には、起動・停止時の圧縮機のサージング発生を防止する機能と、ガスタービン負荷運転中の排気温度を許容値以内で最高とするように圧縮機吸込空気流量を制御する機能を有している。
【0034】
ガスタービンにおいて、燃焼温度を直接測定することは、温度が高過ぎること、並びに温度分布が一定でないことから困難であるため、タービンの排気側に設置された熱電対にて排気温度を測定することで、間接的に燃焼温度を制御することが一般的に知られている。即ち、排気温度を許容値以内で最高とすることは、ガスタービン燃焼温度を許容値以内で最高に制御することと同義である。
【0035】
図1に示す圧縮機入口案内翼の制御は、ガスタービン回転数による制御部分2、燃料指令信号による制御部分3、排気温度による制御部分4及び本発明に係る空気圧縮機入口空気温度による制御部分1に大別することが出来、各々の制御部から発生した翼開度信号の内、低値選択器8により最小信号が選択され、入口案内翼開度指令9となる。
【0036】
空気圧縮機入口空気温度による制御部分1は、空気圧縮機入口空気温度12をを変数として入口案内翼開度上限値20を出力する関数発生器21と、予め設定された開度上限値を出力する信号発生器50と、関数発生器21と信号発生器50に接続され、通常は関数発生器21からの入力を出力し、高効率運用モード選択信号が入力されたら信号発生器50からの入力を入口案内翼開度上限値20として出力するスイッチ51を含んで構成されている。
【0037】
ガスタービン回転数による制御部分2は、空気圧縮機入口空気温度12とガスタービン回転数13を入力としてガスタービン修正回転数を出力する演算器14と、演算器14の出力を入力として案内翼開度信号5を出力する関数発生器11と、最小設定開度信号を出力する信号発生器10と、関数発生器11と信号発生器10の出力を入力とし、そのうちのいずれか高い方を案内翼開度信号5として出力する高値選択器52と、を含んで構成されている。
【0038】
燃料指令信号による制御部分3は、燃料指令信号15を入力として案内翼開度信号6を出力する関数発生器61を含んで構成されている。
【0039】
排気温度による制御部分4は、排気温度偏差(排気温度設定値と検出器(熱電対29)からの実測値との偏差)と信号発生器58の出力の差を演算する加算器57と、加算器57の出力を比例積分演算する演算器59と、中間開度信号を出力する信号発生器55と、開度上限値信号を出力する信号発生器54と、信号発生器55の出力と信号発生器54の出力のいずれかを切り替え出力するスイッチ56と、スイッチ56の出力、演算器59の出力、前記関数発生器61の出力が入力され、三つの入力のうちの中間の値を案内翼開度信号7として出力する中間値選択器60と、を含んで構成されている。
【0040】
案内翼開度信号5、案内翼開度信号7、及び入口案内翼開度上限設定値20は低値選択器8に入力される。信号発生器53から出力された開度上限値も同じく低値選択器8に入力される。低値選択器8の出力側に接続して減算器18が接続され、該減算器18の出力側にサーボ19が接続されている。サーボ19により入口案内翼25が制御され、入口案内翼の開度を検出する開度発信器16は実開度フィードバック値17を前記減算器18の一方の入力として出力するように構成されている。なお、前記信号発生器53が出力する開度上限値は、メカニカルな開度の上限を指定するもので、燃焼制御とは無関係である。
【0041】
起動時、翼開度信号は、圧縮機のサージング発生を防止するため、最小開度を出力する信号発生器10からの信号により最小開度とし、ガスタービン回転数が約80%近傍に到達した時点で、翼開度信号を、ガスタービン修正回転数を変数とした関数発生器11により、ガスタービン回転数の増加にあわせ、中間開度を指示する値まで増加させる。
【0042】
上記空気流量の調整は圧縮機入口案内翼の開度即ち、開口部の面積を調整することによって実施されるため、圧縮機入口空気温度が低下しているときは、空気密度が大きくなり、体積流量が一定であっても重量流量が増加することから、回転数が一定であっても圧縮機の作動域が変化する。
【0043】
これを補正する目的で、圧縮機入口案内翼開度は、ガスタービン回転数13と圧縮機入口空気温度12を演算器14にて演算した関数であるガスタービン修正回転数を用い、同一条件とした上で、ガスタービン修正回転数を変数とした関数発生器11により設定される。
【0044】
また、入口案内翼開度が中間開度まで増加した以降は、入口案内翼開度の制御は、燃料指令信号15による制御となる。
【0045】
更に、ガスタービン負荷の増加に伴い排気温度が上昇すると、入口案内翼の開度は、燃料指令信号15による制御から排気温度による制御に切り替わる。
【0046】
