JPH05107816A - 電子写真用キヤリアおよび乾式現像剤 - Google Patents

電子写真用キヤリアおよび乾式現像剤

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JPH05107816A
JPH05107816A JP3264978A JP26497891A JPH05107816A JP H05107816 A JPH05107816 A JP H05107816A JP 3264978 A JP3264978 A JP 3264978A JP 26497891 A JP26497891 A JP 26497891A JP H05107816 A JPH05107816 A JP H05107816A
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JP
Japan
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resin
carrier
coating
vinylidene chloride
outer layer
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JP3264978A
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Inventor
Katsuo Koizumi
勝男 小泉
Shuichi Maeda
修一 前田
Toshiyuki Sueyoshi
敏行 末吉
Hirobumi Oda
博文 尾田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】キャリア芯材の表面に、少なくとも内層と外層
を有する複層の樹脂コーティング層を設けてなる電子写
真用キャリアにおいて、前記外層が塩化ビニリデンと、
該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重結合を有す
る少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂を含有して
なるこを特徴とする電子写真用キャリア。 【効果】経時変化や高温高湿などの環境変化に対して影
響を受けない高画質のコピーが得られる。長期にわたり
連続使用した際も、初期の特性を維持し、トナーの凝集
や帯電特性の変化を起こさない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等に使
用する電子写真用キャリアおよびそれを用いた乾式現像
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から正帯電性トナーと負帯電性樹脂
被覆キャリアから成る二成分現像剤において、キャリア
を被覆する樹脂としては、フッ化ビニリデンとテトラフ
ルオロエチレンとの共重合体や、フルオロアルキルメタ
クリレート共重合体などのフッ素樹脂系のもの、又はシ
リコーン樹脂系のものが提案されている(例えば特開昭
61−217068号、特開昭62−24268号、特
開平2−96770号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの樹脂被
覆キャリアは、それぞれに一長一短があり、例えばフッ
素樹脂系のものは帯電性は良好であるものの帯電安定性
や芯材との接着性及び耐摩耗性等に欠点を有するものが
あり、又、シリコン樹脂系のものは芯材との接着性及び
耐摩耗性が悪く、キャリアを現像槽中で混合するうち
に、現像槽壁面や他のキャリアと擦れあって被覆樹脂が
次第に剥離する欠点があることが知られており、従って
複写画像も安定せず次第に白地汚れ(以下カブリと称
す)が強くなる等、いずれも耐久性に欠ける欠点を有し
ている。
【0004】又、従来からキャリアの表面に内層と外層
の2層からなる樹脂コーチィング層を設けたコートキャ
リアが提案されている(特開平3−73967、739
70号公報等)が、従来のコート樹脂を用いた場合は、
やはり耐環境安定性および経時の帯電安定性が必ずしも
充分でなかった。そのため、使用中に現像剤の帯電性が
変動してコピー品質に重大な悪影響を及ぼすなどの問題
があった。
【0005】本発明者は、上記の如き従来技術の問題点
を解決すべく研究を重ねた結果、塩化ビニリデンと他の
単量体とを共重合してなる共重合体樹脂を含有する外層
を設けた複層コートキャリアが、上記欠点を改良する優
れた特性を発揮することを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明の目的は、良好で安定したレ
ベルの帯電性を有し、しかもその帯電性が長期にわたっ
て、又は高温高湿下等の悪環境下においても変動せず、
且つ耐摩耗性に優れ、長時間連続使用においてもキャリ
ア被覆樹脂が剥離しにくい等の耐久性に優れたキャリア
を提供することにある。又、本発明の目的は長時間、連
続使用時にも良好で安定した濃度を有し、カブリの発生
がない画像を提供する乾式現像剤を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかしてかかる本発明の
目的は、キャリア芯材の表面に、少なくとも内層と外層
を有する複層の樹脂コーティング層を設けてなる電子写
真用キャリアにおいて、前記外層が、塩化ビニリデン
と、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重結合を
