JPH0615501Y2 - 小型モータ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、自動車等に搭載される小型モータに関するも
のである。

「従来の技術」 自動車に使用される小型モータは、出力特性が同じで外
形寸法が同一であっても、組込まれる機器用アクチュエ
ータ、例えば電動ミラー用アクチュエータ又はドアロッ
ク用アクチュエータ等の搭載スペース上の制約や、ブラ
シホルダ兼用の給電ターミナルとワイヤハーネスとの接
続構造等の制約等により、小型モータのエンドフレーム
から給電ターミナルを取出す位置および／または方向
を、機器用アクチュエータの種類に応じて変更する必要
があった。

このため、実開昭６１−４５５号公報に開示されるよう
に、ブラシ取付板及びケース蓋に形成された複数個のタ
ーミナル穴の何れかを、適宜選択的に用いることによ
り、給電ターミナルの取出し位置を変更していた。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、給電ターミナルがエンドフレームに挿通
され突出したままでは、上記した各種の制約を受けた
り、取り扱いが容易ではないという問題点がある。ま
た、突出した給電ターミナルを単に折曲しただけでは、
組み付け時や運搬時に外力が作用したとき変形してしま
うという問題点がある。

さらに、給電ターミナルに接続するリード線が、周辺部
品の組み付けの邪魔になったり、ハンダ付けの際ハンダ
鏝に接触するとリード線の被覆が損傷されるという問題
点がある。

本考案は、上記問題点を解決するためになされたもので
あり、組み付け上の制約をクリアするとともに取り扱い
が便利な小型モータを提供することを目的とするもので
ある。

「課題を解決するための手段」 上記課題を解決することを目的とした本考案の小型モー
タは、ヨークと、該ヨークの端部に固定されて前記ヨー
クと共に小型モータの外枠を構成するエンドフレーム
と、該エンドフレームに固設された給電ターミナルとを
備えた小型モータにおいて、前記給電ターミナルを外部
に取り出すため前記エンドフレームに穿設された複数の
ターミナル挿通孔と、外部に取り出された前記給電ター
ミナルが前記エンドフレームの端面に沿って折曲される
とき前記給電ターミナルを収容するため、前記エンドフ
レームの端面に沿って前記ターミナル挿通孔に連続して
形成されたターミナル収容溝とを備えたことを特徴とす
る。

また、ヨークと、該ヨークの端部に固定されて前記ヨー
クと共に小型モータの外枠を構成するエンドフレーム
と、該エンドフレームに固設された給電ターミナルとを
備えた小型モータにおいて、 前記給電ターミナルに接続されたリード線を収納するリ
ード線引回し用溝を、前記エンドフレームの側端部に形
成したことを特徴とする。

「作用」 上記構成によれば、ターミナル挿通孔からエンドフレー
ムの端面に突出した給電ターミナルが折曲されたとき、
エンドフレームの端面に沿って形成されたターミナル収
容溝に収容される。

また、給電ターミナルに接続されたリード線はエンドフ
レームの側端部に形成されたリード線引回し用溝に収納
される。

「実施例」 本考案の小型モータの実施例を第１図から第４図を参照
して説明する。

第１図(a),(b)は本実施例の小型モータＭのエンドフレ
ーム１を示したものである。このエンドフレーム１は樹
脂により略長円形に製作された非導電性であって、軸方
向に８個の略長方形のターミナル挿通孔３〜１０が穿設
されている。ターミナル挿通孔５，６，９，１０は、略
長円形のエンドフレーム１の４隅に長手方向の中心線Ｃ
ｙ（第１図(a)参照）と平行に穿設されている。また、
ターミナル挿通孔３，４，７，８は、略長円形のエンド
フレーム１の４隅に中心線Ｃｘ（第１図(a)参照）と平
行に穿設されている。

第１図(c),(d)は、第１図(a)におけるＣ−Ｃ線及びＤ−
Ｄ線断面図である。ターミナル挿通孔８，６の出口には
溝８ａ，６ａが形成されており、第３図(a)〜(c)に示す
給電ターミナル２を容易に挿入することができる。さら
に、ターミナル挿通孔８，６の根元部にも長方形の溝部
８ｂ，６ｂが形成されており、給電ターミナル２の根元
部に切起こされた切起片２ａが嵌り合う。他のターミナ
ル挿通孔８，６以外のターミナル挿通孔３〜１０につい
ても同様である。エンドフレーム１の内部には凹部１ｃ
が形成されている。

