JPH06157620A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH06157620A
JPH06157620A JP33550092A JP33550092A JPH06157620A JP H06157620 A JPH06157620 A JP H06157620A JP 33550092 A JP33550092 A JP 33550092A JP 33550092 A JP33550092 A JP 33550092A JP H06157620 A JPH06157620 A JP H06157620A
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広 峰村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難溶融性粒子の含有量が少なく、かつ大半の
重合体粒子が多孔質で可塑剤吸収性に優れる粒子で占め
られる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することを
目的とする。 【構成】 塩化ビニル系重合体の水性懸濁重合方法にお
いて、ケン化度の異なる2種類のポリビニルアルコール
を分散剤として使用し、重合途中での水の添加容量をコ
ントロールして、重合の進行に伴い生じる懸濁液の体積
減少量を超えない量の水を一括または分割で重合系に添
加することにより、重合転換率が50〜70%に達した
時点の懸濁液の体積を重合開始前の懸濁液の体積と同量
になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合生産性が高くかつ
フィッシュアイの少ない塩化ビニル系重合体の製造方法
に関するものであり、本発明によって得られる塩化ビニ
ル系重合体は軟質樹脂用に好適である。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は優れた物理的、機械
的性質などを有しているため、硬質樹脂、軟質樹脂のい
ずれにおいても、広範な用途に使用されている。
【0003】最近、軟質塩化ビニル樹脂の成形におい
て、成形体の耐候性を向上させるために、成形温度をで
きる限り低くしたいという要求がある。
【0004】軟質塩化ビニル樹脂には、通常懸濁重合法
による重合体が用いられるが、該重合体中には、成形体
における欠陥の一種であるフィッシュアイの原因となる
難溶融性の重合体粒子(以下難溶融性粒子という)が含
まれており、成形においては、上記難溶融性粒子が溶融
する成形条件を採用することにより、フィッシュアイの
発生を抑制している。難溶融性粒子の含有量の多い塩化
ビニル重合体を使用する場合には、上記フィッシュアイ
の発生を防ぐために高い成形温度を用いる必要があり、
その結果成形体の耐候性が劣るという問題があったので
ある。
【0005】上記技術的な背景から、軟質塩化ビニル樹
脂の成形分野において、低い成形温度の適用が可能な、
難溶融性粒子の含有量の少ない塩化ビニル重合体が求め
られている。
【0006】従来、フィッシュアイの生成が少なく、重
合安定性の高い塩化ビニル系重合体の製造方法として、
ケン化度が65〜75モル%の高部分ケン度ポリビニル
アルコールとケン化度が35〜45モル%の低部分ケン
化ポリビニルアルコール及びメトキシ基の含有量が28
〜30%でヒドロキシ基の含有量が7〜12のメチルヒ
ドキシプロピルセルロースを併用する方法(特開昭61
−152703号公報)や、平均粒子0.1〜10μm
の塩化ビニル系ペーストレジン存在下での懸濁重合法
(特開昭61−190542号公報)や、ケン化度が6
5〜75モル%の部分ケル化ポリビニルアルコールとヒ
ドロキシプロポキシ基含有量が50〜80%ノヒドロキ
シプロピルセルロースとを併用する方法(特開昭63−
275606号公報)などが知られているが、いずれの
方法もフィッシュアイの改良が不十分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、難溶融性
粒子の含有量が少なく、かつ大半の重合体粒子が多孔質
で可塑剤吸収性に優れる粒子で占められる塩化ビニル系
重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決すべく
鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、塩化ビニル系重
合体の水性懸濁重合方法において、ケン化度の異なる2
種類のポリビニルアルコールを分散剤として使用し、重
