JP2021161578A - 織物および衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久導電性が優れると共に、導電糸の配列位置を見えにくくすることで審美性が改善された織物、衣服を提供する。【解決手段】導電糸aおよび捲縮率3〜35%の非導電性加工糸bからなる導電性合撚糸Aが、捲縮率35〜55%の非導電性加工糸Bで構成される地組織に対して挿入され、前記導電性合撚糸Aが互いに間隔を空けて配列されてなり、かつ、前記導電性合撚糸Aと前記非導電性加工糸Bの繊度差が0〜50dtexであることを特徴とする織物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐久導電性および審美性に優れた織物及び衣料に関するものである。
近年、学生服衣料、ユニフォーム衣料、カジュアル衣料に代表されるアウター衣料おいては、洗濯のし易さや防しわ性を考慮してポリエステル素材が多く用いられるようになってきている。しかしながら、ポリエステル素材は帯電性が大きいという特徴があり、パチパチする静電気の発生や、静電気によりホコリが付着しやすいという課題があった。
この課題を解決するためには、例えば導電糸を織物中に織り込んで制電性を付与すればよいが、導電糸は強度が弱いため、それ単独での使用は製織性の点で好ましくない。そこで、導電糸を他の繊維と交絡し導電性複合糸に加工することで、導電性かつ製織性を改善した織物などが提案されている(特許文献1参照)。しかし、導電糸と非導電糸を交絡加工した導電性複合糸では、導電糸が織物表面に浮き出た形態となっており、たとえば中濃色で無地外観の織物を得ようとしても、導電性複合糸の配列位置が目立つ結果、ストライプ状の柄を有するがごときの織物しか得られなかった。
また、導電糸と非導電仮撚加工糸を合撚した織物も提案されている(特許文献2参照)。しかし、この織物はクリーンルーム内の作業着に必要な導電性を考慮しているものの、アウター衣料に必要な無地外観は考慮しておらず、やはり導電性糸の配列位置が分かりやすいものであった。
さらに、導電糸と非導電糸2糸条とを引き揃えて仮撚加工した導電性複合糸を、構成糸の一部とした織物も提案されている(特許文献3参照)。本織物は、非導電糸で導電糸を被覆しているので、導電糸の色が目立つことはないが、導電性複合糸と織物地部の糸とで糸形態が大きく異なり、導電性複合糸の配列位置が目立ち、アウター衣料に適用することはできなかった。また導電性複合糸と非導電糸の表面特性が大きく異なることで、繰り返し着用時に両者の境界部に汚れがたまり、さらに導電性複合糸が目立ちやすくなるという問題もあった。
さらに、導電糸を目立たなくするため、白色導電糸を用いた織物が提案されている(特許文献4参照)。この手法では導電糸が目立たなくなり、裏地用途等には好適ではあるが、学生服衣料、ユニフォーム衣料、カジュアル衣料等の摩耗耐久性が必要なアウター衣料においては、導電糸が表面に剥き出しになっているため、繰り返し着用時の摩擦により、導電成分が劣化し、耐久導電性に劣るものであった。
特開2009−185439号公報 特開2005−350813号公報 特開昭63−28936号公報 特開2009−24277号公報
本発明は上述の問題点を解決するものであり、耐久導電性が優れると共に、導電糸の配列位置を見えにくくすることで審美性が改善された織物、衣服を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のいずれかの構成を特徴とする。
(1)導電糸aおよび捲縮率3〜35%の非導電性加工糸bからなる導電性合撚糸Aが、捲縮率35〜55%の非導電性加工糸Bで構成される地組織に対して挿入され、前記導電性合撚糸Aが互いに間隔を空けて配列されてなり、かつ、前記導電性合撚糸Aと前記非導電性加工糸Bの繊度差が0〜50dtexであることを特徴とする織物。
(2)前記導電性合撚糸Aが緯糸にのみ使用されていることを特徴とする、前記(1)に記載の織物。
(3)洗濯20回後かつフロスティング試験後の摩擦帯電電荷量が10μC/m以下であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の織物。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の織物を用いてなる衣料。
本発明によれば、導電性合撚糸Aと非導電性加工糸Bが、織物において糸形態の差が少ない状態で配列されていることから、優れた耐久導電性と審美性を兼ね備えることができる。そのため、静電気発生防止機能やホコリ、花粉の付着防止機能を有した織物を提供することができるだけでなく、学生服衣料、ユニフォーム衣料、カジュアル衣料等のアウター用途に好適な織物、衣服を提供できる。
本発明の織物は、導電性合撚糸Aが非導電性加工糸Bで構成される地組織に対して挿入されてなる織物であって、導電性合撚糸Aにおいては、導電糸aと非導電性加工糸bが合撚された加工糸であることが重要である。
ここで、導電糸aは、(i)金属被覆糸や、(ii)繊維基質となるポリエステル系やポリアミド系のベースポリマーと、カーボンまたは金属、金属化合物などの導電微粒子を分散させたポリマーとを複合紡糸してなる導電糸のことである。本発明においては、酸やアルカリ環境下や洗濯耐久性の面で、カーボンを導電成分として含有する導電糸が好ましく用いられる。導電成分の複合手法としては、糸を芯鞘構造とし、導電成分を鞘部に配した導電成分全面露出型または導電成分表面一部露出型などとする手法が挙げられる。また、断面形状等や導電成分の露出カ所は任意であって何ら問題は無いが、導電成分を視認し難くし、かつ摩耗耐久性向上の観点からも、芯鞘構造が好ましい。
