JP2002013068A - 金属被覆繊維体とその用途および製造方法 - Google Patents

金属被覆繊維体とその用途および製造方法

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JP2002013068A JP2000394572A JP2000394572A JP2002013068A JP 2002013068 A JP2002013068 A JP 2002013068A JP 2000394572 A JP2000394572 A JP 2000394572A JP 2000394572 A JP2000394572 A JP 2000394572A JP 2002013068 A JP2002013068 A JP 2002013068A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆の密着性および耐久性に優れた金属
被覆繊維体の提供 【解決手段】 金属被覆を設けた繊維体を、該繊維体の
結晶化温度以上であって融解温度未満の温度で加熱熱処
理し、好ましくは、さらに所定の割合で徐冷することに
より、繊維体を再結晶化し、金属被覆の被覆強度を高め
ると共に耐久性を高めて伸縮率を抑制したことを特徴と
する金属被覆繊維体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維体に設けた金
属被覆の密着性に優れ、加熱下での耐久性に優れた金属
被覆繊維体とその用途および製造方法に関する。詳しく
は、例えば、ナイロン繊維体やポリエステル繊維体など
の合成繊維や天然繊維などの表面に金属被覆をコーテン
グした金属被覆繊維体において、金属被覆が優れた密着
強度を有すると共に加熱下での外力に対して優れた耐久
性を有する金属被覆繊維体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン繊維やポリエステル繊維などの
高分子材料からなる合成繊維表面に金属薄膜をコーテン
グした導電性繊維ないし導電性糸が従来から知られてお
り、金属コーテング膜の密着性を高めるために種々の方
法が試みられている。例えば、硫化銅をコーテングする
場合に、銅イオン捕捉基を有する染料で高分子材料を前
処理し、これに銅イオンを結合させた後に硫化する方法
(特公平01-37513号)や、アルカリ処理して粗面化した繊
維表面に銅イオン捕捉基を付着させ、これに硫化銅を結
合させる方法(特開平06-298973号)などが知られてい
る。また、アラミド繊維などのように金属メッキを施し
難いものについては、ポリビニルピロリドン(PVP)を
利用して金属イオンを付着させ、これを還元して金属メ
ッキを形成する方法(特表平06-506267号)などが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記PVP
を利用するメッキ方法は繊維の種類が限られるので一般
的ではない。また、銅イオン捕捉基を導入するコーテン
グ方法は金属被覆が銅やその化合物に限られ、しかも金
属被覆の付着強度が必ずしも十分ではないと云う問題が
ある。なお、繊維をアルカリ処理して粗面化すれば概ね
金属被覆の付着強度を高めることができるが、粗面化の
程度と金属被覆の状態が適切ではないと十分な効果が得
られない。しかも、金属被覆繊維を衣類等に使用する場
合には洗濯や摩耗などの過酷な使用条件に耐える必要が
ある。さらに導電性の観点からは、金属被覆の部分的剥
離によっても断線状態を招くので、金属被覆は信頼性の
高い密着強度を有することが求められる。本発明は、従
来の金属被覆繊維におけるこのような問題を解決したも
のであり、優れた被覆強度を有する金属被覆繊維体とそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者等は、金属被覆を有す
る繊維体に加熱処理を施して繊維体の組織を整えること
により、具体的には、例えば繊維体を加熱処理して結晶
化すれば金属被覆の被覆強度が飛躍的に向上することを
見出した。また、この加熱処理において昇温および冷却
を徐々に行うことによって金属被覆の強度が一層向上す
ると共に耐久性が高まり、繊維体の伸縮率が大幅に小さ
くなることを見出した。本発明はかかる知見に基づくも
のである。
【0005】すなわち、本発明は(1)金属被覆を有
し、金属被覆後に該繊維体の結晶化温度以上であって融
解温度未満の温度で加熱処理したことを特徴とする金属
被覆繊維体に関する。本発明の金属被覆繊維体は、好ま
しくは(2)上記加熱処理の後に徐冷した金属被覆繊維
体、(3)被覆剥離試験において金属被覆が4等級以上
の基準強度を有する金属被覆繊維体、(4)繊維体の結
晶化温度以上であって融解温度未満の温度下における伸
縮率が±4%以下である金属被覆繊維体、(5)繊維体
の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度下、およ
び繊維体のデニール値の100分の1に相当するg荷重
下における伸縮率が±2%以下である金属被覆繊維体で
ある。(6)金属被覆が銀、金、白金、銅、ニッケル、
