JPH05107818A - 静電荷像現像用キヤリアおよび現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用キヤリアおよび現像剤

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JPH05107818A
JPH05107818A JP3266460A JP26646091A JPH05107818A JP H05107818 A JPH05107818 A JP H05107818A JP 3266460 A JP3266460 A JP 3266460A JP 26646091 A JP26646091 A JP 26646091A JP H05107818 A JPH05107818 A JP H05107818A
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JP
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resin
carrier
inner layer
vinylidene chloride
coating
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JP3266460A
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Inventor
Katsuo Koizumi
勝男 小泉
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】キャリア芯材の表面に、少なくとも内層と外層
を有する複層の樹脂コーティング層を設けてなる静電荷
像現像用キャリアにおいて、前記内層が、塩化ビニリデ
ンと、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和二重結合
を有する少なくとも1種の単量体との共重合体樹脂を含
有し、前記外層がシリコーン系樹脂を含有してなること
を特徴とする静電荷像現像用キャリア。 【効果】耐摩耗性にすぐれ、長期にわたってその帯電性
が変動しない耐久性にすぐれる。しかも、帯電安定性が
すぐれているために、極めてカブリの少ない鮮明な複写
画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等に使
用する静電荷像現像用キャリアおよびそれを用いた現像
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、正帯電性トナーと負帯電性樹
脂被覆キャリアから成る、二成分現像剤において、キャ
リアを被覆する樹脂としては、フッ化ビニリデンとテト
ラフルオロエチレンとの共重合体やフルオロアルキルメ
タクリレート共重合体などのフッ素樹脂系のもの、又は
シリコーン樹脂系のものが提案されている(例えば、特
開昭61−217068号、特開昭62−24268
号、特開平2−96770号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの樹脂被
覆キャリアは、それぞれに一長一短があり、例えばフッ
素樹脂系のものは帯電性は良好であるものの帯電安定性
や芯材との接着性等に欠点を有するものがあり、又、シ
リコーン樹脂系のものは芯材との接着性が悪く、次第に
剥離する欠点があることが知られており、従って複写画
像も安定せず次第に白地汚れ(以下カブリと称する)が
強くなる等、いずれも耐久性に欠ける欠点を有してい
る。又、従来からキャリアの表面に、内層と外層の2層
からなる樹脂コーティング層を設けたコーティングキャ
リアが提案されている(特開平3−73967、739
70等)が、従来のコート樹脂を用いた場合は、やはり
コア材とコート樹脂との接着性が悪く、次第にはくりす
る欠点を有するために、使用中に現像剤の帯電性が変動
してコピー品質に重大な悪影響を及ぼすなどの問題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点を解決すべく研究を重ねた結果、内層
が塩化ビニリデンと他の単量体とを共重合してなる共重
合体樹脂で、外層がシリコーン系樹脂である複層樹脂被
覆したキャリアが、上記欠点を改良する、優れた特性を
発揮することを見出し、本発明に到達した。即ち、本発
明の目的は、キャリアのコア材とコート樹脂との接着性
に優れ、安定した摩擦帯電性を有し、しかも長期にわた
ってその帯電性が変動しない耐久性に優れたキャリアを
提供することにある。又、本発明の目的は、画像濃度が
良好で、且つ安定しており、カブリも安定して少ない画
像が得られ、トナーの転写効率も良好である現像剤を提
供することにある。
【0005】しかしてかかる本発明の目的は、キャリア
芯材の表面に、少なくとも内層と外層を有する複数の樹
脂コーティング層を設けてなる静電荷像現像用キャリア
において、前記内層が、塩化ビニリデンと、該塩化ビニ
リデンと共重合可能な不飽和二重結合を有する少なくと
も1種の単量体との共重合体樹脂を含有し、前記外層が
シリコーン系樹脂を含有してなる、静電荷像現像用キャ
リア、及び該キャリアと正帯電性トナーからなる現像剤
によって容易に達成される。以下、本発明を詳細に説明
