JP2002294553A - 金属被覆繊維体とその製造方法 - Google Patents

金属被覆繊維体とその製造方法

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JP2002294553A JP2001096794A JP2001096794A JP2002294553A JP 2002294553 A JP2002294553 A JP 2002294553A JP 2001096794 A JP2001096794 A JP 2001096794A JP 2001096794 A JP2001096794 A JP 2001096794A JP 2002294553 A JP2002294553 A JP 2002294553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐腐食性および被覆強度に優れた金属被
覆繊維体の提供 【解決手段】 基体繊維の表面に、下地の金属被覆と、
その上側のケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を
有することを特徴とする金属被覆繊維体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維体に設けた金
属被覆の密着性および耐腐蝕性に優れると共に軽量であ
って低価格で製造でき、しかも人の皮膚への影響も少な
い金属被覆繊維体に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン繊維やポリエステル繊維などの
高分子材料からなる合成繊維表面に金属薄膜をコーテン
グした導電性繊維ないし導電性糸が従来から知られてお
り、金属コーテング膜の密着性を高めるために種々の方
法が試みられている。例えば、硫化銅をコーテングする
場合に、銅イオン捕捉基を有する染料で高分子材料を前
処理し、これに銅イオンを結合させた後に硫化する方法
(特公平01-37513号)や、アルカリ処理して粗面化した繊
維表面に銅イオン捕捉基を付着させた後にこれに硫化銅
を結合させる方法(特開平06-298973号)などが知られて
いる。また、アラミド繊維などのように金属メッキを施
し難いものについては、ポリビニルピロリドン(PVP)
を利用して金属イオンを付着させ、これを還元して金属
メッキを形成する方法(特表平06-506267号)などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記PVP
を利用するメッキ方法は繊維の種類が限られるので一般
的ではない。また、銅イオン捕捉基を導入するコーテン
グ方法は金属被覆が銅やその化合物に限られ、しかも金
属被覆の付着強度が必ずしも十分ではないと云う問題が
ある。なお、繊維をアルカリ処理して粗面化すれば概ね
金属被覆の付着強度を高めることができるが、粗面化の
程度と金属被覆の状態が適切でないと十分な効果が得ら
れない。しかも、金属被覆繊維を衣類等に使用する場合
には洗濯や摩耗などの過酷な使用条件に耐える必要があ
る。さらに導電性の観点からは、金属被覆の部分的剥離
によっても断線状態を招くので、金属被覆は信頼性の高
い密着強度を有することが求められる。
【0004】本発明は、従来の金属被覆繊維における上
記問題を解決したものであって、優れた被覆強度を有す
る金属被覆繊維体を提供する。また、一般に金属被覆繊
維体は塩素や硫化物による表面腐食が多く見られる。こ
れを防止するため、下地の金属被覆の上側に防食用金属
被覆を設ける二重金属被覆繊維体があるが、これは金属
量が多く、コスト高を招くことが懸念される。本発明は
上側の被覆にシリカ等の珪素化合物被覆あるいはチタニ
ア等のチタン化合物被覆を設けることにより、被覆金属
量が少なく、しかも耐腐食性に優れ、皮膚への刺激も少
ないた金属被覆繊維耐を提供するものである。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、金属被覆を有する繊
維体において、繊維体表面に設けた金属被覆を下地と
し、その上側にケイ素化合物またはチタン化合物からな
