JPH0615296B2 - 車両のルーフの風そらせ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、摺動カバーによって開閉できるルーフ開口部
を有する車両のルーフの風そらせ装置であって、車両の
縦軸線に直角な軸線のまわりに旋回可能なようルーフ開
口部の前縁に沿って配置した風そらせ部材を有し、上記
風そらせ部材のボデーが、駆動装置を介して旋回アーム
に結合してあり、摺動カバーを開けると、バネの力によ
って外方へ旋回され、摺動カバーを閉じると、カバーの
運動に依存して変位するカムが少くとも１つの旋回アー
ムに乗り上げることによって、内方へ旋回される形式の
ものに関する。

（従来の技術） この種の公知の風そらせ装置の場合、風そらせ部材のボ
デーは、金属板プレス成形部材から成るか（西独特許第
２，６０７，８１６い）、旋回アームに結合するため合
成樹脂成形部材を側縁から離れた個所に挿入した金属板
プレス成形部材から成るか（西独公開第３，１３７，１
９１号）、合成樹脂成形部材から成るか（米国特許第4,
268,085号）、所要の肉厚を得るため合成樹脂成形部材
を被せた金属板成形部材から成る（西独実用新案第78−
28941 号）。

（発明が解決しようとする課題） これら公知の解決法では、風そらせ部材のボデー制作費
が高く、特に、高コストのプレス金型が必要である。一
般に各車種について、風そらせ部材の寸法が異なるた
め、該プレス金型は、各車種毎に新しく作成しなければ
ならず、非常にコスト高になる。

そこで、本発明は、低コストで作成できる風そらせ装置
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するために本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明の特徴とするところは、摺動カバーによっ
て開閉できるルーフ開口部を有する車両のルーフの風そ
らせ装置であって、該車両の縦軸線に直角な枢動軸のま
わりに旋回可能なよう前記ルーフ開口部の前縁に沿って
配置した風そらせ部材を有し、該風そらせ部材は、前記
枢動軸の軸線方向両側に配置された端部部材と該端部部
材に挟持されたボデーとからなり、該ボデーは、その前
部の下部に凹みを有する形状に押出成形された型材を所
定長さに切断して成り、前記端部部材には、前記凹みに
嵌合する突出部が形成されており、該突出部と前記凹み
との嵌合により前記ボデーと端部部材とが一体的に結合
されており、前記突出部には、前記枢動軸の受けが形成
されている点にある。

（作用） 本発明によれば、風そらせ部材のボデーは、押出成形さ
れ且つ所定長さに切断されて成る凹み付き型材から形成
されているので、市販の型材を使用することができ安価
に製造できる。

また、車種毎に異なる風そらせ部材の長さは、型材を所
定長さに切断するだけで得られるので、製造が簡単であ
る。

更に、端部部材の突出部に枢動軸の受けを設けているの
で、車種毎に異なる仕様をこの端部部材で受け持たせ、
ボデーを共通とすることにより低コストになる。

また、型材と端部材は、型材の凹みと端部材の突出部と
の嵌合固定で一体的に結合されるので、溶接等の固着手
段を必要とせず、組立が容易になる。

（実施例） 添付の図面を参照して以下に本発明の実施例を詳細に説
明する。

自動車のルーフ10には、剛な摺動カバー12によって開閉
できるルーフ開口部11が設けてある。ルーフ開口部11の
前部および側部は、車の縦方向へ延びる側部レール14を
有するルーフフレーム13によって囲まれている。側部レ
ール14には、公知の態様で、摺動カバー12が、すべりシ
ュー15（第２図には前部すべりシュのみが示してある）
によって案内してある。ルーフフレーム13の前部には、
全体として16で示した風そらせ部材が、車の縦軸線に直
角な軸線のまわりに旋回可能なよう軸支してある。第
１、２、４、７図の実施例の場合、風そらせ部材16は、
重量低減のために中空スペース18を内部に構成した、軽
金属押出成形型材から成るボデー17を備えている。凹み
19は、ボデー17の前端の近傍のボデー下面に設けてあ
る。この凹み19には、端部部材21の突出部20が両側から
挿入してある。この場合、ボデー17と端部部材21とは形
状結合されている（第６図参照）。端部部材21（図面に
は１つの部材のみが示してある）は、合成樹脂部材（特
に、合成樹脂成形部材）から構成するのが合目的的であ
る。端部部材21の突出部20の内側端には、２つの受け個
所22，23が設けてある。受け個所22には、貫通した受け
開口24が設けてある。一方、受け個所23の受け開口25
は、袋穴として構成するのが合目的的である。ボデー17
の中空スペース18には、端部部材21の短い方の突出部27
が係合する。端部部材21は、特に第１図から明らかな如
く、型材から構成したボデー17の側縁を被う。

風そらせ部材16の支持部材として、カバーレール30が、
ルーフフレーム13の前端のキャップ状部分31にネジ32で
固定してある。カバーレール30には、２つのクランク状
駆動軸33（図面には１つの軸のみを示した）が、例え
ば、溶接によって、固定してある。枢動軸33の自由端34
は、端部部材21の受け個所22，23に挿入してあり、風そ
らせ部材16の旋回軸線を決定する。枢動軸33の自由端34
の受け個所22，23の間には、一端をボデー17および／ま
たは端部部材21に支持し、他端をカバーレール30に支持
したねじりバネ35が設けてある（第６図）。ねじりバネ
35は、風そらせ部材16を第２図の位置に駆動するよう作
用する。

