JP2003082003A - 水溶性種子系多糖類の精製方法 - Google Patents

水溶性種子系多糖類の精製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性種子系多糖類原料独特の臭いを著しく
低減し且つ水溶液透明性を改善した水溶性種子系多糖類
の安価で効率の高い精製方法を提供する。 【解決手段】 水溶性種子系多糖類原料を実質的に溶解
させることなくアルカリ性アルコール水溶液中にて加熱
処理し、酸によって中和処理した後、アルコール水溶液
により洗浄して水溶性種子系多糖類を回収する際、アル
カリとして、水酸化物の金属塩を用い、その水酸化物イ
オンの添加量を、水溶性種子系多糖類原料の質量に対し
て0.5〜50質量%とする水溶性種子系多糖類の精製
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性種子系多糖
類の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性種子系多糖類の用途としては食品
分野や化粧品分野を中心に捺染、糊料等の諸工業にも広
く利用されている。通常の水溶性種子系多糖類粉末は、
種子に含有される蛋白質、油分、繊維質等の不純物が混
入するので、水溶液透明性、臭い及び品質安定性が劣っ
たものになる。そのため、用途により不純物を高度に除
去し、原料独特の臭いを著しく少なくし且つ水溶液透明
性を高めた精製品、そして不純物をある程度除去し、原
料独特の臭いをある程度少なくし且つ水溶液透明性を改
善した粗精製品、および不純物を除去していないために
原料独特の臭いを有し、水溶液透明性の悪い粗製品の3
タイプのものを使い分けている。
【0003】高度な水溶性種子系多糖類の精製方法とし
ては、公知の方法としてアルコール脱水法がある。その
方法は水溶性種子系多糖類を含む原料を熱水溶解した
後、蛋白質、繊維質等の不溶解物質を濾過除去し、濾液
に親水性有機溶媒を加えて多糖質を析出させ、この析出
物を乾燥、粉砕する方法である。この方法により、不純
物含量が少なく、水溶性種子系多糖類原料独特の臭いが
著しく少なく且つ水溶液透明性の高い高度な精製品が得
られる。また、大豆種子から得られる水溶性大豆多糖類
の精製方法としては、水溶液を酸性域で極性溶媒を用い
た再沈殿法等により脱塩し精製処理する方法が特開平1
1−279203号公報に開示されている。これらの方
法は水溶液中の多糖類濃度が低いために添加した親水性
有機溶媒の回収に多大な労力を必要とするか、水溶液の
濃縮のために多大なエネルギーを必要とし、その結果、
精製品は高価なものとなる。
【0004】また、大豆より抽出した水溶性大豆多糖類
水溶液をpH6以上9未満に調整した後、加熱処理し、
蛋白質等の凝集物を分離し水溶性大豆多糖類を回収する
方法が特開平7−188301号公報に開示されている
が、この場合、蛋白質等の凝集物の粒径が小さいために
その分離に多大の労力を要するという問題を有してい
る。
【0005】他の方法として、ポリガラクトマンナンの
スプリットを12〜30質量%の塩基水溶液で処理した
後、水、有機溶剤またはその混合物を用いて1回以上洗
浄し、生成物を回収する精製方法が特開平8−8570
2号公報に開示されているが、この方法の場合、濃度の
高い塩基水溶液で処理するため反応後の余分な塩基物を
除去するには4回以上の洗浄回数が必要であり、効率の
良い精製法とは言い難い。また、得られた精製品の臭い
に関する記載はなされていない。
【0006】一方、水溶性種子系多糖類の粗精製方法と
して、水溶性種子系多糖類原料の粉末を水または親水性
有機溶媒の水溶液中で酵素を用いて蛋白質、繊維質等の
不溶解物質を分解し、精製する方法が、特開昭60−1
18152号公報、特公平1−5041号公報、特開平
1−266101号公報、特開平1−193302号公
報等に開示されているが、この方法の場合、商業ベース
に見合う酵素の添加量で処理を行うと反応に数時間以上
を要し、効率の良い精製法とは言い難い。また、水溶性
種子系多糖類の粉末と蛋白質、繊維質等の不溶解物質と