スズ、亜鉛、バラジウム、またはこれらの混合物ないし
合金からなる導電性金属である金属被覆繊維体、(7)
繊維体1cmについて1デニール当たりの電気抵抗が10
00Ω/cm・テ゛ニール以下である金属被覆繊維体、(8)繊
維体がポリエステル繊維体、ナイロン繊維体またはアク
リル繊維体などの合成繊維体の単繊維体、またはこれら
2種以上の成分からなる複合繊維体である金属被覆繊維
体、(9)金属被覆表面がオレンジピールを呈する金属
被覆繊維体、(10)金属被覆に表面処理が施されてい
る金属被覆繊維体である。
【0006】また、本発明は、(11)上記何れかに記
載する金属被覆繊維体の少なくとも1種を合成繊維、天
然繊維、もしくは合成繊維と天然繊維の混合繊維に混紡
したことを特徴とする混合繊維体、(12)金属被覆繊
維体を混合した合成繊維または天然繊維がおのおの1種
または2種以上である混合繊維体、(13)金属被覆繊
維体の混合量が0.1〜50%である混合繊維体、(1
4)繊維体1cmについて1デニール当たりの電気抵抗が
10000Ω/cm・テ゛ニール以下である導電性混合繊維体、
(15)繊維体が短繊維、長繊維、またはこれらの繊維
からなる各種の糸である金属被覆繊維体、(16)上記
何れかに記載する金属被覆繊維体を含む織布または不織
布に関する。
【0007】さらに、本発明は(17)金属被覆を設け
た繊維体を、該繊維体の結晶化温度以上であって融解温
度未満の温度で熱処理することを特徴とする金属被覆繊
維体の製造方法に関する。本発明は(18)繊維体に金
属被覆を設けた後に、ポリエステル金属被覆繊維体につ
いては170〜240℃、ナイロン金属被覆繊維体につ
いては110〜180℃、アクリル金属被薇繊維体につ
いては150〜200℃の熱処理を施す金属被覆繊維体
の製造方法、(19)加熱処理の昇温割合が1分間に
0.1〜10℃である金属被覆繊維体の製造方法、(2
0)加熱温度を5分以上保持する金属被覆繊維体の製造
方法、(21)加熱温度の保持時間が5分以上であって
200分以内である金属被覆繊維体の製造方法、(2
2)加熱処理の後に徐冷する金属被覆繊維体の製造方
法、(23)1分間に0.1〜10℃の割合で室温まで
徐冷する金属被覆繊維体の製造方法、(24)徐冷温度
が1分間に0.2〜2℃である金属被覆繊維体の製造方
法、(25)加圧水蒸気下もしくは電気炉内で加熱処理
する金属被覆繊維体の製造方法、(26)加熱および徐
冷を窒素ガスまたはアルゴンガスの不活性雰囲気下で行
う金属被覆繊維体の製造方法、(27)短繊維、長繊
維、またはこれらの繊維からなる各種の糸である繊維体
に金属被覆を設けたものを用いる金属被覆繊維体の製造
方法、(28)上記何れかの製造方法によって製造した
金属被覆繊維体を合成繊維または天然繊維に混紡するこ
とを特徴とする製造方法を含む。
【0008】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施態様に基づい
て詳細に説明する。本発明の金属被覆繊維体は、金属被
覆を設けた繊維体を該繊維体の結晶化温度以上であって
融解温度未満の温度で加熱処理し、好ましくは、この加
熱処理後にさらに徐冷したことを特徴とする金属被覆繊
維体である。なお、本発明において繊維体とは、短繊維
(ステープル)、長繊維(フィラメント)、これらの繊維か
らなる各種の加工糸(フィラメント糸、紡績糸など)を云
い、これらを広く含めて繊維体と云う。
【0009】一般に合成繊維はその結晶化温度以上に加
熱すると、繊維および加工糸の何れの場合にも、繊維の
再結晶化によって繊維長さが約10%程度も収縮するこ
とが知られている。繊維体の表面に金属被覆を設けるこ
とによって、この加熱による繊維の収縮をある程度は抑
制できるが、金属被覆後の処理が適切でないと熱収縮を
抑制する効果は十分ではない。
【0010】本発明は、金属被覆を設けた繊維体につい
て、繊維体の結晶化温度以上および融解温度未満の温度
範囲で加熱処理し、好ましくは加熱処理後に所定の割合
で徐冷することによって、繊維体の組織を整え、具体的
には、例えば繊維体の再結晶化を進め、金属被覆の被覆
強度を格段に高めると共に加熱による収縮を大幅に抑制
したことを特徴とする金属被覆繊維体である。
【0011】一般に、ポリエステル、ナイロン、ポリア
クリル等の合成繊維を加熱すると、加熱温度に応じてガ
ラス転移、結晶化、融解(溶融)と次第に状態が変化し、
多くの場合にはガラス転移によって軟化し、続いて結晶
化の段階で大きく収縮する。本発明は例えばこの現象を
利用して金属被覆の密着強度を高めたものである。すな
わち、金属被覆繊維体をその繊維体の結晶化温度以上に
加熱して繊維体表面を軟化させる。軟化した繊維体の表
面は金属被覆との接触面の微細な凹凸に入り込み、アン
カー効果によって金属被覆と繊維体との密着性を高め
る。具体的には、例えば、ポリエステル繊維については
170〜240℃、ナイロン繊維については110〜1
80℃、アクリル繊維については150〜200℃に加
熱処理するのが好ましい。この加熱処理においては、繊
維体が十分に軟化するように昇温後の温度を5〜200
分程度保持するのが好ましい。なお、加熱温度が繊維体
の融解温度を上回ると繊維体全体が溶融して結晶性が低