有する少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂を含有
してなる電子写真用キャリア、及び該キャリアと正帯電
性トナーからなる乾式現像剤によって容易に達成され
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明のキャリア樹脂コーティング層の内層に使用される
樹脂としては、キャリア芯材(磁性体粒子)との接着性
が良好なものが好ましく、かつ導電性金属(酸化物)粉
等との相溶性が良好なものが好ましい。具体的には、ス
チレン−ブタジエン樹脂等のスチレン系樹脂、スチレン
−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹
脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂あるいは、外層と同
系統の塩化ビニリデン共重合体等から任意に選んで用い
ることができる。
【0009】次に、外層の被覆に使用される共重合体樹
脂について説明する。塩化ビニリデンとこれと共重合可
能な不飽和二重結合を有する単量体の比率は、通常、そ
れぞれ10〜98モル%、90〜2モル%がよく、好ま
しくは30〜90モル%、70〜10モル%である。塩
化ビニリデンが多すぎる場合は塩化ビニリデンホモポリ
マーの性質に近くなり、熱的に不安定で、かつ大多数の
溶媒に溶解しないので使用が困難であり、仮に用いても
キャリアの流動性が悪くなり複写画像に悪影響を及ぼす
傾向にあるので好ましくない。また、塩化ビニリデンが
少なすぎる場合にはトナーの帯電性が不十分となり、複
写画像に悪影響を及ぼす傾向があるので好ましくない。
【0010】塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重
結合を有する単量体(以下、単量体と称す)としては、
広い範囲の種類から選択されるが、特にはアクリロニト
リル誘導体が好ましい。ここでアクリロニトリル誘導体
としては典型的にはアクリロニトリル及び/又はメタア
クリロニトリルを挙げることができ、アクリロニトリル
の単独、及びメタアクリロニトリルの単独、又は、アク
リロニトリルとメタアクリロニトリルの任意の比率での
混合物を使用することができる。
【0011】その他の塩化ビニリデンと共重合可能な単
量体としては、例えば *スチレン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチレ
ンなどのスチレン類; *アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
クロロエチル、α−フルオロアクリル酸メチル、α−フ
ルオロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタア
クリル酸アミル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリ
ル酸オクチル、メタアクリル酸−2−クロロエチルなど
のα置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレー
ト類; *エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル
類; *ビニルアセテート、ビニルクロルアセテート、ビニル
ブチレート、ビニルピバレート、安息香酸ビニルなどの
ビニルエステル類; *メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピル
ビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェニルビニルケ
トンなどのビニルケトン類; *エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イ
ソプレンなどのオレフィン類; *N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4
−ビニルピリジン、などの含窒素化合物類などが挙げら
れる。これらの単量体は、単独又は二種以上の混合物と
して使用することができる。
【0012】(A)塩化ビニリデンと(B)アクリロニ
トリル誘導体及び(C)上記その他の単量体からなる多
元共重合体を用いる場合、各々の比率は(A)10〜9
8モル%:(B)89〜1モル%:(C)1〜60モル
%がよく、好ましくは(A)30〜90モル%:(B)
68〜8モル%:(C)2〜50モル%程度がよい。単
量体の量が多すぎる場合には帯電安定性が悪くなり複写
画像に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0013】また、本発明の塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリル誘導体からなる共重合体に含まれる市販の樹脂
としては、ダウケミカル社のSaran Resin
F−239、F−278及びF−310、旭化成社のサ
ランレジンF−216、R−200、R−202及びR
−241B、呉羽化学社のクレハロンラテックスD0−
818、D0−822及びD0−873S、三菱油化バ
ーディッシェ社のディオファンA−690等が挙げられ
る。
【0014】本発明の外層に使用する前記共重合体の重
量平均分子量は、ゲルバーミエイションクロマトグラフ
ィーによる測定方法(ポリスチレン換算)で、通常20
