JPH06222622A - 静電荷像現像用キャリア及び二成分現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア及び二成分現像剤

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JPH06222622A
JPH06222622A JP5301928A JP30192893A JPH06222622A JP H06222622 A JPH06222622 A JP H06222622A JP 5301928 A JP5301928 A JP 5301928A JP 30192893 A JP30192893 A JP 30192893A JP H06222622 A JPH06222622 A JP H06222622A
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JP
Japan
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resin
carrier
image
parts
copolymer
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Pending
Application number
JP5301928A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ono
均 小野
Noriaki Takahashi
徳明 高橋
Katsuo Koizumi
勝男 小泉
Shuichi Maeda
修一 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面にトナーが付着せず、被覆樹脂が芯材に
対して十分大きな接着力を有しているため機械的に破壊
されて剥離するおそれのない長寿命のキャリアーを提供
する。又、摩擦帯電特性が良好で、長時間繰り返しコピ
ーにおいても画像濃度が安定して得られ、画像汚れ(カ
ブリ)の発生しない良好な画像が得られるキャリアー及
び現像剤を提供する。更にトナー飛散が生じず、機内汚
れが少ないキャリアー及び現像剤を提供する。 【構成】 塩素系樹脂及びフッ素系樹脂を含有する樹脂
混合物によって芯材を被覆して成る静電荷像現像用キャ
リア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機に使用
する静電荷現像用キャリアおよびそれを用いた現像剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から正荷電性トナーと組み合わせる
キャリアとして負荷電性樹脂で表面を被覆したキャリア
が知られており、その中でも特にフッ素樹脂系のもの、
またはシリコーン樹脂系のものがよく用いられている
(例えば特開昭61−217068号,特開昭62−2
4268号,特開平2−967770号各公報等参
照)。又、その他の樹脂として例えば塩化ビニル・酢酸
ビニル・マレイン酸共重合体等の塩素化または臭素化ビ
ニル系共重合体により被覆されたキャリアが提案されて
いる(特開昭53−92134号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実用上、キャリア被覆
用樹脂はある適切な帯電レベルを有していることが要求
される。帯電レベルが低すぎるといわゆる「カブリ」現
象が現れ、画像品位を著しく低下させ、また逆に高すぎ
ると画像濃度が低下するため満足できる画像品位が得ら
れなくなる。一方、キャリア被覆用樹脂には、芯材との
接着性が良好で剥離が発生せず耐久性に優れていること
が要求される。
【0004】しかしながら従来の樹脂被覆キャリアはそ
れぞれに一長一短があり、例えばフッ素樹脂系のものは
帯電性は良好であるものの帯電安定性や芯材との接着性
等に欠点を有するものがあり、又、シリコーン樹脂系の
ものは芯材との接着性が悪く、次第に剥離する欠点があ
ることが知られており、従って複写画像も安定せず次第
にカブリが強くなる等、いずれも耐久性の面で欠点を有
している。又その他の樹脂も求められる帯電特性を十分
に満たすものがなく実用化はあまりなされていない。
又、樹脂被覆キャリアの帯電特性は被覆膜厚等の工夫で
ある程度操作は出来るが剥離の可能性が出てくることも
あり、本質的解決にはなっていない。
【0005】即ち、本発明の目的は、表面にトナーが付
着せず、被覆樹脂が芯材に対して十分大きな接着力を有
しているため機械的に破壊されて剥離するおそれのない
長寿命のキャリアを提供することにある。又、本発明の
目的は摩擦帯電特性が良好で、長時間繰り返しコピーに
おいても画像濃度が安定して得られ、画像汚れ(カブ
リ)の発生しない良好な画像が得られるキャリア及び現
像剤を提供することにある。更に本発明の目的はトナー
飛散が生じず、機内汚れが少ないキャリア及び現像剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塩素系樹脂
とフッ素系樹脂とを含有する樹脂混合物により芯材の少
なくとも一部を被覆してなるキャリアが上述の欠点を改
良し優れた特性を発揮する事、そして、塩素系樹脂とフ
ッ素系樹脂との混合比を操作する事により所望のレベル
の帯電量を有した材料を提供出来る事、又、これらは初
期の高い画像品質を長期の繰り返しコピーを通じて変化
なく維持できる長寿命の現像剤を提供出来る事等を知得
して本発明に到達した。
【0007】本発明のキャリアは、塩素系樹脂およびフ
ッ素系樹脂を含有する樹脂混合物により被覆してなる事
を特徴とする。まず本発明構成要素の1つである塩素系
樹脂について説明する。塩素系樹脂としては、分子内に
炭素−塩素結合を有する熱可塑性合成樹脂が用いられ
る。好ましい例として、塩化ビニリデン系重合体、塩素
化塩化ビニル系重合体、塩素化エチレン系重合体、塩化
ビニル系重合体等が挙げられる。
【0008】本発明に用いる塩化ビニリデン系重合体と
は、通常、塩化ビニリデン単量体と該塩化ビニリデンと
重合可能な不飽和結合を有する少なくとも一種の単量体
との共重合体を意味し、特に塩化ビニリデン並びにアク
リロニトリル及び/またはアクリロニトリル誘導体との
共重合体、または、塩化ビニリデン、アクリロニトリル
及び/またはアクリロニトリル誘導体並びにこれらと重
合可能な不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも一
種との多元共重合体が好ましく挙げられる。該共重合体