下すると共に繊維体を破壊して金属被覆を保持できなく
なるので好ましくない。
【0012】繊維体を軟化した後に冷却する過程で繊維
体の組織が整えられる。例えば、加熱により繊維の分子
配列が揃って結晶化し、金属被覆に密着した状態で繊維
体が収縮し、徐冷工程で金属被覆が繊維体との一体性を
保って収縮することにより被覆強度が向上する。この冷
却工程において、金属被覆繊維体の冷却速度が適切でな
いと十分な被覆強度が得られない。すなわち、合成繊維
は金属よりも線膨張係数が大きく、例えば、ポリエステ
ル繊維やアクリル繊維などの線膨張係数は銀や銅などの
約2倍であり、冷却収縮する度合いが大きい。このた
め、冷却速度が早いと繊維体の収縮に対して金属被覆の
収縮が追従できず、加熱処理によって密着していた繊維
体と金属被覆の接触面が部分的に剥離して被覆強度が向
上しない場合がある。
【0013】本発明は、好ましくは加熱処理後の冷却を
一定割合の温度内で徐々に行うことにより金属被覆の密
着(被覆)強度を更に高める。すなわち、金属被覆繊維体
を加熱処理後に徐冷することによって冷却工程での繊維
体と金属被覆の接触面の剥離を防止し、金属被覆と繊維
体の密着性を高めた状態で繊維体と金属被覆とを一体に
冷却して金属被覆の密着強度を高める。また、適切な徐
冷を行うことによってその後に加熱しても殆ど収縮を生
ぜず、伸縮率が大幅に小さくなる。
【0014】徐冷速度は、具体的には、例えば1分間あ
たり0.1〜10℃の割合が適当であり、好ましくは1
分間あたり0.1〜5℃の割合、更に好ましくは0.2〜
2℃の割合で徐冷するのが良い。なお、徐冷速度が0.
1℃/分より小さいと処理時間が長くなり、また、10
℃/分より大きいと冷却速度が早すぎ、繊維体の再結晶
化が不十分になるので好ましくない。
【0015】加熱処理手段は加熱炉、熱風炉などの他に
赤外線による加熱でも良い。また、メッキ槽内での加圧
水蒸気による加熱処理でも良い。加熱処理雰囲気は空気
中でも良いが、金属被覆の酸化による変色を防止するに
は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で加熱処理
するのが好ましい。
【0016】以上のように、本発明の金属被覆繊維体
は、例えば、ポリエステル繊維体は170〜240℃、
ナイロン繊維体は110〜180℃、アクリル繊維体は
150〜200℃に加熱し、好ましくは、昇温後の温度
を5〜200分保持した後、1分間あたり0.2〜2℃
の割合で徐冷することによって製造される。
【0017】本発明は、第一段階として金属被覆繊維体
を繊維体の結晶化温度以上に加熱して繊維体の再結晶化
を促すと共に、この温度を一定時間保持することによっ
て軟化した繊維体の表面と金属被覆との接触面に十分に
入り込ませて隙間を無くし、密着性を高めた後に、好ま
しくは、さらに第二段階として設定温度から室温まで冷
却する際に十分に徐冷することによって再結晶化した繊
維体と金属被覆の冷却収縮時の局部的な剥離を防止し、
繊維体に対する金属被覆の被覆強度を大幅に高め、かつ
繊維体の伸縮性を大幅に抑制する。
【0018】本発明の金属被覆繊維体はこのような加熱
冷却処理によって優れた被覆強度と非伸縮性を有する。
すなわち、先に述べたように、一般に合成繊維は結晶化
温度以上に加熱されると結晶構造が変化するので10%
以上の熱収縮を生じることがあるが、金属被覆を有する
繊維体を一度、加熱処理して繊維体の結晶構造を整えた
ものは、その後に加熱しても結晶構造が変化し難く、熱
収縮を殆ど生じない。むしろ場合によっては僅かな伸び
を示す傾向を有するようになる。
【0019】具体的には、例えば、繊維体の結晶化温度
以上であって融解温度未満の温度下において、荷重を加
えないときの伸縮率が±4%以下、好ましくは±3%以
下の金属被覆繊維体を得ることができる。また、加熱荷
重下においても、例えば、繊維体の結晶化温度以上であ
って融解温度未満の温度下において、繊維体のデニール
値の100分の1に相当するg荷重を加えたときの伸縮
率が±2%以下、好ましくは伸縮率±1.5%以下、さ
らに好ましくは伸縮率±1%以下の金属被覆繊維体を得
ることができる。なお、繊維体のデニール値の100分
の1に相当するg荷重とは、例えば100デニールの繊
維体について1gの荷重を加えることを云う。
【0020】本発明の金属被覆繊維体はこのように繊維
体の伸縮性が格段に抑制されたものである。因みに、金
属被覆を設けない繊維体(原糸)が、繊維体の結晶化温度
以上であって融解温度未満の温度下で、繊維体のデニー
ル値の100分の1に相当するg荷重を加えたときの加
熱収縮が10〜15%程度である場合に、本発明のよう
に金属被覆を設け、かつ上記加熱処理を施すことによっ
て、この加熱収縮を生ぜず、むしろ0.3%程度の伸び
の傾向を示す金属被覆繊維体を得ることができる。
【0021】また、本発明の金属被覆繊維体は、以上の
加熱冷却処理を行うことにより、規格(JIS L 0849)に基
づく剥離強度試験において4等級以上の剥離強度(単に
4等級以上の強度と云う)を有することができる。因み
に、上記規格試験(JIS L 0849)は繊維体や布の染色堅ろ