る表面被覆を設けたものであり、下地に導電性金属被覆
を設けることによって優れた導電性を有すると共に上側
の表面被覆によって耐腐食性を高め、しかも皮膚への刺
激が少なく比較的軽量であって製造コストも低い金属被
覆繊維体を提供する。
【0006】すなわち、本発明は以下の構成からなる金
属被覆繊維体に関する。 (1)基体繊維の表面に、下地の金属被覆と、その上側
のケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を有するこ
とを特徴とする金属被覆繊維体。 (2)金属被覆が金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、白
金、Os、Pd、またはこれらの合金の一種または二種
以上からなる導電性金属被覆である上記(1)に記載する
金属被覆繊維体。 (3)基体繊維がアクリル、ナイロン、ポリエステルな
どの合成繊維である上記(1)または(2)に記載する金属被
覆繊維体。 (4)下地の金属被覆がオレンジピールを有し、上側の
ケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆がパラフィン
処理またはワックス処理されている上記(1)〜(3)の何れ
かに記載する金属被覆繊維体。 (5)基体繊維の表面に無電解メッキ、電解メッキ、ま
たはゾルゲル法によって金属被覆を設けた後に、これを
基体繊維の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度
で加熱処理して徐冷し、次いで、この金属被覆表面にケ
イ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を基体繊維の結
晶化温度以下で形成することを特徴とする金属被覆繊維
体の製造方法。
【0007】また、本発明は以下の構成からなる金属被
覆繊維体の製造方法に関する。 (5)基体繊維の表面に金属被覆を設けた後、あるいは
金属被覆の上側にケイ素化合物被覆またはチタン化合物
被覆を設けた後に、この金属被覆繊維体を基体繊維の結
晶化温度以上であって融解温度未満の温度で加熱処理し
て徐冷することにより、被覆強度を高めたことを特徴と
する金属被覆繊維体の製造方法。 (6)基体繊維の加熱処理を、基体繊維の種類に応じ、
120〜250℃の温度で行う上記(5)に記載する金属
被覆繊維体の製造方法。 (7)基体繊維の表面に金属被覆を設けた後に、これを
基体繊維の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度
で加熱処理し、次いで、この金属被覆表面にケイ素化合
物被覆またはチタン化合物被覆を基体繊維の結晶化温度
以下で形成する上記(5)または(6)に記載する金属被覆繊
維体の製造方法。 (8)基体繊維の表面に金属被覆を設け、加熱処理した
後に、この金属被覆表面にケイ素化合物被覆またはチタ
ン化合物被覆を基体繊維の種類に応じて150〜250
℃の温度で形成する上記(5)、(6)または(7)に記載する金
属被覆繊維体の製造方法。 (9)ケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆の形成
溶液として、ケイ素、チタンまたはこれらの化合物のア
ルコキシド硝酸性溶液を用いる上記(5)〜(8)の何れかに
記載する金属被覆繊維体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施態様に基づい
て具体的に説明する。本発明の金属被覆繊維体は、基体
繊維の表層に下地の金属被覆と外側のケイ素化合物被覆
またはチタン化合物被覆を有することを特徴とするもの
である。なお、本発明において繊維体とは短繊維(ステ
ープル)、長繊維(フィラメント)、これらの繊維からな
る各種の加工糸(フィラメント糸、紡績糸など)を云い、
これらを広く含めて繊維体と云う。
【0009】本発明の金属被覆繊維体の基体となる繊維
(基体繊維と云う)としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、アクリル、ポリオレフィン、ナイロンなどの高分子
材料を主成分とした合成繊維、木綿などの天然繊維、レ