における(a)塩化ビニリデン、(b)アクリロニトリ
ル及び/またはアクリロニトリル誘導体、及び(c)こ
れらと重合可能な不飽和二重結合を有する単量体の単量
体比率は、それぞれ(a)70〜20モル%、(b)1
0〜80モル%、(c)0〜40モル%が好ましく、中
でも特にそれぞれ(a)60〜30モル%、(b)20
〜60モル%、(c)0〜30モル%であることが好ま
しい。又、二元共重合体の場合は、それぞれ(a)60
〜40モル%、(b)40〜60モル%であることが特
に好ましい。塩化ビニリデンが多すぎる場合は塩化ビニ
リデン単独重合体の性質に近くなり、熱的に不安定で、
かつ大多数の溶媒に溶解しないので使用が困難であり、
仮に用いてもキャリアの流動性が悪くなり複写画像に悪
影響を及ぼす傾向にあるので好ましくない。また、高温
下などにおける保存安定性も悪い。一方、塩化ビニリデ
ンが少なすぎる場合にはトナーの帯電性が不十分とな
り、多数枚連続コピーなどの耐久実写後の複写画像に悪
影響を及ぼす傾向があるので好ましくない。(c)単量
体の量が多すぎる場合には帯電安定性が悪くなり複写画
像に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0009】上記(b)のアクリロニトリル誘導体とし
ては典型的にはメタアクリロニトリルを挙げることがで
き、即ち、(b)アクリロニトリル及び/またはアクリ
ロニトリル誘導体としては、アクリロニトリルの単独、
メタアクリロニトリルの単独、または、アクリロニトリ
ルとメタアクリロニトリルの任意の比率での混合物を使
用することかできる。
【0010】上記(c)のその他の単量体としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチ
レンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、アルリル酸−2−クロロエチル、α
−フルオロアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸
エチル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸−2−クロロエチルなどの(メタ)アクリ
ル酸エステル類;エチルビニルエーテル、2−クロロエ
チルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル類;酢酸ビニル、クロル酢酸ビニル、酪酸
ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニル
エステル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケト
ン、プロピルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェ
ニルビニルケトンなどのビニルケトン類;エチレン、プ
ロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレンなどの
オレフィン類;無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸などの不飽和カルボン酸類;マレイン酸エチル、マ
レイン酸ジイソプロピルなどのマレイン酸エステル類;
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−
ビニルピリジンなどの含窒素化合物類などが挙げられ
る。これらの単量体は、単独または二種以上の混合物と
して使用することができる。
【0011】尚、本発明において塩化ビニリデンとアク
リロニトリル及び/またはアクリロニトリル誘導体から
なる共重合体に含まれる市販の樹脂としては、ダウケミ
カル社のSaran Resin F−310,F−2
39,F−278,469、旭化成社のサランレジンF
−216,R−200,216,R−202及びR−2
41B、呉羽化学社のクレハロンラテックスDO−81
8,DO−822及びDO−8735等が挙げられる。
【0012】本発明で使用する塩化ビニリデン系重合体
の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマドグ
ラフィーによる測定方法(ポリスチレン換算)で、好ま
しくは2000〜3000万程度、より好ましくは50
00〜100万程度である。分子量が2000未満では
被覆キャリアの流動性が悪くなる傾向を有し、また、分
子量が3000万を越えると性能上は問題ないが、溶媒
への溶解性等の点で被覆処理が困難となる傾向を有す
る。次いで、本発明で用いる塩素化塩化ビニル系重合体
とは塩化ビニル系重合体を更に塩素化したものである。
塩化ビニル系重合体としては塩化ビニル単独重合体が好
ましいが、他のモノマーとの共重合体であってもよい。
塩素化塩化ビニル系重合体の好ましい例としては一般式
(I)
【0013】
【化1】
【0014】(式中、m及びnはそれぞれ自然数を表
す)で表わされる構造を有するものが挙げられる平均重
合度(m+n)は300〜600のものが好ましく挙げ
られ、mとnのユニットはランダムに結合していてもよ
い。塩素含有率は57〜72重量%のものが好ましい。
塩素含有率が低いものは、樹脂のガラス転移点(Tg)
が低くなり、本発明の趣旨からは若干不満足であり、
又、塩素含有率が多すぎるものは塩素化工程に長時間を
要し製造しにくく、非経済的であるため、更に好ましく
は60〜70重量%である。又、塩素化塩化ビニル樹脂
のTgは、50℃以上、中でも80℃以上、更に中でも
105℃以上であることが、本発明の性能を満足する上
で好ましい。
【0015】一方、塩素化エチレン系重合体とはエチレ
ン系重合体を更に塩素化したものである。エチレン系重
合体としてはエチレン単独重合体が好ましいが、他のモ
ノマーとの共重合体であってもよい。塩素化エチレン系
重合体の好ましい例としては一般式(II)
【0016】
【化2】
【0017】(式中、Xは水素原子または塩素原子を表
わし、m及びnは上記一般式(I)におけると同意義で
ある)で表わされる構造を有するものが挙げられる。上
記一般式(II)で表わされる構造を有する塩素化エチレ
ン系重合体の塩素含有率は30〜80重量%、中でも特
に50〜70重量%が特性上好ましい。又平均重合度
(m+n)は300〜600のものが好ましくmとnの
ユニットはランダムに結合していてもよい。
【0018】塩化ビニル系重合体は通常市販されている
品位のもので充分である。又、特に塩化ビニル系重合体
