JPH0615733B2 - ヘルド - Google Patents

ヘルド

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JPH0615733B2
JPH0615733B2 JP14329585A JP14329585A JPH0615733B2 JP H0615733 B2 JPH0615733 B2 JP H0615733B2 JP 14329585 A JP14329585 A JP 14329585A JP 14329585 A JP14329585 A JP 14329585A JP H0615733 B2 JPH0615733 B2 JP H0615733B2
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JP
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heald
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喬 石井
一 小浜
久雄 矢部
明 矢野
信介 能任
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Priority to CN86102733A priority patent/CN1033763C/zh
Priority to CH1585/86A priority patent/CH671034A5/de
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Publication of JPH0615733B2 publication Critical patent/JPH0615733B2/ja
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【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は織機に用いるヘルドに関する。
〔従来の技術的背景とその問題点〕
織機に用いるヘルドは、一般に、図面で示すように中央
部に経糸(たて糸)を通すための通称目孔と呼ばれる糸
挿通孔1を設け、両端部には枠体に取付けるヘルドバー
を挿通するための取付孔2,2を設けたものである。そ
して、ヘルドはフレームに対して多数平行に並べてヘル
ドバーを介して取付け、前記フレームの上下動によりヘ
ルドを一体に動かして前記糸挿通孔2に通した経糸に上
下振動を与えている。一般にこのヘルドは鉄系材料で形
成されている。
しかして、このように用いられるヘルドは、その用途上
次のごとき問題を有している。ヘルドがフレームと一緒
に上下動する時に、ヘルドの両端部に設けた取付孔2,
2が金属製のヘルドバーと摺接し、且つ中央部に設けた
糸挿通孔1が経糸と摺接する。このため、ヘルドの取付
孔2,2部はヘルドバーとの摩擦により著しく磨耗し、
ついには破断してしまいヘルドバーからヘルドが外れる
こともある。また、ヘルドの糸挿通孔1部は、ここを通
る経糸との摩擦により表面に傷がつき、この傷によりた
て糸にけば立ちが発生して布の風合いを低下させてい
る。さらに、ヘルドの表面には、最近よこ糸を動かすた
めに採用されているウォータージェット方式に用いる水
(天然水)の飛沫が付着し、この水に含まれる異物がヘ
ルドを形成する金属と反応してヘルド表面に異物層とし
て付着する。そして、この異物層により糸挿通孔1を通
る経糸がけば立ち、且つこの異物層は異物の付着の増大
により厚肉となって隣接する他のヘルドの異物層と接触
しヘルドの動きを阻害する原因となっている。
そこで最近では、前記のような問題に対処して、ヘルド
バーおよび経糸との摩擦によるヘルドの母材表面の磨耗
を防止し、且つ母材表面への異物の付着を防止するため
に、ヘルドの母材表面にこの母材とは異なる表面層を形
成することが試みられている。
ヘルドに形成する表面層に対しては次のごとき要求がな
されている。まず、ヘルドバーおよび経糸の磨耗に充分
耐え得る優れた耐磨耗性を有することである。しかも、
このような優れた耐摩耗性を有しつつ、その層厚が小さ
く、また母材表面に強固に形成できることである。表面
層を形成するに際しては、母材の性質を劣化させること
がなく、表面層形成後に研摩加工などの仕上げ加工が不
要であることである。これは、ヘルドは大変小型である
ために、表面層の仕上げ加工は大変面倒であるためであ
る。
しかして、ヘルドの母材表面に表面層を形成する方法と
しては、メッキ法、PVD(物理蒸着)法、CVD(化