する。まず、本発明キャリアの内層に用いる共重合体樹
脂である塩化ビニリデンとこれと共重合可能な不飽和二
重結合を有する単量体の比率は、通常、それぞれ、10
〜98モル%、90〜2モル%がよく、好ましくはそれ
ぞれ30〜90モル%、70〜10モル%である。塩化
ビニリデンが多すぎる場合は、塩化ビニリデンホモポリ
マーの性質に近くなり、熱的に不安定で、かつ大多数の
溶媒に溶解しないので使用が困難であり、仮に用いても
キャリアの流動性が悪くなり複写画像に悪影響を及ぼす
傾向にあるので好ましくない。また、塩化ビニリデンが
少なすぎる場合にはトナーの帯電性が不十分となり、複
写画像に悪影響を及ぼす傾向があるので好ましくない。
【0006】塩化ビニリデンと共重合可能不飽和二重結
合を有する単量体(以下、単量体と称す)としては、広
い範囲の種類から選択されるが、特に、アクリロニトリ
ル誘導体が好ましい。ここでアクロニトリル誘導体とし
ては、典型的にはアクリロニトリル及び/又はメタアク
リロニトリルを挙げることができ、アクリロニトリルの
単独、及びメタアクリロニトリルの単独、又は、アクリ
ロニトリルとメタアクリロニトリルの任意の比率での混
合物を使用することができる。その他の塩化ビニリデン
と共重合可能な単量体としては、例えば、 * スチレン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチ
レンなどのスチレン類: * アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2
−クロロエチル、α−フルオロアクリル酸メチル、α−
フルオロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタア
クリル酸アミル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリ
ル酸オクチル、メタアクリル酸−2−クロロエチルなど
のα置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレー
ト類:
【0007】* エチルビニルエーテル、2−クロロエ
チルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、などの
ビニルエーテル類: * ビニルアセテート、ビニルクロルアセテート、ビニ
ルブチレート、ビニルピバレート、安息香酸ビニルなど
のビニルエステル類: * メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピ
ルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトンなどのビニルケトン類: * エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、
イソプレンなどのオレフィン類: * N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、
4−ビニルピリジン、などの含窒素化合物類などが挙げ
られる。これらの単量体は、単独又は二種以上の混合物
として使用することができる。
【0008】塩化ビニリデンとアクリロニトリル誘導体
及び上記その他の単量体からなる多元共重合体を用いる
場合、各々の比率は、10〜98モル%対89〜1モル
%対1〜60モル%がよく、好ましくは30〜90モル
%対68〜8モル%対2〜50モル%程度がよい。単量
体の量が多すぎる場合には、帯電安定性が悪くなり、複
写画像に悪影響を及ぼすので好ましくない。また、本発
明の塩化ビニリデンとアクリロニトリル誘導体からなる
共重合体に含まれる市販の樹脂としては、ダウケミカル
社のSaran Resin F−239、F−278
及びF−310、旭化成社のサランレジンF−216、
R−200、R−202及びR−241B、呉羽化学社
のクレハロンラテックスD0−818、D0−822及
びD0−873S、三菱油化バーディッシェ社のディオ
ファンA−690等が挙げられる。
【0009】本発明の内層に使用する前記共重合体の重
量平均分子量は、ゲルバーミエイションクロマトグラフ
ィーによる測定方法(ポリスチレン換算)で、通常20
00〜3000万程度、より好ましくは5000〜10
0万程度である。分子量が2000未満では被覆キャリ
アの流動性が悪くなるので好ましくない。また、分子量
が3000万を越えても性能上は問題ないが溶媒への溶
解性が悪くなるので被覆処理が繁雑になり好ましくな
い。
【0010】共重合体の製造方法としては、通常のラジ
カル重合法が採用され、バルク重合、懸濁重合、乳化重
合、溶液重合などが行われる。また、本発明のキャリア
内層用樹脂には上記の共重体に他の樹脂などをブレンド
した組成物の形態で使用することもできる。より具体的
には、例えばフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−四
フッ化エチレン共重合体などのフッ素樹脂とのブレン
ド;シリコーン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ
スチレン樹脂などのその他の樹脂とのブレンドした組成
物等が挙げられる。