は塩化ビニリデン、アクリロニトリル等との共重合によ
り特定の性能を発揮させることも可能である。特に上述
した重合体は単独で、または粉体同志の混合攪拌による
配合、溶融混練による配合、単体同志の溶液を混合して
均一溶液とし、しかるのちに貧溶媒中で析出させる配合
等、従来公知の技術を駆使して製造した配合品として使
用してもよい。
【0019】本発明構成要素の1つであるフッ素樹脂に
ついては次のようなものが例示される。フッ素系樹脂と
しては分子内に炭素−フッ素結合を有する熱可塑性合成
樹脂が用いられる。好適な例としては、フッ化ビニリデ
ン単独重合体、フッ化ビニリデンとフッ化エチレン誘導
体との共重合体、フッ化ビニリデンと四フッ化エチレン
との共重合体及びフッ化ビニリデンとアクリル酸フッ化
アルキル誘導体との共重合体等のフッ化ビニリデン系重
合体;四フッ化エチレン単独重合体、四フッ化エチレン
と過フッ化アルキルビニルエーテルとの共重合体及び四
フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの共重合体等の
四フッ化エチレン系重合体;三フッ化塩化エチレン単独
重合体及び三フッ化塩化エレチンとフッ化ビニリデンと
の共重合体等の三フッ化エチレン系重合体等を挙げるこ
とができる。これらのフッ素系樹脂は、有機溶剤に溶解
するものは溶液で、また、有機溶剤に不溶のものは分散
体として前述の塩素系樹脂等と混合してコーティングに
使用することができる。
【0020】塩素系樹脂(A)と、フッ素系樹脂(B)
の混合の割合は、A:B=30〜95:70〜5重量比
(部)の範囲が好ましい。フッ素系樹脂の量が5部より
少ない場合には十分な帯電が得られず、又、70部より
多い場合には帯電が高すぎるため、画像が不安定になり
好ましくない。この様に本発明による樹脂被覆キャリア
は塩素系樹脂及びフッ素系樹脂の混合比を変えることに
より樹脂被覆キャリアの帯電性の調整を可能とするもの
であり、塩素系モノマーとフッ素モノマーの共重合体よ
り成る樹脂を使用する場合と比較して、容易に樹脂被覆
キャリアの帯電性を制御できるものである。
【0021】樹脂の製造方法としては、通常のラジカル
重合法が採用され、バルク重合、懸濁重合、乳化重合、
溶液重合等が行われる。次いで本発明で使用されるキャ
リアの芯材(コア材)について説明する。芯材は公知の
ものが全て使用可能であり、特に限定されない。具体的
には、フェライト系、マグネタイト系、鉄粉系、コバル
ト系もしくはニッケル系等の強磁性金属またはこれらの
金属を含む合金もしくは化合物から選ばれた材料が用い
られる、また該合金としては強磁性金属を含まないが、
熱処理により強磁性を示すようになる合金、例えばMn
−Cu−Al、Mn−Cu−Snなどのホィスラー合金
や、その他CrO2 などの金属酸化物も使用し得る。
【0022】この様なキャリアの粒径は通常20〜50
0μm程度であるが、より好ましくは30〜200μm
程度である。キャリア芯材の被覆剤としては、上記の塩
素系樹脂及びフッ素系樹脂に他のブレンド材などを含有
させた混合物の形態で使用することも出来る。より具体
的には、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、尿
素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル
樹脂などのその他の樹脂とのブレンド、シリカ粉末、電
荷制御剤、界面活性剤、潤滑剤などとのブレンドなどが
例示される。これらのブレンド材の使用量は、共重合体
の50%以下とすることが好ましい。塩素系樹脂の脱塩
化水素防止のためには、通常塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンなどの安定化に使用されている安定剤が使用可能であ
る。この様な安定剤としては、金属石鹸、エポキシ化合
物、亜りん酸エステル、ポリオールなどが例示される。
【0023】キャリア芯材に対する被膜形成は、常法と
ほぼ同様にして行われる。例えば、本発明に用いる樹脂
または該樹脂とブレンド材とを含む混合物を有機溶媒に
溶解または分散させて、固形分濃度0.1〜30重量
%、より好ましくは1〜5重量%の被覆液を調製し、浸
漬法、ドライスプレー法、フローコーターを使用する流
動スプレー法などにより、芯材に被覆し、乾燥させる。
必要ならば、被膜形成後、100℃までの温度で熱処理
しても良い。
【0024】有機溶媒としては、該樹脂を溶解すること
ができるものならば使用可能である。例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンまたは
シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢
酸セロソルブまたは酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル
系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エ
ーテル系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系溶媒;テトラクロルエチレン、トリクロロエチレ
ン、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素系溶
媒などが挙げられる。
【0025】これらの溶媒は単独で、若しくは2種類以
上を混合して使用することができる。又、これらの有機
溶媒の沸点は50〜150℃程度のものであれば使用で
きるが、溶解処理及び被覆後の乾燥処理等の観点から、
60〜120℃程度のものがより好ましい。
【0026】キャリアの被膜層の厚さは、乾燥状態で、
0.05〜5μm程度とすることが好ましく、0.3〜
3μm程度とすることがより好ましい。0.05μm未
満の場合には、耐久性が十分でなく、また帯電安定性も
悪くなるため好ましくない。被膜層の厚さが5μmを越
えても性能的には実質上問題はないが、性能的にほぼ最
高値に達しており、該樹脂を大量に消費するので経済的
でない。
【0027】本発明の静電荷像現像用キャリアはトナー
と組合せて現像剤として使用する。この時使用されるト
ナーには特に限定はないが、好ましくは正帯電性トナー
であり、トナーに含有せしめる結着樹脂としては公知の
ものを含む広い範囲から選択できる。例えばポリスチレ
ン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、
スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸
オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共
重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体
(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−
メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸
ブチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共
重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共
重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エ
ステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはス
チレン置換体を含む単独重合体または共重合体)、塩化
ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル樹
脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合
樹脂、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等
があるが、本発明に用いるに特に好ましい樹脂としては
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体、飽和もしくは不飽和ポリ
エステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げることができ
る。
【0028】また、上記樹脂は単独で使用するに限らず
2種類以上併用することもできる。本発明に係わるトナ
ーには、その他必要に応じて帯電制御剤、離型剤等公知
のものを含む広い範囲から選ばれる添加剤を添加するこ
とができる。帯電制御剤としては、公知のものが使用可
能である。例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタ
ン系染料、アミノ基含有ビニルコポリマー、第四アンモ
ニウム塩化合物、ポリアミン樹脂などが知られている。
使用量としては樹脂100重量部にたいし0.1〜25
重量部がよく、より好ましくは1〜15重量部がよい。
この場合、帯電制御剤は樹脂中に添加しても良く、また
トナー粒子表面に付着させた形で用いても良い。
【0029】本発明のキャリアは特に第四アンモニウム
塩化合物を含有するトナーを組み合わせることによっ
て、本発明の効果を良好に発現する。第四アンモニウム
塩化合物の中でも特に第四アンモニウムのスルフォン酸
塩化合物が好ましい。第四アンモニウムのスルフォン酸
塩のうちでも、スルフォン酸イオンがベンゼン若しくは
ナフタレンのヒドロキシスルフォン酸イオンまたはジス
ルフォン酸イオンであることが好ましく、かかるベンゼ
ン若しくはナフタレンは、更に水酸基、アミノ基、アル
キル基等の他の置換基を有していても良い。特にナフタ
レンのスルフォン酸塩が好ましく、更にはナフタレンの
1−ヒドロキシ−4−スルフォン酸塩またはナフタレン
の1,5−ジスルフォン酸塩が好ましい。更に第四アン
モニウムイオンとしては一般式(III)
【0030】
【化3】
【0031】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれ
ぞれ置換基を有していてもよいアルキル基または置換基
を有していてもよいアラルキル基を表す)で表わされる
イオンが好ましく、R1 ,R2 ,R3 及びR4 が有して
いてもよい置換基としてはハロゲン基、アルキル基及び
ニトロ基が好ましい。特にR1 〜R4 のうち少なくとも
一つが置換基を有していてもよいベンジル基であること
が好ましい。また置換基を有していてもよいアルキル基
の炭素数は1〜18程度であることが好ましい。
【0032】かかる第四アンモニウム塩化合物の具体例
としては下記の化合物が挙げられる。尚、アニオン成分
のナフタレン環の置換位置を下記式(IV)のように定義
する。又、Phはベンゼン環残基を、(p)は該ベンゼ
ン環残基のパラ位を示す。
【0033】
【化4】
【0034】(1)R1 :−C2 5 ,R2 :−C2
5 ,R3 :−C2 5 ,R4 :−CH 2 −Ph,h:−
OH,e:−SO3 (2)R1 :−C3 7 ,R2 :−C3 7 ,R3 :−
3 7 ,R4 :−CH 2 −Ph,h:−OH,e:−
SO3 (3)R1 :−CH3 ,R2 :−C1225,R3 :−C
3 ,R4 :−CH2 −Ph,h:−OH,e:−SO
3 (4)R1 :−CH3 ,R2 :−C6 13,R3 :−C
3 ,R4 :−CH2 −Ph,h:−OH,e:−SO
3 (5)R1 :−C4 9 ,R2 :−C4 9 ,R3 :−
4 9 ,R4 :−C49 ,h:−OH,e:−SO3 (6)R1 :−C2 5 ,R2 :−C1837,R3 :−
2 5 ,R4 :−C25 ,h:−OH,e:−SO3
【0035】(7)R1 :−C8 17,R2 :−C8
17,R3 :−C8 17,R4 :−C817,h:−O
H,d:−SO3 (8)R1 :−C8 17,R2 :−C8 17,R3 :−
8 17,R4 :−C25 ,g:−OH,c:−SO3 (9)R1 :−C3 7 ,R2 :−C3 7 ,R3 :−
3 7 ,R4 :−CH 2 −Ph,g:−OH,c:−
SO3 (10)R1 :−C4 9 ,R2 :−C4 9 ,R3
−C4 9 ,R4 :−CH2 −Ph,g:−OH,a:
−SO3 (11)R1 :−C4 9 ,R2 :−C4 9 ,R3
−C4 9 ,R4 :−CH2 −Ph,h:−OH,e:
−SO3 (12)R1 :−CH3 ,R2 :−C1429,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph,h:−SO3 ,e:−
SO3
【0036】(13)R1 :−CH3 ,R2 :−C18
37,R3 :−CH3 ,R4 :−CH2−Ph,h:−S
3 ,f:−NH2 ,d:−SO3 (14)R1 :−C
3 ,R2 :−C1837,R3 :−CH3 ,R4 :−C