導電糸aのベースポリマーとしては、紡糸安定性や長期連続使用の観点から、ポリエステル、中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステルのグリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲内において他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、スルホン酸などのジカルボンサン類を例示できる。
また導電糸aにおいて、カーボンを導電成分として使用する場合、好ましいカーボン含有量は、導電糸aの構成成分の合計重量対比で15〜40重量%である。ここで、導電性カーボンの含有量が15重量%より少ない場合には十分な導電性能が発揮されないことがある。一方、40重量%を超える場合では、ポリマー流動性が著しく低下して製糸性が極端に悪化することがある。カーボンは、完全に粒子分散をしている場合は一般に導電性が不良であるが、ストラクチャーと呼ばれる連鎖構造をとると導電性が向上して導電性カーボンと言われるものになる。従って、導電性カーボンによって、ポリマーを導電化するにあたっては、このストラクチャーを破壊しないでカーボンブラックを分散させることが肝要となる。そして、導電性カーボンとポリマーの複合体における電気伝導メカニズムとしては、カーボン連鎖の接触によるものとトンネル効果によるものが考えられるが、前者の方が主と考えられる。従って、カーボンの連鎖が長く高密度ポリマー中に存在する方が接触確率大となり、高導電性となる。ここで、本発明における導電糸aの比抵抗は10−1〜10Ω・cmであることが導電性とコスト両立の点で好ましい。
導電糸aの総繊度は11〜84dtexであることが導電性能を織物に付与する点で好ましい。11dtex未満であると、導電性能が不足し好ましくない。また84dtexを超えると、導電糸aが視認されやすくなるので好ましくない。さらに好ましい導電糸aの総繊度は11〜33dtexである。
導電糸aの単糸本数は1〜4本であることが好ましい。5本以上の場合、導電糸が表面に露出し視認されやすくなるので好ましくない。さらに好ましい導電糸aの単糸本数は1本である。
また導電糸aは非捲縮糸であることが好ましい。ここで、非捲縮糸とは、捲縮加工を施していない糸のことである。導電糸aが非捲縮糸であることで、導電性合撚糸Aとしての開繊部において導電糸aが表面に出やすくなり、織物の導電性能が向上する。導電糸aに捲縮加工が付与される場合は、捲縮加工時に導電糸が一部破断して導電性能が低下するという問題が発生しやすくなる。
一方、本発明において用いられる非導電性加工糸bの特性としては、捲縮率(%)が3〜35であることが重要である。このように非導電性加工糸bが適度に低い捲縮を具備することにより、導電糸aを視認しにくくし、かつ着用を想定した摩耗によっても、導電糸aに応力が集中せず、糸糸擦過により導電ポリマーが劣化するということがなく、着用後の導電性能を維持することができる。ここで、非導電性加工糸bの捲縮率が3%未満であると、導電性合撚糸Aとしての捲縮も低すぎて、導電糸aが表面に出やすく審美性に劣り、かつ摩耗時の導電性能も低下する。また、非導電性加工糸bの捲縮率が35%を超えると、導電糸aとの捲縮差が大きくなることで、導電糸の存在が視認されやすくなり審美性に劣る。
非導電性加工糸bはポリエステル繊維でもナイロン繊維でも構わないが、好ましくは捲縮堅牢性が高いポリエステル繊維である。非導電性加工糸bの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステル繊維、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの脂肪族系ポリエステル繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの繊維は、機械的特性や耐久性に優れ、捲縮が堅牢であるため好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートの繊維はポリエステル繊維特有の洗濯耐久性が得られるため好ましい。
ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲内において、他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含んでも良い。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、スルホン酸などのジカルボンサン類を例示できる。
非導電性加工糸bは、断面が丸型、三角、扁平、六角、L型、T型、W型、八葉型、ドッグボーン型などの多角形型、多様型、中空型など任意の形状を有するものを選択することができる。
また、非導電性加工糸bに付与する捲縮は、仮撚法、押し込み法、ニットデニット法、バイメタル構造などいずれの方法で付与されるものでも構わないが、好ましくは着用時の捲縮堅牢性が高い仮撚法による捲縮である。バイメタル構造を採用することで捲縮を付与する場合には、非導電性加工糸bを、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンテレフタレート、または、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートによるバイメタル構造とすることが好ましい。