を有機溶媒中または空気中にて比重差を利用して分離、
精製する方法が特公昭42−14034号公報、特公昭
60−17201号公報等に開示され、親水性有機溶媒
の水溶液中での重力と遠心力との作用を受けて運動する
際の挙動の差により、分離し、精製する方法が特公平2
−40682号公報に開示されているが、これらの方法
の場合、微小な蛋白質、繊維質が十分に除去されないた
め精製品の水溶液透明性は悪く、また種子系多糖類原料
独特の臭いが残留する問題を有している。
【0007】更に、特開2001−169735号公報
には、粗製グァーガムをアルカリ性アルコール水溶液中
にて加熱処理し、酸によって中和処理した後、アルコー
ル水溶液により洗浄することにより臭気を除去する方法
が開示されているが、同公報記載の方法におけるアルカ
リ性アルコール水溶液のPHは、7.5〜10が好まし
いとされ、より好ましくは8〜9.5であるとされてお
り、このようなPH範囲のアルカリ性アルコール水溶液
で処理しても、臭気は有る程度除去できても、水溶液の
透明性まで改善することはできなかった。
【0008】上述のように、効率よく原料由来の臭いと
水溶液透明性の双方を改善する水溶性種子系多糖類の精
製方法については従来全く知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消し、水溶性種子系多糖類原料独特の臭いを
著しく低減し且つ水溶液透明性を改善した水溶性種子系
多糖類の安価で効率の高い精製方法の提供を課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、水溶性種子
系多糖類原料を実質的に溶解させることなくアルカリ性
アルコール水溶液中にて加熱処理し、酸によって中和処
理した後固液分離し、次いでアルコール水溶液により洗
浄して水溶性種子系多糖類を回収する際、アルカリとし
て、水酸化物の金属塩を用い、その水酸化物イオンの添
加量を、水溶性種子系多糖類原料の質量に対して0.5
〜50質量%、より好ましくは2〜10質量%とするこ
とを特徴とする水溶性種子系多糖類の精製方法により解
決される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水溶性種子系
多糖類としては、イナゴマメの種子から得られるローカ
ストビーンガム、タラの種子から得られるタラガム、グ
ァーの種子から得られるグァーガム、カシアの種子から
得られるカシアガム、タマリンドの種子から得られるタ
マリンドガム、プランタゴオバタの種子から得られるサ
イリウムガム、亜麻の種子から得られるアマシードガ
ム、マルメロ種子から得られるクィンシードガム、大豆
のオカラから加熱処理して得られる水溶性大豆多糖類等
が好適である。
【0012】水溶性種子系多糖類原料とは、種子を粉砕
し分級等により多糖類の含量をある程度高めたものなど
であるが、その由来に限定されるものではない。また、
その形態も限定されるものではないが、通常粉粒体であ
る。その粒径の小さい方が蛋白質、繊維質、油分等の不
純物の粒径も小さくなり表面積が大きくなるため、アル
カリ性アルコール水溶液中での該物質の可溶化、分解反
応が早くなる。しかしながら本発明は実質的に水溶性種
子系多糖類が溶解しない状態で処理するため粒径が小さ
いほど中和した後の固液分離性は低下するので精製効率
と生産効率を考慮して原料の粒径を決定すればよい。
【0013】本発明において用いるアルカリは水酸化物
の金属塩であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化マグネシウムなどが例示される。アルカリの添加
量は、水溶性種子系多糖類原料中の臭いの成分や蛋白質
の含有量、臭いの成分や蛋白質の水溶性種子系多糖類と
の結合性、水溶性種子系多糖類分子の主鎖のアルカリ加
水分解に対する耐性により水溶性種子系多糖類原料種ご
とに異なり、アルコールの濃度、処理温度、処理時間の
組み合わせにより決定されるが、水酸化物イオンとして
水溶性種子系多糖類の原料質量に対して0.5〜50質
量%(アルカリ性アルコール水溶液のPHとして12.