2 −Ph,h:−SO3 ,c:−SO3 (15)R1 :−CH3 ,R2 :−C1633,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph,g:−OH,c:−S
3 ,a:−SO3 (16)R1 :−CH3 ,R2 :−C1225,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph−(p)Cl,g:−S
3 ,h:−NH2 ,e:−SO3 ,a:−OH (17)R1 :−CH3 ,R2 :−C1429,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph−(p)CH3 ,g:−
SO3 ,c:−SO3 (18)R1 :−CH3 ,R2 :−C1429,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph−(p)NO2 ,g:−
SO3 ,e:−OH,d:−OH,b:−SO3
【0037】(19)R1 :−CH3 ,R2 :−C18
37,R3 :−CH3 ,R4 :−C18 37,h:−S
3 ,d:−SO3 (20)R1 :−CH3 ,R2 :−C1837,R3 :−
CH3 ,R4 :−C18 37,h:−SO3 ,d:−SO
3 ,b:−NH2 (21)R1 :−CH3 ,R2 :−C8 17,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph,h:−SO3 ,d:−
SO3 (22)R1 :−CH3 ,R2 :−CH2 −Ph,
3 :−CH3 ,R4 :−CH2 −Ph,h:−S
3 ,d:−SO3 (23)R1 :−CH3 ,R2 :−C1021,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph,h:−SO3 ,d:−
SO3 (24)R1 :−CH3 ,R2 :−C8 17,R3 :−
CH3 ,R4 :−CH2−Ph,h:−OH,e:−S
3 (25)R1 :−CH3 ,R2 :−C8 17(n),R
3 :−CH3 ,R4 :−CH3 ,a:−SO3 ,e:−
SO3 (26)R1 :−C6 13(n),R2 :−C4
9 (n),R3 :−C4 9(n),R4 :−C4 9
(n),a:−SO3 ,e:−SO3 (27)R1 :−C4 9 ,R2 :−C4 9 ,R3
−C4 9 ,R4 :−CH2 −Ph−(p)CH3
a:−SO3 ,e:−SO3
【0038】上記のトナーは、必要に応じ、さらにワッ
クス類、シリカ、ステアリン酸亜鉛などの添加剤を含有
または、混合して使用することができる。また、トナー
において使用する着色剤としては、カーボンブラック、
ニグロシン、アニリンブルー、カルコオイルブルー、ク
ロームイエロー、ウルトラマリンブルー、メチレンブル
ー、ローズベンガル、フタロシアニンブルーなどが例示
される。
【0039】本発明のキャリアと上記の様なトナーと
は、通常前者100重量部に対し、後者0.3〜20重
量部程度の割合で混合され、磁気ブラシ法、カスケード
法などの静電画像の現像に使用される。
【0040】
【発明の効果】本発明による樹脂混合物からなるキャリ
ア被覆層は、膜強度に優れ、芯材への密着性も良好なの
で、耐久性に優れているのみならず、帯電性の立上がり
が速く且つ高い帯電性をキャリアに与える。よって、帯
電安定性が優れているため、画像濃度が高く、極めてカ
ブリが少ない鮮明な画像が得られ、画像形成時のトナー
の転写効率を高くする。そして画像硬度の小さい有機光
導電体を使用した潜像保持部材に対し、磁気ブラシの擦
過傷による画像欠陥が少なく、特にハーフトーン画像に
於いて耐久性に優れた良好な画像をあたえる。
【0041】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表わす。 実施例1 塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニリデン70モル
%、アクリロニトリル30モル%;ポリスチレン換算分
子量分布3000〜1200万、重量平均分子量32×
104 )50部、並びに、フッ化ビニリデン系重合体
(重量平均分子量10×104 、ポリサイエンス社製)
50部をテトラヒドロフランとメチルエチルケトンの等
量混合溶媒に溶解させ、固形分濃度4%の被覆液を調製
した。
【0042】流動スプレー法により、平均粒系100μ
mの球状フェライトキャリア芯材として、乾燥膜厚が2
μmになるように塗布し、樹脂被覆キャリアを得た。一
方、スチレンとアクリル酸−n−ブチルとの共重合体1
00部、カーボンブラック5部、低分子量ポリプロピレ
ン2部、第四アンモニウム塩系帯電制御剤(前記例示化
合物No.11)2部の混練粉砕物から成る平均粒径1
0μmのトナー100部に対し疎水性シリカ微粉末(デ
グサ社製、商品名R−972)0.1部を添加してヘン
シェルミキサーで混合してシリカ外添トナーを得た。該
シリカ外添トナー4部と前記樹脂被覆キャリア100部
とを混合し、現像剤を調製した。続いて有機光導電体を
搭載した市販の複写機を用いて、実写耐久試験をし、画
像濃度の測定と、カブリの判定及びトナー転写率の測定
による評価をしたところ、終始安定した鮮明な、カブリ
の少ない画像が得られた。またトナー転写効率も良好で
あった。
【0043】実施例2 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン70モル%、アクリロニトリル30モル%;ポリ
スチレン換算分子量分布3000〜1200万、重量平
均分子量32×104 )90部、並びに、フッ化ビニリ
デン系重合体(重量平均分子量10×104 、ポリサイ
エンス社製)10部からなる混合樹脂を実施例1と同様
に処理して乾燥膜厚2μmの樹脂被覆キャリアを製造
し、続いて実施例1と同様にして評価をしたところ、終
始安定した、鮮明なカブリの少ない画像が得られた。ま
たトナー転写効率も良好であった。
【0044】実施例3 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン54モル%、アクリロニトリル46モル%;数平
均分子量6.5×104 、重量平均分子量32.8×1
4 )50部、並びに、フッ化ビニリデン系重合体(重
量平均分子量10×104 、ポリサイエンス社製)50
部とからなる混合樹脂をテトラヒドロフランとメチルエ
チルケトンの等量混合溶媒に溶解させ、固形分濃度1.