う度を示す試験であり、染色布に白色布を重ね、所定荷
重下で規定回数擦り合わせた場合に生じる白色布の汚染
度によって染色の付着性が判定される。汚染度の高い順
(付着性の低い順)に1等級から5等級までの基準が定
められており、5等級の汚染度が最も低く、従って染色
の密着性が最も高い。上記加熱処理を施した金属被覆繊
維体について、この剥離試験における白色布の汚染度に
よって金属被覆の付着強度(被覆強度)を同様に判定する
ことができる。加熱処理前は3等級以下の被覆強度を有
する金属被覆繊維体について、本発明の加熱徐冷処理を
行うことによって4等級以上の高い被覆強度を有するも
のを得ることができる。
【0022】本発明に用いる繊維体としては、ポリエス
テル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、ナイロ
ンなどの高分子材料を主成分とした合成繊維、木綿など
の天然繊維、レーヨンなどのセルロース系繊維、これら
の有機繊維のほかにガラスファイバーなどの無機繊維、
またはこれらの複合繊維体などが挙げられる。これらの
繊維体は二種以上を混紡したものでも良く、合成繊維と
天然繊維を混紡したものでも良い。このうち、ポリエス
テル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維などの合成繊維
を用いたものについて本発明は特に有用である。
【0023】なお、ポリエステルの長繊維は従来から金
属被覆を施すのが難しいが、本発明によれば密着強度の
大きい金属被覆繊維体を得ることができる。これらの繊
維は単繊維の太さが0.1〜15d(テ゛ニール)のものが適当
である。この繊維径が0.1dより細いと繊維の強度が
不足するので好ましくなく、また、15dより太いと金
属被覆を施した際に繊維体が硬くなり可撓性が失われる
ので適当ではない。
【0024】繊維体表面に被覆する金属の種類は限定さ
れない。例えば、銀、金、白金、銅、ニッケル、スズ、
亜鉛、パラジウム、およびこれらの混合物や合金などを
用いることができる。なお、被覆方法ないし手段も制限
されない。電解メッキ、化学メッキ、あるいは真空蒸着
などにより金属被覆を設けた繊維体について本発明を広
く適用することができる。また、上記加熱冷却処理を妨
げない範囲であれば他の施工条件も限定されない。
【0025】本発明は金属被覆がオレンジピール(ユズ
肌ないし梨地肌)を有する金属被覆繊維体についても更
に被覆強度を高めることができる。金属被覆の表面がオ
レンジピールの状態になるように金属被覆を設けること
によって被覆強度の高い金属被覆を得ることができる
が、本発明の加熱処理を施すことによって、さらに被覆
強度を向上させることができる。
【0026】本発明によれば導電性に優れた金属被覆繊
維体を得ることができる。具体的には、例えば、繊維体
1cmについて1デニール当たりの電気抵抗が10000
Ω/cm・テ゛ニール以下、好ましくは1000Ω/cm・テ゛ニール以
下、さらに好ましくは100Ω/cm・テ゛ニール以下の導電性
繊維体を得ることができる。なお、金属被覆量を低減す
ることによって電気抵抗が1万Ω/cm・テ゛ニール以上の繊維
体とすることもできる。また、特に銀や白金、ニッケ
ル、スズなどの白色光沢金属を被覆したものは白色度
(L値)50以上の白色度の高い導電性繊維体を得ること
ができる。なお、白色度はハンターの式に基づくLab
法によって測定される。
【0027】本発明の金属被覆繊維体は加熱徐冷処理後
にさらに表面処理を施すことにより更に効果を高めるこ
とができる。表面処理としては、反応性表面処理剤、金
属表面と親和性のある界面活性剤、あるいはパラフィン
やワックスによる防錆処理ないしオイル処理(オイリン
グ)などを施すことができる。なお、この防錆処理によ
って白色度の経時的な低下や密着性(剥離強度)の低下を
防止することができる。また、オイル処理を施すことに
より繊維体表面の滑り性が向上する。このオイル処理は
繊維体を織機や編機によって加工する際にその滑りを良
くするので金属被覆の密着性の保護にもなる。金属被覆
繊維体は実際に使用する際に、摩擦、剪断力、曲げ等の
物理的な力を受け、その強さや頻度によって金属被覆の
剥離や欠落が生じる。それらの度合いは直接的には金属
被覆と繊維体との密着強度に基づくが、上記表面処理を
施すことによって摩擦や剪断力などが緩衝され、その結
果として金属被覆の剥離が防止される。また、金属表面
は一般に一部が酸化して水酸基を有しているので、表面
処理によって酸化を防止し防錆するのが好ましい。表面
処理剤の使用量は金属の種類や加熱冷却処理の条件等に
もよるが、概ね0.1〜20wt%の範囲が有効である。
【0028】本発明の金属被覆繊維体は短繊維や長繊
維、あるいは紡績糸や加工糸など各種の糸にして用いら
れる。また、金属被覆繊維を単独に用いる他に、合成繊
維や天然繊維、あるいは合成繊維と天然繊維の混合繊維
に混紡した混合繊維として用いることができる。この混
合繊維における金属被覆繊維体の含有量は用途にもよる
が、通常、0.1〜50%以上が適当であり、この混合
量に応じて、混合繊維体1cmについて1デニール当たり
の電気抵抗が10000Ω/cm・テ゛ニール以下、好ましくは
