JPH0615540U - 衣類収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高所空間を有効に活用すると共に、衣類の出
し入れを容易に且つ安全に行うことができる衣類収納装
置を提供する。 【構成】 上下二段分の収納空間Ｓを構成する竪の壁部
である背面部１２に、保持体３を昇降自在に備えた一対
のガイド体２，２を設け、前記保持体３に進退自在に衣
類掛止用のスライド体４を設け、前記保持体３および前
記スライド体４を作動させる昇降駆動機構としての昇降
駆動用モータ１８、チェーン１９、下部スプロケット２
０、上部スプロケット２１、出力軸２３および進退駆動
機構としての進退駆動用モータ１７、ローラ３５を備え
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、衣類を吊り下げた状態で整理・保管しておくのに用いられる衣類 収納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の衣類収納装置としては、洋服ダンスやクローゼットといったものがご く一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記したような一般的な洋服ダンスやクローゼットにあっては、衣 類を容易に出し入れすることが可能な高さに吊り下げるようにしてあるため、洋 服ダンスと天井の間、あるいは吊り下げ位置と天井の間にかなりの空間が形成さ れ、その高所空間が有効に活用されていないことがある。

【０００４】 また、例えば、前記高所空間を活用するために衣類の収納空間を上下二段にす ることが考えられるが、この場合、上段の空間に対して衣類を出し入れすること がきわめて困難になり、出し入れの度に踏台や梯子を用いねばならず、危険を伴 う恐れがあり、このような不具合を解決することが課題となっていた。

【０００５】

【考案の目的】

この考案は、上記したような従来の課題に着目してなされたもので、衣類を吊 り下げ状態で収納するにあたり、高所空間を有効に活用することができると共に 、衣類の出し入れを容易に且つ安全に行うことができる衣類収納装置を提供する ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わる衣類収納装置は、天井部と、床部と、竪の壁部となる背面部 および側面部とで上下二段分の収納空間を形成し、前記竪の壁部に、天井部から 下方に延び且つ保持体を昇降自在に備えた竪のガイド体を設けると共に、前記保 持体に、収納空間内から装置正面側に突没する衣類掛止用のスライド体を進退自 在に設け、前記保持体を昇降動作させる昇降駆動機構と、前記スライド体を進退 動作させる進退駆動機構を備えた構成としており、このような衣類収納装置の構 成を課題を解決するための手段としている。

【０００７】

【考案の作用】

この考案に係わる衣類収納装置では、衣類が上下二段に収納されることとなり 、下段収納空間に対しては、踏台や梯子を用いることなく衣類の吊り下げや取り 外しが可能である。

【０００８】 また、上記衣類収納装置では、上段収納空間に収納される衣類がスライド体に 掛止されることとなり、前記スライド体を進退駆動機構で前進させ、さらに、保 持体を昇降駆動機構で下降させることにより、前記スライド体が下段収納空間の 正面側に移動する。これにより、前記スライド体に対して衣類の吊り下げや取り 外しが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１〜図４に基づいて説明する。

【００１０】 図１および図２に示す衣類収納装置１は、天井部１５と、床部１６と、竪の壁 部となる背面部１２および左右の側面部１３，１４とで上下二段分の収納空間Ｓ を形成すると共に、両側面部１３，１４の所定の高さ位置に衣類掛止用のバー９ を設け、このバー９の上側を上段収納空間Ｓ１とし、下側を下段収納空間Ｓ２と している。

【００１１】 前記衣類収納装置１は、背面部１２の左右両側位置に、天井部１５から下方へ 延び且つ保持体３を昇降自在に備えた一対の竪のガイド体２，２を備えると共に 、前記保持体３に、収納空間Ｓから装置正面側に突没する衣類掛止用のスライド 体４を進退自在に備え、このほか、前記保持体３を昇降動作させる昇降駆動機構 と、前記スライド体４を進退動作させる進退駆動機構を備えると共に、前記下段 収納空間Ｓ２の下部に２つの小物用引出し８，８を設けた構成になっている。

【００１２】 前記両ガイド体２，２は、図３に示すように、断面コ形を成し且つ収納空間Ｓ の高さのほぼ半分に相当する長さを有する部材から成るものであって、互いに反 する方向に開口させた状態で固定してある。