8%の被覆液を調製した後、流動スプレー法により平均
粒径100μmの球状フェライト(DFC−150;同
和鉄粉社製)をキャリア芯材として、乾燥膜厚が2μm
になるように塗布し、樹脂被覆キャリアを得た。
【0045】一方、スチレンとアクリル酸−n−ブチル
との共重合体100部、カーボンブラック5部、低分子
量ポリプロピレン2部、第四アンモニウム塩系帯電制御
剤(前記例示化合物No.11)2部の混練粉砕物から
成る平均粒径10μmのトナー100部に対し疎水性シ
リカ微粉末(デグサ社製、商品名R−972)0.1部
を添加してヘンシェルミキサーで混合してシリカ外添ト
ナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前記樹脂被覆キ
ャリア100部とを混合し現像剤を調製した。続いて先
に作製した有機潜像保持部材を搭載し磁気ブラシ現像法
を用いた市販の複写機(シャープ社製SF8800)を
用いて、実写耐久試験をし、画像濃度の測定と、カブリ
の判定及びトナー転写率の測定による評価をしたとこ
ろ、終始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られ
た。またトナー転写効率も良好であった。1万枚実写後
もハーフトーン画像でのスジ状の画像欠陥がほとんどな
かった。
【0046】実施例4 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン25モル%、アクリロニトリル75モル%;数平
均分子量6.6×104 、重量平均分子量30.3×1
4 )70部、並びに、フッ化ビニリデン系共重合体
(フッ化ビニリデン50モル%、クロロトリフルオロエ
チレン50モル%;重量平均分子量75×104 ;ポリ
サイエンス社製)30部とからなる混合樹脂をテトラヒ
ドロフラン/メチルエチルケトン=1/1(Vol)の
混合溶媒に溶解させ、実施例1と同様に処理して、乾燥
膜厚0.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実
施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮
明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転写
効率も良好であった。1万枚実写後もハーフトーン画像
での、スジ状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0047】実施例5 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン50モル%、アクリロニトリル50モル%;数平
均分子量3.9×104 、重量平均分子量18.8×1
4 )90部、並びに、フッ化ビニリデン系共重合体
(フッ化ビニリデン50モル%、クロロトリフルオロエ
チレン50モル%;重量平均分子量75×104 ;ポリ
サイエンス社製)10部とからなる混合樹脂をメチルエ
チルケトン/トルエン=65/35(Vol)の混合溶
媒に溶解させ、実施例1と同様に処理して、乾燥膜厚
0.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施例
1と同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮明
な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転写効
率も良好であった。1万枚実写後もハーフトーン画像で
の、スジ状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0048】実施例6 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン50モル%、アクリロニトリル25モル%、メタ
クリロニトリル25モル%;数平均分子量4.8×10
4 、重量平均分子量23.5×104 )50部、並び
に、フッ化ビニリデン系共重合体(フッ化ビニリデン5
0モル%、クロロトリフルオロエチレン50モル%;重
量平均分子量75×104 ;ポリサイエンス社製)50
部とからなる混合樹脂をメチルエチルケトン/トルエン
=65/35(Vol)の混合溶媒に溶解させ、実施例
1と同様に処理して、乾燥膜厚0.5μmの樹脂被覆キ
ャリアを製造し、続いて実施例1と同様にして評価をし
たところ、終始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が
得られた。またトナー転写効率も良好であった。1万枚
実写後もハーフトーン画像での、スジ状の画像欠陥がほ
とんどなかった。
【0049】実施例7 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン60モル%、メタクリロニトリル25モル%、ア
クリル酸−n−ブチル15モル%;数平均分子量4.1
×104 、重量平均分子量28.7×104 )70部、
並びに実施例1で用いたフッ化ビニリデン系重合体30
部とからなる混合樹脂を実施例1と同様に処理して、乾
燥膜厚3μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施
例1と同様に評価したところ終始安定した鮮明なカブリ
の少ない画像が得られた。また、トナー転写効率も良好
であった。1万枚実写後もハーフトーン画像での、スジ
状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0050】実施例8 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン55モル%、アクリロニトリル20モル%、メタ
クリル酸メチル25モル%;数平均分子量4.6×10
4 、重量平均分子量38.2×104 )50部、並び
に、実施例1で用いたフッ化ビニリデン系重合体50部
とからなる混合樹脂を実施例1と同様に処理して、乾燥
膜厚2μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施例
1と同様にして評価をしたところ終始安定した鮮明なカ
ブリの少ない画像が得られた。また、トナー転写効率も
良好であった。
【0051】実施例9 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン46モル%、アクリロニトリル28モル%、メタ
クリル酸メチル26モル%;数平均分子量4.5×10
4 、重量平均分子量38.3×104 )50部、並び
に、実施例1で用いたフッ化ビニリデン系重合体50部
とからなる混合樹脂を用い、テトラヒドロフランとトル
エンの等量混合溶媒に溶解させ実施例1と同様に処理し