0〜13.0:測定条件 IPA40質量%、温度70
〜75℃)であることが必要であり、好ましくは2〜1
0質量%(アルカリ性アルコール水溶液のPHとして1
2.4〜12.8)である。0.5質量%未満だと蛋白
質のアルコール中での可溶化および分解が不十分であり
且つ臭いの成分の抽出も不十分となり、その結果、回収
された製品は臭いが残り、水溶液透明性も改善されな
い。また水溶性種子系多糖類原料のアルカリ性アルコー
ル水溶液による膨潤度が小さくなり、後工程の固液分離
性能が低下し、生産効率が低下するため好ましくない。
逆に50質量%を越えると蛋白質や臭いの成分の除去効
果が高く回収された製品は臭いがなく、水溶液透明性が
高くなるが水溶性種子系多糖類分子の主鎖のアルカリ加
水分解により粘度が大きく低下し水溶性種子系多糖類の
特性が損なわれ、また中和に多量の酸が必要になるため
好ましくない。
【0014】本発明において用いるアルコールとして
は、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール
の低級アルコールが好ましい。アルコールの濃度は、本
発明においては実質的に水溶性種子系多糖類が溶解しな
い状態(スラリー)で処理するところに特徴があり、2
0〜80質量%が好ましい。アルコールの濃度が20質
量%未満だと水溶性種子系多糖類がアルコール水溶液中
に溶出し、後の操作が煩雑になり回収製品の歩留まりも
悪化するので好ましくない。アルコールの濃度が80質
量%を越えると蛋白質と臭いの成分の抽出除去が困難に
なるため好ましくない。
【0015】アルコールの添加量は水溶性種子系多糖類
原料を含むスラリーを加熱処理する際、スラリー全体が
均一に攪拌できる量を添加する必要があり、水溶性種子
系多糖類原料質量に対して5〜20倍量が好ましい。
又、加熱方法としては、スラリーを室温から加熱処理温
度まで昇温する方法、予め加熱したアルコール水溶液を
水溶性種子系多糖類原料に添加する方法のいずれでもよ
い。
【0016】加熱処理の温度については、処理温度が低
いと蛋白質や臭いの成分の除去効率が悪く処理時間が長
くかかり、処理温度が高いと蛋白質や臭いの成分の除去
効率が良くなり処理時間は短くてよいが、水溶性種子系
多糖類分子主鎖のアルカリ加水分解により水溶性種子系
多糖類の粘度や他の多糖類との反応性などの基本特性が
損なわれるため、30〜80℃が好ましい。
【0017】加熱処理の時間については、水溶性種子系
多糖類原料の種類や形態、加熱処理温度、アルカリ添加
量及びアルコール濃度により適正時間は異なるが、30
〜60℃で30分〜2時間、60〜80℃で15分〜1
時間が好ましい。
【0018】加熱処理後、アルカリ性アルコール水溶液
中での水溶性種子系多糖類自体のアルカリによる分解反
応を停止し、基本特性をコントロールするために酸を用
いて中和するが、酸としては塩酸、硝酸、リン酸などの
無機系の酸が好ましい。
【0019】中和処理後、スラリー中の水溶性種子系多
糖類の固形物とアルコール水溶液とを固液分離するが、
固液分離の方法としてはどのようなものでもよく、例え
ば水溶性種子系多糖類の固形物が濾液中に抜け出ない孔
径の濾材を用いたヌッチェ濾過機やフィルタープレス機
などの加圧濾過法や遠心分離法を挙げることができる。
【0020】固液分離後、分離した水溶性種子系多糖類
の固形物に含まれ、食味に影響を与える中和塩や不純物
を低減させるためにアルコール水溶液を用いて1回以上
洗浄する。アルコール水溶液のアルコール濃度は、80
%を越えると中和塩の溶解が抑えられ不溶化し、洗浄効
果が低下するので80%以下が好ましく、先の加熱処理
時の濃度に準じて行えばよい。アルコール水溶液の添加
量は分離した水溶性種子系多糖類が均一に攪拌できる量
を添加する必要があり、固形物質量に対して3〜10倍
量が好ましい。洗浄時間については5〜15分の短時間
でよく、それ以上時間を長くしても洗浄効果は変わらな
い。洗浄回数は特に制限はなく、中和塩の残留が食味に
影響を与えないように回数を決めればよく、本発明の処
理方法では1,2回で十分である。
【0021】洗浄後、上記固液分離方法により水溶性種