合途中での水の添加容量をコントロールすることによ
り、上記目的を達成できることを見いだし、本発明を完
成させたものである。
【0009】即ち本発明は、塩化ビニル系単量体を水性
媒体中で懸濁重合して塩化ビニル系重合体を製造する塩
化ビニル系重合体の製造方法において、(A)ケン化度
が75〜85モル%であり、かつその4重量%水溶液の
20℃における粘度が30〜50cpsであるポリビニ
ルアルコール及び(B)ケン化度が30〜55モル%で
あり、かつ容量比で1:1の水−メタノール混合溶媒で
の、その10重量%溶液の20℃における粘度が7〜2
3cpsであるポリビニルアルコールからなる分散剤を
使用し、かつ重合中に重合の進行に伴い生じる懸濁液の
体積減少量を超えない量の水を一括または分割で重合系
に添加することにより、重合転換率が50〜70%に達
した時点の懸濁液の体積を重合開始前の懸濁液の体積と
同量にして、重合を継続させることを特徴とするもので
ある。
【0010】本明細書中、ポリビニルアルコールのケン
化度とは、JIS K6726のポリビニルアルコール
試験方法に従うもので、下記に示すJIS試験に準拠し
て求めるものを言う。
【0011】(JIS K6726の「5.試験方法」
より)5.2ケン化度 5.2.1 試薬 試薬は次による。 (1)N/5,N/10水酸化ナトリウム溶液 JIS
K8576〔水酸化ナトリウム(試薬)〕の1級で調
整し標定(1) を行う。 (2)N/5,N/10硫酸 JIS K8951〔硫
酸(試薬)〕の1級で調製。 (3)フェノールフタレイン JIS K8006(試
薬の含量試験中標定に関する基本事項)の3.により調
製。 (4)スルファミン酸 JIS K8005(容量分析
用標準試薬)のスルファミン酸。 (5)ブロムチモールブルー JIS K8006の
3.により調製。 注(1) N/10水酸化ナトリウム溶液の標定 デシケー
ター中で乾燥したスルファミン酸2〜2.5gを正確に
量り取り、水を加えて250mlとする。この溶液25
mlを用いて、ブロムチモールブルーを指示薬として標
定する。
【0012】5.2.2 器具 器具は次による。 (1)共せん付三角フラスコ 300ml (2)ビュレット 50ml,最小目盛0.1ml (3)ホールビペット 25ml (4)化学はかり ひょう量100〜200g,感量1
mg
【0013】5.2.3 操作 (A)ケン化度97モル(%)以上の場合 原試料約3
gを共せん付三角フラスコに正確に量り取り、水約10
0mlを加えて加温溶解し、冷却後N/10水酸化ナト
リウム溶液25mlを加え、常温で2時間以上静置す
る。次にN/10硫酸25mlを加え、過剰の硫酸をN
/10水酸化ナトリウム溶液でフェノールフタレインを
指示薬として微紅色を呈するまで滴定し、その滴定量を
amlとする。別に空試験を行い、この空試験に要した
N/10水酸化ナトリウム溶液の滴定量をbmlとし、
次に式により小数点以下2けたまで求め、純分に対する
残存酢酸基の質量(%)及びケン化度モル(%)を算出
する。 ここにA:残存酢酸基の質量(%) B:残存酢酸基のモル(%) C:ケン化度モル(%) s:原試料の質量(g) P:純分(%) F:N/10水酸化ナトリウム溶液の力価
【0014】(B)ケン化度97モル(%)未満の場合
原試料約0.5gを共せん付三角フラスコに正確に量
り取り、水約100mlを加えて加温溶解し、冷却後N
/5水酸化ナトリウム溶液25mlを加え、常温で2時
間以上静置する。次にN/5硫酸25mlを加えて過剰
の硫酸をN/10水酸化ナトリウム溶液でフェノールフ
タレインを指示薬として微紅色を呈するまで滴定する。
別に空試験を行い、5.2.3の(A)の式によって小
数点以下2けたまで求め、ケン化度モル(%)を算出す
る。
【0015】本明細書中、ポリビニルアルコールの粘度
とは、JIS K6726のポリビニルアルコール試験
方法に従うもので、下記に示すJIS試験に準拠して求
めるものを言う。
【0016】(JIS K6726の「5.試験方法」
より)5.8粘度 5.8.1 器具 器具は次による。 (1)三角フラスコ 500ml (2)粘度計(1) 同期電動回転式粘度計 (3)上ざらはかり ひょう量100〜200g,感量
0.1g (4)恒温水そう 注(1) JIS K2807(石油製品用毛管式動粘度試
験器)に規定するウベローデ粘度計1Aまたはヘプラー
粘度計を用いてもよい。
【0017】5.8.2 操作 原試料12gを各々3
個、上ざらはかりで量り取り、三角フラスコに入れる。
【0018】次の式によって所定濃度(3.8.4.0