1000Ω/cm・テ゛ニール以下の混合導電性繊維体を得るこ
とができる。
【0029】さらに、本発明の金属被覆繊維体は織布ま
たは不織布などの布地材料や編物材料などとして用いる
ことができる。この場合、銀やスズ、ニッケルなどを用
いたものは高い白色度を有するので染色した際に発色性
に優れ、テキスタイルや衣料品の布材に適する。さら
に、銀などをコーテングしたものは抗菌繊維体および抗
菌衣料として利用することができる。具体的な用途とし
ては、抗菌性の靴下、下着、上着、白衣、寝具、シー
ツ、ナプキン、手袋、シャツ、ズボン、絨毯、マット、
あるいは作業衣などが挙げられる。
【0030】また、本発明の金属被覆繊維体は布地材料
等に限らず、その導電性を利用して電磁波シールド材、
無塵服や手袋、靴、カバー、作業衣など静電防止材料、
あるいは電極や電線の軽量化を図る代替材料などに用い
ることができる。さらに、導電性有機材料への表面被覆
による複合導電材料や繊維体強化プラスチックの導電性
補強材などに用いることができる。
【0031】〔製造方法〕本発明の金属被覆繊維体は、
上記有機繊維体などの繊維体(原糸)の表面に電解メッキ
あるいは化学メッキなどによって金属被覆を設け、上記
温度範囲で加熱処理し、冷却することによって得られ
る。なお、この金属被覆を設ける際に、予め繊維体表面
をアルカリ等によってエッチング処理し、粗面化すれば
被覆されるメッキ金属がこの繊維体表面の粗面に入り込
んでアンカー効果を発揮するので更に好ましい。
【0032】繊維体(原糸)に金属被覆を設ける際、図1
および図2に示す製造(メッキ)装置を利用すると良い。
この製造装置は、図示するように、メッキ槽10、メッ
キ液の貯槽20、メッキ槽10と貯槽20を連通する送
液管31と32、送液管に介在した送液ポンプ40を有
する。メッキ槽10の上面は蓋13によって閉じられて
いる。このメッキ槽10の内部には原糸をチーズ巻の状
態にした巻糸体50を装着するための固定軸11が設け
られている。固定軸11は中空の管材によって形成され
ており、その管壁に多数の通液孔12が設けられてい
る。固定軸11はメッキ槽10の底部に立設されてお
り、頂部は栓16によって塞がれている。なお、固定軸
11は巻糸体50を容易に装着できるように、また巻糸
体50の巻芯51の径が異なる場合でも対応できるよう
に、着脱自在に槽底に取り付けられている。この固定軸
11に連通して給液用の送液管31が接続されている。
この送液管31を通じて送液ポンプ40によって貯槽2
0からメッキ液が固定軸11に送られ、固定軸11の管
壁に設けた多数の通液孔12からメッキ液が槽内に供給
される。また、メッキ槽11の上側と下側の側部にはお
のおの貯槽20に至る排液用の送液管32が接続されて
おり、これら送液管31、32によってメッキ液の循環
路が形成されている。送液管31、32には適宜な箇所
に開閉弁33が設けられている。
【0033】一方、原糸は透水性の中空な巻芯51にチ
ーズ巻の状態に巻着された巻糸体50を形成されてお
り、固定軸11がこの巻芯51を貫くように、巻糸体5
0が固定軸11に差し込まれてメッキ槽11に装着され
る。巻糸体50は必要に応じて上下複数段に装着するこ
とができる。巻糸体50が装着された固定軸11の頭部
には固定板14が設けられており、この固定板14を固
定軸11の軸頭にネジ込むことによって巻糸体50を上
下に押圧し、固定板14および巻糸体相互の隙間をなく
してメッキ液がこれらの隙間から漏れ出すのを防止して
いる。さらに、上下の巻糸体50の間、および下側の巻
糸体50とメッキ槽底部との間にはスペーサ15が介設
されており、これらの部分の液漏れを防止している。
【0034】上記装置構成において、巻糸体50をメッ
キ槽10の固定軸11に差し込んで装着し、送液管31
を通じて固定軸11にメッキ液を通液する。メッキ液は
固定軸11から通液孔12を通じて巻糸体50に向かっ
て流れ、透水性の巻芯51を通過して巻糸体内部に浸透
し、この巻糸体内部を経てメッキ槽10に流れ出す液流
を形成する。この液流下で無電解メッキを行う。メッキ
液はメッキ槽10から流れ出す液量とメッキ槽に供給さ
れる液量が一致するように循環される。具体的には、例
えば、ポリエステル長繊維体などをチーズ巻きにした巻
糸体50をメッキ槽10に装入し、脱脂液を循環させて
繊維体表面を脱脂処理した後に水洗し、さらに、アルカ
リ液を通じてエッチング処理を行い、水洗する。次い
で、濃塩酸ないし硫酸の溶液を通じて中和処理した後
に、スズ系あるいはパラジウム系の一種または二種の混
合溶液によって活性化処理する。この後、銀等のメッキ
液を通じて無電解メッキを行い、メッキ後、水洗する。
なお、アルカリ処理に代えて塩化第一スズ溶液等によっ
て処理しても良い。
【0035】このような製造装置ないし製造方法によれ
ば、メッキ液は固定軸を通じて巻糸体の内側から供給さ
れ、巻糸体の外部に向かって流れるので、繊維体間の間
隙がメッキ液によって外側に押し広がられた状態とな
り、繊維体間の細部にまでメッキ液が浸透するので、チ
ーズ巻きの状態でも繊維体の表面に金属メッキが均一に
形成される。
【0036】金属被覆(メッキ)を施した後にこの繊維体