子系多糖類の固形物を回収し、熱風乾燥機や真空乾燥機
を用いてアルコール水溶液を除去したのち、衝撃式、剪
断式、又は両方式の混ざった通常の粉砕機を用いて粉砕
することで原料独特の臭いが著しく低減し且つ水溶液透
明性が改善された粉末状の精製水溶性種子系多糖類を得
ることができる。
【0022】尚、タマリンドガムの場合、冷水可溶性を
付与するために(1)タマリンド種子粉末の不純物を酵素
処理した後、加熱溶解し、噴霧乾燥する方法(特公昭6
4−5041号公報)、(2)抽出液を濾過し、濾液に
親水性有機溶媒を加えてガム質を析出させ、この析出物
を乾燥、粉砕する方法(特開昭60−203601号公
報)などが知られているが、本発明による精製方法によ
り冷水可溶性を付与することが可能となる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。なお、アルカリ、アルコール水溶液の添加量につ
いては原料質量に対する質量%または質量倍数で表し
た。また、粗蛋白質含量はケルダール分解法により窒素
をアンモニアとして定量し、6.25倍して求めた。水
溶液透明性については分光光度計による660nmでの
透過率(T%)で示し、粘度についてはB型粘度計での
測定値(mPa・s)で示した。
【0024】(実施例1)平均粒径150μmのグァー
ガム原料(豆臭を有し、5%の粗蛋白質を含む)をアル
カリとして水酸化ナトリウムを用い、アルコールとして
イソプロピルアルコール水溶液を10倍量用いて表1に
示す試験番号1〜4の各条件で攪拌しながら加熱処理し
た。次に塩酸を用いてpH5.5に中和し、ついで孔径
250μmの金網濾材を用いて0.1MPaの圧力でヌ
ッチェ濾過し、固形物を回収した。この固形物に対して
各試験番号に示す濃度のアルコール水溶液5倍量を添加
し、室温にて10分間、攪拌洗浄した後、ヌッチェ濾過
機で同様に固液分離し、乾燥、粉砕して精製グァーガム
を得た。得られたグァーガムの粗蛋白質含量、1%加熱
溶解後の25℃でのT%、粘度(BH型、20rp
m)、1%分散液の加熱溶解前後の臭いについて表2に
示した。尚、表1及び表2における試験番号3及び4は
比較例に該当する。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1、2から明らかなように本発明の方法
(試験番号1及び2)によりグァーガム原料を精製する
ことにより基本特性の粘度を維持させながら原料独特の
臭いが著しく低減し且つ水溶液透明性が改善された精製
グァーガムを得ることが可能となる。
【0028】(実施例2)平均粒径40μmのタマリン
ド原料(豆臭を有し、18.2%の粗蛋白質を含む)を
水酸化ナトリウム0.2倍量(水酸化物イオンとして
8.5質量%)を含む80℃に加熱した50%イソプロ
ピルアルコール水溶液10倍量に添加し、80℃で30
分間攪拌しながら加熱処理した。次に塩酸を用いてpH
6.0に中和し、ついで孔径100μmの濾布濾材を用
いて0.1MPaの圧力でヌッチェ濾過し、固形物を回
収した。この固形物に対して50%イソプロピルアルコ
ール水溶液5倍量添加し、室温にて10分間、攪拌洗浄
した後、ヌッチェ濾過機で同様に固液分離し、乾燥、粉
砕して精製タマリンドガムを得た。得られたタマリンド
ガムの粗蛋白質含量、1.5%加熱溶解後の25℃での
T%、粘度(BL型、30rpm)、1.5%分散液の
加熱溶解前後の臭いについて表3に示した。表3から明
らかなように本発明の方法によりタマリンドガム原料を
精製することにより、加熱処理後の固液分離性が良好で
原料独特の臭いが著しく低減し且つ水溶液透明性が改善
された精製タマリンドガムを得ることが可能となる。ま
た、冷水可溶性について表4に示したが、表4から明ら
かなように本発明の方法により冷水可溶性タマリンドガ
ムを得ることが可能となる。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】(実施例3)平均粒径150μmのサイリ
ウムガム原料(臭いを有し、3.5%の粗蛋白質を含
む)を水酸化カリウム0.1倍量(水酸化物イオンとし
て3.0質量%)を含む70℃に加熱した60%エタノ