非導電性加工糸bの総繊度は56〜400dtexであることが織物にハリ腰を付与する点で好ましい。ここで56dtex未満であると、着用による摩耗によって導電糸aに負荷がかかりやすくなり、導電性能が低下することがあるので好ましくない。また400dtexを超えると、風合いが硬くなりすぎて着用快適性が低下するので好ましくない。
非導電性加工糸bの単糸繊度はそれぞれ0.5〜10dtexであることが、織物にハリ腰を付与し、摩耗耐久性が向上する点で好ましい。ここで0.5dtex未満であると、導電糸aが目立ちやすくなり、かつ、繰り返される洗濯や摩耗によって毛羽が発生して、導電性が阻害されやすくなるので好ましくない。また、10dtexを超えても、導電糸aが目立ちやすくなり、繊維が太く風合いが硬くなりすぎるので好ましくない。より好ましくは3dtex以上6dtex以下である。
また、非導電性加工糸bの沸騰水収縮率は1〜5%であることが好ましい。ここで、沸騰水収縮率が5%を超えると、導電糸aが織物表面に浮き出やすくなり、導電糸aが視認しやすくなり、かつ摩耗耐久性も低下するので好ましくない。また沸騰水収縮率が1%未満であると、導電糸aが織物表面に露出しにくくなり、導電性が低下するので好ましくない。
さらに、非導電性加工糸bには交絡がないことが、導電糸aを被覆しやすくなり、審美性が向上するので、好ましい。
そして、導電性合撚糸Aにおいては、前述の導電糸aと非導電性加工糸bとが合撚された形態であることが重要である。合撚された形態とは、導電糸aと非導電性加工糸bとが撚り合わされた形態であり、先に交絡等で糸を混繊してから撚糸加工しても構わない。導電糸aと非導電性加工糸bとを合撚していることで、導電性合撚糸Aの糸表面に均一に導電糸aを配することができ、導電糸aの形態を織物で視認しづらくすることができる。
導電性合撚糸Aの合撚数は100〜1500(T/M)であることが好ましい。ここで、合撚数が100T/M未満であると、導電糸aと非導電性加工糸bとがばらけやすくなり、織物で筋状の欠点が発生したり、着用時に導電糸aが破断されやすくなるので、好ましくない。また、合撚数が1500T/Mを超えると、導電性合撚糸Aが収束した形態になり、導電糸aがかえって視認しやすくなるので好ましくない。
導電性合撚糸Aにおける導電糸aと非導電糸bとの質量混率比率は、導電性能とコストの両立の点から、5:95〜50:50であることが好ましい。
以上のような導電性合撚糸Aは、互いに隣接する導電性合撚糸Aが間隔を空けて配列されるように、非導電性加工糸Bの地組織に対して挿入され、織物に製織される。導電性を発現するという目的からすれば、導電糸のみから織物を構成することも考えられるが、安価に導電性を発現させ、かつストレッチ性、風合い等の着用快適性を得るためには、上記導電性合撚糸Aと非導電性加工糸Bとを併用し、かつ、導電性合撚糸Aが間隔を空けて配列されるようにすることが重要である。
導電性合撚糸Aを挿入および配置させる間隔(間隔配列のピッチ)としては、その間隔が狭い方が導電特性はよくなるが、導電特性と風合い、審美性・品位およびコスト等との兼ね合いで、3〜30mm程度の間隔で挿入および配置することが好ましい。より好ましくは5〜20mm程度の間隔で導電性合撚糸Aを挿入および配置することが好ましい。導電性合撚糸Aの配置間隔が3mm未満の場合、導電性合撚糸Aの配置本数が大となり、風合いや、外観・品位が低下しやすく、また、導電性合撚糸Aの生産コストが増大する場合がある点から好ましくない。
また、導電性合撚糸Aは緯糸に配列することが好ましい。一般的な導電糸織物の配列は、導電性及び工程通過性を考慮して、経糸のみか、もしくは経糸および緯糸に配列することが多いが、緯糸方向は染色加工で生地端がフリーになることで、捲縮が発現しやすく、染色後に緯糸の導電性合撚糸Aが視認しづらくなる。よって、導電性合撚糸Aは緯糸にのみ使用することが好ましい。
本発明において織物の地組織に使用される非導電性加工糸Bは、ポリエステル繊維でもナイロン繊維でも構わないが、好ましくは捲縮堅牢性が高いポリエステル繊維である。非導電性加工糸Bの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステル繊維、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの脂肪族系ポリエステル繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの繊維は、機械的特性や耐久性に優れ、捲縮が堅牢であるため好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートの繊維はポリエステル繊維特有の洗濯耐久性が得られるため好ましい。
非導電性加工糸Bを構成するポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分としエチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲内において他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、スルホン酸などのジカルボンサン類を例示できる。