を乾燥し、上記温度範囲の加熱冷却処理を施す。この加
熱処理はメッキ槽内に加圧水蒸気を導入して行っても良
い。またはメッキ槽から巻糸体を取り出して、電気炉な
どに移して加熱処理しても良い。なお、加熱処理雰囲気
は空気中でも良いが、金属被覆の酸化による変色を防止
するためには窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で加熱
処理を行うと良い。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。 〔実施例1〕図示するメッキ装置を用い、表1に示す高
分子材料からなる繊維体を巻取軸にワインデングしてチ
ーズ巻の巻糸体とし、これをメッキ槽に入れて以下の
(イ)脱脂処理、(ロ)アルカリ処理・中和処理および(ハ)活性
化処理を行った後、表1の金属について(ニ)無電解メッ
キを施し、さらに(ホ)加熱処理を施した。各処理は薬液
を加圧循環して行った。
【0038】(イ)脱脂処理:脱脂液(エースクリーンA-220:奥野
製薬工業社製品)の5wt%溶液を55℃でメッキ槽に5
分間循環させた後、イオン交換水を通じて十分に洗浄し
た。 (ロ)アルカリ処理:脱脂処理後に20wt%水酸化ナトリ
ウム溶液を70℃でメッキ槽に20分間循環させ、さら
にイオン交換水を通じて十分に洗浄した後に5wt%濃塩
酸溶液を室温でメッキ槽に2分間循環させた。 (ハ)活性化処理:アルカリ処理後に濃塩酸溶液と塩化パ
ラジウム混合溶液(キャタリストC:輿野製薬工業社製品)をメッ
キ槽に室温で3分間循環させた後にイオン交換水を通じ
て十分に洗浄した。さらに10wt%硫酸溶液をメッキ槽
に45℃で3分間循環させて活性化した。 (ニ)メッキ工程:以上の前処理によって繊維体表面に触
媒を付着させた後に、表1に示す金、銀およびニッケル
について、各々のメッキ液をメッキ槽に循環させて金属
被覆を形成した。 (ホ)加熱処理:金属被覆を形成した巻糸体を電気炉に装
入し、表1に示す温度条件で加熱冷却処理した。
【0039】これらの金属被覆繊維体について被覆の密
着(剥離)強度を測定した。この結果を表1に示した。ま
た金属被覆後に加熱処理を施さないものについて同様の
試験結果を比較例として表1に示した。この密着強度は
繊維体や布の染色堅ろう度を示す規格試験(JIS L 0849)
に準じた剥離強度試験に基づいて測定した。具体的に
は、試験試料の金属被覆繊維体の束に白色布を重ね、2
00gの荷重を加え、毎分30回の往復速度で100回
往復摩擦を行い、白色布に付着した汚染度に基づき、汚
染度の高い順(付着性の低い順)に1等級から5等級まで
の基準に従って剥離強度(密着強度)を判定した。また、
導電性を測定した。導電性は繊維体の中央部10cm間の
電気抵抗を測定し、150デニールの繊維体1cmについ
て、1デニール当たりの抵抗値(Ω/cm・テ゛ニール)を求め
た。この結果を表1に示した。表1の結果に示すよう
に、金属被覆後に加熱処理を施した本発明の試料(A1,A
2,A3)は何れも剥離強度が4等級以上であり、加熱処理
を施さない比較試料より金属被覆が格段に大きな密着性
を有する。また導電性も理論値に近い値が得られた。
【0040】
【表1】
【0041】〔実施例2〕無電解メッキ法によって表面
に20wt%のニッケルを被覆したアクリル繊維体を30
分かけて150℃に加熱し、この温度を1時間保持した
後に150分かけて室温(25℃)まで冷却して本発明の金
属被覆繊維体を得た(No.A20)。また、同様の加熱処理し
た後に30分で室温まで冷却したものを加熱比較試料(N
o.B21)とした。また、メッキ処理後に加熱しないものを
非加熱比較試料(No.B22)とした。これらの金属被覆繊維
体について実施例1と同様にして金属被覆の付着強度と
導電性を測定した。この結果を表2に示した。非加熱比
較試料(No.B22)は3回の摩擦によっても金属被覆の剥離
が多く、繊維体1cm当たりの電気抵抗が初期値15Ωか
ら1MΩ以上に急増した。また、加熱比較試料(No.B21)
は50回の摩擦によって金属被覆が部分的に剥離し、電
気抵抗が初期値15Ωから1MΩ以上に増加した。一
方、本発明の金属被覆繊維体(No.A20)は150回の摩擦
によっても電気抵抗が初期値15Ωから1000Ωに留
まっており、金属被覆の密着性が保たれていた。次に、
この加熱徐冷繊維体についてオイル処理(日華化学社製
品MKオイル15wt%使用)を施したところ、300回の摩擦
後の電気抵抗は150Ωであり、抵抗値の増加が著しく
低下し、金属被覆の剥離が大福に減少することが確認さ
れた。
【0042】〔実施例3〕無電解メッキ法によって表面
に20wt%の銀を被覆したポリエステル繊維体を60分
かけて200℃に加熱し、この温度を2時間保持した後
に300分かけて室温(25℃)まで冷却して本発明の金属
被覆繊維体を得た(No.A30)。また同様の加熱処理した後
に30分で室温まで冷却したものを加熱比較試料(No.B3
1)とした。さらに、メッキ処理後に加熱しないものを非
加熱比較試料(No.B32)とした。これらの金属被覆繊維体
について金属被覆の付着強度を実施例1と同様にして測