ーヨンなどのセルロース系繊維、これらの有機繊維のほ
かにガラスファイバーなどの無機繊維、またはこれらの
複合繊維体などが挙げられる。これらの繊維体は二種以
上を混紡したものでも良く、合成繊維と天然繊維を混紡
したものでも良い。このうち、ポリエステル繊維、アク
リル繊維、ナイロン繊維などの合成繊維を用いたものに
ついて本発明は特に有用である。
【0010】なお、ポリエステルの長繊維は従来から金
属被覆を施すのが難しいが、本発明によれば密着強度の
大きい金属被覆繊維体を得ることができる。これらの繊
維は単繊維の太さが0.1〜15d(テ゛ニール)のものが適当
である。この繊維径が0.1dより細いと繊維の強度が
不足するので好ましくなく、また、15dより太いと金
属被覆を施した際に繊維体が硬くなり可撓性が失われる
ので適当ではない。
【0011】基体繊維の表面に設ける下地の金属被覆
は、例えば、金、銀、銅、ニッケル、錫、亜鉛、白金、
Os、Pd、またはこれらの合金の一種または二種以上
からなる導電性金属被覆が好ましい。なお被覆方法ない
し手段は限定されない。電解メッキや化学(無電解)メッ
キ、あるいは真空蒸着などを利用することができる。基
体繊維表面に電解メッキあるいは化学メッキなどによっ
て上記金属の被覆を設けると良い。なお、金属被覆を設
ける際に、予め繊維体表面をアルカリ等によってエッチ
ング処理し、粗面化すれば被覆されるメッキ金属がこの
繊維体表面の粗面に入り込んでアンカー効果を発揮する
ので好ましい。
【0012】上記金属被覆は、その表面にオレンジピー
ルを有するものが好ましい。金属被覆がオレンジピール
を有することによって密着強度が向上する。オレンジピ
ール(orange peel)とはオレンジの皮に似た状態であっ
て、表面粗さが概ね0.01〜1μmの表面状態を云い、
ユズ肌ないし梨地肌と称されている。金属被覆の層厚が
概ね数百ナノメータ(nm)以下であるとき、金属被覆がオ
レンジピールを有するものは被覆の裏側まで粗面状態に
なっており、基体繊維の表面がこの粗面状態の金属被覆
裏面に入り込んでアンカー効果を発揮するので基体繊維
と金属被覆との接着強度が向上する。さらに、金属被覆
表面がオレンジピールを有することにより、その上側の
ケイ素化合物被覆ないしチタン化合物被覆との接着強度
も向上する。
【0013】本発明の金属被覆繊維体は上記金属被覆の
上側にケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を有す
る。これらの膜厚は特に制限されないが、繊維体の重
量、折り曲げ強度などの関係から、概ね60〜500nm
が適当である。このケイ素化合物被覆またはチタン化合
物被覆はアルコキシド溶液を用いて形成すると良い。具
体的には、ケイ素またはケイ素化合物のアルコキシド溶
液、チタンまたはチタン化合物のアルコキシド溶液を用
い、これを金属被覆表面に塗布し、あるいはこのアルコ
キシド溶液に金属被覆繊維体を浸して金属被覆表面にア
ルコキシド溶液を付着させ、乾燥後、焼結することによ
り、アルコキシドを加水分解させて、シリカ被覆または
チタニア被覆などを形成する。
【0014】ケイ素化合物被覆としてはシリカ(SiO
)、一酸化ケイ素(SiO)、アルコキシシリケート化
合物などが挙げられる。チタン化合物としてはチタニア
(TiO)、一酸化チタン(TiO)、チタン窒化物など
が挙げられる。これらは一部に水酸基を含むものでも良
い。なお、金属被覆との親和性およびコストの点からケ
イ素化合物被覆が有利である。さらに、シリカ窒化物、
シラン化合物などを用いても良く、また、さらに樹脂に
なじみ易いシリケートゴム、シリケート樹脂、チタネー
トゴム、チタネート樹脂を用いても良い。
【0015】上記アルコキシド溶液は硝酸性溶液が好ま
しい。硝酸酸性溶液としては、例えば、エチルシリケー
ト化合物と硝酸1.0%以下の溶液などが好適である。
硝酸酸性溶液を用いることによって、下地の金属被覆表
面がエッチングを受け、金属被覆表面がオレンジピール
の状態になり、その上側に形成するケイ素化合物被覆ま
たはチタン化合物被覆との接着強度が大きくなる。具体
的には、例えば、基体繊維表面に金属被覆を設けた後
