JPH0615784Y2 - ロープフックを備えたオートバイ用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はオートバイ用シートに係り、特にオートバイ
（スクーター，スリータ等を含む、以下同じ）に荷物を
緊締するためのロープを掛止するロープフックを備えた
オートバイ用シートに関する。

［従来の技術］ 従来からオートバイのロープフックに関しては、外観を
良好ならしめると共に、ダブルシートの場合には後席の
同乗者の邪魔にならないようにするため、ロープフック
を省略し、網状のゴム体からなるロープを用いて、この
ロープの所望箇所に掛止フックを設け、シートの端末或
いはカウル等に引掛けていた。しかし掛止フックをシー
トの端末或はカウル等に引掛けると、シート表皮やカウ
ルの損傷を招くこととなる。また網状のゴム体によって
荷物を取付けるには、ゴム体の大きさに限界があり、大
きな荷物を載置するのに問題がある。

この問題を解決するために、例えば実開昭６０−７２３
７７号公報で示される提案技術がある。この技術は、シ
ートパイプにフック材をを嵌合し、上記フック材をシー
トパイプの下方位置及びシートパイプの側方位置に回動
可能に設定し、シートパイプの下方位置で回動時にフッ
ク材の回動を阻止して位置決め等を行なう位置決め部材
を設けたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記実開昭６０−７２３７７号公報で示される
提案技術は、シートを取付ける車体側にロープフックを
設けたものであって、このようにシートの下側にロープ
フクを形成すると、サイドカバーを取付けることができ
ないこととなる。また予め車体等にロープフックを設け
ると、多品種生産という今日における需要の要請に応え
ることができないという問題もある。さらに、この技術
では、シートパイプに加工しなければならないという問
題もある。

本考案の目的は、シートと一体感を有し、クッション性
を損なわず、サイドカバーの取付が出来、多品種生産と
いう今日における商品性の需要要請に応えることができ
るロープフックを備えたオートバイ用シートの提供にあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を解決するために、少なくともボト
ムプレート上にクッション材を載置して表皮材で被覆し
たオートバイ用シートにおいて、該シート側部に切欠部
を形成し、該シートの切欠部に対応するボトムプレート
に切欠部を形成すると共に切欠部に面してボトムプレー
トの下部にステーを下方に形成し、該ステーにロープフ
ックを回動可能に軸支し、シート側方に回動させて突出
するように形成したものである。

［作用］ したがって、シートの側部に切欠部を形成し、この部分
にロープフックを形成したので、シートに一体感を持た
せることができる。そして使用時にはロープフックを回
動させて使用でき、不使用時には回動させて収納させる
ことができる。またシートのボトムプレートの下部にス
テーを下方に形成し、このステーにロープフックを形成
したので、シート下部にカウル等を装着するときに邪魔
とならない。さらにシート側部に切欠部を形成し、ここ
にロープフックを取付けたので、シートと共にロープフ
ックを変更することができ、多品種生産という今日にお
ける商品性の重要要請に応えることができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお
以下に説明する部材，配置等は本考案を限定するもので
はなく、本考案の趣旨に反しない範囲で種々改変するこ
とができるものである。

第１Ａ図はシートの概略側面図、第１Ｂ図は第１Ａ図の
Ｉ−Ｉ線における断面図、第１Ｃ図はロープフックの回
動部にける部分拡大図、第１Ｄ図は第１Ａ図のII−II線
における断面図である。

第１Ａ図乃至第１Ｄ図において、記号Ｓは前席Ｓｆと後
席Ｓｒとからなるオートバイ用ダブルシートであり、本
例のシートＳはボトムプレート１上にクッション材２を
載置し、表皮材３でクッション材２を被覆し、表皮端末
部をボトムプレート１の周縁に接合している。

そして本例のロープフックＦは、後述するようにシート
Ｓの側部に切欠部５を形成し、この切欠部５のシートＳ
に対するボトムプレートに切欠部を形成すると共に切欠
部に面してボトムプレート１の下部にステー６を形成
し、このステー６にロープフックＦを回動可能に設け、
このロープフックＦがシートＳの側方に回動可能に突出
して構成されるものである。