非導電性加工糸Bは、断面が丸型、三角、扁平、六角、L型、T型、W型、八葉型、ドッグボーン型などの多角形型、多様型、中空型など任意の形状を有するものを選択することができる。
また非導電性加工糸Bは、捲縮糸であることが重要であるが、捲縮は、仮撚法、押し込み法、ニットデニット法、バイメタル構造などいずれの方法で付与されるものでも構わない。好ましくは着用時の捲縮堅牢性が高い仮撚法による捲縮である。バイメタル構造を採用することで捲縮を付与する場合には、該加工糸をポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンテレフタレート、または、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのバイメタル構造とすることが好ましい。
そして、本発明において用いる非導電性加工糸Bは、捲縮率(%)が35〜55であることが重要である。適度に高い捲縮を発現する糸を用いることで、織物においては隣接する導電性合撚糸Aの捲縮形態と近くなり、審美性に優れた織物を得ることができる。ここで、非導電性加工糸Bの捲縮率が35%未満であると、織物において非導電性加工糸Bが開繊した糸形態になることで、隣接する導電性合撚糸Aの捲縮形態との差異が大きくなり、織物の審美性が低下する。また、非導電性加工糸Bの捲縮率が55%を超えると、非導電性加工糸Aとの捲縮差が大きくなりすぎることで、織物に凹凸が発生し、審美性が低下し、また、隣接した導電性合撚糸Aが浮き出るため、摩耗時の導電性が悪化する。
非導電性加工糸Bの総繊度は56〜400dtexであることが織物にハリ腰を付与する点で好ましい。ここで56dtex未満であると、繰り返し着用時に導電糸に負荷がかかり、導電性能が低下することがあるので好ましくない。また400dtexを超えると、風合いが硬すぎるので好ましくない。
なお、本発明においては、地組織が基本的に前述の非導電性加工糸Bで構成されるが、地組織の構成糸全てが上述の非導電性加工糸Bである必要はなく、他の糸が混入されていてもよい。
また、導電性合撚糸Aと非導電性加工糸Bの繊度差(dtex)は絶対値で50以下であることが、織物で導電性合撚糸Aを視認しづらくし、審美性を向上させる点で好ましい。導電性合撚糸Aと非導電性加工糸Bの繊度差(dtex)が50を超えると、導電糸が織物で視認しやすくなり、審美性が低下する。
非導電性加工糸Bの単糸繊度は、それぞれ0.5〜10dtexであることが織物にハリ腰を付与する点で好ましい。ここで0.5dtex未満であると、洗濯や摩耗の繰り返しを受けた際、毛羽が発生して導電性が阻害されやすくなるので好ましくない。また、10dtexを超えると、繊維が太く風合いが硬くなり、かつ審美性も低下するので好ましくない。さらに好ましくは1〜3dtexである。
非導電性加工糸Bの沸騰水収縮率は5〜10%であることが好ましい。ここで、沸騰水収縮率が10%を超えると、導電糸aが織物表面に浮き出やすくなり、導電糸が視認しやすくなり、かつ摩耗耐久性も低下するので好ましくない。また沸騰水収縮率が5%未満であると、導電糸が織物表面に露出しにくくなり、導電性が低下するので好ましくない。
非導電性加工糸Bは無撚りであることが好ましい。無撚りであることで、導電性合撚糸Aを視認しづらくすることができる。
本発明の織物は、洗濯20回後及びフロスティング試験後の摩擦帯電電荷量が10μC/m以下であることが、導電性能を満たす点で好ましい。本発明の織物は、主としてアウター衣料に適用されるものであり、実際に衣服に仕立てた後は、洗濯や摩耗を繰り返すことが想定されるから、初期だけでなく、所定の洗濯耐久性及び摩耗耐久性を具備することが好ましい。さらに好ましい該摩擦帯電電荷量は7μC/m以下である。
また本発明の織物は、明度の指標であるL値が50以下であることが、導電糸を視認しづらくする点で好ましい。さらに好ましいL値は15以下である。このときのL値は、JIS Z 8721:1993(光源はD65、視野角は2°)で測定する。
また本発明の織物をアウター衣料用途に用いる場合、該織物を撥水樹脂で被膜していることが、耐久導電性と耐久撥水性を両立させる点で好ましい。通常は撥水樹脂の被膜を織物に付与すると導電性が低くなるが、本織物は耐久導電性に優れているので、撥水樹脂を塗布しても導電性と撥水性の両立が可能になる。
本発明で使用する撥水樹脂は、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤、炭化水素系撥水剤のいずれでも構わないが、好ましくは炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体からなるフッ素系撥水剤が、より優れた耐久撥水性を有する点で好ましい。
次に、本発明の織物の製造方法について、記載する。
本発明に使用する非導電性加工糸b及び非導電性加工糸Bは、例えば仮撚加工により捲縮が付与されていることが好ましい。仮撚加工に際しては任意の条件を選択でき、ツイスターにはスピンドル式、フリクションデスク式、ベルトニップ式いずれを用いても構わない。仮撚温度に関しては、接触式ヒータの場合150〜220℃で加工可能であり、非導電性加工糸Bにおいては、撚温度は高い方が、捲縮堅牢性の面で好ましい。