に、加熱処理し、あるいは加熱処理前に、硝酸酸性エチ
ルシリケート溶液等を金属被覆表面に塗布して乾燥す
る。このとき溶液のpHはあまり下がりすぎないよう
1.0〜4.0程度に保ち、短時間に乾燥させるのが好ま
しい。乾燥後、焼結し、常温まで冷却する。
【0016】ケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆
を乾燥した後の焼結温度は、後述するように、金属被覆
を設けた後に加熱処理をしてケイ素化合物被覆またはチ
タン化合物被覆を設けている場合には、基体繊維の結晶
化温度以下で行う。この温度は基体繊維の種類にもよる
が概ね焼結温度は150〜250℃である。なお、この
場合、基体繊維は先に加熱処理されて結晶組織が整えら
れているので、先の加熱処理と同程度の温度で焼結して
も基体繊維の結晶組織は崩れない。因みに、例えば、ポ
リエステル繊維については約240℃以下、ナイロン繊
維については約180℃以下、アクリル繊維については
200℃以下の温度で焼結処理すれば良い。一方、金属
被覆を設けた後に加熱処理を行わずにケイ素化合物被覆
またはチタン化合物被覆を設けている場合には、ケイ素
化合物被覆またはチタン化合物被覆の焼結処理時に基体
繊維の加熱処理を同時に兼用して行うことができる。
【0017】金属被覆繊維体がその表層に、シリカなど
のケイ素化合物被膜、あるいはチタニアなどのチタン化
合物被覆を有することにより、これが下地の金属被覆の
保護層となり、耐腐蝕性が向上する。具体的には、例え
ば、この金属被覆繊維体を塩素系洗浄剤で洗濯した場
合、この表面被覆によって塩素系洗浄剤の浸透を防止す
るので塩素系洗浄剤に対する耐腐蝕性に優れる。また、
塵埃や汗などに含まれる硫化物等による硫化反応、ある
いは空気中での酸化反応等による腐食に対しても優れた
耐食性を示す。さらに、下地の金属被覆が外部に露出し
ないので皮膚に対する刺激が殆どなく、金属アレルギー
などを生じる虞がない。また、シリカ被覆などは透明性
が高いので適度な膜厚下において下地の金属被覆の色調
が被覆表面に表れる。従って、白色系の導電性金属被覆
を設けることにより、耐腐食性に優れ、かつ金属アレル
ギーを生じない白色導電性繊維体を得ることができる。
【0018】本発明の金属被覆繊維体は、好ましくは、
金属被覆を設けた後、あるいはケイ素化合物被覆ないし
チタン化合物被覆を設けた後に、基体繊維の結晶化温度
以上および融解温度未満の温度範囲で加熱処理したもの
である。この加熱処理によって基体繊維の組織を整え、
具体的には、例えば基体繊維の再結晶化を進め、金属被
覆の被覆強度を格段に高めると共に加熱による収縮を大
幅に抑制することができる。
【0019】一般に、ポリエステル、ナイロン、ポリア
クリル等の合成繊維を加熱すると、加熱温度に応じてガ
ラス転移、結晶化、融解(溶融)と次第に状態が変化し、
多くの場合にはガラス転移によって軟化し、続いて結晶
化の段階で大きく収縮する。金属被覆繊維体をその繊維
の結晶化温度以上に加熱すると、繊維が軟化し、繊維表
面が金属被覆の接触面の微細な凹凸に入り込み、アンカ
ー効果によって金属被覆と繊維との密着性が向上し、大
きな被覆強度を得ることができる。
【0020】加熱温度は概ね120℃〜250℃が適当
であり、具体的には、例えば、ポリエステル繊維につい
ては170〜240℃、ナイロン繊維については110
〜180℃、アクリル繊維については150〜200℃
が適当である。この加熱処理においては、繊維体が十分
に軟化するように昇温後の温度を5〜200分程度保持
するのが好ましい。なお、加熱温度が繊維体の融解温度
を上回ると繊維体全体が溶融して結晶性が低下すると共
に繊維体を破壊して金属被覆を保持できなくなるので好
ましくない。
【0021】繊維体の加熱処理により、冷却する過程で
繊維体の組織が整えられ被覆強度が向上する。例えば、
加熱により繊維の分子配列が揃って結晶化し、金属被覆
に密着した状態で繊維体が収縮し、徐冷工程で金属被覆
が繊維体との一体性を保って収縮することにより被覆強
度が向上する。また、このような加熱冷却処理によって
被覆強度が向上すると共に非伸縮性を有するようにな