ール水溶液10倍量に添加し、70℃で60分間攪拌し
ながら加熱処理した。次に塩酸を用いてpH6.0に中
和し、ついで孔径250μmの金網濾材を用いて0.1
MPaの圧力でヌッチェ濾過し、固形物を回収した。こ
の固形物に対して60%エタノール水溶液5倍量添加
し、室温にて5分間、攪拌洗浄した後、ヌッチェ濾過機
で同様に固液分離し、乾燥、粉砕して精製サイリウムガ
ムを得た。得られた精製サイリウムガムの粗蛋白質含
量、0.5%加熱溶解後の25℃でのT%、粘度(BH
型、4rpm)、0.5%分散液の加熱溶解前後の臭い
について表5に示した。表5から明らかなように本発明
の方法によってサイリウムガム原料を精製することによ
り、原料独特の臭いが著しく低減し且つ水溶液透明性が
改善された精製サイリウムガムを得ることが可能とな
る。
【0032】
【表5】
【0033】(実施例4)平均粒径75μmの水溶性大
豆多糖類原料(豆臭を有し、6.3%の粗蛋白質を含
む)を水酸化ナトリウム0.24倍量(水酸化物イオン
として10質量%)を含む60℃に加熱した70%メタ
ノール水溶液10倍量に添加し、60℃で60分間攪拌
しながら加熱処理した。次に硝酸を用いてpH6.0に
中和し、ついで孔径100μmの濾布濾材を用いて0.
1MPaの圧力でヌッチェ濾過し、固形物を回収した。
この固形物に対して70%メタノール水溶液8倍量添加
し、室温にて15分間、攪拌洗浄した後、ヌッチェ濾過
機で同様に固液分離し、乾燥、粉砕して精製水溶性大豆
多糖類を得た。
【0034】このものの粗蛋白質含量、5%加熱溶解後
の25℃でのT%、粘度(BL型、30rpm)、5%
分散液の加熱溶解前後の臭いについて表6に示した。表
6から明らかなように本発明の方法により水溶性大豆多
糖類原料を精製することにより、原料独特の臭いが著し
く低減し且つ水溶液透明性が改善された精製水溶性大豆
多糖類を得ることが可能となる。
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明によれば、
水溶性種子系多糖類原料を実質的に溶解させることな
く、特定のアルカリ性アルコール水溶液中にて加熱処理
し、水溶性種子系多糖類を回収することにより、効率よ
く水溶性種子系多糖類原料独特の臭いを著しく低減し、
且つ水溶液透明性を改善することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性種子系多糖類原料を実質的に溶解
    させることなくアルカリ性アルコール水溶液中にて加熱
    処理し、酸によって中和処理した後固液分離し、次いで
    アルコール水溶液により洗浄して水溶性種子系多糖類を
    回収する際、アルカリとして、水酸化物の金属塩を用
    い、その水酸化物イオンの添加量を、水溶性種子系多糖
    類原料の質量に対して0.5〜50質量%とすることを
    特徴とする水溶性種子系多糖類の精製方法。
  2. 【請求項2】 水酸化物イオンの添加量が、水溶性種子
    系多糖類原料の質量に対して2〜10質量%である請求
    項1記載の水溶性種子系多糖類の精製方法。
  3. 【請求項3】 水溶性種子系多糖類が、ローカストビー
    ンガム、タラガム、グァーガム、カシアガム、タマリン
    ドガム、サイリウムガム、アマシードガム、クィンシー
    ドガム、又は水溶性大豆多糖類である請求項1又は2記
    載の水溶性種子系多糖類の精製方法。
  4. 【請求項4】 アルコールが、イソプロピルアルコー
    ル、エタノール、又はメタノールであり、水溶液の濃度
    が、20〜80質量%である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の水溶性種子系多糖類の精製方法。
  5. 【請求項5】 加熱処理を、30〜80℃で行う請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の水溶性種子系多糖類の精
    製方法。
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