仮撚数においては、仮撚係数(仮撚数(T/M)×繊度(dtex)0.5)が18000〜33000の範囲内となるように設定することができる。非導電性加工糸Bにおいては、仮撚係数が高い方が、捲縮堅牢性の面で好ましい。
糸加工速度については早ければ生産性が高くなり好ましいが、安定加工性を考慮すると、100〜800(m/min)が好ましい。
本発明に使用する非導電性加工糸bにおいては、仮撚後にセカンドヒーターを用いて再熱セットを施し、嵩高性は維持しつつ、低捲縮化することが好ましい。ここで好ましいセカンドヒーター温度は150〜200℃である。
本発明で使用する導電性合撚糸Aを得るには、導電糸aと非導電性加工糸bとを、ダウンツイスター、ダブルツイスター等任意の撚糸機を用いて合撚する。
得られた導電性合撚糸Aは、互いに隣接する導電性合撚糸Aが間隔を空けるように、非導電性加工糸Bの地組織に対して挿入し、織物に製織する。製織に用いる織機としては、一般に使用される普通織機、レピア、ウオータージェツトルーム、エアージエットルーム等の織機を例示できるが、これらに特に限定されることなく採用できる。
次に、織物の染色加工について説明する。染色加工工程は、一般のポリエステル織物の染色工程及び条件に準じて行うことができる。また、洗濯収縮を抑制するため、中間セット温度を160℃以上210℃以下にすることが好ましい。210℃を越えると、フィラメントが融着する恐れがあるので好ましくない。染色は、液流染色機、気流染色機、ジッカー染色機、ウインス染色機、ビーム染色機等のバッチ式染色機による方法の他、パッド法による連続染色、フラットスクリーンやロータリースクリーン、インクジェット等の捺染等々、公知の手法を用いて行うことが可能である。
また撥水性能や深色性能を得るために、織物に撥水樹脂や低屈折率樹脂を付与しても構わない。本発明の織物に撥水樹脂や低屈折率樹脂を付与する手段としては、例えば、パディング法、スプレー法、プリント法、コーティング法、グラビア加工法、泡加工法など任意の手段が採用できるが、パディング法は品質が安定するため好ましい。パディング法の場合には、例えば、樹脂を混ぜた分散液に繊維を浸積した後、目的の付着量になるようにマングルなどで絞り、好適には100〜130℃の温度で乾燥し、好適には160〜190℃の温度で熱処理する方法が好ましい。
撥水樹脂や低屈折率樹脂を付与する前には、織物にプラズマ処理を施すことが好ましい。繊維表面を改質し、樹脂被膜耐久性を向上させることができる。プラズマ処理には、大気中で発生させる大気圧プラズマ法と、真空容器中で発生させる低圧プラズマ法があるが、好ましくは20Torr以下の減圧下で高電圧を印加する低圧プラズマ法である。
また、必要に応じて耐熱加工、防縮加工、防しわ加工、柔軟加工、減量加工などしてもよい。
本発明の織物を用いたアウター衣料は、特に、ユニフォームや学生衣料に好適である。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明における各種測定法は下記の通りである。
1.比抵抗値
糸を束ねて2000デシテックスとし、弱アニオン系洗剤を用いて十分に精錬して油剤などを除いた後、20℃、43%RH(相対湿度)の状態で24時間放置後、その両端に導電塗料(ドータイト)を塗布して端部を固定した後、該端部を電極として印可電圧500Vにおける電流値を測定することにより、比抵抗値を求めた。
2.繊度
枠周1.0mの検尺機を用いて100回分のカセを作製し、下記式に従って繊度を測定した。
繊度(dtex)=100回分のカセ重量(g)×100
3.交絡度
交絡度は、0.1cN/dtexの張力下における1m当たりの交絡部の数であり、糸に0.02cN/dtexの張力下で非交絡部にピンを刺し、糸条1mにわたり0.1cN/dtexの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、抵抗なく移動した部分を非交絡部として移動した距離を記録し、ピンが止まる部分を交絡部とする。この作業を30回繰り返し、その非交絡部の距離の平均値から1m当たりの交絡度を計算する。
4.捲縮率
周長0.8mの検尺機に、90mg/dtexの張力下で糸を10回巻回してカセ取りした後、2cm以下の棒につり下げ、約24時間放置する。このカセをガーゼにくるみ、無緊張状態下で90℃×20分間熱水処理した後、2cm以下の棒につり下げ約12時間放置する。放置後のカセの一端をフックにかけ他端に初荷重と測定荷重をかけ水中に垂下し2分間放置する。このときの初荷重(g)=1.8mg/dtex、測定荷重(g)=90mg/dtex、水温=20±2℃である。放置したカセの内側の長さを測り、Lとする。さらに、測定荷重を除き初荷重だけにした状態で2分間放置し、放置したカセの内側の長さを測り、L1とする。次式により、捲縮率を求め、この作業を5回繰り返し、平均値により求めた。
捲縮率(%)={(L−L1)/L}×100
5.摩擦帯電電荷量(初期)
JIS L1094:2014に記載のC法(摩擦帯電電荷量測定法)に準じて測定した。
6.摩擦帯電電荷量(洗濯20回+摩耗耐久(フロスティング)試験後)
JIS L1094:2014に記載のC法(摩擦帯電電荷量測定法)に準じて測定した。ただし、使用する生地においては、40×40cmにカットした生地を用いて、JIS L1094:2014に記載される洗濯処理を20回実施し、その後、生地中央部に対してJIS L 1076:2012に記載されるC法に基づく摩擦処理を100回実施して、上記摩擦帯電電荷量を測定した。
7.審美性