及び4.2%)になるように水を加えて30分間放置す
る。 ここにWa :水の添加量(ml) R :揮発分(%) C1 :所定溶液の濃度(%)
【0019】次に湯浴中でかき混ぜながら加温溶解(1)
する。これを室温近くまで冷却し、20±0.1℃の恒
温水そう中に入れこの試験溶液の温度を20℃にすると
ともに完全に脱ぽうする。
【0020】次に粘度計を用いて20±0.1℃の場合
の粘度を測定し、センチボアズで表し、同時に濃度(2)
を測定する。
【0021】グラフの縦軸に粘度を、横軸に測定した濃
度(%)を取り関係曲線を引き、4%粘度(cP)(P
a・s)を小数点以下1けたまで求める(3) 。 注(1) ケン化度97モル(%)以上の場合は液温95〜
98℃で2時間、ケン化度97モル(%)未満の場合は
液温78〜81℃で2時間とする。 注(2) 濃度測定 試験溶液約5gをあらかじめ質量の分
かったはかりびんに化学はかりで正確に量り取り、焦げ
ないように蒸発乾固し、105±2℃で恒量になるまで
乾燥してデシケーター中で冷却し、その質量を量り濃度
(%)を求める。 ここに Cm :濃度(%) r :残さ(g) a :試験溶液の質量(g) 注(3) 粘度を表す場合は必ず使用した粘度計を付記す
る。回転式粘度計の場合にはロークと回転数を付記する
ものとする。ただし、Pa・sの換算率は1cP=10
-3Pa・sである。
【0022】以下本発明について、更に詳しく説明する
と、本発明方法においては、分散剤として、(A)特定
の高部分ケン化ポリビニルアルコールと、(B)特定の
低部分ケン化ポリビニルアルコールとを併用する。
【0023】以下これについて更に詳しく説明すると、
本発明方法においては、分散剤として、以下に説明する
特定の2種の部分ケン化ポリビニルアルコールを併用す
る。
【0024】本発明において用いられる、上記の(A)
のポリビニルアルコールは、ケン化度が75〜85モル
%かつその4重量%水溶液の20℃における粘度が30
〜50cpsのものであるが、より好ましくは、ケン化
度が78〜82モル%かつ4重量%水溶液の20℃にお
ける粘度が37〜45cpsのものである。その好まし
い使用量は、塩化ビニル系単量体100重量部当たり
0.10〜0.02重量部、より好ましくは0.05〜
0.03重量部である。(A)の量が、0.10重量部
を超えるとフィッシュアイの発生が多くなり易く、一
方、0.02重量部未満であると重合安定性が低下し易
い。
【0025】また、上記(B)のポリビニルアルコール
は、ケン化度が30〜55モル%であり、かつ容量比で
1:1の水−メタノール混合溶媒での、その10重量%
溶液の20℃における粘度が7〜23cpsのものであ
るが、より好ましくは、ケン化度が45〜51モル%で
あり、かつ容量比で1:1の水−メタノール混合溶媒で
の、その10重量%溶液の20℃における粘度が7〜1
0cpsのものである。その好ましい使用量は、塩化ビ
ニル系単量体100重量部当たり0.20〜0.03重
量部、より好ましくは0.15〜0.05重量部であ
る。(B)の量が、0.20重量部を超えるとフィッシ
ュアイの発生が多くなり易く、一方、0.03重量部未
満であると重合安定性が低下し易い。
【0026】ポリビニルアルコールの全添加量は、0.
05〜0.30重量%が好ましい。
【0027】分散剤として上記以外の公知の分散剤を併
用しても差し支えはない。併用できる分散剤としては、
ケン化度が85モル%以上のポリビニルアルコール、ケ
ン化度が55〜70モル%のポリビニルアルコール等の
部分ケン化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロ
ピルセルロース等の水溶性セルロースエーテル類、アク
リル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体、ゼラチン、
デン粉等のような保護コロイド性の高分子化合物、天然
高分子化合物、高級脂肪酸と多価アルコールとのエステ
ル類、ポリオキシエチレン誘導体等のノニオン界面活性
剤、高級脂肪酸の金属塩、高級アルコール硫酸エステル
のアルカリ塩等のアニオン界面活性剤などが挙げられ
る。
【0028】本発明の実施に際して、重合開始時におけ
る水/仕込塩化ビニル系単量体の比率は、1.0〜1.
7とすることが好ましく、より好ましくは1.1〜1.
5である。
【0029】重合開始時における水/仕込塩化ビニル系
単量体が1.0未満であると、重合が不安定になり、生
成する塩化ビニル系樹脂の粒子粒が不均一化を生じる。
重合開始時における水/仕込塩化ビニル系単量体が1.