第２図(a)に示されるように、本実施例の小型モータＭ
の外枠は、エンドフレーム１とヨーク２０よりなり、両
者はエンドフレーム１のｘ軸方向の両側端部１ｂに形成
されたリード線引回し用溝１１の底部に、ヨーク２０の
切起し片２０ａをかしめることにより一体に結合されて
いる。ヨーク２０の内部には、界磁用磁石２１が固定さ
れており、この界磁用磁石の中心に電機子２２が挿通さ
れている。電機子２２はヨーク２０とエンドフレーム１
により回転自在に軸支されている。また、エンドフレー
ム１の凹部１ｃにおいて電機子２２の整流子２３にはブ
ラシ１２が弾力的に接触されている。

第３図(a)〜(c)に示されるように、給電ターミナル２の
一端には、前記ブラシ１２がブラシホルダ部１４ａを折
曲げて形成されたブラシスプリング１４を介して接続固
定されている。常には第２図(c)に実線で示すようにブ
ラシスプリング１４の弾力によりブラシ１２の端面が傾
斜するように付勢されている。ブラシ１２が前記整流子
２３に接触すると、ブラシスプリング１４が第２図(c)
に二点鎖線で図示されたように弾力的に撓んで、ブラシ
１２の端面が前記整流子２３の表面に平行に接触する。
また、給電ターミナル２の根元部には、鋸歯状の止片２
ｂが形成されており、給電ターミナル２をエンドフレー
ム１のターミナル挿通孔３〜１０に圧入したのちには、
該給電ターミナル２がターミナル挿通孔３〜１０から抜
け出ることがないように固定される。

第４図(a),(b)は、給電ターミナル２のブラシ１２を整
流子２３に接触させる態様を示したものである。第４図
(a)では、２個の給電ターミナル２が整流子２３を挟ん
で対角状に配置され、第１図(a)図示のエンドフレーム
１の中心線Ｃｘに平行に圧入固定されている。そして、
ブラシ１２が互いに相異なる二方向から延出されたブラ
シスプリング１４に固定されている。

第４図(b)では、２個の給電ターミナル２がエンドフレ
ーム１の中心線Ｃｙに対して同じ側に配置され、短径ｎ
に平行に圧入固定されており、ブラシ１２が同方向に延
出されたブラシスプリング１４に固定されている。給電
ターミナル２が、エンドフレーム１の中心線Ｃｙに平行
に圧入固定される場合については、図示及び説明を省略
する。

尚、第１図(a)〜(d)に図示されたように、エンドフレー
ム１の端面１ａには、前記ターミナル挿通孔３〜１０の
出口に連続させるとともに、端面１ａに沿って給電ター
ミナル２を収容可能な深さのターミナル収容溝３１〜３
８が形成されている。ターミナル挿通孔３〜１０に圧入
固定される給電ターミナル２の端面１ａからの突出部分
を、該ターミナル収容溝３１〜３８内に折り曲げて収容
した際に、該給電ターミナル２がエンドフレーム１の端
面１ａから浮き上がることがない。

また、本実施例においては、第１図(a),(b)及び前述の
第２図(a),(b)に示されるように、エンドフレーム１の
長手方向の両側端部には、給電ターミナル２に接続した
リード線１５を導いて収納するリード線引回し用溝１１
が、リード線１５の太さに合致した深さで形成されてい
る。

ターミナル挿通孔３〜１０に圧入固定される給電ターミ
ナル２にリード線１５を半田１６により接合して取付け
たのち、このリード線引回し用溝１１に前記リード線１
５を導いて収納することにより、リード線１５が小型モ
ータＭのエンドフレーム１およびヨーク２０から浮き上
がることがない。

給電ターミナル２にリード線１５を取付ける方法として
は、前述の半田１６による以外に、例えば第５図(a),
(b)に示される方法がある。

第５図(a)に図示される方法は、リード線１５の先端に
左右に開放可能な弾性導電片１７ａ，１７ｂを有する構
造のいわゆるチューリップ形コネクタを接続し、このコ
ネクタ１７に給電ターミナル２を挿入することにより、
弾性導電片１７ａ，１７ｂを開放させて、給電ターミナ
ル２にリード線１５を取付けるものある。

第５図(b)に図示される方法は、一端に断面略長方形の
挿入口１８ａを有し、上部壁面より切起し片１８ｂを切
り起こされた構造の角筒形コネクタ１８をリード線１５
の先端に接続し、この角筒形コネクタ１８の挿入口１８
ａに給電ターミナル２を挿入することにより、給電ター
ミナル２の止穴２ｂに切起し片１８ｂを係合させて、給
電ターミナル２にリード線１５を取付けるものである。