【００１３】 前記保持体３は、前記各ガイド体２，２に沿って昇降自在に設けた一対のスラ イダ２４，２４と、水平状態にして前記各スライダ２４，２４に基端部を固定し た一対の保持ビーム３１，３１と、前記両保持ビーム３１，３１の先端部間に掛 け渡した状態に設けた横梁３２を備えている。

【００１４】 前記各スライダ２４は、前記ガイド体２に被せる状態で取り付けられる断面コ 形の部材から成り、その側壁部２４ａに、衣類収納装置１の左右方向を軸線方向 とするローラ軸２５，２５を介して２個のローラ２６，２６が上下に設けてある 。

【００１５】 前記各保持ビーム３１は、断面コ形を成し且つ収納空間Ｓの奥行にほぼ相当す る長さの部材から成るものであって、衣類収納装置１の左右において、断面コ形 の開口部分を互いに反する方向に向けた状態にして、前記スライダ２４の正面の 壁部２４ｂに固定してあり、先端には逆Ｌ字形を成すローラ保持用プレート３３ が設けてある。前記ローラ保持用プレート３３は、図４に示すように、前記保持 ビーム３１の上壁３１ａの上面に短辺３３ｂが固定してあって、長辺３３ａが保 持ビーム３１の下側に垂下した状態になっており、その長辺３３ａの下部には、 衣類収納装置１の左右方向を軸線方向とするローラ軸３４を介してローラ３５が 取付けてある。

【００１６】 前記保持体３は、各スライダ２４に設けたローラ２６，２６を各ガイド体２の 内側に係合させることにより、一対の竪のガイド体２，２に対して昇降自在にな っている。

【００１７】 前記スライド体４は、前記保持体３に沿って進退自在に設けた一対のスライド ビーム４１，４１と、前記両スライドビーム４１，４１の中央部間に掛け渡して 設けた衣類掛止用のバー５を備えている。

【００１８】 前記スライドビーム４１は、前記保持体３の保持ビーム３１の長さにほぼ等し い長手寸法を有すると共に、保持ビーム３１に類似した断面コ形の部材から成る ものであって、衣類収納装置１の左右において断面コ形の開口部分を互いに反対 向きにした状態とし、前記保持ビーム３１の下側に平行に設けられる。

【００１９】 前記衣類掛止用のバー５の両端部は、左右のスライドビーム４１，４１の側壁 部４１ｂ，４１ｂの相対向面に固定されている。さらに、前記スライドビーム４ １のガイド体２側の端部には、Ｌ字形のローラ保持用プレート４３が設けてある 。前記ローラ保持用プレート４３は、前記スライドビーム４１の底壁４１ｃに短 辺４３ｂが固定してあって、長辺４３ａが上向きに延出している状態になってお り、前記長辺４３ａの上部に衣類収納装置１の左右方向を軸線方向とするローラ 軸４４を介してローラ４５が設けてある。

【００２０】 そして、前記スライド体４は、保持体３側に設けたローラ３５をスライドビー ム４１の内側に入り込ませて、その上壁部４１ａの下面に当接させると共に、ス ライド体４側に設けたローラ４５を保持体３の保持ビーム３１の内側に入り込ま せて、その底壁部３１ｃの上面に当接させてある。これにより、前記スライド体 ４は、保持体３の下側に水平に保持されると共に、衣類収納装置１の正面開口部 から突没する方向に進退自在になっている。

【００２１】 前記昇降駆動機構は、衣類収納装置１の背面部１２の下側に設けた昇降駆動用 モータ１８と、前記一対のガイド体２，２の間隔よりもやや小さい間隔で一対の 下部スプロケット２０，２０を備えるとともに前記昇降駆動用モータ１８により 駆動される出力軸２３と、前記両スプロケット２０，２０に対応して衣類収納装 置１の天井部１５に取付けられた一対の上部スプロケット２１，２１と、衣類収 納装置１の左右において上下のスプロケット２１，２１，２０，２０に巻掛けら れた無端状のチェーン１９，１９と、前記両チェーン１９，１９のチェーンカバ ー２２，２２を備えており、前記チェーン１９の一部を前記保持体３におけるス ライダ２４の側壁部２４ｃに設けた固定具３９に固定した構成になっている。し たがって、この実施例では、昇降駆動用モータ１８と出力軸２３と上下のスプロ ケット２１，２１，２０，２０とチェーン１９，１９とで昇降駆動機構を構成し ている。