上記低値選択器8により得られた入口案内翼開度指令9と開度発信器16により得られた実開度フィードバック値17の偏差を入力としてサーボ制御することで、入口案内翼25の開度が制御されている。
【0047】
本実施例は、上記制御に加え、空気圧縮機入口空気温度による制御部分1を追加することで、図2に示すように、ガスタービン実出力22を監視し、ガスタービン出力計画値23と比較して、計画値に比べ余裕がある場合には、速やかに高効率運転に移行させ、常に定格燃焼温度で運転継続できるようにするものである。
【0048】
具体的には、図1に示すように、空気圧縮機入口空気温度12を変数として入口案内翼開度上限設定値20を規定する関数発生器21により、大気温度が低いときには、開度上限設定が低くなるよう制御することで、大気温度の変化に対し、常にガスタービンが定格燃焼温度一定となる「ベース制御運転線」32の線上で運転出来るようにするものである、これにより、高効率運転を維持することが可能となる。
【0049】
本制御は、ガスタービンにおける以下の特徴を利用したものである。
【0050】
ガスタービン回転数が一定で燃料流量が一定であるとき、入口案内翼25の開度を絞り込むと空気圧縮機24の体積流量が減少し、排気温度が上昇する。逆に、入口案内翼開度を開くと体積流量が増加し、排気温度が低下する。これは、燃料を増減することなく、入口案内翼開度の制御によって、排気(燃焼)温度を変化させることが出来ることを意味している。
【0051】
従って、ガスタービンが部分負荷で燃料が一定であっても、入口案内翼開度を調整すれば排気温度を高めることが出来るのである。
【0052】
本制御方式を採用した場合のガスタービン運転中における排気温度制御状態を図6に示す。「ベース制御運転線」38と、それよりn℃低い側に「IGV制御線」39が設定されているのは、前記図5の場合と同じである。
【0053】
本制御方式を採用した場合の、ガスタービンの排気温度制御線の各ポイントにおける運転状況を一例として、以下に説明する。
a.ガスタービン起動から「IGV制御線」39上のポイント40に到達するまでは、従来通りの制御が行われる。ポイント40は入口案内翼25の開度を所定の中間開度にして負荷を上昇させ、排気温度が「IGV制御線」39に到達した点である。
b.ポイント40からは、負荷上昇に伴い、徐々に入口案内翼25の開度が増加され、排気温度が「IGV制御線」39に沿うように制御される。
c.入口案内翼開度上限設定値を圧縮機入口空気温度により制御し、「IGV制御線」39上で入口案内翼開度が上限となる位置を変動させる。つまり、計画空気温度において定格出力で運転するときの入口案内翼開度が100%であり、入口案内翼開度が100%になる「IGV制御線」39上の位置がポイント41であるとき、入口空気温度が計画空気温度よりも低温の場合、入口案内翼開度上限を100%以下にして、「IGV制御線」39上のポイント42(即ちポイント41よりも「IGV制御線」39上でポイント40に近い位置)で入口案内翼開度が上限となるように制御し、早めに燃料側の調節に移行させる。これは、入口案内翼開度上限設定値を圧縮機入口空気温度により制御し、入口空気温度が計画空気温度よりも低温の場合、入口案内翼開度上限を、入口空気温度が計画空気温度と等しい場合よりも小さい開度(例えば95%開度)にすることである。
d.本状態(案内翼開度が圧縮機入口空気温度により制御された上限に達した状態、すなわちポイント42)から、燃料側の調節により排気温度を制御することで、部分負荷運転状態においても、定格燃焼温度による運転となるように制御する。(定格燃焼温度一定となる「ベース制御運転線」38上のポイント43となるように制御する。)
図6に示すように、入口案内翼開度上限を圧縮機入口空気温度により制御し、大気温度が低いときには、開度上限設定を低くして、より早めにベース運転状態に到達させることで、部分負荷運転状態であっても、定格燃焼温度一定となる「ベース制御運転線」38での運転が可能となる。
【0054】
図2に示す実施例は、ガスタービン実出力22と大気温度(空気圧縮機入口空気温度)で補正されたガスタービン出力計画値23を比較し、(22>23)であるときに、前記スイッチ51に高効率運用モードを選択する信号を送って関数発生器21が出力する圧縮機入口案内翼開度上限値20を低値選択器8に入力するようにしたものである。圧縮機入口案内翼開度上限値20を低値選択器8に入力することにより、入口案内翼開度上限が低く制限され、大気温度が低くてガスタービンの出力が計画値を超える状態になるのが避けられる。また、ガスタービンを部分負荷で運転する場合は、同様に、前記スイッチ51に高効率運用モードを選択する他の信号を送って、信号発生器50が出力する予め設定された開度上限信号を圧縮機入口案内翼開度上限値20として出力することにより、同様の効果が得られる。
