JPS6260766A - 軟質線状体の摺動部に用いる部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は軟質線条体との摺動部分、例えば織機において
糸と摺接した状態で用いられる部品に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

布を織る織機においては、経糸や緯糸に摺接して使用さ
れる複数種の部品が設けられており、これらの部材とし
てはテンシ、ンローラ、メジャリングローラ、ヤーンフ
ックおよびニードルなどが挙げられる。例えばテンショ
ンワッシャは、２枚のワッシャの間に糸を通し適正な張
力を与えるものであう、メジャリングローラは織巾に応
じた緯糸を貯留するものであシ、ヤーンフ、りは糸をひ
っかけて保持するものであり、ニードルは糸を編みこん
でいくための針状のものである。一般にこれらの部品は
鉄系材料で形成されている。

しかして、これらの部品はその用途上次のような問題を
有している。すなわち、これらの部品は経糸または緯糸
と摺接する状態で動作するために、糸との摺接時に糸に
対する滑りが良くないと、糸にけば立ちを生じ布の風合
いを損ねるという問題がある。従って、これらの部品に
対しては、その表面が糸と接触した時に糸が引掛ること
なく良好な滑りを生じるように、すべりの良い面である
ことが要求される。また、部品の表面は糸との摺接によ
り摩耗するので、この摺接に耐え得る耐摩耗性を有する
ことが要求される。

そこで最近では、前記の各部品においては、前記の問題
に対処して、糸との摺接する時に糸のけば立ちをなくし
、布の風合いの低下を防止するために、部品の母材表面
に、この母材とは異なる表面層を形成することが試みら
れている。

これらの部品に形成する表面層に対しては次のような要
求がなされている。すなわち、部品が糸と接触した時に
、糸が良好にすべる平滑性つまシすべり性を有すること
である。また、糸との摺接に耐え得る耐摩耗性を有する
ことである。さらに、母材表面に強固に形成でき、その
形成に際しては母材の性質を劣化させることがなく、形
成後に研摩加工などの仕上げ加工が不要なことである。

さらに寸法形状が小さく複雑形状を有するものでも容易
に形成できること等である。

しかして、前記部品の母材表面に表面層を形成する方法
としては、メッキ法、Ｐ■（物理蒸着）法、ＣＶＤ　（
化学蒸着）法、溶射法などが試みられている。

しかしながら、これらの各形成方法は夫々前記表面層に
対して要求される条件を全て満足できるものではなく、
実用化に至っていない。

〔発明の目的〕

本発明は前記事情に基づいてなされたもので、表面のす
ベシ性が良く且つ耐摩耗性に優れ、しかも母材を劣化さ
せることなく容易且つ強固に形成できる表面層を有する
軟質線条体の摺動部に用いる部品を提供することを目的
とする。

〔発明の概要〕

本発明の部品は、鉄を主体とする母材の表面に、クロム
化合物から加熱によって変換された酸化クロムを主成分
とし、且つ母材との境界に母材と酸化クロムとの反応部
を有する表面層を形成したことを特徴とするものである
。

本発明が対象とする部品は、例えば織機の経糸や緯糸と
摺接して用いられる、テンションワッシャ、メジャリン
グローラ、ヤーンフックおよびニードルなどや各種テー
プのがイド部材などが挙げられる。

本発明の部品は、鉄を主体とする材料、例えばステンレ
ス鋼、炭素鋼などからなる材料を母材とする。

この部品の母材表面に形成する表面層は、クロム化合物
から加熱によシ変換された酸化クロム（Ｃｒ２０Ｂ　）
同士が強固に結合したち密な組織全有する表面の平滑性
と耐摩耗性に優れたものである。すなわち、この表面層
は、析出するＣｒ２Ｏ５系セラミ、クスの粒径が極めて
微細（１μｍ以下）であるために、気孔がほとんどない
ち密で半周な膚であり、かつ薄く形成できるため母材の
特性（弾性等）を有効に生かすことができる。また、こ
の表面層は、硬度も充分にありビッカース硬度（）ｒＶ
　）で５００以上のものが得られる。さらに、この表面
層は、母材との境界に母材と酸化クロムとの反応部を有
しているので、母材に対して大きな接合強度（５００ｋ
ｉ９　ｆ　７ｃｍ２以上）で接合し、母材との密着性に
優れている。

