JPH05107817A - 電子写真用キヤリアおよび現像剤 - Google Patents

電子写真用キヤリアおよび現像剤

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JPH05107817A
JPH05107817A JP3266459A JP26645991A JPH05107817A JP H05107817 A JPH05107817 A JP H05107817A JP 3266459 A JP3266459 A JP 3266459A JP 26645991 A JP26645991 A JP 26645991A JP H05107817 A JPH05107817 A JP H05107817A
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JP
Japan
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resin
carrier
inner layer
coating
vinylidene chloride
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JP3266459A
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English (en)
Inventor
Katsuo Koizumi
勝男 小泉
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】キャリア芯材の表面に、少なくとも内層と外層
を有する複層の樹脂コーティング層を設けてなる電子写
真用キャリアにおいて、前記内層が、塩化ビニリデン
と、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重結合を
有する少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂を含有
し、前記外層がフッ素系樹脂を含有してなる電子写真用
キャリア。 【効果】耐磨耗性にすぐれ、芯材との密着性も良好なの
で、耐久性に優れているのみならず、帯電性の立上がり
が速く、かつ高い帯電性を有する。また、帯電安定性が
優れているために、極めてカブリの少ない鮮明な複写画
像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等に使
用する電子写真用キャリアおよびそれを用いた現像剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から正帯電性トナーと負帯電性樹脂
被覆キャリアから成る二成分現像剤において、キャリア
を被覆する樹脂としては、フッ化ビニリデンとテトラフ
ルオロエチレンとの共重合体や、フルオロアルキルトタ
クリレート共重合体などのフッ素樹脂系のもの、又はシ
リコーン樹脂系のものが提案されている(例えば特開昭
61−217068号、特開昭62−24268号、特
開平2−96770号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの樹脂被
覆キャリアは、それぞれに一長一短があり、例えばフッ
素樹脂系のものは帯電性は良好であるものの帯電安定性
や芯材との接着性等に欠点を有するものがあり、又、シ
リコン樹脂系のものは芯材との接着性が悪く、次第に剥
離する欠点があることが知られており、従って複写画像
も安定せず次第に自地汚れ(以下カブリと称する)が強
くなる等いずれも耐久性に欠ける欠点を有している。
【0004】又、従来から、キャリアの表面に、内層と
外層の2層からなる樹脂コーティング層を設けたコーテ
ィングキャリアが提案されている(特開平3−7396
7、73970等)が、従来のコート樹脂を用いた場合
は、やはりコア材とコート樹脂との密着性が低下するた
めに、キャリアの耐久性が損われるという問題点を有し
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の課題点を解決すべく研究を重ねた結果、内層
が塩化ビニリデンと他の単量体とを共重合してなる共重
合体樹脂を含有し、外層がフッ素系樹脂を含有する複数
層で表面を被覆したキャリアが、上記欠点を改良する、
優れた特性を発揮し、また、この被覆キャリアによれば
高い画像濃度で、しかも極めて、カブリの少ない、鮮明
な複写画像が得られ、更に複写時のトナーの転写効率が
高く、耐摩耗性にすぐれた性能を示すことを見出し、本
発明に到達した。
【0006】即ち本発明の目的は、キャリアのコア材と
コート樹脂との接着性に優れ、キャリアの耐久性、及び
帯電安定性が良好であり、且つ帯電性能が高いキャリア
を提供することにある。又、本発明の目的は、画像濃度
が高く、且つ安定しており、カブリも安定して少ない画
像が得られ、トナーの転写効率も良好である現像剤を提
供することにある。
【0007】しかし、かかる本発明の目的は、キャリア
芯材の表面に、少なくとも内層と外層を有する複層の樹
脂コーティング層を設けてなる電子写真用キャリアにお
いて、前記内層が塩化ビニリデンと、該塩化ビニリデン
を共重合可能な不飽和二重結合を有する少なくとも1種
の単量体との共重合体樹脂を含有し、前記外層がフッ素
系樹脂を含有してなる電子写真用キャリア、及び該キャ
リアと正帯電性トナーからなる現像剤によって容易に達
成される。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、内
層に用いる共重体樹脂である、塩化ビニリデンとこれと
共重合可能な不飽和二重結合を有する単量体の比率は通
常、それぞれ、10〜98モル%、90〜2モル%がよ
く、好ましくはそれぞれ30〜90モル%、70〜10
モル%である。塩化ビニリデンが多すぎる場合は、塩化