学蒸着)法、溶射法などが試みられている。
しかしながら、これらの各形成方法は夫々前記表面層に
対して要求される条件を全て満足できるものではなく、
実用化に至っていない。
〔発明の目的〕
本発明は前記事情に基づいてなされたもので、層厚さが
薄いものでありながら耐磨耗性および異物排除性に優
れ、しかも母材を劣化させずに容易且つ強固に形成でき
る表面層を有するヘルドを提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明のヘルドは、鉄を主体とする母材の表面に、クロ
ム化合物から加熱によって変換された酸化クロムを主成
分とし、且つ母材との境界に母材と酸化クロムとの反応
部を有する表面層を形成したことを特徴とするものであ
る。
本発明のヘルドは、鉄を主体とする材料、例えばステン
レス鋼、炭素鋼などからなる材料を用いた板材またはワ
イヤを母材とするものである。
このヘルドの母材表面に形成する表面層は、クロム化合
物から加熱により変換された酸化クロムを主成分とする
コーティング層であり、酸化クロム(Cr2O3)同士が強固
に結合したち密な組織を有する耐磨耗性に優れたもので
あり、また異物を排除する性質および耐薬品性にも優れ
ている。特にこの表面層は母材との境界に母材と酸化ク
ロムとの反応部を有しているので、母材に対して大きな
接合強度(500kgf/cm2以上)で接合し母材との密着
性に優れている。また、析出するCr2O3系セラミックス
は、粒径が、1μm以下と微細であるため気孔がほとん
どない緻密で平滑な層が得られる。なおこの層は、極め
て硬く、ピッカース硬度で、500以上のものを得るこ
とができる。
表面層にクロム酸化物(Cr2O3)を用いるのは、硬度の向
上と摩擦係数を低下させるためである。
このような表面層を有するヘルドは次に述べる製造方法
により製造する。この製造方法では、まず母材の表面に
塗布や浸漬などの手段によりCrO3を主成分とする液を付
着させる。次いでCrO3液を付着した母材を温度500〜
600℃(好ましくは550℃付近)で焼付して酸化処
理を施し、母材表面部にCr2O3を主成分とする層を形成
する。焼成温度を500〜600℃とするのは、CrO3
Cr2O3に変化させるためである。そしてこの付着工程と
焼付工程を組合せて1サイクルとして複数サイクルに繰
り返すことにより、母材表面にCr2O3を主成分とするち
密で強固なセラミックスコーティング層すなわち表面層
を形成する。層厚は1〜50μである。コーテイング層
の厚さは前記の処理を繰り返す回数によりコントロール
する。ヘルドの動きを軽快にし、且つ各ヘルド間の隙間
を確保して各ヘルドの動きを阻害しないようにするため
には、コーティング層の厚さが薄い方が好ましく10μ
m以下がよい。更に好ましくは5μ以下がよい。なお、
焼付温度は500〜600℃であるために母材を劣化さ
せることがない。
さらに、前記の製造方法の前段階において、母材に骨材
としてAl2O3,SiO2等の耐摩耗粒子を含むCrO3からなる
液を付着する工程と、この付着後に温度約550℃焼付
ける工程を組合せて行なうと、耐摩耗性及び忍材との密
着力がより優れた表面層を形成できる。
しかして、このように表面層を有するヘルドアにおい
て、両端部の取付孔を覆う表面層はヘルドバーとの摩擦
による磨耗が少なく、このためフルドバーとの摩擦によ
り取付孔部が磨耗して破損しヘルドバーから外れること
がない。またヘルド中央部の糸挿通孔では、この部分を
被覆する表面層により径糸のけば立ちが殆んど発生せ
ず、且つ表面層は径糸との摩擦による摩耗量が少ない。
さらに、表面層はウォータジェットに用いる水などに含
まれる異物との反応を拒否する性質、すなわち耐食性な
どの性質を有しており、このため異物層により径糸がけ
ば立ったり、異物層が隣接する他のヘルドとの間隙を埋
めてヘルドの動きを阻害することがない。従って、表面
層を有するヘルドを用いることにより、径糸のけば立ち
が殆んどなく風合いの良い布を得ることができる。そし
て、表面層はヘルドの母材を劣化させることなく形成で
き、形成後に表面層に対して仕上げ加工する必要もな
い。また、表面層は母材に対して強固に結合して剥離す
ることがないので、ヘルドを長期にわたり良好に使用す
ることができる。表面層は薄い層厚で形成できるので、
各ヘルドの間隙寸法を減少させてヘルドルの動きを阻害
することもない。
〔発明の実施例〕
次に本発明のヘルドの実施例について説明する。
長さ302mm、幅2mm、厚さ0.3mmのステンレス銅材
の表面に浸漬法によりCr2O3を主成分とする液を付着