さらにまた、この表面層は耐食性に優れているとともに
、異物を排除する性質および耐薬品性にも優れている。

表面層にクロム酸化物（Ｃｒ２０５）を用いるのは、硬
度の向上と摩擦係数を低下させるためである。

このような表面層を有する部品は次に述べる製造方法に
よシ製造する。、この製造方法では、まず母材の表面に
塗布や浸漬などの手段によシＣｒ０３ｔｌ−主成分とす
る液を付着させる。次いでＣｒ　０３液を付着した母材
を温度５００〜６００℃（好ましくは５５０℃付近）で
焼付して反応処理を施し、母材表面部１ｃ　Ｃｒ２Ｏ３
を主成分とする層を形成する。焼成温度を５００〜６０
０℃とするのは、ＣｒＯ５をＣｒ２Ｏ５に変化させるた
めである。そしてこの付着工程と焼付工程を組合せて１
サイクルとして複数サイクルに繰シ返すことによシ、母
材表面にＣｒ２Ｏ５を主成分とするち密で強固なセラミ
ワクスコーチ４フフ層すなわち表面層を形成する。層厚
は１〜５０μである。

コーティング層の厚さは前記の処理を繰り返す回数によ
うコントロールする。部品の表面層の厚さは２〜６μが
好ましい。なお、焼付温度は５００〜６００℃であるた
めに母材を劣化させることがない。

さらに、前記の製造方法の前段階において、母材に骨材
としてｈｔ２ｏ３．５ｉｏ２等の耐摩耗粒子を含むＣｒ
Ｏ３からなる液を付着する工程と、この付着後に温度約
５５０℃で焼付ける工程を組合せて行なう方法もある。

骨材を入れて表面層を形成する方法と骨材を入れないで
表面層を形成する方法は、部品の用途などの条件を考慮
して選択する。骨材を入れない方法の方が緻密で薄くか
つ平滑な表面層を形成しやすく、また処理温度が低いた
めに、部品の小孔の内部にも表面層を形成し得いという
利点がある。

しかして、このように部品に形成した表面層は、表面の
平滑性つｔ！ｌｌすベシ性に優れている。

このため、部品が経糸や緯糸と摺接して動作する時に表
面層が糸と接触すると、経糸が表面層上を滑らかにすべ
るので、糸にけば立ちが発生せず、布の風合いを損ねる
ことがない。また、表面層は耐摩耗性に優れているので
、糸との摺接により摩耗することがない。さらに、表面
層は耐食性にも優れているので、織機において緯糸搬送
用に採用され・ているクォータジェット方式に用いる水
に触れても腐食することもない。

そして、表面層は部品の母材が高温にさらされることが
ないので、母材の性質を劣化させることなく形成でき、
形成後に仕上げ加工を行なう必要もない。加えて、表面
層は母材に対して強固に結合して剥離することがなく、
部品を長期にわたシ良好に使用することができる。

〔発明の実施例〕

本発明の実施例につい【説明する。

まず、下記の第１表で示す条件により、表面層を形成し
ないもの、本発明により表面層を形成したもの、および
従来法により表面層を形成゛したものに夫々区分して試
験体（ステンレス鋼）を作成した。

第１表 これらの試験体を織機に筬羽として組込み、駆動回転数
的８０　Ｏｒｐｍ　、駆動時間２４時間、使用原糸今人
ＫＳ１５０ｄ／ｆ、糸張力６５〜８５Ｉ糸の巻上速度的
０．３　ｍ　／分の条件で織機を駆動し、各試験体と糸
との摺接による表面の傷の発生状態を調べた。

この試験体表面における傷の発生状態の評価は視覚（例
えばケバ、糸切、風合）及び触覚による観察であり、そ
の評価結果をＷｏ　（傷すｔ、）からＷ、（傷が最もひ
ど〜・）までのランクに区分した。各試験体の評価結果
を下記の第２表に示す・ 第２表 この評価結果によれば、本発明により表面層を形成した
ものが、従来例によう表面層を形成したものに比して傷
の発生が少ないことが判る。

また、本発明例の試験体を用い喪場合と従来例の試験体
を用いた場合における糸の損傷度合を調べた結果、本発
明例の試験体を用い之場合には、糸の損傷が殆んど発生
せず、糸がやわらかい状態であったが、従来例の試験体
を用℃・た場合には、糸の損傷が顕著であり、その後の
糸のけは立ち、糸切れ等によシタ４時の試験続行も不可
能であった。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明の部品によれば、この部品を
織機に用いると、糸とのすベシ性が良く且つ耐摩耗性に
優れた表面層を有することによシ、糸のけば立ちが発生
せず風合いの良い布を得ることができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）鉄を主体とする母材の表面に、クロム化合物から
   加熱によって変換された酸化クロムを主成分とし、且つ
   前記母材との境界に母材と酸化クロムとの反応部を有す
   る表面層を形成したことを特徴とする軟質線状体の摺動
   部に用いる部品。
2. （２）軟質線状体は、織物用糸である特許請求の範囲第
   １項に記載の軟質線状体の摺動部に用いる部品。