00〜3000万程度、より好ましくは5000〜10
0万程度である。分子量が2000未満では被覆キャリ
アの流動性が悪くなるので好ましくない。また、分子量
が3000万を越えても性能上は問題ないが、溶媒への
溶解性が悪くなるので被覆処理が繁雑になり好ましくな
い。
【0015】共重合体の製造方法としては、通常のラジ
カル重合法が採用され、バルク重合、懸濁重合、乳化重
合、溶液重合などが行われる。また、上記の共重合体に
他の樹脂などをブレンドした組成物の形態で使用するこ
とも出来る。より具体的には、例えば、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体など
のフッ素樹脂とのブレンド、シリコン樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、
ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂などのその他の
樹脂とのブレンドした組成物等が挙げられる。
【0016】キャリア芯材に対するコーティング樹脂被
膜形成は、常法とほぼ同様にして行われる。例えば、被
覆用の樹脂を適当な溶媒に溶解し、固形分濃度0.1〜
30重量%、より好ましくは1〜5重量%被覆液を調製
し、この溶液を浸漬法、ドライスプレー法、フローコー
ターを使用する流動スプレー法などにより、芯材に被覆
し、乾燥させる。必要ならば、被膜形成後、100℃ま
での温度で熱処理しても良い。尚、好ましい操作とし
て、内層と外層について以上の操作をくり返した後、篩
分して通過分を被覆キャリアとして得る方法が挙げられ
る。
【0017】有機溶剤としては、被覆樹脂を溶解するこ
とができるものならば使用可能である。例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸セ
ロソルブ、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル系溶剤;
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル
類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラクロルエチレン、トリクロロエチレン、メチレンクロ
ライドなどのハロゲン化炭化水素類などが例示される。
【0018】これらの溶剤は単独で、若しくは2種類以
上を混合して使用することができる。又、これらの溶剤
の沸点は50〜150℃程度のものであれば使用できる
が、溶解処理及び被覆後の乾燥処理等の観点から、60
〜120℃程度のものがより好ましい。又、以上の樹脂
成分を有する内層および外層の被覆成分の中に、その他
の添加剤を含んでいてもよい。この種のものとしては、
たとえば、抵抗調節のためのカーボンブラック、酸化ス
ズなどの導電剤、耐久性向上のためのシリカ、アルミ
ナ、マグネタイトなどの無機酸化物、帯電性改良のため
のニグロシン、含金属染料、四級アンモニウム塩などの
帯電制御剤などが挙げられる。更に本発明のキャリアに
は、内層と外層の二層に限らず、中間層を設けるなどの
任意の複層コーティング層を設けて良い。
【0019】本発明で使用するキャリアの芯材として
は、公知のものが全て使用可能であり、特に限定されな
い。具体的には、フェライト、マグネタイトをはじめと
して、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属;これらの金属を含む合金または化合物;強磁性金属
を含まないが、熱処理により強磁性を示すようになる合
金、例えば、Mn−Cu−Al、Mn−Cu−Snなど
のいわゆるホィスラー合金:CrO2などの金属酸化物
などが好適なものとして例示される。この様なキャリア
の粒径は、通常20〜1000μm程度、より好ましく
は50〜200μm程度である。
【0020】キャリアの被膜層の厚さは、内層及び外層
のいずれも乾燥状態で、0.05〜5μm程度とするこ
とが好ましく、0.3〜3μm程度とすることがより好
ましい。0.05μm未満の場合には、耐久性が十分で
なく、また帯電安定性も悪くなるため好ましくない。被
膜層の厚さが5μmを越えても、性能的には実質的に問
題はないが、性能的にほぼ最高値に達しており、被覆用
樹脂を大量に消費するので経済的でない。
【0021】本発明のキャリアは、公知のトナー、特に
正帯電性トナーと組合わせて静電荷像現像剤として使用
される。この様なトナーは、バインダー樹脂中に着色剤
を分散させて得られる。バインダー樹脂としては、例え
ば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレ
ンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアク
リル酸n−ブチル、メタアクリル酸ラウリル、メタアク
リル酸2−エチルヘキシルなどのα−メチレン脂肪酸モ
ノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのビニルニトリル類;2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどの
ビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケト
ン類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン
などの不飽和炭化水素およびそのハロゲン化物;クロロ