【0055】
図7に本発明の他の実施例を示す。本実施例は、一軸あるいは多軸で構成されている複数(n基)のガスタービンを有し、プラント全体での出力を規定されている発電設備に本発明を適用した場合の制御手順例である。ガスタービンの実出力の合計値44と各ガスタービンの熱効率45を監視し、ガスタービンの実出力の合計値44が加算器47によって合計されたガスタービンの出力計画値(それぞれ大気温度によって補正された出力計画値の合計)46に対し余裕がある場合(44−46>0の場合)に、最も熱効率が低いガスタービンを低値選択器48により判別する。そして、そのガスタービンの入口案内翼開度が全開状態である場合、前記スイッチ51に切り替え信号を送って速やかに高効率運転(入口案内翼開度上限値を低下させた運転)に移行させ、プラント出力一定運転となった場合においてもガスタービンは常に定格燃焼温度一定で運転継続出来るようにするものである。
【0056】
上述のように、圧縮機入口案内翼開度上限を空気圧縮機入口空気温度に基づいて制御することにより、空気量の制御、すなわち圧縮機入口案内翼開度を先行制御し、その後入口案内翼開度を一定に保持しながら燃料量を制御して、定格燃料温度による運転とする従来の制御方法の利点を生かしながら、より安定した燃焼温度制御で高効率運転が実現可能となる。
【0057】
また、部分負荷運転を行う場合も、圧縮機入口案内翼開度上限を全開状態よりも低い値に制限することで、前記IGV制御線に沿った排気温度制御からベース制御運転線上での排気温度制御に移行でき、定格燃焼温度での運転が可能となる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービン空気圧縮機入口空気温度が計画空気温度より低い場合、前記空気圧縮機の入口案内翼開度上限が計画空気温度における定格出力運転時の案内翼開度よりも低い値に制御されるので、ガスタービンの部分負荷運転時においても、燃焼温度の低下を防止し、定格燃焼温度にて運転継続させることにより、計画値に対し、ガスタービン出力に余裕がある場合やプラント運用の一ケースとして、ガスタービンを部分負荷運転状態とした場合でも、ガスタービンを高効率で運用することが可能となる。
【0059】
更に、従来の部分負荷運転時の効率向上を図る制御方式に比べ、より安定した燃焼温度制御を行ないながら、ガスタービンの高効率運転を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンの運転方式中、圧縮機入口案内翼制御の実施例を説明するためのロジック図である。
【図2】本発明のガスタービンの運転方式に切り替える場合の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図3】ガスタービンの基本構成を示した図面である。
【図4】大気温度とガスタービン出力の関係を示した図である。
【図5】従来のガスタービンの排気ガス温度制御を明示した図である。
【図6】本発明のガスタービンの運転方式を採用した場合の排気ガス温度制御を示した図である。
【図7】本発明のガスタービンの運転方式を応用した場合の他の実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 空気圧縮機入口空気温度による制御部分
2 ガスタービン回転数による制御部分
3 燃料指令信号による制御部分
4 排気温度による制御部分
5、6,7 案内翼開度信号
8 低値選択器
9 入口案内翼開度指令
10 信号発生器
11 関数発生器
12 圧縮機入口空気温度
13 ガスタービン回転数
14 演算器
15 燃料指令信号
16 開度発信器
17 実開度フィードバック値
18 減算器
19 サーボ
20 圧縮機入口案内翼開度上限値
21 関数発生器
22 ガスタービン実出力
23 ガスタービン出力計画値
24 空気圧縮機
25 入口案内翼
26 燃焼器
27 燃料弁
28 タービン部
29 熱電対
30 発信器

Claims (3)

  1. 空気圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合・燃焼させ、その燃焼ガスをタービンに供給してエネルギを取り出すガスタービン設備の運転方法において、前記空気圧縮機の吸込空気量を調整する圧縮機入口案内翼の開度上限値を空気圧縮機入口空気温度を入力として制御する運転方法であって、空気圧縮機入口空気温度が、ガスタービンの定格出力に対応する計画空気温度よりも低いとき、前記開度上限値として、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さい値が算出される手順と、ガスタービン実出力とガスタービン出力計画値とが比較され、ガスタービン実出力が大きい場合、圧縮機入口案内翼開度上限値が前記算出された値に設定されるとともに、圧縮機入口案内翼が先行制御されて前記設定された圧縮機入口案内翼開度上限値に保持され、その後、燃料制御により定格燃焼温度となるように運転される手順とを備えてなることを特徴とするガスタービン設備の運転方法。