【0011】次に、本発明の外層に用いるシリコーン樹
脂としては、市販の加熱型あるいは常温硬化型などの広
い範囲のものが使用でき、具体例を挙げると、例えば
“KR271”、“KR282”、“KR311”、
“KR255”、“KR155”などのストレートシリ
コーン樹脂、“SA4”、“KR−206”などのアル
キッド樹脂変性シリコーン樹脂、“ES1001N”、
“ES1004”などのエポキシ樹脂変性シリコーン樹
脂、“KR305”などのウレタン樹脂変性シリコーン
樹脂、“KR9706”などのアクリル樹脂変性シリコ
ーン樹脂、“KR5203”などのポリエステル樹脂変
性シリコーン樹脂(以上、いずれも信越化学(株)製)
などを単独でもしくは適宜ブレンドして使用することが
できる。また、シリコーン樹脂以外の樹脂とのブレンド
も可能であるが、この場合シリコーン樹脂が樹脂全体の
50wt%以上となるようにするのが好ましい。シリコ
ーン樹脂以外の樹脂としては、前記内層にブレンドされ
るその他の樹脂と同様なものを挙げることができる。
【0012】キャリア芯材に対するコーティング樹脂被
膜形成は、常法とほぼ同様にして行われる。例えば、被
覆用の樹脂を適当な溶媒に溶解し、固形分濃度0.1〜
30重量%、より好ましくは1〜5重量%の被覆液を調
製し、この溶液を浸漬法、ドライスプレー法、フローコ
ーターを使用する流動スプレー法などにより、芯材に被
覆し、乾燥させる。必要ならば、被膜形成後、室温から
200℃までの温度で熱処理しても良い。尚、好ましい
操作としては、内層および外層について以上の操作をく
り返した後、篩分して通過分を被覆キャリアとして得る
方法が挙げられる。有機溶剤としては、被覆樹脂を溶解
することができるものならば使用可能である。例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチ
ル、酢酸セロソルブ、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステ
ル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状
エーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;テトラクロルエチレン、トリクロロエチレン、メチ
レンクロライドなどのハロゲン化炭化水素類などが例示
される。
【0013】これらの溶剤は単独で、若しくは2種類以
上を混合して使用することができる。又、これらの溶剤
の沸点は、50〜150℃程度のものであれば使用でき
るが、溶解処理及び被覆後の乾燥処理等の観点から、6
0〜120℃程度のものがより好ましい。又、以上の樹
脂成分を有する内層および外層の被覆成分の中に、その
他の添加剤を含んでもよい。この種のものとしては、た
とえば抵抗調節のためのカーンボンブラック、酸化スズ
などの導電剤、耐久性向上のためのシリカ、アルミナ、
マグネタイトなどの無機酸化物、帯電性改良のためのニ
グロシン、含金属染料、4級アンモニウム塩などの帯電
制御剤などが挙げられる。更に、本発明のキャリアに
は、内層と外層の二層に限らず、中間層等を設けて任意
の複層コーティング層を設けて良い。
【0014】本発明で使用するキャリアの芯材として
は、公知のものが全て使用可能であり、特に限定されな
い。具体的には、フェライト、マグネタイトをはじめと
して、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金
属;これらの金属を含む合金または化合物;強磁性金属
を含まないが、熱処理により強磁性を示すようになる合
金、例えば、Mn−Cu−Al、Mn−Cu−Snなど
のいわゆるホィスラー合金:CrO2などの金属酸化物
などが好適なものとして例示される。この様なキャリア
の粒径は、通常20〜1000μm程度、より好ましく
は50〜200μm程度である。
【0015】キャリアの被膜層の厚さは、内層および外
層のいずれも乾燥状態で、0.05〜5μm程度とする
ことが好ましく、0.3〜3μm程度とすることがより
好ましい。0.05μm未満の場合には、耐久性が十分
でなく、また帯電安定性も悪くなるため好ましくない。
被膜層の厚さが5μmを越えても、性能的には実質的に
問題はないが、性能的にほぼ最高値に達しており、被覆
用樹脂を大量に消費するので経済的でない。
【0016】本発明のキャリアは、公知のトナー、特に
正帯電性トナーと組合わせて静電荷像現像剤として使用
される。この様なトナーは、バインダー樹脂中に着色剤
を分散させて得られる。バインダー樹脂としては、例え
ば、スチレン、バラクロロスチレン、α−メチルスチレ
ンなどのスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアク
リル酸n−ブチル、メタアクリル酸ラウリル、メタアク
リル酸2−エチルヘキシルなどのα−メチレン脂肪酸モ
ノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのビニルニトリル類;2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどの
ビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケト
ン類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン
などの不飽和炭化水素およびそのハロゲン化物;クロロ
プレンなどのハロゲン系不飽和炭化水素類などの単量体
からなる単独重合体、これらの2種以上からなる共重合
体、これら単独重合体および共重合体の2種以上の混合
物が挙げられる。或いは、さらにロジン変性フェノール
ホルマリン樹脂、油変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹
脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル樹脂、これら非ビ
ニル樹脂と上記ビニル系樹脂との混合物なども挙げられ
る。
【0017】また、トナーにおいて使用する着色剤とし
ては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロームイエロー、ウルトラ
マリンブルー、メチレンブルー、ローズベンガル、フタ
ロシアニンブルーなどが例示される。上記のトナーは、
必要に応じ、さらにワックス類、シリカ、ステアリン酸
亜鉛などの添加剤を含有または、混合して使用すること
ができる。本発明のキャリアとこの様なトナーとは、通
常前者100重量部に対し、後者0.3〜20重量部程
度の割合で混合され、磁気ブラシ法、カスケード法など
の静電画像の現像に使用される。
【0018】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表わす。 実施例1 塩化ビニリデン70モル%、アクリロニトリル30モル
%から成る共重合体を製造し、トーソー社製、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーHLC−8020を用
いテトラヒドロフランを溶媒としポリマーラボラトリー
ズ社(英国)製カラムPL10μmMix(0.75φ
×30cm)2本でポリスチレン換算の分子量分布及び
重量平均分子量を測定した。分子量分布は3000〜1
200万、重量平均分子量は32万であった(以下、同
様に分子量を測定した。)。該共重合体をテトラヒドロ
フランとメチルエチルケトンの等量混合溶媒に溶解さ
せ、固形分濃度0.5%の内層用の被覆液を調製した。
【0019】フローコーターに芯材料として体積平均粒
径約80μmのフェライトキャリア(“DFC−15
0”、同和鉄粉社製)を2kg入れて流動させながら、
まず上記で調製した内層の処方の溶液を80℃の加熱下
に散布し、温度80℃で1時間乾燥して内層の塗布を完
了した。内層の被覆膜厚は約0.5μmであった。次い
で、シリコーン樹脂(“KR311”、信越化学社製)
10部、トルエン150部からなる組成の外層被覆用の
液を調製した。内層を塗布したキャリアを再びコーター
に入れ、前記の外層用の処方の被覆溶液を同様にして散
布し、温度150℃で2時間乾燥してシリコーン膜の硬
化を行わせて、外層の塗布を完了し、樹脂被覆キャリア
を得た。内層および外層トータルの被覆膜厚は約1.0
μmであった。
【0020】一方、スチレンとn−ブチルアクリレート
との共重合樹脂100部、カーボンブラック5部、低分
子量ポリプロピレン2部、四級アンモニウム塩系帯電制
御剤(オリエント化学社製、商品名P−51)2部の混
練粉砕物から成る平均粒径10μmのトナー100部に
対し疎水性シリカ微粉末(テグサ社製、商品名R−97
2)0.1部を添加してヘンシェルミキサーで混合して
シリカ外添トナーを得た。該シリカ外添トナー4部と前
記樹脂被覆キャリア100部とを混合し現像剤を調製し
た。続いて有機光導電体を搭載した市販の複写機を用い
て、実写耐久試験をし、画像濃度の測定と、カブリの判
定及びトナー転写率の測定による評価をしたところ、終
始安定した鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。ま
たトナー転写効率も良好であった。
【0021】実施例2 内層被覆樹脂として塩化ビニリデン70モル%、メタク
リロニトリル25モル%、アクリル酸n−ブチル5モル
%から成る共重合体(分子量分布2000〜20万、重
量平均分子量2万)を用いて実施例1と同様に処理し
て、乾燥膜厚0.5μmの内層の塗布を完了した。続い
て外層被覆用樹脂液として、シリコーン樹脂(“ES1
001N”、信越化学社製)10部、トルエン150部
からなる組成の被覆液を用いた以外は、実施例1と同様
に処理して、内層および外層のトータルな被覆膜厚約
1.2μmの樹脂被覆キャリアを製造した。実施例1と
同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮明な、カ
ブリの少ない画像が得られた。またトナー転写率も良好
であった。
【0022】実施例3 内層被覆樹脂液として塩化ビニリデン55モル%、アク
リロニトリル20モル%、メタクリル酸メチル25モル
%から成る共重合体(分子量分布2000〜3000
万、重量平均分子量38万)をテトラヒドロフランとト
ルエンの等量混合溶媒に溶解させたものを用い、実施例
1と同様に処理して乾燥膜厚0.5μmの内層の塗布を
完了した。続いて外層被覆用樹脂液として、シリコーン
樹脂(“KR255”、信越化学社製)10部、キシレ