ビニリデンホモポリマーの性質に近くなり、熱的に不安
定で、かつ大多数の溶媒に溶解しないので使用が困難で
あり、仮に用いてもキャリアの流動性が悪くなり複写画
像に悪影響を及ぼすので好ましくない。また塩化ビニリ
デンが少なすぎる場合にはトナーの帯電性が不十分とな
り、複写画像に悪影響を及ぼす傾向があるので好ましく
ない。
【0009】塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重
結合を有する単量体(以下、単量体と称す)としては、
広い範囲の種類から選択されるが、特に、アクリロニト
リル誘導体が好ましい。
【0010】ここでアクリロニトリル誘導体としては、
典型的にはアクリロニトリル及び/又はメタアクリロニ
トリルを挙げることができ、アクリロニトリルの単独、
及びメタアクリロニトリルの単独、又はアクリロニトリ
ルとメタアクリロニトリルの任意の比率での混合物を使
用することができる。
【0011】その他の塩化ビニリデンを共重合可能な単
量体としては、例えば*スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロルメチルスチレンなどのスチレン類;*アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−クロロエ
チル、α−フルオロアクリル酸メチル、α−フルオロア
クリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチル、メタア
クリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル
酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ア
ミル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸オクチ
ル、メタアクリル酸−2−クロロエチルなどのα置換も
しくは非置換のアルキル(メタ)アクリレート類;*エ
チルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
*ビニルアセテート、ビニルクロルアセテート、ビニル
ブチレート、ビニルピバレート、安息香酸ビニルなどの
ビニルエステル類;*メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、ブチルビニルケト
ン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類;*エ
チレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプ
レンなどのオレフィン類;*N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、などの含
窒素化合物類などが挙げられる。これらの単量体は、単
独又は二種以上の混合物として使用することができる。
【0012】塩化ビニリデンとアクリロニトリル誘導体
及び上記その他の単量体からなる多元共重合体を用いる
場合、各々の比率は、10〜98モル%対89〜1モル
%対1〜60モル%がよく、好ましくは30〜90モル
%対68〜8モル%対2〜50モル%程度がよい。単量
体の量が多すぎる場合には帯電安定性が悪くなり複写画
像に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0013】また、本発明の塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリル誘導体からなる共重合体に含まれる市販の樹脂
としては、ダウケミカル社のSaran Resin
F−239、F−278、及びF−310、旭化成社の
サランレジンF−216、R−200、R−202及び
R−241B、呉羽化学社のクレハロンラテックスD0
−818、D0−822及びD0−873S、三菱油化
バーディッシェ社のディオファンA−690等が挙げら
れる。
【0014】本発明の内層に使用する前記共重合体樹脂
の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグ
フラフィーによる測定方法(ポリスチレン換算)で、通
常2000〜3000万程度、より好ましくは5000
〜100万程度である。分子量が2000未満では被覆
キャリアの流動性が悪くなるので好ましくない。また、
分子量が3000万を越えても性能上は問題ないが溶媒
への溶解性が悪くなるので被覆処理が繁雑になり好まし
くない。共重合体の製造方法としては、通常のラジカル
重合法が採用され、バルク重合、懸濁重合、乳化重合、
溶液重合などが行われる。
【0015】また、本発明のキャリア内層用樹脂には上
記共重合体に他の樹脂などをブレンドした組成物の形態
で使用することも出来る。より具体的には、例えば、フ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン
共重合体などのフッ素樹脂とのブレンド、シリコン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂
などのその他の樹脂とのブレンドした組成物が挙げられ
る。
【0016】次に、本発明の外層に用いるフッ素系樹脂
としては、具体的にはポリフッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体、ポリクロルトリフルオロ
エチレン、フッ素化シリコーン樹脂、フッ素化エポキシ
樹脂、フッ素化アルキルアクリレート重合体、フッ素化
アルキルメタクリレート重合体などが挙げられる。これ
らは単独もしくは併用さらには他の樹脂とのブレンドで
使用できるが、他の樹脂とのブレンドの場合、フッ素系