【００２２】 前記進退駆動機構は、保持体３の片側（図１中左側）に設けた進退駆動用モー タ１７の出力軸を同保持体３のローラ保持用プレート３３のローラ軸３４に連結 することにより、このローラ軸３４に設けたローラ３５を回転駆動する構成にな っている。したがって、この実施例では、進退駆動用モータ１７およびローラ３ ５で進退駆動機構を構成している。

【００２３】 このほか、昇降駆動機構や進退駆動機構には、図示しないモータ制御装置、操 作用スイッチや可動部の位置検出器などが含まれる。

【００２４】 上記構成を備えた衣類収納装置１は、保持体３を一対の竪のガイド体２，２の 上端に位置させると共に、スライド体４を保持体３の下側に沿う後退位置とした 状態において、スライド体４の掛止用バー５と側壁部１３，１４間の掛止用バー ９にハンガーなどを用いて衣類が吊り下げられ、上下二段に衣類を吊り下げて収 納することになる。下段収納空間Ｓ２に対しては、踏台等を用いることなく、衣 類の吊り下げや取外しを容易に行うことが可能である。

【００２５】 次に、衣類収納装置１は、進退駆動機構の進退駆動用モータ１７を作動させる と、これにより回転するローラ３５でスライド体４が衣類収納装置１の正面開口 部から突出する前進方向に送られ、図２中に仮想線で示すように、前記スライド 体４が、保持体３とスライド体４の両ローラ保持用プレート３３，４３が当接す るところまで前進して、収納空間Ｓから装置正面側に延出した状態となる。

【００２６】 そして、衣類収納装置１は、昇降駆動機構の昇降駆動用モータ１８を作動させ ると、そのモータ１８の出力軸２３および上下のスプロケット２１，２１，２０ ，２０により両側のチェーン１９，１９が同時に回動し、スライダ２４において 前記チェーン１９，１９と連結状態にある保持体３が側壁部１３，１４間の掛止 用バー９の上側まで降下する。

【００２７】 これにより、衣類収納装置１はスライド体４が下段収納空間Ｓ２の正面側に移 動し、踏台や梯子を全く用いることなく、このスライド体４に対する衣類の吊り 下げや取り外しが容易に行えることとなる。

【００２８】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案に係わる衣類収納装置は、上下二段に衣類 を収納することにより、高所空間を有効に活用することができるうえに、上段収 納空間において衣類を掛止するためのスライド体が下段収納空間の前に移動する ので、上段収納空間に収納される衣類の吊り下げや取外しの作業を安全に且つ容 易に行うことができるという非常に優れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による衣類収納装置の正面
図である。

【図２】この考案の一実施例による衣類収納装置の側壁
を省略した右側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線位置での部分拡大断面図であ
る。

【図４】図２のＢ−Ｂ線位置での部分拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｓ１ 上段収納空間 Ｓ２ 下段収納空間 １ 衣類収納装置 ２ ガイド体 ３ 保持体 ４ スライド体 １７ 進退駆動用モータ（進退駆動機構） １８ 昇降駆動用モータ（昇降駆動機構） １９ チェーン（昇降駆動機構） ２０ 下部スプロケット（昇降駆動機構） ２１ 上部スプロケット（昇降駆動機構） ２３ 出力軸（昇降駆動機構） ３４ ローラ軸（進退駆動機構） ３５ ローラ（進退駆動機構）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井部と、床部と、竪の壁部となる背面
   部および側面部とで上下二段分の収納空間を形成し、前
   記竪の壁部に、天井部から下方に延び且つ保持体を昇降
   自在に備えた竪のガイド体を設けると共に、前記保持体
   に、収納空間内から装置正面側に突没する衣類掛止用の
   スライド体を進退自在に設け、前記保持体を昇降動作さ
   せる昇降駆動機構と、前記スライド体を進退動作させる
   進退駆動機構を備えたことを特徴とする衣類収納装置。