て、乾燥膜厚1.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し、
続いて実施例1と同様にして評価をしたところ終始安定
した鮮明なカブリの少ない画像が得られた。また、トナ
ー転写効率も良好であった。1万枚実写後もハーフトー
ン画像での、スジ状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0052】実施例10 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン46モル%、アクリロニトリル25モル%、メタ
クリル酸メチル28モル%、アクリル酸1モル%;数平
均分子量3.7×104 、重量平均分子量26.5×1
4 )70部、並びに、実施例1で用いたフッ化ビニリ
デン系重合体30部とからなる混合樹脂を用い、実施例
1と同様に処理して、乾燥膜厚2μmの樹脂被覆キャリ
アを製造し、続いて実施例1と同様にして評価をしたと
ころ終始安定した鮮明なカブリの少ない画像が得られ
た。また、トナー転写効率も良好であった。1万枚実写
後もハーフトーン画像での、スジ状の画像欠陥がほとん
どなかった。
【0053】実施例11 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン54モル%、アクリロニトリル46モル%;数平
均分子量分布6.5×104 、重量平均分子量32.8
×104 )65部、並びに四フッ化エチレン系重合体分
散液(ダイキン社製ポリフロンタフコートエナメルTC
−7405GN固形分濃度35%)100部(該塩素系
樹脂と該フッ素系樹脂の固形分比は65対35)をテト
ラヒドロフランに溶解、分散させ、固形分濃度2%の分
散液を調製し、実施例1と同様に処理して、乾燥膜厚
1.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施例
1と同様にして評価をしたところ終始安定した鮮明なカ
ブリの少ない画像が得られた。また、トナー転写効率も
良好であった。1万枚実写後もハーフトーン画像での、
スジ状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0054】実施例12 被覆樹脂として、塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
リデン50モル%、アクリロニトリル25モル%、メタ
クリロニトリル25モル%;数平均分子量4.8×10
4 、重量平均分子量23.5×104 )50部並びに実
施例11に使用した四フッ化エチレン系重合体分散液1
43部(該塩素系樹脂と該フッ素系樹脂の固形分比は5
0対50)をテトラヒドロフランに溶解分散させ固形分
濃度2%の分散液を調製し、実施例1と同様に処理し
て、乾燥膜厚1.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し、
続いて実施例1と同様にして評価をしたところ終始安定
した鮮明なカブリの少ない画像が得られた。また、トナ
ー転写効率も良好であった。1万枚実写後もハーフトー
ン画像での、スジ状の画像欠陥がほとんどなかった。
【0055】実施例13 重量平均分子量4.4×104 の塩化ビニル系重合体
(三菱化成ビニル社製ビニカ SG−700)1部と、
フッ化ビニリデン系重合体(ネオフロンVDFVP−8
50 ダイキン工業製)1部をテトラヒドロフランとメ
チルエチルケトンの等量混合溶媒に溶解させ、固形分濃
度2%被覆液を調製した後、流動スプレー法により、平
均粒径100μmの球状フェライトをキャリア芯材とし
て、乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、樹脂被覆キ
ャリアを得た。
【0056】一方、スチレンとアクリル酸−n−ブチル
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、第四アンモニウム塩系帯電制
御剤(オリエント化学社製、商品名P−51)2部の混
練粉砕物から成る平均粒径10μmのトナー100部に
対し疎水性シリカ微粉末(デグサ社製、商品名R−97
2)0.1部を添加してヘンシェルミキサーで混合して
シリカ外添トナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前
記樹脂被覆キャリア100部とを混合し現像剤を調製し
た。続いて有機光導電体を搭載した市販の複写機を用い
て、実写耐久試験をしたところ50,000枚実写中で
もコピー黒地部の画像濃度が安定して高く、コピー白地
部の汚れであるカブリの増加がなく、またトナー飛散量
も少なく複写機内の汚染もなく良好であり、連続複写し
ても耐久性能、コピー画質安定性にすぐれた現像剤であ
った。
【0057】実施例14 重量平均分子量3.4万の塩素化塩化ビニル系重合体
(積水化学社製 セキスイPVC・HA−24K)1部
とフッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン VDF V
P−850 ダイキン工業社製)1部を実施例と同様に
処理して、乾燥膜厚1.2μmの樹脂被覆キャリアを製
造し、続いて実施例1と同様にして現像剤の実写耐久評
価をしたところ、50,000枚実写しても画像濃度が
安定して高く、カブリの増加も少なく、またトナー飛散
量も少なく、複写機内の汚染も少なく良好であった。
【0058】実施例15 塩素含有率65重量%の塩素化エチレン系重合体(スー
パークロン HE510 山陽国策パルプ社製)1部と
フッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン VDF VP
−850 ダイキン工業社製)1部を実施例1と同様に
処理し乾燥膜厚1μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続
いて実施例1と同様にして現像剤の実写耐久性を評価し
たところ、50,000枚の複写でも終始安定した画像
で、カブリも少なく、耐久性及び画質安定性も優れた現
像剤であった。
【0059】実施例16 重量平均分子量4.4×104 の塩化ビニル系重合体
(三菱化成ビニル社製ビニカ SG−700)1部とフ
ッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン VDFVP−8
50 ダイキン工業社製)1部を実施例1と同様にし
て、平均粒径70μmの鉄粉をキャリア芯材として、乾
燥膜厚が2μmになるように塗布し、樹脂被覆キャリア
得た。次いで実施例1と同様に実写耐久試験をしたとこ
ろ、50,000枚実写中でもコピー黒地部の画像濃度
が安定して高く、コピー白地部の汚れであるカブリの増
加がなく、またトナー飛散量も少なく複写機内の汚染も
