JPH06148947A - 静電荷現像用キャリアー及び現像剤 - Google Patents

静電荷現像用キャリアー及び現像剤

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JPH06148947A
JPH06148947A JP4298964A JP29896492A JPH06148947A JP H06148947 A JPH06148947 A JP H06148947A JP 4298964 A JP4298964 A JP 4298964A JP 29896492 A JP29896492 A JP 29896492A JP H06148947 A JPH06148947 A JP H06148947A
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JP
Japan
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resin
carrier
glass transition
resin system
vinyl
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JP4298964A
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English (en)
Inventor
Noriaki Takahashi
徳明 高橋
Katsuo Koizumi
勝男 小泉
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも塩化ビニリデン系共重合体を含有
する樹脂系であって、該樹脂系全体のガラス転移点が5
0℃以上である樹脂系により、芯材の少なくとも一部を
被覆してなることを特徴とする静電荷現像用キャリア
ー。 【効果】 本発明の樹脂被覆キャリアーは膜強度に優
れ、芯材への密着性も良好なので、耐久性に優れている
のみならず、帯電性の立上がりが速く且つ高い帯電性を
キャリアーに与える。よって、帯電安定性が優れている
ため、画像濃度が高く、極めてカブリの少ない鮮明な複
写画像が得られる。又、複写時のトナーの転写効率を高
くする。更には、キャリア−単独又は現像剤として高温
化で保存放置しても固結することがなく、又その放置後
の帯電保持率が高く、帯電安定性、帯電立ち上がり性が
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機に使用
する静電荷現像用キャリアーおよびそれを用いた現像剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から正帯電性トナーと組み合わせる
キャリア−として負帯電性樹脂で表面を被覆したキャリ
アーが知られており、その中でも特にフッ素樹脂系のも
の、又はシリコーン樹脂系のものがよく用いられている
(例えば特開昭61−217068号,特開昭62−2
4268号,特開平2−96770号公報等参照)。
又、その他の樹脂として例えば塩化ビニル・酢酸ビニル
・マレイン酸共重合体等の塩素化又は臭素化ビニル系共
重合体により被覆されたキャリア−が提案されている
(特願昭53−92134号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら従
来の樹脂被覆キャリアーはそれぞれに一長一短があり、
例えばフッ素樹脂系のものは帯電性は良好であるものの
帯電安定性や芯材との接着性等に欠点を有するものがあ
り、又、シリコーン樹脂系のものは芯材との接着性が悪
く、次第に剥離する欠点があることが知られており、従
って複写画像も安定せず次第に白地汚れ(以下カブリと
称す)が強くなる等、いずれも耐久性に欠ける欠点を有
している。又、その他の樹脂も求められる帯電特性等を
十分に満たすものがなく実用化はあまりされていない。
【0004】即ち、樹脂被覆キャリア−に求められる特
性としては、耐久性、即ちその表面にトナーが融着しな
いこと、十分な耐摩擦性の強度を有すること、及び芯材
との接着性が強く剥離しないことと、帯電性、即ちトナ
ーと摩擦したときに安定した帯電を付与すること、帯電
立ち上がりが早いこと、狭く、シャープな帯電量分布を
示すこと等が挙げられる。
【0005】本発明者らはかかるキャリアー特性を有す
る樹脂被覆キャリアーを提供するため検討した結果、す
でに、塩化ビニリデン系共重合体を含有する樹脂系によ
り被覆したキャリアを用いることにより、優れた耐久性
及び帯電性が得られることを見出しすでに提案してい
る。(特願平3−102833号) そして本発明者らは更にかかるキャリア−を使用した現
像剤を用いて検討を続けた結果、かかる樹脂被覆キャリ
アーの中には、高温、高湿下で放置した時に、固結しや
すくなる現象を起こし、また、現像剤として高温に放置
すると、かかる熱履歴を経た現像剤の帯電量が不可逆的
に低下してしまう現象を起こすものが有ることを見出し
た。そのため,かかる熱履歴による固結,及び帯電量低
下現象を起こさない優れたキャリアー及び現像剤を提供
するため鋭意検討した結果,かかる塩化ビニリデン系共
重合体を含有する樹脂系をある一定のガラス転位点を有
する樹脂系に特定することにより,すぐれたキャリア−
及び現像剤が得られることを見出し本発明に至ったので
ある.即ち、本発明の目的は、かかる高温放置等の熱履
歴を経ても固結及び帯電量低下現象を起こさない優れた
キャリアー及び現像剤を提供することにある。