7を超えると、重合は安定に行えるが、重合開始時の塩
化ビニル系単量体の仕込量が減るために、生産性が低く
なる。
【0030】重合開始後、重合系の懸濁液の体積は、重
合の進行に伴い減少するが、本発明においては、重合転
換率が50〜70%、より好ましくは55〜65%に達
した時点の懸濁液の体積が重合開始前の懸濁液の体積と
同量になるように、水を重合系に添加する必要がある。
【0031】水の添加方法は、一括でも分割でも良く、
添加時期は、重合開始後から重合転換率が50〜70%
に達するまでの期間中の任意な時期で良いが、添加量は
添加の時点における懸濁液の体積が重合開始前の懸濁液
の体積を超えない量であることが必要であり、重合転換
率が50〜70%に達した時点では、懸濁液の体積が重
合開始前の懸濁液の体積と実質的に同量、具体的には重
合開始前の懸濁液の体積の98〜102%程度となるよ
うな水量が添加されている必要がある。水の添加量が、
上記102%を超えると、重合容器内にスケール付着が
発生し易く、一方98%未満であると重合熱の除去が不
十分となり、フィッシュアイが多く発生する。
【0032】上記のように、重合に伴い生じる懸濁液の
体積減少量を超えない水量を重合途中に添加することに
より、本発明においては重合の後半、即ち重合転換率が
50〜70%の時点以降の重合を安定に行うことがで
き、その結果重合後半から末期に生じる難溶融性粒子の
量が極めて少ない。
【0033】重合転換率が70%を超えた時点で、重合
系の懸濁液量を調節しても、時期が遅過ぎ、難溶融性粒
子の発生のために、フィッシュアイの多い重合体しか得
られない。
【0034】一方、重合転換率が50%未満の時点で、
重合系の懸濁液量を重合開始前の懸濁液量と同量に調節
しておいても、重合転換率が50%に達した時点で、上
記の状態が維持されていないと、フィッシュアイの多い
重合体しか得られない。
【0035】重合系の懸濁液の体積減少は、時間対重合
転換率の関係を予め実験で求めておき、次式によって算
出することができる。 体積減少(ΔV)=(単量体仕込み量)×(転換率)×
〔(1/単量体密度)−(1/1.4)〕
【0036】本発明においては重合触媒として各種のラ
ジカル重合触媒を用いることができる。例えば、公知の
油溶性ラジカル触媒が使用される。好ましく使用できる
触媒は、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、カプロイルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルパーオキシネデカノエート、ジ(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリーヘ
キシルパーオキシネオヘキサノエート、イソブチリルパ
ーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエートなど
の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニト
リル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ2,4−ジメ
チルバレロニトリルなどのアゾ化合物あるいはそれらの
組み合わせである。
【0037】本発明において、重合触媒の全添加量は、
塩化ビニル系単量体100重量部当たり0.02〜0.
20重量部が好ましく、更に好ましくは0.03〜0.
15重量部である。
【0038】本発明において、本発明の目的を損なわな
い範囲において、他の添加剤を任意に併用することがで
きる。このような添加剤として、例えば、アルコール
類、脂肪酸類、エステル類、緩衝剤等が挙げられる。
【0039】本発明において、塩化ビニル系単量体は、
塩化ビニル単量体それ自身であるか、または塩化ビニル
単量体及びそれと共重合可能な単量体、例えばエチレ
ン、プロピレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテ
ル、アクリル酸もしくはメタクリル酸及びそのエステル
類、マレイン酸もしくはフマール酸及びそのエステル酸
等の単量体混合物である。単量体混合物を用いる場合、
共重合単量体は、塩化ビニルに対し15重量%を超えな
い範囲で共存させることが好ましい。
【0040】本発明の実施に際し、重合反応温度は40
〜70℃の範囲が好ましい。また重合時間は、7〜10
時間が適当である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、安定な重合が可能であ
り、粒度分布的にも良好な塩化ビニル系重合体粉末が得
られる。しかも、該重合体粉末は、多孔性形状を有し可
塑剤吸収性に優れる粒子からなり、加熱溶融性に劣る難
溶融性粒子を僅かにしか含んでいない。
【0042】従って、本発明による塩化ビニル系重合体
は、軟質塩化ビニル樹脂用に極めて好適であり、従来の
塩化ビニル懸濁重合体を使用すると多数のフィッシュア
イが発生するような成形条件を採用しても、本発明の重
合体によれば、フィッシュアイの極めて少ない軟質塩化
ビニル樹脂成形体を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。
【0044】以下の実施例において、粒度分布、重合時
間に対する重合転換率及びフィッシュアイの測定は、以
下の方法で測定した。
【0045】粒度分布の測定方法:ふるい振とう方によ
り測定した
【0046】重合転換率の測定方法:内容積5リットル
のオートクレーブに脱イオン水2800g、ケン化度が
78〜82モル%のポリビニルアルコール0.7g、ケ
ン化度が45〜51モル%のポリビニルアルコール2.