なく良好であり、連続複写しても耐久性能、コピー画質
安定性にすぐれた現像剤であった。
【0060】実施例17 被覆樹脂としてダウケミカル社製サランレジンF−31
0(塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体)3
部と塩素化塩化ビニル系重合体(積水化学社製HA−2
4K)3部及びフッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン
VDF VP−850 ダイキン工業社製)4部を使
用した他は実施例1と同様にして乾燥膜厚0.8μmの
樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施例1と同様にし
て現像剤の実写耐久性を評価したところ、50,000
枚の複写でも終始安定した画像でカブリも少なく耐久性
及び画質安定性も優れた現像剤であった。
【0061】実施例18 被覆樹脂としてサランF−310(塩化ビニリデンとア
クリロニトリルとの共重合体、ダウケミカル社製)4部
と塩化ビニル系重合体(ビニカ SG−700三菱化成
社製)3部及びフッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン
VDF VP−850 ダイキン工業社製)3部を使
用した他は実施例1と同様にして乾燥膜厚0.5μmの
樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施例1と同様にし
て現像剤の実写耐久性を評価したところ、50,000
枚の複写でも終始安定した画像でカブリも少なく耐久性
及び画質安定性も優れた現像剤であった。
【0062】実施例19 被覆樹脂として、重量平均分子量4.4万の塩化ビニル
系重合体(三菱化成ビニル社製 ビニカSG−700)
7部とフッ化ビニリデンと四フッ化エチレンの共重合体
3部を用いた以外は実施例1と同様に評価したところ5
0,000万枚の複写でも終始安定した画像でカブリも
少なく、耐久性、画質とも優れた現像剤であった。
【0063】実施例20 被覆樹脂として、重量平均分子量4.4万の塩化ビニル
系重合体(三菱化成ビニル社製 ビニカSG−700)
7部とフッ化ビニリデンを主成分とするフッ化ビニリデ
ン系共重合体、ネオフロンVT−100(ダイキン工業
社製)3部をテトラヒドロフランに溶解した被覆液を平
均粒径80μmのマグネタイトに乾燥膜厚1μmになる
ように塗布し、樹脂被覆キャリアを得た。次いで実施例
1と同様に実写評価したところ、良好なコピー画質が得
られた。
【0064】実施例21 被覆樹脂として、重量平均分子量24万の塩化ビニル系
重合体(電気化学社製SH−380)9部、四フッ化エ
チレン系重合体分散液(ダイキン社製 ポリフロンタフ
コートエナメル TC−7405GN 固形分濃度35
%)を樹脂固形分として1部(液として2.86部)を
テトラヒドロフランに溶解、分散させ、平均粒径70μ
mのマグネタイトに乾燥膜厚2μmになるように塗布
し、樹脂被覆キャリアを得た。次いで実施例1と同様に
実写評価したところ、カブリの少ない良好な画質が得ら
れた。
【0065】比較例1 樹脂を被覆していない球状フェライトをキャリアとして
用い、実施例1と同様にシリカ外添トナーとで現像剤を
調製し、実施例1と同様にして評価をしたところ、複写
を重ねるにつれて画像濃度が低下した。その上、初期か
らカブリが極めて多く、汚れた画像であった。また、ト
ナーの転写効率が悪く、多量の未転写トナーが回収され
た。又、1万枚実写後、ハーフトーン画像でのスジ状の
欠陥が観察された。
【0066】比較例2 市販のシリコーン樹脂被覆キャリア(芯材はフェライ
ト)を用いた他は比較例1と同様にして評価をしたとこ
ろ、画像濃度はほぼ良好であったがカブリがややあり、
若干汚れた画像となった。また、未転写トナーの回収量
が若干多く、トナーの転写効率がやや悪かった。又、1
万枚実写後、ハーフトーン画像でのスジ状の欠陥が観察
された。
【0067】比較例3 実施例1で用いたフッ化ビニリデン系重合体単独を用い
た以外は、実施例1と同様にして乾燥膜厚2μmの樹脂
被覆キャリアを製造し、続いて実施例1と同様にして乾
燥膜厚2μmの樹脂被覆キャリアを製造し、続いて実施
例1と同様にして評価したところ、複写を重ねるにつれ
て画像濃度が低下した。またカブリも増加した。又、1
万枚実写後、ハーフトーン画像でのスジ状の欠陥が観察
された。
【0068】比較例4 フッ化ビニリデン系重合体(ネオフロン VDF VP
−850 ダイキン工業製)を実施例1と同様に塗布
し、同じトナーで評価したところ、帯電量が高すぎ、画
像濃度の低い画像しか得られなかった。
【0069】比較例5 重量平均分子量4.4万の塩化ビニル系重合体(三菱化
成ビニル社製 ビニカSG−700)をメチルエチルケ
トンに溶解させ実施例6と全く同様に平均粒径70μm
の鉄粉をキャリア芯材として膜厚2μmに塗布した。実
施例1と同一トナーを用いて実写評価したが、帯電量が
低すぎ、画像濃度が高すぎた。また5万枚実写後画像解
調性がでなくなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 修一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系樹脂及びフッ素系樹脂を含有する
    樹脂混合物によって芯材の少なくとも一部を被覆して成
    ることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
  2. 【請求項2】 塩素系樹脂が、塩化ビニリデン系重合
    体、塩素化塩化ビニル系重合体、塩素化エチレン系重合
    体及び塩化ビニル系重合体からなる群から選ばれる1種
    以上の重合体を含有することを特徴とする請求項1に記
    載の静電荷像現像用キャリア。
  3. 【請求項3】 フッ素系樹脂が、フッ化ビニリデン系重
    合体、三フッ化エチレン系重合体及び四フッ化エチレン
    系重合体からなる群から選ばれる1種以上の重合体を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像
    用キャリア。
  4. 【請求項4】 芯材が、強磁性金属または該金属を含有
    する合金もしくは化合物であることを特徴とする請求項
    1に記載の静電荷像現像用キャリア。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の静電荷像現像用キャリ
    アと正帯電性トナーを含有することを特徴とする二成分
    現像剤。
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