実施例で作成した織編物の審美性において、北窓光線下の環境で、次のとおりの級判定を行い、10人の評価の平均値を四捨五入したものを結果とした。5と4は合格と判定できるレベルにある。
・5級:織物と20cm離れた距離において、導電糸の配列を視認できず、綺麗な表面感を有する。
・4級:織物と1m離れた距離において、導電糸の配列を視認できず、綺麗な表面感を有する。
・3級:織物と1m離れた距離において、導電合撚糸の配列をやや視認できる。
・2級:織物と1m離れた距離において、導電合撚糸の配列を明確に視認できる。
・1級:織物と3m離れた距離において、導電合撚糸の配列を明確に視認できる。
(実施例1)
PETをベースポリマーとして、これに導電性カーボンを添加後の総量に対して25重量%添加してポリマーAとし、PETをポリマーBとして、ポリマーA:ポリマーBの重量比率が15:85の割合となるように、かつ、ポリマーAを芯部、ポリマーBを鞘部に形成した芯鞘断面形態となるように複合し、紡速1200m/分で紡糸し、その後3.0倍で延伸、150℃で熱処理して、導電糸a(22dtex、1フィラメント、沸騰水収縮率6.5%、比抵抗430Ω・cm)を得た。
次に、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数30000、仮撚温度200℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、170℃の条件で再熱セットを行い、非導電性加工糸b(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が3.5%、捲縮率31%)を得た。
その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(189dtex)を得た。
一方、上述の非導電性加工糸bの製法と同様にして得られるPET高配向未延伸糸を用いて、TMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数31000、仮撚温度215℃の条件でS方向に仮撚加工を行った後、インターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性加工糸B(167dtex、72フィラメント、沸騰水収縮率が5.6%、捲縮率45%、交絡度49ヶ/m)を得た。
次に、織物の地組織を形成する経糸及び緯糸に非導電性加工糸Bを用いるとともに、導電性合撚糸Aを、該導電性合撚糸Aの配列間隔が10mmとなるように緯糸に配列して、カシドス織物を製織した。
染色加工は、常法により95℃の温度で精練し、130℃の温度で乾燥し、180℃の温度で中間セットした。次いで、市販の黒色染料で135℃の温度で45分の染色を行い、80℃で還元洗浄し、水洗、乾燥し、170℃の温度でヒートセットを実施した。その後、C6フッ素撥水剤およびシリコーン濃染剤を使用した処理液に浸積し、処理液の付着量が80重量%になるようにマングルで絞り、110℃の温度で乾燥し、170℃の温度でヒートセットし、密度が150×110本/2.54cmの織物を得た。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯かつ摩耗耐久試験後にも大変優れた導電性能を有していた。また、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認できず、審美性に大変優れたアウター衣料であった。
(実施例2)
実施例1と同様の手法で導電糸aを得た。次に、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex72フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数30000、仮撚温度200℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、190℃の条件で再熱セットを行い、非導電性加工糸b(167dtex、72フィラメント、沸騰水収縮率が3.3%、捲縮率10%)を得た。その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、実施例1と同様の手法で非導電性加工糸Bを得た。その後、実施例1と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降も実施例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯かつ摩耗耐久試験後にも優れた導電性能を有していた。また、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認できず、審美性に大変優れたアウター衣料であった。
(実施例3)
繊度とフィラメント数を変更した以外は実施例1と同様の方法で、導電糸a(44dtex、2フィラメント、沸騰水収縮率6.4%、比抵抗410Ω・cm)を得た。その後、実施例1と同様の方法で非導電性加工糸bを得た。その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(211dtex)を得た。一方、実施例1と同様の手法で非導電性加工糸Bを得た。その後、実施例1と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も実施例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯後や摩耗耐久試験後にも大変優れた導電性能を有していた。また、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認できず、審美性に優れたアウター衣料であった。