ン150部からなる組成の被覆液を用いた以外は、実施
例1と同様に処理して、内層および外層のトータルな被
覆膜厚約1.0μmの樹脂被覆キャリアを製造した。実
施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮
明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転写
率も良好であった。
【0023】実施例4 内層被覆樹脂として塩化ビニリデン50モル%、アクリ
ロニトリル15モル%、メタクリル酸メチル33モル
%、アクリル酸2モル%から成る共重合体(分子量分布
2000〜1500万、重量平均分子量75000)を
用い、実施例1と同様に処理して乾燥膜厚0.5μmの
内層の塗布を完了した。続いて外層を、実施例1と同様
の樹脂液を用いて処理し、内層および外層のトータルな
被覆膜厚約1.0μmの樹脂被覆キャリアを製造した。
実施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定した
鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転
写率も良好であった。
【0024】実施例5 内層被覆樹脂液として実施例1の共重合体2部と、ポリ
エステル樹脂(東洋紡製バイロン200)1部の混合物
を、テトラヒドロフラン/メチルエチルケトン=1/1
(Vol.)の混合溶媒に溶解させたものを用い、実施
例1と同様に処理して、乾燥膜厚0.9μmの内層の塗
布を完了した。続いて外層を実施例1と同様の樹脂液を
用いて処理し、内層および外層のトータルな被覆膜厚約
2.0μmの樹脂被覆キャリアを製造した。実施例1と
同様にして評価をしたところ、終始安定した鮮明な、カ
ブリの少ない画像が得られた。またトナー転写率も良好
であった。
【0025】実施例6 内層被覆樹脂液として実施例1の共重合体2部と、ポリ
カーボネート樹脂(三菱化成社、ノバレックス7022
A)1部との混合物をメチルエチルケトン/トルエン=
65/35(Vol.)の混合溶媒に溶解させたものを
用い、実施例1と同様に処理して、乾燥膜厚0.5μm
の内層の塗布を完了した。続いて外層を実施例1と同様
の樹脂液を用いて処理し、内層および外層のトータルな
被覆膜厚約1.0μmの樹脂被覆キャリアを製造した。
実施例1と同様にして評価をしたところ、終始安定した
鮮明な、カブリの少ない画像が得られた。またトナー転
写率も良好であった。
【0026】比較例1 樹脂を被覆していない球状フェライトをキャリアとして
用い、実施例1と同様にシリカ外添トナーとで現像剤を
調製し、実施例1と同様にして評価をしたところ、複写
を重ねるにつれて画像濃度が低下した。その上、初期か
らカブリが極めて多く、汚れた画像であった。また、ト
ナーの転写効率が悪く、多量の未転写トナーが回収され
た。 比較例2 市販のシリコン樹脂被覆キャリア(芯剤はフェライト)
を用いた他は比較例1と同様にして評価をしたところ、
画像濃度はほぼ良好であったが、カブリがややあり、若
干汚れた画像となった。また、未転写トナーの回収量が
若干多く、トナーの転写効率がやや悪かった。
【0027】
【発明の効果】本発明で使用する樹脂被覆キャリアは、
耐摩耗性にすぐれ、長期にわたってその帯電性が変動し
ない耐久性にもすぐれる。しかも、帯電安定性がすぐれ
ているために、極めてカブリの少ない鮮明な複写画像が
得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア芯材の表面に、少なくとも内
    層と外層を有する複層の樹脂コーティング層を設けてな
    る静電荷像現像用キャリアにおいて、前記内層が、塩化
    ビニリデンと、該塩化ビニリデンと共重合可能な不飽和
    二重結合を有する少なくとも1種の単量体との共重合体
    樹脂を含有し、前記外層がシリコーン系樹脂を含有して
    なることを特徴とする静電荷像現像像用キャリア。
  2. 【請求項2】 前記内層に含有される共重合体樹脂
    が、塩化ビニリデンとアクロニトリル誘導体との共重合
    体樹脂、又は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル誘導
    体及びこれらと共重合可能な不飽和二重結合を有する単
    量体の少なくとも1種との多元共重合体樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用キャリア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のキャリアと正帯電性ト
    ナーからなる現像剤。
JP3266460A 1991-10-15 1991-10-15 静電荷像現像用キヤリアおよび現像剤 Pending JPH05107818A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017134333A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 2成分現像剤

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