【0006】また、本発明の目的は、表面にトナーが付
着せず、被覆樹脂が芯材に対して十分大きな付着力を有
しているため機械的に破壊されて剥離するおそれのない
長寿命のキャリアーを提供することにある。更に、本発
明の目的は摩擦帯電特性が良好で、画像濃度が安定して
得られ、画像汚れ(カブリ)の発生しない良好な画像が
得られるキャリアー及び現像剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかしてかかる本発明の
目的は、少なくとも塩化ビニリデン系共重合体を含有す
る樹脂系であって、該樹脂系全体のガラス転移点が50
℃以上である樹脂系により、芯材の少なくとも一部を被
覆してなることを特徴とする静電荷現像用キャリアー及
びそれを用いた現像剤により達成される。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
塩化ビニリデン系共重合体とは、塩化ビニリデン単量体
と該塩化ビニリデンと共重合可能な単量体との二元又は
多元共重合体を意味し、該共重合体中の塩化ビニリデン
単量体の共重合比は85モル%〜15モル%、好適には
70モル%〜30モル%であることが好ましい。
【0009】かかる塩化ビニリデンと共重合可能な単量
体としては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ク
ロルメチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸−2−クロロエチル、α
−フルオロアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸
エチル、α−クロロアクリル酸メチル、メタアクリル酸
メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピ
ル、メタアクリル酸ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリ
ル酸アミル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸
オクチル、メタアクリル酸−2−クロロエチル、メタク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキ
シプロピルなどのα置換もしくは非置換のアルキル(メ
タ)アクリレート類;アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリルなどのアクリロニトリル類;エチルビニルエー
テル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フェニルビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルアセテー
ト、ビニルクロルアセテート、ビニルブチレート、ビニ
ルピバレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル
類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピ
ルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトンなどのビニルケトン類;エチレン、プロピレン、
イソブテン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン
類;無水マレイン酸類;N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、などの含窒素
化合物などが挙げられる。この中でも特に好ましい単量
体としては、アクリロニトリル及び/又はアクリロニト
リル誘導体が挙げられ、アクリロニトリル誘導体の典型
的な例としてはメタアクリロニトリルを挙げることがで
きる。これらの単量体は、単独又は二種以上の混合物と
して使用する事ができ、共重合体中、通常70モル%以
下、好ましくは60モル%以下含有させることができ
る。
【0010】これらの塩化ビニリデン系共重合体に含ま
れる市販の樹脂としては、ダウケミカル社のSaran
Resin 311、468、506、864、92
5、F−239、F−278及びF−310、旭化成社
のサランレジンF−216、R−200、R−202及
びR−241B、呉羽化学社のクレハロンラテックスD
0−818、D0−822及びD0−873S、三菱油
化バーディッシェ社のディオファンA−690等が挙げ
られる。
【0011】本発明のキャリアーは、少なくとも塩化ビ
ニリデン系共重合体を含有する樹脂系であって,樹脂系
全体のガラス転移点が50℃以上の樹脂系を用いること
を特徴とする。ガラス転移点は好ましくは80℃以上、
特に好ましくは105℃以上であることが良い。樹脂系
のガラス転移点とは樹脂を2種以上混合して用いる場合
には混合した樹脂系全体のガラス転移点を示す。ガラス
転移点が低すぎると、キャリア−単独で高温放置した時
固結しやすくなり、また、現像剤として高温に放置した
際、帯電性が低くなるという現象を起こす。
【0012】即ち、通常の塩化ビニリデンを構成成分と
する共重合体は、塩化ビニリデンのホモポリマーのガラ
ス転移点温度が約−16℃であることからも明らかな様
に、50℃以下のガラス転移点温度を有することが多
い。従って、かかる樹脂系としては、(1)塩化ビニリ
デン系共重合体に他の樹脂、例えばガラス転移点温度が