る。一般に合成繊維は結晶化温度以上に加熱されると結
晶構造が変化するので10%以上の熱収縮を生じること
が多いが、以上のような加熱処理により、繊維体の結晶
構造が整えられるので、その後に加熱しても結晶構造が
変化し難く、熱収縮を殆ど生じない。
【0022】加熱処理手段は加熱炉、熱風炉などの他に
赤外線による加熱でも良い。また、メッキ槽内での加圧
水蒸気による加熱処理でも良い。加熱処理雰囲気は空気
中でも良いが、金属被覆の酸化による変色を防止するに
は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で加熱処理
するのが好ましい。
【0023】また、本発明の金属被覆繊維体は、以上の
加熱冷却処理を行うことにより、規格(JIS L 0849)に基
づく剥離強度試験において4等級以上の剥離強度(単に
4等級以上の強度と云う)を有することができる。因み
に、上記規格試験(JIS L 0849)は繊維体や布の染色堅ろ
う度を示す試験であり、染色布に白色布を重ね、所定荷
重下で規定回数擦り合わせた場合に生じる白色布の汚染
度によって染色の付着性が判定される。汚染度の高い順
(付着性の低い順)に1等級から5等級までの基準が定
められており、5等級の汚染度が最も低く、従って染色
の密着性が最も高い。上記加熱処理を施した金属被覆繊
維体について、この剥離試験における白色布の汚染度に
よって金属被覆の付着強度(被覆強度)を同様に判定する
ことができる。加熱処理前は3等級以下の被覆強度を有
する金属被覆繊維体について、本発明の加熱徐冷処理を
行うことによって4等級以上の高い被覆強度を有するも
のを得ることができる。
【0024】さらに、本発明によれば導電性に優れた金
属被覆繊維体を得ることができる。具体的には、例え
ば、繊維体1cmについて1デニール当たりの電気抵抗が
10000Ω/cm・テ゛ニール以下、好ましくは1000Ω/cm
・テ゛ニール以下、さらに好ましくは100Ω/cm・テ゛ニール以下
の導電性繊維体を得ることができる。なお、金属被覆量
を低減することによって電気抵抗が1万Ω/cm・テ゛ニール以
上の繊維体とすることもできる。
【0025】本発明の金属被覆繊維体は耐腐食性金属被
覆の表面にさらに表面処理を施したものを含む。表面処
理としては、パラフィンやワックスによる防錆処理ない
しオイル処理(オイリング)などを施すことができる。な
お、この防錆処理によって白色度の経時的な低下や密着
性(剥離強度)の低下を防止することができる。また、オ
イル処理を施すことにより繊維体表面の滑り性が向上す
る。このオイル処理は繊維体を織機や編機によって加工
する際にその滑りを良くするので金属被覆の密着性の保
護にもなる。金属被覆繊維体は実際に使用する際に、摩
擦、剪断力、曲げ等の物理的な力を受け、その強さや頻
度によって金属被覆の剥離や欠落が生じる。それらの度
合いは直接的には金属被覆と繊維体との密着強度に基づ
くが、上記表面処理を施すことによって摩擦や剪断力な
どが緩衝され、その結果として金属被覆の剥離が防止さ
れる。また、金属表面は一般に一部が酸化して水酸基を
有しているので、表面処理によって酸化を防止し防錆す
るのが好ましい。表面処理剤の使用量は金属の種類や加
熱冷却処理の条件等にもよるが、概ね0.1〜20wt%
の範囲が有効である。
【0026】本発明の金属被覆繊維体は短繊維や長繊
維、あるいは紡績糸や加工糸など各種の糸にして用いら
れる。また、金属被覆繊維を単独に用いる他に、合成繊
維や天然繊維、あるいは合成繊維と天然繊維の混合繊維
に混紡した混合繊維として用いることができる。さら
に、本発明の金属被覆繊維体は織布または不織布などの
布地材料や編物材料などとして用いることができる。こ
の場合、銀やスズ、ニッケルなどを用いたものは高い白
色度を有するので染色した際に発色性に優れ、テキスタ
イルや衣料品の布材に適する。さらに、銀などをコーテ
ングしたものは抗菌繊維体および抗菌衣料として利用す
ることができる。具体的な用途としては、抗菌性の靴
下、下着、上着、白衣、寝具、シーツ、ナプキン、手
袋、シャツ、ズボン、絨毯、マット、あるいは作業衣な
どが挙げられる。
【0027】また、本発明の金属被覆繊維体は布地材料