  2. 空気圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合・燃焼させ、その燃焼ガスをタービンに供給してエネルギを取り出すガスタービン設備の運転方法において、ガスタービン出力が計画値に対し余裕がある場合に、前記空気圧縮機の吸込空気量を調整する圧縮機入口案内翼の開度上限値を、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さくなるように設定し、圧縮機入口案内翼開度を先行制御してこの上限値を小さく設定した圧縮機入口案内翼開度上限値となるように圧縮機入口案内翼開度を変更し、その後、燃料制御により定格燃焼温度となるように運転することを特徴とするガスタービン設備の運転方法。
  3. 空気圧縮機からの吐出空気と燃料とを混合・燃焼させ、その燃焼ガスをタービンに供給してエネルギを取り出すガスタービンを複数設置してなるガスタービン設備の運転方法において、前記複数のガスタービンの実出力の合計値が計画値に対して余裕がある場合に、最も効率が低いガスタービンの空気圧縮機の吸込み空気量を調整する圧縮機入口案内翼の開度上限値を、計画空気温度において定格出力運転を行う場合の案内翼開度よりも小さくなるように設定し、圧縮機入口案内翼開度を先行制御してこの上限値を小さく設定した圧縮機入口案内翼開度上限値となるように圧縮機入口案内翼開度を変更し、その後、燃料制御により定格燃焼温度となるように運転することを特徴とするガスタービン設備の運転方法。
JP2000008629A 2000-01-18 2000-01-18 ガスタービン設備の運転方法 Expired - Fee Related JP3849071B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008629A JP3849071B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ガスタービン設備の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008629A JP3849071B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ガスタービン設備の運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001200730A JP2001200730A (ja) 2001-07-27
JP3849071B2 true JP3849071B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=18536871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000008629A Expired - Fee Related JP3849071B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 ガスタービン設備の運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849071B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20021231A1 (it) * 2002-06-06 2003-12-09 Nuovo Pignone Spa Sistema di controllo e regolazione della temperatura di fiamma per turbine a gas monoalbero
JP4796015B2 (ja) * 2007-07-10 2011-10-19 三菱重工業株式会社 ガスタービンの運転制御装置および運転制御方法
JP4838785B2 (ja) * 2007-11-06 2011-12-14 三菱重工業株式会社 ガスタービンの運転制御装置および運転制御方法
WO2009109446A1 (de) 2008-03-05 2009-09-11 Alstom Technology Ltd Verfahren zur regelung einer gasturbine in einem kraftwerk und kraftwerk zur durchführung des verfahrens