ボデー17の凹み19には、更に、中央受け37が挿入して形
状結合されている。この中央受け37には、別の枢動軸39
と共働する受け個所38が設けてある。枢動軸39は、両側
でクランク状に曲げてあり、湾曲端は、カバーレール30
に固定（例えば、溶接）してある。受け個所38は、中央
受け37が枢動軸39上を摺動できるよう、スリットとして
構成するのが合目的的である。

端部部材21の外側端には、旋回アーム42の前端に取付け
た駆動ピン41と係合する長穴状作動スリット40が設けて
ある。旋回アーム42の他端は、受けブロック43および旋
回軸44を介してルーフフレーム13に結合してある。駆動
ピン41を取付けた旋回アーム42の前端45は、旋回アーム
の主部分46に抜差自在に結合してある。かくして、旋回
軸44と駆動ピン41との間に有効距離を調節して風そらせ
部材の上昇高さを調節することができる。旋回アーム42
の端部45と主部分46とは、クランクネジ47によって相互
に固定できる。

ガタツキ騒音を避けるため、駆動ピン41は、ゴムまたは
別の騒音減衰材料から構成でき、およびまたは、作動ス
リット40の、少くとも、風そらせ部材を上昇する際に駆
動ピン41と当接する範囲には、軟質の弾性ライニング
（図示してない）を施すことができる。図示の実施例の
場合、この当接範囲は、作動スリット40の後端であり、
作動スリット40の長さは、風そらせ部材16を引込んだ際
に駆動ピン41がスリット前端にぶつからないよう、選択
するのが合目的的である。

摺動カバー12を開けると（第２図）、風そらせ部材16
は、ねじりバネ35の作用によって上昇される。摺動カバ
ー12を前方の閉鎖位置に摺動させると、カバーの運動に
依存して変位するカム48が、旋回アーム42上に乗る。旋
回アーム48は、旋回軸44のまわりに逆時計方向へ旋回さ
れる。駆動ピン41は、作動スリット40の内部を前方へ移
動する。風そらせ部材16は、内方へ旋回される（第５、
６図）。

カム48は、すべりシュー支持部材49またはカバー12の摺
動運動に追従してレール14に対して所定の高さ位置を取
る別の構造部材と結合している。かくして、風そらせ部
材の作動は、摺動カバー12の場合による高さ調節操作の
影響を受けない。カバーの高さ調節は、一般に、閉鎖位
置のカバーを固定ルーフ10の隣接部分と面一の状態とす
る手段（図示してない）によって行われる。

第５、６図の実施例の場合、全体として51で示した風そ
らせ部材のボデーの後部範囲は、ゴム製または合成樹脂
製型材から構成してあり、一方、ボデー51の前部範囲
は、軽金属の押出成形型材53から成る。双方の部分52，
53は、相互に形状結合しており、上面および下面が相互
に面一をなすよう設計してある。

上述のすべての実施例の場合、風そらせ部材の表面は、
適切に処理するか、被覆を施すことができる。

（発明の効果） 本発明によれば、風そらせ部材のボデーは、押出成形さ
れ且つ所定長さに切断されて成る凹み付き型材から形成
されているので、市販の型材を使用することができ安価
に製造できる。

また、車種毎に異なる風そらせ部材の長さは、型材を所
定長さに切断するだけで得られるので、製造が簡単であ
る。

更に、端部部材の突出部に枢動軸の受けを設けているの
で、車種毎に異なる仕様をこの端部部材で受け持たせ、
ボデーを共通とすることにより低コストになる。

また、型材と端部材は、型材の凹みと端部材の突出部と
の嵌合固定で一体的に結合されるので、溶接等の固着手
段を必要とせず、組立が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、摺動カバーを備えた自動車ルーフの部分平面
図、第２図は、第１図の線11−11に沿う断面図、第３図
は、端部部材の下面図、第４図は、軽金属押出成形型材
の実施例の横断面図、第５図は、風そらせ部材のボデー
の別の実施例の、第１図の線Ｖ−Ｖに沿う断面図、第６
図は、第１図の線VI−VIに沿う断面図、第７図は、風そ
らせ部材のボデーおよび１つの端部部材の部分下面図、
第８図は、風そらせ部材のボデーの支持部材として設け
たカバーレールの部分図である。 10……自動車のルーフ、11……ルーフ開口部、12……摺
動カバー、13……ルーフフレーム、14……レール、16…
…風そらせ部材、17，51，55……風そらせ部材のボデ
ー、21，59……端部部材、33，39……枢動軸、35……ね
じりバネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】摺動カバー(12)によって開閉できるルーフ
   開口部(11)を有する車両のルーフ(10)の風そらせ装置で
   あって、該車両の縦軸線に直角な枢動軸(33)のまわりに
   旋回可能なよう前記ルーフ開口部(11)の前縁に沿って配
   置した風そらせ部材(16)を有し、 該風そらせ部材(16)は、前記枢動軸(33)の軸線方向両側
   に配置された端部部材(21)(21)と、該端部部材(21)(21)
   に挟持されたボデー(17)とからなり、 該ボデー(17)は、その前部の下部に凹み(19)を有する形
   状に押出成形された型材を所定長さに切断して成り、 前記端部部材(21)には、前記凹み(19)に嵌合する突出部
   (20)が形成されており、 該突出部(20)と前記凹み(19)との嵌合により前記ボデー
   (17)と端部部材(21)とが一体的に結合されており、 前記突出部(20)には、前記枢動軸(33)の受け(22)が形成
   されていることを特徴とする車両のルーフの風そらせ装
   置。