等に限らず、その導電性を利用して電磁波シールド材、
無塵服や手袋、靴、カバー、作業衣など静電防止材料、
あるいは電極や電線の軽量化を図る代替材料などに用い
ることができる。さらに、導電性有機材料への表面被覆
による複合導電材料や繊維体強化プラスチックの導電性
補強材などに用いることができる。
【0028】本発明の金属被覆繊維体を製造する手段と
して、基体繊維をチーズ巻の状態でタンク内に設置し、
チーズ巻の内側から外側に向かってメッキ液が流れるよ
うにしてメッキすると良い。具体的には、タンク内に基
体繊維を支える軸を設け、軸の周面にはメッキ液が流れ
出す多数の小孔を設け、軸にはメッキ液の導入管を接続
する。この軸にチーズ巻の基体繊維を差し込み、メッキ
液を供給する。メッキ液は軸の内部を流れて小孔から外
部に流れ出し基体繊維を内側から外側に向かって通過す
る。このような製造手段によれば、繊維の間隙がメッキ
液によって外側に押し広がられた状態となり、繊維相互
の細部にまでメッキ液が浸透するので、チーズ巻きの状
態でも繊維体の表面に金属メッキが均一に形成される。
【0029】金属被覆(メッキ)を施した後にこの繊維体
を乾燥し、上記温度範囲の加熱処理を施す。この加熱処
理はメッキ槽内に加圧水蒸気を導入して行っても良い。
またはメッキ槽から巻糸体を取り出して、電気炉などに
移して加熱処理しても良い。なお、加熱処理雰囲気は空
気中でも良いが、金属被覆の酸化による変色を防止する
ためには窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で加熱処理
を行うと良い。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。
【0031】〔実施例1〕前述のメッキ手段を用い、各
表に示す高分子材料(ポリエステル、アクリル、ナイロ
ン)からなる基体繊維(150テ゛ニール)をメッキ槽に入
れ、以下の処理工程(イ)〜(ヘ)を経て金属被覆繊維体を
得た。
【0032】(イ)脱脂処理:脱脂液(エースクリーンA-220:奥野
製薬工業社製品)の5wt%溶液を55℃でメッキ槽に5
分間循環させた後、イオン交換水を通じて十分に洗浄し
た。 (ロ)アルカリ処理:脱脂処理後に20wt%水酸化ナトリ
ウム溶液を70℃でメッキ槽に20分間循環させ、さら
にイオン交換水を通じて十分に洗浄した後に5wt%濃塩
酸溶液を室温でメッキ槽に2分間循環させた。 (ハ)活性化処理:アルカリ処理後に濃塩酸溶液と塩化パ
ラジウム混合溶液(キャタリストC:輿野製薬工業社製品)をメッ
キ槽に室温で3分間循環させた後にイオン交換水を通じ
て十分に洗浄した。さらに10wt%硫酸溶液をメッキ槽
に45℃で3分間循環させて活性化した。 (ニ)第一層金属被覆の形成:以上の前処理によって繊維
体表面に触媒を付着させた後に、この基体繊維を銀、ニ
ッケル、銅の各メッキ液に浸し、無電解メッキによって
下地の第一層金属被覆を形成した。 (ホ)加熱処理:以上の工程を経て製造した金属被覆繊維
体の一部を電気炉に装入し、基体繊維の結晶化温度以上
および融解温度未満の温度条件で加熱冷却処理した。 (ヘ)表面層の形成:この金属被覆上にエチルシリケート
化合物溶液、またはこれに代わるシリケート化合物溶液
を塗布し、乾燥後、ポリエステル繊維については約24
0℃以下、ナイロン繊維については約180℃以下、ア
クリル繊維については200℃以下の温度で焼結処理し
てシリカ被覆を形成した。また、シリカ被覆に代えて、
金、銀、銅の各メッキ液に浸し、無電解メッキによって
第二層目の金属被覆を形成した。
【0033】これらの金属被覆繊維体について、被覆の
密着(剥離)強度を測定した。この密着強度は繊維体や布
の染色堅ろう度を示す規格試験(JIS L 0849)に準じた剥
離強度試験に基づいて測定した。強度は付着性の低い順
に1等級から5等級までの基準に従って評価した。ま
た、白色度および塩素漂白試験を行い腐蝕の有無を調べ
た。塩素漂白試験は塩素水溶液(商品名ハイター50%
を含む水溶液)100ccの中に試料の銀被覆繊維を室温
下で10分間浸し、発生する気泡を観察し、3段階評価
を行った。白色度はハンターの式に基づきL値を求め
た。これらの結果を表1〜表3に示した。
【0034】表1〜表3に示すように、本発明の好まし
い範囲に属する金属被覆繊維体は何れも塩素腐蝕に対し
て優れた耐食性を有しており、さらに被覆強度も高く、
銀やニッケル被覆においては白色度も高い。
【0035】
【発明の効果】本発明の金属被覆繊維体は耐腐食性に優
れると共に被覆強度が大きい。具体的には、塩素漂白試
験において優れた塩素腐蝕性を有している。さらに、被
覆の剥離強度試験において4等級以上の基準強度を有す
ることができる。また、加熱下でも伸縮率が小さく、外
力に対する耐久性に優れる。従って、金属被覆の密着性
や耐久性が十分でないために従来は適用できなかった分
野にも本発明の金属被覆繊維体を用いることできる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:28 D06M 101:32 101:32 101:34 101:34 11/00 D (72)発明者 前田 雄亮 秋田県秋田市茨島3丁目1番6号 株式会 社ジェムコ第一事業所内 Fターム(参考) 4L031 AA25 CB12 DA00 DA21 4L033 AA05 AA07 AA08 AC11 AC15 BA01 BA96 BA99 DA00 5G307 GA06 GB01 GC02 5G323 AA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体繊維の表面に、下地の金属被覆と、
    その上側のケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を
    有することを特徴とする金属被覆繊維体。
  2. 【請求項2】 金属被覆が金、銀、銅、ニッケル、錫、
    亜鉛、白金、Os、Pd、またはこれらの合金の一種ま
    たは二種以上からなる導電性金属被覆である請求項1に
    記載する金属被覆繊維体。
  3. 【請求項3】 基体繊維がアクリル、ナイロン、ポリエ
    ステルなどの合成繊維である請求項1または2に記載す
    る金属被覆繊維体。
  4. 【請求項4】 下地の金属被覆がオレンジピールを有
    し、上側のケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆が
    パラフィン処理またはワックス処理されている請求項1
    〜3の何れかに記載する金属被覆繊維体。
  5. 【請求項5】 基体繊維の表面に金属被覆を設けた後、
    あるいは金属被覆の上側にケイ素化合物被覆またはチタ
    ン化合物被覆を設けた後に、この金属被覆繊維体を基体
    繊維の結晶化温度以上であって融解温度未満の温度で加
    熱処理して徐冷することにより、被覆強度を高めたこと
    を特徴とする金属被覆繊維体の製造方法。
  6. 【請求項6】 基体繊維の加熱処理を、基体繊維の種類
    に応じ、120〜250℃の温度で行う請求項5に記載
    する金属被覆繊維体の製造方法。
  7. 【請求項7】 基体繊維の表面に金属被覆を設けた後
    に、これを基体繊維の結晶化温度以上であって融解温度
    未満の温度で加熱処理し、次いで、この金属被覆表面に
    ケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆を基体繊維の
    結晶化温度以下で形成する請求項5または6に記載する
    金属被覆繊維体の製造方法。
  8. 【請求項8】 基体繊維の表面に金属被覆を設け、加熱
    処理した後に、この金属被覆表面にケイ素化合物被覆ま
    たはチタン化合物被覆を基体繊維の種類に応じて150
    〜250℃の温度で形成する請求項5、6または7に記
    載する金属被覆繊維体の製造方法。
  9. 【請求項9】ケイ素化合物被覆またはチタン化合物被覆
    の形成溶液として、ケイ素、チタンまたはこれらの化合
    物のアルコキシド硝酸性溶液を用いる請求項5〜8の何
    れかに記載する金属被覆繊維体の製造方法。
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