高い樹脂を混合して用いること、又は(2)塩化ビニリ
デンと共重合させる単量体の種類及び共重合比を調整
し、ガラス転移点温度を高めた塩化ビニリデン系共重合
体自身を用いることができる。
【0013】塩化ビニリデン系共重合体に他の樹脂を混
合させる場合、塩化ビニリデン系共重合体の樹脂系に対
する割合は、10〜90重量%、好ましくは40〜85
重量%であることが好ましい。該塩化ビニリデン系共重
合体に混合して用いる他の樹脂としては、任意の樹脂を
採用しうるが、その樹脂系に対する混合比は通常60重
量%以下、好ましくは30重量%以下であることが良
い。混合する他の樹脂としては例えば、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体など
のフッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリスルホン
樹脂、ケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
どが挙げられる。
【0014】この中でも特に、塩化ビニル系重合体及び
塩素化塩化ビニル重合体が、混合する他の樹脂として好
ましく、更に塩素化塩化ビニル重合体が好ましい。塩化
ビニル系重合体とは、その塩化ビニルのホモポリマー又
はコポリマーであり、通常市販されているものを使用す
ることができる。ホモポリマーの通常の重量平均分子量
は3万〜22万程度である。代表的な市販物としては、
電気化学社のデンカビニールSS−80、SH−250
等、鐘淵化学社のカネビニールS−500、S−300
0等、呉羽化学社のクレハPVC S−9007、S−
901等、三井東圧化学社のビニフロン4000−L
L、4000−H等、日本ゼオン社の101EP、10
3EP等、三菱化成ビニル社のビニカKR−600、3
7−M、37H等があり、主に懸濁重合で製造されてい
るが、乳化重合並びに溶液重合されたものでも十分使用
可能である。
【0015】又、コポリマーの塩化ビニルと共重合する
他の単量体としては、上記の塩化ビニリデン系共重合体
に用いられる単量体が用いられる。コポリマーの通常の
重量平均分子量は3万〜22万程度であり、市販品とし
てはユニオンカーバイド社のVYHD、VMCH、VR
OH等、積水化学社のエスレックE−C100、エスレ
ックE−C130等、ダウ・ケミカル社のサランレジン
シリーズの313、414、469、516、864、
925等がある。
【0016】塩素化塩化ビニル重合体とは、塩化ビニル
(共)重合体を更に塩素化したものであり、ポリ塩化ビ
ニル重合体を塩素化したものが好ましいが、他のモノマ
ーが入った共重合体であっても良い。塩素化塩化ビニル
重合体の好ましい例としては、下記式[I]で表される
構造を有するものであって、塩素含有率が57〜72重
量%であり、平均重合度(m+n)が300〜600の
ものが挙げられる。尚、mとnのユニットはランダムに
結合している。塩素含有率は更に好ましくは60〜70
%のものが良い。
【0017】
【化1】
【0018】該樹脂系の成分である各重合体はたがいに
相溶している事が好ましく、また、溶媒に溶解して芯材
に塗布する際、その溶媒とも互いに相溶する事が必要で
ある。キャリア−芯材に対する被覆膜形成は、常法とほ
ぼ同様にして行われる。例えば、本発明に用いる樹脂系
を含む混合物を有機溶剤に溶解若しくは分散させて、固
形分濃度0.1〜30重量%、より好ましくは1〜5重
量%の被覆液を調製し、浸漬法、ドライスプレー法、フ
ローコーターを使用する流動スプレー法などにより、芯
材に被覆し、乾燥させる。必要ならば、被膜形成後、1
00℃までの温度で熱処理しても良い。また、必要なら
ばその後微粉を取り除く工程が加えられる。
【0019】有機溶剤としては、該共重合体を溶解する
ことができるものならば使用可能である。例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸
セロソルブ、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル系溶
剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテ
ル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テ
トラクロルエチレン、トリクロロエチレン、メチレンク
ロライドなどのハロゲン化炭化水素類などが例示され
る。これらの溶剤は単独で、若しくは2種類以上を混合
して使用することができる。又、これらの溶剤の沸点は
50〜150℃程度のものであれば使用できるが、溶解
処理及び被覆後の乾燥処理等の観点から、60〜120
℃程度のものがより好ましい。
【0020】本発明で使用するキャリアの芯材として
は、公知のものが全て使用可能であり、特に限定されな
い。具体的には、フェライト、マグネタイトをはじめと
して、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属;これらの金属を含む合金または化合物;強磁性金属
を含まないが、熱処理により強磁性を示すようになる合
金、例えば、Mn−Cu−Al、Mn−Cu−Snなど
のいわゆるホィスラー合金:CrO2 などの金属酸化物
などが好適なものとして例示される。この様なキャリア
の粒径は、通常20〜500μm程度、より好ましくは
30〜200μm程度である。
【0021】キャリアの被膜層の厚さは、乾燥状態で、
0.05〜5μm程度とすることが好ましく、0.3〜