定した。この結果を表2に示した。非加熱比較試料(No.
B32)は5回の摩擦でも金属被覆の剥離が大きく、電気抵
抗の初期値1Ωから1MΩ以上に急増した。また、加熱
比較試料(No.B31)は100回の摩擦によって金属被覆が
部分的に剥離し、電気抵抗が初期値1Ωから180Ωに
増加した。一方、本発明の金属被覆繊維体(No.A30)は3
00回の摩擦によっても電気抵抗の初期値1Ωから25
Ωに留まっており、金属の密着性が保持されていること
が確認された。さらに、この加熱徐冷繊維体についてオ
イル処理(日華化学社製品MKオイル5wt%使用)を施したと
ころ、300回の摩擦後の電気抵抗は9Ωであり、抵抗
値の増加が著しく低下し、金属被覆の剥離が大福に減少
することが確認された。
【0043】〔実施例4〕実施例3の本発明試料(No.A3
0)と非加熱比較試料(NoB32)についてX線回折によって
結晶化を測定した。この回折グラフを図3に対比して示
した。このグラフに示すように加熱処理を行わない比較
試料は回折強度が低く結晶化の程度が小さいが、加熱徐
冷処理を行った本発明の試料は回折強度が高く結晶化の
程度が大きいことが判る。
【0044】〔実施例5〕実施例2〜3の試料(No.A2
0、No.B22、No.A30、No.B32)について、15mm長の繊維
体を用い、1.5gの加重を加え、200℃における繊
維体の伸縮率を測定した。この結果を表2に示す。伸縮
率は室温時の長さに対する比である。また、金属被覆を
設けず加熱処理も行わない原糸についての伸縮率を表2
に対比して示した。原糸(No.B23、No.B33)は何れも10
%以上の熱収縮を生じている。また、金属被覆を設けた
ものでも被覆後に加熱処理を行わないもの(No.B21、No.
B32)は3%台の収縮を生じている。一方、金属被覆後に
加熱徐冷処理を行ったもの(No.A20、No.A30)は加熱によ
る収縮を生ぜず、むしろ0.3%の伸びを示しており、
従って伸縮率は何れも0.5%以下である。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の金属被覆繊維体は優れた被覆強
度を有しており、具体的には被覆の剥離強度試験におい
て4等級以上の基準強度を有することができる。また、
加熱下でも伸縮率が小さく、外力に対する耐久性に優れ
る。従って、金属被覆の密着性や耐久性が十分でないた
めに従来は適用できなかった分野にも本発明の金属被覆
繊維体を用いることできる。また、本発明の金属被覆繊
維体は金属被覆を設けた後に特定温度での加熱徐冷処理
を施すことによって得られるので容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メッキ装置の概略を示す概念図
【図2】 巻糸体の巻装状態を示す説明図
【図3】 実施例4のX線回折グラフ
【符号の説明】
10−メッキ槽、11−固定軸、12−通液孔、13−
蓋、14−固定板、15−スペーサ、16−栓、20−
貯槽、31,32−送液管、33−開閉弁、40−送液
ポンプ、50−巻糸体、51−透水性巻芯。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02J 13/00 D03D 15/00 E D03D 15/00 101 101 H01B 5/02 A H01B 5/02 13/00 501Z 13/00 501 D06M 101:28 // D06M 101:28 101:32 101:32 101:34 101:34 11/00 D (72)発明者 前田 雄亮 秋田県秋田市茨島3丁目1番6号 株式会 社ジェムコ内 Fターム(参考) 4L031 AA01 AA12 AA18 AA20 AA25 AB01 CB12 4L036 MA04 MA05 MA06 MA08 MA33 MA35 MA39 PA18 PA19 PA28 PA46 RA24 UA25 4L048 AA16 AA21 AA24 AA52 AA56 AB01 AB05 AB07 AC13 AC17 CA05 5G307 BA07 BB09 BC01 BC02 BC03 BC06 BC07 BC09 BC10

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属被覆を有し、金属被覆後に該繊維体
    の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度で加熱処
    理したことを特徴とする金属被覆繊維体。
  2. 【請求項2】 上記加熱処理の後に徐冷した請求項1の
    金属被覆繊維体。
  3. 【請求項3】 被覆剥離試験において金属被覆が4等級
    以上の基準強度を有する請求項1または2に記載する金
    属被覆繊維体。
  4. 【請求項4】 繊維体の結晶化温度以上であって融解温
    度未満の温度下における伸縮率が±4%以下である請求
    項1〜3の何れかの金属被覆繊維体。
  5. 【請求項5】 繊維体の結晶化温度以上であって融解温
    度未満の温度下、および繊維体のデニール値の100分
    の1に相当するg荷重下における伸縮率が±2%以下で