樹脂が樹脂全体の20wt%以上であるのがよい。他の
樹脂としては、前記内層用樹脂にブレンドされるその他
の樹脂と同様なものが挙げられる。
【0017】キャリア芯材に対するコーティング樹脂被
膜形成は、常法とほぼ同様にして行われる。例えば、被
覆用の樹脂を適当な溶媒に溶解し、固形分濃度0.1〜
30重量%、より好ましくは1〜5重量%の被覆液を調
製し、この溶液を浸漬法、ドライスプレー法、フローコ
ーターを使用する流動スプレー法などにより、芯材に被
覆し、乾燥させる。必要ならば、被膜形成後、100℃
までの温度で熱処理しても良い。尚、好ましい操作とし
て、内層および外層について以上の操作をくり返した
後、篩分して通過分を被覆キャリアとして得る方法が挙
げられる。
【0018】有機溶剤としては、被覆樹脂を溶解するこ
とができるものならば使用可能である。例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸セ
ロソルブ、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル系溶剤;
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル
類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラクロルエチレン、トリクロロエチレン、メチレンクロ
ライドなどのハロゲン化炭化水素類などが例示される。
【0019】これらの溶剤は単独で、若しくは2種類似
上を混合して使用することができる。又、これらの溶剤
の沸点は50〜150℃程度のものであれば使用できる
が、溶解処理及び被覆後の乾燥処理等の観点から60〜
120℃程度のものがより好ましい。
【0020】又、以上の樹脂成分を有する内層および外
層の被覆成分の中に、その他の添加剤を含んでもよい。
この種のものとしては、たとえば抵抗調節のためのカー
ボンブラック、酸化スズなどの導電剤、耐久性向上のた
めのシリカ、アルミナ、マグネタイトなどの無機酸化
物、帯電性改良のためのニグロシン、含金属染料、4級
アンモニウム塩などの帯電制御剤などが挙げられる。更
に、本発明のキャリアには、内層と外層の二層に限ら
ず、中間層等を設けて任意の複層コーティング層を設け
てよい。
【0021】本発明で使用するキャリアの芯材として
は、公知のものが全て使用可能であり、特に限定されな
い。具体的には、フェライト、マグネタイトをはじめと
して、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属;これらの金属を含む合金または化合物;強磁性金属
を含まないが、熱処理により強磁性を示すようになる合
金、例えば、Mn−Cu−Al、Mn−Cu−Snなど
のいわゆるホィスラー合金:CrO2などの金属酸化物
などが好適なものとして例示される。この様なキャリア
の粒径は、通常20〜1000μm程度、より好ましく
は50〜200μm程度である。
【0022】キャリアの被膜層の厚さは、内層および外
層のいずれも乾燥状態で、0.05〜5μm程度とする
ことが好ましく、0.3〜3μm程度とすることがより
好ましい。0.05μm未満の場合には、耐久性が十分
でなく、また帯電安定性も悪くなるため好ましくない。
被膜層の厚さが5μmを越えても、性能的には実質的に
問題はないが、性能的にほぼ最高値に達しており、被覆
用樹脂を大量に消費するので経済的でない。
【0023】本発明のキャリアは、公知のトナー、特に
正帯電性トナーと組合わせて静電荷像現像剤として使用
される。この様なトナーは、バインダー樹脂中に着色剤
を分散させて得られる。バインダー樹脂としては、例え
ば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレ
ンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアク
リル酸n−ブチル、メタアクリル酸ラウリル、メタアク
リル酸2−エチルヘキシルなどのα−メチレン脂肪酸モ
ノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのビニルニトリル類;2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどの
ビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケト
ン類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン
などの不飽和炭化水素およびそのハロゲン化物;クロロ
プレンなどのハロゲン系不飽和炭化水素類などの単量体
からなる単独重合体、これらの2種以上からなる共重合
体、これら単独重合体および共重合体の2種以上の混合
物が挙げられる。或いは、さらにロジン変性フェノール
ホルマリン樹脂、油変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹
脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル樹脂、これら非ビ
ニル樹脂と上記ビニル系樹脂との混合物なども挙げられ
る。
【0024】また、トナーにおいて使用する着色剤とし
ては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロームイエロー、ウルトラ
マリンブルー、メチレンブルー、ローズベンガル、フタ
ロシアニンブルーなどが例示される。
【0025】上記のトナーは、必要に応じ、さらにワッ
クス類、シリカ、ステアリン酸亜鉛などの添加剤を含有
または、混合して使用することができる。本発明のキャ
リアとこの様なトナーとは、通常前者100重量部に対
し、後者0.3〜20重量部程度の割合で混合され、磁