3μm程度とすることがより好ましい。0.05μm未
満の場合には、耐久性が十分でなく、また帯電安定性も
悪くなるため好ましくない。被膜層の厚さが5μmを越
えても、性能的には実質的に問題はないが、性能的にほ
ぼ最高値に達しており、該被覆樹脂を大量に消費するの
で経済的でない。
【0022】本発明の樹脂系にはさらにシリカ粉末、電
荷制御剤、界面活性剤、潤滑剤なども添加できる。樹脂
の脱塩化水素防止のためには、通常塩化ビニル、塩化ビ
ニリデンなどの安定化に使用されている安定剤が使用可
能である。この様な安定化剤としては、例えば、金属石
鹸、エポキシ化合物、亜りん酸エステル、ポリオールな
どの安定剤が使用可能である。
【0023】本発明のキャリアーは、公知のトナー特に
正帯電性トナーと組合わせて静電荷像現像剤として使用
される。この様なトナーは、バインダー樹脂中に着色剤
を分散させて得られる。バインダー樹脂としては、例え
ば、スチレン、バラクロロスチレン、α−メチルスチレ
ンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアク
リル酸n−ブチル、メタアクリル酸ラウリル、メタアク
リル酸2−エチルヘキシルなどのα−メチレン脂肪酸モ
ノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのビニルニトリル類;2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどの
ビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチル
メトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケト
ン類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン
などの不飽和炭化水素およびそのハロゲン化物;クロロ
プレンなどのハロゲン系不飽和炭化水素類などの単量体
からなる単独重合体、これらの2種以上からなる共重合
体、これら単独重合体および共重合体の2種以上の混合
物が挙げられる。或いは、さらにロジン変性フェノール
ホルマリン樹脂、油変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹
脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル樹脂、これらの非
ビニル樹脂と上記ビニル系樹脂との混合物なども挙げら
れる。
【0024】更にまた、特公昭51−23354、特開
昭50−44836号公報に記載されている架橋系バイ
ンダー樹脂、或いは特公昭55−6895、特公昭63
−32180号公報に記載されている非架橋系バインダ
ー樹脂も使用できる。そして、該トナー用バインダー樹
脂のガラス転移温度は、熱分析法(示差熱分析装置、示
差走査熱量分析装置等)で測定した時の転移開始温度
(変曲点)が50℃以上であることが好ましい。ガラス
転移温度が50℃未満の場合には、40℃以上の高温で
長時間トナーを放置した時、トナーの凝集或いは固着を
招き使用上問題がある。
【0025】本発明で用いる着色剤としては、従来から
用いられるものであれば、特に制限されるものではな
く、任意の適当な顔料または染料が使用できる。例え
ば、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カル
シウム、紺青、カーボンブラックク、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ロ
ーダミン系染料、クロムイエロ−、キナクリドン、ベン
ジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系
染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染
顔料などを相当するトナーの色に着色剤を単独または混
合して併用できる。
【0026】着色剤の含有量は、現像により可視像を形
成することができるようトナーを着色するに十分な量あ
ればよく、例えばトナー樹脂100重量部に対して1〜
20重量部とするのが好ましい。さらに帯電制御剤が添
加されるのが好ましく、特に好ましくは4級アンモニウ
ム塩化合物であり,更に好ましくは4級アンモニウム塩
のスルホン酸塩である。帯電制御剤はトナー樹脂100
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜
3重量部添加される。4級アンモニウムのスルフォン酸
塩のうちでも、アニオン成分がベンゼン若しくはナフタ
レンのヒドロキシスルフォン酸又はジスルフォン酸であ
ることが好ましく、かかるベンゼン若しくはナフタレン
は、更に水酸基、アミノ基、アルキル基等の他の置換基
を有していても良い。特にナフタレンのスルフォン酸塩
が好ましく、更にはナフタレンの1,4−ヒドロキシス
ルフォン酸又はナフタレンの1,5−ジスルフォン酸が
好ましい。下記式[II]に表されるカチオン成分におい
ては、R1、R2、R3及びR4はそれぞれアルキル基、ベ
ンジル基又はアラルキル基を表し、それぞれ置換基、例
えばハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基を有していて
も良い。特にR4はベンジル基であることが好ましく、
1及びR3がそれぞれメチル基であることも好ましい。