し、その後に温度約550℃で焼付けを行ない、この工
程を1サイクルとして約15サイクル繰り返すことによ
り、前記素材の表面に約3μの表面層を形成した。この
ようにして表面層を有するヘルドを製作し、このヘルド
の取付孔にベルドバーを通して枠体に取付けた。そして
この枠体を織機に組込んで使用した。
また、比較例としてスレンレス鋼材を使用し、表面処理
を施こさずにヘルドを製作し、このヘルドを織機に組込
んで使用して比較した。
本発明のヘルドを使用すると、従来のヘルドに比して径
糸のけば発生率が格段に減少し、織物の品位が良好とな
り歩留りが向上した。本発明のヘルドは、耐摩耗性に優
れており、最初に設定した平滑さを長期間維持できると
ともに、異物を付着を防止できる。
本発明のヘルドは、軽快に動作するとともに、ヘルドバ
ーを通した取付孔の破損が生じないため、織機の高速化
が可能となり、織成能率が向上した。
本発明のヘルドによれば、従来に比して経糸の巻量を大
幅に増大できるとともに、従来の引通しから経つなぎへ
の変更が可能となり、経糸交換の回数を減少させるとと
もに、経糸交換の労力を減少できる。
本発明のヘルドに用いた表面層は、母材との密着性が良
好であり、ヘルドの運動によって割れたり、剥離するこ
とがなかった。また、この表面層はきわめて薄いため
に、母材の剛性を損ねることがなく、織上った織物の品
位、風合いは、従来のものと同等以上であった。
また、本発明のヘルドは、糸に付着している油剤により
腐食されることがなく、かえって油剤による糸のすべり
度合をより好ましい状態にしているものと思われる。
なお、本発明のヘルドは、表面層生成工程で高温にさら
されることがないため母材の劣化がない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、強固な表面層を有
し、耐久性に優れたヘルドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図面はヘルドを示す正面図である。 1……糸挿通孔、2……取付孔。
フロントページの続き (72)発明者 小浜 一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜金属工場内 (72)発明者 矢部 久雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜金属工場内 (72)発明者 矢野 明 石川県金沢市野町4丁目5番22号 株式会 社矢野工作所内 (72)発明者 能任 信介 石川県金沢市高岡町7の40 株式会社能任 七内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の表面に、クロム化合物から加熱によ
    って変換された酸化クロムを主成分とし、且つ前記母材
    との境界に母材と酸化クロムとの反応部を有する表面層
    を形成したことを特徴とするヘルド。
JP14329585A 1985-04-17 1985-06-29 ヘルド Expired - Lifetime JPH0615733B2 (ja)

Priority Applications (5)

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JP14329585A JPH0615733B2 (ja) 1985-06-29 1985-06-29 ヘルド
KR1019860002840A KR890001929B1 (ko) 1985-04-17 1986-04-14 내마모성을 향상시킨 섬유기계 부품
US06/852,219 US4822662A (en) 1985-04-17 1986-04-15 Machine parts with wear-resistant surface brought into contact with elongated fibrous member
CN86102733A CN1033763C (zh) 1985-04-17 1986-04-17 与细长纤维接触的抗磨表面的机器部件及其制备方法
CH1585/86A CH671034A5 (ja) 1985-04-17 1986-04-17

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DE19932685A1 (de) * 1999-07-13 2001-01-18 Grob Horgen Ag Horgen Weblitzensystem

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