    ある請求項1〜3の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  6. 【請求項6】 金属被覆が銀、金、白金、銅、ニッケ
    ル、スズ、亜鉛、バラジウム、またはこれらの混合物な
    いし合金からなる導電性金属である請求項1〜5の何れ
    かに記載する金属被覆繊維体。
  7. 【請求項7】 繊維体1cmについて1デニール当たりの
    電気抵抗が1000Ω/cm・テ゛ニール以下である請求項1〜
    6の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  8. 【請求項8】 繊維体がポリエステル繊維体、ナイロン
    繊維体またはアクリル繊維体などの合成繊維体の単繊維
    体、またはこれら2種以上の成分からなる複合繊維体で
    ある請求項1〜7の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  9. 【請求項9】 金属被覆表面がオレンジピールを呈する
    請求項1〜8の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  10. 【請求項10】 金属被覆に表面処理が施されている請
    求項1〜9の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載する金
    属被覆繊維体の少なくとも1種を合成繊維、天然繊維、
    もしくは合成繊維と天然繊維の混合繊維に混紡したこと
    を特徴とする混合繊維体。
  12. 【請求項12】 金属被覆繊維体を混合した合成繊維ま
    たは天然繊維がおのおの1種または2種以上である請求
    項11の混合繊維体。
  13. 【請求項13】 金属被覆繊維体の混合量が0.1〜5
    0%である請求項11または12の混合繊維体。
  14. 【請求項14】 繊維体1cmについて1デニール当たり
    の電気抵抗が10000Ω/cm・テ゛ニール以下である請求項
    13の導電性混合繊維体。
  15. 【請求項15】 繊維体が短繊維、長繊維、またはこれ
    らの繊維からなる各種の糸である請求項1〜14の何れ
    かに記載する金属被覆繊維体。 【講求項16】 請求項1〜15の何れかに記載する金
    属被覆繊維体を含む織布または不織布。
  16. 【請求項16】 金属被覆を設けた繊維体を、該繊維体
    の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度で熱処理
    することを特徴とする金属被覆繊維体の製造方法。
  17. 【請求項17】 繊維体に金属被覆を設けた後に、ポリ
    エステル金属被覆繊維体については170〜240℃、
    ナイロン金属被覆繊維体については110〜180℃、
    アクリル金属被薇繊維体については150〜200℃の
    熱処理を施す請求項17に記載する金属被覆繊維体の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 加熱処理の昇温割合が1分間に0.1
    〜10℃である請求項17または18に記載する金属被
    覆繊維体の製造方法。
  19. 【請求項19】 加熱温度を5分以上保持する請求項1
    7〜19の何れかに記載する金属被覆繊維体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 加熱温度の保持時間が5分以上であっ
    て200分以内である請求項20の金属被覆繊維体の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 加熱処理の後に徐冷する請求項17〜
    21の何れかに記載する金属被覆繊維体の製造方法。
  22. 【請求項22】 1分間に0.1〜10℃の割合で室温
    まで徐冷する請求項22の金属被覆繊維体の製造方法。
  23. 【請求項23】 徐冷温度が1分間に0.2〜2℃であ
    る請求項23の金属被覆繊維体の製造方法。
  24. 【請求項24】 加圧水蒸気下もしくは電気炉内で加熱
    処理する請求項17〜24の何れかに記載する金属被覆
    繊維体の製造方法。
  25. 【請求項25】 加熱および徐冷を窒素ガスまたはアル
    ゴンガスの不活性雰囲気下で行う請求項17〜25の何
    れかに記載する金属被覆繊維体の製造方法。
  26. 【請求項26】 短繊維、長繊維、またはこれらの繊維
    からなる各種の糸である繊維体に金属被覆を設けたもの
    を用いる請求項17〜26の何れかに記載する金属被覆
    繊維体の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項17〜27の何れかの製造方法
    によって製造した金属被覆繊維体を合成繊維または天然
    繊維に混紡することを特徴とする製造方法。
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