JP5276543B2 (ja) * 2009-07-29 2013-08-28 三菱重工業株式会社 ガスタービンの運転方法およびガスタービン
EP2907990A1 (de) 2014-02-18 2015-08-19 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zum Betreiben einer Gasturbinenanlage und dieselbe
JP6267084B2 (ja) * 2014-09-02 2018-01-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 制御装置、システム及び制御方法
KR101913975B1 (ko) 2014-09-02 2018-10-31 미츠비시 히타치 파워 시스템즈 가부시키가이샤 제어 장치, 시스템 및 제어 방법, 및 동력 제어 장치, 가스 터빈 및 동력 제어 방법
JP6267087B2 (ja) * 2014-09-18 2018-01-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 動力制御装置、ガスタービン及び動力制御方法
EP3225812B1 (en) 2016-03-29 2019-02-27 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. A two-shaft gas turbine, and the control method of opening degree of inlet guide vane of the gas turbine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001200730A (ja) 2001-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4571273B2 (ja) 最適性能を得るための工業用ガスタービンの運転方法
US8694170B2 (en) Gas turbine operation control device and operation control method
EP1770331B1 (en) Method of controlling bypass air split to gas turbine combustor
JP2680033B2 (ja) コンバインドプラントの運転方法及び装置
JP6223847B2 (ja) ガスタービンの制御装置、ガスタービン、及びガスタービンの制御方法
KR101843698B1 (ko) 제어 장치, 시스템 및 제어 방법
JP5868671B2 (ja) 弁制御装置、ガスタービン、及び弁制御方法
JPS61107004A (ja) 複合サイクル発電ブラントのための熱回収蒸気発生器出口温度制御装置
KR101913975B1 (ko) 제어 장치, 시스템 및 제어 방법, 및 동력 제어 장치, 가스 터빈 및 동력 제어 방법
JP3849071B2 (ja) ガスタービン設備の運転方法
JP2010025069A (ja) 2軸式ガスタービンシステムの制御装置
JP3677536B2 (ja) ガスタービン発電制御装置
JP4885199B2 (ja) ガスタービン運転制御装置及び方法
JP5452420B2 (ja) 多軸式ガスタービンエンジンの制御装置
JP5843515B2 (ja) ガスタービン、ガスタービン制御装置、および発電システム
TW201802346A (zh) 工廠控制裝置、工廠控制方法、及發電廠
CN109072783B (zh) 用于控制发电设备的系统和方法
JPS6397835A (ja) ガスタ−ビン温度制御装置
JPH0337304A (ja) タービンバイパス装置を備えた蒸気タービン発電プラントの起動方法
JP3734791B2 (ja) ガスタービンの水噴射制御装置
JPS6246681B2 (ja)
JPH076417B2 (ja) ガスタービンの制御装置
JP2003056309A (ja) タービン制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060607

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3849071

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees