JPH0615563B2 - ペクチンの精製方法 - Google Patents

ペクチンの精製方法

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JPH0615563B2
JPH0615563B2 JP59198335A JP19833584A JPH0615563B2 JP H0615563 B2 JPH0615563 B2 JP H0615563B2 JP 59198335 A JP59198335 A JP 59198335A JP 19833584 A JP19833584 A JP 19833584A JP H0615563 B2 JPH0615563 B2 JP H0615563B2
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pectin
acid
water
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miscible organic
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晶二 鈴木
弘文 二宮
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水混和性有機溶剤により沈澱して得るペクチン
の精製方法に関する。
ペクチンは細胞間の充填並びに組織の支持を行なう物質
として植物界に広く存在する多糖類であり、主としてD
−ガラクツロン酸のα−1,4結合より構成される。
ペクチン分子中のD−ガラクツロン酸は部分的にメチル
エステル化されており、そのメトキシル化度によってペ
クチンの性質が異なり、メトキシル化度50%以上のも
のはハイメトキシル(HM)ペクチン、50%以下のも
のはロウメトキシル(LM)ペクチンと分類される。さ
らにHMペクチンにおいてはそのメトキシル化度により
ゲル化速度が異なってくるのでそのメトキシル化度によ
りラピッドセット、ミディアムセット、スローセットに
分けられている。LMペクチンにおいてもメトキシル化
度によりゲルの硬さや弾力性等性質が異なってくるので
ペクチンを製造する上でメトキシル化度の調節は重要で
ある。
[従来の技術] 柑橘類果皮等ペクチン含有植物からペクチンを製造する
には通常、乾燥したペクチン含有植物をpH1.5乃至2.5
の塩酸や硫酸のような無機酸水溶液に投入して60℃乃
至100℃で30分間乃至数時間撹拌してペクチン分を
抽出する。次いでこの抽出液を遠心分離や圧搾等により
不溶解分を分離し、清澄濾過後必要に応じ濃縮後、メタ
ノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の水混和
性有機溶剤を加えて沈澱させるか、あるいはアルミニウ
ム、銅、鉄等の金属の塩を添加してペクチンを該金属塩
として沈澱させ、脱水回収する。
金属塩法による場合は続いて酸性アルコール等で沈澱を
洗浄し、金属分を除去して可溶化させる必要がある。い
ずれの場合でも、ペクチンの沈澱を乾燥、粉砕して粉末
ペクチンとする方法が一般的である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしこのような水混和性有機溶剤を加えて処理するペ
クチンの製造法で得られたペクチンはその外の方法で得
られたペクチンに比べ高粘度になるという欠点がある。
即ち、一般的にペクチンは水溶性多糖類の中では水溶液
の粘度が極めて低い物質として知られており、その特性
を利用して使用されることも多いが、かかる方法で製造
したペクチンは例えば25℃の1%水溶液で100cp
sを超える粘度を示すことすらある。又、低粘度を利用
しない用途においても、例えばメトキシル化度が65%
程度のゲル化速度の遅いとされるいわゆるスローセット
タイプのHMペクチンでもゲル化の条件が満足された後
数秒程度でゲル化してしまい、ゲル中に多量の気泡が残
留する現象が認められることがある。
この原因はペクチン製造用の原料植物中に本来含まれる
カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属がペク
チンの分子中のウロン酸のカルボキシル基に作用し分子
内や分子間で架橋を起すため見掛け粘度の極端な上昇を
招くものと考えられる。
このような現象に対しイオン交換樹脂を用いて処理し、
高粘度となる原因を除こうとする試み(特開昭50−1
48399号等)もある。しかしこれはイオン交換塔を
必要とし、イオン交換処理及びイオン交換樹脂の再生等
という煩雑な操作を必要とするためコスト上昇の原因と
なるだけでなく、処理されるべきペクチン水溶液の粘度
が高いためイオン交換樹脂層の通過性が悪く、効率的な
プロセスを組み難いという欠点がある。
本発明の目的はかかる問題点のなく、粘度が以上に高く
なるようなことのない水混和性有機溶剤処理によるペク
チンの精製法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の要旨はペクチン含有植物からペクチンを抽出
し、不溶解分を除去してなるペクチン水溶液に酸を含む
水混和性有機溶剤を加えてペクチンを沈澱させるか、又
は該ペクチン水溶液に水混和性有機溶剤を加えて得た沈
澱物に酸を含む水混和性有機溶剤を加えて処理するペク
チンの精製において、酸を含む水混和性有機溶剤として
酸の濃度が0.05〜1.0規定のものを使用するペク
チンの精製方法にある。本発明の方法によれば酸により
アルカリ土類金属を溶解除去して製品であるペクチン中
への残留を抑制することができる。
本発明において用いられる酸としては塩酸、硫酸、硝酸
等の無機酸が好ましく用いられる。酢酸やクエン酸等の
有機酸も用いることができるが、 アルカリ土類金属の可溶化能に乏しいという問題があ
る。
使用する酸溶液の濃度はアルコールを含む系で0.05乃至
1.0規定であることが好ましい。酸の濃度が低すぎる場
合はアルカリ土類金属を充分に可溶化することが出来
ず、濃度が高すぎると脱エステル化反応やグリコシド結
合の開裂を招くため好ましくないし、経済的にも不利と
なる。
酸による処理はペクチンの水溶液にメタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、アセトン等の水混和性
有機溶剤を加えてペクチンを沈澱させる際に該水混和性
有機溶剤に酸を加えて処理してもよいし、沈澱させたペ
クチンを分離回収した後に沈澱が実質的に溶解しないよ
うな酸水溶液と水混和性有機溶剤の混合溶液を調製して
これで処理してもよい。
ペクチン水溶液を酸と水混和性有機溶剤で処理して沈澱
させる場合は酸水溶液/水混和性有機溶剤の容量比が1
/1以上、好ましくは1/1〜1/2の混合溶液を用い
る。ペクチンを沈澱させるためには通常ペクチン水溶液
に対し水混和性有機溶剤の濃度が50%容量濃度以上と
なるようにするが、本発明のように酸と水混和性有機溶
剤の混合溶液を用いた場合もペクチン水溶液に添加した
時に水混和性有機溶剤の濃度が50%容量濃度以上とな
るようにすることが好ましい。酸の濃度もペクチン水溶
液と混合した時の濃度が0.05乃至1.0規定となるように
するのが好ましい。
沈澱させたペクチンを分離回収した後酸と水混和性有機
溶剤の混合溶液で処理する場合には沈澱が実質的に溶解
しないように、例えば酸/水混和性有機溶剤の容量比が
1/10以下であるような混合溶液を用いることが好ま
しい。この混合溶液の量は多いほどアルカリ土類金属類
の除去効果は高くなるが、多くなるとそれだけ溶剤の回
収等で経済的に不利となるので該混合溶液の量は沈澱に
対し等量乃至数倍量とするのが好ましい。
この操作はペクチンの沈澱物に該混合溶液を加えて例え
ば10〜60分程度撹拌することで行なわれる。必要に
よっては該溶液の添加、撹拌、濾過の操作を繰り返し行
なってもよい。この処理を行なった後は適当な工程で酸
を中和洗浄しておくことが好ましい。
[実施例] 以下に本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明する。
なお、実施例において粘度はペクチンの1%水溶液をB
型粘度計を用い、25℃、30rpmで測定した。
メトキシル化度はフード ケミカルス コーデックス
(Food Chemicals Codex)第3版に記載の方法で測定し
た。
ゲル化時間はフード テクノロジー(Food Technolog
y)3,18(1949)に記載の方法、ゼリーグレードはIFT
法(同13,496(1959))により測定した。
実施例1 夏みかんの搾汁果皮の乾燥物3.5kgに水を加え全量が1
00となるようにした後濃塩酸を加えてpHを2.0と
し、昇温して90℃で30分間撹拌抽出を行なった。次
に不溶解分を遠心分離して除去し、得られた上澄液に珪
藻土濾過助剤を400g加え加圧濾過して清澄濾液7.8
kgを得た。この濾液に60%容量濃度となるようにイ
ソプロピルアルコールを加え析出したペクチンの沈澱を
分離し、圧搾して固形分濃度27%の沈澱2.2kgを得
た。この沈澱に60%容量濃度のイソプロピルアルコー
ル4.1に濃塩酸140mを添加混合して得た0.3規定
の酸アルコール混合溶液を加え、室温で1時間撹拌し
た。次いでこの沈澱を分離、回収し、圧搾した後、再度
60%容量濃度のイソプロピルアルコール4を加え撹
拌しながらアンモニア水を加えてpHを3.5としてさら
に1時間撹拌して充分に沈澱を中和した後、分離、回
収、圧搾し、乾燥、粉砕して粉末ペクチン60gを得
た。得られたペクチンの分析結果を表に示す。
実施例2 オレンジの搾汁果皮の乾燥物3.0kgを実施例1と同様
にして抽出、不溶解分除去を行なって得た清澄濾液82
に87%容量濃度のイソプロピルアルコールに濃塩酸
800mを添加混合して得た0.1規定の酸アルコール
混合溶液100を添加混合して室温で30分間撹拌し
てペクチンの沈澱を析出させると共に酸処理を行なっ
た。次いでこの沈澱を分離、回収し、圧搾した後、再度
60%容量濃度のイソプロピルアルコール4を加え撹
拌しながらアンモニア水を加えてpHを3.5とし、以下
実施例1と同様にして粉末ペクチン57gを得た。
実施例3 夏みかんの搾汁果皮の乾燥物3.5kgの代りにオレンジ
の搾汁果皮の乾燥物3.0kgを用いた以外は実施例1と
同様にして酸処理前のペクチン沈澱物1.9kgを得た。
この沈澱に60%容量濃度のイソプロピルアルコール6
濃塩酸400mを添加混合して得た0.8規定の酸ア
ルコール混合溶液を加え、室温で1時間処理を行なっ
た。以下実施例1と同様にして粉末ペクチンを得た。
比較例1及び2 夏みかんの搾汁果皮(比較例1)及びオレンジの搾汁果
皮(比較例2)各々3.0kgを用い、これらに各々水を
加え全量が100となるようにした後濃塩酸を加えて
pHを2.0とし、昇温して90℃で30分間撹拌抽出を
行なった。次に不溶解分を遠心分離して除去し、得られ
た上澄液に珪藻土濾過助剤を加え加圧濾過して清澄濾液
を得た。この濾液に60%容量濃度となるようにイソプ
ロピルアルコールを加え析出したペクチンの沈澱を分
離、回収、圧搾し、乾燥、粉砕して粉末ペクチンを得
た。得られたこれらのペクチンの分析結果を各実施例で
得たペクチンの結果と共に表に示す。
[発明の効果] 以上の実施例から明らかなようにあらかじめベクチンの
沈澱時あるい脱水した沈澱を処理することにより高品質
のペクチンを得ることができ、従来技術におけるような
イオン交換樹脂塔等を必要とせず、操作も簡単で従来法
のイソプロピルアルコール等の水混和性有機溶剤の代り
に酸と水混和性有機溶剤の混合溶液を用いて沈澱あるい
は洗浄を行なうだけで高品質のペクチンが得られるとい
う特徴を有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペクチン含有植物からペクチンを抽出し、
    不溶解分を除去してなるペクチン水溶液に酸を含む水混
    和性有機溶剤を加えてペクチンを沈澱させるか、又は該
    ペクチン水溶液に水混和性有機溶剤を加えて得た沈澱物
    に酸を含む水混和性有機溶剤を加えて処理するペクチン
    の精製において、酸を含む水混和性有機溶剤として酸の
    濃度が0.05〜1.0規定のものを使用することを特
    徴とするペクチンの精製方法。
  2. 【請求項2】酸が無機酸であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のペクチンの精製方法。
JP59198335A 1984-09-21 1984-09-21 ペクチンの精製方法 Expired - Lifetime JPH0615563B2 (ja)

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