(実施例4)
実施例1と同様の手法で導電糸aを得た。次に、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数27000、仮撚温度180℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性加工糸b(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が7.0%、捲縮率29%)を得た。その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、実施例1と同様の手法で非導電性加工糸Bを得て、S方向に200T/Mの撚糸加工を施した。その後、織物の地組織を形成する経糸及び緯糸に非導電性加工糸Bを用いるとともに、導電性合撚糸Aを、該導電性合撚糸Aの配列間隔が10mmとなるように経糸に配列して、カシドス織物を製織した。染色加工以降の工程は実施例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯後や摩耗耐久試験後にも大変優れた導電性能を有していた。また、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認できず、審美性に優れたアウター衣料であった。
(比較例1)
実施例1と同様の手法で導電糸aを得た。次に、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数29000、仮撚温度190℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性加工糸b(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が6%、捲縮率38%、交絡度49ヶ/m)を得た。その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、実施例4と同様の手法で非導電性加工糸Bを得た。その後、実施例4と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も実施例4と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯後や摩耗耐久試験後にも優れた導電性能を有していた。しかし、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認でき、アウター衣料として審美性が不足するものであった。
(比較例2)
実施例1と同様の手法で導電糸aを得た。次に、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸を延伸機により、加工速度800m/分、延伸倍率1.8倍、熱板温度210℃の条件で延伸加工を行い、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性糸b(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が6.9%、捲縮率0%、交絡度6ヶ/m)を得た。その後、導電糸aと非導電性加工糸bに対してS方向に200T/Mの合撚加工を施し、導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、実施例4と同様の手法で非導電性加工糸Bを得た。その後、実施例4と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も実施例4と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期導電性能が良かったものの、洗濯かつ摩耗耐久試験後に導電性能が低下した。また本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が明確に視認でき、アウター衣料として審美性は不足するものであった。
(比較例3)
実施例4と同様の手法で導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数30000、仮撚温度205℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、170℃の条件で再熱セットを行い、その後、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性加工糸B(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が3.7%、捲縮率31%、交絡度46ヶ/m)を得た。その後、S方向に200T/Mの追撚加工を施した。その後、比較例1と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も比較例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期だけでなく、洗濯後や摩耗耐久試験後にも優れた導電性能を有していた。しかし、本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が視認でき、アウター衣料として審美性が不足するものであった。