すなわち、本例におけるシートＳの後席Ｓｒ両側は、側
面から見て第１Ａ図で示されるように、凹部からなる切
欠部５となっており、この切欠部５は、該切欠部５に相
当するボトムプレート１の後席側部が凹部となって切欠
されており、このボトムプレート１にクッション材２を
載置して、表皮材３の端末部が接合され形成されるもの
である。そして、この切欠部５に相当する箇所で、且つ
シートＳ側方の端末部寄りのボトムプレート１下部に、
断面逆Ｌ字形状をした上部片６ａと側部片６ｂとからな
る長板状のステー６が、第１Ｂ図で示すように、上部片
６ａの部分でネジボルト等の固定具４によって、後述す
るロープフックＦと略同長の幅だけ配設される。本例の
ステー６は、側部片６ｂの下端側が、フレーム１０とボ
ルト等の固着具１１によって固定されている。このよう
に本例のステー６はシートＳの切欠部５からシート下部
に水や塵埃等の浸入を防止している。またステー６の外
側面を化粧板，化粧布等を用いることによって外観を良
好にすることもできる。そして、このステー６の側部片
６ｂの所定位置にロープフックＦが回動可能に取付けら
れる。

本例のロープフックＦは、中央部に空間１２を備えてお
り、第１Ａ図で示されるように、平面視矩形をした角柱
体をリング状としたものである。ステー６側の角柱体１
３は回動軸７を嵌入させるための孔１４が形成されてお
り、角柱体１３のステー６側の角部は、ステー６と接触
しないように円弧部１３ａが形成され、該円弧部１３ａ
の下側（第１Ｂ図及び第１Ｃ図）の少なくとも一部に
は、収納時のあてとなる突起からなるストッパ１３ｂが
形成されている。そして、円弧部１３ａを挟んでストッ
パ１３ｂと反対側には、使用時の回動を制限するストッ
パ１３ｃが形成されている。

また、ステー６には、上部角柱体１３を回動可能に軸支
する回動軸７を保持する２つの保持突起６ｃが形成され
ている。この保持突起６ｃには次に述べるように、回動
軸７を装着する孔１５が形成されている。回動軸７は、
一端に庇部７ａを有する円柱体であり、第１Ｃ図及び第
１Ｄ図で示すように、保持突起６ｃの孔１５と、角柱体
１３の孔１４を整合させて、これらの孔１４，１５に庇
部７ａと反対側の端部から回動軸７を嵌入して、抜けな
いようにクリップ１６で取付ける。

なお符号１７はサイドカバー、符号１８は荷物であり、
符号１９はロープである。

本例は、以上のように構成されているので、後席Ｓｒ部
分に荷物を載置してロープで固定する場合には、ロープ
フックＦを回動させて、使用することができる。また本
例のようにロープフックＦを平面視矩形をした角柱体の
リング状とすれば、シートグリップとしては使用するこ
とができる。さらに、上記実施例では第１Ａ図で示す位
置にロープフックＦを配設したが、第２図で示すように
後席後部の下部に配設することもできる。

［考案の効果］ 上述のように構成しているので、本考案のロープフック
は、使用時にシート側方へ回動させてロープを掛止させ
てして使用でき、不使用時には回動させて収納させるこ
とができる。またボトムプレートにステーを取付けてい
るので、クッション性に影響を及ぼすことがない。さら
にシートにロープフックを形成したのでシート下部にカ
ウル等を装着するときの邪魔とならない。その上ロープ
フックを車体に取付けていないので、シートと共にロー
プフックを変更することができ、多品種生産という今日
における商品性の需要要請に応えることができる等種々
顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例を示し、第１Ａ図はシートの概略側
面図、第１Ｂ図は第１Ａ図のＩ−Ｉ線における断面図、
第１Ｃ図はロープフックの回動部における部分拡大図、
第１Ｄ図は第１Ａ図のII−II線における断面図、第２図
は第２実施例を示すシートの概略側面図である。 １……ボトムプレート、２……クッション材、 ３……表皮材、５……切欠部、 ６……ステー、Ｆ……ロープフック Ｓ……オートバイ用シート（ダブルシート）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくともボトムプレート上にクッション
   材を載置して表皮材で被覆したオートバイ用シートにお
   いて、該シート側部に切欠部を形成し、該シートの切欠
   部に対応するボトムプレートに切欠部を形成すると共に
   切欠部に面してボトムプレートの下部にステーを下方に
   形成し、該ステーにロープフックを回動可能に軸支し、
   シート側方に回動させて突出するように形成したことを
   特徴とするロープフックを備えたオートバイ用シート。