4g、クミルパーオキシネオデカノエート0.3g、ジ
(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート0.
4g及びターシャリーヘキシルパーオキシネオデカノエ
ート0.9gを仕込み、オートクレーブ内の空気を真空
ポンプで除去した。しかる後塩化ビニル単量体1750
gを装入し撹拌下51℃で重合を開始した。重合開始後
1時間毎に重合を停止させ、そのときの塩化ビニル樹脂
の重量を測定し、転換率を計算し、重合時間と転換率の
関係を求めた。結果は、図1のとおりである。以下の実
施例1〜3及び比較例1で採用した重合条件は、上記重
合条件と基本的に同一である。
【0047】フィッシュアイの測定方法:各例で得られ
た各塩化ビニル系重合体100重量部、トリメリット系
可塑剤50重量部、二塩基性鉛5重量部、ステアリン酸
鉛1重量部を混合後、直径8インチ回転数19/21r
pmの2本のロールを170℃に加熱して、0.5mm
のロール間隔でそれぞれ4分間混練し、シートを作成す
る。しかる後10cm×10cmの面積に存在するフィ
ッシュアイの数を数える。
【0048】実施例1 内容積5リットルのオートクレーブに脱イオン水280
0g、ケン化度が78〜82モル%のポリビニルアルコ
ール0.7g、ケン化度が45〜51モル%のポリビニ
ルアルコール2.4g、クミルパーオキシネオデカノエ
ート0.3g、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジ
カーボネート0.4g及びターシャリーヘキシルパーオ
キシネオデカノエート0.9gを仕込み、オートクレー
ブ内の空気を真空ポンプで除去した。しかる後塩化ビニ
ル単量体1750gを装入し攪拌下51℃で重合を開始
した。重合開始後2時間、3時間、3.5時間、4時
間、5時間目にそれぞれ脱イオン水を100gずつ圧入
した。その後同じ条件で重合を継続し、重合開始後8時
間で、オートクレーブ内圧力が2kg/cm2 減少した
ので重合反応を停止した。
【0049】実施例2 重合開始後3時間、5時間目にそれぞれ脱イオン水を2
50gずつ圧入した。その他は、実施例1と同じ条件で
重合を行った。
【0050】実施例3 重合開始後3.5時間目に脱イオン水200g、更に4
時間、4.5時間、5時間目にそれぞれ脱イオン水10
0gずつ圧入した。その他は、実施例1と同じ条件で重
合を行った。
【0051】比較例1 水圧入を行わない他は実施例1と同じ条件で重合を行っ
た。
【0052】実施例1〜3、比較例1の評価 上記実施例1〜3、比較例1〜3で得られた重合生成物
について、収率、及び前記した方法により粒度分布、重
合安定性、及びフィッシュアイの評価の測定を行った。
その結果を表1に示す。
【0053】表1から理解されるように、実施例1〜に
より得られた塩化ビニル粒子は、120−200Mの範
囲の粒度のものが8割以上であって、粒子径が均一であ
る度合いが高く、重合が安定であったことがわかる。ま
た、フィッシュアイも、その発生の少ないものであっ
た。重合安定性も良好であった。
【0054】これに対し、比較例1のものは、粒度分布
が広く、重合安定性も良好でなかったことがわかる。フ
ィッシュアイの評価も低く、好ましいものではなかっ
た。
【0055】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3及び比較例1で採用された重合条
件下での重合時間−転換率の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峰村 広 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 浅田 直則 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 藤木 芳人 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
    重合して塩化ビニル系重合体を製造する塩化ビニル系重
    合体の製造方法において、(A)ケン化度が75〜85
    モル%であり、かつその4重量%水溶液の20℃におけ
    る粘度が30〜50cpsであるポリビニルアルコール
    及び(B)ケン化度が30〜55モル%であり、かつ容
    量比で1:1水−メタノール混合溶媒での、その10重
    量%溶液の20℃における粘度が7〜23cpsである
    ポリビニルアルコールからなる分散剤を使用し、 かつ重合中に重合の進行に伴い生じる懸濁液の体積減少
    量を超えない量の水を一括または分割で重合系に添加す
    ることにより重合転換率が50〜70%に達した時点の
    懸濁液の体積を重合開始前の懸濁液の体積と同量にし
    て、重合を継続させることを特徴とする塩化ビニル系重
    合体の製造方法。
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