(比較例4)
比較例3と同様の手法で導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、300dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸を愛機製作所製ピン仮撚機TH312により、加工速度100m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数34000、仮撚温度215℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、その後、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.15MPa)を実施し、非導電性加工糸B(167dtex、48フィラメント、沸騰水収縮率が6.8%、捲縮率59%、交絡度36ヶ/m)を得た。その後、S方向に200T/Mの追撚加工を施した。その後、比較例1と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も比較例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期導電性能が良かったものの、洗濯かつ摩耗耐久試験後に導電性能が低下した。また本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては、生地凹凸が発生し、導電糸の配列が視認でき、アウター衣料として審美性が不足するものであった。
(比較例5)
実施例1と同様の手法で導電糸a、非導電性加工糸bを得た。その後、これら導電糸a、非導電性加工糸bを用いて、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.25MPa)を実施し、導電性混繊糸を得た。一方、比較例1と同様の手法で非導電性加工糸Bを得た。なお、撚りは付与しなかった。その後、織物の地組織を形成する経糸及び緯糸に非導電性加工糸Bを用いるとともに、前記導電性混繊糸を、該導電性混繊糸の配列間隔が10mmとなるように経糸に配列して、カシドス織物を製織した。染色加工は実施例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期導電性能が良かったものの、洗濯かつ摩耗耐久試験後に導電性能が低下した。また本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が明確に視認でき、アウター衣料として審美性が不足するものであった。
(比較例6)
実施例4と同様の手法で導電性合撚糸A(189dtex)を得た。一方、PETをポリマーとして、紡速3300m/分で紡糸し、260dtex48フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その後、この高配向未延伸糸をTMTマシナリー製ベルトニップ仮撚機MACH33Hにより、加工速度500m/分、延伸倍率1.8倍、仮撚係数27000、仮撚温度180℃の条件でS方向に仮撚加工を行い、フィード率1.0%でインターレース処理(ノズル圧:0.2MPa)を実施し、非導電性加工糸B(125dtex、72フィラメント、沸騰水収縮率が5.8%、捲縮率41%、交絡度40ヶ/m)を得た。その後、S方向に200T/Mの追撚加工を施した。その後、比較例1と同様の手法で織物を得た。なお、染色加工以降の工程も比較例1と同様の方法で行った。
得られた織物について摩擦帯電電荷量を測定した結果、織物は、初期導電性能が良かったものの、洗濯かつ摩耗耐久試験後に導電性能が低下した。また本織物を使用して学生服を縫製したところ、該縫製品においては導電糸の配列が明確に視認でき、アウター衣料として審美性は不足するものであった。
Figure 2021161578
本発明によれば、優れた耐久導電性と審美性を兼ね備えた織物を提供することができる。その結果、かかる織物は、静電気発生防止機能やホコリや花粉の付着防止機能等が必要とされるユニフォーム衣料やカジュアル衣料等のアウター用途に好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 導電糸aおよび捲縮率3〜35%の非導電性加工糸bからなる導電性合撚糸Aが、捲縮率35〜55%の非導電性加工糸Bで構成される地組織に対して挿入され、前記導電性合撚糸Aが互いに間隔を空けて配列されてなり、かつ、前記導電性合撚糸Aと前記非導電性加工糸Bの繊度差が0〜50dtexであることを特徴とする織物。
  2. 前記導電性合撚糸Aが緯糸にのみ使用されていることを特徴とする請求項1に記載の織物。
  3. 洗濯20回後かつフロスティング試験後の摩擦帯電電荷量が10μC/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の織物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の織物を用いてなる衣料。
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