プレンなどのハロゲン系不飽和炭化水素類などの単量体
からなる単独重合体、これらの2種以上からなる共重合
体、これら単独重合体及び共重合体の2種以上の混合物
が挙げられる。或いは、さらにロジン変性フェノールホ
ルマリン樹脂、油変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミト樹脂、セルロース樹
脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル樹脂、これらの非
ビニル樹脂と上記ビニル系樹脂との混合物なども挙げら
れる。
【0022】また、トナーにおいて使用する着色剤とし
ては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロームイエロー、ウルトラ
マリンブルー、メチレンブルー、ローズベンガル、フタ
ロシアニンブルーなどが例示される。上記のトナーは、
必要に応じ、さらにワックス類、シリカ、ステアリン酸
亜鉛などの添加剤を含有または、混合して使用すること
ができる。
【0023】本発明のキャリアとこの様なトナーとは、
通常前者100重量部に対し、後者0.3〜20重量部
程度の割合で混合され、磁気ブラシ法、カスケード法な
どの静電画像の現像に使用される。
【0024】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表わす。 実施例1 塩化ビニリデン70モル%、アクリロニトリル30モル
%から成る共重合体を製造し、トーソー社製ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーHLC−8020を用い
テトラヒドロフランを溶媒としポリマーラボラトリーズ
社(英国)製カラムPL10μmMix(0.75φ×
30cm)2本でポリスチレン換算の分子量分布及び重
量平均分子量を測定した。分子量分布は3000〜12
00万、重量平均分子量は32万であった。(以下、同
様に分子量を測定した。)該共重合体をテトラヒドロフ
ランとメチルエチルケトンの等量混合溶媒に溶解させ、
固形分濃度0.5%の外層用被覆液とする。
【0025】フローコーターに芯材料として、体積平均
粒径約80μmのフェライトキャリア(“DFC−15
0”、同和鉄粉社製)を3kg入れて流動させながら、
まずスチレン−メチルメタクリレート共重合体15部、
メチルエチルケトン300部からなる組成の内層被覆溶
解液を80℃の加熱下に散布し、温度80℃で1時間乾
燥して内層の塗布を完了した。内層の被覆膜厚は約0.
5μmであった。
【0026】次いで、内層樹脂を塗布したキャリアを再
びコーターに入れ、上記で調製した外層用被覆溶液を同
様にして散布し、温度80℃で1時間乾燥して、外層の
塗布を完了し、樹脂被覆キャリアを得た。内層および外
層のトータルの被覆膜厚は約1.0μmであった。
【0027】一方、スチレンとn−ブチルアクリレート
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、四級アンモニウム塩系帯電制
御剤(オリエント化学社製、商品名P−51)2部の混
練粉砕物から成る平均粒径10μmのトナー100部に
対し疎水性シリカ微粉末(デグサ社製、商品名R−97
2)0.1部を添加してヘンシェルミキサーで混合して
シリカ外添トナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前
記樹脂被覆キャリア100部とを混合し、現像剤を調製
した。続いて有機光導電体を搭載した市販の複写機を用
いて以下の評価を行なった。
【0028】耐環境性テスト 高温高湿環境(35℃、85%RH、以下HH環境と称
す)で24時間放置した後の帯電量と比較し、変化の程
度を調べた。いずれにおいても初期の帯電量に対して放
置後の低下や上昇の幅が小さいものが帯電安定性に優れ
るものである。 連続実写テスト 有機光導電体を感光体とする市販の複写機を用い、作製
した現像剤について最高5万枚の連続実写を行い耐久性
を確認した。なお、補給用のトナーはそれぞれ現像剤を
作製するのに使用したトナーを用いた。実写は通常環境
(25℃、55%RH、以下NN環境と称す)で行っ
た。
【0029】本実施例の樹脂被覆キャリアおよび該キャ
リアを用いた現像剤は、高温高湿環境下における帯電性
の変化率が少なく、経時および環境に対して安定である
ことがわかった。また、連続実写においても良好な画質
を長期にわたって保持しうることがわかった。
【0030】実施例2 内層被覆樹脂液として、シリコーン樹脂(“ES100
1N”、信越化学社製)10部、トルエン150部から
なる組成の被覆液を用い、外層被覆樹脂として、塩化ビ
ニリデン70モル%、メタクリロニトリル25モル%、
アクリル酸n−ブチル5モル%から成る共重合体(分子
量分布2000〜20万、重量平均分子量2万)を組成
の被覆樹脂として用いた以外は、実施例1と同様に処理
して、内層および外層のトータルな被覆膜厚約1.5μ
mの樹脂被覆キャリアを製造した。
【0031】実施例1と同様にして評価したところ、高
温高湿環境下における変化率が少なく、経時および環境
に対して安定であることがわかった。また、連続実写に
おいても良好な画質を長期にわたって保持しうることが
わかった。
【0032】実施例3 内層被覆樹脂液として、塩化ビニリデン55モル%、ア
クリロニトリル20モル%、メタクリル酸メチル25モ
ル%から成る共重合体(分子量分布2000〜3000