アルキル基の炭素数は1〜18程度であることが好まし
い。
【0027】
【化2】
【0028】かかる4級アンモニウム塩化合物の具体例
としては下記の化合物が挙げられる。尚、アニオン成分
のナフタレン環の置換位置を下記式(III)のように定
義する。又、Phはベンゼン環を示す。
【0029】
【化3】
【0030】
【表1】(1)R1:−C25、R2:−C25、R3
−C25、R4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−S
3 (2)R1:−C37、R2:−C37、R3:−C
37、R4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−SO3 (3)R1:−CH3、R2:−C1225、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−SO3 (4)R1:−CH3、R2:−C613、R3:−CH3
4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−SO3 (5)R1:−C49、R2:−C49、R3:−C
49、R4:−C49、h:−OH、e:−SO3 (6)R1:−C25、R2:−C1837、R3:−C2
5、R4:−C25、h:−OH、e:−SO3 (7)R1:−C817、R2:−C817、R3:−C8
17、R4:−C817、h:−OH、d:−SO3 (8)R1:−C817、R2:−C1837、R3:−C8
17、R4:−C25、g:−OH、c:−SO3 (9)R1:−C37、R2:−C37、R3:−C
37、R4:−CH2−Ph、g:−OH、c:−SO3 (10)R1:−C49、R2:−C49、R3:−C
49、R4:−CH2−Ph、g:−OH、a:−SO3 (11)R1:−C49、R2:−C49、R3:−C
49、R4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−SO3 (12)R1:−CH3、R2:−C1429、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−SO3、d:−SO3 (13)R1:−CH3、R2:−C1837、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−SO3、f:−N
2、d:−SO3 (14)R1:−CH3、R2:−C1837、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−SO3、c:−SO3 (15)R1:−CH3、R2:−C1633、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、g:−OH、c:−SO3
a:−SO3 (16)R1:−CH3、R2:−C1225、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph−(p)Cl、g:−SO3
h:−NH2、e:−SO3、a:−OH (17)R1:−CH3、R2:−C1429、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph−(p)CH3、g:−S
3、c:−SO3 (18)R1:−CH3、R2:−C1429、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph−(p)NO2、g:−S
3、e:−OH、d:−OH、b:−SO3 (19)R1:−CH3、R2:−C1837、R3:−C
3、R4:−C1837、h:−SO3、d:−SO3 (20)R1:−CH3、R2:−C1837、R3:−C
3、R4:−C1837h:−SO3、d:−SO3、b:
−NH2 (21)R1:−CH3、R2:−C817、R3:−CH3
4:−CH2−Ph、h:−SO3、d:−SO3 (22)R1:−CH3、R2:−CH2−Ph、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−SO3、d:−SO3 (23)R1:−CH3、R2:−C1021、R3:−C
3、R4:−CH2−Ph、h:−SO3、d:−SO3 (24)R1:−CH3、R2:−C817、R3:−CH3
4:−CH2−Ph、h:−OH、e:−SO3 上記のトナーは、必要に応じ、さらにワックス類、シリ
カ、ステアリン酸亜鉛などの添加剤を含有または、混合
して使用することができる。
【0031】本発明のキャリアーとこの様なトナーと
は、通常前者100重量部に対し、後者0.3〜20重
量部程度の割合で混合され、磁気ブラシ法、カスケード
法などの静電画像の現像に使用される。
【0032】
【本発明の効果】本発明で使用する樹脂系からなるキャ
リアー被覆層は、膜強度に優れ、芯材への密着性も良好
なので、耐久性に優れているのみならず、帯電性の立上
がりが速く且つ高い帯電性をキャリアーに与える。よっ
て、帯電安定性が優れているため、画像濃度が高く、極
めてカブリの少ない鮮明な複写画像が得られる。又、複
写時のトナーの転写効率を高くする。更には、キャリア
−単独又は現像剤として高温化で保存放置しても固結す
ることがなく、又その放置後の帯電保持率が高く、帯電
安定性、帯電立ち上がり性が優れている。
【0033】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表わす。 実施例1 塩化ビニリデン54モル%、アクリロニトリル46モル