気ブラシ法、カスケード法などの静電画像の現像に使用
される。
【0026】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表わす。
【0027】実施例1 塩化ビニリデン70モル%、アクリロニトリル30モル
%から成る共重合体を製造し、トーソー社製、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーHLC−8020を用
いテトラヒドロフランを溶媒としポリマーラボラトリー
ズ社(英国)製カラムPL10μmMix(0.75φ
×30cm)2本でポリスチレン換算の分子量分布及び
重量平均分子量を測定した。分子量分布は3000〜1
200万、重量平均分子量は32万であった(以下、同
様に分子量を測定した。)。該共重合体をテトラヒドロ
フランとメチルエチルケトンの等量混合溶媒に溶解さ
せ、固形分濃度0.5%の内層用の被覆液を調製した。
【0028】フローコーターに芯材料として体積平均粒
径約80μmのフェライトキャリア(“DFC−15
0”、同和鉄粉社製)を2kg入れて流動させながら、
まず上記で調製した内層の処方の溶液を80℃の加熱下
に散布し、温度80℃で1時間乾燥して内層の塗布を完
了した。内層の被覆膜厚は約0.5μmであった。
【0029】次いで、ポリフッ化ビニリデン7部、ポリ
スチレン3部、メチルエチルケトン200部からなる固
型分濃度0.5%の外層用の被覆液を調製した。内層を
塗布したキャリアを再びコーターに入れ、前記の外層用
の処方の被覆溶液を同様にして散布し、温度80℃で1
時間乾燥して外層の塗布を完了し、樹脂被覆キャリアを
得た。内層および外層トータルの被覆膜厚は約1.0μ
mであった。
【0030】一方、スチレンとn−ブチルアクリレート
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、四級アンモニウム塩系帯電制
御剤(オリエント化学社製、商品名P−51)2部の混
練粉砕物から成る平均粒径10μmのトナー100部に
対し疎水性シリカ微粉末(デグサ社製、商品名R−97
2)0.1部を添加してヘンシェルミキサーで混合して
シリカ外添トナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前
記樹脂被覆キャリア100部とを混合し現像剤を調製し
た。続いて有機光導電体を搭載した市販の複写機を用い
て、実写耐久試験をし、画像濃度の測定と、カブリの判
定及びトナー転写率の測定による評価をしたところ、終
始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。ま
たトナー転写効率も良好であった。
【0031】実施例2 内層被覆樹脂として塩化ビニリデン70モル%、メタク
リロニトリル25モル%、アクリル酸n−ブチル5モル
%から成る共重合体(分子量分布2000〜20万、重
量平均分子量2万)を用いて実施例1と同様に処理し
て、乾燥膜厚0.5μmの内層の塗布を完了した。続い
て外層被覆用樹脂液として、ポリフッ化ビニリデン5
部、ポリメチルメタクリレート5部、メチルエチルケト
ン200部からなる固型分濃度0.5%の被覆液を用い
た以外は実施例1と同様に処理して、内層および外層の
トータルな被覆膜厚約1.0μmの樹脂被覆キャリアを
製造した。実施例1と同様にして評価をしたところ、終
始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。ま
たトナー転写効率も良好であった。
【0032】実施例3 内層被覆樹脂液として塩化ビニリデン55モル%、アク
リロニトリル20モル%、メタクリル酸メチル25モル
%から成る共重合体(分子量分布2000〜3000
万、重量平均分子量38万)をテトラヒドロフランとト
ルエンの等量混合溶媒に溶解させたものを用い、実施例
1と同様に処理して乾燥膜厚0.3μmの内層の塗布を
完了した。
【0033】続いて、外層被覆用樹脂液として、フッ化
ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(組成比
80:20)10部、アセトン200部からなる被覆液
を用いた以外は、実施例1と同様に処理し、内層および
外層のトータルな被覆膜厚約0.8μmの樹脂被覆キャ
リアを製造した。実施例1と同様にして評価をしたとこ
ろ、終始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られ
た。またトナー転写効率も良好であった。
【0034】実施例4 内層被覆樹脂として塩化ビニリデン50モル%、アクリ
ロニトリル15モル%、メタクリル酸メチル33モル
%、アクリル酸2モル%から成る共重合体(分子量分布
2000〜1500万、重量平均分子量75000)を
用い、実施例1と同様に処理して、乾燥膜厚0.7μm
の内層の塗布を完了した。続いて、外層を実施例1と同
様の樹脂液を用いて処理し、内層および外層のトータル
な被覆膜厚約1.5μmの樹脂被覆キャリアを製造し
た。実施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定
した鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナ
ー転写効率も良好であった。
【0035】実施例5 内層被覆樹脂液として実施例1の共重合体2部と、ポリ
エステル樹脂(東洋紡製バイロン200)1部の混合物
を、テトラヒドロフラン/メチルエチルケトン=1/1
(Vol.)の混合溶媒に溶解させたものを用い、実施
例1と同様に処理して、乾燥膜厚0.8μmの内層の塗
布を完了した。
【0036】続いて、外層を実施例1と同様の樹脂液を
用いて処理し、内層および外層のトータルな被覆膜厚約
1.6μmの樹脂被覆キャリアを製造した。実施例1と