万、重量平均分量38万)をテトラヒドロフランとトル
エンの等量混合溶媒からなる組成の被覆液を用い、外層
被覆樹脂として、塩化ビニリデン50モル%、アクリロ
ニトリル15モル%、メタクリル酸メチル33モル%、
アクリル酸2モル%から成る共重合体(分子量分布20
00〜1500万、重量平均分子量75000)からな
る組成の被覆樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に処
理して、内層および外層のトータルな被覆膜厚約2.0
μmの樹脂被覆キャリアを製造した。
【0033】実施例1と同様に評価したところ本実施例
の樹脂被覆キャリアおよび該キャリアを用いた現像剤は
高温高湿環境下における帯電性の変化率が少なく、経時
および環境に対して安定であることがわかった。また、
連続実写においても良好な画質を長期にわたって保持し
うることがわかった。
【0034】実施例4 内層被覆樹脂として、実施例1と同様の樹脂液を用いて
処理し、外層被覆樹脂として、実施例1の共重合体2部
と、ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200)1部
の混合物をテトラヒドロフラン/メチルエチルケトン=
1/1(Vol.)の混合溶媒からなる組成の被覆樹脂
液を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、内層お
よび外層のトータルな被覆膜厚約1.5μmの樹脂被覆
キャリアを製造した。
【0035】実施例1と同様に評価したところ本実施例
の樹脂被覆キャリアおよび該キャリアを用いた現像剤
は、高温高湿下における帯電性の変化率が少なく、経時
および環境に対して安定であることがわかった。また、
連続実写においても良好な画質を長期にわたって保持し
うることがわかった。
【0036】実施例5 内層被覆樹脂として、実施例1と同様の樹脂液を用いて
処理し、外層被覆樹脂液として、実施例1の共重合体2
部と、ポリカーボネート樹脂(三菱化成社ノバレックス
7022A)1部との混合物をメチルエチルケトン/ト
ルエン=65/35(Vol.)の混合溶媒からなる組
成の被覆樹脂液を用いた以外は実施例1と同様に処理し
て、内層および外層のトータルな被覆膜厚約0.8μm
の樹脂被覆キャリアを製造した。
【0037】実施例1と同様に評価したところ、本実施
例の樹脂被覆キャリアおよび該キャリアを用いた現像剤
は高温高湿下の帯電性の変化率が少なく、経時および環
境に対して安定であることがわかった。また、連続実写
においても、良好な画質を長期にわたって保持しうるこ
とがわかった。
【0038】<比較例1>樹脂を被覆していない球状フ
ェライトをキャリアとして用い、実施例1と同様にシリ
カ外添トナーとで現像剤を調製し、実施例1と同様にし
て評価をしたところ、高温高湿下における帯電性の変化
率が大きく、また、連続実写においてカブリが極めて多
く汚れた画像であった。
【0039】<比較例2>市販のシリコン樹脂被覆キャ
リア(芯材はフェライト)を用いた他は比較例1と同様
にして評価をしたところ、高温高湿下における帯電性の
変化率が大きく、また、連続実写においてカブリがやや
あり、若干汚れた画像となった。
【0040】
【発明の効果】本発明によって得られる効果は以下の通
りである。本発明の電子写真用キャリアおよび乾式現像
剤の使用により、 (1) 経時変化や高温高湿などの環境変化に対して影
響を受けない高画質のコピーが得られる。 (2) 長期にわたり連続使用した際も、初期の特性を
維持し、トナーの凝集や帯電特性の変化を起こさない。
【0041】以上のように、本発明によれば、容易に安
定な帯電性を有する電子写真用キャリアおよび乾式現像
剤が得られるので、本発明は工業的にきわめて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾田 博文 神奈川県茅ケ崎市円蔵370番地 三菱化成 株式会社茅ケ崎事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア芯材の表面に、少なくとも内
    層と外層を有する複層の樹脂コーティング層を設けてな
    る電子写真用キャリアにおいて、前記外層が、塩化ビニ
    リデンと、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重
    結合を有する少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂
    を含有してなることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 前記外層に含有される共重合体樹脂
    が、塩化ビニリデンとアクロニトリル誘導体との共重合
    体樹脂、又は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル誘導
    体及びこれらと共重合可能な不飽和二重結合を有する少
    なくとも1種の単量体との多元共重合体樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の電子写真用キャリア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のキャリアと、正帯電性
    トナーからなる乾式現像剤。
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