%から成る共重合体を製造し、トーソー社製、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーHLC−8020を用
いテトラヒドロフランを溶媒としポリマーラボラトリー
ズ社(英国)製カラムPL10μmMix(0.75φ
×30cm)2本でポリスチレン換算の数平均分子量及
び重量平均分子量を測定した。数平均分子量は6.5×
104、重量平均分子量は32.8×104であった(以
下、同様に分子量を測定した。)。該共重合体80重量
%と塩素化塩化ビニル重合体(塩素化率67%、重量平
均分子量43500、ガラス転移点120℃)20重量
%とをテトラヒドロフランとメチルエチルケトンの等量
混合溶媒に溶解させ、固形分濃度2%の被覆液を調製し
た後、流動スプレー法により平均粒径100μmの球状
フェライトをキャリアー芯材として、乾燥膜厚が2μm
になるように塗布し、樹脂被覆キャリアーを得た。
【0034】一方、スチレンとn−ブチルアクリレート
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、四級アンモニウム塩系帯電制
御剤(前記例示化合物(11))2部の混練粉砕物から
成る平均粒径10μmのトナー100部に対し疎水性シ
リカ微粉末(デグサ社製、商品名R−972)0.1部
を添加してヘンシェルミキサーで混合してシリカ外添ト
ナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前記樹脂被覆キ
ャリアー100部とを混合し現像剤を調製した。 (画像特性評価)続いて有機光導電体を搭載した市販の
複写機(シャープSF8800)を用いて、上記現像剤
の実写耐久試験をし、画像濃度の測定と、カブリの判定
及びトナー転写率の測定による評価をしたところ、終始
安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。また
トナー転写効率も良好であった。 (固結性評価)さらに上記の樹脂被覆キャリアー50g
をポリプロピレン製試薬瓶に入れ50℃下に48時間保
存した後、試薬瓶を傾けて流動状態を観察したところ速
やかに流動し、固形物は認められなかった(以下固結性
と称する)。 (帯電保持性評価)一方本発明樹脂被覆キャリアーとト
ナーからなる前記現像剤を室温で30分間振盪し、ブロ
ーオフ法で帯電量を測定した後、50℃で48時間保存
して振盪せずにブローオフ法で帯電量を測定した。この
帯電量測定値の前者に対する後者の百分率は62%であ
った。(以下帯電保持率と称す)この樹脂系のガラス転
移点は108℃であり、キャリアーの固結性及び現像剤
の帯電保持率が優れていた。以下評価の結果を表−1に
示す。 (実施例2)表1に記したコート樹脂系を用いた以外は
実施例1と同様に樹脂被覆キャリアーを得た。ここで実
施例2で用いた塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体は実施例1で用いたものと同じであり、実施例2の
塩化ビニル樹脂は、ポリサイエンス社より入手した重量
平均分子量11万のポリマーを用いた。
【0035】さらに実施例1と同様のトナーを用いて同
様に画像特性評価、固結性評価、帯電保持性評価をした
ところ、ともに良好であった。(表1に示す) (比較例1,2)実施例1で用いた塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体を用いて表−1に示す樹脂系に
より同様の方法でコートをして樹脂被覆キャリアーを得
た。比較例2における塩化ビニル−酢酸ビニルーヒドロ
キシプロピルアクリレート共重合体は重量平均分子量1
5000であり、重合モル比は89対3対8である。
【0036】実施例1と同様に評価をしたところ、前記
した画像特性は良好であったが、固結性と帯電保持率が
悪く、キャリアー、現像剤の保存安定性に問題があるも
のであった。 (比較例3、4)実施例1で用いた樹脂系の代わりにポ
リアクリロニトリル樹脂を用いて樹脂被覆したたものを
比較例3、樹脂被覆を行わないものを比較例4として実
施例1と同様に評価をしたところ、固結性と帯電保持率
は良好であったが、画像濃度、カブリが劣り、トナーの
転写効率が悪く、多量の未転写トナーが回収された。
【0037】
【表2】
【0038】固結性評価基準 ◎ 速やかに流動し凝集物全く認められない。 ○ 微小の凝集物が僅かに認められるが速やかに流動す
る。 △ 傾けると崩れるが凝集塊残る。 × 傾けても流動しない。
【0039】画像特性評価基準 ○ 良好 △ やや不良 × 不良

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも塩化ビニリデン系共重合体を含
    有する樹脂系であって、該樹脂系全体のガラス転移点が
    50℃以上である樹脂系により、芯材の少なくとも一部
    を被覆してなることを特徴とする静電荷現像用キャリア
    ー。
  2. 【請求項2】該樹脂系が、少なくとも塩化ビニリデン系
    共重合体と、塩化ビニル系重合体及び/又は塩素化塩化
    ビニル重合体を含有してなることを特徴とする請求項1
    記載の静電荷現像用キャリアー。
  3. 【請求項3】請求項1記載のキャリアーと正帯電性トナ
    ーからなることを特徴とする静電荷現像剤。
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