同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮明な、カ
ブリの少ない画像が得られた。またトナー転写効率も良
好であった。
【0037】実施例6 内層被覆樹脂液として実施例1の共重合体2部と、ポリ
カーボネート樹脂(三菱化成社、ノバレックス7022
A)1部との混合物をメチルエチルケトン/トルエン=
65/35(Vol.)の混合溶媒に溶解させたものを
用い、実施例1と同様に処理して、乾燥膜厚0.5μm
の内層の塗布を完了した。続いて、外層を実施例1と同
様の樹脂液を用いて処理し、内層および外層のトータル
な被覆膜厚約1μmの樹脂被覆キャリアを製造した。実
施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮
明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転写
効率も良好であった。
【0038】比較例1 樹脂を被覆していない球状フェライトをキャリアとして
用い、実施例1と同様にシリカ外添トナーとで現像剤を
調製し、実施例1と同様にして評価したところ、複写を
重ねるにつれて画像濃度が低下した。その上、初期から
カブリが極めて多く、汚れた画像であった。また、トナ
ーの転写効率が悪く、多量の未転写トナーが回収され
た。
【0039】比較例2 市販シリコン樹脂被覆キャリア(芯剤はフェライト)を
用いた他は比較例1と同様にして評価をしたところ、画
像濃度はほぼ良好であったが、カブリがややあり、若干
汚れた画像となった。また、未転写トナーの回収量が若
干多く、トナーの転写効率がやや悪かった。
【0040】
【発明の効果】本発明で使用する樹脂被覆キャリアは、
耐磨耗性にすぐれ、芯材との密着性も良好なので、耐久
性に優れているのみならず、帯電性の立上がりが速く、
かつ高い帯電性を有する。また、帯電安定性が優れてい
るために、極めてカブリの少ない鮮明な複写画像が得ら
れる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】一方、スチレンとn−ブチルアクリレート
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、四級アンモニウム塩系帯電制
御剤(オリエント化学社製、商品名P−51)2部の混
練粉砕物から成る平均粒径10μmのトナー100部に
対し疎水性シリカ微粉末(デグサ社製、商品名R−97
2)0.1部を添加してヘンシェルミキサーで混合して
シリカ外添トナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前
記樹脂被覆キャリア100部とを混合し現像剤を調製し
た。続いて有機光導電体を搭載した市販の複写機を用い
て、一万枚の実写耐久試験をし、画像濃度の測定と、カ
ブリの判定及びトナー転写率の測定による評価をしたと
ころ、終始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得ら
れた。またトナー転写効率も良好であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】比較例2 市販シリコン樹脂被覆キャリア(芯剤はフェライト)を
用いた他は比較例1と同様にして評価をしたところ、画
像濃度はほぼ良好であったが、カブリがややあり、若干
汚れた画像となった。また、未転写トナーの回収量が若
干多く、トナーの転写効率がやや悪かった。比較例3 内層の樹脂被覆を行わない以外は、実施例3と同様にし
て被覆膜厚約0.8μmのフッ化ビニリデン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体(組成比80:20)樹脂の被
覆キャリアーを製造した。実施例1と同様にして評価を
したところ、5千枚複写までは画像濃度はほぼ良好であ
ったが、カブリがややあり、若干汚れた画像となった。
更に1万枚まで複写するとカブリが更に増加し汚れた画
像となった。また、未転写トナーの回収量が若干多く、
トナーの転写効率がやや悪かった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア芯材の表面に、少なくとも内
    層と外層を有する複層の樹脂コーティング層を設けてな
    る電子写真用キャリアにおいて、前記内層が、塩化ビニ
    リデンと、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重
    結合を有する少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂
    を含有し、前記外層がフッ素系樹脂を含有してなること
    を特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 前記内層に含有される共重合体樹脂
    が、塩化ビニリデンとアクロニトリル誘導体との共重合
    体樹脂、又は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル誘導
    体及びこれらと共重合可能な不飽和二重結合を有する単
    量体の少なくとも1種との多元共重合体樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の電子写真用キャリア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のキャリアと正帯電性ト
    ナーからなる現像剤。
JP3266459A 1991-10-15 1991-10-15 電子写真用キヤリアおよび現像剤 Pending JPH05107817A (ja)

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