「実施例の作用」 上記構成の本実施例によれば、第６図に類別された横型
の構造に給電ターミナル２をエンドフレーム１に固定す
る場合は、第１図(a)図示の中心線Ｃｘに平行なターミ
ナル挿通孔３，４，７，８のいずれか２個に給電ターミ
ナル２を挿通し、エンドフレーム１に圧入固定する。ま
た、横型の構造のうちノーマルタイプにする場合は、給
電ターミナル２をターミナル挿通孔３，４，７，８のい
ずれかに挿通してエンドフレーム１に圧入固定したまま
とする。折り曲げタイプが要求される場合は、ターミナ
ル挿通孔３，４，７，８に挿入した給電ターミナル２を
折り曲げ、ターミナル収容溝３１，３２，３５，３６に
収容する。

また、第６図に縦型として類別された構造とする場合
は、第１図(a)図示の中心線Ｃｙに平行なターミナル挿
通孔５，６，９，１０が使用される。縦型の構造のうち
折り曲げタイプが要求される場合は、縦方向のターミナ
ル挿通孔５，６，９，１０に連続されたターミナル収容
溝３３，３４，３７，３８に、折曲した給電ターミナル
２を収容する。

従って、本実施例の構成によれば、第６図に例示された
２０通りの構造の小型モータを単一の構造により提供す
ることができるという利点がある。

尚、本考案は、上記実施例の構造の細部にまで限定され
るものではなく、例えば乾電池を電源として小型モータ
Ｍを給電する場合には、給電ターミナル２がエンドフレ
ーム１の内側に折り曲げられる場合がある。また、給電
ターミナル２は図示の平板形状の断面を有するものに限
らず、平板を直角に折り曲げたかぎ形断面に形成される
場合があり、かつターミナル挿通孔をエンドフレーム１
に穿設する位置も図示の実施例のみに限定されるもので
はなく、複数の形態に応じた複数の位置や方向にのター
ミナル挿通孔を予め穿設し、そのうち必要数を選択的に
使用するものであれば良い。

「考案の効果」 請求項１に記載の本考案の小型モータは上記した構成を
有し、ターミナル挿通孔からエンドフレームの端面に突
出した給電ターミナルは折曲されて、エンドフレームの
端面に沿って形成されたターミナル収容溝に収容するこ
とができ、エンドフレームの端面から浮上がることがな
く、組み付け時や運搬時に外力が作用しても、ターミナ
ル収容溝の側壁により保持されて変形することがないか
ら運搬や取り扱いが便利になるとともに、折曲すること
により小型モータの軸方向の寸法が短くなり、車両への
搭載スペースを小さくすることができる。

請求項２に記載の本考案の小型モータは上記した構成を
有し、リード線はエンドフレームの側端部に形成された
リード線引回し用溝に収納されるから、リード線が拡が
らず各種機器用アクチュエータにおける作動または他の
部品の組付けや配線などの邪魔になることがない等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図(a),(b),(c),(d)は本考案の小型モータのエンド
フレームを示し、第１図(a)は正面図、第１図(b)は半断
面図、第１図(c),(d)は第１図(a)Ｃ−Ｃ線及びＤ−Ｄ線
断面図、第２図(a),(b)はエンドフレームを装着した小
型モータの半断面図および側面図、第３図(a),(b),(c)
はそれぞれ給電ターミナルを示す下面図、正面図及び側
面図、第４図(a),(b)は第２図IV−IV線断面図、第５図
(a),(b)は給電ターミナルにリード線を取付ける構造例
を示した正面図及び斜視図、第６図はターミナル挿通孔
の利用態様を示す説明図である。 １……エンドフレーム、１ａ……端面、１ｂ……側端
部、２……給電ターミナル、３〜１０……ターミナル挿
通孔、１１……リード線引回し用溝、１５……リード
線、２０……ヨーク、３１〜３８……ターミナル収容
溝、Ｍ……小型モータ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヨークと、該ヨークの端部に固定されて前
   記ヨークと共に小型モータの外枠を構成するエンドフレ
   ームと、該エンドフレームに固設された給電ターミナル
   とを備えた小型モータにおいて、 前記給電ターミナルを外部に取り出すため前記エンドフ
   レームに穿設された複数のターミナル挿通孔と、 外部に取り出された前記給電ターミナルが前記エンドフ
   レームの端面に沿って折曲されるとき前記給電ターミナ
   ルを収容するため、前記エンドフレームの端面に沿って
   前記ターミナル挿通孔に連続して形成されたターミナル
   収容溝とを備えたことを特徴とする小型モータ。
2. 【請求項２】ヨークと、該ヨークの端部に固定されて前
   記ヨークと共に小型モータの外枠を構成するエンドフレ
   ームと、該エンドフレームに固設された給電ターミナル
   とを備えた小型モータにおいて、 前記給電ターミナルに接続されたリード線を収納するリ
   ード線引回し用溝を、前記エンドフレームの側端部に形
   成したことを特徴とする小型モータ。